JPH05187864A - 表面顕微鏡及び顕微方法 - Google Patents

表面顕微鏡及び顕微方法

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JPH05187864A
JPH05187864A JP367692A JP367692A JPH05187864A JP H05187864 A JPH05187864 A JP H05187864A JP 367692 A JP367692 A JP 367692A JP 367692 A JP367692 A JP 367692A JP H05187864 A JPH05187864 A JP H05187864A
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敦 菊川
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肇 小柳
Shigeyuki Hosoki
茂行 細木
Takeshi Hasegawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】試料表面形状を観察し、同一上の漏洩磁場、電
界分布を高精度に観察、測定できる原子間力、磁気力、
静電力等を利用した表面顕微鏡を提供することにある。 【構成】斥力一定制御機能及び力の勾配計測機能を有
し、斥力一定モードで探針17が試料2を捉え、これを
基準として試料上空に探針を移動し、そこでの力の勾配
の変化を計測する機能3、4、5、18、19を有する
構成とした。 【効果】試料表面構造とその上空の漏洩磁気、電界分布
を高精度に計測することが出来、表面構造と3次元漏洩
磁気分布や電界分布との相関を計測することが出来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、探針と試料とを接近し
て発生する原子間力、磁気力およびトンネル電流を利用
する装置に係り、試料の表面形態と物性的性質、磁気的
性質、電気的性質等の情報を得るのに好適な原子間力顕
微鏡、磁気力顕微鏡およびその類似装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カンチレバーの先端に有する探針
と試料とに働く微小力(斥力あるいは引力)を一定に保
つ、即ち、カンチレバーの変位(撓み)をSTM用探針
で計測、サーボにより一定に保ちつつ、試料を走査、制
御して表面を観察する手法については、特開昭62−1
30302号において論じられている。また、探針を加
振して探針へ働く力の勾配を検出する方法はジャナル
オブ アプライド フィジィクス 第61巻 4723
ページから4729ページ(1987年)に述べられて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、各
々個別に、探針に働く力を一定になるように探針の位置
を制御することにより表面構造を観察すること、力の勾
配から試料上空の漏洩磁気や漏洩電界を計測することが
出来る。しかし、表面からどのような高さにこれらの漏
洩磁気や漏洩電界値があるのか、あるいは試料表面の構
造がどのようになっているからこのような漏洩磁気や漏
洩電界の分布が形成されているか予測出来ないという欠
点があった。即ち、表面構造と漏洩磁気あるいは漏洩電
界分布とを同時に計測することが非常に大きい課題であ
った。さらに、試料表面から高さ方向の微小力にたいし
ては測定出来たが、摩擦力、磁気力を考えると、水平方
向(面内方向)に対する微小力の測定が望ましく、この
水平方向の測定は不可能であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては少なくとも探針付きカンチレバー
を加振する手段、該カンチレバーの直流的変位を測定す
る手段、該カンチレバーの交流的変位を測定する手段を
設け、直流的変位より表面構造を、交流的変位より漏洩
磁気や漏洩電界分布を同時に測定できることにより解決
した。さらに、該カンチレバーを回転運動にして、水平
