JPH05186837A - 連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法 - Google Patents
連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法Info
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- JPH05186837A JPH05186837A JP328292A JP328292A JPH05186837A JP H05186837 A JPH05186837 A JP H05186837A JP 328292 A JP328292 A JP 328292A JP 328292 A JP328292 A JP 328292A JP H05186837 A JPH05186837 A JP H05186837A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 蛇行防止に有効な比較的大きなハースロール
クラウンを採用しても、効果的にヒートバックル防止が
図れる連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル
防止方法を提供する。 【構成】 ストリップSのハースロールRとの接触開始
位置手前の下記式に示す位置に、ストリップSをハース
ロールRに押し付けるための1本以上の支持ロール2を
設けてヒートバックル発生限界張力を付与する。 0.7Ws<Ls≦ 5Ws 但し、Ws:ストリップの幅(mm) Ls:ハースロールの接触開始位置から支持ロールまでの
距離(mm)
クラウンを採用しても、効果的にヒートバックル防止が
図れる連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル
防止方法を提供する。 【構成】 ストリップSのハースロールRとの接触開始
位置手前の下記式に示す位置に、ストリップSをハース
ロールRに押し付けるための1本以上の支持ロール2を
設けてヒートバックル発生限界張力を付与する。 0.7Ws<Ls≦ 5Ws 但し、Ws:ストリップの幅(mm) Ls:ハースロールの接触開始位置から支持ロールまでの
距離(mm)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続焼鈍炉におけるス
トリップのヒートバックル防止方法に関し、詳細には、
鋼等のストリップをハースロールにより連続走行させな
がら焼鈍する際に、ストリップに発生するヒートバック
ル(塑性変形によるシワ疵)あるいはヒートバックルに
起因する形状不良を防止する方法に関するものである。
トリップのヒートバックル防止方法に関し、詳細には、
鋼等のストリップをハースロールにより連続走行させな
がら焼鈍する際に、ストリップに発生するヒートバック
ル(塑性変形によるシワ疵)あるいはヒートバックルに
起因する形状不良を防止する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ストリップの連続焼鈍炉では、通常、炉
内の上下に多数のハースロールを配置し、長尺のストリ
ップをこれら上下のハースロール間で折り返し走行させ
ながら前方に送り焼鈍がなされる。
内の上下に多数のハースロールを配置し、長尺のストリ
ップをこれら上下のハースロール間で折り返し走行させ
ながら前方に送り焼鈍がなされる。
【0003】前記ハースロールには、ストリップの蛇行
を抑制する目的で、図5に示すように、平行部RSとその
左右に形成されたテーパ部RTとによりクラウンRCが付与
されている。
を抑制する目的で、図5に示すように、平行部RSとその
左右に形成されたテーパ部RTとによりクラウンRCが付与
されている。
【0004】このようなクラウンRCが付与されたハース
ロールRにストリップSを巻付けて張力を付与すると、
ストリップSに幅方向の張力分布が発生するとともに、
ハースロールクラウンRCに起因した幅寄せ力がストリッ
プSに作用する。
ロールRにストリップSを巻付けて張力を付与すると、
ストリップSに幅方向の張力分布が発生するとともに、
ハースロールクラウンRCに起因した幅寄せ力がストリッ
プSに作用する。
【0005】また、ストリップSがハースロールRに馴
染む際、テーパ部RTのストリップSは張力の作用により
