JPH05182672A - イオン交換膜燃料電池用電極の製造方法及びイオン交換膜燃料電池 - Google Patents
イオン交換膜燃料電池用電極の製造方法及びイオン交換膜燃料電池Info
- Publication number
- JPH05182672A JPH05182672A JP4000624A JP62492A JPH05182672A JP H05182672 A JPH05182672 A JP H05182672A JP 4000624 A JP4000624 A JP 4000624A JP 62492 A JP62492 A JP 62492A JP H05182672 A JPH05182672 A JP H05182672A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- exchange membrane
- electrode
- ion exchange
- fuel cell
- membrane fuel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P70/00—Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
- Y02P70/50—Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product
Landscapes
- Catalysts (AREA)
- Inert Electrodes (AREA)
- Fuel Cell (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 イオン交換膜燃料電池に使用される電極にお
いて、電極内部へのイオン交換膜樹脂と白金触媒の付与
を行うことによって、三相界面を増大させ、より高い性
能を発揮するイオン交換膜燃料電池を実現するための電
極の製造方法及びそれを用いた燃料電池を提供すること
を目的とする。 【構成】 貴金属触媒を担持した炭素微粉末とフッ素樹
脂で撥水処理した炭素微粉末とを混合し、この混合粉末
を多孔質導電性電極基板上に加圧成型した電極成型体上
に、低級飽和一価アルコールの水溶液にイオン交換膜樹
脂と白金酸化物のコロイド分散液を加えた混合分散液
を、電極基板の下方から吸引した状態で、塗布する電極
の製造方法を用いることにより、高い放電性能を発揮す
るイオン交換膜燃料電池が得られる。
いて、電極内部へのイオン交換膜樹脂と白金触媒の付与
を行うことによって、三相界面を増大させ、より高い性
能を発揮するイオン交換膜燃料電池を実現するための電
極の製造方法及びそれを用いた燃料電池を提供すること
を目的とする。 【構成】 貴金属触媒を担持した炭素微粉末とフッ素樹
脂で撥水処理した炭素微粉末とを混合し、この混合粉末
を多孔質導電性電極基板上に加圧成型した電極成型体上
に、低級飽和一価アルコールの水溶液にイオン交換膜樹
脂と白金酸化物のコロイド分散液を加えた混合分散液
を、電極基板の下方から吸引した状態で、塗布する電極
の製造方法を用いることにより、高い放電性能を発揮す
るイオン交換膜燃料電池が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料として純水素、ま
たはメタノール及び化石燃料からの改質水素などの還元
剤を用い、空気や酸素を酸化剤とする燃料電池に関する
ものであり、特にイオン交換膜燃料電池用の電極の製造
方法に関するものである。
たはメタノール及び化石燃料からの改質水素などの還元
剤を用い、空気や酸素を酸化剤とする燃料電池に関する
ものであり、特にイオン交換膜燃料電池用の電極の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イオン交換燃料電池の放電性能を左右す
る最も重要な因子の1つは、イオン交換膜と電極の界面
近傍において、反応ガスの供給路となる細孔とプロトン
導電体であるイオン交換樹脂と電子電導体である電極材
料とが形成する三相界面における反応面積の広さであ
る。そこで、従来、この三相界面を増大させるために、
