JPH05186772A - 強誘電性液晶組成物 - Google Patents

強誘電性液晶組成物

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JPH05186772A
JPH05186772A JP2196592A JP2196592A JPH05186772A JP H05186772 A JPH05186772 A JP H05186772A JP 2196592 A JP2196592 A JP 2196592A JP 2196592 A JP2196592 A JP 2196592A JP H05186772 A JPH05186772 A JP H05186772A
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group
chiral compound
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ferroelectric liquid
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JP2196592A
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Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Takami Onaka
貴美 大仲
Kazumori Minami
一守 南
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速応答性に優れ且つ配向性についても良好
な特性を有する、特に液晶表示素子用の液晶組成物とし
て有用な強誘電性液晶組成物を提供する。 【構成】 キラル化合物と非キラル化合物とからなる液
晶組成物であって、下記の一般式(I): 【化1】 [ただし、R1 は、メチル基又はエチル基を表わし、n
は、3〜16の範囲の整数を表わし、そしてmは、4〜
16の範囲の整数を表わす]で表わされる非キラル化合
物を、該組成物中に3〜50重量%の範囲で含んでいる
ことを特徴とする強誘電性液晶組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大面積、高密度、高速
度表示に適した強誘電性液晶組成物に関し、特に応答速
度の速い強誘電性液晶表示素子に使用するために適した
強誘電性液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の表示方式として現在広く
実用化されている代表的なものとしてねじれネマテック
(TN)型を挙げることができる。このTN型は、ネマ
テック液晶相を利用する方式で、ディスプレイに用いた
場合CRT(Cathode Ray Tube)などの表示方式と比較し
て応答速度が遅い、視野角特性に劣る等の問題がある。
このため、ディスプレイに対しては、限定した用途にし
か向けられなかった。
【0003】最近、表面安定化強誘電性液晶素子がクラ
ークとラガーウォル(Clark,Lagerwall , 特開昭56−
107216号公報、米国特許第4,367,924号
明細書等)により提案されている。この素子は、偏光板
と組み合わされたギャップ2μm程度の基板にはさまれ
た強誘電性液晶が、印加電界の極性に応じてその分子長
軸の方位を変更することにより透過光量を制御するもの
で、高速な応答性と双安定性を示すことが特長である。
しかも、視野角特性においても優れているので、この素
子は、大容量高密度表示素子としての広い利用が期待さ
れている。
【0004】上記強誘電性液晶は、液晶相の一つとし
て、カイラルスメクチックC(以下、Sc* と省略す
る)相を有する。強誘電性液晶を表示素子として使用す
るには、幅広いSc* 相(実用可能な温度範囲を拡大)
を有していること、高速で応答すること、また表示時の
良好なコントラストを得るには双安定性が良好なこと及
び良好な配向性を示す等多くの特性が要求される。上記
表示素子に要求される特性の内、幅広いSc* 相は液晶
化合物の混合方法により改善が試みられており、このよ
うな組成物の調製方法としては、例えば、強誘電性を示
さないスメクチックC(以下、Scと省略する)相を示
す液晶化合物もしくは液晶混合物(以下、ベース液晶と
いう)に光学活性化合物を添加する方法が知られている
(Mol. Cryst. Liq. Cryst. 、89、 327 (1982)) 。ここ
では、Sc相を示すベース液晶の成分としては、フェニ
ルベンゾエート系、シッフ塩基系、ビフェニル系、フェ
