JPH05186773A - 強誘電性液晶組成物 - Google Patents

強誘電性液晶組成物

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JPH05186773A
JPH05186773A JP2196492A JP2196492A JPH05186773A JP H05186773 A JPH05186773 A JP H05186773A JP 2196492 A JP2196492 A JP 2196492A JP 2196492 A JP2196492 A JP 2196492A JP H05186773 A JPH05186773 A JP H05186773A
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JP
Japan
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group
liquid crystal
fluoro
general formula
chiral compound
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Withdrawn
Application number
JP2196492A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Takami Onaka
貴美 大仲
Kazumori Minami
一守 南
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速応答性に優れ且つ配向性および双安定性
についても良好な特性を有する強誘電性液晶組成物を提
供する。 【構成】 キラル化合物と非キラル化合物との液晶組成
物で、一般式(I): 【化1】 [A、B:二価の芳香族炭化水素基、二価の脂環式炭化
水素基、窒素原子を含む二価の複素環基、R1 :直鎖又
は分岐のアルキル基又はアルコキシ基、R2 :アルキル
基、m:4〜11の範囲の整数]で表わされるキラル化
合物が組成物中に3〜40重量%の範囲で含まれ、且つ
下記の一般式(II): 【化2】 [Y:1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレ
ン基、R3 、R4 :Fで置換されていてもよい炭素原子
数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基]又は 【化3】 [Z:上記Yの基、R5 、R6 :上記R3 、R4 の基]
で表わされる非キラル化合物が、組成物中に5〜80重
量%の範囲で含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大面積、高密度、高速
度表示に適した強誘電性液晶組成物に関し、特に応答速
度の速い強誘電性液晶表示素子に使用するために適した
強誘電性液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の表示方式として現在広く
実用化されている代表的なものとしてねじれネマテック
(TN)型を挙げることができる。このTN型は、ネマ
テック液晶相を利用する方式で、ディスプレイに用いた
場合CRT(Cathode Ray Tube)などの表示方式と比較し
て応答速度が遅い、視野角特性に劣る等の問題がある。
このため、ディスプレイに対しては、限定した用途にし
か向けられなかった。
【0003】最近、表面安定化強誘電性液晶素子がクラ
ークとラガーウォル(Clark,Lagerwall , 特開昭56−
107216号公報、米国特許第4,367,924号
明細書等)により提案されている。この素子は、偏光板
と組み合わされたギャップ2μm程度の基板にはさまれ
た強誘電性液晶が、印加電界の極性に応じてその分子長
軸の方位を変更することにより透過光量を制御するもの
で、高速な応答性と双安定性を示すことが特長である。
しかも、視野角特性においても優れているので、この素
子は、大容量高密度表示素子としての広い利用が期待さ
れている。
【0004】上記強誘電性液晶は、液晶相の一つとし
て、カイラルスメクチックC(以下、Sc* と省略す
る)相を有する。強誘電性液晶を表示素子として使用す
るには、幅広いSc* 相(実用可能な温度範囲を拡大)
を有していること、高速で応答すること、また表示時の
良好なコントラストを得るには双安定性が良好なこと及
び良好な配向性を示す等多くの特性が要求される。上記
表示素子に要求される特性の内、幅広いSc* 相は液晶
化合物の混合方法により改善が試みられており、このよ
うな組成物の調製方法としては、例えば、強誘電性を示
さないスメクチックC(以下、Scと省略する)相を示
す液晶化合物もしくは液晶混合物(以下、ベース液晶と
いう)に光学活性化合物を添加する方法が知られている
(Mol. Cryst. Liq. Cryst. 、89、 327 (1982)) 。ここ
では、Sc相を示すベース液晶の成分としては、フェニ
ルベンゾエート系、シッフ塩基系、ビフェニル系、フェ
ニルピリミジン系、フェニルピリジン系等の液晶化合物
が用いられている。
【0005】高速応答化については、主に、液晶材料の
高自発分極化及び低粘度化を考慮した液晶化合物の開発
あるいは液晶の混合により改善が試みられている。すな
わち、強誘電性液晶を用いた素子(液晶分子長軸が基板
界面と平行になる傾向が強いので表面安定化強誘電性液
晶といわれる)の電界印加時の応答は、誘電異方性とと
もに自発分極(PS )が直接電界(E)と相互作用する
のが特徴であり、一般に応答時間(τ)は下記式: τ=η/PS E で与えられる。ηは液晶の平均粘性係数である。上記式
より応答時間は、自発分極および電界が大きいほど、ま
た粘性係数が小さいほど早くなる。
【0006】例えば、強誘電性液晶化合物の構造を変化