電極材料とイオン交換膜樹脂を混合させた層を、膜と多
孔質電極の界面に付与する試みがなされてきた。例え
ば、特公昭62−61118号公報、特公昭62−61
119号公報では、イオン交換膜樹脂の溶液と触媒化合
物の混合物をイオン交換膜上に塗着し、電極材料とホッ
トプレス後、触媒化合物を還元する方法、もしくは還元
後、塗着し、ホットプレスを行う方法を用いていた。ま
た、特公平2−48632号公報では、多孔質電極を成
型後、電極上にイオン交換膜樹脂の溶液を散布し、この
電極とイオン交換膜とをホットプレスする方法を用いて
いた。さらに、特公平2−43830号公報及び、特公
昭59−42078号公報では、イオン交換膜と電極と
の界面の触媒を膜の反対側より浸透させた還元剤によっ
て、無電解めっきする方法を用いてきた。
る最も重要な因子の1つは、イオン交換膜と電極の界面
近傍において、反応ガスの供給路となる細孔とプロトン
導電体であるイオン交換樹脂と電子電導体である電極材
料とが形成する三相界面における反応面積の広さであ
る。そこで、従来、この三相界面を増大させるために、
電極材料とイオン交換膜樹脂を混合させた層を、膜と多
孔質電極の界面に付与する試みがなされてきた。例え
ば、特公昭62−61118号公報、特公昭62−61
119号公報では、イオン交換膜樹脂の溶液と触媒化合
物の混合物をイオン交換膜上に塗着し、電極材料とホッ
トプレス後、触媒化合物を還元する方法、もしくは還元
後、塗着し、ホットプレスを行う方法を用いていた。ま
た、特公平2−48632号公報では、多孔質電極を成
型後、電極上にイオン交換膜樹脂の溶液を散布し、この
電極とイオン交換膜とをホットプレスする方法を用いて
いた。さらに、特公平2−43830号公報及び、特公
昭59−42078号公報では、イオン交換膜と電極と
の界面の触媒を膜の反対側より浸透させた還元剤によっ
て、無電解めっきする方法を用いてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の方法では、イオン交換膜の内部及び電極基板上に塗着
したイオン交換膜樹脂の内部への触媒粒子の浸透が不十
分な状態であるために、電極とイオン交換膜の界面に十
分な反応面積が確保できないという欠点を有していた。
の方法では、イオン交換膜の内部及び電極基板上に塗着
したイオン交換膜樹脂の内部への触媒粒子の浸透が不十
分な状態であるために、電極とイオン交換膜の界面に十
分な反応面積が確保できないという欠点を有していた。
【0004】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、電極内部へ白金触媒の微粒子を含んだイオン交換膜
樹脂を十分に付与することによって、予め電極の反応層
中に形成した触媒と共に、電極とイオン交換膜との界面
の反応面積を増大せしめて、より高い性能を発揮するイ
オン交換膜燃料電池を実現するための電極の製造方法及
びそれを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
で、電極内部へ白金触媒の微粒子を含んだイオン交換膜
樹脂を十分に付与することによって、予め電極の反応層
中に形成した触媒と共に、電極とイオン交換膜との界面
の反応面積を増大せしめて、より高い性能を発揮するイ
オン交換膜燃料電池を実現するための電極の製造方法及
びそれを用いた燃料電池を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明のイオン交換膜燃料電池用電極は、貴金属触
媒を担持した炭素微粉末とフッ素樹脂で撥水処理した炭
素微粉末とを混合し、この混合粉末を多孔質導電性電極
基板上に加圧成型した電極成型体上に、低級飽和一価ア
ルコールの水溶液にイオン交換膜樹脂と白金酸化物のコ
ロイド分散液を加えた混合分散液を、電極基板の下方か
ら吸引した状態で、塗布する方法を用いた。
に、本発明のイオン交換膜燃料電池用電極は、貴金属触
媒を担持した炭素微粉末とフッ素樹脂で撥水処理した炭
素微粉末とを混合し、この混合粉末を多孔質導電性電極
基板上に加圧成型した電極成型体上に、低級飽和一価ア
