JPH05189917A - 光ディスクカートリッジ並びに光ディスク装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】従来ローティングの際に必要であった光学ヘッ
ドの窓部での上下動機構を不要とすることができる両面
記録再生対応の光ディスクカートリッジおよびアクセス
機構全体を振動対策上有利な剛体支持可能とし、高密度
の記録再生を実現する光ディスク装置を提供することを
目的とする。 【構成】カートリッジ本体４の光学ヘッドとしての光ピ
ックアップ８Ｂがアクセス時に移動する移動路に対応す
る部分かつアクセス用の窓部３Ｂと連通する状態に光ピ
ックアップ８Ｂとの干渉を防止する切欠部７を形成し
た。一方、これを使用する光ディスク装置６は、光ディ
スクカートリッジ１の挿脱時に、前記光ピックアップ８
Ｂが光ディスク面に記録再生可能な距離を保ったまま光
ディスクカートリッジ１と干渉しない延長線上に待避す
る構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、情報の記憶再生に利用
される両面アクセス対応の光ディスクカートリッジ並び
にこの光ディスクカートリッジを受入れて情報処理を行
う光ディスク装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】現在、情報記憶再生装置としての光ディ
スク装置に使用される光ディスクカートリッジには、１
３０mm（５インチ）と３００mm（１２インチ）の光ディ
スクを用いたものがあり、１３０mmの光ディスクカート
リッジは、既にＩＳＯ及びＪＩＳで規格化されている。

【０００３】この規格化された１３０mm用の光ディスク
カートリッジは、記録再生を行なうためのアクセス用の
窓部を両面に有したカートリッジ本体内に光ディスクを
収納したもので、前記窓部は、両面一体型のシャッタで
開閉される構成となっている。シャッタは、通常、スプ
リングの作用により閉じており、光ディスク装置内に挿
入されると開くような構造となっている。しかしなが
ら、この光ディスクカートリッジは、挿入方向端にある
アクセス用の窓部に隣接する前端枠部が完全状態で存在
したものとなっている。

【０００４】このため、従来の光ディスク装置にあって
は、光ディスクカートリッジを単に水平に取り込むだけ
では光学ヘッドと衝突してしまうため、これを避ける構
造となっている。

【０００５】すなわち、光ディスクカートリッジが所定
位置まで水平に取り込まれてシャッタが完全に開かれた
状態において、光ヘッドが下面の窓部に対向して待機し
た状態となっており、この後、光ディスクカートリッジ
を下降させてディスク駆動手段に光ディスクを装着させ
ると、光ヘッドが下面の窓部に介在して光ディスクの下
面に近接した状態となるようにしている。

【０００６】しかしながら、このような両面に記録再生
が出来る両面アクセス対応の光ディスクカートリッジで
あっても、光学ヘッドを片面側にしか備えていない光デ
ィスク装置では、片面しか情報処理が行なえず、反対側
に記録再生を行なおうとする場合、一度、光ディスク装
置から光ディスクカートリッジを取り出して光ディスク
を裏返し再度挿入する必要があり、操作性が悪いといっ
た問題が有る。そこで、近時、両面記録再生対応として
各面用に各々１個ずつ光学ヘッドを備えた両面アクセス
対応の光ディスク装置が開発され実用化されている。

【０００７】しかしながら、この様な両面アクセス対応
の光ディスク装置にあっては、光ディスクカートリッジ
を水平に取り込んで下降させるローデイング機構を用い
ることにより、下側の光学ヘッドは、光ディスクカート
リッジの下面の窓部に対向した位置にあれば干渉しない
が、上方の光学ヘッドは上面の窓部に対向した位置且つ
上方に退避した位置に移動させる必要があり、上側の光
学ヘッドを光ディスクカートリッジの窓部に対して挿脱
させる上下動機構が必要であった。

【０００８】また、ローティングの際に光ディスクカー
トリッジを上下動させない水平搬送のみで行おうとする
と、両方の光学ヘッドのアクセス機構を可動型とする必
要であった。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の光
ディスクカートリッジは、挿入方向端にあるアクセス用
の窓部に隣接する前端枠部が完全状態で存在したものと
なっている。このため、それを使用する両面アクセス対
応の光ディスク装置においては、少なくとも一方の光学
ヘッドのアクセス機構を可動型とする必要があった。こ
のため、装置の構成の複雑化、大型化、コスト高を招く
ばかりでなく、より高密度の記録再生を行なう上での障
害となるなどの問題があった。

【００１０】また、現在において、３００mmの光ディス
クカートリッジにおいても、ＩＳＯ及びＪＩＳで規格化
が進められており、既に規格化された１３０mm用の光デ
ィスクカートリッジと同様に、カートリッジ本体が、両
面一体型のシャッタで開閉される窓部を両面に有するも
のとなっている。このため、同様の問題があるととも
に、ましてや、３００mmという大きなサイズの光ディス
クカートリッジを取り扱う両面アクセス対応の光ディス
ク装置においては、光学ヘッドのアクセス機構は振動対
策上剛体支持が望ましい。