ストリップの幅方向中心に向かって曲げられる。
染む際、テーパ部RTのストリップSは張力の作用により
ストリップの幅方向中心に向かって曲げられる。
【0006】上述したこれら作用により、ハースロール
Rとの接触開始点手前でストリップSに縦皺Fが発生
し、この縦皺FがハースロールRに乗り上げてつぶされ
ると、所謂ヒートバックルBと呼ばれる疵が発生するこ
とになる(図6参照)。また、ヒートバックルに到らな
くとも形状不良を誘発する場合が多々ある。
Rとの接触開始点手前でストリップSに縦皺Fが発生
し、この縦皺FがハースロールRに乗り上げてつぶされ
ると、所謂ヒートバックルBと呼ばれる疵が発生するこ
とになる(図6参照)。また、ヒートバックルに到らな
くとも形状不良を誘発する場合が多々ある。
【0007】このヒートバックルBは、最近超深絞り加
工用薄鋼板として脚光を浴びているIF(Interstitial
Free )鋼薄鋼板のような軟質な薄広幅材ほど発生し易
い。このようなストリップSに対しては、なるべく小さ
なクラウンRCを有するハースロールRの使用が望まれる
ところであるが、クラウンRCが小さいと、上述したスト
リップSに作用する幅寄せ力も小さくなるため、ストリ
ップSの蛇行が生じ易くなり、通板速度が上げられない
ばかりでなく、蛇行したストリップSが炉壁に接触して
破断する事態に到ることも起こる。
工用薄鋼板として脚光を浴びているIF(Interstitial
Free )鋼薄鋼板のような軟質な薄広幅材ほど発生し易
い。このようなストリップSに対しては、なるべく小さ
なクラウンRCを有するハースロールRの使用が望まれる
ところであるが、クラウンRCが小さいと、上述したスト
リップSに作用する幅寄せ力も小さくなるため、ストリ
ップSの蛇行が生じ易くなり、通板速度が上げられない
ばかりでなく、蛇行したストリップSが炉壁に接触して
破断する事態に到ることも起こる。
【0008】特に、当初付与したクラウンRCが小さ過ぎ
ると、ハースロールRとストリップSとの温度差による
サーマルクラウンがハースロールクラウンRCに重畳する
ため、ロール温度よりもストリップ温度の方が低い加熱
帯では、中高(凸)であったクラウンが凹クラウンとな
り(図7乃至図8参照)、著しいストリップ蛇行を生じ
ることになる。なお、図7乃至図8に示すものは、実験
的に調査したサーマルクラウンの例である。
ると、ハースロールRとストリップSとの温度差による
サーマルクラウンがハースロールクラウンRCに重畳する
ため、ロール温度よりもストリップ温度の方が低い加熱
帯では、中高(凸)であったクラウンが凹クラウンとな
り(図7乃至図8参照)、著しいストリップ蛇行を生じ
ることになる。なお、図7乃至図8に示すものは、実験
的に調査したサーマルクラウンの例である。
【0009】ハースロールRのクラウン量は、ストリッ
プSの寸法(幅,厚さ)、材質、焼鈍条件が限定されて
いれば、ヒートバックルと蛇行の防止を目的として、あ
る程度適正化が可能であるが、現実にはストリップSの
寸法、材質、焼鈍条件は、非常にバラエティに富んでお
り、クラウン量の適正化のみでヒートバックルと蛇行の
防止を完全に図ることは困難である。
プSの寸法(幅,厚さ)、材質、焼鈍条件が限定されて
いれば、ヒートバックルと蛇行の防止を目的として、あ
る程度適正化が可能であるが、現実にはストリップSの
寸法、材質、焼鈍条件は、非常にバラエティに富んでお
り、クラウン量の適正化のみでヒートバックルと蛇行の
防止を完全に図ることは困難である。
【0010】このヒートバックルの発生を防止する方法
として、これまで、クラウン量可変なハースロールを用
いる方法(特開昭57−177930号公報、特開平 3−2332号
公報)、ハースロールの中央部や端部を加熱あるいは冷
却してサーマルクラウンをコントロールする方法(特開
昭62−253734号公報、特開昭59− 76830号公報)などが
開示されている。
として、これまで、クラウン量可変なハースロールを用
いる方法(特開昭57−177930号公報、特開平 3−2332号
公報)、ハースロールの中央部や端部を加熱あるいは冷
却してサーマルクラウンをコントロールする方法(特開
昭62−253734号公報、特開昭59− 76830号公報)などが
開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来
