JPH05184662A - 人工皮膚およびその製造法 - Google Patents

人工皮膚およびその製造法

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JPH05184662A JP3261754A JP26175491A JPH05184662A JP H05184662 A JPH05184662 A JP H05184662A JP 3261754 A JP3261754 A JP 3261754A JP 26175491 A JP26175491 A JP 26175491A JP H05184662 A JPH05184662 A JP H05184662A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚が損傷を受けた際、該皮膚損傷部を乾燥
させず柔らかく保護し、早期に自己の組織と置換する人
工皮膚を提供する。 【構成】 線維化コラーゲン・ヘパリンとヘリックス含
量が0〜80%である変性コラーゲンのマトリックスか
らなる創傷接触層と水蒸気透過調節層からなる人工皮膚
である。 【効果】 人工皮膚は創傷接触面が細胞侵入性を有する
ので、創面に適用された際に線維芽細胞が早期に創傷接
着層に侵入し、真皮様の結合組織を構築するので創傷の
治癒が促進され、移植して一定の期間保持した後、上層
の水蒸気透過調節層を剥がして、自家の分層植皮片を移
植しても生着することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な人工皮膚および
その製造法に関する。さらに詳述すれば本発明は、創
傷、熱傷などにより皮膚が損傷を受けた際、該皮膚損傷
部に適用され、該皮膚損傷部を乾燥させず柔らかく保護
し、早期に自己の組織と置換する人工皮膚およびその製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱傷、採皮創、皮膚剥削創または外傷性
皮膚欠損創等の疾患ないし創傷による患部を保護し、治
癒を促進する目的のために、患部に一時的に適応する創
傷被覆材として、従来、ガーゼ、脱脂綿等が用いられて
いたが、これらは細菌感染防止性が低く、かつ滲出液を
速やかに吸収するために創面が乾燥してしまい取りはず
す際に痛み、出血等を伴うものであった。
【0003】また、これらに代わるものとして、特に創
面が広範囲にわたる場合に適用されるものとして、シリ
コーン製ガーゼ、シリコーンゴム製およびベロアー状の
表面構造を有するナイロン、テフロンなどの合成線維シ
ート等の人工材料の被覆膜や、凍結乾燥豚皮、フィブリ
ン膜、コラーゲン膜、ポリアミノ酸スポンジ、ムコ多糖
類複合コラーゲン膜等の生体由来材料の被覆膜も知られ
ている。しかしながら、これらのうち人工材料の被覆膜
は患部との密着性、水蒸気透過性、ひび割れ等の点で種
々の問題を残すものであり、一方、生体由来材料の被覆
膜は生体適合性等の特徴を有するが、多くは抗原性を有
し、また細菌感染、滲出液による劣化などの欠点を持
ち、さらに原料が入手しにくい等の問題があった。
【0004】さらに最近では、上記問題点を解決する方
法としてコラーゲン処理されたナイロンメッシュとシリ
コーン膜からなる複合膜が開発され、一部実用化されて
いる。該複合膜は、創面によく密着し、適度な水分透過
性を有するが、創面に固着し、肉芽組織が被覆膜中に入
り込むという欠点があった。
【0005】また同様に、上記問題点を解決する方法と
してコラーゲンを用いた人工材料が開発されている。一
般にコラーゲン自体は生体由来材料であるため、細胞、
組織に対する親和性が大きく、生体適合性に優れ好適な
材料であることは先述したとおりであるが、反面、コラ
ーゲンは生体内で容易に分解、吸収される欠点を有する
ものである。そこで人工材料としてコラーゲンを利用す
るにあたっては、適当な方法で架橋を導入し、物性面の
強化を図る工夫が成されたものが用いられている。該架
橋法としては、加熱による脱水架橋、薬品を用いる化学
架橋等を採用したものが開発されている。このうち熱脱
