JPH05184190A - ブラシレス直流モータの駆動制御方法 - Google Patents

ブラシレス直流モータの駆動制御方法

Info

Publication number
JPH05184190A
JPH05184190A JP4018580A JP1858092A JPH05184190A JP H05184190 A JPH05184190 A JP H05184190A JP 4018580 A JP4018580 A JP 4018580A JP 1858092 A JP1858092 A JP 1858092A JP H05184190 A JPH05184190 A JP H05184190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
windings
voltage
motor
winding
commutation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4018580A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Ueki
泰弘 植木
Ryuzo Fukazawa
竜三 深沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Victor Company of Japan Ltd
Original Assignee
Victor Company of Japan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Victor Company of Japan Ltd filed Critical Victor Company of Japan Ltd
Priority to JP4018580A priority Critical patent/JPH05184190A/ja
Publication of JPH05184190A publication Critical patent/JPH05184190A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ブラシレス直流モータを良好に駆動制御でき
る方法を得る。 【構成】 回転中に無通電状態となる順次の巻線に発生
する逆起電圧を測定し、測定された巻線の逆起電圧から
得た回転位相情報により各相の巻線に対する転流制御を
行なってブラシレス直流モータの駆動制御を行なう場合
に、転流が行なわれた時点の直後の時点から、回転位相
情報を得るための巻線の逆起電圧の測定が開始されるま
での時間長を、前記した巻線の逆起電圧の測定結果から
得た速度情報に基づいて、速度が大になるに従って短く
なるように設定して、正確な巻線の逆起電圧が得られる
ようにする。また転流が行なわれた時点の直後の時点か
ら、回転位相情報を得るための巻線の逆起電圧の測定が
開始されるまでの時間の経過後に測定された巻線の逆起
電圧の測定結果が、予め定められた電圧値の範囲外のと
きに、巻線に対する駆動電流の供給を停止させて、ブラ
シレス直流モータの保護が良好に行なわれるようにす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はパームトップ型のパーソ
ナルコンピュータやノートブック型のパーソナルコンピ
ュータなどに内蔵される2.5インチ以下の小型な固定
ディスク装置に用いられるスピンドルモータの駆動回
路、及び小型なVTRなどのように小型で薄型、低コス
ト、低消費電力、高効率なモータが必要とされる装置ま
たは機器で用いられるブラシレス直流モータの駆動制御
方法として適する。
【0002】
【従来の技術】ブラシレス直流モータにおいては各相の
モータ巻線(以下、単に巻線と記載する)に対して所定
の転流動作のタイミングで各相の巻線へ順次に駆動電流
を切換え供給するために、巻線と励磁用の磁極との相対
的な位置関係を示す回転子の位置情報を示す信号(回転
子の回転位相情報を示す信号)が必要とされる。それ
で、従来からブラシレス直流モータは、それの回転子の
回転位相情報を例えばホール素子や光学的な素子などを
含んで構成されている位置検知器によって検出し、前記
の位置検知器から出力された回転子の回転位相情報を示
す信号に基づいて発生させた所定の転流動作のタイミン
グを有する切換制御信号を例えばトランジスタのような
電子的なスイッチング素子に与えて、複数の巻線へ順次
に駆動電流が供給されるようにしたり、あるいは、回転
子の回転中に各巻線に発生する逆起電圧における少なく
とも2相以上の巻線に発生する逆起電圧から回転子の回
転位相情報を示す信号を発生させ、前記の回転位相情報
を示す信号に基づいて発生させた所定の転流動作のタイ
ミングを有する切換制御信号を、例えばトランジスタの
ような電子的なスイッチング素子に与えて、複数の巻線
へ順次に駆動電流が供給されるようにしている。
【0003】前記した後者の構成形態のブラシレス直流
モータ、すなわち位置検知器を有しないブラシレス直流
モータは、前記した前者の構成形態のブラシレス直流モ
ータにおいて必要にされている位置検知器が不要なため
に、モータの構成が簡単化できるとともに、位置検知器
自体の信頼性が低いことによって生じる問題もなく、ま
た、位置検知器を所定の取付け位置に正確に取付けるた
めの組立製作上の困難さもないなどの利点があり、特に
小型なブラシレス直流モータを構成させる場合に有利で
ある。そして、前記した位置検知器を有しないブラシレ
ス直流モータにおける前記した回転位相情報を示す信号
は、例えば特公昭61ー3193号公報に記載されてい
るように、各相毎の巻線にそれぞれ発生される逆起電圧
を位相比較を含むアナログ信号処理回路を使用して発生
させるようにしたり、あるいは各相毎の巻線に個別に発
生される逆起電圧を前記したアナログ信号処理回路の代
わりにデジタル信号処理回路を用いて発生させており、
また、前記した各相毎の巻線に個別に発生される逆起電
圧の検出に際して、モータの各相の巻線が共通接続され
ている端部に現われる電圧を基準にして検出するように
することも行なわれている。
【0004】ところで、モータの起動時には停止状態の
回転子が所定の回転方向で回転を開始することができる
ように各相の巻線に対する転流の制御が行なわれる必要
があるが、前記した位置検知器を有しないブラシレス直
流モータには位置検知器を備えていないから、起動時に
前記の所望の転流の態様で各相の巻線に対して駆動電流
が順次に供給されるようにするためには、従来から例え
ば、所謂、発振起動方式と呼称されている起動方式を適
用して、各相毎の巻線に個別に発生される逆起電圧の検
出結果をみて、所望の回転方向に回転子が回転を開始で
きるように各相に対する転流制御を行なうようにした
り、あるいは特開昭63ー69489号公報に開示され
ているように回転子が停止している状態において、各相
巻線に対して電気角で180度の通電態様により通電が
行なわれる場合における全種類の通電パターンのそれぞ
れ個別の通電パターンで順次に3相の巻線に電気角で1
80度の通電態様で通電し、前記した各相の巻線に流れ
る電流を1個の電流検出用抵抗に流して生じる電圧の測
定結果に基づいて回転子の停止位置の検出を行ない、検
出された回転子の検出位置に基づいて所望の回転方向に
回転子が回転を開始できるように各相に対する転流制御
を行なうようにしていた。
【0005】前記した位置検知器を有しないブラシレス
直流モータの起動に際して、既述のように電流検出用抵
抗に各相の巻線の電流を流し、電流検出用抵抗に生じる
電圧の測定により回転子の停止位置を検出する場合に
は、モータが最大トルクを発生する際に前記した電流検
出用抵抗によって大電力が消費されることになるが、例
えばモータの駆動電源が12ボルトの場合には、前記の
電流検出用抵抗としては通常1オーム程度の抵抗器が用
いられ、また例えばモータの駆動電源が5ボルトの場合
には前記の電流検出用抵抗は通常0.68オーム程度の