技術は、いずれもヒートバックル防止を目的としてハー
スロールクラウンを適切な小さな値に維持することを狙
ったものであるが、蛇行発生の問題のために、ヒートバ
ックル防止に有効な充分に小さいレベルまでハースロー
ルクラウンを低減できないという問題があった。
技術は、いずれもヒートバックル防止を目的としてハー
スロールクラウンを適切な小さな値に維持することを狙
ったものであるが、蛇行発生の問題のために、ヒートバ
ックル防止に有効な充分に小さいレベルまでハースロー
ルクラウンを低減できないという問題があった。
【0012】また、通板速度の加減速時は、ハースロー
ルとストリップとの温度バランスが急激に変化するた
め、サーマルクラウンも大きく変動するが、これらの変
動に追随してハースロールクラウンを早急且つ正確に制
御することが、極めて困難であるという問題があった。
ルとストリップとの温度バランスが急激に変化するた
め、サーマルクラウンも大きく変動するが、これらの変
動に追随してハースロールクラウンを早急且つ正確に制
御することが、極めて困難であるという問題があった。
【0013】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、蛇行防止に有効な比較的大き
なハースロールクラウンを採用しても、効果的にヒート
バックル防止が図れる連続焼鈍炉におけるストリップの
ヒートバックル防止方法を提供することである。
ものであり、その目的は、蛇行防止に有効な比較的大き
なハースロールクラウンを採用しても、効果的にヒート
バックル防止が図れる連続焼鈍炉におけるストリップの
ヒートバックル防止方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバ
ックル防止方法は、平行部とその左右に形成されたテー
パ部とによりクラウンが付与されたハースロールを備え
る連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止
方法であって、ストリップのハースロールとの接触開始
位置手前の下記式に示す位置に、ストリップをハースロ
ールに押し付けるための1本以上の支持ロールを設けて
ヒートバックル発生限界張力を付与するものである。 0.7Ws<Ls≦ 5Ws 但し、Ws:ストリップの幅(mm) Ls:ハースロールの接触開始位置から支持ロールまでの
距離(mm)
に、本発明の連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバ
ックル防止方法は、平行部とその左右に形成されたテー
パ部とによりクラウンが付与されたハースロールを備え
る連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止
方法であって、ストリップのハースロールとの接触開始
位置手前の下記式に示す位置に、ストリップをハースロ
ールに押し付けるための1本以上の支持ロールを設けて
ヒートバックル発生限界張力を付与するものである。 0.7Ws<Ls≦ 5Ws 但し、Ws:ストリップの幅(mm) Ls:ハースロールの接触開始位置から支持ロールまでの
距離(mm)
【0015】そして、上記方法にあっては、ストリップ
支持ロールの入側において、ストリップの中央部を冷却
する、および/または、ストリップの端部を加熱しても
よい。
支持ロールの入側において、ストリップの中央部を冷却
する、および/または、ストリップの端部を加熱しても
よい。
【0016】
【作用】本発明では、ストリップのハースロールとの接
触開始位置手前に、ストリップをハースロールに押し付
けるための支持ロールを設けているので、従来支持ロー
ルが無い場合に、ヒートバックル発生の起点となる、ハ
ースロールの平行部とテーパ部の境界付近、および平行
部の中央付近に発生する比較的大きな縦皺が効果的に抑
制される。またたとえ縦皺が発生しても、多数の細かく
分散された皺になるため、ヒートバックルに到る危険性
が大幅に軽減される。
触開始位置手前に、ストリップをハースロールに押し付
けるための支持ロールを設けているので、従来支持ロー
ルが無い場合に、ヒートバックル発生の起点となる、ハ
ースロールの平行部とテーパ部の境界付近、および平行
部の中央付近に発生する比較的大きな縦皺が効果的に抑
制される。またたとえ縦皺が発生しても、多数の細かく