ルコールの水溶液にイオン交換膜樹脂と白金酸化物のコ
ロイド分散液を加えた混合分散液を、電極基板の下方か
ら吸引した状態で、塗布する方法を用いた。
【0006】
【作用】この製造方法によって、電極の触媒層内部の深
部に白金触媒の微粒子を含んだイオン交換膜樹脂を分散
させることが可能になった。この触媒層構成によって、
水素などの燃料ガスもしくは酸素などの酸化剤ガスの供
給路となる撥水処理炭素微粉末の形成するガスチャネル
と、イオン交換膜樹脂が形成するプロトン導電チャネル
と、炭素微粉末材料の形成する電子伝導チャネルの3つ
の相が、同じ触媒層内部の極近傍に形成される。また、
反応サイトとなる1〜2.5nmの触媒粒子が反応層中
のイオン交換膜樹脂の表面と炭素微粉末の表面の両方に
形成される。
部に白金触媒の微粒子を含んだイオン交換膜樹脂を分散
させることが可能になった。この触媒層構成によって、
水素などの燃料ガスもしくは酸素などの酸化剤ガスの供
給路となる撥水処理炭素微粉末の形成するガスチャネル
と、イオン交換膜樹脂が形成するプロトン導電チャネル
と、炭素微粉末材料の形成する電子伝導チャネルの3つ
の相が、同じ触媒層内部の極近傍に形成される。また、
反応サイトとなる1〜2.5nmの触媒粒子が反応層中
のイオン交換膜樹脂の表面と炭素微粉末の表面の両方に
形成される。
【0007】よって、水素極では、
【0008】
【化1】
【0009】の反応において、また、酸素極では、
【0010】
【化2】
【0011】の反応において、水素及び酸素ガスの供給
と、プロトン及び電子の伝達がスムーズかつ広範囲に行
われるようになり、反応速度及び反応面積が増大して、
より高い放電性能を発揮するイオン交換膜燃料電池を実
現することが可能となる。
と、プロトン及び電子の伝達がスムーズかつ広範囲に行
われるようになり、反応速度及び反応面積が増大して、
より高い放電性能を発揮するイオン交換膜燃料電池を実
現することが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照
しながら説明する。
しながら説明する。
【0013】図1は、本発明のイオン交換膜燃料電池用
電極の製造方法の工程を示すものである。まず、触媒を
10〜25重量%担持させた炭素微粉末を、ポリテトラ
フルオロエチレン(以下、PTFEという)を25〜7
0重量%添加することによって撥水処理した炭素微粉末
と混合した。この触媒層用混合粉末を、PTFEを重量
比で50〜70%添加した炭素微粉末からなる導伝性シ
ートである電極基板上に、または、4フッ化エチレンと
6フッ化プロピレンとの共重合体からなるフッ素樹脂を
重量比で20〜40%添加した多孔質炭素焼成板である
電極基板上に、散布し、このフッ素樹脂を結着剤として
予備成型した。この成型体を340〜380℃の温度、
5〜20kg/cm2の圧力でホットプレスし、ガス拡散電
極を作成した。イオン交換膜樹脂には、米国デュポン社
製のNafionを用いた米国アルドリッチ・ケミカル
社製のイオン交換膜樹脂粉末の5重量%溶液を用いた。
イソプロピルアルコール2ml当たりに、このイオン交
換膜樹脂溶液0.05〜1.5gと図2の方法で作成し
た白金酸化物のコロイドを分散した。前記ガス拡散電極
上に、このイオン交換膜樹脂溶液と白金コロイドの分散
液を、電極基板の下方からポンプによって吸引した状態
で、塗布した。この分散液の溶媒を、分散液が流れ落ち
ない程度まで吸引した後、真空乾燥機を用いて、70℃
で真空加熱しアルコールおよび水を除去し、本発明の実
施例のイオン交換膜燃料電池用電極を作製した。
電極の製造方法の工程を示すものである。まず、触媒を
10〜25重量%担持させた炭素微粉末を、ポリテトラ
フルオロエチレン(以下、PTFEという)を25〜7
0重量%添加することによって撥水処理した炭素微粉末
と混合した。この触媒層用混合粉末を、PTFEを重量
比で50〜70%添加した炭素微粉末からなる導伝性シ
ートである電極基板上に、または、4フッ化エチレンと
6フッ化プロピレンとの共重合体からなるフッ素樹脂を
重量比で20〜40%添加した多孔質炭素焼成板である
電極基板上に、散布し、このフッ素樹脂を結着剤として