方向に振る手段、あるいは、光ビームの偏向量を2次元
ポジションセンサで検出する手段を有することにより、
上記の第2の課題を解決した。
【0005】
【作用】本発明の作用について以下に述べる。探針付き
カンチレバーを小振幅で加振し、探針を試料に接近する
と、斥力あるいは引力を受けカンチレバーが撓み、探針
の該変位をレーザ光を使用した位置検出手段等により計
測する。試料の表面構造は該カンチレバーの直流的変位
を測定し、探針に働く力が一定になるように、即ち、該
直流的変位が一定になるように、試料あるいは探針のZ
軸(試料に垂直の軸)の位置を制御することにより試料
の位置あるいは探針の位置の変化より3次元情報を得
る。これと同時に、交流的変位を該位置検出手段出力よ
り選択し、加振している周波数と同じ成分をとりだすこ
とにより、力の勾配を計測する。この勾配は試料の表面
近くの漏洩磁気や漏洩電界を計測することが出来る。さ
らに、試料上空の漏洩磁気や漏洩電界を計測する場合に
は、探針あるいは試料を2次元にX,Y走査する際に表
面情報を取り込む画素毎に探針あるいは試料のX,Y,
Z方向の動きを止めて、この表面から所望の高さあるい
は複数の高さに探針を移動し、その時の探針に作用する
力の勾配を測定する。これにより、表面構造と表面から
の3次元漏洩磁気分布あるいは漏洩電界分布を測定する
ことが出来る。尚、漏洩磁気分布測定のときは探針表面
を磁性材料で覆った探針あるいは磁性材料で形成した探
針を使用する。また、漏洩電界分布を測定するときは、
少なくとも探針表面を導電製材料で構成することが必要
である。原子間力、磁気力や静電気力を検出するため、
ここでは非接触、大面積変位検出方式、即ち、光てこ方
式、光干渉方式、静電容量方式、光臨界角方式等を採用
することにより実現できる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜5により説明
する。
【0007】図1は本発明の基本的な装置の構成を説明
する図である。図のように、探針17を備えたカンチレ
バー1を圧電素子15で支持し、探針が力を受けるとカ
ンチレバー1が撓み、振動変化を受ける構造を持ち、こ
れを光てこ方式検出器によりカンチレバー1の変位を検
出する機能を有す。光てこ方式の検出器はレーザ源3、
ポジションセンサー素子4及び検出回路5から構成され
る。該検出回路出力信号の低周波成分8のみサーボ制御
回路9に入力し、XYZ−スキャナ14のZ軸圧電素子
により、カンチレバー1の変位の低周波成分が一定にな
るよう制御する。これにより、試料表面構造(AFM
像)を観察することが出来る。一方、該検出回路出力信
号の圧電素子加振信号との同周波数成分7をロックイン
アンプ6で検出し、XY方向の探針位置に対して力の勾
配の変化を試料表面上で計測することが出来、漏洩磁気
分布、漏洩電界分布やポテンシャル分布を得て、表示装
置(図示してない)にて表示することができる。以下に
詳細の動作を述べる。
【0008】探針17付きカンチレバー1を小振幅で加
振し、探針17を試料2に接近すると、斥力あるいは引
力を受けカンチレバー1が撓み、上述のように探針17
の該変位をレーザ光(18:レーザ入射光、19:カン
チレバー1の裏面からの反射光)を使用した位置検出手
段等により計測する。試料2の表面構造は該カンチレバ
ー1の直流的(サーボ可能な低周波領域)変位を測定
し、探針17に働く力が一定になるように、即ち、該直
流的変位が一定になるように、試料2のZ軸(試料2に
垂直の軸)の位置を制御することにより試料2の位置あ
るいは探針17の位置の変化より3次元情報を得る。こ
れと同時に、交流的(圧電素子15加振周波数と同周波
数成分)変位を該位置検出回路5出力より選択検出し
て、力の勾配を計測する。この勾配は試料の表面近くの
漏洩磁気や漏洩電界を計測することが出来る。この時、
力の勾配を検出する方法に加振周波数をカンチレバー1
の共振点からわずかにずらし、探針17に作用する力が
変化した際に発生する振幅の変化するのを検出する方法
と、探針17に作用する力が加わることにより共振周波
数が変化し、この周波数の変化から力の勾配を検出する
