JPH05186475A - ペリ−ジカルコゲノ多環式芳香族化合物の製造方法 - Google Patents

ペリ−ジカルコゲノ多環式芳香族化合物の製造方法

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JPH05186475A
JPH05186475A JP4086118A JP8611892A JPH05186475A JP H05186475 A JPH05186475 A JP H05186475A JP 4086118 A JP4086118 A JP 4086118A JP 8611892 A JP8611892 A JP 8611892A JP H05186475 A JPH05186475 A JP H05186475A
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Kurt Hauenstein
ハウエンシュタイン クルト
Carl W Mayer
ヴェー マイヤー カール
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 アルカリ金属スルフィド、セレニド又はテル
リドとペリ−ハロゲノ芳香族化合物(式I)と反応させ
ることによりペリ−カルコゲノ多環式芳香族化合物(式
II)を製造する方法において、その前段階で、アルカリ
金属塩基と元素の硫黄、セレン、又はテルルとを高温で
反応させてアルカリ金属スルフィド等を得る。ペリ−ジ
カルコゲノ多環式芳香族化合物の製造方法。 〔式中、Yはハロゲン(特にCl)であり;YはH又
はハロゲン(特にCl)であり;XはS,Se又はT
e,XはH,S,Se又はTeであり;R,R
及びRは、H,C1〜4アルキル基等であり、あ
るいはRとR,RとRは互に連結してベンゼン
環を形成する。〕 【効果】 ペリ−ジカルコゲノ芳香族化合物は、電子受
容体と共に、高い導電性を有するラジカルイオン塩を生
成し、電気導体、一般には電極、として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、第1段階において、溶媒として
の酸アミドの存在下で、硫黄、セレン又はテルルをアル
カリ金属塩基と反応させてアルカリ金属カルコゲナイド
を生成させ、第2段階において、該カルコゲナイドをペ
リ−ハロゲノ芳香族化合物と反応させることを含むペリ
−ジカルコゲノ多環式芳香族化合物類の合成方法に関す
る。
【0002】ペリ−ジカルコゲノ多環式芳香族化合物類
は、電子供与体であって、電子受容体と共に、高い導電
性を有する結晶性ラジカルイオン塩を生成する。ペリ−
カルコゲノ多環式芳香族化合物類を合成するために、ケ
イ・エイ・バロディス(K.A.Balodis)等は、Zhurnal O
rganicheskoi Khimiiの第15巻、第2号、第391〜
393頁(1979年)[英訳、Plenum Publishing Co
rporation 、(1979年)]において、溶媒としての
ジメチルホルムアミド中で金属ナトリウムをセレンと直
接反応させて得られる二セレン化ナトリウムと、5,
6,11,12−テトラクロロテトラセンを高温下で反
応させることを提案している。この方法においては、
5,6,11,12−テトラセレノテトラセンが収率5
0%で得られる。ディ・ジェイ・サンドマン(D.J. San
dman)等は、Orgnametallics、第1巻、第739〜74
2頁(1982年)において、5,6,11,12−テ
トラテルロテトラセン(収率13%)を合成する同じ方
法について記述している。ビー・ケイ・クルプツォフ
(B.K. Kruptsov)等は、CA77(13):87350a において、リ
チウムが80℃でジメチルホルムアミドと反応すること
を記述している。
【0003】上述の方法は、工業規模で実施できない理
由となる様々な欠点を有している。アルカリ金属とアミ
ド系溶媒の反応の確実な化学量論的反応比が確定できな