ニルピリミジン系、フェニルピリジン系等の液晶化合物
が用いられている。
【0005】高速応答化については、主に、液晶材料の
高自発分極化及び低粘度化を考慮した液晶化合物の開発
あるいは液晶の混合により改善が試みられている。すな
わち、強誘電性液晶を用いた素子(液晶分子長軸が基板
界面と平行になる傾向が強いので表面安定化強誘電性液
晶といわれる)の電界印加時の応答は、誘電異方性とと
もに自発分極(PS )が直接電界(E)と相互作用する
のが特徴であり、一般に応答時間(τ)は下記式: τ=η/PS E で与えられる。ηは液晶の平均粘性係数である。上記式
より応答時間は、自発分極および電界が大きいほど、ま
た粘性係数が小さいほど早くなる。
【0006】例えば、強誘電性液晶化合物の構造を変化
させて自発分極を増大させるようにすると、自発分極の
増大と共に粘度が増加するため応答速度はそれ程速くな
らない。又、粘度を大幅に低下させることは、自発分極
を保持しなが分子構造を変える必要があることから困難
である。自発分極を保持しながら低粘度化を実現した強
誘電性液晶化合物として、特開昭63−22024号公
報、特開平1−246269号公報に、弗素原子置換ア
ルキル鎖を有するキラル化合物が提案されている。しか
しながら、この化合物を単独で、あるいは組成物の一成
分として用いて強誘電性液晶組成物を作成しても、充分
な高速応答性を得ることができない。
【0007】また液晶の混合による高速応答化について
は、例えば、非カイラルなフェニルピリミジン系液晶で
ある5−アルキル−2−(4−アルコキシフェニル)ピ
リミジン(特開昭61−291679号公報)や、5−
アルコキシ−2−(4−アルキルフェニル)ピリミジン
(特開昭63−301290号公報、特開平2−173
089号公報、特開平1−167893号公報)をベー
ス液晶として用いた液晶表示素子が提案されている。こ
れらとキラル化合物と混合して得られる強誘電性液晶
は、応答速度の点では、良好なものもあるが、配向性が
良好とはいえない、あるいは双安定性が充分でないため
液晶を素子に組み込んだ時の表示のコントラストが充分
優れているとは言えないなどの問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、高速応答
性と幅広いSc* 相を有し、且つ配向性および双安定性
についても良好な特性を有する液晶表示素子を得るた
め、それに使用される強誘電性液晶組成物について鋭意
検討を重ねてきた。前記したように、強誘電性液晶は、
強誘電性を示すキラル化合物のみでは、上記諸特性を満
足することは不可能であり、幅広いSc相を示す非キラ
ル化合物が種々混合されていた。非キラル化合物の中
で、強誘電性液晶組成物に対して主に減粘作用を示して
高速応答性を付与する5−アルコキシ−2−(4−アル
キルフェニル)ピリミジンの例が、特開昭63−301
290号公報等に記載され、既に知られている。この5
−アルコキシ−2−(4−アルキルフェニル)ピリミジ
ンはアルコキシ基が直鎖であるが、本発明者の検討によ
ると、この化合物に代えて、アルコキシの末端が分岐し
た同化合物を用いた場合、高速応答性のみならず、配向
性が優れた、すなわち配向し易く配向状態が安定であ
る、強誘電性液晶組成物が得られることが判明した。し
かも、アルコキシの末端が分岐の程度は、末端の炭素に
メチル基あるいはエチル基が二個置換された場合に有効
であることも明らかとなった。従って、本発明は、高速
応答性に優れ且つ配向性についても良好な特性を有す
る、特に液晶表示素子用の液晶組成物として有用な強誘
電性液晶組成物を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は キラル化合
物と非キラル化合物とからなる液晶組成物であって、下
記の一般式(I):
【化3】 [ただし、R1 は、メチル基又はエチル基を表わし、n
は、3〜16の範囲の整数を表わし、そしてmは、4〜
16の範囲の整数を表わす]で表わされる非キラル化合
物を、該組成物中に3〜50重量%の範囲で含んでいる
ことを特徴とする強誘電性液晶組成物により達成するこ
とができる。
【0010】本発明の好適な実施態様は下記の通りであ
る。 1)一般式(I)において、mは、4〜14の範囲の整
数を表わす表わすことを特徴とする上記の強誘電性液晶
組成物(ただし、R1 がエチル基の時は、mは、8〜1
4の範囲が好ましい)。
【0011】2)一般式(I)で表される化合物が、組
成物中に5〜20重量%の範囲で含んでいることを特徴
とする上記の強誘電性液晶組成物。
【0012】3)該組成物が、下記の一般式(II):
【0013】
