JPH05182799A - 荷電粒子加速蓄積リング及びその荷電粒子入射方法 - Google Patents

荷電粒子加速蓄積リング及びその荷電粒子入射方法

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JPH05182799A
JPH05182799A JP34653791A JP34653791A JPH05182799A JP H05182799 A JPH05182799 A JP H05182799A JP 34653791 A JP34653791 A JP 34653791A JP 34653791 A JP34653791 A JP 34653791A JP H05182799 A JPH05182799 A JP H05182799A
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charged particle
deflection
curvature
deflecting
storage ring
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JP34653791A
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English (en)
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Yasuhiro Wasa
泰宏 和佐
Toshimoto Suzuki
敏司 鈴木
Takuya Kusaka
卓也 日下
Kenichi Inoue
憲一 井上
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数エネルギーの荷電粒子を同時に加速蓄積
することのできる荷電粒子加速蓄積リングを提供すると
共に,複数波長の光を同時に発生させ,広範囲に発振波
長を変化させ得る自由電子レーザー装置を実現させる。 【構成】 偏向磁石2,3のぞれぞれに複数の曲率半径
で荷電粒子ビームを偏向する偏向軌道を設け,各偏向磁
石2,3の同一偏向曲率半径の偏向軌道の間を荷電粒子
ビーム通過管路12a〜12dで接続して偏向曲率半径
毎の周回軌道a,b,cを構成する。偏向磁石2,3の
磁場強度を段階的に上昇させる各段階で荷電粒子ビーム
を入射させると,先の段階で入射された荷電粒子ビーム
ほど大きな曲率半径の周回軌道を周回してエネルギーが
段階的に増加し,蓄積リング内に同時に複数エネルギー
の荷電粒子ビームが蓄積される。この蓄積リングの各周
回軌道にアンジュレータ8,9,10を配して自由電子
レーザー装置に適用するときには,同時に複数波長の光
と波長可変範囲の大きな光を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,複数エネルギーの荷電
粒子ビームを同時に加速または蓄積することのできる荷
電粒子加速蓄積リングに関する。
【0002】
【従来の技術】荷電粒子ビームを周回リング内を周回さ
せて加速蓄積し,シンクロトロン放射によるX線あるい
は自由電子レーザー等の光源を得る装置などとして荷電
粒子加速蓄積リングが用いられる。この荷電粒子加速蓄
積リングでは,荷電粒子ビーム(以下,電子ビームと特
定しない場合を除き単にビームと呼称する)を蓄積リン
グ内の周回軌道上に安定して運動させるために,偏向磁
石を用いて磁場中を運動する荷電粒子に生じるローレン
ツ力によってビームを偏向させて周回軌道に導き,収束
磁石によって軌道からずれたビームを周回軌道上に収束
させる。このように構成される荷電粒子加速蓄積リング
の従来例構成を以下に示す。図3に示す荷電粒子加速蓄
積リング30は,レーストラック型の小型蓄積リングと
して構成されており,自由電子レーザー装置に適用した
例である。図3において,対向配置された一対の偏向磁
