JPH05186703A - 二酸化チタン被覆雲母粒子、その製造方法およびその装置 - Google Patents

二酸化チタン被覆雲母粒子、その製造方法およびその装置

Info

Publication number
JPH05186703A
JPH05186703A JP152292A JP152292A JPH05186703A JP H05186703 A JPH05186703 A JP H05186703A JP 152292 A JP152292 A JP 152292A JP 152292 A JP152292 A JP 152292A JP H05186703 A JPH05186703 A JP H05186703A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium dioxide
coated
particles
mica particles
titanium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP152292A
Other languages
English (en)
Inventor
Kentaro Oshima
賢太郎 大島
Toru Nishimura
徹 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP152292A priority Critical patent/JPH05186703A/ja
Publication of JPH05186703A publication Critical patent/JPH05186703A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/0015Pigments exhibiting interference colours, e.g. transparent platelets of appropriate thinness or flaky substrates, e.g. mica, bearing appropriate thin transparent coatings
    • C09C1/0021Pigments exhibiting interference colours, e.g. transparent platelets of appropriate thinness or flaky substrates, e.g. mica, bearing appropriate thin transparent coatings comprising a core coated with only one layer having a high or low refractive index
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/40Compounds of aluminium
    • C09C1/405Compounds of aluminium containing combined silica, e.g. mica
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09CTREATMENT OF INORGANIC MATERIALS, OTHER THAN FIBROUS FILLERS, TO ENHANCE THEIR PIGMENTING OR FILLING PROPERTIES ; PREPARATION OF CARBON BLACK  ; PREPARATION OF INORGANIC MATERIALS WHICH ARE NO SINGLE CHEMICAL COMPOUNDS AND WHICH ARE MAINLY USED AS PIGMENTS OR FILLERS
    • C09C2200/00Compositional and structural details of pigments exhibiting interference colours
    • C09C2200/10Interference pigments characterized by the core material
    • C09C2200/102Interference pigments characterized by the core material the core consisting of glass or silicate material like mica or clays, e.g. kaolin

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 光沢性に優れ、従来品とは異なった発色特性
を有する二酸化チタン被覆雲母粒子を低コストで製造す
ることを目的とする。 【構成】二酸化チタンの層状膜により被覆された雲母粒
子からなり、該層状膜の結晶構造がアモルファスである