抵抗器が用いられるから、前記した何れの場合でもモー
タが最大トルクを発生する際に前記した電流検出用抵抗
によって約10%程度の電力が無駄に消費される。そし
て、電流検出用抵抗によって前記のように電力が無駄に
消費されることは、例えば電池を電源として使用してい
る装置にとっては重大な問題となることはいうまでもな
いし、また、例えば固定ディスク装置(ハードディスク
のトライブ)などでは、モータの駆動電流として1アン
ペア程度の電流を流すようにしているのが一般的である
が、このような場合には抵抗器の発熱が大となるから1
ワット程度の耐電力の大きな金属皮膜抵抗を用いる必要
があり、そのために小型な装置でチップ部品が用いられ
るようなときには電流検出用抵抗をチップ化することが
できす、したがって前記した電流検出用抵抗が用いられ
るような構成の回転子の停止位置の検出手段が採用され
た場合には、形状的にも実装上においても、またコスト
の面からみても問題になる。
【0006】また、前記のように電流検出用抵抗に生じ
た電圧を、アナログ・デジタル変換器(以下、アナログ
・デジタル変換をAD変換のように記載することがあ
る)によって測定するようになされている場合におい
て、前記したAD変換器として一般的に用いられる8ビ
ットのものが5ボルトの電源で使用された場合を考える
と、この場合には1ビット当り19ミリボルトになる
が、被測定電圧を生じさせる電流検出用抵抗における消
費電力を小さくするために、その抵抗値を例えば1オー
ム程度にした場合には、検出可能な実質的な測定電圧範
囲は数ビットになってしまうからノイズの混入の点も考
えると充分な分解能は得られないということも問題にな
る。特開昭63ー69489号に開示されている位置検
知器を有しないブラシレス直流モータのように各相の巻
線の電流が流される1個の電流検出用抵抗に生じる電圧
を検出する場合に起こる前述したような諸問題は、一時
的に回転状態にさせた回転子の回転状態において、通電
されていない状態の相の巻線に誘起される逆起電圧を、
その相の巻線の端部から検出して回転子の回転位相情報
を含む信号として用いるようにすれば解決できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが前記のように
通電されていない状態の相の巻線に誘起される電圧を、
位置検知器を有しないブラシレス直流モータの回転子の
回転位相情報を含む信号として用いるようにした場合に
は次のような問題点が発生する。図11、図12は前記
した問題点を説明するための図である。図11は位置検
知器を有しないブラシレス直流モータにおける3相の巻
線U,V,Wがスター結線されている状態を示す図であ
り、各相の巻線U,V,Wはそれぞれの1端部が共通接続
点Pcomにおいて共通接続されている。また、図11
中のa,b,cは前記した各相の巻線U,V,Wのそれ
ぞれの他端部を示している。回転子が停止状態におい
て、図11に示されている3相の巻線U,V,Wにおけ
る2つずつの巻線の組合わせを変えて、順次に電流を流
したときに通電されていない相の巻線の端部に現われる
電圧を測定してみると、例えば図12に例示されている
状態の測定結果が得られる。
【0008】図12において図の下方に示されている枠
中のc→b,a→c,b→a,c→aなどは、W相の巻
線Wの端子cからU相の巻線Uの端子bに電流が流れる
ように通電している期間、V相の巻線Vの端子aからW
相の巻線Wの端子cに電流が流れるように通電している
期間、U相の巻線Uの端子bからV相の巻線Vの端子a
に電流が流れるように通電している期間、W相の巻線W
の端子cからV相の巻線Vの端子aに電流が流れるよう
に通電している期間を、それぞれ示しており、図12の
上方に示されている曲線は、巻線の端部に現われる電圧
の状態の1例として、前記した各通電期間においてU相
の巻線の端部bで測定された電圧の変化の状態を表わし
ている( 図12は回転子を停止状態にして図11に示さ
れている3相の巻線U,V,Wにおける2つずつの巻線
の組合わせを変えて、2つの巻線に順次に電流を流すの
に、5ボルトの電源電圧を使用している場合における電
圧の測定結果の1例である )が、他の相の巻線の端部
a,cに現われる電圧の変化の態様も、図12に例示さ
れている電圧の変化の態様と同様なものになることはい
うまでもない。図12に例示されている巻線の端部にお
ける電圧の測定結果の曲線から明らかなように各相の巻
線の端部には、巻線に対する通電の態様の切換え時に、
通電されていた巻線中に蓄積されていた磁気エネルギ
{L掛けるIの2乗割る2(1相当りの巻線のインダク
タンスをLとし、巻線に流れる電流をIとする)}の放
出によって周知のように極端に高い電圧が生じる。前記
の原因によって生じる高電圧は、前述のように電源電圧
が5ボルトの場合に、通常は例えば10ボルト以上の電
圧値を示すものになる。
【0009】次に、前記のようにスター結線されている
3相の巻線U,V,Wの内の選択された2相の巻線に電
気角120度で通電が行なわれて回転子が回転を開始し
た場合には、通電されていない相の巻線に回転子の回転
に伴って逆起電圧が発生するが、3相の巻線U,V,W
の共通接続された接続点(中性点)Pcomには、前記の通
電されていない相の巻線に生じた逆起電圧の1/3の電
圧値のものとして、前記の中性点Pcomに現われている
電源電圧に応じて定まる直流電圧に重畳した状態で現わ
れる。前記のように通電されていない相の巻線に生じた
逆起電圧と対応して中性点Pcom に生じた電圧には回転
子の回転位相情報を含んでいるから、前記した中性点P
com に現われる電圧に基づいて前記した回転子の回転位
相情報を取出すことが可能である。
【0010】回転子が回転している状態において3相巻
線のそれぞれに発生する逆起電圧の波形は図9の(a)〜
(c)中で実線図示の波形で例示されるようなものであ
り、図9の(a)に実線で例示されている電圧の波形は、
回転子が正しい位相で回転している状態で3相巻線のそ
れぞれに発生する逆起電圧の電圧波形であり、また、図
9の(b)に実線で例示されている電圧の波形は、回転子
が正しい位相で回転している状態に比べて遅れた回転位
相で回転している状態で3相巻線のそれぞれに発生する
逆起電圧の電圧波形であり、さらに、図9の(c)に例示
されている電圧の波形は、回転子が正しい位相で回転し
ている状態に比べて進んだ回転位相で回転している状態
で3相巻線のそれぞれに発生する逆起電圧の電圧波形で
ある。
【0011】回転子が回転している状態において中性点
Pcom に現われる電圧の波形は、図9の(a)〜(c)中に
おいてそれぞれ2点鎖線で示す波形で例示されるような
ものとなるのであり、図9の(a)に2点鎖線で例示され
ている電圧の波形は、回転子が正しい位相で回転してい
る状態で中性点Pcom に現われる電圧の波形であり、ま
た、図9の(b)に2点鎖線で例示されている電圧の波形
は、回転子が正しい位相で回転している状態に比べて遅
れた回転位相で回転している状態で中性点Pcom に現わ
れる電圧の波形であり、さらに、図9の(c)に2点鎖線
で例示されている電圧の波形は、回転子が正しい位相で
回転している状態に比べて進んだ回転位相で回転してい
る状態で中性点Pcom に現われる電圧の波形である。
【0012】図9の(a)〜(c)中において点線図示の電
圧波形Eu,Ev,Ewは、3相の巻線U,V,Wに生じ
る逆起電圧によってそれぞれ中性点Pcom に生じる電圧
成分であるが、実際に中性点Pcom に現われる電圧は前
記のように図9の(a)〜(c)中で2点鎖線図示のような
波形のものになる。また、回転子が正しい位相で回転し
ている状態で中性点Pcom に現われる3相の巻線U,
V,Wの逆起電圧による電圧の合成の電圧波形は、図9
の(a)に2点鎖線で示されているような三角波となる。
図9の(a)に太実線で示してある波形は、3相の巻線
U,V,Wの内のU相の逆起電圧による波形を示してい
る。それで、中性点Pcom に現われる電圧が図9の(a)
に2点鎖線で示されているような三角波となるように位
