JPH05184657A - 皮膚用粘着剤組成物および治療用粘着シート - Google Patents

皮膚用粘着剤組成物および治療用粘着シート

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JPH05184657A
JPH05184657A JP4002401A JP240192A JPH05184657A JP H05184657 A JPH05184657 A JP H05184657A JP 4002401 A JP4002401 A JP 4002401A JP 240192 A JP240192 A JP 240192A JP H05184657 A JPH05184657 A JP H05184657A
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JP
Japan
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skin
adhesive
water
temperature
acrylamide
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JP4002401A
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Inventor
Mitsuo Okano
光夫 岡野
Yukio Kiyota
由紀夫 清田
Masato Onishi
誠人 大西
Kenichi Shimura
賢一 志村
Mikio Koide
幹夫 小出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚上での汗や創傷部からの滲出液によって
剥離することのない粘着力を有する一方で、低い温度の
水によって容易に剥離できる治療用粘着シートを提供す
る。 【構成】 水に対する転移温度が4〜34℃であり、該
転移温度以下で吸水性を示す水不溶性の温度応答性高分
子化合物10〜90重量部および粘着性高分子90〜1
0重量部よりなる皮膚用粘着剤組成物を基材に塗布して
なる治療用粘着シートである。 【効果】 粘着力を失うことなく粘着性を保持し、剥離
したときに痛みや皮膚組織の損傷あるいは脱毛を伴わず
に皮膚上より容易に除去することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚用粘着剤組成物お
よび治療用粘着シートに関するものである。詳しく述べ
ると、発汗により剥離しにくくかつ冷水により容易に剥
離できる皮膚用粘着剤組成物および治療用粘着シートに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】皮膚に貼付して使用される接着性創傷被
覆材やサージカルテープ等の治療用接着用品は、カテー
テルや留置針の固定や創傷面の保護のため、皮膚への強
い粘着力が要求される。現在開発されているアクリル系
やウレタン系、あるいはシリコーン系の粘着剤は良好な
粘着強度を有しているものの、剥離する際に「痛み」で
あるとか「創傷部やカテーテル挿入部位の組織の損傷」
などの強い粘着力に起因する問題がしばしば生じてい
る。
【0003】一方、粘着強度を低下させて粘着剤の剥離
による痛みを軽減しようとすると、皮膚からの発汗によ
り剥離しやすくなり、その接着能力を失うこととなる。
【0004】水を利用して粘着剤の粘着力を低下させる
には、水溶性の粘着剤や高分子化合物、例えばポリビニ
ルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ペクチ
ン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリアク
リルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸な
どをブレンドして吸水させることによって、粘着力を低
下させる方法が考えられる。また、親水性基を含む単量
体比率を高くして粘着剤を合成することによっても吸水
して粘着力が低下する粘着剤を得ることができる。例え
ばUSP3,321,451号には、2−エチルヘキシ
ルアクリレートと親水性単量体であるジメチルアミノエ
チルアクリレートとを共重合することにより皮膚に対す
る粘着性が良好であるとともに濡れた布で容易に取り除
ける粘着剤が記載されている。しかしながら、これらの
水溶性ポリマーは、皮膚からの汗や滲出液、あるいは入
浴などによる水分をも吸着し粘着力を低下させるため、
限られた用途でしか使用できないものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、皮膚
上での汗や創傷部からの滲出液によって剥離することの
ない粘着力を有する一方で、低い温度の水によって容易
に剥離できることを特徴とする皮膚用粘着剤組成物およ
び治療用粘着シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記諸目
的を達成すべく鋭意検討した結果、皮膚温度で疎水性で
あり、皮膚温度以下の低温で吸水し膨潤することを特徴