ことを特徴とする二酸化チタン被覆雲母粒子、その製造
方法およびその装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二酸化チタン被覆雲母
粒子、その製造方法およびその装置に関する。さらに詳
しくは、有色真珠光沢性を有する二酸化チタン被覆雲母
粒子、その製造方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、二酸化チタン被覆雲母粒子は、
その優れた有色真珠光沢性を利用して、化粧品の顔料や
自動車用外板塗料等、鮮やかな色および光沢が必要とさ
れる分野に応用され、その需要および工業的価値は年々
増大してきている。
【0003】一般に、二酸化チタン被覆雲母粒子の製造
法には、液相法が主として工業的に利用され、例えば、
真珠光沢雲母顔料組成物の製法として、雲母基質薄片を
水性スラリーとして懸濁させ、含水酸化金属粒子を雲母
薄片上に沈積させた後、その雲母薄片を水性スラリー中
でpHが約7〜11.5になるような量の可溶性珪酸塩
で処理し、この珪酸塩処理された薄片をか焼することに
より、所望の真珠光沢顔料組成物を得る方法(特公昭5
3−47375号公報)が挙げられる。
【0004】二酸化チタン被覆の製法として、例えば、
遊離酸を含有するチタン塩水溶液および含水アルカリ金
属塩基を、温度およびpHの調整された被覆すべき固体
物質の水懸濁液に同時に供給し、被覆工程中常に一定の
pH値を維持させ、かつ、供給されるチタン塩量を被覆
すべき表面積に応じて調整して水懸濁液に添加すること
により、二酸化チタン被覆を行う方法(特公昭49−3
824号公報)が挙げられる。
【0005】前記の他に、真珠顔料の製造法として、例
えば、硫酸イオンを含むチタン塩−尿素水溶液に薄片状
基質を懸濁させ、この懸濁液を加温して分解生成するア
ンモニアを均一反応的にチタン塩と反応させて薄片状基
質の表面に水和酸化チタンを沈着させ、その水和酸化チ
タンが沈着した薄片状基質をか焼することにより、所望
の真珠顔料を得る方法(特公昭51−6172号公報)が
挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上の液相法による従
来技術において、液相法による場合の被覆膜は、二酸化
チタン微粒子膜であり、被覆膜表面には微粒子状の凹凸
が生じており、その凹凸による光散乱のために被覆膜か
らの干渉光が弱くなり、光沢性が損なわれるという問題
点がある。そして、液相法により生成した二酸化チタン
被覆膜の結晶相はルチル型およびアナターゼ型であり、
可視光の吸収、反射により発色する色はそれら結晶性に
起因する屈折率が関係するため、それらの屈折率からの
発色特性には限界があると考えられる。また、液相法に
よる二酸化チタン被覆雲母粒子の製造プロセスについて
は、液相内反応を利用するため、生成した二酸化チタン
被覆雲母粒子は固液混相の状態で得られ、製品として得
るには、必ず瀘過、乾燥工程が必要である。かくして、
製造プロセスが複雑となり、低コスト化が困難になると
いう欠点がある。
【0007】さらに、前記方法(特公昭51−6172
号公報)のように製品の性能および耐久性を高めるため
には、水和酸化チタンが沈着した薄片状基質をか焼する
ことにより、その基質の脱水および基質表面の水和酸化
チタンを安定な酸化チタンに変化させる必要があり、こ
のか焼工程も低コスト化を困難なものにする。
【0008】本発明者らは、二酸化チタン被覆雲母粒子
の光沢性を良くし、従来品とは異なる発色特性を持た
せ、かつ簡便な製造プロセスにより低コストで二酸化チ
タン被覆雲母粒子を得るということを目的として鋭意研
究を重ねた。その結果、意外にも、雲母粒子上に層状で
かつアモルファスタイプの二酸化チタン被覆膜を設ける
と、その目的が達成できることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、二
酸化チタンの層状膜により被覆された雲母粒子であるこ
とを特徴とする二酸化チタン被覆雲母粒子、
【0010】チタンアルコキシドを蒸気化し;その蒸気
をキャリアーガスを用いて常圧あるいは減圧状態の高温
反応炉内へ送り;該反応炉内でチタンアルコキシドを熱
分解することにより二酸化チタン超微粒子を生成させ;
該反応炉内にあらかじめ静置された雲母粒子から構成さ
れる粉体層の表面および内部に、該二酸化チタン超微粒
子を拡散沈着させて二酸化チタン被覆雲母粒子を形成す
ることを特徴とする二酸化チタン被覆雲母粒子の製造方
法、および
【0011】チタンアルコキシドを蒸気化する原料気化
装置と;その蒸気を輸送するキャリアーガス供給装置
と;供給されたチタンアルコキシド蒸気の熱分解反応を
行う高温反応炉と;被覆されるべき雲母粒子から構成さ
れる粉体層を形成させるための、該反応炉内に静置され
た粉体層形成容器と;反応炉内圧力を常圧または減圧状
態にする真空排気装置とからなることを特徴とする二酸
化チタン被覆雲母粒子の製造装置を提供するものであ