分散された皺になるため、ヒートバックルに到る危険性
が大幅に軽減される。
【0017】このような支持ロールの作用を充分に享受
するために、支持ロールを、ストリップのハースロール
との接触開始位置から 0.7Ws<Ls≦ 5Wsを満たす距離
(Ls)だけ離れた位置に配置するもので、その距離(L
s)が、 0.7Ws以下では、ロール間隔が狭くその間のス
トリップのバタつきが無く良好な通板が行えるが、前記
ヒートバックル発生限界張力が充分に得られない。また
5Wsを超えては、前記ヒートバックル発生限界張力が充
分に得られない上に、ストリップのバタつきの問題があ
る。
するために、支持ロールを、ストリップのハースロール
との接触開始位置から 0.7Ws<Ls≦ 5Wsを満たす距離
(Ls)だけ離れた位置に配置するもので、その距離(L
s)が、 0.7Ws以下では、ロール間隔が狭くその間のス
トリップのバタつきが無く良好な通板が行えるが、前記
ヒートバックル発生限界張力が充分に得られない。また
5Wsを超えては、前記ヒートバックル発生限界張力が充
分に得られない上に、ストリップのバタつきの問題があ
る。
【0018】なお、本発明では、ヒートバックル防止効
果をヒートバックル発生開始時の通板張力で評価し、そ
の張力をヒートバックル発生限界張力と称している。従
ってこの張力が高いほどヒートバックル防止効果が大き
いことになる。
果をヒートバックル発生開始時の通板張力で評価し、そ
の張力をヒートバックル発生限界張力と称している。従
ってこの張力が高いほどヒートバックル防止効果が大き
いことになる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を元に本発明の構成と
作用を、より詳細に説明する。図1は、本発明によるヒ
ートバックル防止方法を適用するための装置の一例を示
す概要説明図であって、(a)は側断面図、(b)は
(a)のX−X断面図である。
作用を、より詳細に説明する。図1は、本発明によるヒ
ートバックル防止方法を適用するための装置の一例を示
す概要説明図であって、(a)は側断面図、(b)は
(a)のX−X断面図である。
【0020】図1において、1は連続焼鈍炉の炉壁、R
は、連続焼鈍炉内に配され、平行部RSとその左右に形成
されたテーパ部RTとによりクラウンRCが付与されたハー
スロール、SはハースロールRにより連続焼鈍炉内に通
板されるストリップを示す。
は、連続焼鈍炉内に配され、平行部RSとその左右に形成
されたテーパ部RTとによりクラウンRCが付与されたハー
スロール、SはハースロールRにより連続焼鈍炉内に通
板されるストリップを示す。
【0021】ハースロールRのストリップ入側には、ス
トリップSをハースロールRに押し付けるようにして支
持ロール2が、ストリップSのハースロールRとの接触
開始位置から距離(Ls)だけ離れた位置に配設されてい
る。そして、図2に示すように、支持ロール2のロール
軸3を、炉壁1に設けられた長穴4内に耐熱ジャバラ5
を介して設けられた密閉軸受け6に貫通させ炉外の昇降
駆動装置(図示せず)に連結させ、昇降可能に設けてい
る。
トリップSをハースロールRに押し付けるようにして支
持ロール2が、ストリップSのハースロールRとの接触
開始位置から距離(Ls)だけ離れた位置に配設されてい
る。そして、図2に示すように、支持ロール2のロール
軸3を、炉壁1に設けられた長穴4内に耐熱ジャバラ5
を介して設けられた密閉軸受け6に貫通させ炉外の昇降
駆動装置(図示せず)に連結させ、昇降可能に設けてい
る。
【0022】また、本例では、支持ロール2の下に、ス
トリップSの幅方向中央部に向けて冷却ガスを噴出する
冷却装置7が配設されている。
トリップSの幅方向中央部に向けて冷却ガスを噴出する
冷却装置7が配設されている。
【0023】上記構成において、表1に示す寸法仕様の
ハースロールRと支持ロール2を配設し、表2に示す仕
様のストリップSを同表に併せて示す焼鈍条件で焼鈍し
た。
ハースロールRと支持ロール2を配設し、表2に示す仕
様のストリップSを同表に併せて示す焼鈍条件で焼鈍し
た。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】先ず、冷却装置3を使用せず、支持ロール
2の位置〔距離(Ls)〕のみを種々変えて焼鈍した場合
のヒートバックル発生限界張力を調査した。その調査結