方法がある。定量的には後者の方が直接的であり、後者
を使用することが望ましい。また、サーボ系の応答周波
数は加振周波数より低いことが必要である。即ち、サー
ボ系の応答周波数はほぼ5kHz以下であるので10k
Hz以上の加振周波数が必要である。尚、漏洩磁気分布
測定のときは探針表面を磁性材料で覆った探針17ある
いは磁性材料で形成した探針17を使用する。また、漏
洩電界分布を測定するときは、少なくとも探針表面を導
電性材料で構成することが必要である。原子間力、磁気
力や静電気力を検出するには、光てこ方式以外に、非接
触、大面積変位検出方式、即ち、光干渉方式、静電容量
方式、光臨界角方式等を採用することによっても実現で
きる。
【0009】図1のシステム構成は図2、図3の従来構
成を1つのシステム構成から実現することが出来ること
を示している。図2は表面構造を観察する場合の斥力一
定モードでの構成であり、図3は力の勾配一定制御によ
り任意の力勾配の等高線図を取得する場合である。図2
は図1の力の勾配の情報のみを得るためのロックインア
ンプ6を除いた構成になっている。しかし、探針は加振
を行っていても構わない。図3は一定の力の勾配での等
高線を得るシステムであり、交流的変位検出信号をロッ
クインアンプ6出力信号をサーボ制御系9に入力してX
YZ−スキャナ14のZ軸圧電素子を制御して、該圧電
素子の動きを表示装置12にて表示してこの等高線図を
得る。このシステム構成も図1から容易に変更すること
が出来る。
【0010】図2、図3は従来のシステム構成と等価で
あるが、これらの欠点は表面構造と漏洩磁気分布や漏洩
電界分布とが複合的にどのように結び付いているか明ら
かにすることが出来ないことであった。即ち、各々が独
立に観察されるのみであり、混在して分離出来なかっ
た。
【0011】そこで、本発明をさらに表面構造と3次元
漏洩磁場分布あるいは漏洩電界分布の複合計測への拡張
を行うことが出来る。まず、試料上空の漏洩磁気や漏洩
電界を計測する場合には、表面位置を求めることが必要
である。即ち、一定斥力モードで探針17あるいは試料
2を2次元にX,Y走査する際に表面情報を取り込み、
これと同時に、画素毎に探針17あるいは試料2のX,
Y,Z方向の動きを止めて、この表面から所望の高さあ
るいは複数の高さに探針17あるいは試料17を移動
し、その時の探針に作用する力の勾配を測定する。これ
を各画像毎に繰り返して行い、表面構造と表面からの3
次元漏洩磁気分布あるいは漏洩電界分布を測定すること
が出来る。図4は探針17の各画素での動きを示したも
のである。図4のは斥力一定モードで表面構造を捉え
た際の状態を示し、はXYZの動きをホールドし、こ
れに試料2あるいは探針17を任意の距離加算して動か
し、試料2と探針17の距離を離してそこでの力の勾配
を測定する。その後、さらに、の状態まで試料探針間
を縮め、そこでの力の勾配を測定する。この図では試料
上、2点の力勾配の測定を行っているが、正確なデータ
を得ようとするならば、多くの点を測定することが望ま
しい。測定順序は図のように遠くから徐々に近づいて
も、あるいは近くから遠ざかってもどちらも本発明の範
囲である。図は探針を斜め上方に移動しているが、まっ
すぐ上方でも構わない。図5には上記の方法を用いて3
次元漏洩磁場分布を計測する場合に適用したプログラム
の流れ図を示す。
【0012】まず、探針17を力一定サーボにより走査
開始位置まで移動する。その後、探針17を最初の測定
画素位置に移動し、表面の情報(X1,Y1,Z11)を読
み込む。そして、サーボをホールドして試料2上空に探
針17を移動する。この時、上記のZ11にΔZを加え
て、Zピエゾに上記に相当する電圧を印加することによ
り探針17移動を実行する。そこでの磁気力勾配を読み
込む。さらに、ΔZに2番目の値を入力して、別の位置
での磁気力勾配を読み取る。所望の場所での磁気力勾配
を計測し終えると、Zピエゾにもとの値Z11を入力す
る。同時に、力一定サーボを行うと探針17は元の試料
2表面に戻り、わずかの待ち時間を経て次の画素に移動
して上記のような測定を繰り返す。これをX軸について
