JPH05186543A - 水性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

水性樹脂組成物およびその製造方法

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JPH05186543A
JPH05186543A JP300992A JP300992A JPH05186543A JP H05186543 A JPH05186543 A JP H05186543A JP 300992 A JP300992 A JP 300992A JP 300992 A JP300992 A JP 300992A JP H05186543 A JPH05186543 A JP H05186543A
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JP
Japan
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resin
polymerizable monomer
acid anhydride
resin composition
polyurethane resin
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JP300992A
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English (en)
Inventor
Hitoshi Takayanagi
均 高柳
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 たとえば、水酸基含有ポリウレタン樹脂と、
無水(メタ)アクリル酸とを反応させることによって得
られる特定のビニル基含有ポリウレタン樹脂の20〜9
0重量部と、カルボキシル基含有重合性単量体を必須の
成分として含む重合性単量体の10〜80重量部とを共
重合せしめたのち、水性媒体中に分散せしめて得られる
水性樹脂組成物;あるいは、このようにして、当該水性
樹脂組成物を製造せしめるという方法。 【効果】 無水(メタ)アクリル酸を用いることによっ
て、低温で、しかも、無触媒という条件下で、容易に、
ビニル基の導入が可能となる。得られる水分散体粒子中
の、疎水部と親水部とは、化学的に結合している処か
ら、当該水分散体は、優れた機械的安定性、熱的安定性
ならびに経時安定性を示す。さらに、無水酸による変性
に際して、ウレタン樹脂と重合性単量体との重量比率を
変えることによって、塗膜の可撓性などの物性を、容易
に、変えることが出来、下塗り、中塗り、そして、上塗
りといった、それぞれの用途に適合した物性を満たすこ
とが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規にして有用なる水
性樹脂組成物とその製造方法に関する。さらに詳細に
は、本発明は無水(メタ)アクリル酸変性ポリウレタン
樹脂という特定の樹脂と、カルボキシル基含有重合性単
量体を必須の成分とする特定の重合性単量体とを用いる
ことから成る、水性樹脂組成物とその製造方法に関す
る。そして、本発明の水性樹脂組成物、つまり、本発明
によって得られる水性樹脂組成物は、とりわけ、優れた
機械的安定性、熱的安定性ならびに経時的安定性を有す
るものであり、しかも、皮膜の適度なる可撓性を有する
ものである。
【0002】したがって、本発明の水性樹脂組成物、つ
まり、本発明によって得られる水性樹脂組成物は、とり
わけ、塗料用の樹脂組成物として、就中、下塗り、中塗
り、上塗り用として、それぞれの用途に適用することが
出来るものである。
【0003】
【従来の技術】これまでにも、金属被覆用塗料、中で
も、自動車または電気製品の如き、各種の下塗り、中塗
り、そして、上塗りに関して、防食、加工性ならびに耐
チッピング性などの如き、各種の特性を必要とする場合
には、多くの例では、ウレタン系樹脂が検討されてい
る。
【0004】言う迄もなく、ウレタン樹脂に由来する可
撓性、弾性という特性を利用するためである。近年、塗
料分野においては、省資源ならびに環境保護などの理由
から、溶媒ないしは分散媒としての、有機溶剤の一部ま
たは全部を、水に代替してなる水性塗料が、多く、使用
されるようになって来た。
【0005】上記したような各分野において、かかる水
系においても、溶剤型におけると同様、主として、ウレ
タン樹脂系のものが検討されている。しかしながら、ウ
レタン樹脂単独では、硬度や耐汚染性などを含めた塗膜
諸物性のバランスを取ることが困難である処から、アク
リル/ウレタン系という複合樹脂タイプが、主に、検討
されている。
【0006】かかる複合樹脂タイプのものは、とりもな
おさず、ウレタン樹脂に由来する可撓性と、アクリル樹
脂に由来する硬さとを併有させようとする試みであり、
種々の方法が提案されている。
【0007】すなわち、たとえば、特開昭59−138
212号公報に示されるような乳化剤で以て、ウレタン
樹脂を分散せしめた形のラテックスに、エチレン性モノ
マ−を加えて乳化重合するという例が開示されている。
【0008】しかし、乳化剤の使用による塗膜の、耐水
性あるいは耐候性などの劣化が認められ、したがって、
実用性が低下するという欠点を有する。また、特公昭6
0−42809号公報には、重合性不飽和結合(重合性
不飽和基)を有するウレタン樹脂水溶液中で、エチレン
性モノマ−を重合せしめるという、いわゆるシ−ド重合
法による方法が、さらには、特開平1−287183号
公報には、アクリル樹脂エマルジョンと、ウレタン樹脂
エマルジョンとをブレンドせしめるという方法が、それ
ぞれ、開示されている。
【0009】このような場合に使用されるウレタン樹脂
は、主鎖に、親水セグメント(主に、カルボキシル基)
を導入した形の、いわゆる自己乳化型のウレタン樹脂で
あり、親水セグメントを主鎖に導入するために、塗膜の
耐水性が低下したり、あるいは、熱硬化時に、親水セグ
メント部分が架橋するために、可撓性が低下し、ひいて
は、充分なる塗膜物性が得られないという問題が生じ
る。
【0010】また、水溶性アクリル樹脂によって、疎水
性ウレタン樹脂を機械的に分散せしめるという方法も有
るにはあるが、かかる水分散体は、とりわけ、機械的安
定性、熱的安定性ならびに経時安定性などが劣るという
欠点がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上述したよう
な種々の問題点を解決する手段として、疎水性ウレタン
樹脂にビニル基を導入し、カルボキシル基含有重合性単
量体と共に重合せしめることによって得られる、いわゆ
るグラフトポリマ−の利用が考えられる。
【0012】かかるグラフトポリマ−は、 ソ−プフ
リ−であり、 疎水部と親水部とが化学的に結合して
いるために、分散安定性に優れているし、 疎水性ウ
レタン樹脂を用いることができるために、耐水性に問題
を生じるというようなことも無い。
【0013】また、ウレタン樹脂とアクリル樹脂の特性
が最大限に引き出されるという特徴をも有する。しかし
ながら、このようにして、ビニル基をウレタン樹脂に導
入する方法としては、種々のものが知られてこそ居るも
のの、いずれも、問題無しとはしなる。
【0014】すなわち、たとえば、主鎖にカルボキシル
基が導入された形のウレタン樹脂と、グリシジル基含有
重合性単量体とを反応せしめることによってビニル基を
導入できるが、この場合には、無触媒であれば、高温で
反応させるという必要が生じ、その結果、高沸点の溶媒