石31,32でそれぞれ180度づつ偏向されることに
より,入射されたビームが周回する周回軌道44が形成
され,4個の収束磁石37a,37b,37c,37d
によってビームを収束して,周回軌道44上にビームを
安定して周回させると共に,ビームを加速したりシンク
ロトロン放射で失ったエネルギーを補うために加速空洞
36が周回軌道44上に配置されている。この周回軌道
44に線形加速器等で所定のエネルギーまで加速された
ビームがトランスポートライン33から入射され,セプ
タム磁石34とキッカー磁石35とにより既に入射され
ているビームに影響しないよう入射される。本従来例に
おいては,荷電粒子加速蓄積リング30を自由電子レー
ザー装置として利用するために,周回軌道44の直線部
にアンジュレータ45が配置されている。アンジュレー
タ45は,例えば図4に示すように電子ビーム39を永
久磁石群38a,38bの間を通過させ,電子ビーム3
9を周期変化する磁場により蛇行させることによって電
子に誘導放射を生じさせてレーザーを発生させるもので
ある。図4において,N極とS極とを交互に配置した永
久磁石群38a,38bの間は磁場分布が周期的に変化
するため,通過する電子ビーム39は蛇行しシンクロト
ロン放射を生じて永久磁石群38aまたは38bの列設
方向に光が放射される。この発生した光を全反射鏡40
と出力鏡41との間で複数回往復させ,光と電子ビーム
との相互作用によって誘導放射を起こさせる。出力鏡4
1は数パーセントの透過率を有しているので,往復反射
して増幅された光の一部を取り出すことによりレーザー
光として出力させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したごとく従来技
術による荷電粒子加速蓄積リングでは,偏向磁石の偏向
曲率半径は一定であり,従って,ビームの周回軌道も単
一軌道となるので,同時に複数エネルギーのビームを蓄
積することはできない。また,ビームエネルギーを増加
させる場合でも,ビームエネルギーEと,偏向磁石の磁
場強度Bと,偏向曲率半径Rとの間には,下記(1)式
の関係が成立しなければならないため,ビームエネルギ
ーを増加させる場合には偏向磁石の磁場強度を上昇させ
ることになる。しかしながら,偏向磁石の磁場強度はせ
いぜい10倍にするのが限度であるから,ビームエネル
ギーの可変範囲は10倍程度でしかない。 E(GeV)=B(T)*R(m)/3.336────────(1) 従って,この荷電粒子加速蓄積リングを従来例に示した
ように自由電子レーザー装置に適用する場合,自由電子
レーザー装置の発振波長λは下記(2)式に示されるよ
うに,ビームエネルギーEの2乗に比例するため,ビー
ムエネルギーの可変範囲が10倍程度であるとき,波長
可変範囲は100倍程度となる。しかも,同時に複数エ
ネルギービームを蓄積することはできないため,同時に
利用できる発振波長は1種類でしかない。 λ=(λW /7.66×103 2 )*(1+K2 /2)────(2) ここで,K=93.4BO *λW λW :アンジュレータの周期長(m) BO :アンジュレータの軸上の最大磁場強度(T) E:ビームエネルギー(GeV) 自由電子レーザーは固体レーザーやガスレーザーに比べ
て大型且つ高価な装置となるため,1台の装置で同時に
多くの波長の光を取り出し,広範囲に波長を変化させ得
ることが要求される。しかしながら,従来の荷電粒子加
速蓄積リングでは,上記したように前記要求に対して応
えることができない事情にある。本発明は上記事情に鑑
み,複数のエネルギーのビームを同時に加速蓄積するこ
とのできる荷電粒子加速蓄積リングとその荷電粒子入射
方法を提供すると共に,複数波長の光を同時に発生さ
せ,広範囲に発振波長を変化させ得る自由電子レーザー
装置を実現させることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明が採用する手段は,荷電粒子ビームを偏向させ