行い、1ラインのデータを取終えると、Y軸を1ステッ
プ移動し、また、X軸についてデータを取得する。これ
らの動きをY軸についても行い、すべてのデータを取得
する。図6に図4に対応した表面構造図(AFM像)、
磁気力勾配分布を示す。この例は試料に光磁気ディスク
表面を用い、観察した場合であり、きれいに表面構造と
漏洩磁気分布を捉えることが出来た。
【0013】図7に、図4を実現するためのサーボ制御
回路9の1具体例を示す。図7において、サーボ制御回
路9は位置誤差信号20をPI(比例積分あるいは微分
が加わることもある)制御回路30、ホールド回路3
1、パワーアンプ32を通して位置誤差信号20がゼロ
と成るように探針17あるいは試料2を制御する。ここ
では特にホールド回路31とパワーアンプ32との間に
加算回路27を設け、XYZホールド時にV1、V2電圧
をシーケンシャルに印加出来るようにとしている。図8
に図7で加算回路27に加算する信号V3のタイムチャ
ートを示す。ホールド回路31では、サンプルホールド
回路あるいはADC(アナログ、ディジタル変換器)−
DAC(ディジタル、アナログ変換器)結合回路により
行うことが一般的であり、これにサーボ/ホールドを制
御する信号V4を入力して、表面構造の計測と、漏洩磁
気分布の計測とを分離する。即ち、前者はサーボ時に、
後者はホールド時に行う。V4がサーボ時は探針17が
XY走査での画素間を移動し、斥力一定と成るように探
針17あるいは試料2を制御して、表面構造情報を得
る。V4がホールド時にはV3がゼロと成っていたのをV
1,V2と逐次変化させ、探針17を試料2上から徐々に
近づける。探針17の動きは図4のごとくとなる。この
時のV1,V2はポテンショメータ21、22で設定し、
スイッチ23、24及び遅延回路25でV3のような出
力電圧を発生する。尚、V4がホールド信号を発生した
のと同期してタイミング信号V526が上記のスイッチ
回路23、24を起動させ、これらを実現する。また、
図中のT1の期間中に探針17は次の測定画素にサーボ
制御しながら移動する。以上述べた方法はアナログ回路
での1具体例であるが、計算機制御することにより上記
のシーケンスが実現出来、これも本発明の範囲である。
【0014】さらに、表面の元素分析も従来技術である
トンネル電流を用いた分光分析(STS)を図4のと
の間に入れることにより微小部の元素分析を可能に
し、さらに、高精度な複合計測が可能になる。この時、
探針17は磁性材を有し、さらに、その表面を導電性材
料で覆うことが必要である。また、本具体例を真空中で
動作することにより、水分の影響を受けることなく、さ
らに、共振特性も改善され、高精度な測定が可能にな
る。これらも本発明の範囲である。また、カンチレバー
に関しても、光てこなどを使用しないで探針の変位が検
出できる変位検出型カンチレバーを使用しても本発明は
実現できる。とくに、カンチレバー表面に圧電素子、圧
電抵抗素子、歪ゲージ素子、半導体歪抵抗素子などが半
導体プロセスによって形成されている。これらを用いる
と更に高性能化が実現できる。
【0015】図9は磁性探針17にコイル40を巻き、
より精度の高い磁場分布を測定する具体例である。コイ
ル40に電流を双方向に流して探針17の先端の磁極を
S極、N極に変化させながら各々の磁極の時の磁気力を
計測する。得られたデータを基に双方のデータを差引き
して磁気力以外の微小力を除き、真の磁気力あるいは磁
気力勾配分布を測定する。電流源あるいは電圧源は4
1、42で示し、切り換えスィッチ43によりコイル4
0への電流を切り換える。データの測定法は各画素毎に
磁気力や磁気力勾配を測定しても構わない。データ取得
のタイミングとしては図1のように表面の磁場分布を測
定する際は、各画素毎に探針17位置をホールドして外
部制御信号(計算機で制御するのが望ましい)44で切
り換えて行い走査エリア全面を走査した後、表面形状、
S極、N極それぞれの磁気情報を得る。図10は種々の
電流で探針の磁場強度を変えた場合の磁気情報を取得す
る場合の具体例であり、図9と同様に可変電流源45を