果を、板幅1250mmのストリップSの場合を図3に、板幅
1600mmのストリップSの場合を図4にそれぞれ示す。
2の位置〔距離(Ls)〕のみを種々変えて焼鈍した場合
のヒートバックル発生限界張力を調査した。その調査結
果を、板幅1250mmのストリップSの場合を図3に、板幅
1600mmのストリップSの場合を図4にそれぞれ示す。
【0027】図3から明らかなように、板厚0.45mm、板
幅1250mmのストリップSでは、支持ロール2を用いない
場合には、ヒートバックル発生限界張力は、高々 5MN
・m程度に過ぎないものが、支持ロール2を用いた場合
には、ハースロールRと支持ロール2との距離(Ls)を
適切に選択することにより飛躍的に向上し、この例で
は、距離(Ls)が1500〜3500mmの間に支持ロール2を設
けるとよいことが分かる。特に、この例では距離(Ls)
が2000mm前後の所では破断が発生するまで張力を付与し
てもヒートバックルが発生せず、顕著な効果のあること
が判る。
幅1250mmのストリップSでは、支持ロール2を用いない
場合には、ヒートバックル発生限界張力は、高々 5MN
・m程度に過ぎないものが、支持ロール2を用いた場合
には、ハースロールRと支持ロール2との距離(Ls)を
適切に選択することにより飛躍的に向上し、この例で
は、距離(Ls)が1500〜3500mmの間に支持ロール2を設
けるとよいことが分かる。特に、この例では距離(Ls)
が2000mm前後の所では破断が発生するまで張力を付与し
てもヒートバックルが発生せず、顕著な効果のあること
が判る。
【0028】そして、この種の調査を重ねた結果、距離
(Ls)の効果は、概ね図3に示す傾向にあり、種々の観
点より検討した結果、支持ロール2を配設する距離(L
s)が、ストリップ幅(Ws)に対しては 0.7Wsから 5Ws
の範囲内に、またハースロール径(Dh)に対しては 1.5
Dhから10Dhの範囲内にある場合に、ヒートバックル発生
限界張力が高くなり、この範囲が実質的効果が認められ
る範囲であった。
(Ls)の効果は、概ね図3に示す傾向にあり、種々の観
点より検討した結果、支持ロール2を配設する距離(L
s)が、ストリップ幅(Ws)に対しては 0.7Wsから 5Ws
の範囲内に、またハースロール径(Dh)に対しては 1.5
Dhから10Dhの範囲内にある場合に、ヒートバックル発生
限界張力が高くなり、この範囲が実質的効果が認められ
る範囲であった。
【0029】一方、図4から明らかなように、板厚0.45
mm、板幅1600mmのストリップSでは、支持ロール2を用
いない場合に対して支持ロール2を用いた(図には本発
明例1として示す。)場合には、ヒートバックル発生限
界張力が上記図3と同様の傾向を示し、距離(Ls)が15
00〜3500mmの間に支持ロール2を設けることにより、ヒ
ートバックル発生限界張力が高くなるが効果は顕著でな
い。
mm、板幅1600mmのストリップSでは、支持ロール2を用
いない場合に対して支持ロール2を用いた(図には本発
明例1として示す。)場合には、ヒートバックル発生限
界張力が上記図3と同様の傾向を示し、距離(Ls)が15
00〜3500mmの間に支持ロール2を設けることにより、ヒ
ートバックル発生限界張力が高くなるが効果は顕著でな
い。
【0030】上記板幅1600mmのストリップSについて、
支持ロール2と併せて表3に示す条件で冷却装置7を使
用し、支持ロール2の位置〔距離(Ls)〕のみを種々変
えて焼鈍した場合のヒートバックル発生限界張力を調査
した。その調査結果を図4に本発明例2として併せて示
す。
支持ロール2と併せて表3に示す条件で冷却装置7を使
用し、支持ロール2の位置〔距離(Ls)〕のみを種々変
えて焼鈍した場合のヒートバックル発生限界張力を調査
した。その調査結果を図4に本発明例2として併せて示
す。
【0031】
【表3】
【0032】図4に併せて示す本発明例2では、上記支
持ロール2のみを用いた本発明例1と比較して、ヒート
バックル発生限界張力が、全体的に約2倍に向上してお
り、支持ロール2と冷却装置7を併用することにより、
より顕著にヒートバックル発生限界張力が向上すること
が分かる。
持ロール2のみを用いた本発明例1と比較して、ヒート
バックル発生限界張力が、全体的に約2倍に向上してお
り、支持ロール2と冷却装置7を併用することにより、
より顕著にヒートバックル発生限界張力が向上すること