る。
【0012】本発明によれば、 1)二酸化チタンによる被覆膜を層状膜とすることによ
り、被覆膜表面が滑らかとなるため、被覆膜表面での光
散乱が抑制されて干渉光が見え易くなり、その結果とし
て光沢性の良い二酸化チタン被覆雲母粒子が得られ、 2)二酸化チタンによる被覆膜の結晶相をアモルファス
とすることにより、液相法でか焼した場合の被覆膜の結
晶相であるアナターゼ型およびルチル型とは屈折率が異
なるため、従来品とは異なる発色特性が得られる。 3)液相法による製造と異なり、気相法による製造では
瀘過、乾燥工程が不要であり、そのために簡便な製造プ
ロセスとなり、一段の製造プロセスにより低コストで二
酸化チタン被覆雲母粒子を製造できる。
【0013】以下、図面に基づいて本発明方法およびそ
の装置を詳細に説明する。図1は、本発明の装置の一具
体例を示す概略図である。本発明の二酸化チタン被覆雲
母粒子は、原料気化装置1内で発生するチタンアルコキ
シド蒸気を、キャリアーガス供給装置2より送られてく
るキャリアーガスに同伴させて、高温加熱体3を有する
常圧あるいは減圧状態の反応管4内へ送り込み、該反応
管内でチタンアルコキシドの熱分解反応により二酸化チ
タン超微粒子を発生させ、該反応管内にあらかじめ静置
された粉体層形成容器5内の雲母粒子からなる粉体層表
面および内部に、該二酸化チタン超微粒子を拡散沈着さ
せることにより得られる。なお、該反応管内圧力の調整
は、管内圧力を示す真空計6および真空排気装置7によ
り行う。
【0014】被覆層の原料であるチタンアルコキシドと
しては、例えば、チタンメトキシド、チタンエトキシ
ド、チタンプロポキシド、チタンブトキシド、チタンペ
ントキシド、チタンヘキソキシド等が挙げられる。
【0015】反応管4内のチタンアルコキシド蒸気濃度
は、蒸気圧と全圧の分圧比から関係から10-4〜30mo
l%の範囲、望ましくは10-3〜10mol%の範囲が良
い。10-4mol%より低い濃度では二酸化チタンによる
被覆に長時間を要し、また30mol%より高い濃度では
反応管内で未熱分解蒸気が多量に発生し、その蒸気が被
覆される粉体層に液状で付着するため、均一な被覆を行
えない。
【0016】キヤリアーガスとは、不活性ガスあるいは
熱分解反応の進行を妨げないガスを言い、例えば、ヘリ
ウム、乾燥空気、窒素等が用いられるが、反応管4内で
生成した二酸化チタン超微粒子の拡散速度を増大させる
ことを考慮すると、分子の平均自由工程が大きいヘリウ
ムガスが好ましい。
【0017】キヤリアーガス流量は、反応管4内でのチ
タンアルコキシドの熱分解に要する時間を考慮して、該
反応管内でのチタンアルコキシド蒸気の滞留時間が0.
1secより大きくなるように調節することが好ましい。
【0018】反応炉は、反応管4において、管軸方向お
よび半径方向に対して等温部がなるべく広く保たれるよ
うに加熱体3を温度制御できるようにしなくてはならな
い。
【0019】反応炉の温度は、チタンアルコキシド蒸気
の熱分解温度、その蒸気濃度および反応管4内での滞留
時間等を考慮して設定しなければならないが、100〜
1000℃、望ましくは200〜600℃の範囲が良
い。100℃より低い温度では、チタンアルコキシドの
熱分解反応が進行しにくく、また1000℃より高い温
度では不純物となるススが発生してしまう。
【0020】チタンアルコキシドの熱分解反応を例示す
ると、 1) Ti(OC37)4→TiO2+4C36+2H2O 2) Ti(OC49)4→TiO2+4C48+2H2O である。
【0021】上記の式で表わされるように、反応管4内
でチタンアルコキシドの熱分解反応により生成した二酸
化チタンは、その生成機構から考えて超微粒子状のもの
で、超微粒子とはモノマーと呼ばれる分子、およびそれ
らのモノマーの集合体であるクラスターのことを言う。
このような超微粒子では、微粒子を構成する全分子数中
に占める微粒子表面に位置する分子数の割合が大きくな
るために微粒子の表面エネルギーが増大しており、その
ような超微粒子が気相雰囲気中に存在する基板表面に拡
散沈着した場合、その堆積の結果生成した膜は層状膜に
なる。すなわち本発明によれば、二酸化チタンの被覆膜
の膜構造は層状となる。一方、従来技術である液相法で
は、液相内反応により生成する二酸化チタン微粒子ある
いは水和酸化チタン微粒子を雲母粒子表面に沈積させて
被覆膜を形成させるので、その被覆膜の構造は微粒子状
となる。
【0022】反応管内の圧力状態は、常圧または減圧で
あり、絶対圧力としては10-3〜800Torr、望まし
くは10-2〜780Torrの範囲が好ましい。10-3To
rrより低い圧力では、チタンアルコキシド蒸気および二
酸化チタン超微粒子の拡散速度が極めて大きくなり、そ
れらが反応管内の入口付近に集中して蒸着するために、
被覆される粉体層にうまく均一に拡散沈着しなくなる。
また、800Torrより高い圧力では、該蒸気および該
超微粒子の拡散速度が小さくなり、それらが粉体層に拡
散沈着する前に凝集衝突して粒子となり、被覆される雲
