JPH05186119A - 樹脂被覆金属管、樹脂被覆金属ローラ及びそれらの製造方法 - Google Patents
樹脂被覆金属管、樹脂被覆金属ローラ及びそれらの製造方法Info
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- JPH05186119A JPH05186119A JP2180392A JP2180392A JPH05186119A JP H05186119 A JPH05186119 A JP H05186119A JP 2180392 A JP2180392 A JP 2180392A JP 2180392 A JP2180392 A JP 2180392A JP H05186119 A JPH05186119 A JP H05186119A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 温度変化に拘らず樹脂層と金属管とのズレが
生じない樹脂被覆金属管及び樹脂被覆金属ローラを得
る。 【構成】 アルミニウムパイプの芯金部16は予熱装置
62によって予熱された後、ポリイソシアネートを硬化
剤とし、変性アクリル系樹脂を主剤とする接着剤が塗布
される。この後、乾燥装置66によって加熱されてるこ
とにより接着剤の溶剤が除去され接着剤層が形成され
る。この芯金部は加熱装置78に加熱されながら押出成
形機70へ挿入される。押出成形機からは溶融した硬質
塩化ビニルの樹脂材18Aが芯金部の周囲に供給され、
芯金部が樹脂層18によって被覆される。
生じない樹脂被覆金属管及び樹脂被覆金属ローラを得
る。 【構成】 アルミニウムパイプの芯金部16は予熱装置
62によって予熱された後、ポリイソシアネートを硬化
剤とし、変性アクリル系樹脂を主剤とする接着剤が塗布
される。この後、乾燥装置66によって加熱されてるこ
とにより接着剤の溶剤が除去され接着剤層が形成され
る。この芯金部は加熱装置78に加熱されながら押出成
形機70へ挿入される。押出成形機からは溶融した硬質
塩化ビニルの樹脂材18Aが芯金部の周囲に供給され、
芯金部が樹脂層18によって被覆される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感光材料処理装置等に
用いられるローラを形成するための樹脂被覆金属管及び
その製造方法、並びに樹脂被覆金属ローラ及びその製造
方法に関する。
用いられるローラを形成するための樹脂被覆金属管及び
その製造方法、並びに樹脂被覆金属ローラ及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】感光材料等のシート材を搬送するローラ
は、長尺の鋼管等の金属管の外周面に押出成形によって
樹脂被膜を形成した樹脂被覆金属管を所定の長さに切断
して製作されたものがある。金属管はローラの芯金部と
なり、ローラの芯に金属管を用いることにより、ローラ
の真円度及び振れ等の精度を良くしている。また、金属
管に樹脂被膜を形成する樹脂としては、アクリルニトリ
ル−ブタジエン−スチレン樹脂、変性ポリフェニレンオ
キサイドの熱可塑性樹脂を用いたものがある。金属管の
芯金部に樹脂被膜を形成することによって、ローラが感
光材料と接触する際に感光材料の表面を傷めることがな
く、また、感光材料処理装置中の処理液中の成分により
芯金部が腐食されるのを防止している。
は、長尺の鋼管等の金属管の外周面に押出成形によって
樹脂被膜を形成した樹脂被覆金属管を所定の長さに切断
して製作されたものがある。金属管はローラの芯金部と
なり、ローラの芯に金属管を用いることにより、ローラ
の真円度及び振れ等の精度を良くしている。また、金属
管に樹脂被膜を形成する樹脂としては、アクリルニトリ
ル−ブタジエン−スチレン樹脂、変性ポリフェニレンオ
キサイドの熱可塑性樹脂を用いたものがある。金属管の
芯金部に樹脂被膜を形成することによって、ローラが感
光材料と接触する際に感光材料の表面を傷めることがな
く、また、感光材料処理装置中の処理液中の成分により
芯金部が腐食されるのを防止している。
【0003】このようなローラには、例えば、図5に示
されるようなローラ90がある。なお、図5は、ローラ
90の要部断面を示している。
されるようなローラ90がある。なお、図5は、ローラ
90の要部断面を示している。
【0004】ローラ90のローラ本体92は、鋼管、ス
テンレス管等の芯金部94に樹脂層96が押し出し成形
により被覆されており、長尺の樹脂被覆金属管を所定の
長さに切断したものである。
テンレス管等の芯金部94に樹脂層96が押し出し成形
により被覆されており、長尺の樹脂被覆金属管を所定の
長さに切断したものである。
【0005】このローラ本体92の軸端部分には、シャ
フト14がインサート成形されフランジ100が一体に
形成された軸端部材98が配設される。フランジ100
と樹脂層96とは、外径寸法が同じにされている。この
軸端部材98は、ローラ本体92へ挿入接着されてい
る。
フト14がインサート成形されフランジ100が一体に
形成された軸端部材98が配設される。フランジ100
と樹脂層96とは、外径寸法が同じにされている。この
軸端部材98は、ローラ本体92へ挿入接着されてい
る。
【0006】ところで、感光材料を現像処理する感光材
料処理装置には、シート状の感光材料が搬送される搬送
路を多数のローラによって構成されている。このため、
ローラ90は軽量化されることが好ましい。これらのロ
ーラ90は、処理液中あるいは処理液の成分を含んだガ
ス中に設けられており、駆動手段によって駆動されて感
光材料に搬送力を付与し、感光材料を処理液中、あるい
は処理液の成分を多量に含んだガス中を搬送するように
なっている。
料処理装置には、シート状の感光材料が搬送される搬送
路を多数のローラによって構成されている。このため、
ローラ90は軽量化されることが好ましい。これらのロ
ーラ90は、処理液中あるいは処理液の成分を含んだガ
ス中に設けられており、駆動手段によって駆動されて感
光材料に搬送力を付与し、感光材料を処理液中、あるい
は処理液の成分を多量に含んだガス中を搬送するように
なっている。
【0007】さらに、感光材料処理装置には、処理液に
よって処理された感光材料を加熱して乾燥させる乾燥部
を有しており、この乾燥部にも感光材料を搬送するため