相制御が行なわれるようにすれば回転子を正しい回転位
相の状態で回転させることができることになる。
【0013】ところが図9中に示されている逆起電圧
が、具体的な構成例が図2によって示されている図1中
の転流スイッチ回路5に供給された場合には、転流スイ
ッチ回路5中に設けられているコンデンサ22〜24と
抵抗r1,r2,r3との直列接続回路によって波形を補
正しているために巻線の放電が減少しいるが回転位相の
正確な検出が困難になることが生じる。前記の問題はコ
ストや、取付けのための空間の確保ができない、等の理
由によって大きな静電容量のコンデンサを使用すること
ができない場合に、巻線の放電電圧の大きさが無視でき
ないレベルで存在することになり、そのままでは回転位
相の正確な検出ができないことになる。
【0014】また、位置検出器を有しないブラシレス直
流モータの転流スイッチ回路5中に用いられているトラ
ンジスタ16〜21(図2)が破損して、異常に大きな短
絡電電流が流れた場合には保護回路を動作させて、巻線
への通電を停止させることが必要であるが、そのための
異常状態の検出のために、既述のように通電されていな
い相の巻線に生じた逆起電圧を用いている場合にも、前
記したように巻線に対する通電の態様の切換え時に、通
電されていた巻線中に蓄積されていた磁気エネルギの放
出によって生じる極端に高い電圧や、無視できないレベ
ルでの巻線の放電電圧の存在は、異常状態の検出に支障
を与える。そのために、前記した問題の生じないブラシ
レス直流モータの駆動制御方法が求められた。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明はスター結線され
た複数の巻線における共通接続されていない方の各端部
にそれぞれ接続されたスイッチング手段により前記の複
数巻線における2つずつの巻線に前記した巻線の共通接
続されている方の端部を経由して2つの巻線の両方向に
駆動電流を選択的に供給し、所定のパターンに配置され
た複数の磁極から発生された磁界と前記した各巻線に流
れる駆動電流によって発生した磁界とにより発生した電
磁気力によって回転子が駆動回転されるブラシレス直流
モータの回転駆動中に、無通電状態となる順次の巻線に
発生する逆起電圧を測定し、前記の測定された巻線の逆
起電圧から得た回転位相情報により各相の巻線に対する
転流制御を行なってブラシレス直流モータの駆動制御を
行なう場合に、転流が行なわれた時点の直後の時点か
ら、回転位相情報を得るための巻線の逆起電圧の測定が
開始されるまでの時間長を、前記した巻線の逆起電圧の
測定結果から得た速度情報に基づいて、速度が大になる
に従って短くなるように設定するようにしたブラシレス
直流モータの駆動制御方法、及びスター結線された複数
の巻線における共通接続されていない方の各端部にそれ
ぞれ接続されたスイッチング手段により、前記の複数巻
線における2つずつの巻線に前記した巻線の共通接続さ
れている方の端部を経由して2つの巻線の両方向に駆動
電流を選択的に供給し、所定のパターンに配置された複
数の磁極から発生された磁界と前記した各巻線に流れる
駆動電流によって発生した磁界とにより発生した電磁気
力によって回転子が駆動回転されるブラシレス直流モー
タの回転駆動中に、無通電状態となる順次の巻線に発生
する逆起電圧を測定し、前記の測定された巻線の逆起電
圧から得た回転位相情報により各相の巻線に対する転流
制御を行なってブラシレス直流モータの駆動制御を行な
う場合に、転流が行なわれた時点の直後の時点から、回
転位相情報を得るための巻線の逆起電圧の測定が開始さ
れるまでの時間長を、前記の転流以前に測定されていた
巻線の逆起電圧の測定結果と基準電圧との比較によって
得た速度情報に基づいて、速度が大になるに従って短く
なるように設定するブラシレス直流モータの駆動制御方
法、ならびにスター結線された複数の巻線における共通
接続されていない方の各端部にそれぞれ接続されたスイ
ッチング手段により、前記の複数巻線における2つずつ
の巻線に前記した巻線の共通接続されている方の端部を
経由して2つの巻線の両方向に駆動電流を選択的に供給
し、所定のパターンに配置された複数の磁極から発生さ
れた磁界と前記した各巻線に流れる駆動電流によって発
生した磁界とにより発生した電磁気力によって回転子が
駆動回転されるブラシレス直流モータの回転駆動中に、
無通電状態となる順次の巻線に発生する逆起電圧を測定
し、前記の測定された巻線の逆起電圧から得た回転位相
情報により各相の巻線に対する転流制御を行なってブラ
シレス直流モータの駆動制御を行なう場合に、転流が行
なわれた時点の直後の時点から、回転位相情報を得るた
めの巻線の逆起電圧の測定が開始されるまでの時間の経
過後に測定された巻線の逆起電圧の測定結果が予め定め
られた電圧値の範囲外のときに、巻線に対する駆動電流
の供給を停止するようにしたブラシレス直流モータの駆
動制御方法を提供する。
【0016】
【作用】ブラシレス直流モータの回転駆動中に、無通電
状態となる順次の巻線に発生する逆起電圧を測定する。
測定された巻線の逆起電圧から得た回転位相情報により
各相の巻線に対する転流制御を行なってブラシレス直流
モータの駆動制御を行なう場合に、転流が行なわれた時
点の直後の時点から、回転位相情報を得るための巻線の
逆起電圧の測定が開始されるまでの時間長を、前記した
巻線の逆起電圧の測定結果から得た速度情報に基づい
て、速度が大になるに従って短くなるように設定するこ
とにより、正確な巻線の逆起電圧が得られるようにし、
常に正確な回転位相情報を発生させる。またブラシレス
直流モータの回転駆動中に、無通電状態となる順次の巻
線に発生する逆起電圧を測定する。測定された巻線の逆
起電圧から得た回転位相情報により各相の巻線に対する
転流制御を行なってブラシレス直流モータの駆動制御を
行なう場合に、転流が行なわれた時点の直後の時点か
ら、回転位相情報を得るための巻線の逆起電圧の測定が
開始されるまでの時間長を、前記の転流以前に測定され
ていた巻線の逆起電圧の測定結果と基準電圧との比較に
よって得た速度情報に基づいて速度が大になるに従って
短くなるように設定することにより、正確な巻線の逆起
電圧が得られるようにし、常に正確な回転位相情報を発
生させる。さらに、ブラシレス直流モータの回転駆動中
に、無通電状態となる順次の巻線に発生する逆起電圧を
測定する。測定された巻線の逆起電圧から得た回転位相
情報により各相の巻線に対する転流制御を行なってブラ
シレス直流モータの駆動制御を行なう場合に、転流が行
なわれた時点の直後の時点から、回転位相情報を得るた
めの巻線の逆起電圧の測定が開始されるまでの時間の経
過後に測定された巻線の逆起電圧の測定結果が、予め定
められた電圧値の範囲外のときに、巻線に対する駆動電
流の供給を停止させる。
【0017】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明のブラ
シレス直流モータの駆動制御方法の具体的な内容につい
て詳細に説明する。図1は本発明のブラシレス直流モー
タの駆動制御方法の説明に用いられている位置検出器を
有しないブラシレス直流モータのブロック図、図2は位
置検知器を有しないブラシレス直流モータの駆動回路の
一部の回路図であり、図3は位置検知器を有しないブラ
シレス直流モータの概略構成を示す一部断面図、図4,
図5,図9及び図10は動作説明用の波形図、図6及び
図7は動作説明用のフローチャート、図8は動作説明用
の通電パターンの説明図である。図1において1は制御
装置であり、この制御装置1としては例えばマイクロ・
プロセッサ・ユニットを含んで構成されているものが使
用でき、前記したマイクロ・プロセッサ・ユニットとし
ては、例えば日本電気株式会社製のμPD78312、
三菱電気株式会社製のM37700シリーズ、株式会社
日立製作所製のH8シリーズ等を使用することができ
る。
【0018】また2は記憶装置、3はタイマ、4は転流
制御回路、5は転流スイッチ回路、6は電流制御回路、
7は積分器、8はパルス幅変調回路、9はAD変換器及