を使用するために、脱溶剤が困難となるという欠点があ
る。
【0015】また、アミン系の触媒を用いると、低温に
よる反応が可能となるが、過酸化物などによって酸化さ
れて、着色成分が生じ、その結果として、実用性が低下
するということになる。
【0016】さらに、ビニル基導入部分の親水性が高
く、したがって、塗膜の耐水性や耐加水分解性などが劣
る。さらにまた、重合性不飽和基含有ジオ−ルなどを、
ジイソシアネ−トと共に付加重合せしめることによっ
て、主鎖に、ビニル基を導入することも可能ではある
が、重合時に、ゲル化しやすくて、反応の制御が困難と
なる。
【0017】また、末端イソシアネ−トのウレタン樹脂
と、水酸基含有重合性単量体とを反応させることによっ
てもビニル基を導入できるが、反応に際して、アミン系
ないしはスズ系の触媒を必要とし、加えて、残在するイ
ソシアネ−トにより、重合時に増粘ゲル化しやすく、反
応制御が繁雑となる。
【0018】まさに、本発明は、こうした数々の問題点
を解決するべく為されたものであり、本発明者は、かか
る解決課題について、鋭意、研究を進めた結果、水酸基
を有する疎水性ウレタン樹脂と、無水アクリル酸および
/または無水メタクリル酸とを用いることによって、低
温(60〜80℃)で、かつ、無触媒で以て、ウレタン
樹脂中にビニル基を導入せしめることができ、しかも、
重合時において、増粘やゲル化を生じることなく、容易
に、グラフト化されたポリマ−を得ることが出来ること
を見い出すに及んで、ここに、本発明を完成させるに到
った。
【0019】すなわち、本発明が解決しようとする課題
は、アクリル/ウレタン複合樹脂において、アクリル樹
脂の硬さと、ウレタン樹脂の可撓性という両の特性を、
バランスよく併せ有し、しかも、塗膜の耐水性や、塗液
の分散安定性などにも優れた、極めて有用なる水性樹脂
組成物を提供することであり、加えて、当該水性樹脂組
成物の製造方法をも提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明は、基本的には、無水アクリル酸および
/または無水メタクリル酸で変性されたビニル基含有ポ
リウレタン樹脂と、カルボキシル基含有重合性単量体を
必須の成分とする重合性単量体との重合によって得られ
る樹脂が、水性媒体中に分散されている、という特定の
水性樹脂組成物を提供しようとするものであるし、加え
て、無水アクリル酸および/または無水メタクリル酸で
変性されたビニル基含有ポリウレタン樹脂と、カルボキ
シル基含有重合性単量体を必須の成分とする重合性単量
体との重合によって得られる樹脂を、水性媒体中に分散
せしめる、という当該水性樹脂組成物の特定の製造方法
を提供しようとするものである。
【0021】具体的には、水酸基含有ポリウレタン樹脂
(a−1)と、無水アクリル酸および/または無水メタ
クリル酸(a−2)とを、前者樹脂(a−1)100g
中の水酸基に対して、後者無水酸(a−2)が、0.5
〜30モル%となるような割合で以て反応させて得られ
るビニル基含有ポリウレタン樹脂の20〜90重量部
と、カルボキシル基含有重合性単量体を必須の成分とす
る重合性単量体、つまり、このカルボキシル基含有重合
性単量体を10重量%以上含有する重合性単量体の10
〜80重量部との共重合物を、水性媒体中に分散せしめ
ることから成る、特定の水性樹脂組成物を提供しようと
するものである。
【0022】この際に、ポリウレタン樹脂のビニル基含
有反応物たる、上記した無水酸変性ビニル基含有ポリウ
レタン樹脂と;たとえば、水酸基含有重合性単量体を必
須の成分とする重合性単量体の重合体または共重合体
と、無水アクリル酸および/または無水メタクリル酸と
を反応せしめて得られるような、ビニル基含有の重合体
または共重合体とを;ブレンドせしめた形で用いること
も出来る。
【0023】加えて、水酸基含有ポリウレタン樹脂(a
−1)と、無水アクリル酸および/または無水メタクリ
ル酸(a−2)とを、前者樹脂(a−1)100g中の
水酸基に対して、後者無水酸(a−2)が、0.5〜3
0モル%となるような割合で以て、不活性有機溶媒中に
おいて、反応させて得られるビニル基含有ポリウレタン
樹脂の20〜90重量部と、カルボキシル基含有単量体
を10重量%以上含有する重合性単量体の10〜80重
量部とを、重合開始剤の存在下に、反応せしめることに
よって、カルボキシル基含有変性重合体を調製するとい
う第一工程と、
【0024】このカルボキシル基含有変性重合体中に含
まれるカルボキシル基の少なくとも一部を、塩基性化合
物で中和せしめたのち、かくして得られる中和物を、水
中に分散させ、pHが5以上なる分散液を得るという第
二工程を経ることから成る、当該水性樹脂組成物の製造
方法をも提供しようとするものである。
【0025】以下に、本発明を詳細に説明する。本発明
において、前記した水酸基含有ポリウレタン樹脂〔以
下、これを樹脂(a−1)ともいう。)とは、実質的に
疎水性であって、水分散体粒子(水性樹脂組成物粒子)
のコア部を形成するものを指称する。
【0026】かかる水酸基含有ポリウレタン樹脂(a−
1)は、例えば、分子内に活性水素基を持たない、有機
溶剤の存在下または不存在下に、脂肪族および/または
脂環式ジイソシアネ−ト類と、アルキルジオール類また
はポリエ−テルジオ−ル類もしくはポリエステルジオ−
ル類、あるいは、これらの混合物と、必要に応じて、さ
らに、低分子量のポリヒドロキシル化合物類とを、OH
/NCOなる当量比が、1.1〜1.9となるような割
合で以て、ワンショットまたは多段法によって重合せし
めることによって得られるものである。
【0027】当該水酸基含有ポリウレタン樹脂(a−
1)の調製に用いられる、上記した脂肪族ジイソシアネ
−ト類または脂環式ジイソシアネ−ト類として特に代表
的なもののみを例示するにとどめれば、まず、炭素数が
2〜12なる脂肪族ジイソシアネ−ト類などであり、か
かる脂肪族ジイソシアネ−ト類の具体的なる例として
は、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−ト
リメチルヘキサンジイソシアネ−トまたはリジンジイソ
シアネ−トなどが挙げられるし、
【0028】他方、上記した脂環式ジイソシアネート類
として特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、
炭素数が4〜18なる脂環式ジイソシアネ−トなどであ
り、かかる脂環式ジイソシアネート類の具体的なる例と
しては、1、4−シクロヘキサンジイソシアネ−ト、1
−イソシアナト−3−イソシアナトメチル−3,5,5
−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネ
−ト)、4、4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネ−ト、メチルシクロヘキシレンジイソシアネ−トまた
はイソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイ
ソシアネ−ト;
【0029】あるいは、これらの各種のジイソシアネ−
ト類の変性物(カ−ボジイミド−、ウレトジオン−ない
しはウレトイミン含有変性物)などであり、さらには、
これらの2種以上の混合物などが挙げられる。
【0030】これらのうちでも特に望ましいものは、脂
環式ジイソシアネ−ト類であり、就中、1,4−シクロ
ヘキサンジイソシアネ−ト、1−イソシアナト−3−イ
ソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキ
サンまたは4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネ−トが挙げられる。
【0031】ここで、芳香族ジイソシアネ−ト類を用い
ると、どうしても、焼き付け硬化時において、塗膜が黄
変し易く、しかも、塗膜が紫外線の影響によって変色し
易い処から、用途によっては、注意する必要がある。
【0032】ポリエ−テルジオ−ル類として特に代表的
なもののみを例示するにとどめれば、アルキレンオキシ
ド類(エチレンオキシド、プロピレンオキシドもしくは
ブチレンオキシドなど。)および/または複素環式エ−
テル類(テトラヒドロフランなど。)を(共)重合せし
めることによって得られるようなもの、たとえば、ポリ
エチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリ
エチレン−プロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレン
エ−テルグリコ−ルまたはポリヘキサメチレンエ−テル
グリコ−ルなどであるし、
【0033】ポリエステルジオールとして特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、ジカルボン酸類(ア
ジピン酸、コハク酸、セバチン酸、マレイン酸、フマル
酸またはフタル酸など。)と、グリコ−ル類(エチレン
グリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,4−ブタンジ
オ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、3−メチル1,5
−ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ルまたはビ
スヒドロキシメチルシクロヘキサンなど。)とを縮重合
せしめた形のもの、たとえば、ポリエチレンアジペ−
ト、ポリブチレンアジペ−ト、ポリヘキサメチレンアジ
ペ−ト、ポリネオペンチルアジペ−ト、ポリ−3−メチ
ルペンチルアジペ−ト、ポリエチレン/ブチレンアジペ
−ト、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペ−トなどであ
るし、
【0034】ポリカプロラクトンジオ−ルまたはポリ−
3−メチルバレロラクトンジオ−ルポリラクトンジオ−
ル類;あるいはポリカ−ボネ−トジオ−ルなどであり、
さらには、これらの2種以上の混合物などが挙げられ
る。
【0035】前記したアルキルジオール類として特に代
表的なもののみを例示するにとどめれば、グリセリンの
各種脂肪酸エステル類などである。また、前記した低分
子量ポリヒドロキシル化合物類として特に代表的なもの
のみを例示するにとどめれば、数平均分子量が500未
満なるものであって、たとえば、上掲された如き、各種
のポリエステルジオ−ル類の原料として挙げられた、各
種のグリコ−ル類またはそれらのアルキレンオキシド類
の低モル付加物(分子量が500未満なるもの。);
【0036】グリセリンまたはトリメチロ−ルプロパン
の如き、各種の3価のアルコ−ル類、またはそれらのア
ルキレンオキシド類の低モル付加物(分子量が500未
満なるもの。);あるいは、これらの2種以上の混合物
などが挙げられる。
【0037】低分子量ポリヒドロキシル化合物類の量
は、前記ポリエ−テルジオ−ル類またはポリエステルジ
オ−ル類に対し、通常、0.1〜20重量%なる範囲
内、好ましくは、0.5〜10重量%なる範囲内が適切
である。
【0038】ここで、前掲したOH/NCOなる当量比
が1.1よりも小さい場合には、水酸基価が非常に小さ
くなって、ビニル基の導入が不十分となり、ひいては、
後述するカルボキシル基含有重合性単量体との共重合も
また不十分となり、水分散性が低下する場合がある。
【0039】一方、1.9よりも大きい場合には、低分
子量のものが生成し易く、塗膜物性をはじめとする諸特
性の低下が見られるようになるので、いずれの場合も好
ましくない。
【0040】また、当該ウレタン樹脂の調製に用いられ
る、前掲したポリエ−テルジオ−ル類またはポリエステ
ルジオ−ル類の数平均分子量としては、500〜5,0
00なる範囲内、好ましくは、1,000〜3,000
なる範囲内のものが適切である。
【0041】500よりも数平均分子量が小さいと、ど
うしても、硬いウレタン樹脂となり、所望の塗膜性能が
得られなくなるし、一方、5,000よりも大きいと、
ウレタン樹脂の分子量が高くなり易く、その結果、水酸
基価が低下し、ひいては、ビニル変性が不十分となる。
【0042】これとは別に、後述するカルボキシル基含
有重合性単量体を必須の成分とする重合性単量体の共重
合体との相溶性、あるいは、被覆物への密着性などを向
上せしめる目的で、カルボキシル基を導入せしめてもよ
いことは、勿論である。
【0043】具体的には、たとえば、ジメチロ−ルプロ
ピオン酸の如き、各種のジメチロ−ルアルカン酸類を反
応させることによって、こうした目的が達成される。し
かし、カルボキシル基のような、いわゆる親水基を導入
することは、ウレタン樹脂の親水性を高めることにな
り、ひいては、塗膜の耐水性を低下させることとなる処
から、その添加量としては、5重量%以下に止める方が
望ましい。
【0044】本発明に係わる前記ビニル基含有ポリウレ
タン樹脂(A)は、上述した水酸基含有ポリウレタン樹
脂(a−1)に、無水アクリル酸および/または無水メ
タクリル酸(a−2)を反応させるが、この場合には、
無触媒で、かつ、比較的低温(60〜80℃)で反応さ
せることが可能である。
【0045】本発明における当該ビニル基含有ポリウレ
タン樹脂(A)は、基本的には、上述した水酸基含有ウ
レタン樹脂(a−1)100g中に含まれる水酸基に対
し、無水アクリル酸および/または無水メタクリル酸
(a−2)の0.5〜50モル%を反応させることによ
って行われる。
【0046】かかる変性量は、水酸基含有ウレタン樹脂
の分子量に大きく依存する。しかしながら、この変性量
が0.5モル%よりも少ないと、どうしても、変性の効
果が充分には現れ得なく、したがって、樹脂の分散安定
性が劣るという傾向となり、好ましくない。
【0047】一方、50モル%よりも変性量が多いと、
後述する重合時において、高分子量化しやすく、ひいて
は、ゲル化を起こし易いために、これまた、好ましくな
い。当該ビニル基含有ポリウレタン樹脂(A)の調製
は、本発明の水性樹脂組成物を製造する方法のうちの、
第一工程のはじめの工程であるが、その具体的な調製法
としては、たとえば、水酸基含有ウレタン樹脂(a−
1)と無水アクリル酸及び/または無水メタクリル酸
(a−2)とを、不活性有機溶媒中において、50〜8
0℃で、1〜6時間、攪拌するというような方法などが
挙げられる。
【0048】こうしたエステル化反応は、フ−リエ変換
赤外分光光度計(FI−IR)の如き、各種の機器を利
用して、無水(メタ)アクリル酸なる酸無水物の吸収が
無くなるか、あるいは、低い一定値になることを確かめ
ることによって行われるが、かくして、当該反応の完結
を確認することが出来る。
【0049】本発明において、当該ビニル基含有ポリウ
レタン樹脂(A)を調製する際に用いられる不活性有機
溶媒として特に代表的なもののみを例示するにとどめれ
ば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、エチルプロピルケトンもしくはエチルブチルケ