させて自発分極を増大させるようにすると、自発分極の
増大と共に粘度が増加するため応答速度はそれ程速くな
らない。又、粘度を大幅に低下させることは、自発分極
を保持しなが分子構造を変える必要があることから困難
である。自発分極を保持しながら低粘度化を実現した強
誘電性液晶化合物として、特開昭63−22024号公
報、特開平1−246269号公報に、弗素原子置換ア
ルキル鎖を有するキラル化合物が提案されている。しか
しながら、この化合物を単独で、あるいは組成物の一成
分として用いて強誘電性液晶組成物を作成しても、充分
な高速応答性を得ることができない。
【0007】また液晶の混合による高速応答化について
は、例えば、非カイラルなフェニルピリミジン系液晶で
ある5−アルキル−2−(4−アルコキシフェニル)ピ
リミジン、5−アルキル−2−(4’−アルコキシビフ
ェニル−4)ピリミジン、5−アルコキシ−2−(4’
−アルキルビフェニル−4)ピリミジン(特開昭61−
291679号公報、、特開平2−265986号)
や、5−アルコキシ−2−(4−アルキルフェニル)ピ
リミジン(特開昭62−137883号公報、特開平2
−173089号公報)をベース液晶として用いた液晶
表示素子が提案されている。これらとキラル化合物と混
合して得られる強誘電性液晶は、応答速度の点では、良
好なものもあるが、配向性が良好とはいえない、あるい
は双安定性が充分でないため液晶を素子に組み込んだ時
の表示のコントラストが充分優れているとは言えないな
どの問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、高速応
答性と幅広いSc* 相を有し、且つ配向性および双安定
性についても良好な特性を有する液晶表示素子を得るた
め、それに使用される強誘電性液晶組成物について鋭意
検討を重ねてきた。その結果、比較的低粘度で高速応答
性を示す下記一般式(I)で表されるキラル化合物と、
ネマチック相→スメチックA相の相変化を有し且つ広い
温度範囲のスメクチックC相を有するか、あるいはこれ
らの性質を示す液晶ベースの構成成分として有用な下記
一般式(II)または(III) で表される非キラル化合物と
を使用することにより、高速応答性、良好な配向性及び
双安定性を有し、駆動特性に優れた強誘電性液晶組成物
が得られることが判明した。従って、本発明は、高速応
答性に優れ且つ配向性および双安定性についても良好な
特性を有する、特に液晶表示素子用の液晶組成物として
有用な強誘電性液晶組成物を提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は キラル化合
物と非キラル化合物とからなる液晶組成物であって、下
記の一般式(I):
【0010】
【化5】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
水素基、二価の脂環式炭化水素基および窒素原子を含む
二価の複素環基を表わし、R1 は、ハロゲン原子で置換
されていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコ
キシ基を表し(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以
上が、O、S又はCOに置き換えられていてもよい)、
2 は、置換されていても良いアルキル基を表し、そし
てmは、4〜11の範囲の整数を表わす。]で表わされ
るキラル化合物が、該組成物中に3〜40重量%の範囲
で含まれ、且つ下記の一般式(II):
【0011】
【化6】 [ただし、Yは、一又は二個の弗素原子又はシアノ基で
置換されていても良い1,4−フェニレン基あるいは
1,4−シクロヘキシレン基を表し、そしてR3および
4 は、それぞれ炭素原子数1〜20の一個以上の弗素
原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基
を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以上が
O、S又はCOに置き換えられていてもよい)]で表わ
される非キラル化合物が、該組成物中に5〜80重量%
の範囲で含まれていることを特徴とする強誘電性液晶組
成物により達成することができる。
【0012】本発明の好適な実施態様は下記の通りであ
る。 1)A及びBは、それぞれ独立に、1,4−フェニレン
基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シ
クロヘキシレン基、2,5−ピリミジニレン基、2,5
−ピリジニレン基および3,6−ピリジニレン基を表わ
すことを特徴とする上記の強誘電性液晶組成物。
【0013】2)R1 は、ハロゲン原子で置換されてい
ても良い炭素原子数3〜15の直鎖又は分岐のアルキル
基又はアルコキシ基を表わすことを特徴とする上記の強
誘電性液晶組成物。
【0014】3)R2 は、置換されていても良い炭素原
子数1〜4のアルキル基を表し、そしてmは、4〜6の
範囲の整数を表わすことを特徴とする上記の強誘電性液
晶組成物。
【0015】4)R3 およびR4 は、それぞれ炭素原子
数1〜12の無置換の直鎖又は分岐のアルキル基を表わ
すことを特徴とする上記の強誘電性液晶組成物。
【0016】5)上記一般式(I)で表わされるキラル
化合物と上記一般式(II)で表わされる非キラル化合物
との比が、20:80〜80:20(一般式(I):一
般式(II))の範囲にあることを特徴とする上記の強誘
電性液晶組成物。
【0017】6)該液晶組成物が、該組成物中に非キラ
ル化合物を40重量%以上含んでいることを特徴とする
上記の強誘電性液晶組成物。
【0018】7)上記一般式(I)で表わされるキラル
化合物と上記一般式(II)で表わされる非キラル化合物
との合計量が、該組成物中に12重量%以上占めている
ことを特徴とする上記の強誘電性液晶組成物。
