JPH0518914U - 自動車のウインドガラス固定構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウインドガラスの有効開口面積を拡大できる
自動車のウインドガラス固定構造を提供する。 【構成】 車体パネル８にウインド開口５を形成し、該
開口５のフランジ部８ａの周縁に固定段部８ｂを外方に
位置するよう形成し、ウインドガラス６の内面に固着さ
れた係止ピンを上記車体パネル８に係止させてウインド
ガラス６の位置決めを行うとともに、該ウインドガラス
６の周縁を上記固定段部８ｂに接着剤で固定することに
より自動車のウインドガラス固定構造を構成する。この
場合に上記フランジ部８ａの外面にスペーサ１２を配置
し、該スペーサ１２に上記ウインドガラス６の内面に固
着された係止ピン１３を係止させて該ウインドガラス６
の位置決めを行う。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、自動車の例えばフロントウインド等のガラス固定式ウインドにおい て、ウインド開口部にウインドガラスの周縁を固定するための構造に関し、特に ガラスの有効開口面積を大きくできるようにしたウインドガラスの位置決め構造 の改善に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のフロントウインド等の固定式ウインドとして、ウインド開口部にウイ ンドガラスの周縁を接着剤で固定した構造のものがある。このような構造として 、従来、例えば図４に示す構造がある。これは、ウインド開口２１を形成するフ ランジ部２２ａの周縁に固定段部２２ｂを形成し、該固定段部２２ｂの係止穴２ ２ｃにウインドガラス２３の内面に固着された係止ピン２４を係止させて該ウイ ンドガラス２３の位置決めを行うとともに、該ウインドガラス２３の周縁を接着 剤２５で上記固定段部２２ｂに固定した構造となっている。なお、２６は上記接 着剤が外方に流れ出るのを防止するためのダム部材、２７はガラス端末と車体パ ネルとの隙間を塞ぐモールである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで上述のようなウインドガラス固定構造を備えた固定式ウンドでは、ウ インドガラス２３における有効な開口面積は上記固定段部２２ｂ及びフランジ部 ２２ａの幅に相当する寸法ａの分だけ、つまり車体パネルとラップしている分だ け狭くなる。ところが上記従来の固定構造では、上記固定段部２２ｂに、ダム部 材２６，接着剤２５，及び固定ピン２４の配置スペースが必要であり、その分だ けこの固定段部２２ｂの幅、ひいては上記寸法ａが大きくなり、結果的にウイン ドガラス２３の有効開口面積が狭くなる問題があり、この点はデザイン上の制約 にもなっている。

【０００４】 本考案は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、ウインドガラスの有効 開口面積を拡大できる自動車のウインドガラス固定構造を提供することを目的と している。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、車体パネルにウインド開口を形成し、該開口のフランジ部の周縁に 固定段部を外方に位置するよう形成し、ウインドガラスの内面に固着された係止 ピンを上記車体パネルに係止させてウインドガラスの位置決めを行うとともに、 該ウインドガラスの周縁を上記固定段部に接着剤で固定するようにした自動車の ウインドガラス固定構造において、上記フランジ部の外面にスペーサを配置し、 該スペーサに上記ウインドガラスの内面に固着された係止ピンを係止させて該ウ インドガラスの位置決めを行うようにしたことを特徴としている。

【０００６】

【作用】

本考案に係る自動車のウインドガラス固定構造によれば、ウインド開口を形成 するフランジ部にスペーサを配置し、これに係止ピンを係止させるるようにした ので、係止ピンの配置スペースをフランジ部上に移動させた分だけ上記固定段部 の幅が狭くて済み、その結果上記寸法ａが小さくなり、ウインドガラスの有効開 口面積が大きくなる。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図について説明する。 図１ないし図３は本考案の一実施例による自動車のウインドガラス固定構造を 説明するための図であり、本実施例はフロントウインドに適用した例である。

【０００８】 図において、１は本実施例構造が採用された自動車のフロントウインドであり 、これはサイドパネル２，ルーフパネル３，及びフード４によってその周囲を囲 むように形成されたウインド開口５にウインドガラス６を接着固定して構成され ている。