母粒子表面に層状膜が形成できなくなる。
【0023】被覆される雲母としては、例えば、マスコ
バイト(白雲母)、フロゴバイト(金雲母)、バイオタイト
(黒雲母)、セリサイト(絹雲母)等の天然鉱物系雲母、フ
ッ素金雲母、カリ四珪素雲母等の人工合成物系雲母が挙
げらる。これら雲母以外の被覆される物質としては滑石
(タルク)が挙げられ、これらの二酸化チタン被覆物粒子
は有色真珠光沢性を有する。
【0024】被覆される雲母の形状は、干渉光を得られ
易くするために、平均アスペクト比(粒子径と厚さの比)
が5〜100の範囲である板状粒子であって、表面の凹
凸が少ないものが好ましい。また粒子径は顔料としての
使用を考慮して、平均粒子径が0.1〜1000μm、
好ましくは0.5〜500μm、更に好ましくは1〜1
00μmの範囲のものが良い。
【0025】被覆される雲母粒子からなる粉体層の形成
容器5としては、その材質はチタンアルコキシドの熱分
解反応に影響を及ぼさないものが良く、その形状および
大きさは粉体層を形成させるものであって、反応管4内
のガス流れにあまり影響を及ぼさない程度のものであれ
ば、任意の形状および大きさで良い。例えば、アルミ
ナ、ジルコニア等の高温耐熱性のセラミックス製ボート
が好ましい。
【0026】被覆膜である二酸化チタン膜の構造は均一
な膜厚の層状膜が好ましく、その厚さは0.01〜10
μm、望ましくは0.05〜1μmの範囲が好ましい。
二酸化チタンによる被覆層を層状膜とすることにより、
被覆膜表面が滑らかとなるため、被覆膜表面での光散乱
が抑制されて干渉光が見え易くなり、その結果として、
光沢性の良い二酸化チタン被覆雲母粒子が得られる。被
覆層の厚さが10μm未満では膜部分で可視光の吸収、
反射が行われにくく光沢性がなくなり、10μmを越え
ると可視光が膜内を透過できずに干渉光が見えにくく光
沢性がなくなり、好ましくない。
【0027】本発明においては、二酸化チタンによる被
覆膜の結晶相をアモルファスとすることが好ましい。そ
れにより、液相法による場合の被覆膜の結晶相であるア
ナターゼ型およびルチル型とは屈折率が異なるため、そ
の為に従来品とは異なる発色特性が得られる。
【0028】また、本発明による二酸化チタン被覆雲母
粒子は有色真珠光沢性を有するが、鮮やかな色彩を得る
には、その色がJIS規格で定めた標準光源C(JIS
Z8720(測定用の標準の光及び標準光源))を用いた
L*a*b*表色系(JISZ8730(色差表示方法))
において、L*=25〜90、a*=−30〜70、b
*=−90〜50の範囲が好ましい。
【0029】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、これらに限定されるものではない。 実施例1 チタンテトライソプロポキシド(Ti(OC37)4)を気化
して用い、白雲母(平均粒子径は約5μm、平均アスペク
ト比は約20)をアルミナ製ボート(内寸法として、長さ
85mm、幅9mm、高さ5mm肉厚)に入れて粉体層高さ
を3mmとし、該アルミナ製ボートを反応管内中央(反応
管長さ方向に対して)に静置して、キャリアーガスにヘ
リウムを用いて、図1に示す装置で二酸化チタン被覆雲
母粒子を作成した。反応管にはステンレス製チューブ
(内径50mm、長さ50cm)を用い、該蒸気濃度を蒸気圧
と全圧の分圧比から計算して10mol%で一定とし、反
応管内圧力および反応炉温度を、それぞれ7Torr、3
50℃で一定とし、蒸着時間を20分とした。
【0030】前記条件で生成した二酸化チタン被覆雲母
粒子は、その全体色が肌色で、かつ鮮やかな真珠光沢性
を有しており、反応終了後の白雲母よりなる粉体層を観
察すると、その表面および内部にある二酸化チタン被覆
雲母粒子とも均一な肌色の真珠光沢性をもつことが認め
られた。その肌色真珠光沢性を有する二酸化チタン被覆
雲母粒子は、液相法による従来品とは異なる発色特性を
有していた。
【0031】次に、該雲母粒子の発色特性を評価するた
めに、分光計を用いて波長380〜780nmの可視光
領域における該雲母粒子の反射率を測定し、その結果を
L*a*b*表色系(JIS Z8730で規定、標準
光源C(JIS Z8720で規定)を使用)により検討し
た。その結果L*=80.86、a*=1.070、b*
=7.627であった。
【0032】該雲母粒子の被覆膜を電子分光分析(ES
CA)を用いて、Ti元素について分析を行った結果を図
2に示す。図2中の二つのピーク位置が結合エネルギー
値で458.4と464.2evであり、これは二酸化チ
タン特有のピーク値であることから、被覆膜では二酸化
チタンが生成していることが認められる。
【0033】該雲母粒子の二酸化チタン被覆膜の結晶性
は、X線回折装置による結晶相同定の結果、アモルファ
スであった。
【0034】次にその被覆膜の構造を示す二酸化チタン
被覆雲母粒子断面の透過型電子顕微鏡写真を図3の図面
代用写真に示す。この図より明らかなように、被覆膜の