外部信号で制御して各々の場合の磁気分布を計測する。
この場合、任意の位置で各種の磁界強度での磁気分布等
を計測することができる。方法としては、図8のように
する。この時、探針位置を移動するのではなく、磁場強
度を変化させて計測する。
【0016】図11は探針17に導電材料47をコーテ
ィングして、電界分布あるいは電界の勾配分布を計測す
る方法を実現するための探針部分の電気的構成を示して
いる。この構成は図10と同様に探針表面に試料にたい
して任意の電圧を印加して、電界分布を図るものであ
る。像としては、電界分布、電界の勾配分布を計ること
ができ、試料表面で、あるいは試料上任意の位置で計測
できる。方法は上記のように磁場強度の代わりに電圧を
変えて計測する。
【0017】図12は探針が磁性体48、あるいは表面
のみ磁性体48で覆われ、これに導電性材料47をコー
ティングした場合の磁気情報、電場情報を同時に計測す
る方法を示す。この場合、探針に切り換えスィッチ43
で電源49より電位を与えたり、与えなかったりするこ
とによりこれを実行することができる。電位を与える
と、静電気力が、磁気力よりも強くなり電界強度分布あ
るいは電界の勾配分布を測定できる。また、同電位に外
部信号44より制御すると、磁気力が強くなり、磁気情
報を計測できる。これらの動作を、各画素と試料表面あ
るいは任意の場所で計測することにより、表面、あるい
は表面上3次元空間分布を計測することができる。
【0018】図13は探針17を試料2表面と平行に振
動させて、磁気分布、電界分布を測定する具体例を示
す。この場合、レーザビーム反射光19を検出するポジ
ションセンサダイオード50は2次元用のものを使う必
要がある。探針17振動の軌跡51に対応して52のよ
うなレーザビーム反射光19の軌跡が起こる。一方、5
3は試料表面にたいして垂直な力が働いたときの軌跡で
あり、2次元センサー50によりこれを分離計測するこ
とができる。探針の振動方向はカンチレバー1を支持し
ている母材56の端面に平行な方向であり、探針17の
X軸走査方向もこの方向が望ましい。尚、51のような
振動軌跡を与える手段として母材をピエゾ素子により回
転運動をさせることにより実現できる。この運動と、図
1の運動とを繰り返して行うことや合成して行うことに
より、垂直方向、水平方向の磁気力、電気力の勾配分布
を計測できる。また、振動を止め、2次元センサー50
の直流的な変化だけで磁気力、電気力をも測定すること
ができる。更に、これらの計測に、図8で示したような
探針制御を含めることで、高度な磁気、電界分布を得る
ことができる。図14は表面に平行な磁気情報を得る場
合の探針構造を示している。探針56の上に磁性体54
を蒸着して、55のような磁化状態に先端をすると表面
上の磁化状態が計測できる。この時、磁化方向は探針の
軌跡51と平行が望ましい。
【0019】尚、本具体例では試料表面構造の観察と任
意の高さでの磁気力、静電力の勾配として計測した例を
示したが、これらのデータを基に無限遠から積分するこ
とにより、真の漏洩磁場分布や漏洩電界分布を求めるこ
とが出来る。また、試料表面からの漏洩磁気や電界の減
衰特性を求めることが出来る。このように本具体例で示
したデータを基に種々なデータ表現があるが、これらも
本発明を逸脱するものではない。本実施例では、断片的
な例を示しているが、上記に示した具体例のどの組み合
わせも本発明の範囲である。更に、これらの制御は計算
機を使用すると極めて便利である。
【0020】
【発明の効果】本発明を用いれば、従来技術で不可能な
試料表面構造とその上空の漏洩磁気、電界分布を複合計
測することが出来、試料上に形成されたグレインと漏洩
磁気、電界との関係が明らかと成る。さらに、これに、
トンネル分光法を複合化すれば、表面組成とこれらの関
係が明らかと成り、微細な磁気分布等の形成究明に極め
て有効となる。また、従来の力勾配一定制御技術では試
料表面からの漏洩磁気、電界分布が極めて不明瞭であっ
たが、本発明により、定量的に計測することが可能と成
った。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を光てこ方式の原子間力、磁気力、静電