が分かる。
【0033】この冷却装置7の併用効果は、ストリップ
Sの幅方向中央部を冷却することによってストリップS
の幅方向張力分布が変化し、通板張力に起因してストリ
ップSに作用する幅方向圧縮応力が緩和される作用に基
づくものである。
Sの幅方向中央部を冷却することによってストリップS
の幅方向張力分布が変化し、通板張力に起因してストリ
ップSに作用する幅方向圧縮応力が緩和される作用に基
づくものである。
【0034】本例では、比較的大きなクラウン量( 2.2m
m)を有するハースロールRを使用したので、支持ロール
2の使用の有無に関係なく通板中はストリップSの蛇行
が認められなかった。しかし、支持ロール2を使用しな
い従来法の場合は、板幅1250mm、板幅1600mmのいずれの
ストリップSもヒートバックルの発生が認められた。一
方、本発明法では、上述したようにヒートバックルの発
生が防止できた。
m)を有するハースロールRを使用したので、支持ロール
2の使用の有無に関係なく通板中はストリップSの蛇行
が認められなかった。しかし、支持ロール2を使用しな
い従来法の場合は、板幅1250mm、板幅1600mmのいずれの
ストリップSもヒートバックルの発生が認められた。一
方、本発明法では、上述したようにヒートバックルの発
生が防止できた。
【0035】なお、上記実施例では、冷却装置7を使用
してストリップSの幅方向中央部を冷却する例を説明し
たが、本発明は、この例に限定されるものではなく、ス
トリップSの幅方向左右位置に加熱装置を設けて該部位
のストリップSを加熱してもよく、このように加熱して
も上記実施例と同様の効果を奏するものである。
してストリップSの幅方向中央部を冷却する例を説明し
たが、本発明は、この例に限定されるものではなく、ス
トリップSの幅方向左右位置に加熱装置を設けて該部位
のストリップSを加熱してもよく、このように加熱して
も上記実施例と同様の効果を奏するものである。
【0036】また、上記実施例では、支持ロール2をハ
ースロールRに押し付けるようにストリップSの外側に
1本配置した例を説明したが、2本以上を設けてもよ
く、また2本以上を設ける場合においては、ハースロー
ルRに近接するロール2をストリップSの外側とし、他
は内側に設けてもよい。これらいずれの支持ロール2の
配置構成にしても上記実施例と同様の効果を奏するもの
である。
ースロールRに押し付けるようにストリップSの外側に
1本配置した例を説明したが、2本以上を設けてもよ
く、また2本以上を設ける場合においては、ハースロー
ルRに近接するロール2をストリップSの外側とし、他
は内側に設けてもよい。これらいずれの支持ロール2の
配置構成にしても上記実施例と同様の効果を奏するもの
である。
【0037】また、上記実施例では、支持ロール2を上
下に昇降するように構成したが、最もヒートバックル防
止効果のある位置に固定して設けてもよい。
下に昇降するように構成したが、最もヒートバックル防
止効果のある位置に固定して設けてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる連
続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法
によれば、ストリップの蛇行を防止し得る比較的大きな
クラウン量を有するハースロールを用いて、ストリップ
に発生するヒートバックルを防止してストリップの連続
焼鈍をなし得る。そして特に、従来ヒートバックル発生
のために通板が困難であった軟質薄広幅材の通板・焼鈍
が安定して行える。
続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法
によれば、ストリップの蛇行を防止し得る比較的大きな
クラウン量を有するハースロールを用いて、ストリップ
に発生するヒートバックルを防止してストリップの連続
焼鈍をなし得る。そして特に、従来ヒートバックル発生
のために通板が困難であった軟質薄広幅材の通板・焼鈍
が安定して行える。
【図1】本発明のヒートバックル防止方法を適用するた
めの装置の一例を示す概要説明図であって、(a)は側
断面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
めの装置の一例を示す概要説明図であって、(a)は側
断面図、(b)は(a)のX−X断面図である。