予備成型した。この成型体を340〜380℃の温度、
5〜20kg/cm2の圧力でホットプレスし、ガス拡散電
極を作成した。イオン交換膜樹脂には、米国デュポン社
製のNafionを用いた米国アルドリッチ・ケミカル
社製のイオン交換膜樹脂粉末の5重量%溶液を用いた。
イソプロピルアルコール2ml当たりに、このイオン交
換膜樹脂溶液0.05〜1.5gと図2の方法で作成し
た白金酸化物のコロイドを分散した。前記ガス拡散電極
上に、このイオン交換膜樹脂溶液と白金コロイドの分散
液を、電極基板の下方からポンプによって吸引した状態
で、塗布した。この分散液の溶媒を、分散液が流れ落ち
ない程度まで吸引した後、真空乾燥機を用いて、70℃
で真空加熱しアルコールおよび水を除去し、本発明の実
施例のイオン交換膜燃料電池用電極を作製した。
【0014】図2は、白金酸化物のコロイドの製造方法
の工程を示すものである。まず塩化白金酸(H2PtC
l6)1gの水溶液300mlに、還元剤として亜硫酸
水素ナトリウム(NaHSO3)10gを添加した。次
に、この溶液を水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)で
pH5に調整した。次に、この溶液を1.5lに希釈
し、コロイド凝集防止剤としての過酸化水素(H2O2)
150mlと、pH5に保つための水酸化ナトリウム水
溶液(NaOH)を添加し、白金酸化物のコロイドを調
整した。
の工程を示すものである。まず塩化白金酸(H2PtC
l6)1gの水溶液300mlに、還元剤として亜硫酸
水素ナトリウム(NaHSO3)10gを添加した。次
に、この溶液を水酸化ナトリウム水溶液(NaOH)で
pH5に調整した。次に、この溶液を1.5lに希釈
し、コロイド凝集防止剤としての過酸化水素(H2O2)
150mlと、pH5に保つための水酸化ナトリウム水
溶液(NaOH)を添加し、白金酸化物のコロイドを調
整した。
【0015】(比較例)図3は、従来の技術によるイオ
ン交換膜燃料電池用電極の製造方法の1例を示すもので
ある。実施例のガス拡散電極上にイオン交換膜樹脂溶液
の分散液を塗布する工程において、イオン交換膜樹脂溶
液に白金のコロイド分散液を添加しないこと、電極基板
の下方からのポンプによる吸引をしない状態で塗布した
他は、本発明の実施例と全く同じ工程で、電極を作製し
た。
ン交換膜燃料電池用電極の製造方法の1例を示すもので
ある。実施例のガス拡散電極上にイオン交換膜樹脂溶液
の分散液を塗布する工程において、イオン交換膜樹脂溶
液に白金のコロイド分散液を添加しないこと、電極基板
の下方からのポンプによる吸引をしない状態で塗布した
他は、本発明の実施例と全く同じ工程で、電極を作製し
た。
【0016】以上の本発明の実施例及び比較例の電極
と、イオン交換膜とを120〜150℃の温度、20〜
60kg/cm2の圧力でホットプレスし、負極とイオン交
換膜と正極との接合を行った。この接合体を用いて、図
4に示したイオン交換膜燃料電池の単セルを作成した。
図4中、10はイオン交換膜を示し、本実施例では米国
デュポン社製のNafion117膜を用いた。11及
び12は、それぞれ負極及び正極を示した。イオン交換
膜樹脂の添加量は、両極とも電極面積当たり0.1〜
3.0mg/cm2とした。また、白金酸化物のコロイドの
添加量は、電極面積当たりの白金重量で0.01〜0.
5mg/cm2とした。この単電池の負極側に、90℃の温
度で加湿した水素ガスを、また、正極側に、80℃の温
度で加湿した酸素ガスをそれぞれ供給して、放電試験を
行った。
と、イオン交換膜とを120〜150℃の温度、20〜
60kg/cm2の圧力でホットプレスし、負極とイオン交
換膜と正極との接合を行った。この接合体を用いて、図
4に示したイオン交換膜燃料電池の単セルを作成した。
図4中、10はイオン交換膜を示し、本実施例では米国
デュポン社製のNafion117膜を用いた。11及
び12は、それぞれ負極及び正極を示した。イオン交換
膜樹脂の添加量は、両極とも電極面積当たり0.1〜
3.0mg/cm2とした。また、白金酸化物のコロイドの
添加量は、電極面積当たりの白金重量で0.01〜0.