構造は層状であり、平均膜厚は約0.05nmであり、雲
母粒子はほぼ均一に被覆されていることがわかる。
【0035】実施例2 チタンテトライソプロポキシド(Ti(OC37)4)を気化
して用い、絹雲母(平均粒子径は約4μm、平均アスペク
ト比は約15)を実施例1で用いたアルミナ製ボートと
同じものに入れて粉体層高さを4mmとし、そのアルミナ
製ボートを反応管内中央(反応管長さ方向に対して)に静
置し、キャリアーガスにヘリウムを用いて、図1に示す
装置で二酸化チタン被覆雲母粒子を作成した。反応管に
は実施例1で用いた反応管と同じものを用い、該蒸気濃
度を蒸気圧と全圧の分圧比から計算して5mol%で一定
とし、反応管内圧力および反応炉温度を、それぞれ7T
orr、350℃で一定とし、蒸着時間を60分とした。
【0036】上記条件で生成した二酸化チタン被覆雲母
粒子は、その全体色が肌色の鮮やかな真珠光沢性を有し
ており、反応終了後の絹雲母より成る粉体層を観察する
と、その表面および内部にある二酸化チタン被覆雲母粒
子とも均一な肌色の真珠光沢性をもつことが認められ
た。その肌色真珠光沢性を有する二酸化チタン被覆雲母
粒子は、液相法による従来品とは異なる発色特性を有し
ていた。
【0037】次に、該雲母粒子の発色特性を評価するた
めに、分光計を用いて波長380〜780nmの可視光
領域における該雲母粒子の反射率を測定し、その結果を
L*a*b*表色系(JIS Z8730で規定、標準
光源C(JIS Z8720で規定)を使用)により検討し
た。その結果、L*=79.89、a*=1.032、b
*=5.774であった。
【0038】該雲母粒子の被覆膜を電子分光分析(ES
CA)を用いてTi元素について分析を行った結果を図4
に示す。図4中の二つのピーク位置が結合エネルギー値
で458.8と464.5evであり、これは二酸化チタ
ン特有のピーク値であることから、被覆膜では二酸化チ
タンが生成していることが認められる。
【0039】該雲母粒子の二酸化チタン被覆膜の結晶性
は、X線回折装置による結晶相同定の結果、アモルファ
スであった。
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、二酸化
チタンによる被覆膜を層状とすることにより、被覆膜表
面が滑らかとなるため、被覆膜表面での光散乱が抑制さ
れて干渉光が見え易くなり、鮮やかな光沢性を有する二
酸化チタン被覆雲母粒子を得ることができ、また、二酸
化チタンによる被覆膜の結晶相をアモルファスとするこ
とにより、液相法による場合の被覆膜の結晶相であるア
ナターゼ型およびルチル型とは屈折率が異なり、そのた
めに従来品とは異なる発色特性である肌色を有するもの
ができ、簡便な製造プロセスにより低コストで二酸化チ
タン被覆雲母粒子を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の装置の一具体例を示す概略図であ
る。
【図2】 実施例1で得られた二酸化チタン被覆雲母粒
子を電子分光分析(ESCA)を用いて、Ti元素につい
て測定した結果を示すグラフである。
【図3】 実施例1で得られた二酸化チタン被覆雲母粒
子の被覆膜の膜構造を示す図面代用写真である。
【図4】 実施例2で得られた二酸化チタン被覆雲母粒
子を電子分光分析(ESCA)を用いて、Ti元素につい
て測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1;原料気化装置、2;キャリアーガス供給装置、3;
高温加熱体、4;反応管、5;粉体層形成容器、6;真
空計、7;真空排気装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】反応管4内のチタンアルコキシド蒸気濃度
は、蒸気圧と全圧の分圧比の関係から10-4〜30mol
%の範囲、望ましくは10-3〜10mol%の範囲が良
い。10-4mol%より低い濃度では二酸化チタンによる
被覆に長時間を要し、また30mol%より高い濃度では
反応管内で未熱分解蒸気が多量に発生し、その蒸気が被
覆される粉体層に液状で付着するため、均一な被覆を行
えない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】被覆される雲母としては、例えば、マスコ
バイト(白雲母)、フロゴバイト(金雲母)、バイオタイト
(黒雲母)、セリサイト(絹雲母)等の天然鉱物系雲母、フ
ッ素金雲母、カリ四珪素雲母等の人工合成物系雲母が挙
げられる。これら雲母以外の被覆される物質としては滑
石(タルク)が挙げられ、これらの二酸化チタン被覆物粒
子は有色真珠光沢性を有する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】被覆膜である二酸化チタン膜の構造は均一
な膜厚の層状膜が好ましく、その厚さは0.01〜10
μm、望ましくは0.05〜1μmの範囲が好ましい。
二酸化チタンによる被覆層を層状膜とすることにより、
被覆膜表面が滑らかとなるため、被覆膜表面での光散乱