【００１１】本発明は、上記事情に基づきなされたもの
で、第１の目的とするところは、光ディスクの両面記録
再生対応として各面用に各々１個ずつ光学ヘッドを備え
た両面アクセス対応の光ディスク装置に使用するもの
で、情報処理を行うための窓部を両面に有するカートリ
ッジ本体内に前記光ディスクを収容してなる光ディスク
カートリッジにおいて、従来ローティングの際に必要で
あった光学ヘッドの窓部での上下動機構を不要とするこ
とができる光ディスクカートリッジを提供しようとする
ものである。

【００１２】第２の目的とするところは、上記光ディス
クカートリッジを使用することにより、アクセス機構全
体を振動対策上有利な剛体支持可能とし、高密度の記録
再生を実現する光ディスク装置を提供することを目的と
する。

【００１３】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決する光ディスクカートリッジとして、光ディスクの両
面記録再生対応として各面用に各々１個ずつ光学ヘッド
を備えた両面アクセス対応の光ディスク装置に使用する
もので、情報処理を行うための窓部を両面に有するカー
トリッジ本体内に前記光ディスクを収容してなる光ディ
スクカートリッジであって、前記カートリッジ本体の前
記光学ヘッドがアクセス時に移動する移動路に対応する
部分かつ前記窓部と連通する状態に光学ヘッドとの干渉
を防止する切欠部を形成したものである。

【００１４】また、上記課題を解決する光ディスク装置
として、情報処理を行うための窓部を両面に有するカー
トリッジ本体内に光ディスクを収容してなり、かつ前記
窓部と連通する状態に光学ヘッドとの干渉を防止する切
欠部を形成した光ディスクカートリッジを受入れて処理
する両面アクセス対応の光ディスク装置であって、前記
光ディスクを保持して回転駆動するディスク駆動手段
と、このディスク駆動手段が配設された側に位置して設
けられ前記窓部を介して光ディスクの一面に近接した状
態となるとともに光ディスクの一面に沿って移動するこ
とにより情報処理を行う第１の光学ヘッドと、前記ディ
スク駆動手段が配設された側とは反対側に位置して設け
られ前記窓部を介して光ディスクの他面に近接した状態
となるとともに光ディスクの他面に沿って移動すること
により情報処理を行う第２の光学ヘッドとを具備し、前
記光ディスクカートリッジの挿脱時に、前記第２の光学
ヘッドが光ディスク面に記録再生可能な距離を保ったま
ま光ディスクカートリッジと干渉しない延長線上に待避
する構成としたものである。

【００１５】

【作用】本発明の光ディスクカートリッジによれば、カ
ートリッジ本体の光学ヘッドがアクセス時に移動する移
動路に対応する部分かつ窓部と連通する状態に光学ヘッ
ドとの干渉を防止する切欠部を形成したから、光学ヘッ
ドが光ディスク面に記録再生可能な距離を保ったままで
ローティングが可能となる。従って、これを使用する両
面アクセス対応の光ディスク装置の従来ローティングの
際に必要であった光学ヘッドの窓部での上下動機構を不
要とすることが可能となる。

【００１６】また、本発明の光ディスク装置によれば、
窓部と連通する状態に光学ヘッドとの干渉を防止する切
欠部を形成した光ディスクカートリッジを受入れて処理
する両面アクセス対応の光ディスク装置であり、光ディ
スクカートリッジのローティング時に、光学ヘッドが光
ディスク面に記録再生可能な距離を保ったまま光ディス
クカートリッジと干渉しない延長線上に待避する構成と
したから、アクセス機構全体を振動対策上有利な剛体支
持可能とし、高密度の記録再生を実現することが可能と
なる。

【００１７】

【実施例】以下、本発明の光ディスクカートリッジ並び
に光ディスク装置の一実施例を図１および図２を参照し
て説明する。まず、図１を参照して光ディスクカートリ
ッジ１について説明する。図１はシャッタ２を開いた状
態を、斜め上から見た斜視図である。

【００１８】光ディスクカートリッジ１は、記録再生を
行なうためのアクセス用の窓部３Ａ，３Ｂをその両面に
有したカートリッジ本体４内に３００mm（１２インチ）
の光ディスク５を収納したもので、前記窓部３Ａ，３Ｂ
は、両面一体型のシャッタ２で開閉される構成となって
いる。図示の矢印Ｘは、光ディスクカートリッジ１の後
述する光ディスク装置６への挿入方向を示す。