び電圧測定回路であり、31は位置検知器を有しないブ
ラシレス直流モータにおける複数の巻線{実施例の説明
に用いている位置検知器を有しないブラシレス直流モー
タは3相のブラシレス直流モータであるとされており、
3相の巻線U,V,W(以下の説明においてはU相の巻
線,V相の巻線,W相の巻線、3相の巻線U,V,Wのよ
うに記載されることもある)を有するものとして示して
ある}を全体的に示す符号である。図中のPcomは前
記した3相の巻線U,V,Wにおける一端部を共通接続
した接続点を示している。なお、前記した3相の巻線
U,V,Wにおける一端部を共通接続した接続点Pco
mに現われる電圧Vcomは、以下の記載中において中
性点電圧Vcomまたは中点電圧Vcomのように述べ
られている。図1中にブロック5によって示されている
転流制御回路6と、ブロック6で示されている電流制御
回6及びブロック7で示されている積分回路7などは、
図2中で一点鎖線枠で囲んで示してある構成部分5〜7
に、それぞれの具体的な構成例が示されている。
【0019】図2中において、10〜15、26,2
8,r1,r2,r3は抵抗、16〜21は転流スイッチ
(スイッチング手段)として動作するトランジスタ、2
2〜24,27,29はコンデンサ、25は電流制御用
の電界効果トランジスタである。図1及び図2中におい
ては位置検知器を有しないブラシレス直流モータの機構
部として、3相巻線U,V,Wだけを示している。位置
検知器を有しないブラシレス直流モータの機構部として
は、コア(磁路)として強磁性体製のコアが使用されてい
ても、あるいはコアが使用されていないものでも使用で
きる。図3に例示されている位置検知器を有しないブラ
シレス直流モータの機構部は、積層構成コアを備えてい
る構成のものとして示されている。図3において、30
はモータの回転子、32は回転軸、33,34はベアリ
ング、35,36はスプリング、37はコンタクトスプ
リング、38はモータの固定子のベースとなる金属ベー
スのプリント基板、39はねじ、40はフレキシブルな
接続線の基板、41,42は補強用のテープ、43はコ
ア、44はモータ巻線、45は永久磁石、46は磁気デ
ィスクのホルダである。位置検知器を有しないブラシレ
ス直流モータの3相の巻線U,V,Wは、図1中に示さ
れているようにスター結線されていて、その共通接続さ
れた接続点Pcomに現われる電圧Vcomは、AD変
換器及び電圧測定回路9に供給されている。また、回転
子30(図8)には所定の着磁パターンにより複数の磁
極が形成されている。図8では4極の磁極が着磁されて
いる場合の例を示している。
【0020】さて、停止状態のブラシレス直流モータの
回転子を、起動々作時に予め定められた回転方向に回転
させるためには、既述したように所定のパターンで着磁
されている停止状態の回転子30の磁極の位置とモータ
の各相の巻線U,V,Wとの相対的な位置関係に応じ
て、各相の巻線U,V,Wに対して所定の転流のタイミ
ングで駆動電流を供給することが必要とされる。以下の
実施例の説明においては、位置検出器を有しないブラシ
レス直流モータの起動々作を、所謂、発振起動方式によ
り行なって、停止状態の回転子を所定の回転方向に回転
を開始させているものとしている。停止状態の回転子に
所定の回転方向での回転を開始させるために必要とされ
る停止状態時における回転子30の磁極の位置とモータ
の各相の巻線U,V,Wとの相対的な位相関係を説明す
るための図8において、図8の(a)に示されている3つ
の図は、それぞれ回転子30に着磁されている磁極N,
Sの位置と、3相の巻線U,V,Wの位置との相対的な
位置関係が異なる3つの状態を代表的に例示したもので
ある。また図8の(b)は3相の巻線U,V,Wに120
度の通電態様での通電を行なう場合に生じるすべての通
電態様(6種類の通電態様)を図示したものであり、図中
の#1,#2,#3…#6の数字は6種類の通電のパタ
ーンを区別するためのものである。
【0021】回転子30に着磁されている磁極N,Sの
位置と3相の巻線U,V,Wの位置との相対的な位置関
係が、図8の(a)に示されている3つの図に示されてい
るような場合に、前記した3つの図のそれぞれについて
図8の(b)に示されている6つの通電パターンで、スタ
ー結線されている3相の巻線U,V,Wに通電して回転
子が変位したときには、3相の巻線U,V,Wにおける
無通電の状態の巻線に発生した逆起電圧は、3相の巻線
U,V,Wが共通接続された接続点Pcomにおいても
検出できるし、また、3相の巻線U,V,Wが共通接続
された接続点Pcomに接続されていない方の巻線の端
部においても検出できる。
【0022】さて、3相全波駆動回路として駆動電流を
選択的に切換える動作を行なう図2中の転流スイッチ回
路5に設けられているスイッチング手段としてのトラン
ジスタ16〜21は、3相の巻線U,V,Wについて最
大トルクを発生させることのできる2相ずつの巻線に順
次に通電させ、他の1相を無通電の状態にさせる、所
謂、120度通電を行なうことができるような切換動作
を行なう。それにより無通電状態の巻線に発生した逆起
電圧が検出できるようにされる。図1において、3相の
巻線U,V,Wにおける一端部を共通接続した接続点P
comに現われる前記した無通電状態の巻線に発生した
逆起電圧をも含んだ状態で生じている電圧Vcomは、
AD変換器及び電圧測回路9に供給されていて、AD変
換器及び電圧測回路9では前記した無通電状態の巻線に
発生した逆起電圧を測定し、前記の測定された無通電状
態の巻線に発生した逆起電圧は制御装置1に与えられ
る。
【0023】制御装置1では、前記の無通電状態の巻線
に発生した逆起電圧を回転位相情報に用い、次の転流の
タイミングを設定して転流制御信号を発生し、それを転
流制御回路4に供給する。前記の転流制御回路4では、
前記した転流制御信号に基づいて転流切換信号を発生
し、それを転流スイッチ回路5に供給する。それにより
3相の巻線U,V,Wは、それぞれ所定の切換態様で転
流されて駆動電流が供給される。例えば、ブラシレス直
流モータが8極の場合には図5中に示されているよう
に、電気角360度中に6回の転流動作が行なわれ、モ
ータの1回転中に24回の転流動作が行なわれることに
なるが、この場合にブラシレス直流モータの定格回転数
が毎分3000回転であれば転流の周期は0.833ミ
リ秒となる。図5において、図5の(a)はU相のPN
Pトランジスタ18のオン,オフの変化を示し、図5の
(b)はU相のNPNトランジスタ21のオン,オフの
変化を示し、図5の(c)はV相のPNPトランジスタ
18のオン,オフの変化を示し、図5の(d)はV相の
NPNトランジスタ21のオン,オフの変化を示し、図
5の(e)はW相のPNPトランジスタ18のオン,オ
フの変化を示し、図5の(f)はW相のNPNトランジ
スタ21のオン,オフの変化を示している。
【0024】図4の(a)はブラシレス直流モータが停
止状態から起動したときの3相の巻線U,V,Wの内の
どれか1相の巻線の端子に現われる電圧波形を示してい
る図であり、また、図4の(b)はブラシレス直流モー
タが回転状態から起動したときにおける3相の巻線U,
V,Wの内のどれか1相の巻線の端子に現われる電圧波
形を示している図であり、さらに図4の(c)は回転子
の回転速度とマスク時間との対応を例示している図であ
る。
【0025】ブラシレス直流モータが停止状態から起動
したときには、3相の巻線U,V,Wの内のどれか1相
の端子に現われる電圧波形は、図4の(a)に例示されて
いる状態のものとなるが、今、図4の(a)に例示されて
いる電圧波形が、ブラシレス直流モータが停止状態から
起動したときにU相の巻線Uの端子に現われたものであ
るとして、ブラシレス直流モータが停止状態から起動し
た場合について説明する。以下の説明では簡単のため
に、既述した転流のためのスイッチング手段として用い
られているトランジスタ16〜21による損失を無視す
る。まず、ブラシレス直流モータを停止状態から起動さ
せる際に、最初(1回目)にW相の巻線とV相の巻線と