【化4】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
水素基、二価の脂環式炭化水素基および窒素原子を含む
二価の複素環基を表わし、R2 は、ハロゲン原子で置換
されていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコ
キシ基を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ
以上がO、S又はCOに置き換えられていてもよい)、
3 は、置換されていても良いアルキル基を表わし、そ
してpは、4〜11の範囲の整数を表す。]表わされる
キラル化合物を含んでいる上記の強誘電性液晶組成物。
【0014】4)一般式(II)において、A及びBは、そ
れぞれ独立に、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−
1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、
2,5−ピリミジニレン基、2,5−ピリジニレン基お
よび3,6−ピリジニレン基を表わすことを特徴とする
上記3)の強誘電性液晶組成物。
【0015】5)一般式(II)において、R2 は、ハロゲ
ン原子で置換されていても良い炭素原子数3〜15の直
鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキシ基を表わすこと
を特徴とする上記3)の強誘電性液晶組成物。
【0016】6)一般式(II)において、R3 は、置換さ
れていても良い炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、
そしてpは、4〜6の範囲の整数を表わすことを特徴と
する上記3)の強誘電性液晶組成物。
【0017】7)該液晶組成物が、該組成物中に非キラ
ル化合物を40重量%以上含んでいることを特徴とする
上記の強誘電性液晶組成物。
【0018】[発明の詳細な記述]本発明の強誘電性液
晶組成物は、キラル化合物と、比較的低粘度で高速応答
性及び良好な配向性を付与する機能を有するピリミジン
系の非キラル化合物とからなっている。上記本発明の組
成物を組み込んで素子とした時、応答速度が速いだけで
なく、コントラストなどの表示特性の向上に寄与する配
向性についても優れた素子を得ることができる。
【0019】本発明の液晶組成物は、キラル化合物と非
キラル化合物とからなり、非キラル化合物として、下記
の一般式(I):
【0020】
【化5】 [ただし、R1 は、メチル基又はエチル基を表わし、n
は、3〜16の範囲の整数を表わし、そしてmは、4〜
16の範囲の整数を表わす]で表わされる非キラル化合
物を、該組成物中に3〜50重量%の範囲で含んでい
る。
【0021】一般式(I)において、nは、4〜14の
範囲の整数が好ましく、特に4〜12の範囲の整数が好
ましい。mは、4〜14の範囲の整数が好ましく、特に
4〜12の範囲の整数が好ましい。R1 は、メチル基が
好ましい。また、R1 がエチル基の時は、mは、8〜1
4の範囲が特に好ましい。上記一般式(I)で表わされ
る非キラル化合物が、組成物中に5〜20重量%の範囲
で含んでいることが好ましい。
【0022】上記一般式(I)で表わされる非キラル化
合物としては、例えば、下記の化合物を挙げることがで
きる。
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】
【化10】
【0028】
【化11】
【0029】
【化12】
【0030】
【化13】
【0031】
【化14】
【0032】
【化15】
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
【0035】上記一般式(I)で表わされる化合物は例
えば下記の反応式の経路図に従い製造することができ
る。
【0036】
【化18】 上記反応式において、R5 は直鎖のアルキル基を表わ
し、R4 はメチル基、エチル基などのアルキル基、Xは
ハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、ベン
ゼンスルホニルオキシ基、メタンスルホニル基等の脱離
基を表わし、R6は、末端の炭素原子が2つのメチル基
またはエチル基で置換されたアルキル基を表わす。上式
で、p−アルキルベンズアミジン塩酸塩(1)をナトリ
ウムアルコラートの存在下、メトキシマロン酸ジエステ
ルと反応させて、ジオール(2)とし、これをオキシ塩
化リンなどのハロゲン化剤によりハロゲン置換して
(3)とし、塩基存在下、脱ハロゲン化して(4)と