【００１９】また、カートリッジ本体４の挿入方向端で
アクセス用の窓部３Ａ，３Ｂに隣接する状態に形成され
た前端枠部４Ａには、光ディスクカートリッジ１の指定
された一面（図１の状態で上面）側に前記窓部３Ｂと連
通する状態に切欠部７が形成されている。この切欠部７
は、前記窓部３Ｂの幅とほゞ同等の幅で、後述する第２
の光学ヘッドとしての光ピックアップ８Ｂと干渉しない
深さとなっている。次ぎに、図２を参照して上記光ディ
スクカートリッジ１を使用する両面アクセス対応の光デ
ィスク装置６について説明する。

【００２０】図中１０は、前面に光ディスクカートリッ
ジ１を挿脱するための挿脱口１１を有する装置本体であ
り、この装置本体１０内の略中央部には、ディスク駆動
手段としてのスピンドルモータ１２が配設されている。
このスピンドルモータ１２は、光ディスク５の回転中心
部に設けられた金属製のハブ部５Ａを磁気的に吸着保持
する磁力発生手段および光ディスク５の位置決め部を有
するターンテーブル１３と、このターンテーブル１３を
駆動するモータ１４とからなる。

【００２１】装置本体１０内には、前記挿脱口１１から
挿入された光ディスクカートリッジ１を取込んで光ディ
スク５を前記スピンドルモータ１２のターンテーブル１
３に装着したり、光ディスクカートリッジ１を前記挿脱
口１１に排出するとともに、搬送途上において前記シャ
ッタ２を開閉するシャッタ開閉機構を搭載した図示しな
いローディング機構が内蔵されている。

【００２２】さらに、装置本体１０内には、前記光ディ
スクカートリッジ１のアクセス用の窓部３Ａ，３Ｂを介
して光ディスク５の下面に近接する第１の光学ヘッドと
しての下側の光ピックアップ８Ａおよび光ディスク５の
上面に近接する第２の光学ヘッドとしての上側の光ピッ
クアップ８Ｂが配設されている。また、光ピックアップ
８Ａ，８Ｂは、それぞれのアクセス機構１５Ａ，１５Ｂ
を介して光ディスク５の半径方向に往復移動するように
なっている。なお、このアクセス機構１５Ａ，１５Ｂ、
ローディング機構および前記スピンドルモータ１２は公
知であるため詳細な説明は省略する。次ぎに、上記構成
の光ディスクカートリッジ１を両面アクセス対応の光デ
ィスク装置６に挿入して記録再生が行なえる状態になる
までの経緯を説明する。

【００２３】まず、光ディスクカートリッジ１をシャッ
タ２のある側を先頭に面方向指定、すなわち、切欠部７
が形成される面を上にして光ディスク装置の挿脱口１１
に矢印Ｘ方向に挿入する。

【００２４】挿脱口１１に挿入された光ディスクカート
リッジ１は、図示しないローティング機構により所定位
置まで水平に取り込まれる。このとき図示しないシヤッ
タ開閉機構により通常はスプリングの付勢力によって閉
じているシャッタ２が開いた状態になる。

【００２５】この時、下側の光ピックアップ８Ａは、光
ディスクカートリッジ１の下面の窓部３Ａ内に納まる位
置に待機しており、上側の光ピックアップ８Ｂは光ディ
スク５の上面に記録再生可能な距離を保ったまま、その
延長線上（図中実線位置）に待避している。この待避位
置はローティング動作時に光ディスクカートリッジ１と
上側の光ピックアップ８Ｂが干渉しない位置である。そ
して、所定位置まで取り込まれると光ディスクカートリ
ッジ１が下降し、光ディスク５がスピンドルモータ１２
のターンテーブル１３上にセットされる。

【００２６】このようにして、上側の光ピックアップ８
Ｂが待避位置にあり光ディスクカートリッジ１がスピン
ドルモータ１２のターンテーブル１３上にセットされた
段階で、指定している面が上面になるように正しく挿入
されているかどうかが検出される。

【００２７】この面方向検出手段は図示しないが、例え
ば光ディスクカートリッジ１のカートリッジ本体４に設
けた図示しない面情報となるホール（小孔）を光学セン
サによりチェックしたり、あるいは、下側の光ピックア
ップ８Ａにより光ディスク５に記録された面情報を読み
取って確認し、図示しない制御装置にその検出情報を入
力するようになっている。

【００２８】この結果、光ディスクカートリッジ１の上
下の挿入方向が間違っていると前記制御装置により判断
されると光ディスクカートリッジ１は光ディスク装置６
外に排出される。