のローラ90が設けられている。
よって処理された感光材料を加熱して乾燥させる乾燥部
を有しており、この乾燥部にも感光材料を搬送するため
のローラ90が設けられている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性樹脂の線膨張係数は、金属管である芯金部94に対し
て約3ないし5倍以上であり、ローラ90の使用環境下
のヒートサイクルによって、樹脂層96が芯金部94に
対して伸縮してズレが生じるという問題がある。このた
め、ローラ90の金属管の端面から樹脂層96が突出す
ることで、軸端部材98がシャフト14の先端側へ飛び
出し、ローラ90内部の密封性が損なわれる。
性樹脂の線膨張係数は、金属管である芯金部94に対し
て約3ないし5倍以上であり、ローラ90の使用環境下
のヒートサイクルによって、樹脂層96が芯金部94に
対して伸縮してズレが生じるという問題がある。このた
め、ローラ90の金属管の端面から樹脂層96が突出す
ることで、軸端部材98がシャフト14の先端側へ飛び
出し、ローラ90内部の密封性が損なわれる。
【0009】感光材料を処理する処理液は、一般の金属
を腐食させるため、ローラ90内部の密封性が損なわれ
た場合、ローラ90内部に処理液乃至処理液中の成分を
多量に含んだガスが侵入して、芯金部94である金属管
を侵してしまい、ローラ90の真円度、振れ等に狂いが
生じる。これによって、ローラ90が接触して搬送する
感光材料を傷めたり、感光材料の搬送不良が生じる。
を腐食させるため、ローラ90内部の密封性が損なわれ
た場合、ローラ90内部に処理液乃至処理液中の成分を
多量に含んだガスが侵入して、芯金部94である金属管
を侵してしまい、ローラ90の真円度、振れ等に狂いが
生じる。これによって、ローラ90が接触して搬送する
感光材料を傷めたり、感光材料の搬送不良が生じる。
【0010】また、樹脂層96としては、耐薬品性、コ
スト等を考慮すると硬質塩化ビニルが最適である。しか
し、硬質塩化ビニルは、塩素化塩ビであるため、押し出
し成形時に金属管と接着させるのが非常に困難である。
スト等を考慮すると硬質塩化ビニルが最適である。しか
し、硬質塩化ビニルは、塩素化塩ビであるため、押し出
し成形時に金属管と接着させるのが非常に困難である。
【0011】本発明は上記事実を考慮してなされたもの
で、使用環境下の温度変化が生じても樹脂層が金属管に
対しての相対的な伸縮を抑えた樹脂被覆金属管、樹脂被
覆金属ローラ及び、コスト及び生産性の優れた製造方法
を提供することを目的とする。
で、使用環境下の温度変化が生じても樹脂層が金属管に
対しての相対的な伸縮を抑えた樹脂被覆金属管、樹脂被
覆金属ローラ及び、コスト及び生産性の優れた製造方法
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
樹脂被覆金属管は、長尺の金属管と、前記金属管の外周
面を被覆する樹脂層硬質塩化ビニル樹脂よりなる樹脂層
と、前記金属管の外周面と前記樹脂層との間にポリイソ
シアネートを硬化剤とする接着剤層と、を有することを
特徴とする。
樹脂被覆金属管は、長尺の金属管と、前記金属管の外周
面を被覆する樹脂層硬質塩化ビニル樹脂よりなる樹脂層
と、前記金属管の外周面と前記樹脂層との間にポリイソ
シアネートを硬化剤とする接着剤層と、を有することを
特徴とする。
【0013】本発明の請求項2に係る樹脂被覆金属ロー
ラは、長尺の金属管と、前記金属管の外周面を被覆する
硬質塩化ビニル樹脂よりなる樹脂層と、前記金属管の外
周面と前記樹脂層との間にポリイソシアネートを硬化剤
とする接着剤層と、を有する樹脂被覆金属管の端面に樹
脂製の軸端部材を設けたことを特徴とする。
ラは、長尺の金属管と、前記金属管の外周面を被覆する
硬質塩化ビニル樹脂よりなる樹脂層と、前記金属管の外
周面と前記樹脂層との間にポリイソシアネートを硬化剤
とする接着剤層と、を有する樹脂被覆金属管の端面に樹
脂製の軸端部材を設けたことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項3に係る樹脂被覆金属ロー
ラは、請求項2の樹脂被覆金属ローラであって、前記軸
端部材を超音波溶着により接着することを特徴とする。
ラは、請求項2の樹脂被覆金属ローラであって、前記軸
端部材を超音波溶着により接着することを特徴とする。
【0015】本発明の請求項4に係る樹脂被覆金属ロー
ラは、請求項2の樹脂被覆金属ローラであって、前記軸
端部材を接着剤により接着させることを特徴とする。
ラは、請求項2の樹脂被覆金属ローラであって、前記軸
端部材を接着剤により接着させることを特徴とする。
【0016】本発明の請求項5に係る樹脂被覆金属ロー
ラは、請求項2ないし請求項4の樹脂被覆金属ローラー
であって、前記軸端部材が硬質塩化ビニル樹脂よりなる
ことを特徴とする。
ラは、請求項2ないし請求項4の樹脂被覆金属ローラー
であって、前記軸端部材が硬質塩化ビニル樹脂よりなる
ことを特徴とする。
【0017】本発明の請求項6に係る樹脂被覆金属管の
製造方法は、金属管の外周面にポリイソシアネートを硬
化剤とする接着剤を塗布して溶剤を除去したのち接着剤
層を形成し、この金属管を加熱しながら押出成形機へ挿
入して、加熱溶融した硬質塩化ビニルを前記接着剤層の
周囲に付着させて樹脂層を形成して前記金属管を被覆す
ることを特徴とする。
製造方法は、金属管の外周面にポリイソシアネートを硬
化剤とする接着剤を塗布して溶剤を除去したのち接着剤
層を形成し、この金属管を加熱しながら押出成形機へ挿
入して、加熱溶融した硬質塩化ビニルを前記接着剤層の
周囲に付着させて樹脂層を形成して前記金属管を被覆す
ることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項7に係る樹脂被覆金属ロー
ラの製造方法は、金属管の外周面にポリイソシアネート
を硬化剤とする接着剤を塗布して溶剤を除去したのち接
着剤層を形成し、この金属管を加熱しながら押出成形機
へ挿入して、加熱溶融した硬質塩化ビニルを前記接着剤
層の周囲に付着させて樹脂層を形成して前記金属管を被
覆することにより樹脂被覆金属管を形成し、前記樹脂被
覆金属管を所定長さに切断したのち、この切断面に樹脂
製の軸端部材を接着することを特徴とする。