【0019】また、上記目的は、キラル化合物と非キラ
ル化合物とからなる液晶組成物であって、上記の一般式
(I)で表わされるキラル化合物が、該組成物中に3〜
40重量%の範囲で含まれ、且つ下記の一般式 (III):
【0020】
【化7】 [ただし、Zは、1又は2個の弗素原子又はシアノ基で
置換されていても良い1,4−フェニレン基あるいは
1,4−シクロヘキシレン基を表し、そしてR5および
6 は、それぞれ炭素原子数1〜20の1個以上の弗素
原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基
を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以上が
O、S又はCOに置き換えられていてもよい)]で表わ
される非キラル化合物が、該組成物中に5〜80重量%
の範囲で含まれていることを特徴とする強誘電性液晶組
成物によっても達成することができる。
【0021】本発明の好適な実施態様は下記の通りであ
る。 1)A及びBは、それぞれ独立に、1,4−フェニレン
基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シ
クロヘキシレン基、2,5−ピリミジニレン基、2,5
−ピリジニレン基および3,6−ピリジニレン基を表わ
すことを特徴とする上記の強誘電性液晶組成物。
【0022】2)R1 は、ハロゲン原子で置換されてい
ても良い炭素原子数3〜15の直鎖又は分岐のアルキル
基又はアルコキシ基を表わすことを特徴とする上記の強
誘電性液晶組成物。
【0023】3)R2 は、置換されていても良い炭素原
子数1〜4のアルキル基を表し、そしてmは、4〜6の
範囲の整数を表わすことを特徴とする上記の強誘電性液
晶組成物。
【0024】4)R5 およびR6 は、それぞれ炭素原子
数1〜12の無置換の直鎖又は分岐のアルキル基を表わ
すことを特徴とする上記の強誘電性液晶組成物。
【0025】5)上記一般式(I)で表わされるキラル
化合物と上記一般式(III) で表わされる非キラル化合物
との比が、20:80〜80:20(一般式(I):一
般式(III) )の範囲にあることを特徴とする上記の強誘
電性液晶組成物。
【0026】6)該液晶組成物が、該組成物中に非キラ
ル化合物を40重量%以上含んでいることを特徴とする
上記の強誘電性液晶組成物。
【0027】7)上記一般式(I)で表わされるキラル
化合物と上記一般式(III) で表わされる非キラル化合物
の合計量が、該組成物中に30重量%以上占めているこ
とを特徴とする上記の強誘電性液晶組成物。
【0028】[発明の詳細な記述]本発明の強誘電性液
晶組成物は、比較的低粘度で高速応答性を示す、弗素原
子とアルコキシアルキル基と結合した不斉炭素原子を有
するキラル化合物と、ネマチック相→スメチックA相の
相変化を示し且つ広い温度範囲のスメクチックC相を有
するか、あるいはこれらの性質を示す液晶ベースの構成
成分として有用な上記特定の三環構造のピリミジン系液
晶化合物(非キラル化合物)とを主成分としている。こ
の本発明の組成物を組み込んで素子とすることにより、
応答速度が速いだけでなく、表示のコントラストの向上
に寄与する配向性および双安定性についても優れた素子
を得ることができる。
【0029】本発明の液晶組成物は、キラル化合物と非
キラル化合物とからなり、非キラル化合物として、下記
の一般式(I):
【0030】
【化8】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立にハロゲン原子又
はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化水
素基、二価の脂環式炭化水素基および窒素原子を含む二
価の複素環基を表わし、R1 は、ハロゲン原子で置換さ
れていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキ
シ基を表し(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以上
が、O、S又はCOに置き換えられていてもよい)、R
2 は、置換されていても良いアルキル基を表し、そして
mは、4〜11の範囲の整数を表わす。]で表わされる
化合物が使用される。そしてこの化合物は、該組成物中
に3〜40重量%(好ましくは5〜40重量%)の範囲
で含まれている。
【0031】キラル化合物としては、下記の一般式(I
I):
【0032】
【化9】 [ただし、Yは、一又は二個の弗素原子又はシアノ基で
置換されていても良い1,4−フェニレン基あるいは
1,4−シクロヘキシレン基を表し、そしてR3および
4 は、それぞれ炭素原子数1〜20の一個以上の弗素
原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基
を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以上が
O、S又はCOに置き換えられていてもよい)]で表わ
される化合物が使用される。R3 およびR4 は、それぞ
れ炭素原子数1〜12の無置換の直鎖又は分岐のアルキ
ル基であることが好ましい。そしてこの化合物は、該組
成物中に5〜60重量%の範囲で含まれている。
【0033】上記一般式(I)で表わされるキラル化合
物及び上記一般式(II)で表わされる非キラル化合物の
合計が、該組成物中に12重量%以上占めていることが
一般的であり、15重量%以上占めていることが好まし
い。また、上記一般式(I)で表わされるキラル化合物
と上記一般式(II)で表わされる非キラル化合物との比
が、20:80〜80:20(一般式(I):一般式
(II))の範囲にあることが好ましく、さらに30:7
0〜70:30の範囲にあることが好ましい。また、組
成物中に非キラル化合物を40重量%以上含んでいるこ