いので、大きなバッチを用いる時には収率及び生成物の
品質の再現性がない。反応溶媒は、副生成物の生成のた
めに高度に粘稠であり、生成物は、非常に微細な結晶性
沈殿として得られ、従って、ろ過による分離が困難で時
間がかかるものとなる。さらに、大量のアルカリ金属を
扱うことは問題があり、特別な安全対策を要する。
【0004】今回、アルカリ金属塩基と元素状の硫黄、
セレン又はテルルとをアミド系溶媒中で反応させてアル
カリ金属カルコゲナイドを合成することにより、ペリ−
カルコゲノ多環式芳香族化合物を、より短い反応時間、
実質的により高い収率、そして良好な純度で、アルカリ
金属の使用を避けながらかなり低い温度で得ることがで
きることが見出された。このことは非常に驚くべきこと
である。なぜならば、そのような溶媒中のアルカリ金属
塩基が、元素状のカルコゲンを事実上理論量で対応する
カルコゲナイドに還元できるということは全く知られて
いなかったのであり、またどのようにしてこの反応が進
行するかということも同様に知られていなかったからで
ある。
【0005】従って、本発明は、第1段階で、アルカリ
金属スルフィド、セレニド又はテルリドをアミド系溶媒
中で合成し、第2段階で、該アルカリ金属スルフィド、
セレニド又はテルリドをペリ−ハロゲノ芳香族化合物と
反応させることによりペリ−ジカルコゲノ多環式芳香族
化合物類を製造する方法において、該第1段階で、アル
カリ金属塩基と元素状の硫黄、セレン又はテルルとを高
温で反応させることを特徴とする方法に関する。
【0006】カルコゲンは、本明細書中においては、元
素状の硫黄、セレン及びテルルを意味する。
【0007】第1段階での反応温度は、30℃から使用
される溶媒の還流温度までの範囲であり、好ましくは3
0〜120℃、最も好ましくは50〜150℃であって
よく、それが好都合である。
【0008】アルカリ金属塩基の好ましいアルカリ金属
は、リチウム、ナトリウム及びカリウムの塩基であり、
ナトリウムが特に好ましい。好適な塩基は、一般には、
水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩ならびに好ましくは1〜
18個、特に1〜12個、最も好ましくは1〜6個の炭
素原子を有する第一級、第二級及び第三級アルカノール
のアルコラートである。本発明の好ましい態様において
は、C1 〜C18アルカノールのアルカリ金属アルコラー
トが用いられ、最も好ましくは対応するナトリウムアル
コラートが用いられる。ナトリウムアルコラートは、C
1 〜C6 アルカノールから誘導することが好ましい。ナ
トリウムメチラートが特に好ましい。本発明の特に好ま
しい態様においては、アルカリ金属塩基は、NaOH、
NaHCO3 、Na2 CO3 、NaOCH3 及びKOC
(CH3)3 からなるグループから選択される。
【0009】アミド系溶媒は、好ましくは1〜6個、最
も好ましくは1〜3個の炭素原子を含むカルボン酸から
のN−ジアルキル化カルボキサミド、N−アルキル化ラ
クタム及び無機オキシ酸、一般にはリン酸又は硫酸のN
−ペルアルキル化アミドであることが好ましい。窒素原
子の位置のアルキル基は、1〜4個の炭素原子を含むこ
とが好ましく、1又は2個の炭素原子を含むことが最も
好ましい。そのような溶媒の典型的な例は、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、
N,N−ジ−n−プロピルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラメチ
ル尿素及びヘキサメチルリン酸トリアミドである。好ま
しい溶媒は、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン
及びN,N−ジメチルアセトアミドである。N,N−ジ
メチルアセトアミドを用いることが特に好ましい。
【0010】元素状のカルコゲン、即ち硫黄、セレン及
びテルルとアルカリ金属塩基との反応において、式M2