に通電したとすると、前記の通電が行なわれる以前の時
点においては、3相の巻線U,V,Wのどの巻線も無通電
の状態であったから、前記したどの巻線中にも磁気エネ
ルギが蓄積されていないから磁気エネルギが静電エネル
ギに変換されて生じる電圧も発生しておらず、したがっ
て、前記のように最初(1回目)にW相の巻線とV相の
巻線とに通電した状態における中点電圧Vcomは、電
源の電圧Vccの1/2(Vccは4ボルト)となり、
この電圧は巻線に発生する逆起電圧の基準電圧となる。
巻線に発生する逆起電圧は、モータ(モータの回転子)が
停止している状態では存在しないが、停止の状態のモー
タを起動させるために3相の巻線の内の選択された2つ
の巻線に駆動電流が供給されて、回転子が変位するとき
に発生する。
【0026】ところで停止の状態のモータを起動させる
ために3相の巻線の内の選択された2つの巻線に駆動電
流を供給したときに、停止状態の回転子を所定の回転方
向に最大のトルクで回転を開始させるために必要とされ
る通電パターンは、図8中に示されている停止状態時に
おける回転子の磁極の位置とモータの各相の巻線U,
V,Wとの相対的な位相関係と対応して、既述した図8
中に#1〜#6として示されている6種類の通電パター
ンの内のどれか1つの通電パターンである。それで、ブ
ラシレス直流モータを停止状態から起動させる場合に、
起動方式として、例えば所謂、発振起動方式を用いてモ
ータの起動を行なうようにした場合であっても、図6及
び図7にそれぞれ示されているフローチャート中のステ
ップ(1)にも示されているように、前記した6種類の
通電パターンの1つずつの通電パターンに従って、3相
の巻線の内の選択された2つずつの巻線に所定の短時間
(以下の説明では、200ミリ秒とされている)にわた
って駆動電流を供給するようにすれば、モータを必らず
起動させることができる。
【0027】前記したモータの起動に際して、停止状態
の回転子が所定の回転方向に回転を開始したかどうかの
判断は、前記のように6種類の通電パターンの1つずつ
の通電パターンに従って、3相の巻線の内の選択された
2つずつの巻線に所定の短時間(200ミリ秒)にわた
って駆動電流を供給したときに、それぞれ無通電の状態
の巻線に発生された逆起電圧の極性と大きさとを知るこ
とによって行なうことができる。ところが、3相の巻線
の内の選択された2つずつの巻線に駆動電流を供給した
ときに、それぞれ無通電の状態の巻線に発生された逆起
電圧には、既述のように不要な電圧が重畳していたり、
波形が変形していたりすることがあるから、発生された
逆起電圧の最初の部分の電圧値を測定したのでは正確な
電圧値を得ることができない。
【0028】それで、本発明のブラシレス直流モータの
駆動制御方法では、前記のように複数の巻線の内の選択
された2つずつの巻線に順次に駆動電流を供給したとき
に、それぞれ無通電の状態の巻線に発生された逆起電圧
を測定する際には、転流が行なわれた時点の直後の時点
から逆起電圧の測定を行なわない無測定期間(マスク期
間)を設定し、逆起電圧に不要な電圧が重畳していた
り、波形が変形していたりすると考えられる期間の経過
後に、前記した逆起電圧の測定結果が得られ始めるよう
にしているのである。また、前記のように不要な電圧が
逆起電圧に重畳している期間や、逆起電圧に波形の変形
が発生している期間は、モータの回転速度の変化に応じ
て変化し、モータの回転速度が大になる程、前記した期
間が短くなっている{図4の(a)におけるtβ,tγ
参照}から、本発明のブラシレス直流モータの駆動制御
方法では、モータの回転速度が大になる程、前記した無
測定期間を短縮させるようにしている。
【0029】そして前記のように、複数の巻線の内の選
択された2つずつの巻線に順次に駆動電流を供給する場
合の最初の1回目の駆動電流の供給と対応して、無通電
の状態の巻線に発生された逆起電圧を測定する際に、駆
動電流の供給が行なわれた時点の直後の時点から設定さ
れるべき逆起電圧の測定を行なわない最初の無測定期間
は最も長いものとして設定されるが、その理由は駆動電
流が最初にモータに供給される際におけるモータの状態
は種々様々であるから、モータの状態がどのようであっ
ても、正しい逆起電圧の測定結果が、常に得られるよう
にするためである。前記した最初の無測定期間(マスク
期間)tα{図4の(a)参照}は、ブラシレス直流モ
ータの特性に応じて予め設定されていて、制御装置1の
読出し専用メモリ(リードオンリーメモリ…ROM)に
記憶させておく。図6及び図7に示すフローチャートの
ステップ(2)では、前記した最初の無測定期間(マス
ク期間)が10ミリ秒であるとされた場合を示してい
る。
【0030】前記した無通電の状態の巻線に発生した逆
起電圧の極性と大きさとは、無通電の状態の巻線の端部
に接続した電圧測定回路の測定結果によっても知ること
ができることは勿論であるが、図1に示されているブロ
ック図では、前記した無通電の状態の巻線に発生した逆
起電圧の極性と大きさとの測定が、3相の巻線U,V,
Wにおける一端部を共通接続した接続点Pcomに現わ
れる前記した無通電状態の巻線に発生した逆起電圧をも
含んだ状態で生じている電圧Vcomを、AD変換器及
び電圧測回路9に供給して、AD変換器及び電圧測回路
9で行なわれるようにしている。
【0031】3相の巻線U,V,Wにおける一端部を共
通接続した接続点Pcomに現われる前記した無通電状
態の巻線に発生した逆起電圧をも含んだ状態で生じてい
る電圧Vcomが供給されているAD変換器及び電圧測
回路9では、前記の逆起電圧の測定を行ない、その測定
値を制御装置1に与える。ブラシレス直流モータが停止
状態から起動を開始した場合における制御装置1では、
前記したリードオンリーメモリに記憶させてあった既述
した最初の無測定期間(マスク期間)が経過した後の時
点における逆起電圧の測定結果を逆起電圧の基準電圧と
する{図6のステップ(3)}。制御装置1では、既述
した6種類の通電パターンの内から選択された1種類の
通電パターン毎に、それぞれ200ミリ秒の期間にわた
って駆動電流が所定の巻線に供給されるように制御し、
その期間の終了時の逆起電圧の電圧A(図4参照)を記
憶装置2のAレジスタに格納し、また、前記の期間中に
得られる逆起電圧の最大値Dを記憶装置2のDレジスタ
に格納する{図6のステップ(4)}。前記した200
ミリ秒の期間にわたって駆動電流が所定の巻線に供給さ
れることによって発生する前記した電圧値Aと最大値D
とは、図4の(a)に例示されているように通常は一致
している。ブラシレス直流モータが回転状態から再起動
を開始した場合の例を示している図4の(b)には前記
した電圧値Aと最大値Dとが異なる場合が示されてい
る。
【0032】前記したAD変換器及び電圧測定回路9で
行なわれる前記の逆起電圧の測定はAD変換器が20マ
イクロ秒の標本化周期のものであれば、20マイクロ秒
毎に行なわれる。また、使用されているAD変換器が前
記した4ボルトの基準電圧に対して8ビットの分解能を
有しているとすると、1LSBが約15ミリボルトとな
る。そして制御装置1では、測定された逆起電圧の測定
値が、設定された基準電圧に対して予定方向に30ミリ
ボルト以上の変化を示した場合には、正常な回転方向に
起動できたものと判断して、次の相に転流動作が行なわ
れるようにするための制御動作を行なう。前記した20
0ミリ秒の期間にわたり、設定された基準電圧に対して
測定された逆起電圧の測定値が、設定された基準電圧に
対して30ミリボルト以上の変化を示したものが無かっ
た場合には、制御装置1は別の1つの通電パターンによ
って起動を試みるようにするための制御動作を行なう
{図6のステップ(5),(6),(7)}。そして、
最悪の場合でも、起動動作が前記した6つの通電パター
ンのすべてについて行なわれる間には、ブラシレス直流
モータは必らず起動した状態になる。
【0033】さて、駆動電流が供給される巻線が切換え
られて転流動作が行なわれた場合には、前回、通電され
ていた巻線に蓄えられていた磁気エネルギが静電エネル