し、これをアルカリ存在下、ジエチレングリコール中で
加熱処理して(5)とし、これをエーテル化することに
より一般式(I)の化合物を得ることができる。
【0037】上記一般式(I)で表わされる非キラル化
合物は、特開平1−167893号公報記載の別の合成
法に準じて合成することもできる。
【0038】本発明の強誘電性液晶組成物のキラル化合
物として、下記の一般式(II):
【0039】
【化19】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
水素基、二価の脂環式炭化水素基および窒素原子を含む
二価の複素環基を表わし、R2 は、ハロゲン原子で置換
されていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコ
キシ基を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ
以上がO、S又はCOに置き換えられていてもよい)、
3 は、置換されていても良いアルキル基を表わし、そ
してpは、4〜11の範囲の整数を表す。]表される化
合物を用いることが好ましい。これにより、更に応答速
度を速くすることができる。
【0040】上記一般式(II)で表わされる本発明の非キ
ラル化合物において、式中のAおよびBで表される基と
しては、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4
−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、2,5
−ピリミジニレン基、2,5−ピリジニレン基、3,6
−ピリジニレン基、2、5−ピラジニレン基、2,6−
ナフチレン基、3、6−ピリダジニレン基、3,6−テ
トラジニレン基および1,2,4−トリアジン−3,6
−イレン基を挙げることができる。上記AおよびBは、
それぞれ1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4
−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、2,5
−ピリミジニレン基、2,5−ピリジニレン基および
3,6−ピリジニレン基であることが好ましい。
【0041】R2 は、一般にハロゲン原子で置換されて
いても良い炭素原子数3〜15の直鎖又は分岐のアルキ
ル基又はアルコキシ基を表わし、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、7−メトキシヘプチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、10−メトキシ
デシル基またはウンデシル基であることが好ましい。
【0042】R3 は、一般に置換されていても良い炭素
原子数1〜4のアルキル基を表し、メチル基、エチル基
または2,2,2−トリフルオロエチル基であることが
好ましい。そしてmは、4〜6の範囲の整数を表わすこ
とが好ましい。
【0043】一般式(II)で表される化合物としては、例
えばb01〜b64に示すような化合物を挙げることが
できる。
【0044】
【化20】
【0045】
【化21】
【0046】
【化22】
【0047】
【化23】
【0048】
【化24】
【0049】
【化25】
【0050】
【化26】
【0051】
【化27】
【0052】
【化28】
【0053】
【化29】
【0054】
【化30】
【0055】一般式(II)で表わされる化合物は例えば下
記の反応式の経路図に従い製造することができる。
【0056】
【化31】
【0057】上記反応式において、光学活性エピクロロ
ヒドリン(1)をヨウ化銅の存在下、アルコキシアルキ
ルマグネシウムブロミド(2)と反応させ(3)とし、
塩基により脱水しエポキシ(4)とする。(4)にフッ
化水素ピリジン(HF・Py)を作用させ、フルオロア
ルコール(5)とする。 (5)さらにp−トルエンスルホン酸クロリド(TsC
l)と反応させ、トシレート(6)とした後、化合物
(7)と反応させ、本発明の一般式(I)で表されるれ
る化合物を得る。
【0058】一般式(II)で表わされる化合物の、各合成
例を下記に示す。 [合成例1] 2−フルオロ−1−[4−(4−オクチルオキシフェニ
ル)フェニルオキシ]−8−メトキシオクタン(例示化
合物b02) 前記反応式経路図の(6)の(R)−2−フルオロ−8
−メトキシオクチルトシレート332mg、4−(4−
オクチルオキシフェニル)フェノール387mg、DM
F2mlの中に炭酸カリウム449mgを加え、100