2(式中、Mは、アルカリ金属であり、Xは、硫黄、セ
レン又はテルルである)で示される化合物が生成する。
該アルカリ金属塩基及びカルコゲンは、化学量論的比率
で用いることが好ましい。
【0011】前記の反応は、不活性ガス雰囲気下で水分
を排除して行うことが好都合であり、第2段階も同様で
ある。窒素又はアルゴン雰囲気が好ましい。
【0012】第1段階は、通常、溶媒中のアルカリ金属
塩基及びカルコゲンを反応器に仕込み、次に、該混合物
をジアルカリ金属ジカルコゲナイドの生成が完了するま
で加熱する工程である。反応時間は、半時間から長くて
5時間、通常長くて3時間のオーダーである。第2工程
は、それに続いて、直接に行われる。
【0013】第2段階において用いられるペリ−ハロゲ
ノ芳香族化合物は、少なくとも2つの隣接するペリ位が
ハロゲン化されている、好ましくはペリ−ブロモ、そし
て最も好ましくはペリ−クロロ芳香族化合物である。ペ
リ位は、縮合核を有する芳香族化合物においてのみ生じ
る。そのような化合物は、好ましくは10〜30個の炭
素原子、好ましくは10〜18個の炭素原子を含む芳香
族複素環式、及び芳香族炭化水素化合物であってよい。
芳香族化合物は、典型的にはナフタレン、アントラセン
及びテトラセンである。
【0014】本発明の好ましい態様においては、前記の
ペリ−ハロゲノ芳香族化合物は、式I
【化4】 で示され、該化合物から式II
【化5】 (式中、Yは、ハロゲン、好ましくはClであり;Y1
は、H又はハロゲン、好ましくはClであり;Xは、
S、Se又はTeであり;そしてX1 は、H、S、Se
又はTeであり;R1 、R2 、R3 及びR4 は、各々互
いに独立して、H、C1 〜C4 アルキル基、C1 〜C4
アルコキシ基、C1 〜C4 アルキルチオ基、ハロゲン、
好ましくはF、Cl及びBr、CN基、CF3 基、(C
3)3 Si基、(C1 〜C6 アルキル)2 N基、(C1
〜C6 アルコキシ)CO基もしくは(C1 〜C6 アルコ
キシ)COO基であり、又はR1 及びR2 もしくはR3
及びR4 が、各々一緒になって−CH=C(R5)−C
(R6)=CH−基を形成し、又はR1 及びR2 が一緒に
なって該基を形成し、そしてR3 及びR4 が一緒になっ
て−CH=C(R7)−C(R8)=CH−基を形成し;R
5 、R6 、R7 及びR8は、各々独立してR1 〜R4
意味を有する基である)で示されるペリ−カルコゲノ化
合物が製造される。
【0015】Y1 は、好ましくはハロゲン、特に好まし
くはClであり、X1 は、好ましくはS、Se又はTe
である。
【0016】特に好ましいペリ−ハロゲノ芳香族化合物
は、式Ia又は式Ib
【化6】 (式中、Yは、Clであり;Y1 は、H又はClであ
り;そしてR1 〜R4 は、R5 〜R8 と同様に、各々互
いに独立して、H、F、Cl、CF3 基、CH3基、C
3 O基、C25 O基、CH3 S基、C25 S基、
(CH3)3 Si基、CH3 OC(O)基又はC25
C(O)基である)を有する。R1 〜R4及びR5 〜R8
は、最も好ましくはHである。
【0017】式Ia及びIbの化合物は公知であるか、
又は公知の方法により合成することができる。
【0018】本発明の方法の第2段階は、第1段階の終
了後、アルカリ金属カルコゲナイドを単離することなく
同一の反応媒体中で直接に好都合に行われる。反応混合
物は、前もって冷却し、ペリ−ハロゲノ芳香族化合物の
添加後再び加熱してよい。しかし、ペリ−ハロゲノ芳香
族化合物は、熱反応混合物に添加してもよい。ペリ−ハ
ロゲノ芳香族化合物を、都合により、溶媒又は熱溶媒に
溶解してよく、又は溶媒なしで反応混合物に添加しても
よい。この時、反応混合物に、溶媒を添加して希釈する
こともできる。第1段階におけるものと同じ溶媒を用い
ることが好ましい。
【0019】本発明の方法の変法においては、工程が、
アルカリ金属塩基と元素のカルコゲンを、溶媒中のペリ
−ハロゲノ芳香族化合物と一緒に反応器に仕込み、該混