ラの製造方法は、金属管の外周面にポリイソシアネート
を硬化剤とする接着剤を塗布して溶剤を除去したのち接
着剤層を形成し、この金属管を加熱しながら押出成形機
へ挿入して、加熱溶融した硬質塩化ビニルを前記接着剤
層の周囲に付着させて樹脂層を形成して前記金属管を被
覆することにより樹脂被覆金属管を形成し、前記樹脂被
覆金属管を所定長さに切断したのち、この切断面に樹脂
製の軸端部材を接着することを特徴とする。
【0019】本発明の請求項8に係る樹脂被覆金属ロー
ラの製造方法は、請求項7の樹脂被覆金属ローラの製造
方法であって、前記軸端部材を超音波溶着により接着す
ることを特徴とする。
ラの製造方法は、請求項7の樹脂被覆金属ローラの製造
方法であって、前記軸端部材を超音波溶着により接着す
ることを特徴とする。
【0020】本発明の請求項9に係る樹脂被覆金属ロー
ラの製造方法は、請求項7の樹脂被覆金属ローラの製造
方法であって、前記軸端部材を接着剤により接着するこ
とを特徴とする。
ラの製造方法は、請求項7の樹脂被覆金属ローラの製造
方法であって、前記軸端部材を接着剤により接着するこ
とを特徴とする。
【0021】本発明の請求項10に係る樹脂被覆金属ロ
ーラの製造方法は、請求項7ないし請求項9の樹脂被覆
金属ローラの製造方法であって、前記軸端部材が硬質塩
化ビニル樹脂によりなることを特徴とする。
ーラの製造方法は、請求項7ないし請求項9の樹脂被覆
金属ローラの製造方法であって、前記軸端部材が硬質塩
化ビニル樹脂によりなることを特徴とする。
【0022】
【作用】本発明の請求項1に記載の樹脂被覆金属管は、
ポリイソシアネートを硬化剤とする接着剤によって接着
剤層を形成して、硬質塩化ビニルの樹脂層と金属管と接
着している。例えば、ポリイソシアネートを硬化剤とす
る接着剤の変わりに熱溶着タイプのホットメルト接着剤
を使用した場合、使用環境下のヒートサイクルにより、
接着剤自体が流動してしまい、金属管と樹脂層との間の
ズレを防ぎきれない。
ポリイソシアネートを硬化剤とする接着剤によって接着
剤層を形成して、硬質塩化ビニルの樹脂層と金属管と接
着している。例えば、ポリイソシアネートを硬化剤とす
る接着剤の変わりに熱溶着タイプのホットメルト接着剤
を使用した場合、使用環境下のヒートサイクルにより、
接着剤自体が流動してしまい、金属管と樹脂層との間の
ズレを防ぎきれない。
【0023】ポリイソシアネートを硬化剤として用いた
接着剤としては、主剤として変性アクリル系樹脂を用い
たもの(例えば横浜ゴム(株)製、商品名「ハマタイト
Y−6200A/B」)、主剤としてポリエステル系
樹脂を用いたもの(例えば、横浜ゴム(株)製、商品名
「ハマタイト Y−6171A/B」)、主剤としてウ
レタン系樹脂を用いたもの等、ポリイソシアネートを硬
化剤とする一般的な接着剤の適用が可能である。
接着剤としては、主剤として変性アクリル系樹脂を用い
たもの(例えば横浜ゴム(株)製、商品名「ハマタイト
Y−6200A/B」)、主剤としてポリエステル系
樹脂を用いたもの(例えば、横浜ゴム(株)製、商品名
「ハマタイト Y−6171A/B」)、主剤としてウ
レタン系樹脂を用いたもの等、ポリイソシアネートを硬
化剤とする一般的な接着剤の適用が可能である。
【0024】硬化剤として使用されるポリイソシアネー
トは、主剤となる樹脂を硬化させて金属管の外周面及び
硬質塩化ビニルの樹脂層に結合させ、金属管と樹脂層と
を接着する。この硬化した主剤は、金属管と樹脂層とを
強固い接着するため、金属管に対しての硬質塩化ビニル
の樹脂層の伸縮を抑えることができる。このため、本発
明の樹脂被覆金属管を用いて、ローラを製作し、感光材
料処理装置の乾燥部に適用しても樹脂層が芯金部に対し
て相対的に伸縮することがなく、よって、金属管の両端
に挿入接着した軸端部材を飛び出させることがないので
ローラの密封性が損なわれることがない。
トは、主剤となる樹脂を硬化させて金属管の外周面及び
硬質塩化ビニルの樹脂層に結合させ、金属管と樹脂層と
を接着する。この硬化した主剤は、金属管と樹脂層とを
強固い接着するため、金属管に対しての硬質塩化ビニル
の樹脂層の伸縮を抑えることができる。このため、本発
明の樹脂被覆金属管を用いて、ローラを製作し、感光材
料処理装置の乾燥部に適用しても樹脂層が芯金部に対し
て相対的に伸縮することがなく、よって、金属管の両端
に挿入接着した軸端部材を飛び出させることがないので
ローラの密封性が損なわれることがない。
【0025】なお、ポリイソシアネートを硬化剤とする
接着剤は、多種の部材の接合に適用可能であるため、本
発明には、鋼管、ステンレス管、アルミニウム管は勿論
であるが、他の金属管の適用も可能である。
接着剤は、多種の部材の接合に適用可能であるため、本
発明には、鋼管、ステンレス管、アルミニウム管は勿論
であるが、他の金属管の適用も可能である。
【0026】本発明の請求項2に記載の樹脂被覆金属ロ
ーラは、本発明の樹脂被覆金属管を措定の長さに切断
し、両端に軸端部材を配設したものである。これによっ
て、使用環境下のヒートサイクルにおいて、密封性の良
い樹脂被覆金属ローラを得ることができる。
ーラは、本発明の樹脂被覆金属管を措定の長さに切断
し、両端に軸端部材を配設したものである。これによっ
て、使用環境下のヒートサイクルにおいて、密封性の良
い樹脂被覆金属ローラを得ることができる。
【0027】本発明の請求項3に記載の樹脂被覆金属ロ
ーラは、樹脂被覆金属管に軸端部材を接着剤によって接
合している。この接着剤としては、常温から使用環境下
の範囲で強固に接着するものであればよい。
ーラは、樹脂被覆金属管に軸端部材を接着剤によって接
合している。この接着剤としては、常温から使用環境下
の範囲で強固に接着するものであればよい。
【0028】本発明の請求項4に記載の樹脂被覆金属ロ
ーラは、樹脂被覆金属管に軸端部材を超音波溶着によっ
て接合している。
ーラは、樹脂被覆金属管に軸端部材を超音波溶着によっ
て接合している。
【0029】すなわち、樹脂被覆金属管の樹脂層と金属
管とが使用環境下のヒートサイクルでズレが生じないた
め、この樹脂被覆金属管と軸端部材とを接合する手段
は、接着剤を適用することも可能であり、樹脂の超音波
溶着によって接合することも可能である。
管とが使用環境下のヒートサイクルでズレが生じないた