5mg/cm2とした。この単電池の負極側に、90℃の温
度で加湿した水素ガスを、また、正極側に、80℃の温
度で加湿した酸素ガスをそれぞれ供給して、放電試験を
行った。
【0017】図5に、本発明の実施例及び、比較例の製
造方法による電極を用いたイオン交換膜燃料電池の電圧
−電流特性をそれぞれ示した。本発明の実施例の燃料電
池は、電流密度200mA/cm2において、それぞれ電
池電圧0.70Vを示した。一方、比較例の燃料電池
は、電流密度200mA/cm2において、電池電圧0.
53Vを示した。
造方法による電極を用いたイオン交換膜燃料電池の電圧
−電流特性をそれぞれ示した。本発明の実施例の燃料電
池は、電流密度200mA/cm2において、それぞれ電
池電圧0.70Vを示した。一方、比較例の燃料電池
は、電流密度200mA/cm2において、電池電圧0.
53Vを示した。
【0018】図6に、本発明の実施例の製造方法による
電極を用いたイオン交換膜燃料電池のイオン交換膜樹脂
の添加量と電流密度200mA/cm2における電池電圧
の関係を示した。その結果、実施例の燃料電池におい
て、イオン交換膜樹脂の添加量が電極面積当たり約0.
1〜3.0mg/cm2の範囲で、比較的高い電池電圧を示
した。
電極を用いたイオン交換膜燃料電池のイオン交換膜樹脂
の添加量と電流密度200mA/cm2における電池電圧
の関係を示した。その結果、実施例の燃料電池におい
て、イオン交換膜樹脂の添加量が電極面積当たり約0.
1〜3.0mg/cm2の範囲で、比較的高い電池電圧を示
した。
【0019】この原因は明確ではないが、イオン交換膜
樹脂自体は電子伝導性はほとんどないものであり、イオ
ン交換膜樹脂の添加量が電極面積当たり3.0mg/cm2
以上になると電極全体の電気抵抗が高くなり、特性が劣
化し、イオン交換膜樹脂の添加量が0.1mg/cm2以下
の場合、放電性能を左右する三面界面の広さ即ち反応面
積が狭く限られてきたためと考えられる。
樹脂自体は電子伝導性はほとんどないものであり、イオ
ン交換膜樹脂の添加量が電極面積当たり3.0mg/cm2
以上になると電極全体の電気抵抗が高くなり、特性が劣
化し、イオン交換膜樹脂の添加量が0.1mg/cm2以下
の場合、放電性能を左右する三面界面の広さ即ち反応面
積が狭く限られてきたためと考えられる。
【0020】図7に本発明の実施例の製造方法による電
極を用いたイオン交換膜燃料電池の白金酸化物コロイド
の添加量と電流密度200mA/cm2における電池電圧
の関係を示した。その結果、実施例の燃料電池におい
て、白金酸化物コロイドの添加量が電極面積当たりの白
金重量で0.01〜0.5mg/cm2の範囲で、比較的高
い電池電圧を示した。
極を用いたイオン交換膜燃料電池の白金酸化物コロイド
の添加量と電流密度200mA/cm2における電池電圧
の関係を示した。その結果、実施例の燃料電池におい
て、白金酸化物コロイドの添加量が電極面積当たりの白
金重量で0.01〜0.5mg/cm2の範囲で、比較的高
い電池電圧を示した。
【0021】以上のように、本発明の製造方法による電
極を用いて燃料電池を構成することによって、より高い
放電性能を発揮するイオン交換膜燃料電池を実現するこ
とが可能となった。
極を用いて燃料電池を構成することによって、より高い
放電性能を発揮するイオン交換膜燃料電池を実現するこ
とが可能となった。
【0022】なお、実施例ではイオン交換膜樹脂とし
て、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエー
テルとの共重合体からなる高分子電解質の代表例とし
て、米国アルドリッチ・ケミカル社製のイオン交換膜樹
脂粉末の5重量%溶液を用いたが、プロトン交換基をも
つ他の高分子電解質を用いても同様の結果が得られる。
例えば、スチレンとビニルベンゼンとの共重合体からな
る高分子電解質を用いてもよい。
て、テトラフルオロエチレンとパーフルオロビニルエー
テルとの共重合体からなる高分子電解質の代表例とし
て、米国アルドリッチ・ケミカル社製のイオン交換膜樹
脂粉末の5重量%溶液を用いたが、プロトン交換基をも
つ他の高分子電解質を用いても同様の結果が得られる。
例えば、スチレンとビニルベンゼンとの共重合体からな
る高分子電解質を用いてもよい。
【0023】また、イオン交換膜樹脂の分散媒である、
低級飽和一価アルコールの代表例としてイソプロピルア
ルコールを用いたが、プロピルアルコール、ブチルアル
コール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数4以下
の水溶性のアルコールならば、どのアルコールを用いて