水架橋は薬品処理に比べ安全性が高いが、物理的にコラ
ゲナーゼ、酵素に対する耐性が化学的架橋に対し低いた
め、通常、化学架橋を熱架橋と併用させたり、または化
学的架橋単独で用いる方法が選択されており、こうした
架橋を導入した人工材料を用いる場合、上記以外に物性
面で性質が著しく向上する等の優れた効果を奏するもの
である。例えば110℃の温度で真空下に24時間置い
て熱的な架橋を導入した場合、該人工材料の検体ではコ
ラゲナーゼ3unit/ml中に37℃下で静置すると
1日以内に該人工材料中のコラーゲンが溶解するのに対
し、イソシアネート系の薬品を用いた化学的架橋のみを
施した該人工材料の検体ではコラゲナーゼ100uni
t/ml中に37℃下で7日経過しても形態に変化が見
られない。しかしながら、前記人工材料を人工皮膚とし
て使用する場合、強固な架橋を導入すると、導入前にコ
ラーゲンが有していた細胞、組織に対する親和性が大幅
に低下し、コラーゲンマトリックス内にマクロファー
ジ、好中球などの炎症性細胞や、線維芽細胞はほとんど
存在することができず、やがてはマトリックスを排除し
て表皮形成し、いわゆるdown growthがおこ
り、炎性肉芽が形成されてしまう欠点を有する。一方、
細胞侵入性の良好なコラーゲン−変性コラーゲンマトリ
ックスを形成してなる前記コラーゲンを用いた人工材料
も開発されており、早期に好中球やマクロファージが浸
潤し、さらに線維芽細胞が侵入することができる。しか
しながら該人工材料では開放創と同様に創収縮を生じる
欠点を有している。つまり、これらの人工材料において
は、物性面の強化と細胞、組織に対する親和性という生
物学的性能の向上とは両立が困難な相反する事象であ
り、双方を満足する創傷被覆材あるいは人工皮膚の出現
が強く望まれていた。
【0006】現在までに、上記問題点を解決するものと
して、細胞侵入性の良好なコラーゲンマトリックス層と
架橋を十分に施したコラーゲンの支持層と、水蒸気透過
調節層からなる3層構造の人工皮膚が本発明者らにより
開発されている(特開平2−34165号)。この人工
皮膚は動物実験では創面に適用された際に線維芽細胞が
早期に創傷接触層に侵入し、真皮様の結合組織を構築す
るので創傷の治癒が促進されてなるものである。この人
工皮膚を広範囲の熱傷創または広範囲の皮膚欠損部位に
適用する場合、表皮の伸展等に限界があるため、治癒す
るのに非常に時間がかかる欠点を有していた。しかし、
この欠点に関しては、一般に臨床で行われている分層植
皮を併用することが可能であり、ある一定の期間上記の
人工皮膚を移植した後、水蒸気透過調節層と架橋を十分
に行った支持層を剥がし、分層植皮を行うと生着するこ
とができ、該方法により上記欠点を補うことができ広範
囲の欠損部位に適用することも一定条件下で可能ではあ
る。しかし、この方法では分層植皮の移植時期が遅くな
ると、コラーゲンが徐々に分解することから、新たに創
面の拘縮がおこるため、早い時期に分層植皮をする必要
があり、完全なものとすることはできず、これらの問題
点を十分に解決してなる創傷被覆材および人工皮膚は今
だ得られていないのが現状である。
【0007】さらに本発明に用いられてなるコラーゲン
・ヘパリン複合体は、生体適合材料として人工血管や人
工臓器等に用いる場合に、生体適合性に優れ、また内皮
細胞の増殖性に優れていることが特開昭63−6817
4号に記載されている。しかしながら、本発明の利用分
野である創傷被覆材および人工皮膚材料への適用は、何
ら開示ないし示唆されているものではなく、本発明のコ
ラーゲン・ヘパリン複合体を用いてなる当該利用分野へ
の適用は、現在までに開示されているものはなく、新規
な物および方法の利用である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、(1)創部に適度に密着して感染、痛みの防止
を図り、(2)創面に適度な湿りを与えるために、適度
な水蒸気透過性と滲出液吸収性を有し、(3)良好な肉
芽組織が再生され、(4)体液中のタンパク成分の漏出
を防止し、(5)原料が容易に入手でき、製造が容易で