め、この樹脂被覆金属管と軸端部材とを接合する手段
は、接着剤を適用することも可能であり、樹脂の超音波
溶着によって接合することも可能である。
【0030】本発明の請求項5に記載の樹脂被覆金属ロ
ーラは、軸端部材を樹脂層と同属の硬質塩化ビニル樹脂
で形成している。これによって、樹脂被覆金属管と軸端
部材との接合を容易にしている。
ーラは、軸端部材を樹脂層と同属の硬質塩化ビニル樹脂
で形成している。これによって、樹脂被覆金属管と軸端
部材との接合を容易にしている。
【0031】本発明の請求項6に記載の樹脂被覆金属管
の製造方法は、金属管を予熱した後に接着剤を塗布して
いる。この後、金属管を加熱することによって接着剤中
の溶剤が揮散して接着剤が乾燥し、金属管の外周面に均
一な接着剤層を形成することができる。本発明に適用さ
れる接着剤がポリイソシアネートを硬化剤とする不可逆
的加熱活性硬化タイプの接着剤であるため、乾燥した状
態でも加熱することによって活性化して樹脂層を接着す
ることができる。
の製造方法は、金属管を予熱した後に接着剤を塗布して
いる。この後、金属管を加熱することによって接着剤中
の溶剤が揮散して接着剤が乾燥し、金属管の外周面に均
一な接着剤層を形成することができる。本発明に適用さ
れる接着剤がポリイソシアネートを硬化剤とする不可逆
的加熱活性硬化タイプの接着剤であるため、乾燥した状
態でも加熱することによって活性化して樹脂層を接着す
ることができる。
【0032】本発明の請求項7に記載の樹脂被覆金属ロ
ーラの製造方法は、本発明の請求項6が適用された樹脂
被覆金属管の製造方法によって製造された金属管を所定
の長さに切断している。この後、樹脂被覆金属管の両端
に軸端部材を接合したものである。したがって、使用環
境下のヒートサイクルによって、樹脂層と金属管とのズ
レが生じないため、密封性のよい樹脂被覆金属ローラを
製造することができる。
ーラの製造方法は、本発明の請求項6が適用された樹脂
被覆金属管の製造方法によって製造された金属管を所定
の長さに切断している。この後、樹脂被覆金属管の両端
に軸端部材を接合したものである。したがって、使用環
境下のヒートサイクルによって、樹脂層と金属管とのズ
レが生じないため、密封性のよい樹脂被覆金属ローラを
製造することができる。
【0033】本発明の請求項8に記載の樹脂被覆金属ロ
ーラの製造方法は、軸端部材を樹脂被覆金属管へ超音波
溶着によって接合して製造するものである。
ーラの製造方法は、軸端部材を樹脂被覆金属管へ超音波
溶着によって接合して製造するものである。
【0034】本発明の請求項9に記載の樹脂被覆金属ロ
ーラの製造方法は、軸端部材を樹脂被覆金属管へ接着剤
によって接合して製造するものである。
ーラの製造方法は、軸端部材を樹脂被覆金属管へ接着剤
によって接合して製造するものである。
【0035】本発明の請求項10に記載の樹脂被覆金属
ローラの製造方法は、金属管を被覆する樹脂層と同属の
硬質塩化ビニルによって形成された軸端部材を、樹脂被
覆金属管に接合して製造するものである。
ローラの製造方法は、金属管を被覆する樹脂層と同属の
硬質塩化ビニルによって形成された軸端部材を、樹脂被
覆金属管に接合して製造するものである。
【0036】
【実施例】図1には、X線フィルムあるいは印刷用フィ
ルム等の感光材料を処理する現像処理装置に用いられる
ローラ10が示されている。
ルム等の感光材料を処理する現像処理装置に用いられる
ローラ10が示されている。
【0037】ローラ10は、外形が円筒状のローラ本体
12の軸方向の両端にシャフト14が吐出状態で同軸的
に設けられている。図2に示されるようにローラ本体1
2は、芯金部16と樹脂層18とが接着剤層19によっ
て接着されている。
12の軸方向の両端にシャフト14が吐出状態で同軸的
に設けられている。図2に示されるようにローラ本体1
2は、芯金部16と樹脂層18とが接着剤層19によっ
て接着されている。
【0038】このシャフト14は、図示しない軸受手段
によって回転可能に支持されるようになっている。ま
た、シャフト14には、図示しないローラ駆動手段が連
結される。このローラ駆動手段の駆動力がシャフト14
を回転させることにより、ローラ10が回転される。
によって回転可能に支持されるようになっている。ま
た、シャフト14には、図示しないローラ駆動手段が連
結される。このローラ駆動手段の駆動力がシャフト14
を回転させることにより、ローラ10が回転される。
【0039】先ず、ローラ10のローラ本体12を製作
するための、本発明が適用された樹脂被覆金属管11の
製造方法について説明する。
するための、本発明が適用された樹脂被覆金属管11の
製造方法について説明する。
【0040】樹脂被覆金属管11の芯金部16とされる
金属管は、アルミニウムパイプが適用されている。この
アルミニウムパイプは、真円度、振れ等の精度の良い肉
厚0.5mm〜5mm(好ましくは約1.0mm〜2.0mm)
程度のものが適用でき、長さ1.0m〜10.0m(好
ましくは2.0m〜5.0m)のものを一定の長さに切
断して使用することができる。このアルミニウムパイプ
としては、予め陽極酸化等によって耐蝕性皮膜を形成し
たものでもよい。
金属管は、アルミニウムパイプが適用されている。この
アルミニウムパイプは、真円度、振れ等の精度の良い肉
厚0.5mm〜5mm(好ましくは約1.0mm〜2.0mm)
程度のものが適用でき、長さ1.0m〜10.0m(好
ましくは2.0m〜5.0m)のものを一定の長さに切
断して使用することができる。このアルミニウムパイプ
としては、予め陽極酸化等によって耐蝕性皮膜を形成し
たものでもよい。
【0041】また、樹脂被膜金属管11の樹脂層18
は、芯金部16の外周に芯金部16と同軸的に押し出し
成形により形成されている。樹脂層18の厚さは、約
0.3mm〜3.0mm(好ましくは約1.0mm〜2.0m
m)とすることができる。例えば、定尺3.0m、厚さ
1.5mm、外径寸法22mmのアルミニウムパイプを、厚
さ1.6mmの硬質ポリ塩化ビニル樹脂(例えば、三菱化
成ビニル(株)製、商品名ビニカコンパウンドT−20
BK3)の層で被覆する。この際、樹脂層厚の許容誤
差範囲は、約0+0.05mmとしている。
は、芯金部16の外周に芯金部16と同軸的に押し出し
成形により形成されている。樹脂層18の厚さは、約