力顕微鏡に適用し、表面構造情報と表面の漏洩磁気分布
や漏洩電界分布を複合計測するための構成図。
【図2】図1を一定斥力モードで動作した場合の具体的
構成図。
【図3】図1を一定力の勾配モードで動作した場合の具
体的構成図。
【図4】本発明をさらに表面構造と3次元漏洩磁場分布
あるいは漏洩電界分布の複合計測への拡張した場合の具
体的構成図。
【図5】3次元磁場計測のためのフローチャート図。
【図6】光磁気に応用した結果の分布図。
【図7】図4を実現するためのサーボ制御回路9のブロ
ック図。
【図8】図7の動作を説明するためのタイムチャート
図。
【図9】探針の磁化方向を変えて、磁気分布を計測する
ための構成図。
【図10】探針の磁気を変えて計測する構成図。
【図11】探針の電荷を変えて静電力分布を測定する構
成図。
【図12】静電力、磁気力分布を同時計測するための構
成図。
【図13】試料表面に平行な磁気分布、静電分布を計測
する構成図。
【図14】試料表面に平行な磁気分布を計測するための
探針構造の構成図。
【符号の説明】
1…カンチレバー、2…試料、3…レーザ源、4…ポシ
ションセンサー(PSD)(2分割光ダイオードでも可
能)、5…変位検出回路、6…ロックインアンプ(Lock
in Amp.)、7…加振成分と同周波数の変位検出信号、
8…直流成分から低周波成分の変位検出信号、9…サー
ボ制御回路(servo control)、10、10’…Z軸圧
電素子駆動信号、11…力の勾配信号、12…表示装
置、13…XY走査制御回路、14…XYZ−スキャ
ナ、15…加振(励振)用圧電素子、16…励振波形発
生回路、17…探針、18…光てこ用入射光(レーザ
光)、19…カンチレバー裏面からの反射光(レーザ
光)、20…位置誤差(斥力誤差)信号、21、22…
ポテンショメータ、23、24…スイッチ、25…遅延
回路、26…タイミング信号、27…加算回路、30…
PI制御回路、31…ホールド回路、32…パワーアン
プ、40…コイル、41、42、49…電流、電圧源、
43…切り換えスィッチ、44…外部信号、45、46
…可変電流、電圧源、47…導電材、48…磁性材探
針、50…2次元ポジションセンサ、51…探針軌跡、
52、53…光ビーム軌跡、54…探針材、56…磁性
材、55…磁化の向き。
フロントページの続き (72)発明者 小柳 肇 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 細木 茂行 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 長谷川 剛 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】探針を試料に近づけ、該探針に働く微小力
    を一定に保ちつつ表面情報を得たり、あるいは微小力の
    変化で表面情報を得る表面顕微鏡において、斥力、引力
    の検出手段、及び微小力の変化量(勾配)を検出する手
    段を有することを特徴とした表面顕微鏡。
  2. 【請求項2】請求項1記載の顕微鏡において、探針付き
    カンチレバーを小振幅で加振する手段と、カンチレバー
    の変位の直流的成分(直流成分から低周波成分までを指
    す)と交流成分(加振周波数と同一周波数成分)とを検
    出する手段を有することを特徴とした表面顕微鏡。
  3. 【請求項3】請求項1記載の顕微鏡において、探針付き
    カンチレバーを小振幅で加振する手段あるいは試料を振
    動させる手段を有することを特徴とした表面顕微鏡。
  4. 【請求項4】請求項1記載の顕微鏡において、原子間
    力、磁気力あるいは静電力を計測したい任意のX,Y位
    置で微小力の変化量を検出する手段を設けたことを特徴
    とした表面顕微鏡。
  5. 【請求項5】請求項1から4記載の顕微鏡において、微
    小力検出手段が光てこ方式、あるいは光干渉方式、静電
    容量方式、光臨界角方式のどれかを用いることを特徴と