あるとする要件を満たす人工皮膚およびその製造法を提
供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸目
的を解決すべく鋭意検討した結果、創傷部に接触し得る
部位が、細胞侵入性の良好なコラーゲン・ヘパリンと変
性コラーゲンのマトリックスと、該創傷部接触層と密接
した水蒸気透過調節層からなることを特徴とする人工皮
膚によって上記目的が達成されることを知り、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0010】本発明はまた、細胞侵入性の良好なコラー
ゲン・ヘパリンと変性コラーゲンのマトリックスにより
なる創傷部接触層がコラーゲン・ヘパリンを骨格とし
て、変性コラーゲンを熱的な脱水架橋により結合させる
製造法による人工皮膚によっても同様に、上記目的が達
成されることを知り、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、(1)線維化コラー
ゲン・ヘパリンとヘリックス含量が0〜80%である変
性コラーゲンのマトリックスからなる創傷接触層と水蒸
気透過調節層からなることを特徴とする人工皮膚によっ
て達成される。
【0012】本発明はまた、(2)変性コラーゲンの含
有比が、全体の5〜30重量%である上記(1)に記載
の人工皮膚によっても達成される。
【0013】本発明はさらに、(3)ヘパリンの含有比
が、全体の0.1〜2.0重量%である上記(1)に記
載の人工皮膚によっても達成される。
【0014】本発明はさらにまた、(4)コラーゲンの
酸性溶液をヘパリンの存在下で中和、加温して得られる
線維状のコラーゲン・ヘパリン複合体を形成させた後、
ヘリックス含量が0〜80%である変性コラーゲンとの
混合溶液を容器に入れ、凍結乾燥して多孔体を形成さ
せ、該多孔体を基板上に延展された未だ粘着性を有する
水蒸気透過性物質の薄膜上に載置し、該薄膜が硬化する
まで乾燥させ、最後に真空下0.05トール未満で50
〜180℃で1〜24時間加熱処理することを特徴とす
る人工皮膚の製造法によって達成される。
【0015】
【作用】本発明の人工皮膚中のヘパリンの含有比は、好
ましくは0.1〜2.0重量%、より好ましくは0.5
〜1.0重量%である。
【0016】さらに本発明に用いられる変性コラーゲン
は、分子的にコラーゲン特有の3重鎖ヘリックス含量が
0〜80%、好ましくは0〜50%、より好ましくは3
0〜50%のもので、コラーゲンの変性には、例えば加
熱処理、化学処理または物理処理等により行うことがで
き、特に加熱処理によるものが最も好ましい。
【0017】また本発明の人工皮膚中の変性コラーゲン
の含有比は、全体の5〜30重量%、より好ましくは1
0〜20重量%である。
【0018】本発明の人工皮膚の創傷接触層は、線維化
コラーゲン・ヘパリン複合体の水溶液と変性コラーゲン
の水溶液を混合し、凍結乾燥することによって得られ
る。
【0019】次に本発明の人工皮膚の水蒸気透過調節層
は、人工皮膚を創面に適用した際の創傷における水分を
調節するための層であり、適度な水蒸気透過を行ない、
創面に滲出液が貯留せず、かつ創面が湿潤に保持された
状態とし、一方、滲出液中のタンパク質成分の外部への
漏出は防止され、組織の修復に極めて好ましい環境を与
えるものであれば特に限定されるものでなく、例えば、
無毒性材料からなる約0.1〜1mg/cm2 /hrの
水分フラックスを有する層を用いることができる。また
該層の厚さは、5〜200μmが適当である。該無毒性
材料としては、シリコーンエラストマー、ポリウレタン
エラストマー(多孔質ポリウレタンを含む)が使用さ
れ、特にシリコーンエラストマーが好適である。
【0020】また本発明の人工皮膚は、コラーゲンの酸
性溶液(例えば酸素処理による)にヘパリンを加え、該
ヘパリンの存在下でリン酸緩衝液で中和し、次いで40
℃以下、好ましくは35〜37℃に加温し、遠心分離等
を用いて採取することにより得られる線維状のコラーゲ
ン・ヘパリン複合体を、ヘリックス含量が、0〜80%
である変性コラーゲンとの混合溶液を適当な容器に入