とする水不溶性の温度応答性高分子化合物を配合するこ
とによって上記目的が達成されることを知り、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(1)水に対する転
移温度が4〜34℃であり、該転移温度以下で吸水性を
示す水不溶性の温度応答性高分子化合物10〜90重量
部および粘着性高分子90〜10重量部よりなる皮膚用
粘着剤組成物によって達成される。
【0008】本発明はまた、(2)前記温度応答性高分
子化合物がN−置換(メタ)アクリルアミドの単独重合
体または共重合体である上記(1)に記載の皮膚用粘着
剤組成物によって達成される。
【0009】本発明はさらに、(3)前記転移温度が1
0〜30℃である上記(1)または(2)に記載の皮膚
用粘着剤組成物によっても達成される。
【0010】また、本発明は、(4)水に対する転移温
度が4〜34℃であり、該転移温度以下で吸水性を示す
水不溶性の温度応答性高分子化合物10〜90重量部お
よび粘着性高分子90〜10重量部よりなる皮膚用粘着
剤組成物を基材に塗布してなる治療用粘着シートによっ
て達成される。
【0011】本発明はまた、(5)前記温度応答性高分
子化合物がN−置換(メタ)アクリルアミドの単独重合
体または共重合体である上記(4)に記載の治療用粘着
シートによって達成される。
【0012】本発明はさらに、(6)前記転移温度が1
0〜30℃である上記(4)または(5)に記載の治療
用粘着シートによって達成される。
【0013】さらに本発明は、(7)前記粘着剤組成物
が基材の一方の面に塗布されており、該粘着剤側と非粘
着剤側とを結ぶ複数個の連通孔を有してなる上記(4)
ないし(6)のいずれか一つに記載の治療用粘着シート
によって達成される。
【0014】本発明はまた、(8)前記粘着剤組成物が
該基材に対して全面に塗布されてなる上記(6)または
(7)に記載の治療用粘着シートによって達成される。
【0015】本発明はさらに、(9)前記粘着剤組成物
が該基材に対して格子状、ドット状、縞状または海島状
に塗布されてなる上記(4)ないし(7)のいずれか一
つに記載の治療用粘着シートによって達成される。
【0016】本発明はさらにまた、(10)前記粘着剤
組成物が多孔質構造である上記(4)ないし(9)のい
ずれか一つに記載の治療用粘着シートによって達成され
る。
【0017】
【作用】本発明の実施態様に基づき詳細に説明する。
【0018】本発明の皮膚用粘着剤組成物(または治療
用粘着シート)の一部を構成する水に対する転移温度が
4〜34℃である水不溶性の温度応答性高分子化合物と
しては、N−メチルアクリルアミド、N−メチル(メ
タ)アクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−
エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピルアク
リルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピ
ル(メタ)アクリルアミド、N−シクロプロピルアクリ
ルアミド、N−シクロプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−エチルメチルアクリ
ルアミド、N,N−エチルメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル
−N−(メタ)アクリルアミド、N−2−ヒドロキシエ
チル−N−エチルアクリルアミド、N−2−ヒドロキシ
エチル−N−n−プロピルアクリルアミド、N−2−ヒ
ドロキシエチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N
−2−ヒドロキシエチル−N−t−ブチルアクリルアミ
ド、N−2−ヒドロキシエトキシエチルアクリルアミ
ド、N−2−ヒドロキシエチル−1,1−ジメチルエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N−2−メトキシエチルア
クリルアミド、N−2−メトキシエチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−2−エトキシエチルアクリルアミド、N
−2−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−3
−メトキシプロピルアクリルアミド、N−3−メトキシ
プロピル(メタ)アクリルアミド、N−3−エトキシプ
ロピルアクリルアミド、N−3−エトキシプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−3−イソプロポキシプロピル
アクリルアミド、N−3−イソプロポキシプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−3−n−プロポキシプロピル
アクリルアミド、N−3−n−プロポキシプロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−n−ブトキシプロピルアクリ
ルアミド、N−n−ブトキシプロピル(メタ)アクリル