    する表面顕微鏡。
  6. 【請求項6】請求項1から5記載の表面顕微鏡におい
    て、少なくとも探針先端を磁性体で形成することを特徴
    とする表面顕微鏡。
  7. 【請求項7】請求項1から6記載の表面顕微鏡におい
    て、少なくとも探針先端を導電体で覆った探針を使用す
    ることを特徴とする表面顕微鏡。
  8. 【請求項8】請求項1から7記載の表面顕微鏡におい
    て、カンチレバーの変位の直流成分を用いて試料表面形
    状を計測し、これを基準として表面から任意の高さでの
    力の傾きを交流成分の変化から計測することを特徴とす
    る表面顕微鏡。
  9. 【請求項9】請求項1から8記載の表面顕微鏡におい
    て、カンチレバー表面に変位検出素子を設けたカンチレ
    バーを使用したことを特徴とする表面顕微鏡。
  10. 【請求項10】請求項1〜9記載の表面顕微鏡におい
    て、各測定点毎に探針を3次元的にホールドする機能、
    ホールド中に探針を試料から任意の1点あるいは複数点
    遠ざけ、該探針に働く微小力あるいはその勾配を計測す
    る機能を有し、試料表面の漏洩磁場分布、電界分布、ポ
    テンシャル分布を計測することを特徴とした表面顕微
    鏡。
  11. 【請求項11】請求項10記載の表面顕微鏡において、
    試料表面の漏洩磁場分布、電界分布、ポテンシャル分布
    を2次元分布表示することを特徴とする表面顕微鏡及び
    類似装置。
  12. 【請求項12】請求項10記載の表面顕微鏡において、
    試料表面の漏洩磁場分布、電界分布、ポテンシャル分布
    を3次元分布表示することを特徴とする表面顕微鏡。
  13. 【請求項13】請求項10記載の表面顕微鏡において、
    試料表面の漏洩磁場分布、電界分布、ポテンシャル分布
    を3次元分布データを元にして、試料から高さ方向にど
    のように漏洩磁場分布、電界分布、ポテンシャル分布し
    ているか表示することを特徴とする表面顕微鏡及び類似
    装置。
  14. 【請求項14】請求項1から13記載の表面顕微鏡にお
    いて、少なくと探針及び試料を真空中に設置して動作さ
    せることを特徴とする表面顕微鏡及び類似装置。
  15. 【請求項15】請求項1から14記載の表面顕微鏡にお
    いて、トンネル電流を用いてトンネル分光機能を有し、
    試料表面の組成分析機能を併せ持つことを特徴とする表
    面顕微鏡及び類似装置。
  16. 【請求項16】請求項1から15記載の表面顕微鏡にお
    いて静電力と磁気力の切り換え手段を有することを特徴
    とする表面顕微鏡及び類似装置。
  17. 【請求項17】探針を試料に近づけ、該探針に働く微小
    力を一定に保ちつつ表面情報を得たり、あるいは微小力
    の変化で表面情報を得る表面顕微鏡において、探針の磁
    化方向を変えて表面に垂直な成分、表面に水平な成分の
    原子間力、磁気力、静電力を測定できる手段を持つこと
    を特徴とする表面顕微鏡。
  18. 【請求項18】斥力モードで探針あるいは試料走査し、
    上記試料の表面情報を取り込みながら、画素毎に上記探
    針あるいは上記試料の動きを実質的に止め、上記試料表
    面から所望の高さあるいは複数の高さに上記探針あるい
    は上記試料を移動し、その時の上記探針に作用する力の
    勾配を測定し、これを各画像毎に繰り返して行い、表面
    構造と表面からの力の勾配分布を測定することを特徴と
    する表面顕微方法。
  19. 【請求項19】請求項18記載の表面顕微方法におい
    て、上記力の勾配分布として、漏洩磁場分布を測定する
    ことを特徴とする表面顕微方法。
  20. 【請求項20】請求項19記載の表面顕微方法におい
    て、上記力の勾配分布として、漏洩電界分布を測定する
    ことを特徴とする表面顕微方法。
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