る複数の偏向磁石の間を荷電粒子ビーム通過管路で接続
して荷電粒子の周回軌道を構成すると共に,該周回軌道
の所定位置に荷電粒子入射装置と荷電粒子加速装置と収
束磁石とを配してなる荷電粒子加速蓄積リングにおい
て,前記各偏向磁石内に曲率半径が異なる複数の偏向軌
道を形成し,各偏向磁石の同一曲率半径の偏向軌道の間
を荷電粒子ビーム通過管路で接続して曲率半径毎の周回
軌道を構成してなることを特徴とする荷電粒子加速蓄積
リングである。また,上記偏向磁石の各曲率半径毎に設
けた複数の周回軌道のそれぞれにアンジュレータ等の挿
入光源を配することにより,上記荷電粒子加速蓄積リン
グを自由電子レーザー装置等として利用することができ
る。また,上記目的を達成するために本発明が採用する
方法は,荷電粒子ビームを偏向させる複数の偏向磁石の
間を荷電粒子ビーム通過管路で接続して荷電粒子の周回
軌道を構成すると共に,該周回軌道の所定位置に荷電粒
子入射装置と荷電粒子加速装置と収束磁石とを配してな
る荷電粒子加速蓄積リングの前記各偏向磁石内に曲率半
径が異なる複数の偏向軌道を形成し,各偏向磁石の同一
曲率半径の偏向軌道の間を荷電粒子ビーム通過管路で接
続して曲率半径毎の周回軌道を構成してなる荷電粒子加
速蓄積リングにおける各偏向磁石の磁場強度を段階的に
上昇させつつ所定入射エネルギーで荷電粒子を入射する
ことを特徴とする荷電粒子加速蓄積リングの荷電粒子入
射方法である。また,偏向磁石の各曲率半径毎に設けた
複数の周回軌道のそれぞれにアンジュレータ等の挿入光
源を配して荷電粒子加速蓄積リングを自由電子レーザー
装置等に適用したとき,前記各偏向磁石の磁場強度を段
階的に上昇させつつ所定入射エネルギーで荷電粒子を入
射することができる。
【0005】
【作用】本発明によれば,複数の偏向磁石のそれぞれに
形成された曲率半径の異なる偏向軌道を同一曲率半径毎
に荷電粒子ビーム通過管路で接続することにより複数の
周回軌道を有する荷電粒子加速蓄積リングが構成され
る。このように構成された荷電粒子加速蓄積リングにお
いて各偏向磁石の磁場強度を一定にして入射エネルギー
を変えて荷電粒子を入射すると,入射エネルギー毎に偏
向曲率が異なるため各偏向軌道に分割された周回軌道で
同時に複数エネルギーの荷電粒子ビームを蓄積すること
ができる。加えて,本発明になる荷電粒子入射方法を用
いれば,複数の荷電粒子ビームを同時に加速蓄積するこ
とができる。即ち,各偏向磁石の磁場強度を段階的に上
昇させる各段階において所定入射エネルギーでビームを
入射させると,最初の磁場強度が低レベルの段階で入射
されたビームは,偏向磁石の最も大きな曲率半径の偏向
軌道に偏向されるため最大偏向曲率半径の周回軌道で蓄
積リング内を周回し,偏向磁石の偏向磁場が最大になる
最終過程では最大のエネルギーまで加速される。一方,
後の段階で入射されたビームは,入射時の偏向磁石の磁
場強度に応じて段階的により小さな曲率半径の周回軌道
で蓄積リング内を周回するので,入射の最終過程に至っ
たとき,後の段階で入射されたビームほどエネルギーは
小さくなる。このように偏向磁石の磁場強度の段階的上
昇に対応してビームを入射すると,先の段階で入射され
たビームほど大きな偏向曲率半径の周回軌道を周回して
エネルギーが段階的に増加する。従って,単一エネルギ
ーの入射器から入射されるビームによってリング内に同
時に複数エネルギーのビームが加速蓄積させることがで
きる。また,複数のエネルギービームの周回軌道上にそ
れぞれアンジュレータ等の挿入光源を配置することによ
り,使用するビームエネルギーがそれぞれ異なるため同
時に複数の波長の光を取り出すことができ,自由電子レ
ーザー装置等に適用することができる。自由電子レーザ
ー装置の発振波長λは,先に(2)式として示したよう
にビームエネルギーEの2乗に比例するので,エネルギ