トンの如き、各種のケトン系;または酢酸エチルもしく
は酢酸ブチルの如き、各種のエステル系溶媒が好まし
い。
【0050】次いで、当該ビニル基含有ポリウレタン樹
脂(A)に、カルボキシル基含有重合性単量体を必須の
成分ととする重合性単量体を反応せしめて、いわゆるア
クリル/ウレタン複合樹脂が得られる。
【0051】かかる複合樹脂は、水分散化後において、
コア−シェル構造を為すものであり、言う迄もなく、疎
水性を有するウレタン樹脂はコア部になり、一方、カル
ボキシル基を含有する重合性単量体の共重合部はシェル
部となる。
【0052】ここで、当該ビニル基含有ポリウレタン樹
脂(A)と(共)重合せしめるべき重合性単量体として
は、基本的には、全重合性単量体中に、少なくとも10
重量%のカルボキシル基含有重合性単量体を含有させた
形のものが用いられる。
【0053】このカルボキシル基含有重合性単量体の使
用量が10重量%よりも少ない場合には、どうしても、
水性媒体中における樹脂の分散安定性が悪くなる傾向に
あるので、好ましくない。
【0054】このカルボキシル基含有重合性単量体と、
このカルボキシル基含有重合性単量体以外の重合性単量
体、つまり、このカルボキシル基含有単量体と共重合可
能なる他の重合性単量体として特に代表的なもののみを
例示するにとどめれば、以下に示すようなものである。
【0055】まず、カルボキシル基含有重合性単量体以
外の重合性単量体として特に代表的なもののみを例示す
るにとどめれば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、ア
クリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オク
チル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキ
シル、メタクリル酸オクチルまたはメタクリル酸ラウリ
ルなどをはじめ、
【0056】アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸
メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリ
ル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチルまたは
メタクリル酸メトキシブチル;あるいは、ヒドロキシエ
チルメタクリレ−ト、ヒドロキシプロピルアクリレ−ト
またはヒドロキシプロピルメタクリレ−ト;アリルオキ
シエチルアクリレ−ト、アリルオキシメタクリレ−トの
如き、各種のアクリル酸またはメタクリル酸のアルケニ
ルオキシアルキルエステル類などのような、アクリル酸
またはメタクリル酸の各種エステル類、
【0057】N−メチロ−ルアクリルアミド、N−メチ
ロ−ルメタクリルアミドもしくはN−アルコキシメチロ
−ルアクリルアミドなどをはじめ、N−イソプトキシメ
チロ−ルアクリルアミドもしくはN−イソプトキシメチ
ロ−ルメタクリルアミドの如き、各種のN−アルコキシ
メチロ−ルメタクリルアミド類などのような、アクリル
酸またはメタクリル酸の各種のアミド類、あるいは、ス
チレンの如き、各種のビニル芳香族化合物;
【0058】ブタジエン、イソプレンまたはクロロプレ
ンの如き、各種のポリオレフィン系化合物、あるいは、
アクリルニトリル、メタクリロニトリル、メチルイソプ
ロペニルケトンなどである。
【0059】他方、カルボキシル基含有重合体単量体と
して特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、ア
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マ
レイン酸またはフマル酸などである。
【0060】前述したビニル基含有ポリウレタン樹脂
と、上掲した如き、各種のカルボキシル基を含む重合性
単量体との反応割合としては、前者樹脂:後者単量体な
る重量比で、20:80〜90:10なる範囲内が好ま
しい。
【0061】ビニル基含有ポリウレタン樹脂の使用割合
が20重量%よりも少ない場合には、ウレタン樹脂の持
つ種々の特性を活かせない場合があるので好ましくない
し、一方、ビニル基含有ポリウレタン樹脂の使用割合が
90重量%よりも多い場合には、カルボキシル基の数が
少なくなって、得られる樹脂の自己分散性が不十分にな
り、ひいては、水媒体中に分散化できないことがある。
【0062】上記カルボキシル基含有重合性単量体を含
む重合性単量体と、ビニル基含有ポリウレタン樹脂との
重合反応は、有機溶媒中で、アゾビスイソブチロニトリ
ルまたはベンゾイルパ−オキサイドの如き、各種の通常
のラジカル重合開始剤を用いて、60〜150℃なる範
囲内の温度で行なわれる。
【0063】この反応を行なう際の上記有機溶媒として
特に代表的なもののみを例示するにとどめれば、メタノ
−ル、エタノール、プロパノ−ルもしくはブタノ−ルの
如き、各種のアルコ−ル類;メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、
メチルカルビト−ルもしくはエチルカルビト−ルの如
き、各種のエ−テルアルコ−ル類;メチルエチルケトン
もしくはジイソブチルケトンの如き、各種のケトン類;
またはトルエンもしくはキシレンの如き、各種の芳香族
炭化水素類などである。
【0064】本発明の水性樹脂組成物は、前掲された如
き、各種のカルボキシル基含有重合性単量体を含む重合
性単量体と、ビニル基含有ポリウレタン樹脂との重合反
応によって得られる。
【0065】すなわち、いわゆる、カルボキシル基含有
変性重合体に、塩基を加えて、水性媒体中に分散させ、
pHが5以上なる分散液と為すことによって得られる。
これが、本発明の水性樹脂組成物の調製における第二工
程に該当する。
【0066】ここにおいて使用される塩基としては、ア
ンモニアや、揮発性のアミン類が好ましく、無機塩基
は、どうしても、塗膜中に残留し、ひいては、耐水性を
悪くする傾向があるので、好ましくない。
【0067】上記アミン類として特に代表的なもののみ
を例示するにとどめれば、トリメチルアミン、トリエチ
ルアミンもしくはブチルアミンの如き、各種のアルキル
アミン類;ジメチルアミノエタノ−ル、ジエタノールア
ミンもしくはアミノメチルプロパノ−ルの如き、各種の
アルコ−ルアミン類;またはモルホリン類などである
し、さらには、エチレンジアミンもしくはジエチレント
リアミンの如き、各種の多価アミンもまた使用できる。
【0068】本発明において、水性媒体とは、少なくと
も10重量%が水であるような、水の単独使用、あるい
は、水と親水性有機溶剤との併用を指称するものであ
る。ここにおいて、親水性有機溶剤として特に代表的な
もののみを例示するにとどめれば、メタノ−ル、エタノ
−ル、n−プロパノ−ル、イソプロパノ−ル、n−ブタ
ノ−ル、sec−ブタノ−ル、tert−ブタノ−ルも
しくはイソブタノ−ルの如き、各種のアルキルアルコ−
ル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピル
セロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、
メチルカルビト−ルもしくはエチルカルビト−ルの如
き、各種のグリコ−ルエ−テル類;
【0069】メチルセロソルブアセテ−ト、エチルセロ
ソルブアセテ−ト類のグリコ−ルエ−テルエステル類な
どをはじめ、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ダイ