とが好ましい。
【0034】あるいは、本発明の液晶組成物は、キラル
化合物と非キラル化合物とからなり、非キラル化合物と
して、上記の一般式(I)の化合物(全キラル化合物中
に3〜40重量%(好ましくは5〜40重量%)の範囲
で含まれている)と、キラル化合物としては、下記の一
般式(II)の代わりに下記の一般式 (III):
【0035】
【化10】 [ただし、Zは、1又は2個の弗素原子又はシアノ基で
置換されていても良い1,4−フェニレン基あるいは
1,4−シクロヘキシレン基を表し、そしてR5および
6 は、それぞれ炭素原子数1〜20の1個以上の弗素
原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐のアルキル基
を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以上が
O、S又はCOに置き換えられていてもよい)]で表わ
される化合物(全非キラル化合物中に5〜60重量%の
範囲で含まれている)を用いている。R5 およびR6
は、それぞれ炭素原子数1〜12の無置換の直鎖又は分
岐のアルキル基であることが好ましい。上記一般式 (II
I)で表される化合物は、特開昭61−291679号公
報、特開昭63−301290号公報等に液晶組成物と
して使用することが既に記載されている。しかしなが
ら、本発明者の研究により、前記キラル化合物と共に使
用することにより強誘電性液晶としての諸特性の向上に
顕著な効果が得られることが明らかとなったものであ
る。
【0036】上記一般式(I)で表わされるキラル化合
物及び上記一般式(III) で表わされる非キラル化合物の
合計が、該組成物中に30重量%以上占めていることが
一般的であり、40重量%以上占めていることが好まし
く、さらに45重量%以上占めていることが好ましい。
また、上記一般式(I)で表わされるキラル化合物と上
記一般式(III) で表わされる非キラル化合物との比が、
20:80〜80:20(一般式(I):一般式(III)
)の範囲にあることが好ましく、さらに30:70〜
70:30の範囲にあることが好ましい。また、組成物
中に非キラル化合物を40重量%以上含んでいることが
好ましい。
【0037】本発明の強誘電性液晶組成物は、上記のよ
うに、キラル化合物として従来の弗素原子とアルキル基
と結合した不斉炭素原子を有する化合物のアルキル基を
アルコキシアルキル基に代えた化合物を使用している。
この為、従来のキラル化合物に比べて粘度が比較的低く
く速い応答性を示すものであり、特に、非キラル化合物
として、上記特定の三環構造のピリミジン系液晶化合物
(非キラル化合物)と併用することにより、この組成物
を組み込んで素子とした時、応答速度が速いだけでな
く、表示のコントラストの向上に寄与する配向性および
双安定性についても優れた素子を得ることができる。
【0038】上記一般式(I)で表わされる本発明の非
キラル化合物(a成分とも言う)において、式中のAお
よびBで表される基としては、1,4−フェニレン基、
2−フルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロ
ヘキシレン基、2,5−ピリミジニレン基、2,5−ピ
リジニレン基、3,6−ピリジニレン基、2、5−ピラ
ジニレン基、2,6−ナフチレン基、3、6−ピリダジ
ニレン基、3,6−テトラジニレン基および1,2,4
−トリアジン−3,6−イレン基を挙げることができ
る。上記AおよびBは、それぞれ1,4−フェニレン
基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シ
クロヘキシレン基、2,5−ピリミジニレン基、2,5
−ピリジニレン基および3,6−ピリジニレン基である
ことが好ましい。
【0039】R1 は、一般にハロゲン原子で置換されて
いても良い炭素原子数3〜15の直鎖又は分岐のアルキ
ル基又はアルコキシ基を表わし、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基、7−メトキシヘプチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、10−メトキシ
デシル基またはウンデシル基であることが好ましい。
【0040】R2 は、一般に置換されていても良い炭素
原子数1〜4のアルキル基を表し、メチル基、エチル基
または2,2,2−トリフルオロエチル基であることが
好ましい。そしてmは、4〜6の範囲の整数を表わすこ
とが好ましい。
【0041】一般式(I)で表される化合物としては、
例えばa01〜a64に示すような化合物を挙げること
ができる。
【0042】
【化11】
【0043】
【化12】
【0044】
【化13】
【0045】
【化14】
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】
【化18】
【0050】
【化19】
【0051】
【化20】
【0052】
【化21】
【0053】一般式(I)で表わされる化合物は例えば
下記の反応式の経路図に従い製造することができる。
【0054】
【化22】 上記反応式において、光学活性エピクロロヒドリン
(1)をヨウ化銅の存在下、アルコキシアルキルマグネ
シウムブロミド(2)と反応させ(3)とし、塩基によ
り脱水しエポキシ(4)とする。(4)にフッ化水素ピ
リジン(HF・Py)を作用させ、フルオロアルコール
(5)とする。 (5)さらにp−トルエンスルホン酸クロリド(TsC
l)と反応させ、トシレート(6)とした後、化合物
(7)と反応させ、本発明の一般式(I)で表されるれ
る化合物を得る。
【0055】(5)の化合物としては、例えば次に示す
ような化合物が挙げられる。 2−フルオロ−6−メトキシ−1−ヘキサノール 2−フルオロ−6−エトキシ−1−ヘキサノール 2−フルオロ−6−(2,2,2−トリフルオロエチル