℃にて10時間攪拌した。反応終了後水4mlを加え、
酢酸エチルで抽出、水洗、脱水した後、溶媒を留去し
た。粗生成物をシリカゲルカルムクロマトグラフィー
(展開溶媒クロロホルム)により精製し、さらにエタノ
ールヘキサンにより二度再結晶することにより256m
gの2−フルオロ−1−[4−(4−オクチルオキシフ
ェニル)フェニルオキキシ]−8−メトキシオクタンを
得た。
【0059】相転移温度(℃) Cryst. 104 Iso
【0060】上記一般式(I)で表わされる本発明の非
キラル化合物を強誘電液晶組成物に用いることにより、
応答速度が速いだけでなく、コントラストなどの表示特
性の向上に寄与する配向性も良好となる。さらに、上記
一般式(II)で表わされる本発明のキラル化合物と併用
することにより、応答速度がさらに向上する。上記一般
式(I)で表わされる非キラル化合物および上記一般式
(II)で表わされるキラル化合物を併用する場合の混合
比は、80:20〜20:80(一般式(I):一般式
(II))の範囲が好ましく、特に70:30〜30:7
0(一般式(I):一般式(II))の範囲が好ましい。
【0061】上記本発明の強誘電性液晶組成物は、上記
一般式(I)で表わされる非キラル化合物および上記一
般式(II)で表わされるキラル化合物以外に、他の非キ
ラル化合物及びキラル化合物を含んでも良い。他の非キ
ラル化合物としては、どのようなものを使用してもよ
く、たとえばフェニルベンゾエート系、シッフ塩基系、
ビフェニル系、フェニルピリミジン系、フェニルピリジ
ン系等の液晶化合物を適宜使用することができる。
【0062】上記他の非キラル化合物としては、例え
ば、下記の化合物を挙げることができる。 5−オクチルオキシ−2−(4−ヘプチルフェニル)ピ
リミジン 5−ノニルオキシ−2−(4−ヘプチルフェニル)ピリ
ミジン 5−ヘプチル−2−(4−オクチルオキシフェニル)ピ
リミジン 5−オクチル−2−(4−オクチルオキシフェニル)ピ
リミジン 5−ノニル−2−(4−オクチルオキシフェニル)ピリ
ミジン 5−ヘプチル−2−(4−ノニルオキシフェニル)ピリ
ミジン 5−ヘプチル−2−(4−ヘプチルオキシフェニル)ピ
リジン 5−ヘプチル−2−(4−オクチルオキシフェニル)ピ
リジン 5−ヘプチル−2−(4−ノニルオキシフェニル)ピリ
ジン 5−ヘプチル−2−(3−フルオロ−4−オクチルオキ
シフェニル)ピリジン 5−(4−ヘプチルオキシフェニル)−2−(4−ヘプ
チルフェニル)ピリジン 5−デシル−2−(4−デカノイルオキシフェニル)ピ
リミジン 4−オクチルオキシフェニル−4’−デシルオキシベン
ゾエート 4−オクチルオキシフェニル−4’−デシルベンゾエー
ト 4−ヘキシルオキシフェニル−4’−オクチルベンゾエ
ート
【0063】他のキラル化合物としては、従来の光学活
性化合物を挙げることができ、特に限定されるものでは
ないが、例えば下記の化合物を挙げることができる。 5−オクチル−2−[4−((2S)−2−フルオロオ
クチルオキシ)フェニル]ピリミジン 5−[(2S)−2−((2S)−2−プロピルオキシ
−プロパノイルオキシ)−プロピルオキシ]−2−(4
−オクチルオキシフェニル)ピリミジン 5−[(2S)−2−((2S)−2−プロピルオキシ
−プロパノイルオキシ)−プロピルオキシ]−2−(4
−ヘプチルビフェニル)ピリミジン 5−((2S)−2−メチルブチル)−2−(4−ヘプ
チルビフェニル)ピリミジン
【0064】本発明の強誘電性液晶組成物は、上記A成
分および/またはB成分を使用する他は、従来の強誘電
性液晶組成物の製造のために使用される方法と同様の方
法で調製することができる。
【0065】また、本発明の強誘電性液晶組成物は、広
範囲の種々の態様の液晶表示素子の液晶材料として従来
の強誘電性液晶組成物と同様に使用することができ、高
速応答性を有する液晶表示素子を製造することができ
る。
【0066】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。し
かしながら、本発明は以下の実施例によって制限を受け
るものでない。
【0067】[実施例1]一般式(I)で表される非キ
ラル化合物として表1に示す(10)の化合物を含む表
1の10種の化合物を混合して強誘電性液晶組成物を調
製した。
【0068】
【表1】
【0069】上記強誘電性液晶組成物を二枚のガラス板
にはさみ、偏光顕微鏡による相の組織模様の観察を行っ
た結果、相転移温度を下記の通り確認した。
【0070】次に、この液晶組成物を、配向膜としてポ
リイミドを塗布しその表面をラビングすることにより平
行配向処理を施した、透明ガラス電極を備えた厚さ2μ