【００２９】また、光ディスクカートリッジ１の挿入方
向が正しいと判断されると、上側の光ピックアップ８Ｂ
が待避位置から光ディスク５の上面の記録再生可能な位
置まで移動してくる。このとき、カートリッジ本体４の
前端枠部４Ａには切欠部７が形成されているため干渉す
ることなく光ピックアップ８Ｂが窓部３Ａに対向する位
置（図中二点鎖線位置）まで移動する。

【００３０】そして、光ディスク５が回転した状態にお
いて、下側の光ピックアップ８Ａおよび上側の光ピック
アップ８Ｂが半径方向に移動し、光ディスク５の両面に
対する情報の記録再生作業を行うことになる。このとき
光ディスク５の挿入方向は決まっているため、光ディス
ク５の回転方向は特に検知したり判断する必要はない。

【００３１】光ディスク５による情報の記録再生作業が
終了すると、まず、上側の光ピックアップ８Ｂが待避
し、この後、図示しないローティング機構により光ディ
スクカートリッジ１が上昇して光ディスク５がスピンド
ルモータ１２のターンテーブル１３から外れた状態とな
り、ついで、光ディスクカートリッジ１が挿脱口１１の
方向に水平搬送されて光ディスク装置６外に排出され
る。以下、本発明の他の実施例について説明する。図３
ないし図５は、光ディスクカートリッジ１のそれぞれ異
なる他の実施例を示す。

【００３２】図３に示すものは、前端枠部４Ａに上側の
光ピックアップ８Ｂと干渉しない最低限の部分だけ切り
取ったような形状の切欠部７０Ａを形成したものであ
り、図１に示す一実施例ものに比べ強度的に有利な構成
となっている。又、光ディスクカートリッジの挿入方向
が決まっていることから光ディスクの回転方向を検知・
判断する必要はなく、システム構成も簡略化される。

【００３３】図４に示すものは、前端枠部４Ａに下側の
光ピックアップ８Ａおよび上側の光ピックアップ８Ｂと
干渉しないように必要部分を全て切り取った切欠部７０
Ｂを形成したものであり、光ディスクカートリッジ１に
面方向性を持たせず表裏関係なく光ディスク装置６への
自由な挿入を可能としたものである。

【００３４】図５に示すものは、前端枠部４Ａに下側の
光ピックアップ８Ａおよび上側の光ピックアップ８Ｂと
干渉しないように薄い断面ながら梁２０を持った状態に
切欠部７０Ｃ，７０Ｄを両面側から形成したものであ
り、光ディスクカートリッジ１に面方向性を持たせず表
裏関係なく光ディスク装置６への自由な挿入を可能とし
たものであるとともに、図４に示す一実施例ものに比べ
強度的に有利な構成となっている。

【００３５】また、図６は、両面アクセス対応の光ディ
スク装置６の他の実施例を示すもので、第１の厚み寸法
ｔ₁ を有する光ディスク５を収容した光ディスクカート
リッジ１と、第１の厚み寸法ｔ₁ より厚い第２の厚み寸
法ｔ₂ を有する光ディスク５を収容した光ディスクカー
トリッジ１との両方を取扱うのに適したものとなってい
る。

【００３６】これは、図２を参照して前述した一実施例
のものとは、ディスク駆動手段としてのスピンドルモー
タ１２を装置本体１０内の天井側に設置して光ディスク
５の上面を位置決め基準面（厚さ基準面）とする点、お
よび、下側の光ピックアップ８Ａの対物レンズ３０を光
ディスク５の厚みに応じてフォーカス動作中心点に可変
できるようにした点が基本的に異なる。つぎに、この様
に構成された光ディスク装置６における記録再生までの
経緯を説明する。

【００３７】まず、光ディスクカートリッジ１をシャッ
タ２のある側を先頭に面方向指定、すなわち、切欠部７
が形成される面を下にして光ディスク装置の挿脱口１１
に矢印Ｘ方向に挿入する。

【００３８】挿脱口１１に挿入された光ディスクカート
リッジ１は、図示しないローティング機構により所定位
置まで水平に取り込まれる。このとき図示しないシヤッ
タ開閉機構により通常はスプリングの付勢力によって閉
じているシャッタ２が開いた状態になる。

【００３９】この時、上側の光ピックアップ８Ｂは、光
ディスクカートリッジ１の下面の窓部３Ａ内に納まる位
置に待機しており、下側の光ピックアップ８Ａは光ディ
スク５の上面に記録再生可能な距離を保ったまま、その
延長線上（図中実線位置）に待避している。この待避位
置はローティング動作時に光ディスクカートリッジ１と
下側の光ピックアップ８Ａが干渉しない位置である。

【００４０】そして、所定位置まで取り込まれると光デ
ィスクカートリッジ１が上昇し、光ディスク５がスピン
ドルモータ１２のターンテーブル１３の下面にセットさ
れる。