ーの異なる電子ビームを利用して発振波長を広範囲に変
化させ得る自由電子レーザー装置が実現される。
【0006】
【実施例】以下,添付図面を参照して本発明を具体化し
た一実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,
以下の実施例は本発明を具体化した一例であって,本発
明の技術的範囲を限定するものではない。ここに,図1
は本発明の実施例に係る荷電粒子加速蓄積リングで,自
由電子レーザー装置に適用した構成図である。図2
(a)は偏向磁石の磁場強度の段階的上昇とビームの入
射タイミングを示すグラフ,図2(b)は偏向磁石の磁
場強度の各上昇段階で入射させたビームのエネルギー増
加を示すグラフである。図1において,荷電粒子加速蓄
積リング1(自由電子レーザー装置)は,180度の偏
向角を有する偏向磁石2,3を対向位置に配し,各偏向
磁石2,3にはビームが異なった曲率半径で偏向される
偏向軌道が偏向磁石2に偏向軌道2a,2b,2cとし
て,偏向磁石3に偏向軌道3a,3b,3cとして構成
されている。偏向磁石2と3とは各偏向軌道2a,2
b,2c,3a,3b,3cの同一曲率半径の偏向軌道
の間がビームダクト12a,12b,12c,12dで
連結されることにより,第1ビーム周回軌道a,第2ビ
ーム周回軌道b,第3ビーム周回軌道cが形成される。
この各ビーム周回軌道a,b,cが共有するビームダク
ト12dには,荷電粒子入射装置を構成するセプタム磁
石4及びキッカー磁石5と,ビームを加速したりシンク
ロトロン放射で失ったエネルギーを補う荷電粒子加速空
洞6とが配設される。また,ビームダクト12aにはア
ンジュレータ8,ビームダクト12bにはアンジュレー
タ9,ビームダクト12cにはアンジュレータ10が配
設される。さらに,各偏向磁石2,3の各入口と各出口
に収束磁石7a,7a,7b,7b,7c,7c,7
d,7dを設けて各ビーム周回軌道a,b,cを通過す
るビームの周回を安定させ,全体としてレーストラック
型の蓄積リングを構成している。この荷電粒子加速蓄積
リング1にビームを入射するために,図外の線形加速器
等で所定のエネルギーに加速されたビームがトランスポ
ートライン11からセプタム磁石4とキッカー磁石5と
で構成される荷電粒子入射装置を通してビームダクト1
2dに入射されるよう構成されている。上記各アンジュ
レータ8,9,10は,本荷電粒子加速蓄積リング1を
自由電子レーザー装置として利用するための挿入光源
で,その構成は先に従来例に示したものと同様に構成さ
れるものとして(図4参照),その説明を省略する。
【0007】上記のように構成された荷電粒子加速蓄積
リング1に,トランスポートライン11を通じて図外の
荷電粒子入射装置から入射エネルギーの異なるビームを
入射するときには,入射エネルギーの大なるビームは大
きな偏向軌道に偏向され,小さな入射エネルギーのビー
ムは小さな偏向軌道に偏向されるので,複数のエネルギ
ービームが同時にリング内に蓄積されることになるが,
本実施例においては,単一入射エネルギーの荷電粒子入
射装置からの一定エネルギーの入射ビームを用いて複数
のエネルギービームに加速蓄積し,同時に複数のエネル
ギービームを利用することもできる。この複数エネルギ
ービームを同時に加速蓄積させることのできる荷電粒子
加速蓄積リング1の動作を図2(a),図2(b)を併
用して説明する。図2(a)(b)に示すように,各偏
向磁石2,3の磁場強度が最も小さいB 1 で一定の段階
のときに入射エネルギーE0 で入射される第1ビーム
は,各偏向磁石2,3の最も偏向曲率半径が大きい偏向
軌道2a,3aに入射され,第1ビーム周回軌道aを周
回する。各偏向磁石2,3の磁場強度が図2(a)に示
すようにB2 , 3 , 4 と上昇するにつれて第1ビー
ムのエネルギーは図2(b)に示すようにE11 ,12
上昇し,最終的にはE1 のエネルギーとなって蓄積され