mのセルに注入して徐冷し、配向させ液晶素子とし、こ
れを2枚の直交した偏光板にはさみ、±5Vμm-1 、5
0Hzの矩形波を印加した際に、その透過光強度が0%
から90%に変化するのに要する時間(応答時間τ)を
測定した。その結果、25℃におけるτは175μse
cであった。
【0071】また、矩形波印加時の分極反転電流の半値
幅から求めた、25℃におけるこの液晶の回転粘度係数
(η)は283mPasであった。また三角波印加時の
分極反転電流のピークの面積から求めた自発分極Ps
は、12.4nCcm-2であった。
【0072】更に、100Vの直流電流をかけその極性
を反転させたときの消光位の移動角(2θ)を調べるこ
とにより求めたチルト角θは、25℃で23.7°であ
った。
【0073】上記本発明の強誘電性液晶組成物は、応答
速度は従来のものに比べて特に速いものではないが実用
上充分な水準であり、さらに、上記相転移温度のSA
*が示すように、SA 、N* の両方の相を有し、且つ
偏光顕微鏡でSA 相を観察すると均一な二次元の相が確
認されたことから、配向性に優れていることが分かっ
た。
【0074】[実施例2]実施例1で使用した液晶組成
物に代えて、一般式(I)で表わされる非キラル化合物
として表2に示す(10)(表1の(10)と同じ)の
化合物及び一般式(II)で表わされるキラル化合物として
表2に示す(11)の化合物を含む表2の10種の化合
物を混合して強誘電性液晶組成物を調製した。
【0075】
【表2】
【0076】そして、上記組成物を用いた以外は実施例
1におけると同様にして相転移温度、25℃における応
答時間、回転粘度係数、自発分極、チルト角の値を測定
した結果、次のような値を得た。 τ=111μs、 η=217mPas、 Ps=16.6nCcm-2、 θ=24.2°
【0077】上記本発明の強誘電性液晶組成物は、応答
速度は従来のものに比べて特に速いものではないが実用
上充分な水準であり、さらに上記相転移温度のSA →N
* が示すように、SA 、N* の両方の相を有し、且つ偏
光顕微鏡でSA 相を観察すると均一な二次元の相が確認
されたことから、配向性に優れていることが分かった。
【0078】[比較例1]実施例1で使用した液晶組成
物中の表1の(10)の化合物を5−ノニルオキシ−2
−(4−ヘプチルフェニル)−ピリミジンンに変えた以
外は同じ組成で10種の化合物を混合して強誘電性液晶
組成物を調製した。
【0079】そして、上記組成物を用いた以外は実施例
1におけると同様にして相転移温度、25℃における応
答時間、回転粘度係数、自発分極、チルト角の値を測定
した結果、次のような値を得た。 τ=114μs、 η=231mPas、 Ps=11.0nCcm-2、 θ=19.3° 実施例1と同様にして、偏光顕微鏡でSA 相を観察する
と多数のフォーカルコニック組織が観察され、配向性が
劣ったものであった。
【0080】
【発明の効果】本発明の強誘電性液晶組成物は、自発分
極が低いけれども比較的低粘度であるため高速応答性を
示し、且つ配向性についても良好な特性を有する組成物
である。すなわち、本発明の組成物に使用される非キラ
ル化合物である5−アルコキシ−2−(4−アルキルフ
ェニル)ピリミジンはアルコキシの末端が分岐してお
り、この化合物を含む液晶組成物は、高速応答性のみな
らず、配向性についても優れた(すなわち配向し易く配
向状態が安定である)ものとなる。特に、比較的低粘度
で高速応答性を示す上記一般式(I)で表されるキラル
化合物と、上記一般式(II)で表わされる非キラル化合物
とを併用した場合、高速応答性が更に向上するとの効果
が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【化2】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
水素基、二価の脂環式炭化水素基又は窒素原子を含む二
価の複素環基を表わし、Rは、ハロゲン原子で置換さ
れていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキ
シ基を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以
上がO、S又はCOに置き換えられていてもよい)、R
は、置換されていても良いアルキル基を表わし、そし
てpは、4〜11の範囲の整数を表す。]表わされるキ
ラル化合物を含んでいる請求項1に記載の強誘電性液晶
組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【化4】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