【００４１】このようにして、下側の光ピックアップ８
Ａが待避位置にあり、光ディスクカートリッジ１がスピ
ンドルモータ１２のターンテーブル１３の下面にセット
された段階で、指定している面が下面になるように正し
く挿入されているかどうかが前述の一実施例と同様にチ
ェックされる。すなわち、図示しない面情報となるホー
ル（小孔）を光学センサによりチェックしたり、あるい
は、上側の光ピックアップ８Ｂにより光ディスク５に記
録された面情報を読み取って確認する。この結果、光デ
ィスクカートリッジ１の上下の挿入方向が間違っている
と判断されると光ディスクカートリッジ１は光ディスク
装置６外に排出される。

【００４２】また、３００mm（１２インチ）用の両面光
ディスク５の基板厚に関しては規格が統一されておら
ず、使用する光ディスク５によって厚みが異なることか
ら、次の操作として挿入されている光ディスク５の厚み
を検知する必要がある。このため、光ディスクカートリ
ッジ１の挿入方向が正しいと判断されると光ディスク５
の厚みを検知する。

【００４３】この厚み検出手段は、図示しないが、例え
ばカートリッジ本体４に設けた光ディスクの基板厚み情
報を示すホールを光学センサによって読み取るか、ある
いは上側の光ヘッド８Ｂにより光ディスク５の上面に記
録されている光ディスク５の基板厚を示す情報を読み取
って確認し、図示しない制御装置にその検出情報を入力
するようになっている。この場合、光ディスク５の基板
厚は異なっても、スピンドルモータ１２に保持された光
ディスク５の上面と上側の光ピックアップ８Ｂとの距離
は一定であるため、光ピックアップ８Ｂを移動すること
無く確認は容易である。

【００４４】そして、光ディスク５の基板厚が規定値以
上であると判断されると、この光ディスク５を収容した
光ディスクカートリッジ１は装置外に排出される等の処
理を受ける。

【００４５】光ディスク５の基板厚が、この装置で取扱
い可能な規定値内のもの、例えば第１の厚み寸法ｔ₁ を
有するもの、あるいは第１の厚み寸法ｔ₁ より厚い第２
の厚み寸法ｔ₂ を有するものであると判定された場合に
は、下側の光ピックアップ８Ａの後述する対物レンズ駆
動コイルとしてのチルト制御コイル４０，４０へのバイ
アス印加が制御され対物レンズ３０の位置が光ディスク
５の厚みに応じたフォーカス動作中心点に調節される。

【００４６】すなわち、光ディスク５が厚みの薄いもの
（第１の厚み寸法ｔ₁ を有するもの）と前述のように判
定された場合には、図示しない制御装置からの信号によ
りチルト制御コイル４０，４０にバイアスが印加され
る。これにより、対物レンズ３０がハウジング３１とと
もに上昇し、対物レンズ３０の位置が予め光ディスク５
の厚みに応じたフォーカス動作中心点に調節されること
になる。

【００４７】また、光ディスク５が厚みの厚いもの（第
２の厚み寸法ｔ₂ を有するもの）と前述のように判定さ
れた場合には、図示しない制御装置からの信号によりチ
ルト制御コイル４０，４０にバイアスが印加されない。
これにより、対物レンズ３０はハウジング３１などは自
重で下降した状態となり。対物レンズ３０の位置が光デ
ィスク５の厚みに応じたフォーカス動作中心点に調節さ
れることになる。

【００４８】このように、対物レンズ３０の厚みに対応
する上下機構を下側の光ピックアップ８Ａに採用する理
由は、非使用時すなわちチルト制御コイル４０，４０の
非通電状態時において、対物レンズ３０が自重で光ディ
スク５から離れる方向に変位した状態となるため、構造
上、光ピックアップ８Ａの保護がし易いからである。

【００４９】対物レンズ３０の位置が光ディスク５の厚
みに応じたフォーカス動作中心点に調節された後、下側
の光ピックアップ８Ａが待避位置から光ディスク５の上
面の記録再生可能な位置まで移動してくる。このとき、
カートリッジ本体４の前端枠部４Ａには切欠部７が形成
されているため干渉することなく光ピックアップ８Ａが
窓部３Ｂに対向する位置（図中二点鎖線位置）まで移動
する。

【００５０】そして、光ディスク５が回転した状態にお
いて、下側の光ピックアップ８Ａおよび上側の光ピック
アップ８Ｂが半径方向に移動し、光ディスク５の両面に
対する情報の記録再生作業を行うことになる。このとき
光ディスク５の挿入方向は決まっているため、光ディス
ク５の回転方向は特に検知したり判断する必要はない。

【００５１】光ディスク５による情報の記録再生作業が
終了すると、まず、下側の光ピックアップ８Ａが待避
し、この後、図示しないローティング機構により光ディ
スクカートリッジ１が下降して光ディスク５がスピンド
ルモータ１２のターンテーブル１３から外れた状態とな
り、ついで、光ディスクカートリッジ１が挿脱口１１の
方向に水平搬送されて光ディスク装置６外に排出され
る。