アセトンアルコ−ルまたはテトラヒドロフランなどであ
る。
【0070】本発明の水性樹脂組成物は、それ自体、分
散安定性が非常に良好であるので、含有する有機溶剤の
量を減らすことが出来るが、その場合には、アセトンま
たはメチルエチルケトンの如き、各種の沸点の低い溶剤
とか、ブタノ−ルまたはブチルセロソルブの如き、各種
の水と共沸する溶剤などを、本発明に係わる樹脂、水分
散化すべき樹脂を得る際の反応系の溶剤や、当該樹脂を
水性媒体中に分散化させる際の分散助剤として用いれ
ば、水性媒体中に分散後に、常圧ないしは減圧下におい
て蒸留することによって、安定的にして、かつ、容易
に、有機溶剤含有量の少ない水性樹脂組成物を得ること
が出来る。
【0071】かくして得られる、本発明の水性樹脂組成
物は、ビニル変性ウレタン樹脂の含有量により、その特
性を、広範囲に変えることが出来る。ビニル変性ウレタ
ン樹脂、つまり、無水(メタ)アクリル酸で変性された
ビニル基含有ポリウレタン樹脂と、カルボキシル基含有
重合性単量体を必須の成分として含有する重合性単量体
との、前者樹脂/後者単量体なる重量比が、90/10
〜50/50の範囲内では、金属基体のプライマ−など
として使用可能であり、とりわけ、密着性、加工性なら
びに耐食性などに優れた塗膜を与える。
【0072】また、金属基体の中塗りまたは上塗りで
は、主に、耐チッピング性ならびに硬度が要求される処
から、ビニル変性ウレタン樹脂と該単量体との、前者樹
脂/後者単量体ばる重量比としては、20/80〜50
/50、好ましくは、20/80〜40/60なる範囲
が使用される。
【0073】しかし、この場合には、コア部となる疎水
性部分の含有量が減少し、シェル部となる親水性部分の
含有量が増加するために、塗膜の耐水性などが問題とな
る場合がある。
【0074】すなわち、本発明において、A成分(ビニ
ル基含有ポリウレタン樹脂)と、B成分(ビニル基含有
重合性単量体の共重合体)とをブレンドせしめたのち、
C成分(カルボキシル基含有重合性単量体を必須の成分
として含む重合性単量体)ととを用いて、これらを共重
合せしめることによって、前掲した如き、従来技術にお
ける各種の問題を解決することが出来る。
【0075】ここにおいて得られる水性樹脂組成物は、
疎水性部においても、たとえば、アクリル/ウレタン複
合化が為されるというものである。そのために、耐チッ
ピング性はもとより、さらには、耐水性などの優れた塗
膜を与えるというものである。
【0076】また、各々の樹脂の水分散体(水性樹脂組
成物)をブレンドしたものに比べ、相溶性は、格段に優
れたものが得られるという特質を有する。上記したB成
分は、たとえば、水酸基含有重合性単量体を必須成分と
する重合性単量体の共重合体と、無水アクリル酸および
/または無水メタクリル酸とを、前者共重合体の固形分
100g中の水酸基に対して、後者酸無水物が0.5〜
30モル%となる割合で以て反応せしめて得られる。
【0077】ここにおいて、水酸基含有重合性単量体お
よび水酸基含有重合性単量体以外の重合性単量体として
は、先に述べたような、各種の重合性単量体の具体例の
中から選ばれる。
【0078】また、かかる重合性単量体に加えて、グリ
シジルメタクリレ−トやグリシジルアクリレ−トなど
も、使用可能である。当該共重合体中における水酸基の
含有量としては、水酸基価が10以上となるような範囲
が好ましい。
【0079】水酸基価が10よりも少ないと、ビニル基
の導入が不十分となり、ひいては、カルボキシル基含有
重合性単量体との共重合が不十分となり、その結果とし
て、水分散性が低下するという場合がある。
【0080】また、疎水部となる当該共重合体中には、
密着性や相溶性などを向上せしめるために、酸成分を含
めるようにしてもよいが、酸価が10までという範囲内
が好ましい。
【0081】こうした酸成分を、酸価として、10より
も多く含むようになると、どうしても、親水性が高くな
り、コア−シェル構造が崩れ、耐水性をはじめとする塗
膜物性が得られないことがある。
【0082】また、当該共重合体の分子量としては、数
平均分子量として、2,000〜50,000なる範囲
内が適切である。数平均分子量が2,000よりも小さ
いと、充分なる耐水性ならびに塗膜外観をはじめとする
塗膜物性が得られないことがある。一方、50,000
よりも大きいと、どうしても、ゲル化したり、あるい
は、転相乳化時の増粘が大きくなったりして、良好なる
水分散体(水性樹脂組成物)の合成が困難となるため
に、好ましくない。
【0083】また、当該共重合体中にグリシジル基を導
入することも可能である。かかるグリシジル基は、水分
散後において、コア部に含まれ、塗膜の硬化性を向上さ
せ、改善せしめる効果を発揮する。
【0084】水酸基含有重合性単量体の共重合体と、無
水アクリル酸および/または無水メタクリル酸との反応
は、前記水酸基含有ポリウレタン樹脂における反応と同
様の条件で以て行なうことが出来る。
【0085】さらに、本発明の水性樹脂組成物を、金属
基体の中塗り用、あるいは上塗り用として用いる際に、
耐チッピング性、耐水性ならびに硬度の如き、各種の特
性を出すために、A成分/B成分/C成分の重量比とし
ては、10/80/10〜40/10/50なる範囲内
が望ましい。
【0086】A成分の含有量が10重量部よりも少ない
と、どうしても、耐チッピング性が不足するようにな
る。一方、A成分の含有量が40重量部よりも多くなる
と、どうしても、塗膜が柔らかくなって、必要とされる
硬度が満たされないことがある。
【0087】また、C成分が10重量部よりも少ない
と、カルボキシル基の含有量が減り、ひいては、水分散
性が低下するようになる。一方、C成分が50重量部よ
りも多くなると、塗膜の親水性が高くなり、その結果と
して、耐水性が低下するという傾向がある。
【0088】かくして得られる水性樹脂組成物は、親水
性を上げることなく、すなわち、疎水部分の含有量を低
下させずに、ウレタン樹脂の含有量を調節することが可
能となる。
【0089】本発明の水性樹脂組成物は、疎水部と親水
部とからなる、いわゆるコア−シェル結合型の、分散安
定性に優れた水分散体を与える。すなわち、疎水部に当
たるウレタン樹脂と、親水部に当たる重合性単量体の共
重合体とが、化学結合を介して、一体となっている処か
ら、機械的安定性、熱的安定性ならびに経時安定性とい
う、トータルな分散安定性に優れ、しかも、ウレタン樹
脂と、重合性単量体の共重合体との相溶性も良好とな
る。
【0090】また、いわゆるアクリル/ウレタンの複合
化は、専ら、分散微粒子内で形成される処から、非常に
ミクロなブレンド状態にあり、その結果として、ウレタ
ン樹脂と、重合性単量体の共重合体との特性が、最大限
に、引き出されるものとなるのである。
【0091】さらに、かかる疎水部によって、とりわ
け、塗膜の耐水性ならびに焼き付け時の熱流動性などが
コントロ−ルされ、ひいては、外観に優れた塗膜を与え
る処となる。
【0092】また、シェル部のカルボキシル基を中和せ
しめると、該シェル部のポリマ−分子の一部あるいは全
てが、水溶化して、水性媒体中に拡がり、その結果とし
て、粒子間の相互作用が生じ、ひいては、チクソトロピ
ック性を示す処となる。
【0093】この際には、コア部とシェル部とが、前述
の如く、化学的に結合しており、しかも、コア部は疎水
性であるために、水媒体中に粒子が溶解してしまうよう
なことはない。
【0094】また、この粒子間の相互作用の程度は、中
和する塩基の量によって、自由にコントロ−ルされ得
る。そのために、かかる水分散体(水性樹脂組成物)