オキシ)−1−ヘキサノール 2−フルオロ−6−ビニルオキシ−1−ヘキサノール 2−フルオロ−6−アリルオキシ−1−ヘキサノール 2−フルオロ−6−プロピルオキシ−1−ヘキサノール 2−フルオロ−6−(1−メチルエチルオキシ)−1−
ヘキサノール 2−フルオロ−6−ブチルオキシ−1−ヘキサノール 2−フルオロ−6−(2−メチルプロピルオキシ)−1
−ヘキサノール 2−フルオロ−6−(1−メチルプロピルオキシ)−1
−ヘキサノール
【0056】2−フルオロ−7−メトキシ−1−ヘプタ
ノール 2−フルオロ−7−エトキシ−1−ヘプタノール 2−フルオロ−7−(2,2,2−トリフルオロエチル
オキシ)−1−ヘプタノル 2−フルオロ−7−ビニルオキシ−1−ヘプタノール 2−フルオロ−7−アリルオキシ−1−ヘプタノール 2−フルオロ−7−プロピルオキシ−1−ヘプタノール 2−フルオロ−7−(1−メチルエチルオキシ)−1−
ヘプタノール 2−フルオロ−7−ブチルオキシ−1−ヘプタノール 2−フルオロ−7−(2−メチルプロピルオキシ)−1
−ヘプタノール 2−フルオロ−7−(1−メチルプロピルオキシ)−1
−ヘプタノール 2−フルオロ−7−(1,1−ジメチルエチルオキシ)
−1−ヘプタノール
【0057】2−フルオロ−8−メトキシ−1−オクタ
ノール 2−フルオロ−8−エトキシ−1−オクタノール 2−フルオロ−8−(2,2,2−トリフルオロエチル
オキシ)−1−オクタノール 2−フルオロ−8−ビニルオキシ−1−オクタノール 2−フルオロ−8−アリルオキシ−1−オクタノール 2−フルオロ−8−プロピルオキシ−1−オクタノール 2−フルオロ−8−(1−メチルエチルオキシ)−1−
オクタノール 2−フルオロ−8−ブチルオキシ−1−オクタノール 2−フルオロ−8−(2−メチルプロピルオキシ)−1
−オクタノール 2ーフルオロ−8−(1−メチルプロピルオキシ)−1
−オクタノール 2−フルオロ−8−(1,1−ジメチルエチルオキシ)
−1−オクタノール
【0058】2−フルオロ−9−メトキシ−1−ノナノ
ール 2−フルオロ−9−エトキシ−1−ノナノール 2−フルオロ−9−(2,2,2−トリフルオロエチル
オキシ)−1−ノナノ−ル 2−フルオロ−9−(1−メチルエチルオキシ)−1−
ノナノール 2−フルオロ−10−メトキシ−1−デカノール 2−フルオロ−10−エトキシ−1−デカノール 2−フルオロ−10−(2,2,2−トリフルオロエチ
ルオキシ)−1−デカノール 2−フルオロ−10−(1−メチルエチルオキシ)−1
−デカノール 2−フルオロ−11−メトキシ−1−ウンデカノール 2−フルオロ−11−エトキシ−1−ウンデカノール 2−フルオロ−11−(2,2,2−トリフルオロエチ
ルオキシ)−1−ウンデカノール 2−フルオロ−11−(1−メチルエチルオキシ)−1
−ウンデカノール
【0059】2−フルオロ−12−メトキシ−1−ドデ
カノール 2−フルオロ−12−エトキシ−1−ドデカノール 2−フルオロ−12−(2,2,2−トリフルオロエチ
ルオキシ)−1−ドデカノール 2−フルオロ−13−(1−メチルエチルオキシ)−1
−トリデカノール 2−フルオロ−13−メトキシ−1−トリデカノール 2−フルオロ−13−エトキシ−1−トリデカノール 2−フルオロ−13−(2,2,2−トリフルオロエチ
ルオキシ)−1−トリデカノール 2−フルオロ−13−(1−メチルエチルオキシ)−1
−トリデカノール
【0060】一般式(I)で表わされる化合物の、各合
成例を下記に示す。 [合成例1] 2−フルオロ−1−[4−(4−オクチルオキシフェニ
ル)フェニルオキシ]−8−メトキシオクタン(例示化
合物a02) 前記反応式経路図の(6)の(R)−2−フルオロ−8
−メトキシオクチルトシレート332mg、4−(4−
オクチルオキシフェニル)フェノール387mg、DM
F2mlの中に炭酸カリウム449mgを加え、100
℃にて10時間攪拌した。反応終了後水4mlを加え、
酢酸エチルで抽出、水洗、脱水した後、溶媒を留去し
た。粗生成物をシリカゲルカルムクロマトグラフィー
(展開溶媒クロロホルム)により精製し、さらにエタノ
ールヘキサンにより二度再結晶することにより256m
gの2−フルオロ−1−[4−(4−オクチルオキシフ
ェニル)フェニルオキキシ]−8−メトキシオクタンを
得た。
【0061】相転移温度(℃) Cryst. 104 Iso
【0062】[合成例2〜6]合成例1において化合物
(7)として用いた4−(4−オクチルオキシフェニ
ル)フェノールの代わりに下記の(a)〜(e)を用い
る他は、合成例1と同じ処理を行い、下記の光学活性化
合物を合成した。
【0063】[合成例2] (a):4−(5−オクチル−2−ピリミジル)フェノ
ール 生成物:2−フルオロ−8−メトキシ−1−[4−(5
−オクチル−2−ピリミジニル)フェニルオキシ]オク
タン(例示化合物a04) 相転移温度(℃) Cryst. 49.9(N* 49.8) Iso
【0064】[合成例3] (b):4−(5−ノニル−2−ピリミジル)フェノー
ル 生成物:2−フルオロ−8−メトキシ−1−[4−(5
−ノニル−2−ピリミジニル)フェニルオキシ]オクタ
ン(例示化合物a09) 相転移温度(℃) Cryst. 44 SA 54.7 N* 55.5 Iso
【0065】[合成例4] (c):4−(trans−4−ペンチルシクロヘキシ
ル)フェノール 生成物:2−フルオロ−8−メトキシ−1−[4−(t
rans−4−ペンチシクロヘキシル)フェニル]オク
タン(例示化合物a10) 相転移温度(℃) Cryst. 33 Iso
【0066】[合成例5] (d):5−ヒドロキシ−2−(4−ヘプチルフェニ
ル)ピリミジン 生成物:2−フルオロ−1−[2−(4−ヘプチルフェ
ニル)−5−ピリミジルオキシ]−8−メトキシオクタ
ン(例示化合物a12) 相転移温度(℃) Cryst. 49.2 (Sc* 41.8)SA 68.