【００５２】つぎに、図７〜図９を参照して、対物レン
ズ３０の位置が光ディスク５の厚みに応じたフォーカス
動作中心点に調節される機能を有する下側の光ピックア
ップ８Ａの構成について説明する。

【００５３】光ピックアップ８Ａは、半導体レーザ２５
から発せられコリメートレンズ２６、および立上げミラ
ー２７などの光学系を介して導かれたレーザビームＬの
平行ビームを光ディスク５に向かって結像させたり、光
ディスク５から反射されたレーザビームＬを再び平行ビ
ームに変換する対物レンズ３０を有している。

【００５４】対物レンズ３０は、レンズ保持体としての
レンズハウジング３１によって保持されており、このレ
ンズハウジング３１は、弾性支持部材である複数の線ば
ね３２を介してレンズ支持枠３３の立上り壁部３３Ａに
支持されており、光ディスク５のフォーカス制御方向
（Ｚ軸方向）、および光ディスク５のトラック制御方向
（Ｘ軸方向）に移動可能となっている。

【００５５】また、レンズハウジング３１の周囲には、
対物レンズ３０（ハウジング３１）をＺ軸方向に移動さ
せるための一対のフォーカス制御コイル３４，３４およ
び対物レンズ３０（ハウジング３１）をＸ軸方向に移動
させるための一対のトラック制御コイル３５，３５が配
置されている。

【００５６】前記フォーカス制御コイル３４，３４は、
中空コイルであって、前記レンズハウジング３１に密着
固定されている。また、前記トラック制御コイル３５，
３５は、フラット（偏平）コイルであって、前記フォー
カス制御コイル３４，３４の外側に位置されている。な
お、前記線ばね３２は、磁力の影響を受けない材質、例
えば、炭素繊維等によって形成されている。

【００５７】また、レンズ支持枠３３には、フォーカス
制御コイル３４，３４およびトラック制御コイル３５，
３５に向かって所望の方向の磁界を提供するためのマグ
ネット３６，３６、および、このマグネット３６、３６
を保持するためのヨーク３７，３７がそれぞれ配置され
ている。

【００５８】また、フォーカス制御コイル３４，３４の
下方には、チルト制御コイル４０，４０が設けられてお
り、対物レンズ３０と光ディスク５との距離を一定に維
持するために対物レンズ３０を光ディスク５の厚みに応
じてフォーカス動作中心点に可変すべくハウジング３１
とともに上下動させるようになっている。

【００５９】さらに、フォーカス制御コイル３４，３４
の下方には、チルト検出コイル４１，４１が配置されて
おり、対物レンズ３０（ハウジング３１）の上下位置を
検出するようになっている。

【００６０】また、上記のように構成された光ピックア
ップ８Ａは、上記光ディスク５で反射された上記レーザ
ビームＬを図示しない光検出装置へ導く光学素子群を有
するシャーシ４２上に固着されている。このシャーシ４
２は、前記アクセス機構１５Ａを構成する図示しないシ
ャーシ移動手段により、上記トラック制御方向、すなわ
ち光ディスク５の半径方向に関して移動するようになっ
ている。

【００６１】しかして、上記構成の下側の光ピックアッ
プ８Ａにあっては、チルト制御コイル４０，４０が設け
られており、対物レンズ３０をハウジング３１とともに
上下動させることができるようになっている。

【００６２】そして、光ディスク５が厚みの薄いもの
（第１の厚み寸法ｔ₁ を有するもの）と前述のように判
定された場合には、図示しない制御装置からの信号によ
りチルト制御コイル４０，４０にバイアスが印加され
る。これにより、対物レンズ３０がハウジング３１とと
もに上昇し、対物レンズ３０の位置が予め光ディスク５
の厚みに応じたフォーカス動作中心点に調節されること
になる。

【００６３】また、光ディスク５が厚みの厚いもの（第
２の厚み寸法ｔ₂ を有するもの）と前述のように判定さ
れた場合には、図示しない制御装置からの信号によりチ
ルト制御コイル４０，４０にバイアスが印加されない。
これにより、対物レンズ３０はハウジング３１などは自
重で下降した状態となり。対物レンズ３０の位置が光デ
ィスク５の厚みに応じたフォーカス動作中心点に調節さ
れることになる。

【００６４】したがって、厚みの異なる光ディスク５で
あっても、確実に両面の情報記録再生が行えることにな
る。なお、情報の記録再生動作そのものについては、本
発明に関係ないため説明は省略する。