0.3mm〜3.0mm(好ましくは約1.0mm〜2.0m
m)とすることができる。例えば、定尺3.0m、厚さ
1.5mm、外径寸法22mmのアルミニウムパイプを、厚
さ1.6mmの硬質ポリ塩化ビニル樹脂(例えば、三菱化
成ビニル(株)製、商品名ビニカコンパウンドT−20
BK3)の層で被覆する。この際、樹脂層厚の許容誤
差範囲は、約0+0.05mmとしている。
【0042】図3には、樹脂被覆金属管11の製造工程
が示されている。芯金部16は、アルミニウムパイプ供
給装置74から押出成形機70へ供給される。アルミニ
ウムパイプ供給装置74には、強制パイプ供給装置6
0、予熱装置62、接着剤塗布装置64及び乾燥装置6
6が順に配設されている。芯金部16は、予熱装置62
で予熱された後、接着剤塗布装置64で接着剤が塗布さ
れる。この接着剤は、乾燥装置66により接着剤中の溶
剤が揮散され、芯金部16の外周面に接着剤層19を形
成する。この接着剤層19は、芯金部16と樹脂層18
とを接着する役目を有する。
が示されている。芯金部16は、アルミニウムパイプ供
給装置74から押出成形機70へ供給される。アルミニ
ウムパイプ供給装置74には、強制パイプ供給装置6
0、予熱装置62、接着剤塗布装置64及び乾燥装置6
6が順に配設されている。芯金部16は、予熱装置62
で予熱された後、接着剤塗布装置64で接着剤が塗布さ
れる。この接着剤は、乾燥装置66により接着剤中の溶
剤が揮散され、芯金部16の外周面に接着剤層19を形
成する。この接着剤層19は、芯金部16と樹脂層18
とを接着する役目を有する。
【0043】芯金部16に塗布される接着剤は、熱硬化
性樹脂を主剤としてポリイソシアネートを硬化剤として
混合したものであり、本実施例では、変性アクリル樹脂
を主剤とする横浜ゴム(株)製、商品面「ハマタイト
Y−6200A/B」を使用した。
性樹脂を主剤としてポリイソシアネートを硬化剤として
混合したものであり、本実施例では、変性アクリル樹脂
を主剤とする横浜ゴム(株)製、商品面「ハマタイト
Y−6200A/B」を使用した。
【0044】芯金部16は、強制パイプ供給装置60に
よって、図3矢印B方向へ送り出されてラインに投入さ
れ、予熱装置62を通過する。この予熱装置62は、芯
金部16を80°C〜100°Cに予熱し、さらに、接
着剤塗布装置64により接着剤を芯金部16の外周面に
均一に塗布した後、乾燥装置66で接着剤に含まれる溶
剤を揮散させる。
よって、図3矢印B方向へ送り出されてラインに投入さ
れ、予熱装置62を通過する。この予熱装置62は、芯
金部16を80°C〜100°Cに予熱し、さらに、接
着剤塗布装置64により接着剤を芯金部16の外周面に
均一に塗布した後、乾燥装置66で接着剤に含まれる溶
剤を揮散させる。
【0045】芯金部16に塗布された接着剤は、芯金部
16が予熱されているため、乾燥装置66によって乾燥
される際、芯金部16の表面近傍まで均一に短時間で乾
燥される。このため、乾燥装置66を排出された時点で
は、接着剤層19がフィルム状態となっている。
16が予熱されているため、乾燥装置66によって乾燥
される際、芯金部16の表面近傍まで均一に短時間で乾
燥される。このため、乾燥装置66を排出された時点で
は、接着剤層19がフィルム状態となっている。
【0046】このようにしてライン上に送り込まれた芯
金部16は、アルミニウムパイプ押込み装置88でキャ
タピラに挟持されて送り出され、加熱手段76によって
芯金部16を加熱する加熱装置78を通過する。この
際、芯金部16の外周面の接着剤層19は乾燥状態とな
っており、前記キャタピラ等に付着することがない。こ
の加熱装置78では、芯金部16が、約150°C〜2
50°C(好ましくは200°C〜230°C)の範囲
に加熱される。加熱手段76としては、電気加熱器又は
約300,000Hz の高周波によって加熱する高周波
発振器等を適用することができる。
金部16は、アルミニウムパイプ押込み装置88でキャ
タピラに挟持されて送り出され、加熱手段76によって
芯金部16を加熱する加熱装置78を通過する。この
際、芯金部16の外周面の接着剤層19は乾燥状態とな
っており、前記キャタピラ等に付着することがない。こ
の加熱装置78では、芯金部16が、約150°C〜2
50°C(好ましくは200°C〜230°C)の範囲
に加熱される。加熱手段76としては、電気加熱器又は
約300,000Hz の高周波によって加熱する高周波
発振器等を適用することができる。
【0047】芯金部16は、加熱されることによって、
次工程のダイス80内における樹脂材18Aの凝固ある
いは樹脂層18のクラックを防止することができる。ま
た、芯金部16の外周面に形成された接着剤層19が活
性化される。
次工程のダイス80内における樹脂材18Aの凝固ある
いは樹脂層18のクラックを防止することができる。ま
た、芯金部16の外周面に形成された接着剤層19が活
性化される。
【0048】芯金部16は、加熱装置78で加熱された
後、押出成形機70の加熱筒72に設けられたダイス8
0内の通路へ送られる。図4に示されるように、芯金部
16は、軸芯が加熱筒72の軸と直角に配設される。ま
た、図3に示されるように、ダイス80内の通路は、樹
脂被覆された芯金部16が通過できる大きさ(内径)と
され、図示しない加熱手段によって約160°C〜25
0°C(好ましくは約195°C〜215°C)の範囲
で加熱しており、加熱筒72内へ供給される樹脂材18
Aが凝固しないようになっている。
後、押出成形機70の加熱筒72に設けられたダイス8
0内の通路へ送られる。図4に示されるように、芯金部
16は、軸芯が加熱筒72の軸と直角に配設される。ま
た、図3に示されるように、ダイス80内の通路は、樹
脂被覆された芯金部16が通過できる大きさ(内径)と
され、図示しない加熱手段によって約160°C〜25
0°C(好ましくは約195°C〜215°C)の範囲
で加熱しており、加熱筒72内へ供給される樹脂材18
Aが凝固しないようになっている。
【0049】図4にも示されるように、ダイス80内で
は、加熱筒72から供給される樹脂材18Aによって、
芯金部16の外周を被覆している。
は、加熱筒72から供給される樹脂材18Aによって、
芯金部16の外周を被覆している。