水素基、二価の脂環式炭化水素基又は窒素原子を含む二
価の複素環基を表わし、Rは、ハロゲン原子で置換さ
れていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキ
シ基を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以
上がO、S又はCOに置き換えられていてもよい)、R
は、置換されていても良いアルキル基を表わし、そし
てpは、4〜11の範囲の整数を表す。]表わされるキ
ラル化合物を含んでいる上記の強誘電性液晶組成物。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【化18】 上記反応式において、Rは直鎖のアルキル基を表わ
し、Rはメチル基、エチル基などのアルキル基、Xは
ハロゲン原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、ベン
ゼンスルホニルオキシ基、メタンスルホニル基等の脱離
基を表わし、Rは、末端の炭素原子が2つのメチル基
またはエチル基で置換されたアルキル基を表わす。上式
で、p−アルキルベンズアミジン塩酸塩(1)をナトリ
ウムアルコラートの存在下、メトキシマロン酸ジエステ
ルと反応させて、ジオール(2)とし、これをオキシ塩
化リンなどのハロゲン化剤によりハロゲン置換して
(3)とし、塩基存在下、脱ハロゲン化して(4)と
し、これをアルカリ存在下、ジエチレングリコール中で
加熱処理して(5)とし、これをエーテル化することに
より一般式(I)の化合物を得ることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】
【化19】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
水素基、二価の脂環式炭化水素基又は窒素原子を含む二
価の複素環基を表わし、Rは、ハロゲン原子で置換さ
れていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキ
シ基を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以
上がO、S又はCOに置き換えられていてもよい)、R
は、置換されていても良いアルキル基を表わし、そし
てpは、4〜11の範囲の整数を表す。]表される化合
物を用いることが好ましい。これにより、更に応答速度
を速くすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0072
【補正方法】変更
【補正内容】
【0072】更に、20Vの直流電流をかけその極性を
反転させたときの消光位の移動角(2θ)を調べること
により求めたチルト角θは、25℃で23.7°であっ
た。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キラル化合物と非キラル化合物とからな
    る液晶組成物であって、下記の一般式(I): 【化1】 [ただし、R1 は、メチル基又はエチル基を表わし、n
    は、3〜16の範囲の整数を表わし、そしてmは、4〜
    16の範囲の整数を表わす]で表わされる非キラル化合
    物を、該組成物中に3〜50重量%の範囲で含んでいる
    ことを特徴とする強誘電性液晶組成物。
  2. 【請求項2】 該組成物が、下記の一般式(II): 【化2】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
    又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
    水素基、二価の脂環式炭化水素基および窒素原子を含む
    二価の複素環基を表わし、R2 は、ハロゲン原子で置換
    されていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコ
    キシ基を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ
    以上がO、S又はCOに置き換えられていてもよい)、
    3 は、置換されていても良いアルキル基を表わし、そ
    してpは、4〜11の範囲の整数を表す。]表わされる
    キラル化合物を含んでいる請求項1に記載の強誘電性液
    晶組成物。
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