4 Iso
【0067】[合成例6] (e):2−フルオロ−4−(5−オクチル−2−ピリ
ミジル)フェノール 生成物:2−フルオロ−1−[2−フルオロ−4−(5
−オクチル−2−ピリミジル)フェニルオキシ]−8−
メトキシオクタン (例示化合物a16) 相転移温度(℃) Cryst. 42.8(N* 27.3) Iso
【0068】[合成例7] 2−フルオロ−7−メトキシ−1−[4−(5−オクチ
ル−2−ピリミジニル)フェニルオキシ]ヘプタン(例
示化合物a23) (S)−2−フルオロ−7−メトキシヘプチルトシレー
ト280mg、4−(5−オクチル−2−ピリミジル)
フェノール256mg、DMF2mlの中に炭酸カリウ
ム300mgを加え、110℃にて8時間攪拌した。反
応終了後水5mlを加え、酢酸エチルで抽出、水洗、脱
水した後、溶媒を留去した。粗生成物をヘキサン/TH
F(4/1)混合溶媒を用いてシリカゲルカルムクロマ
トグラフィーにより精製し、さらにエタノールにより再
結晶することにより160mgの2−フルオロ−7−メ
トキシ−1−[4−(5−オクチル−2−ピリミジニ
ル)フェニルオキシ]ヘプタンを得た。 相転移温度(℃) Cryst. 47 (Sc * 34 SA 41 N*
2) Iso
【0069】[合成例8] 7−エトキシ−2−フルオロ−1−[4−(5−オクチ
ル−2−ピリミジル)フェニルオキシ]ヘプタン(例示
化合物a42) (S)−7−エトキシ−2−フルオロヘプチルトシレー
ト248mg、4−(5)オクチル−2−ピリミジル)
フェノール420mg、DMF3mlの中に炭酸カリウ
ム480mgを加え、100℃にて6時間攪拌した。反
応終了後水6mlを加え、酢酸エチルで抽出、水洗、脱
水した後、溶媒を留去した。組生成物をヘキサン/酢酸
エチル(8/1)混合溶媒を用いてカラムクロマトグラ
フィーにより精製し、さらにエタノールにより再結晶す
ることにより260mgの7−エトキシ−2−フルオロ
−1−[4−(5−オクチル−2−ピリミジル)フェニ
ルオキシ]ヘプタンを得た。 相転移温度(℃) Cryst. 38.9 SA 43.7 Iso
【0070】[合成例9] 7−エトキシ−2−フルオロ−1−[4−(4−オクチ
ルオキシフェニル)フェニルオキシ]ヘプタン(例示化
合物a45) 合成例8において化合物(7)として用いた4−(5−
オクチル−2−ピリミジル)フェノールの代わりに4−
(4−オクチルオキシフェニル)フェノールを用いる他
は実施例8と同時処理を行い、7−エトキシ−2−フル
オロ−1−[4−(4−オクチルオキシフェニル)フェ
ニルオキシ]ヘプタンを合成した。 相転移温度(℃) Cryst. 88.1 SC 90.1 SA 93.0 Is
o
【0071】また前記一般式(II)で表される化合物と
しては、例えばb01〜b38に示すような化合物を挙
げることができる。
【0072】
【化23】
【0073】
【化24】
【0074】
【化25】
【0075】
【化26】
【0076】
【化27】
【0077】
【化28】
【0078】一般式(II)の化合物は、下図のように、
例えば2−置換−5−シアノピリジンから導かれるアミ
ジン塩酸塩と、対応するアクロレインとを反応させるこ
とにより、目的賭する(I)の化合物を製造できる。な
お、アクロレインの代わりに対応する置換マロン酸ジエ
ステルとを反応させて2−ピリジニル−−5−置換−
4,6−ジヒドロキシピリミジン誘導体を経由する方法
でも(I)の化合物を製造できる。
【0079】
【化29】
【0080】なお、上記の2−置換−5−シアノピリジ
ンの合成法については特開昭61−246167号公報
等に詳しく記載されており、またピリミジン環の閉環方
法についは特開昭60−543271号公報、特開昭6
3−301872号公報等に詳しく記載されている。
【0081】上記一般式(II)の化合物の具体的な合成
例を下記に示す。 [合成例1] 2−(4−ヘプチルフェニル)−5−(5−ペンチル−
2−ピリミジニル)−ピリジン(例示化合物b05) [一般式(II)において、R1 =C715−、Y=1、
4−フェニレン、R2=C511−] ナトリウムメトキサイド1.07g(19.6ミリモ
ル)のメタノールの溶液30mlに、2−(4−ヘプチ
ルフェニル)−5−ピリジニルアミジン塩酸塩2.0g
(6.02ミリモル)及びα−ペンチル−β−ジメチル
アミノアクロレイン1.02g(6.02ミリモル)を
加え、10時間還流した。反応混合物を酢酸水溶液に投
入れ酢酸エチルで抽出し、有機層を水洗後、溶媒を留去
した。残留物をカラムクロマトグラフィーにより精製
し、エタノールから再結晶して2−(4−ヘプチルフェ
ニル)−5−(5−ペンチル−2−ピリミジニル)−ピ
リジン0.22gを得た。
【0082】得られた化合物は液晶相を有し、その相転
移温度(℃)は次のとおりであった。 Cryst. 77.5 SC 113.9 SA 155.4
N 179.7 Iso
【0083】[合成例2] 2−(4−ヘプチルフェニル)−5−(5−ヘプチル−
2−ピリミジニル)−ピリジン(例示化合物b06) [一般式(II)において、R1 =C715−、Y=1、
4−フェニレン、R2=−C715] 合成例1においてα−ペンチル−β−ジメチルアミノア
クロレインを使用する代わりに、α−ペンチル−β−ジ
メチルアミノアクロレインを使用した以外は、合成例1
と同様に反応を行い、2−(4−ヘプチルフェニル)−
5−(5−ヘプチル−2−ピリミジニル)−ピリジンを
得た。
【0084】得られた化合物は液晶相を有し、その相転
移温度(℃)は次のとおりであった。 Cryst. 60.5 SC 144.4 SA 174.5
N 178.2 Iso
【0085】[合成例3] 2−(4−ヘプチルフェニル)−5−[5−(7−メチ
ルオクチル)−2−ピリミジニル]−ピリジン(例示化
合物b14) [一般式(II)において、R1 =C715−、Y=1,
4−フェニレン、R2=−(CH26 CH(CH32
] 合成例1においてα−ペンチル−β−ジメチルアミノア
クロレインを使用する代わりに、α−(7−メチルオク