アミド、N−イソブトキシプロピルアクリルアミド、N
−イソブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−
2−エチルヘキシルオキシプロピルアクリルアミド、N
−2−エチルヘキシルオキシプロピル(メタ)アクリル
アミド、N−3−(2−メトキシエトキシ)プロピルア
クリルアミド、N−3−(2−メトキシエトキシ)プロ
ピル(メタ)アクリルアミド、N−フルフリルアクリル
アミド、N−フルフリル(メタ)アクリルアミド、N−
テトラヒドロフルフリルアクリルアミド、N−テトラヒ
ドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N−1−メチ
ル−2−メトキシエチルアクリルアミド、N−1−メチ
ル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−
1−メトキシメチルプロピルアクリルアミド、N−1−
メトキシメチルプロピル(メタ)アクリルアミド、N−
3−メチルチオプロピルアクリルアミド、N−3−メチ
ルチオプロピル(メタ)アクリルアミド、N−3−メチ
ルチオプロピルアクリルアミド、N−3−モルホリノプ
ロピルアクリルアミド、N−3−モルホリノプロピル
(メタ)アクリルアミド、N−(2,2−ジメトキシエ
チル)−N−メチルアクリルアミド、N−(2,2−ジ
メトキシエチル)−N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(1,3−ジオキソラン−2−イルメチル)−
N−メチルアクリルアミド、N−(1,3−ジオキソラ
ン−2−イルメチル)−N−メチル(メタ)アクリルア
ミド、N−8−アクリロイル−1,4−ジオキサ−8−
アザ−スピロ[4.5]デカン、N−アクリロイルモル
ホリン、N−アクリロイル−2,6−ジメチルモルホリ
ン、N−2−メトキシエチル−N−メチルアクリルアミ
ド、N−2−メトキシエチル−N−メチル(メタ)アク
リルアミド、N−2−メトキシエチル−N−エチルアク
リルアミド、N−2−メトキシエチル−N−エチル(メ
タ)アクリルアミド、N−2−メトキシエチル−N−n
−プロピルアクリルアミド、N−2−メトキシエチル−
N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−2−メ
トキシエチル−N−イソプロピルアクリルアミド、N−
2−メトキシエチル−N−イソプロピル(メタ)アクリ
ルアミド、N−2−メトキシエチル−N−t−ブチルア
クリルアミド、N−2−メトキシエチル−N−t−ブチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(2−メトキシ
エチル)アクリルアミドまたはN,N−ジ(2−メトキ
シエチル)(メタ)アクリルアミド等からなるN−置換
アクリルアミド系またはN−置換(メタ)アクリルアミ
ド系もしくは、メタクリロイルオキシエチルピロリドン
やアクリロイル−L−プロリンメチルエステルなどの単
独重合体または共重合体より構成されるものが挙げられ
る。該重合体としては、N−置換アクリルアミド系また
はN−置換(メタ)アクリルアミド系の単量体(誘導
体)のホモポリマーの多くは転移点以下で水溶性となる
ため、疎水性単量体との共重合や架橋反応、高分子コン
プレックス等を利用して不溶化した水不溶性の温度応答
性高分子化合物が挙げられ、例えば、カルボキシ基、グ
リシジル基、ヒドロキシ基、アミノ基、酸クロリド基、
スルホン基またはイソシアネート基などの反応性官能基
を有する単量体と共重合することにより、あるいは反応
基を有する温度応答性高分子化合物を作成し、続いて該
温度応答性高分子化合物と反応する官能基を有する架橋
剤や高分子と反応させることにより不溶化した水不溶性
の温度応答性高分子化合物等を例示できる。
【0019】また該共重合体の場合には、該共重合体に
占めるN−置換アクリルアミド系またはN−置換(メ
タ)アクリルアミド系の割合は、30重量%以上が好ま
しい。30重量%未満では、該共重合体自身が、転移温
度以下の水を供給しても吸水膨潤による粘着力の低下が
少なく、十分な温度応答性が発現できなくなるため好ま
しくない。
【0020】また本発明の温度応答性高分子化合物は、
なるべく小さな粒子となる条件で該温度応答性高分子化
合物を不溶化することが、該粘着性高分子中に均一に分
散して皮膚用粘着剤組成物を構成でき良好な粘着性を保
て、治療用粘着シートの場合水分と該粘着剤組成物との
粘着力をシート全面にわたって均質に低下でき容易に剥
離できることとなるため望ましい。
【0021】しかしながら、温度応答性高分子化合物と
粘着性高分子とは、均一に分散して存在する必要はな
く、例えば、粘着面側と基材面側あるいは内部とで組織
が異なっていてもよい。また、温度応答性高分子化合物
の形状は、微粒子状に限定されず、シート状、繊維状、
布状などで存在してもかまわない。
【0022】また「水に対する転移温度」とは、高分子
の水和−脱水和の転移が生じる温度のことをいう。さら
に「温度応答性高分子」とは、熱に応答して構造、性質
が変化する材料のことをいう。従って本発明の「水に対
する転移温度が4〜34℃であり、該転移温度以下で吸