【図2】図1のY部の拡大説明図である。
【図3】ストリップ幅1250mmの場合の、支持ロールの位
置〔距離(Ls)〕とヒートバックル発生限界張力との関
係を示す図である。
置〔距離(Ls)〕とヒートバックル発生限界張力との関
係を示す図である。
【図4】ストリップ幅1600mmの場合の、支持ロールの位
置〔距離(Ls)〕とヒートバックル発生限界張力との関
係を示す図である。
置〔距離(Ls)〕とヒートバックル発生限界張力との関
係を示す図である。
【図5】ハースロールの概要図である。
【図6】従来法によるヒートバックル発生の機構を説明
するための図である。
するための図である。
【図7】サーマルクラウンによるハースロールの幅方向
温度分布図である。
温度分布図である。
【図8】サーマルクラウンによるハースロールの外形変
化の説明図である。
化の説明図である。
1:連続焼鈍炉の炉壁 2:支持ロール
3:ロール軸 4:長穴 5:耐熱ジャバラ
6:密閉軸受け 7:冷却装置 R:ハースロール R
S:平行部 RT:テーパ部 RC:クラウン
S:ストリップ
3:ロール軸 4:長穴 5:耐熱ジャバラ
6:密閉軸受け 7:冷却装置 R:ハースロール R
S:平行部 RT:テーパ部 RC:クラウン
S:ストリップ
Claims (3)
- 【請求項1】 平行部とその左右に形成されたテーパ部
とによりクラウンが付与されたハースロールを備える連
続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法
であって、ストリップのハースロールとの接触開始位置
手前の下記式に示す位置に、ストリップをハースロール
に押し付けるための1本以上の支持ロールを設けてスト
リップにヒートバックル発生限界張力を付与することを
特徴とする連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバッ
クル防止方法。 0.7Ws<Ls≦ 5Ws 但し、Ws:ストリップの幅(mm) Ls:ハースロールの接触開始位置から支持ロールまでの
距離(mm) - 【請求項2】 ストリップ支持ロールの入側において、
ストリップの中央部を冷却する、および/または、スト
リップの端部を加熱する請求項1記載の連続焼鈍炉にお
けるストリップのヒートバックル防止方法。 - 【請求項3】 支持ロールがストリップの通板ラインに
沿って移動可能に設けられてなる請求項1記載の連続焼
鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP328292A JPH05186837A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP328292A JPH05186837A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186837A true JPH05186837A (ja) | 1993-07-27 |
Family
ID=11553057
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP328292A Withdrawn JPH05186837A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 連続焼鈍炉におけるストリップのヒートバックル防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05186837A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101663948B1 (ko) * | 2015-12-08 | 2016-10-12 | 주식회사 포스코 | 스트립 진동 감소 장치 |
-
1992
- 1992-01-10 JP JP328292A patent/JPH05186837A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101663948B1 (ko) * | 2015-12-08 | 2016-10-12 | 주식회사 포스코 | 스트립 진동 감소 장치 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990408 |