る。各偏向磁石2,3の磁場強度がB2 の段階になった
ときにE0 のエネルギーで入射される第2ビームは,各
偏向磁石2,3の中間の偏向曲率半径である偏向軌道2
b,3bに入射され,第2ビーム周回軌道bを周回し,
磁場強度がB3 , 4 と上昇するとき,エネルギーはE
21から最終的にはE2 に加速される。各偏向磁石2,3
の磁場強度がB3 の段階になったときにE0 のエネルギ
ーで入射された第3ビームは,各偏向磁石2,3の最小
の偏向曲率半径である偏向軌道2c,3cに入射され,
第3ビーム周回軌道cを周回し,磁場強度が最終的にB
4 になったときにE3 のエネルギーまで加速されてい
る。上記各エネルギーE0 ,E11,E12,E1 ,E21
2 ,E3 と,磁場強度B 0 ,B2 ,B3 ,B4 との間
には,次式の関係が成立していなければならない。 E0 =B1 *R1 /3.336 B2 =3.336E0 /R2 3 =3.336E0 /R3 11=B2 *R1 /3.336 E12=B3 *R1 /3.336 E1 =B4 *R1 /3.336 E21=B3 *R2 /3.336 E2 =B4 *R2 /3.336 E3 =B4 *R3 /3.336 従って,各偏向磁石2,3に設定されるそれぞれ3つの
偏向軌道2a,3a及び2b,3b及び2c,3cの各
偏向曲率半径R1 ,R2 ,R3 と,各偏向磁石2,3の
初期偏向磁場強度B1 (または入射エネルギーE0
と,最終偏向磁場強度B4 (または最終エネルギー
1 )とが決定されれば,他のパラメータは一意に決定
される。上記したように,本実施例に係る荷電粒子加速
蓄積リング1においては,複数のエネルギーのビームを
同時に1台の蓄積リングに蓄積して利用することができ
る。そこで,この荷電粒子加速蓄積リング1を自由電子
レーザー装置に適用するとき,図1に示したように異な
るエネルギーを有する各ビーム周回軌道a,b,c上
に,それぞれアンジュレータ8,9,10を配置するこ
とにより,同時に複数の光を取り出して利用することが
できる。また,エネルギーが異なるビームを利用するこ
とができるので,発振波長の可変範囲が非常に大きくな
る。先に示した(1)式及び(2)式からもわかるよう
に,荷電粒子加速蓄積リング1のエネルギーの可変範囲
は偏向曲率半径で10倍,偏向磁石2,3の磁場強度で
10倍とすると,全体では100倍の可変範囲が実現で
きる。これにより自由電子レーザー装置としたときに
は,発振波長の可変範囲は10000倍になることが期
待できる。これは従来の自由電子レーザー装置に比べて
格段に大きな可変範囲である。尚,上記実施例において
は,3つのビーム周回軌道を形成して3段階のエネルギ
ービームを同時に蓄積する構成を示したが,偏向磁石の
磁場強度変化可能範囲を勘案して3以上のビーム周回軌
道を構成することもできる。
【0008】
【発明の効果】以上の説明の通り本発明によれば,偏向
磁石の磁場強度の段階的上昇に対応してビームを入射す
ると,先の段階で入射されたビームほど大きな曲率半径
の周回軌道を周回してエネルギーが段階的に増加する。
従って,荷電粒子加速蓄積リング内に同時に複数エネル
ギーのビームが蓄積されることになり,1台の蓄積リン
グで同時に複数エネルギーのビームを利用できる荷電粒
子加速蓄積リングを提供することができる。また,この
荷電粒子加速蓄積リングを自由電子レーザー装置に適用
するとき,複数のエネルギービームの周回軌道上にそれ
ぞれに挿入光源(アンジュレータ)を配置することによ
り,同時に複数の光を取り出すことができる。更に,自
由電子レーザー装置の発振波長はビームエネルギーの2
乗に比例するので,上記のごときエネルギーの異なるビ
ームを利用して発振波長を広範囲に変化させ得る自由電
子レーザー装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る荷電粒子加速蓄積リン