水性を示す水不溶性の温度応答性高分子化合物」とは、
水と共存した状態で、ある温度(転移点、ここでは4〜
34℃である)以上で分子が脱水和を起こして疎水化
し、分子内分子間疎水性相互作用により集合した構造を
形成するが、系を転移温度(4〜34℃)以下にする
と、分子は水和し膨潤するような高分子化合物をいうも
のである。
【0023】該温度応答性高分子化合物を形成する単量
体は、皮膚に対して刺激性が少ないN置換アクリルアミ
ドもしくはN置換(メタ)アクリルアミドが好ましいも
のである。さらに、温度応答性高分子化合物が、皮膚用
粘着剤組成物を構成する主要成分である粘着性高分子の
モノマーを含んだ共重合体であると、該粘着性高分子中
に分散しやすくなり良好な粘着性を保てることとなる。
【0024】次に該温度応答性高分子化合物の水に対す
る転移温度は、通常4〜34℃、好ましくは10〜30
℃、さらに好ましくは20〜28℃である。34℃を越
えると、皮膚温度が転移温度以下となりやすくなり、吸
水し接着力を失う機会が多くなるからである。また4℃
未満であると冷却が困難となったり、冷却による新たな
苦痛が生じるため好ましくない。
【0025】また該温度応答性高分子化合物は、皮膚用
粘着剤組成物の固形成分全体量に対して10〜90重量
部、好ましくは30〜80重量部である。ここで温度応
答性高分子化合物は、複数の種類の温度応答性高分子の
混合物であってもよく、その場合、該混合物の総和が皮
膚用粘着剤組成物の固形成分全体量に対して10〜90
重量部であればよい。該温度応答性高分子化合物が10
重量部未満であると、転移温度以下の水を供給しても吸
水膨潤による粘着力の低下が少なく、十分な温度応答性
が発現できなくなる。
【0026】本発明の皮膚用粘着剤組成物(または治療
用粘着シート)を構成する主要成分である粘着性高分子
(添加剤等を含む)は特に限定されるものではなく、公
知のものを使用することができる。粘着性高分子として
は、天然ゴム、イソプレンゴム、スチレン−ブタジエン
ゴム等に粘着付与樹脂、軟化剤等を加えたゴム系粘着性
高分子、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルを
主成分とする共重合体等からなるアクリル系粘着性高分
子、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビ
ニルイソブチルエーテル等の重合体を主成分とするビニ
ルエーテル系粘着性高分子、ポリジメチルシロキサン、
フェニルシロキサン等を主成分とするシリコン系粘着性
高分子、その他、ウレタン系、ポリビニルアセトアミド
系、ポリイソブチレン系等の粘着性高分子が好適に使用
される。
【0027】また該粘着性高分子は、皮膚用粘着剤組成
物の固形成分全体量に対して10〜90重量部、好まし
くは30〜80重量部である。ここでは粘着性高分子と
して温度応答性高分子化合物のうち粘着性を有するもの
を含めない場合の値である。しかし実際には、温度応答
性高分子化合物のうち粘着性を有するものは、粘着性高
分子として用いることは十分に可能である。
【0028】次に該皮膚用粘着剤組成物を基材に塗布し
てなる治療用粘着シートとは、病院や家庭において皮膚
や創傷面の保護や治療、投薬、カテーテルや留置針の固
定のために皮膚や組織に粘着して使用するシート状物
(テープ状物を含む)であり、サージカルテープや創傷
ドレッシング材、家庭用や病院用の絆創膏類等を例示で
きるものである。
【0029】また本発明の皮膚用粘着剤組成物を塗布し
てなる基材は、該粘着剤側(皮膚側)と非粘着剤側とを
結ぶ複数個の連通孔を有しているものが剥離したいとき
に基材の非粘着剤側より冷水を供給することにより、速
やかに水分が粘着剤組成物に到達し粘着力を低下せしめ
ることができ好ましいものである。ここで複数個の連通
孔とは、基材であるシート状物を形成した後、孔をあけ
たものであってもよいし、織布、不織布や多孔質体とし
て形成したものでもよい。該基材の材質は特に限定され
るものでないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、エチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリメ
チルペンテン、ポリ塩化ビニル、塩素化もしくはフッ素
化したポリオレフィン系樹脂等を例示できるものであ
る。
【0030】また本発明の治療用粘着シートにおいて、
該皮膚用粘着剤組成物を基材への塗布のしかたは、該基
材に対して全面にまたは格子状、ドット状、縞状もしく
は海島状に塗布する方法のいずれの方法でもよいが、好
ましくは、格子状、ドット状、縞状もしくは海島状に塗
布する方法が、水分と皮膚用粘着剤組成物との接触する
面積が大きくでき、短時間で粘着力が低下し剥離でき好
ましいものである。
【0031】さらに本発明の治療用粘着シートにおい
て、皮膚用粘着剤組成物が多孔質構造である場合にも同
様に水分と皮膚用粘着剤組成物との接触する面積が大き
くでき、短時間で粘着力が低下し剥離でき好ましいもの
である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるも
のではない。
【0033】実施例1 N−イソプロピルアクリルアミド95%、エチルヘキシ
ルアクリレート4%、エチレングリコールジメタクリレ
ート1%の仕込み組成でt−ブチルパーオクトエイトを
重合開始剤としてベンゼン中で攪拌しながら重合し、水
での転移温度が28℃の水不溶性の微粒子状の温度応答
性高分子を得た。
【0034】該温度応答性高分子化合物をエチルヘキシ
ルアクリレート80%とN−イソプロピルアクリルアミ
ド20%よりなる共重合体に2:1(重量比)の割合で
トルエン中で混合した後、ポリプロピレン多孔質シート
(ポリプラスチック株式会社製ジュラガード3401)
上にスクリーン印刷して、粘着剤をドット状に塗布し、
オーブンで乾燥させた。
【0035】得られた粘着剤付きシートは、2×8cm
に打ち抜いた後、中央部に吸水パッドとしてレーヨン不
織布を張って試験用絆創膏とした。3人の男性の上椀内
側に試験用絆創膏を貼付け運動を行ってもらった後、観
察したところ、いずれも良好に接着しており、発汗によ
り脱離しなかった。次に、水温約10℃の水を含ませた
脱脂綿を試験用絆創膏に押しつけて、粘着剤に水分が供
給されるようにしたところ、約50秒後に皮膚より簡単
にはぎ取ることができた。
【0036】比較例1 実施例1で用いたエチルヘキシルアクリレート80%と
イソプロピルアクリルアミド20%よりなる共重合体の
みをドット状に塗布したポリプロピレン多孔質シート
(ポリプラスチック株式会社製ジュラガード3401)
を実施例1と同様に評価したが、水温約10℃の水を試
験用パッドに供給したが、粘着力が低下することもな
く、剥離時の痛みは水分補給前と大差なかった。
【0037】
【発明の効果】本発明の皮膚用粘着剤組成物および治療
用粘着シート中に含有されてなる温度応答性高分子化合
物は、転移温度が4〜34℃であるため、皮膚上に貼付
された場合、皮膚温度においては疎水性高分子であり、
発汗や入浴による水分で吸水膨潤してその粘着力を失う
ことがなく優れた粘着性を保持した状態のままである。
一方、転移温度以下の水(冷水)を供給して部分的に冷
却することによって、温度応答性高分子化合物は親水性
となり吸水しその粘着力を低下することとなるため、剥
離したときに痛みや皮膚組織の損傷あるいは脱毛を伴わ
ずに皮膚上より容易に除去することができる。従って、
本発明の皮膚用粘着剤組成物および治療用粘着シートと
して、あるいはDDSやTTS用の接着剤として用いる
場合には、優れた粘着性および再剥離性という相反する
性質を適時に効果的に発揮することができるものであ
る。
【0038】また、本発明の治療用粘着シートにおいて
は、皮膚用粘着剤組成物が塗布される基材が粘着剤側
(皮膚側)と非粘着剤側を結ぶ複数個の連通孔を有して
いると、剥離したいときに基材の非粘着剤側より冷水を
供給することにより、速やかに水分が粘着剤組成物に到
達し粘着力を低下せしめることが可能となる。
【0039】さらに本発明の治療用粘着シートにおいて
は、皮膚用粘着剤組成物が基材に対して格子状、ドット
状、縞状または海島状に塗布されていたり、または皮膚
用粘着剤組成物が多孔質構造であると、水分と粘着剤組
成物との接触する面積が大きくなるため、短時間で粘着
力が低下し剥離できることとなる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 133/26 7921−4J (72)発明者 志村 賢一 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内 (72)発明者 小出 幹夫 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対する転移温度が4〜34℃であ
    り、該転移温度以下で吸水性を示す水不溶性の温度応答
    性高分子化合物10〜90重量部および粘着性高分子9
    0〜10重量部よりなる皮膚用粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 水に対する転移温度が4〜34℃であ
    り、該転移温度以下で吸水性を示す水不溶性の温度応答
    性高分子化合物10〜90重量部および粘着性高分子9
    0〜10重量部よりなる皮膚用粘着剤組成物を基材に塗
    布してなる治療用粘着シート。
JP4002401A 1992-01-09 1992-01-09 皮膚用粘着剤組成物および治療用粘着シート Pending JPH05184657A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006525093A (ja) * 2003-04-30 2006-11-09 ドゥレクセル ユニヴァーシティ 生体材料用途のための熱ゲル化ポリマーブレンド
WO2009038030A1 (en) * 2007-09-20 2009-03-26 Fujifilm Corporation Gel sheet and sheet-like cosmetic material using the same

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