も同様の結果が得られる。
低級飽和一価アルコールの代表例としてイソプロピルア
ルコールを用いたが、プロピルアルコール、ブチルアル
コール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコールなどの炭素数4以下
の水溶性のアルコールならば、どのアルコールを用いて
も同様の結果が得られる。
【0024】さらに、本実施例では、イオン交換膜燃料
電池の一例として水素−酸素燃料電池を取り上げたが、
メタノール、天然ガス、ナフサなどを燃料とする改質水
素を用いた燃料電池、また、酸化剤として空気を用いた
燃料電池に適用することも可能である。
電池の一例として水素−酸素燃料電池を取り上げたが、
メタノール、天然ガス、ナフサなどを燃料とする改質水
素を用いた燃料電池、また、酸化剤として空気を用いた
燃料電池に適用することも可能である。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明は、電極内部へのイ
オン交換膜樹脂の付与を十分に行うとともに、電極内の
イオン交換膜樹脂内部にも超微粒子の触媒を添加するこ
とによって、水素などの燃料ガスもしくは酸素などの酸
化剤ガスの供給路となる撥水処理炭素微粉末の形成する
ガスチャネルと、イオン交換膜樹脂が形成するプロトン
導電チャネルと、炭素微粉末材料の形成する電子伝導チ
ャネルの3つの相が、同じ触媒層内部の極近傍に形成さ
れ、かつ、イオン交換膜樹脂内部の超微粒子の触媒と炭
素微粉末上に高分散された触媒によって、広い反応面積
が確保されることによって、水素及び酸素ガスの供給
と、プロトン及び電子の伝達がスムーズかつ広範囲に行
われるようになり、より高い放電性能を発揮するイオン
交換膜燃料電池を実現することが可能となる。
オン交換膜樹脂の付与を十分に行うとともに、電極内の
イオン交換膜樹脂内部にも超微粒子の触媒を添加するこ
とによって、水素などの燃料ガスもしくは酸素などの酸
化剤ガスの供給路となる撥水処理炭素微粉末の形成する
ガスチャネルと、イオン交換膜樹脂が形成するプロトン
導電チャネルと、炭素微粉末材料の形成する電子伝導チ
ャネルの3つの相が、同じ触媒層内部の極近傍に形成さ
れ、かつ、イオン交換膜樹脂内部の超微粒子の触媒と炭
素微粉末上に高分散された触媒によって、広い反応面積
が確保されることによって、水素及び酸素ガスの供給
と、プロトン及び電子の伝達がスムーズかつ広範囲に行
われるようになり、より高い放電性能を発揮するイオン
交換膜燃料電池を実現することが可能となる。
【図1】本発明の実施例におけるイオン交換膜燃料電池
用電極の製造工程を示す図
用電極の製造工程を示す図
【図2】本発明の実施例における白金酸化物コロイドの
製造工程を示す図
製造工程を示す図
【図3】比較例におけるイオン交換膜燃料電池用電極の
製造工程を示す図
製造工程を示す図
【図4】本発明の実施例におけるイオン交換膜燃料電池
の単電池の模式断面図
の単電池の模式断面図
【図5】イオン交換膜燃料電池の電圧−電流特性を示す
図
図
【図6】イオン交換膜樹脂の添加量と電池電圧の関係を
示す図
示す図
【図7】白金酸化物コロイドの添加量と電池電圧の関係
を示す図
を示す図
10 イオン交換膜 11 負極 12 正極
Claims (8)
- 【請求項1】貴金属触媒を担持した炭素微粉末とフッ素
樹脂で撥水処理した炭素微粉末とを混合し、この混合粉
末を多孔質導電性電極基板上に加圧成型した電極成型体
上に、低級飽和一価アルコールの水溶液にイオン交換膜
樹脂と白金酸化物のコロイド分散液を加えた混合分散液
を、電極基板の下方から吸引した状態で、塗布したこと
を特徴とするイオン交換膜燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項2】上記イオン交換膜樹脂の添加量が、電極面
積当たり0.1〜3.0mg/cm2である請求項1記載の
イオン交換膜燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項3】上記イオン交換膜樹脂として、テトラフル
オロエチレンとパーフルオロビニルエーテルとの共重合
体からなる高分子電解質を用いたことを特徴とする請求
項1記載のイオン交換膜燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項4】上記白金酸化物のコロイド分散液として、
塩化白金酸水溶液(H 2PtCl6)に還元剤として亜硫
酸水素ナトリウム(NaHSO3)、コロイド凝集防止
剤として過酸化水素(H2O2)を添加して作成した白金