は、たれが生じにくく、とくに、スプレ−塗装に適した
ものとなる。
【0095】また、硬化剤として、水溶性の樹脂、ある
いは、水分散性のメラミン樹脂を併用することによっ
て、耐水性はもとより、塗膜諸物性に優れた熱硬化塗膜
を与える処となる。
【0096】
【実施例】次に、本発明を参考例、実施例および比較例
により説明する。なお、「部」および「%」は、「重量
部」および「重量%」を意味する。
【0097】参考例 1(水酸基含有ポリウレタン樹脂
の調製例) 数平均分子量が1,250なるポリカプロラクトンジオ
−ルの351.7部と、1−イソシアナト−3−イソシ
アナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン
(IPDI)の49.3部とを反応容器に仕込み、窒素
雰囲気下に、攪拌しながら110℃まで昇温し、同温度
に60分間保持したのち、温度を80℃に降温し、ジメ
チロ−ルプロピオン酸の2.9部、酢酸エチルの17
3.1部およびオクテン酸錫の0.05部を投入し、7
5℃に7時間、保持して反応を続行せしめた。反応終了
後は、96.2部の酢酸エチルを追加して、固形分が5
0.0%で、かつ、25℃における粘度(以下同様)が
Yなる、目的樹脂の溶液を得た。
【0098】参考例 2(ビニル基含有ポリウレタン樹
脂の調製例) 参考例1で得られた樹脂溶液に、無水メタクリル酸の
2.6部を仕込み、窒素雰囲気下に、75℃で4時間、
攪拌を続けることによって、目的樹脂の溶液を得た。
【0099】参考例 3(水酸基含有ビニル共重合体の
調製例) 窒素置換した反応容器に、メチルエチルケトンの870
部を仕込み、攪拌下に、温度を75℃に昇温した。スチ
レンの207部、メタクリル酸ラウリルの150部、メ
タクリル酸2−ヒドロキシエチルの72部、メタクリル
酸の3部、メタクリル酸ブチルの168部、t−ブチル
パ−オキシ(2−エチルヘキサネ−ト)[「パ−ブチル
O」〔日本油脂(株)製品〕を使用。]の30部から
なる混合物を、4時間かけて滴下して、重合反応を実施
した。その後も、4時間に亘って攪拌を継続せしめた。
かくして得られた樹脂溶液は、数平均分子量が20,0
00で、固形分が40.0%で、かつ、粘度がTなる、
水酸基含有共重合体の溶液であった。
【0100】参考例 4(ビニル基含有共重合体の調製
例) 参考例3で得られた樹脂溶液に、無水メタクリル酸の
6.8部を仕込み、75℃で4時間、攪拌を続けること
によって、目的共重合体の溶液を得た。
【0101】実施例 1 窒素置換した反応容器に、参考例2で得られたビニル基
含有ポリウレタン樹脂の100部を仕込んで、攪拌下
に、75℃にまで昇温した。メタクリル酸の15.4
部、スチレンの23.3部、メタクリル酸イソブチルの
22.4部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの5.
5部および「プラクセル FM3」〔ダイセル化学工業
(株)製のラクトン変性ヒドロキシエチルメタアクリレ
−ト〕の50.1部と、ベンゾイルパ−オキサイド
[「ナイパ− BW」〔日本油脂(株)製品〕を使
用。]の9.3部および酢酸エチルの116.7部とか
らなる混合物を、4時間かけて滴下し、重合反応を実施
した。その後も、4時間に亘って攪拌を継続せしめるこ
とによって、ウレタン部/アクリル部が30/70なる
組成の、カルボキシル基含有変性重合体の溶液を得た。
【0102】以上が、本発明方法の第一工程である。次
いで、第一工程で得られた変性重合体を含む反応液に、
トリエチルアミンの10.9部(これは、該変性重合体
中に含まれるカルボキシル基の60%を中和せしめるた
めのアミン量である。)を加えて、均一に混合せしめた
のち、イオン交換水の600部を、30分間かけて滴下
した処、固形分が17.8%で、かつ、pHが7.1な
る、乳青色の水性樹脂組成物を得た。
【0103】また、この組成物中の有機溶剤を減圧蒸留
し、酢酸エチルと一部の水を除去せしめた処、固形分が
40.3%なる、水分散体が得られた。以上が、本発明
方法における第二工程である。得られた水分散体の分散
安定性は、非常に良好であった。
【0104】実施例 2 窒素置換した反応容器に、参考例2で得られたビニル基
含有ウレタン樹脂の85.7部と、参考例4で得られた
ビニル基含有共重合体の142.9部とを仕込み、攪拌
下、75℃に昇温した。
【0105】メタクリル酸の9.2部、スチレンの1
0.3部、メタクリル酸イソブチルの12.9部、メタ
クリル酸ブチルの7.0部およびメタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルの3.5部と、「パ−ブチル O」の3.
9部およびメチルエチルケトンの20部とからなる混合
溶液を用いるように変更した以外は、実施例1と同様に
して、ウレタン部/アクリル部が30/70なる組成の
樹脂の水性分散体である水性樹脂組成物を得た。
【0106】次いで、この組成物中の有機溶剤を減圧蒸
留せしめ、有機溶剤と、一部の水とを除くことによっ
て、固形分が42.3%なる水分散体を得た。得られた
水分散体の分散安定性は非常に良好であった。
【0107】ところで、実施例1と2とでは、ウレタン
部/アクリル部の重量比率としては、いずれも、30/
70で同じであるが、実施例2では、疎水性ウレタン部
/疎水性アクリル部/親水性アクリル部が、30/40
/30の重量比率であるのに対して、実施例1では、疎
水性ウレタン部/親水性アクリル部が30/70である
処から、両者は、アクリル部における、親水部/疎水部
の重量比率が異なる。
【0108】実施例 3 窒素置換した反応容器に、参考例2で得られたビニル基
含有ポリウレタン樹脂の160部を仕込み、攪拌下、7
5℃に昇温した。メタクリル酸の9.2部、メタクリル
酸イソブチルの8.5部、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチルの2.3部、「パ−ブチル O」の1.8部およ
び酢酸エチルの20部からなる混合液を用いるように変
更した以外は、実施例1と同様にして、ウレタン部/ア
クリル部が80/20なる組成の水性樹脂組成物を得
た。
【0109】次いで、この組成物中の有機溶剤を減圧蒸
留せしめ、酢酸エチルと、水の一部とを除去せしめた
処、固形分が41.1%なる水分散体が得られた。この
水分散体の分散安定性は、非常に良好であった。
【0110】実施例 4 窒素置換した反応容器に、参考例2で得られたビニル基
含有ポリウレタン樹脂の140部を仕込み、攪拌下、7
5℃に昇温した。メタクリル酸の9.2部、スチレンの
7.6部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの2.3
部、「パ−ブチル O」の2.7部および酢酸エチルの
10部からなる混合液を用いるように変更した以外は、
実施例1と同様にして、ウレタン部/アクリル部が70
/30なる組成の水性樹脂組成物を得た。
【0111】次いで、この組成物中の有機溶剤を減圧蒸
留し、酢酸エチルと水の一部とを除去せしめた処、固形
分が40.3%なる水分散体が得られた。この水分散体
の分散安定性は、非常に良好であった。
【0112】比較例 1(対照用水溶性アクリル樹脂の
調製例) 窒素置換した反応容器に、メチルエチルケトンの300
部を仕込み、攪拌下に、温度を75℃に昇温した。引き
続いて、メタクリル酸の15部、メタクリル酸ブチルの
162部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルの52.