【0050】押出成形機70では、ホッパ82へ投入さ
れた樹脂材18Aが、加熱筒72で加熱軟化される。加
熱筒72内では、モータ84によって駆動されるスクリ
ュー86によって軟化している樹脂材18Aが加圧さ
れ、ダイス80へ押し出される。この加熱筒72から押
し出された樹脂材18Aによって、芯金部16の外周に
樹脂層18が形成される。なお、加熱筒72内からダイ
ス80へ押し出される樹脂材18Aの温度は、約160
°C〜250°C(好ましくは180°C〜220°
C)とされている。
れた樹脂材18Aが、加熱筒72で加熱軟化される。加
熱筒72内では、モータ84によって駆動されるスクリ
ュー86によって軟化している樹脂材18Aが加圧さ
れ、ダイス80へ押し出される。この加熱筒72から押
し出された樹脂材18Aによって、芯金部16の外周に
樹脂層18が形成される。なお、加熱筒72内からダイ
ス80へ押し出される樹脂材18Aの温度は、約160
°C〜250°C(好ましくは180°C〜220°
C)とされている。
【0051】アルミパイプ押込み装置88の下流側に
は、調整コロ89が備えられ、芯金部16の外周面とダ
イス80の通路の内周面との間隔が均一となるようにさ
れていると共に、芯金部16のダイス80への挿入角度
を調節して支持するようになっている。これによって、
ダイス80へ芯金部16が同軸的に挿入され、芯金部1
6の外周に略均一な厚さの樹脂層18が形成される。
は、調整コロ89が備えられ、芯金部16の外周面とダ
イス80の通路の内周面との間隔が均一となるようにさ
れていると共に、芯金部16のダイス80への挿入角度
を調節して支持するようになっている。これによって、
ダイス80へ芯金部16が同軸的に挿入され、芯金部1
6の外周に略均一な厚さの樹脂層18が形成される。
【0052】なお、押出成形機70には、樹脂材18A
の押し出し成形に用いられる一般的な押出成形機を適用
することができる。
の押し出し成形に用いられる一般的な押出成形機を適用
することができる。
【0053】押出成形機70によって樹脂層18が形成
された芯金部16は、樹脂被覆金属管11となり、図示
しないエアー・フロー又はウォータ・ミストによって除
冷されることによって樹脂層18にクラックを発生させ
る原因となる残留応力を、最小限に抑えるようにしてい
る。
された芯金部16は、樹脂被覆金属管11となり、図示
しないエアー・フロー又はウォータ・ミストによって除
冷されることによって樹脂層18にクラックを発生させ
る原因となる残留応力を、最小限に抑えるようにしてい
る。
【0054】このようにして製造された樹脂被覆金属管
11は、一定の長さに切断されてローラ10のローラ本
体12として使用される。
11は、一定の長さに切断されてローラ10のローラ本
体12として使用される。
【0055】図1及び図2に示されるように、ローラ1
0は、ローラ本体12の軸方向の良端に軸端部材20が
配設される。この軸端部材20は、樹脂層18と同属の
硬質ポリ塩化ビニルによって形成され、シャフト14が
インサートされた射出成形による一体成形品である。
0は、ローラ本体12の軸方向の良端に軸端部材20が
配設される。この軸端部材20は、樹脂層18と同属の
硬質ポリ塩化ビニルによって形成され、シャフト14が
インサートされた射出成形による一体成形品である。
【0056】軸端部材20の軸端本体22は、略円柱状
とされている。この軸端本体22には、シャフト14が
突出された側に、同軸的にフランジ28が一体成形され
ている。このフランジ28は、ローラ本体12の樹脂層
18の外径と同一外径とされている。
とされている。この軸端本体22には、シャフト14が
突出された側に、同軸的にフランジ28が一体成形され
ている。このフランジ28は、ローラ本体12の樹脂層
18の外径と同一外径とされている。
【0057】この軸端部材20は、軸端本体22がフラ
ンジ28と反対側の端部からローラ本体12へ挿入され
る。この際、軸端本体22の外周面には、接着剤(例え
ばエポキシ系接着剤)が塗布される。この接着剤によっ
て、軸端本体22の外周面と芯金部16の内面、及びフ
ランジ28と芯金部16、樹脂層18の軸方向の端面が
接着される。この際、軸端本体22の溝24は、接着剤
溜まりとなって芯金部16と軸端本体22とが確実に接
着される。なお、ローラ本体12と軸端部材20との接
合は、芯金部16と軸端本体22とを接着剤で接合する
と共に、樹脂層18とフランジ28とを超音波溶着によ
って接合するものであってもよく、超音波溶着のみを用
いてもよい。
ンジ28と反対側の端部からローラ本体12へ挿入され
る。この際、軸端本体22の外周面には、接着剤(例え
ばエポキシ系接着剤)が塗布される。この接着剤によっ
て、軸端本体22の外周面と芯金部16の内面、及びフ
ランジ28と芯金部16、樹脂層18の軸方向の端面が
接着される。この際、軸端本体22の溝24は、接着剤
溜まりとなって芯金部16と軸端本体22とが確実に接
着される。なお、ローラ本体12と軸端部材20との接
合は、芯金部16と軸端本体22とを接着剤で接合する
と共に、樹脂層18とフランジ28とを超音波溶着によ
って接合するものであってもよく、超音波溶着のみを用
いてもよい。
【0058】芯金部16へ挿入された軸端本体22は、
シャフト14と同軸的に配置され、ローラ本体12とシ
ャフト14との同軸度を保持するようになっている。す
なわち、軸端本体22が芯金部16に同軸的に挿入され
ることにより、ローラ本体12とシャフト14の同軸度
が保たれ、ローラ本体12がシャフト14と同軸的に回
転可能となる。なお、ローラ10は、真円度及び振れ等
を測定し、必要に応じて、樹脂層18の外周を削ること
により、必要な真円度を得ることができる。
シャフト14と同軸的に配置され、ローラ本体12とシ
ャフト14との同軸度を保持するようになっている。す
なわち、軸端本体22が芯金部16に同軸的に挿入され
ることにより、ローラ本体12とシャフト14の同軸度
が保たれ、ローラ本体12がシャフト14と同軸的に回
転可能となる。なお、ローラ10は、真円度及び振れ等
を測定し、必要に応じて、樹脂層18の外周を削ること
により、必要な真円度を得ることができる。
【0059】このように製作したローラ10を、図示し
ない感光材料処理装置の乾燥部に使用し、感光材料の搬