れ、凍結乾燥して多孔体を形成させた後、基板上に延展
された未だ粘着性を有する水蒸気透過性物質の薄膜上に
載置し、該薄膜が硬化するまで乾燥させ、最後に真空下
0.05Torr未満で、50〜180℃、好ましくは
100〜115℃で1〜24時間、好ましくは2〜8時
間加熱処理することにより製造し得るものである。
【0021】上記製造法において、線維状のコラーゲン
・ヘパリン複合体の形成は、中性あるいは弱アルカル性
水溶液中でコラーゲンを加温することにより線維を形成
するが、この線維の形成度は溶液の懸濁を測定すること
により知ることができる。本発明者らはヘパリンのコラ
ーゲン線維形成に及ぼす影響を、濁度を指標として観察
し、図1に示す結果を得た。図1は氷浴中、0.5mg
/mlヘプシン処理コラーゲン(アテロコラーゲン)、
24mMNa2 HPO4 −6mMNaH2 PO4 、15
0mMNaCl(pH7.1)の水溶液中にヘパリンを
添加し、これを35℃で6時間加温し、コラーゲン線維
を形成させた時の濁度を、スペクトロフォトメーター
(日立製作所株式会社製、UV−300)を用いて43
0nmによる値を測定し、その結果を示したものであ
る。図1よりヘパリンは線維形成を促進させることが明
らかであり、該ヘパリンの効果は線維形成時にヘパリン
が存在する場合にのみ発揮され、コラーゲン線維形成後
にヘパリンを加えても濁度に変化はないことが確認され
た。
【0022】図2は、調製時の全ヘパリン濃度と500
μgのコラーゲンに結合しているヘパリン量の関係を示
したものである。図2より明らかにヘパリン濃度が高い
ほどコラーゲンのヘパリン含量は高く、コラーゲン線維
形成時にヘパリンが存在する場合が形成後に存在する場
合に比較してコラーゲンのヘパリン含量が多いことが確
認された。すなわち、図1および図2の結果より、コラ
ーゲン線維形成時にヘパリンを共存させることにより、
所望の線維状のコラーゲン・ヘパリン複合体を形成する
ことができ好適であることが確認された。
【0023】したがって本発明の線維状のコラーゲン・
ヘパリン複合体を形成する製造法としては、コラーゲン
の酸性溶液をヘパリンの存在下で中和、加熱して得る方
法が好ましいものであると言える。該コラーゲンの酸性
溶液のpHとしては、2〜4が好ましく、より好ましく
は2.5〜3.5である。また、加熱温度としては、4
0℃以下、好ましくは35〜37℃の範囲である。40
℃を越える場合には、コラーゲン自身が熱変性してゼラ
チン状のコラーゲンを形成し易く、線維化され難くなる
ため好ましくない。また、酸性溶液中のコラーゲンの濃
度は、約0.3% (w/v)程度が好ましいのである。ヘパ
リンの添加量は約1〜1000μg/mlとなる量が好
ましく、より好ましくは10〜100μg/mlであ
る。ヘパリンの添加量が1000μg/mlを越える場
合には線維状のコラーゲン・ヘパリン複合体が得られず
好ましくない。
【0024】
【実施例】実施例1 コラーゲン・ヘパリン複合体の調製 リン酸緩衝溶液に最終濃度が、16μg/mlになるよ
うにヘパリン−ナトリウム溶液(ブタ小腸粘膜由来)を
加え、氷浴中で最終濃度が1.5mg/mlになるよう
に牛真皮由来ペプシン処理コラーゲン(株式会社高研
製、アテロコラーゲン)を加えた。その後、37℃で4
時間加温処理して、コラーゲン・ヘパリン複合体の懸濁
液を得た。
【0025】実施例2 コラーゲン・ヘパリン−変性コ
ラーゲン混合溶液の調製 実施例1で調製したコラーゲン・ヘパリン溶液を無菌条
件下で遠心操作による濃縮を行ない、濃度を4w/v %に
調製した。一方、0.3〜0.4w/v %のアテロコラー
ゲン溶液を凍結乾燥し、再び無菌の蒸留水に6.6w/v
%となるよう再溶解し、これを60℃の恒温槽内に30
分間放置して熱変性を生ぜしめ変性アテロコラーゲン溶
液とした。この変性アテロコラーゲン溶液を37℃の温
度条件下で0.45μmの直径を持つフィルターを通し
て濾過滅菌した後、上述の4w/v%コラーゲン・ヘパリ
ン溶液に対し、下記の数式1を満足するように混合して
調製した。
【0026】
【数1】