5部、メタクリル酸メチルの70.5部、「パ−ブチル
O」の45部からなる混合液を、4時間に亘って滴下
し、さらに、3時間に亘って重合反応を続行せしえm
た。
【0113】かくして得られた樹脂は、酸価が32.6
で、水酸基価が75なるものであった。次いで、この樹
脂溶液に、トリエチルアミンの8.8部を加えて、均一
に混合せしめたのち、イオン交換水を30分間に亘って
滴下した処、固形分が30%で、かつ、pHが7.1な
る、水溶性の樹脂が得られた。この組成物中の有機溶剤
と一部の水とを除くことによって、固形分が50.0%
なる樹脂溶液を得た。
【0114】比較例 2(対照用ウレタン樹脂ディスパ
−ジョンの調製例) 数平均分子量が1,250なるポリカプロラクトンジオ
−ルの312.5部と、IPDIの166.5部とを反
応容器に仕込んで、窒素雰囲気下に、攪拌しながら11
0℃まで昇温し、同温度に60分間、保持してから、温
度を80℃に降温し、ジメチロ−ルプロピオン酸の3
3.5部、酢酸エチルの350部およびオクテン酸錫の
0.05部を投入し、75℃に7時間保持した。
【0115】かくして、固形分が59.4%で、酸価が
27.4で、かつ、NCO含有量が4.27(ただし、
理論値は4.10である。)なるプレポリマ−を得た。
次に、このプレポリマ−溶液に、トリエチルアミンの2
0.2部を加え、さらに、イオン交換水の600部を加
えて得られる水分散体を、50℃に2時間のあいだ保持
して、水伸張反応を完結せしめたのち、減圧下で、有機
溶剤と一部の水とを除くことによって、固形分が42.
0%なるウレタン樹脂ディスパ−ジョンを得た。
【0116】比較例 3 比較例1で得られた水溶性アクリル樹脂の140部と、
比較例2で得られたウレタン樹脂ディスパ−ジョンの1
04部とを、攪拌下に、混合せしめることによって、ア
クリル部/ウレタン部が70/30なる、対照用のブレ
ンド体を得た。このブレンド体の固形分は41.0%で
あった。
【0117】比較例 4 窒素置換した反応容器に、比較例2で合成したウレタン
樹脂ディスパージョンの71.4部と、脱イオン水の1
8.6部とを仕込み、攪拌下、温度を80℃に昇温し
た。
【0118】引き続いて、メタクリル酸メチルの28
部、スチレンの14部、メタクリル酸ブチルの28部か
らなる混合液と、20部の脱イオン水に、0.1部の過
硫酸アンモニウムを溶解した触媒溶液とを、180分間
かけて滴下し、重合反応を続行せしめた。
【0119】滴下終了後も、同温度に1時間、攪拌を続
行した処、固形分が40.0%で、かつ、アクリル部/
ウレタン部が70/30なる組成の分散液が得られた。
【0120】上記した各実施例および比較例で得た水性
樹脂組成物を、以下の方法に従って評価した。 [試験用塗装板の調製]実施例および比較例で得られ
た、それぞれの水性樹脂組成物に、「MW12LF」
〔三和ケミカル(株)製の水溶性メラミン樹脂〕を、固
形分重量比率が80/20となるような割合で以て添加
して、各種の塗料組成物を調製した。
【0121】さらに、それぞれの塗料組成物を、イオン
交換水で希釈して、フォ−ドカップ#4で、30秒とな
るような粘度に調整した。粘度が30秒に達しないよう
なものは、少量のトリエチルアミンを加えることによっ
て、粘度調整を行なうようにした。
【0122】次いで、常法に従って、鋼板上に、乾燥膜
厚が40ミクロン(μm)になるようにして、粘度の調
製の済んだ塗料組成物をスプレ−塗装し、5分間のセッ
ティングを行ってから、140℃で、30分間の焼き付
けを行って、試験用塗装板を得た。
【0123】[耐湿性]スガ試験機(株)製の湿潤試験
機を使用し、相対湿度が98%で、かつ、温度が49±
1℃となるように保持された水槽内に、試験用塗装板を
入れ、240時間のあいだ放置する。
【0124】取り出して直ちに、水滴などを拭い去り、
上塗り塗膜面のフクレやチヂミの如き、各種の異状の有
無を評価した。耐湿試験前の試験用塗装板と比較して、
それぞれ、下記するような判定基準に従って、評価判定
した。
【0125】○………変化のない △………フクレやチヂミなどが、僅かに認められる ×………フクレやチヂミの如き、各種の異状が著しく発
【0126】[耐沸水性]沸騰した水中に、試験用塗装
板を60分間、浸漬せしめたあとの塗面状態を、目視に
よって、それぞれ、下記するような判定基準に従って、
評価判定した。
【0127】○………全く異状がない △………軟化ないしは白化が、少し、認められる ×………軟化ないしは白化が、著しく認められる
【0128】[耐汚染性]試験用塗装板に、黒の油性マ
ジックインキで以て印を付けて、60分間、放置したあ
と、アルコ−ルで以て拭き去ったのちの汚染状態を、目
視によって、それぞれ、下記するような判定基準に従っ
て、評価判定した。
【0129】○………跡がほとんど残らない △………跡が、少しながら、残る ×………ほとんど跡がとれずに、残ったままの状態にあ
【0130】[耐衝撃性]デュポン式衝撃試験機を用い
て、撃芯半径が1/2インチで、かつ、荷重が1Kgな
る条件で以て、錘を落下せしめた際に、塗面にワレ目の
入らない、最大の高さ(cm)で以て表示した。
【0131】[耐チッピング性]スガ試験機(株)製の
飛石試験機を用いて、該試験機の試料ホルダ−に、試験
用塗装板を、垂直に取り付けて、総量が50gなる7号
砕石を、該試験機の圧力である、4Kg/cm2なる空
気圧で噴射せしめて、砕石を試験板に対して直角に衝突
させる。
【0132】次いで、試験板を水洗し、乾燥させて、チ
ッピングによって浮き上がった、塗面状態や傷の状態
を、下記する如き判定基準に従って評価判定した。な
お、試験板を−25℃に冷やした恒温槽に、20分間以
上、放置して置き、取り出しのち、直ちに、上記したよ
うな方法で、チッピング試験を行なった。
【0133】○………塗膜の剥がれや、浮きなどが、全
く、認められない △………塗膜に、多少、剥がれや浮きなどが認められる ×………塗膜が、著しく、剥がれたり、浮き上がって居
たりする
【0134】[密着性]素地に達するように、カッタ−
ナイフで以て、試験用塗装板のほぼ中央に、直交する縦
横11本ずつの平行線を、1mmの間隔で引いて、1c
2 の中に100個の升目が出来るように、ゴバン目状
に切傷を付けて、その塗面に、粘着セロファン・テ−プ
を張り付け、それを急激に剥がしたのちのゴバン目塗面
を、目視によって評価判定した。
【0135】○………塗膜の剥離が、全く認められない △………塗膜の剥離が、少し、認められる ×………塗膜の剥離が、著しく認められる
【0136】
【表1】
【0137】
【表2】
【0138】上表に示される通り、まず、比較例1は、
アクリル樹脂が100%というアクリル樹脂の単独使用
の例であって、耐水性および可撓性が、共に、本発明の
水性樹脂組成物に比べて、格段に劣る。
【0139】比較例2は、ウレタン樹脂ディスパージョ
ンが100%というウレタン樹脂の単独使用の例である
が、耐水性および耐汚染性が、共に劣る。比較例3と4
とは、アクリルとウレタンとを複合化した形のものであ
る。
【0140】前者は、アクリル樹脂とウレタン樹脂のデ
ィスパージョンとをブレンドした形のものであり、一
方、後者はシード重合を行なったものである。両者と
も、耐水性を含め、アクリル/ウレタンの特性を、存分
に引き出し得ないことが明らかである。
【0141】これらに対して、本発明の実施例1〜4の
場合には、疎水性の樹脂を使用している処から、とりわ