合物を加熱し、反応を完了するまで行わせるようにする
ことからなっていてもよい。
【0020】反応温度は、30℃から溶媒の沸点までの
範囲であり、好ましくは30〜200℃、最も好ましく
は50〜150℃である。反応時間は、通常15分〜約
2時間である。
【0021】反応体類は、1mol の芳香族化合物中の2
mol の隣接ペリ−ハロゲン原子につき、少なくとも1mo
l のアルカリ金属カルコゲナイド(M22)が存在する
ような比率で使用するのが都合がよい。1mol の芳香族
化合物中の2mol の隣接ハロゲン原子につき、過剰のア
ルカリ金属カルコゲナイド、好都合には5mol までの、
好ましくは3mol までのアルカリ金属カルコゲナイドを
使用することが都合がよいことが見出された。
【0022】ペリ−カルコゲノ芳香族化合物類は、ろ過
によりそれ自体公知の方法で単離される。したがって、
容易に単離できる粗大な結晶性生成物が生じることが有
利である。生成物は、溶媒を用いて洗浄し、もし必要な
らば、再結晶化及び/又は昇華することにより、通常の
方法で精製することができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法により製造されたペリ−ジ
カルコゲノ芳香族化合物類は、電子受容体と共にラジカ
ルイオン塩を生成する。該ラジカル塩類は、高い導電性
を有し(有機金属)、電気導体、一般には電極、として
有用性がある。
【0024】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。
【0025】実施例1:5,6,11,12−テトラチ
オテトラセンの合成 200mlのスルホン化フラスコに、1.83g(5mmol)
の5,6,11,12−テトラクロロテトラセン、1.
76g(21mmol)の炭酸水素ナトリウム、0.8g の硫
黄及び75mlのN,N−ジメチルアセトアミドを仕込
み、該混合物をアルゴン下で1時間還流した。次に反応
混合物を放冷し、黒い沈殿物をろ過により単離した。該
沈殿物を、N,N−ジメチルアセトアミド、アセトン、
水、そしてさらにアセトンで洗浄し、高減圧下、60℃
で一晩乾燥した。収量(収率)は1.237g(70.3
%)であり、表題の化合物の純度は84%であった。純
度は、1,2,4−トリクロロベンゼンの溶液中での7
05nmの吸収バンドを用いる分光分析法により測定し
た。
【0026】実施例2:5,6,11,12−テトラチ
オテトラセンの合成 実施例1の手順を繰り返したが、塩基として1.13g
(21mmol)のナトリウムメチラートを用い、反応時間
を30分に短縮した。収率は77.8%であり、分光分
析法により測定した表題の化合物の純度は、94.5%
であった。
【0027】実施例3:5,6,11,12−テトラセ
レノテトラセンの合成 350mlのスルホン化フラスコに1.896g(24mmo
l)のセレン、1.336g(24mmol)のナトリウムメ
チラート及び50mlのN,N−ジメチルアセトアミドを
仕込み、該混合物を30分かけて還流温度まで加熱し、
この温度に1時間保持した。次に、100mlのN,N−
ジメチルアセトアミド中の1.83g(5mmol)の5,
6,11,12−テトラクロロテトラセンの熱溶液を、
得られた赤みがった褐色の懸濁液に注ぎ込むと、反応混
合物は直ちに緑色になった。該反応混合物をさらに20
分間還流し、次に50℃まで冷却した。結晶性の黒い沈
殿物をろ過により単離し、50mlのN,N−ジメチルア
セトアミドを用いて洗浄し、次いで、さらに400mlの
水及び400mlのアセトンを用いて洗浄した。残留物を
高減圧下60℃で一晩乾燥し、2.36g ( 87.4
%)の粗生成物を得た。分光分析法(712nmの吸収バ
ンド)により測定した表題の化合物の純度は、97%以
上であった。
【0028】実施例4:5,6,11,12−テトラセ
レノテトラセンの合成 撹拌しながら、0.948g(12mmol)のセレン、0.