ギに変換されるために、無通電とされた巻線に急峻な電
圧が発生するが、前記の電圧は巻線のインダクタンスを
Lとし、巻線に流れていた電流をIとするとLIで示さ
れるように電流に比例したものになっている。今、起動
時の電流をIoとし、回転子の回転数をN、モータによ
って定まる逆起電圧定数をKとすると、前記した電流I
は、 I=Io−KN によって示され、前記した回転
子の回転数Nは回転数に比例している逆起電圧によって
決定されるから、逆起電圧Dの大きさが判かれば電流I
が定まる。それで、次の転流時に設定されるべき無測定
期間の時間長{例えば図4の(a)中のtβ}は、前記
した電流Iと使用されている回路によって定まる定数と
を用いて、現在の回転速度に応じて計算することができ
る。そして、前記した次の転流動作時に設定されるべき
無測定時間の時間長は、図4の(c)に示されているt
s,tm,thのように回転子の回転速度が大になる程、
短くなる。
【0034】前記した計算によって算出された無測定期
間が、次回の転流動作時に設定されることにより、駆動
電流が供給される巻線が切換えられて転流動作が行なわ
れた場合に、前回、通電されていた巻線に蓄積されてい
た磁気エネルギが静電エネルギに変換されて発生する急
峻な電圧の発生期間を、回転によって巻線に発生する逆
起電圧の測定期間から除くことができ、また、高い回転
速度時において電圧から得られる回転位相情報を広い時
間範囲にわたって有効に利用できることになる。因み
に、実際の2.5インチの固定ディスク駆動装置(HD
D)に用いられるブラシレス直流モータとして、起動電
流が600mAで、定格回転時(毎分3000回転)の
駆動電流が60mAのものについて、例えば起動時にお
ける最初の無測定時間長tαを1ミリ秒としても、定格
回転時において必要とされる無測定時間長は0.1ミリ
秒となる。無測定時間長として常に起動時における最初
の無測定時間長tα(1ミリ秒)が設定されるようにさ
れた場合には、例えば、8極のブラシレス直流モータが
毎分3000回転したときの転流の周期は既述のように
0.833ミリ秒であるから、この場合には無測定時間
の方が転流の周期よりも長くなって、転流動作のための
回転位相情報を得ることができないということになる。
【0035】次に、ブラシレス直流モータが正常な回転
方向に起動したときの動作状態について図10を参照し
て説明する。ブラシレス直流モータが正常な回転方向に
起動したときに測定された逆起電圧がAであり、次の転
流動作時に設定された無測定期間の終了後に測定された
逆起電圧がBであるとすると、その次の転流の時点まで
の時間長は、前記したAとBとが基準電圧に対して正の
値を示しているとすると、基準電圧に対して負の方向で
C=(A+B)/2の関係にあるCの値を示す電圧にな
る時点に転流が行なわれるようにする。すなわち、スタ
ー結線された3相の巻線U,V,Wの中性点Pcomに
逆起電圧が存在しない状態における中性点の電圧値Vco
m(第10図参照)は、予め記憶装置2に基準電圧として
記憶されており、またスター結線されている3相の巻線
U,V,Wの内の選択された2相の巻線に電気角120
度で通電されている状態で回転子30が回転されている
状態で、AD変換器及び電圧測定回路9によって測定さ
れた中性点Pcomの電圧の測定値が制御装置1に与え
られていて、前記の電圧の測定値は記憶装置2のレジス
タに記憶されている。
【0036】制御装置1は3相巻線U,V,Wの内のあ
る1相の巻線に対する通電の終了の時点に測定された3
相巻線の中性点Pcomの電圧値A、すなわち、記憶装置
2のレジスタAに記憶されていた中性点Pcomの電圧の
記憶値Aと、次の相の巻線に対する通電の開始の後に、
無測定期間の経過後に測定された3相巻線における中性
点Pcomの電圧の記憶値Bとを演算して電圧値C=(A+
B)/2を求める。そして、3相巻線における中性点Pc
omの電圧の測定値が前記した電圧値Cに一致した時点に
転流制御回路4に転流制御信号を与えて、転流スイッチ
回路5で転流動作が行なわれるようにするという制御動
作を繰返して行なうことにより、ブラシレス直流モータ
は駆動回転されることになる。図6に示すフローチャー
トにおけるステップ(1)〜ステップ(15)は、ブラ
シレス直流モータにおける起動時の駆動回転の各ステッ
プを示している。
【0037】前記したように、電圧値C=(A+B)/2
によって、次々の転流のタイミングを設定してブラシレ
ス直流モータを駆動回転させるようにする他に、次の
「1」〜「3」に示すような各種の駆動回転の仕方によ
って駆動回転されるようにしてもよい。すなわち、
「1」スター結線された3相の巻線U,V,Wの中性点P
comに逆起電圧が存在しない状態における中性点の電
圧値Vcom(第10図参照)を、基準電圧として予め記憶
装置2に記憶しておき、またスター結線されている3相
の巻線U,V,Wの内の選択された2相の巻線に電気角
120度で通電されている状態で回転子30が回転され
ている状態で、AD変換器及び電圧測定回路9によって
測定された中性点Pcomの電圧の測定値を制御装置1
に与え、制御装置1ではAD変換器及び電圧測定回路9
で測定した中性点Pcomの電圧の測定値が、記憶装置
2に記憶されている基準電圧にcomに一致した時点t1
に、タイマ3に計時を開始させ、前記の時点t1 から予
め定められた時間Taが経過した時点t2 に転流制御回
路4に転流制御信号を与えて、前記の時点t2 転流スイ
ッチ回路5で転流動作が行なわれるようにする。
【0038】次いで、制御装置1は前記した転流動作が
行なわれた時点t2 以後に最初に3相巻線における中性
点Pcomの電圧の測定値が再び逆起電圧の存在しない状
態における中性点Pcomの電圧値Vcomと一致したことが
測定された時点t3 までの前記したt2からt3までの時
間をTbとしたときに、次の転流動作が前記の時点t3
から略々(Ta+Tb)/2=Tcの時間後の時点t4 で
行なわれるような制御動作を行なう。また、制御装置1
は前記した時点t4 以後に最初に3相巻線における中性
点Pcomの電圧が再び逆起電圧の存在しない状態におけ
る中性点電圧値Vcomと一致したことが検出された図示
されていない時点t5 に、前記した時間値Tcを予め定
められた時間Taとして前記した時点t1から時点t5ま
での動作が行なわれるようにする制御動作を順次に繰返
して行ない、それにより、回転子30が正しい回転位相
によって回転駆動されるようにする。
【0039】[2]スター結線された3相の巻線U,
V,Wの中性点Pcomに逆起電圧が存在しない状態に
おける中性点の電圧値Vcom(第10図参照)を基準電圧
として予め記憶装置2に記憶させておき、またスター結
線されている3相の巻線U,V,Wの内の選択された2
相の巻線に電気角120度で通電されている状態で回転
子30が回転されている状態で、AD変換器及び電圧測
定回路9によって測定された中性点Pcomの電圧の測
定値を制御装置1に与えられ、前記の電圧の測定値を記
憶装置2に記憶させておく。制御装置1では記憶装置2
に記憶されていた転流動作が行なわれた時点の前後に測
定された3相巻線における中性点Pcomの電圧値との電
圧差Wを演算し、また前記の転流動作が行なわれた時点
に測定された3相巻線における中性点Pcomの電圧と、
前記の転流動作に引続いて行なわれた次の転流動作の時
点の直前に検出された3相巻線における中性点Pcomの
電圧との電圧差Xを演算し、さらに前記した次の転流動
作が行なわれた時点の前後に検出された3相巻線におけ
る中性点Pcomの電圧差Yを演算して、前記した次の転
流動作が行なわれた直後における3相巻線における中性
点Pcomの電圧に対してZ=Xマイナスプラス(W/2)
±Yで示される電圧差が3相巻線における中性点Pcom
の電圧として測定された時点に、前記した次の転流動作
に引続く転流動作が開始されるように転流制御回路4に
転流制御信号を与えて、転流スイッチ回路5で転流動作
が行なわれるようにするという制御動作を繰返して行な
う。