【００６５】なお、上側の光ピックアップ８Ｂは、上述
した下側の光ピックアップ８Ａと同様な構成となってい
るが、従来のように光ディスク５の厚みに応じた移動機
能を有しないものであってもよい。なお、本発明は上記
実施例に限らず、要旨を変えない範囲で種々変形実施可
能なことは勿論である。

【００６６】

【発明の効果】本発明は、以上説明したようにしたか
ら、次のような効果を奏する。

【００６７】請求項１記載の光ディスクカートリッジに
よれば、カートリッジ本体の光学ヘッドがアクセス時に
移動する移動路に対応する部分かつ窓部と連通する状態
に光学ヘッドとの干渉を防止する切欠部を形成したか
ら、光学ヘッドが光ディスク面に記録再生可能な距離を
保ったままでローティングが可能となる。従って、これ
を使用する両面アクセス対応の光ディスク装置の従来ロ
ーティングの際に必要であった光学ヘッドの窓部での上
下動機構を不要とすることができる。

【００６８】また、請求項２および請求項３記載の光デ
ィスク装置によれば、窓部と連通する状態に光学ヘッド
との干渉を防止する切欠部を形成した光ディスクカート
リッジを受入れて処理する両面アクセス対応の光ディス
ク装置であり、光ディスクカートリッジのローティング
時に、光学ヘッドが光ディスク面に記録再生可能な距離
を保ったまま光ディスクカートリッジと干渉しない延長
線上に待避する構成としたから、アクセス機構全体を振
動対策上有利な剛体支持可能とし、高密度の記録再生を
実現することができる。

【００６９】また、請求項４記載の光ディスク装置によ
れば、請求項２および請求項３記載の光ディスク装置の
効果に加え、厚みの異なる少なくとも２種類の光ディス
クを選択的に収容してなる光ディスクカートリッジにも
確実に対応できる。

【００７０】また、請求項５記載の光ディスク装置によ
れば、光ディスクの厚みを検知して光学ヘッドを移動す
るようにしたから、光学ヘッドと光ディスクとの衝突等
に対する安全性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に関する光ディスクカートリ
ッジのシャッタを開いた状態を斜め上から見た斜視図。

【図２】図１の光ディスクカートリッジが挿入された状
態の本発明の光ディスク装置の一実施例を概略的に示す
断面図。

【図３】本発明の光ディスクカートリッジの第１の他の
実施例を示す斜視図。

【図４】本発明の光ディスクカートリッジの第２の他の
実施例を示す斜視図。

【図５】本発明の光ディスクカートリッジの第３の他の
実施例を示す斜視図。

【図６】本発明の光ディスク装置の他の実施例を概略的
に示す断面図。

【図７】図６に示す光ディスク装置の要部である光学ヘ
ッドの斜視図。

【図８】図７に示す光学ヘッドの平面図。

【図９】図７に示す光学ヘッドの一部断面正面図。

【符号の説明】

１…光ディスクカートリッジ、２…シャッタ、３Ａ，３
Ｂ…窓部、４…カートリッジ本体、４Ａ…前端枠部、５
…光ディスク、６…両面アクセス対応の光ディスク装
置、７，７０Ａ，７０Ｂ，７０Ｃ，７０Ｄ…切欠部、８
Ａ，８Ｂ…光ピックアップ（光学ヘッド）、１０…装置
本体、１１…挿脱口、１２…スピンドルモータ（ディス
ク駆動手段）、１５Ａ，１５Ｂ…アクセス機構、３０…
対物レンズ、３４…フォーカス制御コイル、３５…トラ
ック制御コイル、４０…チルト制御コイル（対物レンズ
駆動コイル）。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 征樹 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 東芝イン テリジェントテクノロジ株式会社内