が抑制されて干渉光が見え易くなり、その結果として、
光沢性の良い二酸化チタン被覆雲母粒子が得られる。被
覆層の厚さが0.01μm未満では膜部分で可視光の吸
収、反射が行われにくく光沢性がなくなり、10μmを
越えると可視光が膜内を透過できずに干渉光が見えにく
く光沢性がなくなり、好ましくない。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をさらに詳し
く説明するが、これらに限定されるものではない。 実施例1 チタンテトライソプロポキシド(Ti(OC37)4)を気化
して用い、白雲母(平均粒子径は約5μm、平均アスペク
ト比は約20)をアルミナ製ボート(内寸法として、長さ
85mm、幅9mm、高さ5mmで肉厚25mm)に入れて粉
体層高さを3mmとし、該アルミナ製ボートを反応管内中
央(反応管長さ方向に対して)に静置して、キャリアーガ
スにヘリウムを用いて、図1に示す装置で二酸化チタン
被覆雲母粒子を作成した。反応管にはステンレス製チュ
ーブ(内径50mm、長さ50cm)を用い、該蒸気濃度を蒸
気圧と全圧の分圧比から計算して10mol%で一定と
し、反応管内圧力および反応炉温度を、それぞれ7Tor
r、350℃で一定とし、蒸着時間を20分とした。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二酸化チタンの層状膜により被覆された
    雲母粒子であることを特徴とする二酸化チタン被覆雲母
    粒子。
  2. 【請求項2】 二酸化チタンの層状膜の結晶構造がアモ
    ルファスである二酸化チタン被覆微粒子。
  3. 【請求項3】 チタンアルコキシドを蒸気化し;その蒸
    気をキャリアーガスを用いて常圧あるいは減圧状態の高
    温反応炉内へ送り;該反応炉内でチタンアルコキシドを
    熱分解することにより二酸化チタン超微粒子を生成さ
    せ;該反応炉内にあらかじめ静置された雲母粒子から構
    成される粉体層の表面および内部に、該二酸化チタン超
    微粒子を拡散沈着させて二酸化チタン被覆雲母粒子を形
    成することを特徴とする二酸化チタン被覆雲母粒子の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 チタンアルコキシドを蒸気化する原料気
    化装置と;その蒸気を輸送するキャリアーガス供給装置
    と;供給されたチタンアルコキシド蒸気の熱分解反応を
    行う高温反応炉と;被覆されるべき雲母粒子から構成さ
    れる粉体層を形成させるための、該反応炉内に静置され
    た粉体層形成容器と;反応炉内圧力を常圧または減圧状
    態にする真空排気装置とからなることを特徴とする二酸
    化チタン被覆雲母粒子の製造装置。
JP152292A 1992-01-08 1992-01-08 二酸化チタン被覆雲母粒子、その製造方法およびその装置 Pending JPH05186703A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP152292A JPH05186703A (ja) 1992-01-08 1992-01-08 二酸化チタン被覆雲母粒子、その製造方法およびその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP152292A JPH05186703A (ja) 1992-01-08 1992-01-08 二酸化チタン被覆雲母粒子、その製造方法およびその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05186703A true JPH05186703A (ja) 1993-07-27

Family

ID=11503838

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP152292A Pending JPH05186703A (ja) 1992-01-08 1992-01-08 二酸化チタン被覆雲母粒子、その製造方法およびその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05186703A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063127A (ja) * 2006-10-23 2007-03-15 Topy Ind Ltd 雲母系複合材料およびその製造方法
CN103357547A (zh) * 2013-07-06 2013-10-23 奇瑞汽车股份有限公司 一种珠光粉油漆喷涂装置及喷涂方法
KR101642453B1 (ko) * 2015-11-02 2016-07-25 한국화학연구원 가시광선 영역의 높은 광활성, 은폐력 및 항균력이 우수한 견운모의 제조방법 및 이에 의해 제조된 견운모