【0027】実施例3 人工皮膚の作成 実施例2で調製した4w/v %コラーゲン・ヘパリン−変
性コラーゲンの混合溶液をステンレスパッドに注入し、
−30℃以下に急速冷却して十分凍結させた後、−40
℃、0.1Torr未満の真空下で凍結乾燥させること
により、コラーゲン・ヘパリン−変性コラーゲンのマト
リックスが得られた。次にテフロン平板上に67%のメ
ディカルグレードサイラスティックスシリコン(ダウコ
ーニング株式会社製、接着シリコーンタイプA)のヘキ
サン溶液を精密被覆用具(アプリケーター)を用いて塗
布して製膜し、塗布した直後に、その湿潤層上に上記の
コラーゲン・ヘパリン−変性コラーゲンマトリックスを
載せ、室温で10分間放置した後、60℃で少なくとも
1時間、オーブン硬化させた。さらに0.05Torr
未満の真空下で110℃、4時間加熱処理することによ
り所望の人工皮膚を得た。
【0028】試験 人工皮膚のラット皮膚欠損創への移
植試験 実施例3で得られたマトリックスをラットの背部皮膚に
移植して試験した。Wistar−KYラット(200
〜400g)をネンブタール麻酔下で徐毛し、イソジン
消毒したラット背部皮膚に皮下筋膜を創面とする20×
20mmの全創皮膚欠損創を作製し、止血、乾燥した
後、生食を含ませた検体を貼付した。シリコーン膜辺縁
を縫合糸で16ヶ所結紫固定した。その上にソルフレン
(テルモ株式会社製)を4枚重ね、さらにエラスチコン
等の伸縮性絆創膏で胴巻きにし、圧迫固定した。移植1
週間後に上層部のシリコーンを剥がし、コラーゲン・ヘ
パリン−変性コラーゲン層上に自家の分層植皮片を移植
して、さらに4週間観察した。肉眼による観察では、収
縮はあまり見られず、植皮した分層植皮片が離脱してい
なかった。病理組織学的にも、人工皮真皮様組織と生着
した分層植皮片はよく密着していた。
【0029】
【発明の効果】本発明は細胞侵入性材料によって形成さ
れたコラーゲン・ヘパリン−変性コラーゲンマトリック
スの創傷接着層と水蒸気透過調節層とが積層されている
人工皮膚であり、創傷、熱創、褥瘡等により皮膚が損傷
を受けた際に、損傷面に適用され、真皮成分の欠損部位
に使用することができる。
【0030】さらに本発明の人工皮膚は、創傷接触面が
細胞侵入性を有するので、創面に適用された際に、線維
芽細胞が早期に創傷接着層に侵入し、真皮様の結合組織
を構築するので創傷の治癒が促進され、さらに移植して
一定の期間保持した後、上層の水蒸気透過調節層を剥が
して、自家の分層植皮片を移植しても生着することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘパリン添加時期とコラーゲン線維形成度との
関係を示す図である。
【図2】ヘパリン添加時期とコラーゲン線維のヘパリン
含量との関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 線維化コラーゲン・ヘパリンとヘリック
    ス含量が0〜80%である変性コラーゲンのマトリック
    スからなる創傷接触層と水蒸気透過調節層からなること
    を特徴とする人工皮膚。
  2. 【請求項2】 前記変性コラーゲンの含有比が、全体の
    5〜30重量%である請求項1に記載の人工皮膚。
  3. 【請求項3】 前記ヘパリンの含有比が、全体の0.1
    〜2.0重量%である請求項1に記載の人工皮膚。
  4. 【請求項4】 コラーゲンの酸性溶液をヘパリンの存在
    下で中和、加温して得られる線維状のコラーゲン・ヘパ
    リン複合体を形成させた後、ヘリックス含量が0〜80
    %である変性コラーゲンとの混合溶液を容器に入れ、凍
    結乾燥して多孔体を形成させ、該多孔体を基板上に延展
    された未だ粘着性を有する水蒸気透過性物質の薄膜上に
    載置し、該薄膜が硬化するまで乾燥させ、最後に真空下
    0.05トール未満で50〜180℃で1〜24時間加
    熱処理することを特徴とする人工皮膚の製造法。
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