チル)−β−ジメチルアミノアクロレインを使用した以
外は、合成例1と同様に反応を行い、2−(4−ヘプチ
ルフェニル)−5−[5−(7−メチルオクチル)−2
−ピリミジニル]−ピリジンを得た。
【0086】得られた化合物は液晶相を有し、その相転
移温度(℃)は次のとおりであった。 Cryst. 64.0 (SC 57.0)SF 97.0
C 164 Iso
【0087】また前記一般式(III) で表される化合物
(以下c成分ともいう)としては、下記のような化合物
を挙げることができる。
【0088】
【化30】
【0089】
【化31】
【0090】
【化32】
【0091】
【化33】
【0092】
【化34】
【0093】
【化35】
【0094】
【化36】
【0095】
【化37】
【0096】
【化38】
【0097】上記a成分およびb成分を含む組成物は、
勿論c成分を含んでも良く、さらに他の非キラル化合物
及びキラル化合物を含んでも良い。上記a成分およびc
成分を含む組成物についても、他の非キラル化合物及び
キラル化合物を含んでも良い。
【0098】上記他の非キラル化合物としては、例え
ば、下記の化合物を挙げることができる。
【0099】5−オクチルオキシ−2−(4−ヘプチル
フェニル)ピリミジン 5−ノニルオキシ−2−(4−ヘプチルフェニル)ピリ
ミジン 5−ヘプチル−2−(4−オクチルオキシフェニル)ピ
リミジン 5−オクチル−2−(4−オクチルオキシフェニル)ピ
リミジン 5−ノニル−2−(4−オクチルオキシフェニル)ピリ
ミジン 5−ヘプチル−2−(4−ノニルオキシフェニル)ピリ
ミジン 5−ヘプチル−2−(4−ヘプチルオキシフェニル)ピ
リジン 5−ヘプチル−2−(4−オクチルオキシフェニル)ピ
リジン 5−ヘプチル−2−(4−ノニルオキシフェニル)ピリ
ジン 5−ヘプチル−2−(3−フルオロ−4−オクチルオキ
シフェニル)ピリジン 5−(4−ヘプチルオキシフェニル)−2−(4−ヘプ
チルフェニル)ピリジン 5−デシル−2−(4−デカノイルオキシフェニル)ピ
リミジン 4−オクチルオキシフェニル−4’−デシルオキシベン
ゾエート 4−オクチルオキシフェニル−4’−デシルベンゾエー
ト 4−ヘキシルオキシフェニル−4’−オクチルベンゾエ
ート
【0100】他のキラル化合物としては、従来の光学活
性化合物を挙げることができ、特に限定されるものでは
ないが、例えば下記の化合物を挙げることができる。 5−オクチル−2−[4−((2S)−2−フルオロオ
クチルオキシ)フェニル]ピリミジン 5−[(2S)−2−((2S)−2−プロピルオキシ
−プロパノイルオキシ)−プロピルオキシ]−2−(4
−オクチルオキシフェニル)ピリミジン 5−[(2S)−2−((2S)−2−プロピルオキシ
−プロパノイルオキシ)−プロピルオキシ]−2−(4
−ヘプチルビフェニル)ピリミジン 5−((2S)−2−メチルブチル)−2−(4−ヘプ
チルビフェニル)ピリミジン
【0101】本発明の強誘電性液晶組成物は、上記a成
分およびb成分及び/又はc成分を使用する他は、従来
の強誘電性液晶組成物の製造のために使用される方法と
同様の方法で調製することができる。
【0102】また、本発明の強誘電性液晶組成物は、広
範囲の種々の態様の液晶表示素子の液晶材料として従来
の強誘電性液晶組成物と同様に使用することができ、高
速応また、本発明の強誘電性液晶組成物は、広範囲の種
々の態様の液晶表示素子の液晶材料として従来の強誘電
性液晶組成物と同様に使用することができ、高速応答性
を有する液晶表示素子を製造することができる。
【0103】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。し
かしながら、本発明は以下の実施例によって制限を受け
るものでない。
【0104】[実施例1]a成分として表1に示す
(9)の化合物及びc成分として表1に示す(5)、
(6)及び(7)の化合物を含む表1の9種の化合物を
混合して強誘電性液晶組成物を調製した。
【0105】
【表1】
【0106】上記強誘電性液晶組成物を二枚のガラス板
にはさみ、偏光顕微鏡による相の組織模様の観察を行っ
た結果、相転移温度を下記の通り確認した。
【0107】次に、この液晶組成物を、配向膜としてポ
リイミドを塗布しその表面をラビングすることにより平
行配向処理を施した、透明ガラス電極を備えた厚さ2μ
mのセルに注入して徐冷し、配向させ液晶素子とし、こ
れを2枚の直交した偏光板にはさみ、±10V、50H
zの矩形波を印加した際に、その透過光強度が0%から
90%に変化するのに要する時間(応答時間τ)を測定
した。その結果、35℃におけるτは76μsecであ
った。
【0108】また、矩形波印加時の分極反転電流の半値
幅から求めた、35℃におけるこの液晶の回転粘度係数
(η)は131mPasであった。また三角波印加時の
分極反転電流のピークの面積から求めた自発分極Ps
は、10.7nCcm-2であった。
【0109】また、100Vの直流電流をかけその極性
を反転させたときの消光位の移動角(2θ)を調べるこ
とにより求めたチルト角θは、35℃で21.0°であ
った。更に、直流で10Vの電圧を印加後、電圧を0に
して、印加時の配向状態が維持されているかどうか観察
した。電圧0の時も印加時と同じ光学強度が得られ、配
向状態に変化がないことが確認された。従って、本発明
の組成物は双安定性(メモリー性)に優れたものである
ことが分かった。
【0110】上記本発明の強誘電性液晶組成物は、応答
速度は従来のものに比べて特に速いものではないが実用
上充分な水準であり、また回転粘度係数が低くかつ双安
定性に優れている。また、上記相転移温度のSA →N*
が示すように、SA 、N* の両方の相を有し、且つ偏光
顕微鏡でSA 相を観察すると均一な二次元の相が確認さ
れたことから、配向性にも優れていることが分かった。
【0111】[実施例2]実施例1で使用した液晶組成
物に代えて、a成分として表2に示す(9)の化合物
(表1の(9)と同じ)及びb成分として表2に示す
(13)の化合物を含む表2の13種の化合物を混合し