CN113355002A (zh) * 2020-03-04 2021-09-07 关西涂料株式会社 涂料组合物和多层涂膜形成方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007063127A (ja) * 2006-10-23 2007-03-15 Topy Ind Ltd 雲母系複合材料およびその製造方法
JP4624333B2 (ja) * 2006-10-23 2011-02-02 トピー工業株式会社 雲母系複合材料およびその製造方法
CN103357547A (zh) * 2013-07-06 2013-10-23 奇瑞汽车股份有限公司 一种珠光粉油漆喷涂装置及喷涂方法
KR101642453B1 (ko) * 2015-11-02 2016-07-25 한국화학연구원 가시광선 영역의 높은 광활성, 은폐력 및 항균력이 우수한 견운모의 제조방법 및 이에 의해 제조된 견운모
CN113355002A (zh) * 2020-03-04 2021-09-07 关西涂料株式会社 涂料组合物和多层涂膜形成方法
CN113355002B (zh) * 2020-03-04 2024-01-30 关西涂料株式会社 涂料组合物和多层涂膜形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2001257372B2 (en) Process for making durable titanium dioxide pigment in the chloride process without wet treatment
Ahn et al. Variation of structural and optical properties of sol-gel TiO2 thin films with catalyst concentration and calcination temperature
US4978394A (en) Metal oxide coated aluminum pigments
US5026429A (en) Metal oxide coated platelet-like organic pigments
AU2001257372A1 (en) Process for making durable titanium dioxide pigment in the chloride process without wet treatment
JPH01275665A (ja) ことに帯青色の真珠様光沢顔料の製造方法
US3869298A (en) Iron oxide pigments and process for the production thereof
JP3132918B2 (ja) 赤色系顔料及びその製造方法
JPH0452309B2 (ja)
US5238492A (en) Pigment and process for producing the same
JP2000044834A (ja) 還元雰囲気中で加熱された、二酸化チタン被覆された珪酸塩小板状物を基礎とするゴニオクロマチックラスタ―顔料
CN101353488A (zh) 一种高饱和度的多层珠光颜料及其制备方法
JPH0124183B2 (ja)
Lavrenčič Štangar et al. Preparation and spectroscopic characterization of blue CoAl 2 O 4 coatings
JPH04220467A (ja) 耐光性、耐湿性を有する金属酸化物で被覆された雲母顔料とその安定化方法
EP0837114A1 (en) Ultraviolet absorber composition and process for production thereof
US6056815A (en) Methods and compositions related to pearlescent pigments
JPH11315219A (ja) ゴニオクロマティック光沢顔料、その製造方法およびその使用
CN111171602B (zh) 珠光颜料制备方法
JPH05186703A (ja) 二酸化チタン被覆雲母粒子、その製造方法およびその装置
FI76363B (fi) Aluminiumoxidbelagd tio2-pigment.
Ryu et al. Effect of substrate on the phase transformation of TiO2 in pearlescent pigment
EP2663525B1 (en) Process for controlling particle size and silica coverage in the preparation of titanium dioxide
JPH06116508A (ja) チタニアまたはジルコニアで被覆されたフレーク状物体の製造方法
US3510333A (en) Pigment product