【0040】[3]スター結線された3相の巻線U,
V,Wの中性点Pcomに逆起電圧が存在しない状態に
おける中性点の電圧値Vcom(第10図参照)を基準電圧
として予め記憶装置2に記憶しておき、またスター結線
されている3相の巻線U,V,Wの内の選択された2相
の巻線に電気角120度で通電されている状態で回転子
30が回転されている状態で、AD変換器及び電圧測定
回路9によって測定された中性点Pcomの電圧の測定
値を制御装置1に与え、前記の電圧の測定値を記憶装置
2に記憶させておく。3相巻線における中性点Pcomの
電圧が逆起電圧の存在しない状態における中性点の電圧
値Vcomに一致したことが測定された時点から、前記し
た3相巻線における中性点Pcomの電圧の測定値と、逆
起電圧の存在しない状態における中性点Pcomの電圧値
との差の電圧Veが、モータの逆起電圧に基づいて決定
される係数Keと時間TcとについてVe=Ke/Tc
の関係を満たす時間が経過した時点に、前記した次の転
流動作に引続く転流動作が開始されるように転流制御回
路4に転流制御信号を与えて、転流スイッチ回路5で転
流動作が行なわれるようにするという制御動作を繰返し
て行なう。前記のような3つの位相制御の方法の何れの
場合にも、良好な転流動作の下に回転子30は正しい回
転位相で回転して定常回転の状態にまで達することがで
きる。
【0041】図4の(b)はブラシレス直流モータの回
転中に、再起動が行なわれた場合の状態を示している図
である。ブラシレス直流モータの回転中に再起動が行な
われる場合には、図4の(b)に示されているように、
起動に際しての最初の駆動電流の供給時にも図中のtδ
の期間に示されているように、巻線中に蓄積されていた
磁気エネルギが静電エネルギに変換された電圧が生じて
いる点を除けば、これまでに説明して来たように、停止
状態からブラシレス直流モータが起動される場合と同様
である。
【0042】次に、図7に示すフローチャートは、ブラ
シレス直流モータの起動々作時、または回転動作時中
に、ステップ(3)またはステップ(13)等におい
て、異常な電圧状態が測定された場合には、エラーが発
生したものとしてブラシレス直流モータの駆動電流を遮
断してブラシレス直流モータの保護が行なわれるように
する。前記のように異常な電圧状態が測定される状態
は、例えば転流スイッチ回路5中で使用されているトラ
ンジスタがショートする等の事故によって生じる。それ
で本発明のブラシレス直流モータの駆動制御方法が、図
7に示されているフローチャートのように、無通電状態
の巻線に発生する逆起電圧の測定値によって異常状態を
検知し、異常状態が検知されたときには巻線に対する駆
動電流の供給を停止することにより、ブラシレス直流モ
ータの保護は良好に行なわれる。
【0043】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明のブラシレス直流モータの駆動制御方法
は、ブラシレス直流モータの回転駆動中に、無通電状態
となる順次の巻線に発生する逆起電圧を測定し、測定さ
れた巻線の逆起電圧から得た回転位相情報により各相の
巻線に対する転流制御を行なってブラシレス直流モータ
の駆動制御を行なう場合に、転流が行なわれた時点の直
後の時点から、回転位相情報を得るための巻線の逆起電
圧の測定が開始されるまでの時間長を、前記した巻線の
逆起電圧の測定結果から得た速度情報に基づいて、速度
が大になるに従って短くなるように設定することによ
り、正確な巻線の逆起電圧が得られるようにし、常に正
確な回転位相情報を発生させたり、転流が行なわれた時
点の直後の時点から、回転位相情報を得るための巻線の
逆起電圧の測定が開始されるまでの時間長を、前記の転
流以前に測定されていた巻線の逆起電圧の測定結果と基
準電圧との比較によって得た速度情報に基づいて、速度
が大になるに従って短くなるように設定することによ
り、正確な巻線の逆起電圧が得られるようにし、常に正
確な回転位相情報を発生させたりすることができ、ま
た、ブラシレス直流モータの回転駆動中に、無通電状態
となる順次の巻線に発生する逆起電圧を測定し、測定さ
れた巻線の逆起電圧から得た回転位相情報により各相の
巻線に対する転流制御を行なってブラシレス直流モータ
の駆動制御を行なう場合に、転流が行なわれた時点の直
後の時点から、回転位相情報を得るための巻線の逆起電
圧の測定が開始されるまでの時間の経過後に測定された
巻線の逆起電圧の測定結果が、予め定められた電圧値の
範囲外のときに、巻線に対する駆動電流の供給を停止さ
せることにより、ブラシレス直流モータの保護が良好に
行なわれるのであり、本発明方法によれば既述した従来
の問題点は良好に解決できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のブラスレス直流モータの駆動制御方法
の説明に用いる位置検出器を有しないブラスレス直流モ
ータのブロック図である。
【図2】位置検知器を有しないブラシレス直流モータの
駆動回路の一部の回路図である。
【図3】位置検知器を有しないブラスレス直流モータの
概略構成を示している一部断面図である。
【図4】動作説明用の波形図である。
【図5】動作説明用の波形図である。
【図6】動作説明用のフローチャートである。
【図7】動作説明用のフローチャートである。
【図8】動作説明用の通電パターンの説明図である。
【図9】動作説明用の波形図である。
【図10】動作説明用の波形図である。
【図11】動作説明用の波形図である。
【図12】動作説明用の通電パターンの説明図である。
【符号の説明】
1…制御装置、2…記憶装置、3…タイマ、4…転流制
御回路、5…転流スイッチ回路、6…電流制御回路、7
…積分器、8…パルス幅変調回路、9…AD変換器及び
電圧測定回路、10〜15、26,28…抵抗、16〜
21,Q1〜Q6…転流スイッチとして動作するトランジ
スタ、22〜24,27,29…コンデンサ、25…電
流制御用の電界効果トランジスタ、30…モータの回転
子、32…回転軸、33,34…ベアリング、35,3
6…スプリング、37…コンタクトスプリング、38…
モータの固定子のベースとなる金属のプリント基板、3
9…ねじ、40…フレキシブルな接続線の基板、41,
42…補強用のテープ、43…コア、44…モータ巻
線、45…永久磁石、46…磁気ディスクのホルダ、
U,V,W…3相のモータ巻線、Pcom…3相の巻線
U,V,Wにおける一端部を共通接続した接続点(中性
点)、Vcom…中点電圧、

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スター結線された複数の巻線における共
    通接続されていない方の各端部にそれぞれ接続されたス
    イッチング手段により前記の複数巻線における2つずつ
    の巻線に前記した巻線の共通接続されている方の端部を
    経由して2つの巻線の両方向に駆動電流を選択的に供給
    し、所定のパターンに配置された複数の磁極から発生さ
    れた磁界と前記した各巻線に流れる駆動電流によって発
    生した磁界とにより発生した電磁気力によって回転子が
    駆動回転されるブラシレス直流モータの回転駆動中に、
    無通電状態となる順次の巻線に発生する逆起電圧を測定
    し、前記の測定された巻線の逆起電圧から得た回転位相
    情報により各相の巻線に対する転流制御を行なってブラ
    シレス直流モータの駆動制御を行なう場合に、転流が行
    なわれた時点の直後の時点から、回転位相情報を得るた
    めの巻線の逆起電圧の測定が開始されるまでの時間長
    を、前記した巻線の逆起電圧の測定結果から得た速度情
    報に基づいて、速度が大になるに従って短くなるように
    設定するようにしたブラシレス直流モータの駆動制御方
    法。
  2. 【請求項2】 スター結線された複数の巻線における共
    通接続されていない方の各端部にそれぞれ接続されたス
    イッチング手段により、前記の複数巻線における2つず