け、耐水性に優れると共に、アクリルとウレタンとの複
合が、化学結合を介して形成されるために、諸物性のバ
ランスに優れていることもまた、明らかである。
【0142】加えて、実施例1〜4の水分散体は、分散
安定性にも優れるものであるが、比較例4の水分散体
は、分散安定性、就中、機械的安定性ならびに経時的安
定性が、共に、欠ける。
【0143】
【発明の効果】以上のように、本発明の水性樹脂組成物
は、ウレタン樹脂の含有量によって、防食性、加工性な
らびに耐チッピング性の如き、各種の特性を発揮するも
のであり、かかるアクリル/ウレタン複合化樹脂がこう
した種々の諸性能を与えるものである。
【0144】さらに、本発明の水性樹脂組成物は、分散
安定性に優れるものであり、しかも、耐水性をはじめと
する塗膜諸性能に優れた塗膜を形成し得るものであり、
したがって、塗膜諸性能の上で、バランスのよく取れ
た、極めて有用なる塗膜を与えるものである。
【0145】加えて、無水アクリル酸および/または無
水メタクリル酸を用いることによって、低温で、かつ、
無触媒という条件下で、容易に、ビニル基の導入が果た
し得るが、このような製造方法はまた、触媒を使用しな
くてもよいという、製造上の優れた効果をも生じる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無水アクリル酸および/または無水メタ
    クリル酸で変性されたビニル基含有ポリウレタン樹脂
    と、カルボキシル基含有重合性単量体を必須の成分とす
    る重合性単量体との重合によって得られる樹脂が、水性
    媒体中に分散されているものであることを特徴とする、
    水性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 無水アクリル酸および/または無水メタ
    クリル酸で変性されたビニル基含有ポリウレタン樹脂
    (A)と;水酸基含有重合性単量体を必須の成分とする
    重合性単量体の重合体または共重合体と、無水アクリル
    酸および/または無水メタクリル酸とを反応せしめて得
    られる、ビニル基含有の重合体または共重合体(B)と
    をブレンドせしめて得られる樹脂組成物と、カルボキシ
    ル基含有重合性単量体を必須の成分とする重合性単量体
    との重合によって得られる樹脂が、水性媒体中に分散さ
    れているものであることを特徴とする、水性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 無水アクリル酸および/または無水メタ
    クリル酸で変性されたビニル基含有ポリウレタン樹脂
    と、カルボキシル基含有重合性単量体を必須の成分とす
    る重合性単量体との重合によって得られる樹脂を、水性
    媒体中に分散せしめることを特徴とする、水性樹脂組成
    物の製造方法。
  4. 【請求項4】 無水アクリル酸および/または無水メタ
    クリル酸で変性されたビニル基含有ポリウレタン樹脂
    (A)と;水酸基含有重合性単量体を必須の成分とする
    重合性単量体の重合体または共重合体と、無水アクリル
    酸および/または無水メタクリル酸とを反応せしめて得
    られる、ビニル基含有の重合体または共重合体(B)と
    をブレンドせしめて得られる樹脂組成物と、カルボキシ
    ル基含有重合性単量体を必須の成分とする重合性単量体
    との重合によって得られる樹脂が、水性媒体中に分散さ
    れているものであることを特徴とする、水性樹脂組成物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記した水性樹脂組成物が、水酸基含有
    ポリウレタン樹脂(a−1)と、無水アクリル酸および
    /または無水メタクリル酸(a−2)とを、前者樹脂
    (a−1)100g中の水酸基に対して、後者無水酸
    (a−2)が、0.5〜30モル%となるような割合で
    反応させて得られるビニル基含有ポリウレタン樹脂の2
    0〜90重量部と、カルボキシル基含有重合性単量体を
    10重量%以上含有する重合性単量体の10〜80重量
    部とを共重合せしめて得られる樹脂を、水性媒体中に分
    散せしめることによって得られるものである、請求項1
    または2に記載の水性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記した水性樹脂組成物が、水酸基含有
    ポリウレタン樹脂(a−1)と、無水アクリル酸および
    /または無水メタクリル酸(a−2)とを、不活性有機
    溶媒中において、反応せしめて得られるビニル基含有ポ
    リウレタン樹脂を用いるものである、請求項1または2
    に記載の水性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記した水性樹脂組成物が、水酸基含有
    ポリウレタン樹脂(a−1)と、無水アクリル酸および
    /または無水メタクリル酸(a−2)とを、前者樹脂
    (a−1)100g中の水酸基に対して、後者無水酸
    (a−2)が、0.5〜30モル%となるような割合で
    反応させて得られるビニル基含有ポリウレタン樹脂の2
    0〜90重量部と、カルボキシル基含有重合性単量体を
    10重量%以上含有する重合性単量体の10〜80重量
    部とを共重合せしめて得られる樹脂を、水性媒体中に分
    散せしめることによって得られるものである、請求項3
    または4に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記した水性樹脂組成物が、水酸基含有
    ポリウレタン樹脂(a−1)と、無水アクリル酸および
    /または無水メタクリル酸(a−2)とを、不活性有機
    溶媒中において、反応せしめて得られるビニル基含有ポ
    リウレタン樹脂を用いるものである、請求項3または4
    に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記した水性樹脂組成物を得るに際し
    て、まず、水酸基含有ポリウレタン樹脂(a−1)と、
    無水アクリル酸および/または無水メタクリル酸(a−
    2)とを、前者樹脂(a−1)100g中の水酸基に対
    して、後者無水酸(a−2)が、0.5〜30モル%と
    なるような割合で反応させて得られる、前記したビニル
    基含有ポリウレタン樹脂の20〜90重量部と;カルボ
    キシル基含有重合性単量体を10重量%以上含有する重
    合性単量体の10〜80重量部とを;重合開始剤の存在
    下に、反応させることによって、カルボキシル基含有変
    性重合体を製造する第一工程と、次いで、該カルボキシ
    ル基含有変性重合体中に含まれるカルボキシル基の少な
    くとも一部を、塩基性化合物で中和せしめたのち、かく
    して得られる中和物を水中に分散させ、PHが5以上な
    る分散液を得る第二工程を経ることを特徴とする、請求
    項3または4に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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