668g(12mmol)のナトリウムメチラート及び25ml
のN−メチルピロリドンを、アルゴン下で室温から14
0℃まで加熱し、さらに一時間撹拌した。次に、50ml
のN−メチルピロリドン中の0.915g(2.5mmol)
の5,6,11,12−テトラクロロテトラセンの14
0℃熱溶液を、得られた赤みがかった褐色の懸濁液に注
ぎ込んだ。20分経過後、バッチを室温まで冷却し、沈
殿物を25mlの冷N−メチルピロリドン、2×100ml
の水、及び2×100mlのアセトンを用いて洗浄し、次
に高減圧下40℃で乾燥した。収量(収率):粗生成物
0.959g(71%)。表題の化合物の純度は93%で
あった。
【0029】実施例5:5,6,11,12−テトラセ
レノテトラセンの合成 実施例1の手順を繰り返したが、溶媒としてテトラメチ
ル尿素を用いた。収量:粗生成物1.35g 。表題の化
合物の純度は79%であった。
【0030】実施例6:5,6,11,12−テトラセ
レノテトラセンの合成 1.738g(22mmol)のセレン、2.655g(23mm
ol)のカリウム第3ブチラート及び50mlのジメチルア
セトアミドを、アルゴン下30分間145℃まで加熱し
た。次に、100mlのジメチルアセトアミド中の1.8
3g(5mmol)の5,6,11,12−テトラクロロテト
ラセンの溶液を、得られた赤みがかった褐色の懸濁液に
注ぎ込み、該混合物をさらに155℃で20分間撹拌し
た。反応混合物を50℃まで冷却し、黒い沈殿物を吸引
ろ過し、50mlのジメチルアセトアミド、400mlの水
及び2×100mlのアセトンで洗浄し、高減圧下50℃
で乾燥した。収量(収率):粗生成物1.59g ( 5
8.9%)。表題の化合物の純度は97%であった。
【0031】実施例7:5,6,11,12−テトラセ
レノテトラセンの合成 0.948g(12mmol)のセレン、1.008g(12mm
ol)のNaHCO3 及び1mlの水を、ジメチルアセトア
ミド中でアルゴン下130℃で2時間撹拌した。次に、
50mlのジメチルアセトアミド中の0.915g(2.5
mmol)の5,6,11,12−テトラクロロテトラセン
の130℃熱溶液を、添加し、バッチをさらに3時間撹
拌した。次にバッチを冷却し、沈殿物を吸引ろ過し、2
5mlのジメチルアセトアミド、100mlの水及び100
mlのアセトンで洗浄し、高減圧下50℃で乾燥した。収
量(収率):粗生成物0.887g(65.7%)。表題
の化合物の純度は69%であった。
【0032】実施例8:5,6,11,12−テトラセ
レノテトラセンの合成 0.948g(12mmol)のセレン、0.636g(8mmo
l)の炭酸ナトリウム、25mlのジメチルアセトアミド
及び3mlの水を、アルゴン下140℃まで加熱し、混合
物をこの温度で1時間撹拌した。次に、50mlのジメチ
ルアセトアミド中の0.915g(2.5mmol)の5,
6,11,12−テトラクロロテトラセンの130℃熱
溶液を、注ぎ込み、バッチを140℃でさらに4時間撹
拌した。室温まで冷却後、黒い沈殿物をろ過により単離
し、25mlのジメチルアセトアミド、100mlの水及び
及び100mlのアセトンで洗浄し、高減圧下50℃で乾
燥した。収量(収率):粗生成物0.84g(62%)。
表題の化合物の純度は58%であった。
【0033】実施例9:5,6,11,12−テトラセ
レノテトラセンの合成 480mg(12mmol)のNaOHを1mlの水に溶解し、
該溶液を25mlのジメチルアセトアミド中の0.948
g(12mmol)のセレンの懸濁液に添加した。次に混合物
を140℃で1時間撹拌した。次に、50mlのジメチル
アセトアミド中の0.915g(2.5mmol)の5,6,
11,12−テトラクロロテトラセンの130℃熱溶液
を、前記の混合物に注ぎ込み、バッチをアルゴン下15
0℃でさらに4時間撹拌した。50℃まで冷却後、黒い
沈殿物をろ過により単離し、30mlのジメチルアセトア
ミド、200mlの水及び及び200mlのアセトンで洗浄
し、高減圧下50℃で乾燥した。収量(収率):粗生成
物1.137g(84%)。表題の化合物の純度は88%
であった。
【0034】実施例10:2−フルオロ−5,6,1
1,12−テトラセレノテトラセンの合成 0.948g(12mmol)のセレン、0.668g(12mm