【０００９】 上記ウインド開口５は、インナパネル７のフランジ部７ａとアウタパネル８の フランジ部８ａとを重ね合わせてスポット溶接により固定して形成されている。 また上記アウタパネル８のフランジ部８ａの周縁には、固定段部８ｂが外方に位 置するように形成されており、該固定段部８ｂの外面に接着剤９によって上記ウ インドガラス６の周縁が接着固定されている。また上記ウインドガラス６の外縁 にはダム部材１０が固着されており、該ダム部材１０によって上記接着剤９の外 方流出を防止している。なお１１は上記ウインドガラス６の端面と上記アウタパ ネル８の固定段部８ｂのを構成する外壁８ｃとの隙間を塞ぐためのモールである 。

【００１０】 そして上記ウインド開口５を構成する上記フランジ部８ａの外面には、所定ピ ッチごとにスペーサ１２が配置されている。このスペーサ１２は上記固定段部８ ｂの内壁８ｄと略同じ高さに設定された横断面略コ字状のもので、その内側辺１ ２ａが上記フランジ部８ａに接着剤等で固定されている。またこのスペーサ１２ の外側辺１２ｂには係止孔１２ｃが貫通形成されている。この係止孔１２ｃに係 止ピン１３の係止爪１３ａが嵌挿されて係止しており、該係止ピン１３のフラン ジ部１３ｂは上記ウインドガラス６の内面に接着剤等で固定されている。これに より固定段部８ｂからの高さ方向及びウインド開口５の面方向における上記ウン ドガラス６の位置決めがなされている。

【００１１】 次に本実施例の作用効果について説明する。 本実施例構造では、ウインド開口５を構成するアウタパネル８のフランジ部８ ａ部分にスペーサ１２を配置し、該スペーサ１２に係止ピン１３を係止させるこ とによってウインドガラス６の位置決めを行ったので、係止ピンを固定段部の係 止孔に係止させるようにした従来構造に比べて、この係止ピンの配置スペースだ け固定段部８ｂの幅が狭くて済む。従って固定段部８ｂが狭くなった分だけウイ ンドガラス６の有効開口面積が広くなり、またデザイン上の自由度も高くなる。

【００１２】 なお、上記実施例では、フロントウインドを例にとったが、本考案はバックウ インド等のウインドガラス固定式のウインドであれば何れにも適用できる。

【００１３】

【考案の効果】

以上のように本考案に係る自動車のウインドガラス固定構造によれば、ウイン ド開口を形成するフランジ部にスペーサを配置し、該スペーサにウンドガラスに 固定された係止ピンを係止させてウインドガラスの位置決めを行うようにしたの で、上記係止ピンの配置スペース分だけ固定段部の幅が狭くなり、その結果ウイ ンドガラスの有効開口面積を大きくできる効果があり、またデザイン上の自由度 を拡大できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例による自動車のウインドガラ
ス固定構造の分解斜視図である。

【図２】図３のII-II 線断面図である。

【図３】本実施例構造を備えたフロントインド部分の斜
視図である。

【図４】従来のウインドガラス固定構造の断面側面図で
ある。

【符号の説明】

１ 自動車 ５ ウインド開口 ６ ウインドガラス ８ａ フランジ部 ８ｂ 固定段部 ９ 接着剤 １２ スペーサ １３ 係止ピン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体パネルにウインド開口を形成し、該
   開口のフランジ部の周縁に固定段部を外方に位置するよ
   う形成し、ウインドガラスの内面に固着された係止ピン
   を上記車体パネルに係止させてウインドガラスの位置決
   めを行うとともに、該ウインドガラスの周縁を上記固定
   段部に接着剤で固定するようにした自動車のウインドガ
   ラス固定構造において、上記フランジ部の外面にスペー
   サを配置し、該スペーサに上記ウインドガラスの内面に
   固着された係止ピンを係止させて該ウインドガラスの位
   置決めを行うようにしたことを特徴とする自動車のウイ
   ンドガラス固定構造。