グを自由電子レーザー装置に適用した場合の構成図。
【図2】実施例荷電粒子加速蓄積リングにおける偏向磁
石の磁場強度の段階的上昇とビームの入射タイミングを
示すグラフ(a)と,入射ビームエネルギーの段階的上
昇を示すグラフ(b)。
【図3】従来例荷電粒子加速蓄積リングを自由電子レー
ザー装置に適用した場合の構成図。
【図4】アンジュレータの概略構成を示す斜視図。
【符号の説明】
1──荷電粒子加速蓄積リング(自由電子レーザー装
置) 2,3──偏向磁石 2a,2b,2c,3a,3b,3c──偏向軌道 4──セプタム磁石(荷電粒子入射装置) 5──キッカー磁石(荷電粒子入射装置) 6──荷電粒子加速空洞 7a,7b,7c,7d──収束磁石 8,9,10──アンジュレータ(挿入光源) 11──トランスポートライン(荷電粒子入射装置) 12a,12b,12c,12d──ビームダクト(荷電粒子ビ
ーム通過管路) a──第1ビーム周回軌道 b──第2ビーム周回軌道 c──第3ビーム周回軌道

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】荷電粒子ビームを偏向させる複数の偏向磁
    石の間を荷電粒子ビーム通過管路で接続して荷電粒子の
    周回軌道を構成すると共に,該周回軌道の所定位置に荷
    電粒子入射装置と荷電粒子加速装置と収束磁石とを配し
    てなる荷電粒子加速蓄積リングにおいて,前記各偏向磁
    石内に曲率半径が異なる複数の偏向軌道を形成し,各偏
    向磁石の同一曲率半径の偏向軌道の間を荷電粒子ビーム
    通過管路で接続して曲率半径毎の周回軌道を構成してな
    ることを特徴とする荷電粒子加速蓄積リング。
  2. 【請求項2】上記偏向磁石の各曲率半径毎に設けた複数
    の周回軌道のそれぞれにアンジュレータ等の挿入光源を
    配してなる請求項1記載の荷電粒子加速蓄積リング。
  3. 【請求項3】荷電粒子ビームを偏向させる複数の偏向磁
    石の間を荷電粒子ビーム通過管路で接続して荷電粒子の
    周回軌道を構成すると共に,該周回軌道の所定位置に荷
    電粒子入射装置と荷電粒子加速装置と収束磁石とを配し
    てなる荷電粒子加速蓄積リングの前記各偏向磁石内に曲
    率半径が異なる複数の偏向軌道を形成し,各偏向磁石の
    同一曲率半径の偏向軌道の間を荷電粒子ビーム通過管路
    で接続して曲率半径毎の周回軌道を構成してなる荷電粒
    子加速蓄積リングにおける各偏向磁石の磁場強度を段階
    的に上昇させつつ所定入射エネルギーで荷電粒子を入射
    することを特徴とする荷電粒子加速蓄積リングの荷電粒
    子入射方法。
  4. 【請求項4】上記偏向磁石の各曲率半径毎に設けた複数
    の周回軌道のそれぞれにアンジュレータ等の挿入光源を
    配してなる荷電粒子加速蓄積リングの前記各偏向磁石の
    磁場強度を段階的に上昇させつつ所定入射エネルギーで
    荷電粒子を入射する請求項3記載の荷電粒子加速蓄積リ
    ングの荷電粒子入射方法。
JP34653791A 1991-12-27 1991-12-27 荷電粒子加速蓄積リング及びその荷電粒子入射方法 Pending JPH05182799A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108289367A (zh) * 2018-01-25 2018-07-17 中国科学院上海应用物理研究所 一种医用质子同步加速器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108289367A (zh) * 2018-01-25 2018-07-17 中国科学院上海应用物理研究所 一种医用质子同步加速器

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