    つの巻線に前記した巻線の共通接続されている方の端部
    を経由して2つの巻線の両方向に駆動電流を選択的に供
    給し、所定のパターンに配置された複数の磁極から発生
    された磁界と前記した各巻線に流れる駆動電流によって
    発生した磁界とにより発生した電磁気力によって回転子
    が駆動回転されるブラシレス直流モータの回転駆動中
    に、無通電状態となる順次の巻線に発生する逆起電圧を
    測定し、前記の測定された巻線の逆起電圧から得た回転
    位相情報により各相の巻線に対する転流制御を行なって
    ブラシレス直流モータの駆動制御を行なう場合に、転流
    が行なわれた時点の直後の時点から、回転位相情報を得
    るための巻線の逆起電圧の測定が開始されるまでの時間
    長を、前記の転流以前に測定されていた巻線の逆起電圧
    の測定結果と基準電圧との比較によって得た速度情報に
    基づいて、速度が大になるに従って短くなるように設定
    するブラシレス直流モータの駆動制御方法。
  3. 【請求項3】 スター結線された複数の巻線における共
    通接続されていない方の各端部にそれぞれ接続されたス
    イッチング手段により、前記の複数巻線における2つず
    つの巻線に前記した巻線の共通接続されている方の端部
    を経由して2つの巻線の両方向に駆動電流を選択的に供
    給し、所定のパターンに配置された複数の磁極から発生
    された磁界と前記した各巻線に流れる駆動電流によって
    発生した磁界とにより発生した電磁気力によって回転子
    が駆動回転されるブラシレス直流モータの回転駆動中
    に、無通電状態となる順次の巻線に発生する逆起電圧を
    測定し、前記の測定された巻線の逆起電圧から得た回転
    位相情報により各相の巻線に対する転流制御を行なって
    ブラシレス直流モータの駆動制御を行なう場合に、転流
    が行なわれた時点の直後の時点から、回転位相情報を得
    るための巻線の逆起電圧の測定が開始されるまでの時間
    の経過後に測定された巻線の逆起電圧の測定結果が予め
    定められた電圧値の範囲外のときに、巻線に対する駆動
    電流の供給を停止するようにしたブラシレス直流モータ
    の駆動制御方法。
JP4018580A 1992-01-07 1992-01-07 ブラシレス直流モータの駆動制御方法 Pending JPH05184190A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4018580A JPH05184190A (ja) 1992-01-07 1992-01-07 ブラシレス直流モータの駆動制御方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4018580A JPH05184190A (ja) 1992-01-07 1992-01-07 ブラシレス直流モータの駆動制御方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05184190A true JPH05184190A (ja) 1993-07-23

Family

ID=11975571

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4018580A Pending JPH05184190A (ja) 1992-01-07 1992-01-07 ブラシレス直流モータの駆動制御方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05184190A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100779483B1 (ko) * 2004-01-27 2007-11-26 주식회사 만도 안티록 브레이크 시스템의 모터 검사방법
CN102780434A (zh) * 2011-05-13 2012-11-14 爱信精机株式会社 转子位置检测装置
CN113364367A (zh) * 2021-06-07 2021-09-07 北京航空航天大学 高速无刷直流电机的换相误差补偿系统及方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100779483B1 (ko) * 2004-01-27 2007-11-26 주식회사 만도 안티록 브레이크 시스템의 모터 검사방법
CN102780434A (zh) * 2011-05-13 2012-11-14 爱信精机株式会社 转子位置检测装置
JP2012239355A (ja) * 2011-05-13 2012-12-06 Aisin Seiki Co Ltd ロータ位置検出装置
CN113364367A (zh) * 2021-06-07 2021-09-07 北京航空航天大学 高速无刷直流电机的换相误差补偿系统及方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5159246A (en) Detection of relative position between magnetic pole and drive coil in brushless DC motor
EP0505159B1 (en) An electrical angle control system for a brushless DC motor
US7750586B2 (en) Drive control device of motor and a method of start-up
JPH03504435A (ja) 無刷子直流モータの始動方法
JPH03183394A (ja) デジタルフィルタリングシステムを使用してロータ用位置センサなしに多相ブラシュレスモータを制御する方法
JPH10108493A (ja) 無センサーブラシレス直流モータ及びその制御方法
JPH0442796A (ja) 位置検知器を有しないブラシレス直流モータの駆動方法
JPH1028395A (ja) Dcブラシレスモータの位置検出装置
JPH05184190A (ja) ブラシレス直流モータの駆動制御方法
JPH0956191A (ja) ブラシレスモータの速度検出装置
JPH0446583A (ja) 位置検知器を有しないブラシレス直流モータにおける回転子の停止位置の検出方法
EP1042859A1 (en) Device for the detection of an angle of rotation of a brushless multi-phase d.c. motor
JP3393366B2 (ja) センサレスモータの回転子位置検出装置及びその方法
JP2000295890A (ja) ブラシレスモータ駆動制御装置
JP3575895B2 (ja) モータの回転異常検出装置
JP3654003B2 (ja) センサレスモータの回転子位置検出装置
JP2502680B2 (ja) ブラシレスモ―タの駆動装置
KR100282366B1 (ko) 센서리스 비엘디씨(bldc) 모터의 구동방법
JP3326256B2 (ja) ブラシレスモータの始動方法
JP2778816B2 (ja) センサレス・スピンドルモータ制御回路
US20230102458A1 (en) Motor drive circuit, motor system, and electric device
JP3547890B2 (ja) センサレス無整流子直流モータ駆動装置
JPH09149683A (ja) 直流ブラシレスモータの駆動装置
KR19980073986A (ko) 스위치드 릴럭턴스 모터의 구동 제어 장치
US6320343B1 (en) Fine phase frequency multipiler for a brushless motor and corresponding control method