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光ディスクの両面記録再生対応として各
   面用に各々１個ずつ光学ヘッドを備えた両面アクセス対
   応の光ディスク装置に使用するもので、情報処理を行う
   ための窓部を両面に有するカートリッジ本体内に前記光
   ディスクを収容してなる光ディスクカートリッジであっ
   て、 前記カートリッジ本体の前記光学ヘッドがアクセス時に
   移動する移動路に対応する部分かつ前記窓部と連通する
   状態に光学ヘッドとの干渉を防止する切欠部を形成した
   ことを特徴とする光ディスクカートリッジ。
2. 【請求項２】 情報処理を行うための窓部を両面に有す
   るカートリッジ本体内に光ディスクを収容してなり、か
   つ前記窓部と連通する状態に光学ヘッドとの干渉を防止
   する切欠部を形成した光ディスクカートリッジを受入れ
   て処理する両面アクセス対応の光ディスク装置であっ
   て、 前記光ディスクを保持して回転駆動するディスク駆動手
   段と、 このディスク駆動手段が配設された側に位置して設けら
   れ前記窓部を介して光ディスクの一面に近接した状態と
   なるとともに光ディスクの一面に沿って移動することに
   より情報処理を行う第１の光学ヘッドと、 前記ディスク駆動手段が配設された側とは反対側に位置
   して設けられ前記窓部を介して光ディスクの他面に近接
   した状態となるとともに光ディスクの他面に沿って移動
   することにより情報処理を行う第２の光学ヘッドと、を
   具備し、 前記光ディスクカートリッジの挿脱時に、前記第２の光
   学ヘッドが光ディスク面に記録再生可能な距離を保った
   まま光ディスクカートリッジと干渉しない延長線上に待
   避する構成としたことを特徴とする光ディスク装置。
3. 【請求項３】 情報処理を行うための窓部を両面に有す
   るカートリッジ本体内に光ディスクを収容してなり、か
   つ前記窓部と連通する状態に光学ヘッドとの干渉を防止
   する切欠部を形成した光ディスクカートリッジを受入れ
   て処理する両面アクセス対応の光ディスク装置であっ
   て、 前記光ディスクを保持して回転駆動するディスク駆動手
   段と、 このディスク駆動手段が配設された側に位置して設けら
   れ前記窓部を介して光ディスクの一面に近接した状態と
   なるとともに光ディスクの一面に沿って移動することに
   より情報処理を行う第１の光学ヘッドと、 前記ディスク駆動手段が配設された側とは反対側に位置
   して設けられ前記窓部を介して光ディスクの他面に近接
   した状態となるとともに光ディスクの他面に沿って移動
   することにより情報処理を行う第２の光学ヘッドと、を
   具備し、 前記光ディスクカートリッジの挿脱時に、前記ディスク
   駆動手段側の第１の光学ヘッドが前記窓部に、前記第２
   の光学ヘッドが光ディスク面に記録再生可能な距離を保
   ったまま光ディスクカートリッジと干渉しない延長線上
   に待避する構成としたことを特徴とする光ディスク装
   置。
4. 【請求項４】 情報処理を行うための窓部を両面に有す
   るカートリッジ本体内に厚みの異なる少なくとも２種類
   の光ディスクを選択的に収容してなり、かつ前記窓部と
   連通する状態に光学ヘッドとの干渉を防止する切欠部を
   形成した光ディスクカートリッジを受入れて処理する両
   面アクセス対応の光ディスク装置であって、 前記光ディスクカートリッジの上面側に位置して設けら
   れ光ディスクの上面を位置決め基準として保持して回転
   駆動するディスク駆動手段と、 このディスク駆動手段が配設された側とは反対側に位置
   して設けられ前記窓部を介して光ディスクの下面に近接
   した状態となるとともに光ディスクの下面に沿って移動
   することにより情報処理を行う第１の光学ヘッドと、 前記ディスク駆動手段が配設された側に位置して設けら
   れ前記窓部を介して光ディスクの上面に近接した状態と
   なるとともに光ディスクの上面に沿って移動することに
   より情報処理を行う第２の光学ヘッドと、 前記光ディスクの厚みを検出する手段と、を具備し、 前記第１の光学ヘッドは、対物レンズ駆動コイルに対し
   てバイアスを掛けることにより上面を基準として保持さ
   れた厚さの薄い光ディスクに対してフォーカス動作中心
   点まで対物レンズが移動する構成としたことを特徴とす
   る光ディスク装置。
5. 【請求項５】 情報処理を行うための窓部を両面に有す
   るカートリッジ本体内に厚みの異なる少なくとも２種類
   の光ディスクを選択的に収容してなり、かつ前記窓部と
   連通する状態に光学ヘッドとの干渉を防止する切欠部を
   形成した光ディスクカートリッジを受入れて処理する両
   面アクセス対応の光ディスク装置であって、 前記光ディスクカートリッジの光ディスクを保持して回
   転駆動するディスク駆動手段と、 このディスク駆動手段により保持された光ディスクの一
   面に前記窓部を介して近接した状態となるとともに光デ
   ィスクの一面に沿って移動することにより情報処理を行
   う第１の光学ヘッドと、 前記ディスク駆動手段により保持された光ディスクの他
   面に前記窓部を介して近接した状態となるとともに光デ
   ィスクの他面に沿って移動することにより情報処理を行
   う第２の光学ヘッドと、 前記光ディスクの厚みを検出する手段と、を具備し、 前記ディスク駆動手段が配設された側とは反対側に位置
   して設けられた光ヘッドは、光ディスクのディスク駆動
   手段に対する装着時に光ディスク面に記録再生可能な距
   離を保ったまま光ディスクカートリッジと干渉しない延
   長線上に待避しており、光ディスクの厚みを検知してか
   ら前記窓部に対向すべく移動する構成としたことを特徴
   とする光ディスク装置。