送路を構成した。この乾燥部は、感光材料を約60°C
〜80°Cに加熱して乾燥する。
ない感光材料処理装置の乾燥部に使用し、感光材料の搬
送路を構成した。この乾燥部は、感光材料を約60°C
〜80°Cに加熱して乾燥する。
【0060】この際、樹脂層(硬質ポリ塩化ビニル)1
8の線膨張係数は、アルミニウムの芯金部16に対して
3倍以上あるので、ローラ10の使用環境下におけるヒ
ートサイクルにより両者のズレが生ずる。すなわち、乾
燥部では、室温(例えば10°C〜30°C)から約8
0°Cまでの約50°C〜70°Cの温度差が生じる。
ローラ10は常温で組付けられているため、室温では、
樹脂層18と芯金部16とが同じ長さとなっているが、
使用環境下の温度が上昇すると樹脂層18が芯金部16
に対して伸びようとする。
8の線膨張係数は、アルミニウムの芯金部16に対して
3倍以上あるので、ローラ10の使用環境下におけるヒ
ートサイクルにより両者のズレが生ずる。すなわち、乾
燥部では、室温(例えば10°C〜30°C)から約8
0°Cまでの約50°C〜70°Cの温度差が生じる。
ローラ10は常温で組付けられているため、室温では、
樹脂層18と芯金部16とが同じ長さとなっているが、
使用環境下の温度が上昇すると樹脂層18が芯金部16
に対して伸びようとする。
【0061】接着剤層19は、樹脂層18と芯金部16
とを強固に接着して、樹脂層18が伸びようとするのを
防止する。樹脂層18が芯金部16に対して伸びた場
合、軸端部材20がシャフト14の先端側へ飛び出し、
ローラ10内部の密封性が損なわれるが、樹脂層18の
伸びを防止することによって、ローラ10内部の密封性
が損なわれることがなく、芯金部16が処理液成分を含
んだガスに侵されることがない。
とを強固に接着して、樹脂層18が伸びようとするのを
防止する。樹脂層18が芯金部16に対して伸びた場
合、軸端部材20がシャフト14の先端側へ飛び出し、
ローラ10内部の密封性が損なわれるが、樹脂層18の
伸びを防止することによって、ローラ10内部の密封性
が損なわれることがなく、芯金部16が処理液成分を含
んだガスに侵されることがない。
【0062】発明者らは、多種の接着剤を用いて樹脂被
覆金属管を製作する試験を行った。その結果、加熱硬化
する接着剤であるエポキシ樹脂系接着剤、変性アクリル
系樹脂−フェノール系硬化剤、アクリル系ディスパージ
ョン接着剤においては、樹脂層18と芯金部16の間を
均一にかつ確実に接着することが困難であった。
覆金属管を製作する試験を行った。その結果、加熱硬化
する接着剤であるエポキシ樹脂系接着剤、変性アクリル
系樹脂−フェノール系硬化剤、アクリル系ディスパージ
ョン接着剤においては、樹脂層18と芯金部16の間を
均一にかつ確実に接着することが困難であった。
【0063】一方、ポリイソシアネートを硬化剤とした
接着剤として、変性アクリル系樹脂あるいはポリエステ
ル系樹脂またはウレタン系樹脂を主剤とするものを用い
て試験を行ったところ、樹脂層18と芯金部16の間を
完全に接着することができた。
接着剤として、変性アクリル系樹脂あるいはポリエステ
ル系樹脂またはウレタン系樹脂を主剤とするものを用い
て試験を行ったところ、樹脂層18と芯金部16の間を
完全に接着することができた。
【0064】すなわち、ポリイソシアネートを硬化剤と
して使用した不可逆的加熱活性硬化タイプの接着剤層に
よって、芯金部16と樹脂層18とを接着することによ
って、常温を中心に最大温度差70°Cのヒートサイク
ルの範囲で芯金部16と樹脂層18とのズレが生じるこ
とのない樹脂被覆金属管11を得ることができる。
して使用した不可逆的加熱活性硬化タイプの接着剤層に
よって、芯金部16と樹脂層18とを接着することによ
って、常温を中心に最大温度差70°Cのヒートサイク
ルの範囲で芯金部16と樹脂層18とのズレが生じるこ
とのない樹脂被覆金属管11を得ることができる。
【0065】また、樹脂被覆金属管の製造工程において
は、芯金部16を予熱した後に接着剤を塗布し、乾燥装
置66で接着剤を乾燥させている。これによって、接着
剤を短時間で均一に乾燥させることができる。通常、接
着剤を塗布した後に芯金部16を急速に加熱して接着剤
層19を乾燥させようとした場合、接着剤層19が偏り
乾燥状態が不均一となるが、芯金部16を予熱すること
によって、芯金部16の外周面に均一な接着剤層19を
形成することができる。
は、芯金部16を予熱した後に接着剤を塗布し、乾燥装
置66で接着剤を乾燥させている。これによって、接着
剤を短時間で均一に乾燥させることができる。通常、接
着剤を塗布した後に芯金部16を急速に加熱して接着剤
層19を乾燥させようとした場合、接着剤層19が偏り
乾燥状態が不均一となるが、芯金部16を予熱すること
によって、芯金部16の外周面に均一な接着剤層19を
形成することができる。
【0066】本発明による樹脂被覆金属管11を用いて
製作されたローラ10は、乾燥部ののみならず、感光材
料処理装置の他の部分への使用も可能である。硬質塩化
ビニルの樹脂層18によって芯金部16を被覆してお
り、最大温度差70°Cの温度変化に耐えられるため、
感光材料処理装置内の処理液によってローラ10の芯金
部16が侵されることがない。このため、ローラ10は
真円度、振れ等の狂いが生じることはなく、感光材料に
最適な状態で接触して搬送することができる。
製作されたローラ10は、乾燥部ののみならず、感光材
料処理装置の他の部分への使用も可能である。硬質塩化
ビニルの樹脂層18によって芯金部16を被覆してお
り、最大温度差70°Cの温度変化に耐えられるため、
感光材料処理装置内の処理液によってローラ10の芯金
部16が侵されることがない。このため、ローラ10は
真円度、振れ等の狂いが生じることはなく、感光材料に
最適な状態で接触して搬送することができる。
【0067】又、本実施例では、芯金部16にアルミニ
ウムパイプを適用したが、芯金部16を構成する金属管
はこれに限定するものではない。例えば、鋼管ステンレ
ス管等の他の金属管の適用も可能である。ポリイソシア
ネートを硬化剤とする接着剤は、多種の部材を接着する
接着剤に使用されており、被接着物に応じて主剤を選択
して接着することが可能である。
ウムパイプを適用したが、芯金部16を構成する金属管
はこれに限定するものではない。例えば、鋼管ステンレ