ol)のナトリウムメチラート及び25mlのジメチルアセ
トアミドをアルゴン下150℃まで30分間加熱し、該
混合物をこの温度で1時間撹拌した。次に、50mlのジ
メチルアセトアミド中の2.5mmolの2−フルオロ−
5,6,11,12−テトラクロロテトラセンの150
℃熱溶液を、前記の混合物中に注ぎ込み、バッチを15
0℃で20分間撹拌した。室温まで冷却後、黒い沈殿物
をろ過により単離し、20mlのジメチルアセトアミド、
200mlの水及び及び200mlのアセトンで洗浄し、高
減圧下50℃で乾燥した。収量(収率):粗生成物1.
142g(81%)。表題の化合物の純度は86%であっ
た。
【0035】実施例11:1,4,5,8−テトラセレ
ノナフタレンの合成 0.948g(12mmol)のセレン、0.668g(12mm
ol)のナトリウムメチラート及び25mlのジメチルアセ
トアミドを、アルゴン下で150℃まで30分間加熱
し、該混合物をこの温度で1時間撹拌した。次に、50
mlのジメチルアセトアミド中の2.5mmolの1,4,
5,8−テトラクロロナフタレンの140℃熱溶液を、
前記の混合物中に注ぎ込み、バッチを150℃で22時
間撹拌した。室温まで冷却後、黒い沈殿物をろ過により
単離し、20mlのジメチルアセトアミド、200mlの水
及び及び200mlのアセトンで洗浄し、高減圧下50℃
で乾燥した。収量(収率):粗生成物0.953g(8
6.6%)。表題の化合物の純度は100%であった。
【0036】実施例12:5,6,11,12−テトラ
テルロテトラセンの合成 実施例3の手順を繰り返したが、セレンの代わりにテル
ルを使用た。粗生成物の収量(収率)及び表題の化合物
の純度は、実施例3で得られた数値と実質的に同等であ
った。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1段階で、アルカリ金属スルフィド、
    セレニド又はテルリドをアミド系溶媒中で合成し、第2
    段階で、該アルカリ金属スルフィド、セレニド又はテル
    リドをペリ−ハロゲノ芳香族化合物と反応させることに
    よりペリ−カルコゲノ多環式芳香族化合物を製造する方
    法において、該第1段階で、アルカリ金属塩基と元素状
    の硫黄、セレン又はテルルとを、高温で反応させること
    を特徴とするペリ−ジカルコゲノ多環式芳香族化合物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 第1段階での反応温度が、30℃から使
    用される溶媒の還流温度までの範囲である請求項1記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 反応温度が、30〜200℃である請求
    項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ金属塩基のアルカリ金属が、リ
    チウム、ナトリウム及びカリウムから選択される請求項
    1記載の方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属塩基が、水酸化物、炭酸
    塩、炭酸水素塩ならびに第一級、第二級及び第三級アル
    カノールのアルコラートからなる群から選択される請求
    項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 アルカノールが、1〜18個の炭素原子
    を含む請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 ナトリウムアルコラートを用いる請求項
    5記載の方法。
  8. 【請求項8】 C1 〜C6 アルカノールのナトリウムア
    ルコラートを使用する請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 アルカリ金属塩基が、ナトリウムメチラ
    ートである請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 アミド系溶媒が、N−ジアルキル化カ
    ルボキサミド、N−アルキル化ラクタム及び無機オキシ
    酸のN−ペルアルキル化アミドからなる群から選択され