て強誘電性液晶組成物を調製した。
【0112】
【表2】
【0113】そして、上記組成物を用いた以外は実施例
1におけると同様にして相転移温度、35℃における応
答時間、回転粘度係数、自発分極、チルト角の値を測定
した結果、次のような値を得た。 τ=67μs、 η=139mPas、 Ps=12.9nCcm-2、 θ=20.5°
【0114】上記本発明の強誘電性液晶組成物は、応答
速度は従来のものに比べて特に速いものではないが実用
上充分な水準であり、また実施例1と同様に双安定性に
ついて評価したところ、優れていることが分かった。ま
た、上記相転移温度のSA →N* が示すように、SA
* の両方の相を有し、且つ偏光顕微鏡でSA 相を観察
すると均一な二次元の相が確認されたことから、配向性
に優れていることが分かった。
【0115】[比較例1]実施例1で使用した液晶組成
物中の表1の(9)の化合物を下記の化合物:
【0116】
【化39】 に変えた以外は同じ組成で9種の化合物を混合して強誘
電性液晶組成物を調製した。
【0117】そして、上記組成物を用いた以外は実施例
1におけると同様にして相転移温度、35℃における応
答時間、回転粘度係数、自発分極、チルト角の値を測定
した結果、次のような値を得た。 τ=101μs、 η=161mPas、 Ps=12.3nCcm-2、 θ=22.1° 上記組成物は、回転粘度係数が高く、応答時間も充分に
早いものとは言えない。
【0118】
【発明の効果】本発明の強誘電性液晶組成物は、比較的
低粘度で自発分極が低いにもかかわらず高速応答性を示
し、且つ配向性および双安定性についても良好な特性を
有する組成物である。また本発明は、幅広いSc* 相を
示す液晶組成物も得られ易いので常温で使い易い素子の
作成に適している。すなわち、比較的低粘度で高速応答
性を示す下記一般式(I)で表されるキラル化合物と、
ネマチック相→スメチックA相の相変化を有し且つ広い
温度範囲のスメクチックC相を有するか、あるいはこれ
らの性質を有するベース液晶の構成成分として有用な下
記一般式(II)または(III) で表される非キラル化合物
とを使用することにより、比較的低粘度で自発分極が低
いにもかかわらず高速応答性を示し、上記N相及びSA
相を有する事から良好な配向性を有し、さらに良好な双
安定性を有する。従って、液晶表示素子に用いた場合、
駆動特性に優れた素子を得ることができる。
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キラル化合物と非キラル化合物とからな
    る液晶組成物であって、下記の一般式(I): 【化1】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
    又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
    水素基、二価の脂環式炭化水素基および窒素原子を含む
    二価の複素環基を表わし、R1 は、ハロゲン原子で置換
    されていても良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコ
    キシ基を表し(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以
    上が、O、S又はCOに置き換えらていてもよい)、R
    2 は、置換されていても良いアルキル基を表し、そして
    mは、4〜11の範囲の整数を表わす。]で表わされる
    キラル化合物が、該組成物中に3〜40重量%の範囲で
    含まれ、且つ下記の一般式(II): 【化2】 [ただし、Yは、一又は二個の弗素原子又はシアノ基で
    置換されていても良い1,4−フェニレン基あるいは
    1,4−シクロヘキシレン基を表し、そしてR3および
    4 は、それぞれ一個以上の弗素原子で置換されていて
    もよい炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基
    を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以上が
    O、S又はCOに置き換えられていてもよい)]で表わ
    される非キラル化合物が、該組成物中に5〜80重量%
    の範囲で含まれていることを特徴とする強誘電性液晶組
    成物。
  2. 【請求項2】 キラル化合物と非キラル化合物とからな
    る液晶組成物であって、下記の一般式(I): 【化3】 [ただし、A及びBは、それぞれ独立に、ハロゲン原子
    又はシアノ基で置換されていても良い二価の芳香族炭化
    水素基(フェニレン基)、二価の脂環式炭化水素基(シ
    クロヘキシレン基)および窒素原子を含む二価の複素環
    基を表わし、R1 は、ハロゲン原子で置換されていても
    良い直鎖又は分岐のアルキル基又はアルコキシ基を表し
    (ただし、隣接しないメチレン基の一つ以上がO、S又
    はCOに置き換えられていてもよい)、R2 は、置換さ
    れていても良いアルキル基を表し、そしてmは、4〜1
    1の範囲の整数を表わす。]で表わされるキラル化合物
    が、該組成物中に3〜40重量%の範囲で含まれ、且つ
    下記の一般式 (III): 【化4】 [ただし、Zは、一又は二個の弗素原子又はシアノ基で
    置換されていても良い1,4−フェニレン基あるいは
    1,4−シクロヘキシレン基を表し、そしてR5および
    6 は、それぞれ一個以上の弗素原子で置換されていて
    もよい炭素原子数1〜20の直鎖又は分岐のアルキル基
    を表わし(ただし、隣接しないメチレン基の一つ以上が
    O、S又はCOに置き換えられていてもよい)]で表わ
    される非キラル化合物が、該組成物中に5〜80重量%
    の範囲で含まれていることを特徴とする強誘電性液晶組
    成物。
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