ス管等の他の金属管の適用も可能である。ポリイソシア
ネートを硬化剤とする接着剤は、多種の部材を接着する
接着剤に使用されており、被接着物に応じて主剤を選択
して接着することが可能である。
【0068】
【発明の効果】以上説明した如く本発明の係る樹脂被覆
金属管及び樹脂被覆金属ローラは、常温に対して所定の
温度範囲で金属管に対する樹脂層の伸縮を抑えることが
できる。このため、本発明の適用された樹脂被覆金属管
を用いた樹脂被覆金属ローラは、所定の温度範囲で内部
の密封性を損なうことがない優れた効果を有する。
金属管及び樹脂被覆金属ローラは、常温に対して所定の
温度範囲で金属管に対する樹脂層の伸縮を抑えることが
できる。このため、本発明の適用された樹脂被覆金属管
を用いた樹脂被覆金属ローラは、所定の温度範囲で内部
の密封性を損なうことがない優れた効果を有する。
【0069】また、本発明に係る樹脂被覆金属管の製造
方法及び樹脂被覆金属ローラの製造方法によれば、硬質
塩化ビニルを金属管に被覆形成すると同時に接着すると
いう困難を克服でき、量産性のよい樹脂被覆金属管及び
樹脂被覆金属ローラを得ることができる。
方法及び樹脂被覆金属ローラの製造方法によれば、硬質
塩化ビニルを金属管に被覆形成すると同時に接着すると
いう困難を克服でき、量産性のよい樹脂被覆金属管及び
樹脂被覆金属ローラを得ることができる。
【図1】本実施例に係るローラを示す要部斜視図であ
る。
る。
【図2】図1の2−2線に沿った断面図である。
【図3】本実施例に係る樹脂被覆金属管の製作工程を示
す概略構成図である。
す概略構成図である。
【図4】本実施例に係る押出成形機を示す要部断面図で
ある。
ある。
【図5】従来例を説明するためのローラの断面図であ
る。
る。
10 ローラ 11 樹脂被覆金属管 16 芯金部(金属管) 18 樹脂層 19 接着剤層 62 予熱装置 64 接着剤塗布装置 66 乾燥装置 70 押出成形機 78 加熱装置
Claims (10)
- 【請求項1】 長尺の金属管と、前記金属管の外周面を
被覆する樹脂層硬質塩化ビニル樹脂よりなる樹脂層と、
前記金属管の外周面と前記樹脂層との間にポリイソシア
ネートを硬化剤とする接着剤層と、を有することを特徴
とする樹脂被覆金属管。 - 【請求項2】 長尺の金属管と、前記金属管の外周面を
被覆する硬質塩化ビニル樹脂よりなる樹脂層と、前記金
属管の外周面と前記樹脂層との間にポリイソシアネート
を硬化剤とする接着剤層と、を有する樹脂被覆金属管の
端面に樹脂製の軸端部材を設けたことを特徴とする樹脂
被覆金属ローラ。 - 【請求項3】 前記軸端部材を超音波溶着により接着す
ることを特徴とする請求項2の樹脂被覆金属ローラ。 - 【請求項4】 前記軸端部材を接着剤により接着させる
ことを特徴とする請求項2の樹脂被覆金属ローラ。 - 【請求項5】 前記軸端部材が硬質塩化ビニル樹脂より
なることを特徴とする請求項2ないし請求項4の樹脂被
覆金属ローラ。 - 【請求項6】 金属管の外周面にポリイソシアネートを
硬化剤とする接着剤を塗布して溶剤を除去したのち接着
剤層を形成し、この金属管を加熱しながら押出成形機へ
挿入して、加熱溶融した硬質塩化ビニルを前記接着剤層
の周囲に付着させて樹脂層を形成して前記金属管を被覆
することを特徴とする樹脂被覆金属管の製造方法。 - 【請求項7】 金属管の外周面にポリイソシアネートを
硬化剤とする接着剤を塗布して溶剤を除去したのち接着
剤層を形成し、この金属管を加熱しながら押出成形機へ
挿入して、加熱溶融した硬質塩化ビニルを前記接着剤層
の周囲に付着させて樹脂層を形成して前記金属管を被覆
することにより樹脂被覆金属管を形成し、前記樹脂被覆
金属管を所定長さに切断したのち、この切断面に樹脂製
の軸端部材を接着することを特徴とする樹脂被覆金属ロ
ーラの製造方法。 - 【請求項8】 前記軸端部材を超音波溶着により接着す
ることを特徴とする請求項7の樹脂被覆金属ローラの製
造方法。 - 【請求項9】 前記軸端部材を接着剤により接着するこ
とを特徴とする請求項7の樹脂被覆金属ローラの製造方
法。 - 【請求項10】 前記軸端部材が硬質塩化ビニル樹脂に
よりなることを特徴とする請求項7ないし請求項9の樹
脂被覆金属ローラの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2180392A JPH05186119A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 樹脂被覆金属管、樹脂被覆金属ローラ及びそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2180392A JPH05186119A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 樹脂被覆金属管、樹脂被覆金属ローラ及びそれらの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05186119A true JPH05186119A (ja) | 1993-07-27 |
Family
ID=12065221
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2180392A Pending JPH05186119A (ja) | 1992-01-10 | 1992-01-10 | 樹脂被覆金属管、樹脂被覆金属ローラ及びそれらの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05186119A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100887710B1 (ko) * | 2008-10-30 | 2009-03-11 | 남궁영 | 알루미늄튜브 및 그 제조방법 |
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1992
- 1992-01-10 JP JP2180392A patent/JPH05186119A/ja active Pending
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