    る請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 アミド系溶媒が、N,N−ジメチルア
    セトアミドである請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 アルカリ金属塩と硫黄、セレン及びテ
    ルルから選択される元素状のカルコゲンとを化学量論的
    比率で反応させ、式M22(式中、Mは、アルカリ金属
    であり、Xは、硫黄、セレン又はテルルである)で示さ
    れる化合物を生成させる請求項1記載の方法。
  13. 【請求項13】 ペリ−ハロゲノ芳香族化合物が、ペリ
    −ブロモ又はペリ−クロロ化合物である請求項1記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 ペリ−ハロゲノ芳香族化合物が、10
    個以上かつ30個以下の炭素原子を含む芳香族複素環式
    又は芳香族炭化水素化合物である請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 ペリ−ハロゲノ芳香族化合物が、式I 【化1】 で示され、該化合物から式II 【化2】 (式中、Yは、ハロゲン、好ましくはClであり;Y1
    は、H又はハロゲン、好ましくはClであり;Xは、
    S、Se又はTeであり;そしてX1 は、H、S、Se
    又はTeであり;R1 、R2 、R3 及びR4 は、各々互
    いに独立して、H、C1 〜C4 アルキル基、C1 〜C4
    アルコキシ基、C1 〜C4 アルキルチオ基、ハロゲン、
    好ましくはF、Cl及びBr、CN基、CF3 基、(C
    3)3 Si基、(C1 〜C6 アルキル)2 N基、(C1
    〜C6 アルコキシ)CO基もしくは(C1 〜C6 アルコ
    キシ)COO基であり、又はR1 及びR2 もしくはR3
    及びR4 が、各々一緒になって−CH=C(R5)−C
    (R6)=CH−基を形成し、又はR1 及びR2 が一緒に
    なって該基を形成し、そしてR3 及びR4 が一緒になっ
    て−CH=C(R7)−C(R8)=CH−基を形成し;R
    5 、R6 、R7 及びR8は、各々互いに独立してR1
    4 の意味を有する基である)で示されるペリ−カルコ
    ゲノ化合物が製造される請求項1記載の方法。
  16. 【請求項16】 ペリ−ハロゲノ芳香族化合物が、式I
    a又は式Ib 【化3】 (式中、Yは、Clであり、Y1 は、H又はClであ
    り;そしてR1 〜R4 は、R5 〜R8 と同様に、各々互
    いに独立してH、F、Cl、CF3 基、CH3 基、CH
    3 O基、C25 O基、CH3 S基、C25 S基、
    (CH3)3 Si基、CH3 OC(O)基又はC25
    C(O)基である)を有する請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 R1 〜R4 及びR5 〜R8 が、Hであ
    る請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 アルカリ金属塩基及び元素状のカルコ
    ゲンを溶媒中のペリ−ハロゲノ芳香族化合物と一緒に反
    応器に仕込み、該混合物を加熱し反応させる請求項1記
    載の方法。
  19. 【請求項19】 第2段階での反応温度が、30℃から
    溶媒の沸点までの範囲である請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 反応体類を、1mol の芳香族化合物中
    の2mol の隣接ペリ−ハロゲン原子につき、少なくとも
    1mol のアルカリ金属カルコゲナイドM22 が存在す
    るような比率で使用する請求項1記載の方法。
JP4086118A 1991-03-15 1992-03-10 ペリ−ジカルコゲノ多環式芳香族化合物の製造方法 Pending JPH05186475A (ja)

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