酸化物のコロイドを用いたことを特徴とする請求項1記
載のイオン交換膜燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項5】上記白金酸化物のコロイド分散液の添加量
が、電極面積当たりの白金重量で0.01〜0.5mg/
cm2である請求項1記載のイオン交換膜燃料電池用電極
の製造方法。 - 【請求項6】上記白金酸化物のコロイド状白金粒子の直
径が、1〜2.5nmの範囲にある請求項1記載のイオ
ン交換膜燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項7】上記低級飽和一価アルコールとして、プロ
ピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアル
コール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコールからなる炭素数4以
下のアルコールのうちの少なくとも1つを用いた請求項
1記載のイオン交換膜燃料電池用電極の製造方法。 - 【請求項8】貴金属触媒を担持した炭素微粉末とフッ素
樹脂で撥水処理した炭素微粉末とを混合し、この混合粉
末を多孔質導電性電極基板上に加圧成型した電極成型体
上に、低級飽和一価アルコールの水溶液にイオン交換膜
樹脂と白金酸化物のコロイド分散液を加えた混合分散液
を、電極基板の下方から吸引した状態で、塗布された電
極を、正極または負極の少なくともどちらかに用いたイ
オン交換膜燃料電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4000624A JP3055283B2 (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | イオン交換膜燃料電池用電極の製造方法及びイオン交換膜燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4000624A JP3055283B2 (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | イオン交換膜燃料電池用電極の製造方法及びイオン交換膜燃料電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05182672A true JPH05182672A (ja) | 1993-07-23 |
JP3055283B2 JP3055283B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=11478886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4000624A Expired - Fee Related JP3055283B2 (ja) | 1992-01-07 | 1992-01-07 | イオン交換膜燃料電池用電極の製造方法及びイオン交換膜燃料電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3055283B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0888011A (ja) * | 1994-09-19 | 1996-04-02 | Hitachi Ltd | 固体高分子電解質型燃料電池 |
WO1999021239A1 (de) * | 1997-10-17 | 1999-04-29 | Axiva Gmbh | Polymerstabilisierte metallkolloid-lösungen, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung als katalysatoren für brennstoffzellen |
JP2005135752A (ja) * | 2003-10-30 | 2005-05-26 | Japan Science & Technology Agency | 燃料電池用酸素還元反応触媒 |
JP2006332041A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-12-07 | Canon Inc | 固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層及びその製造方法、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 |
JP2014101240A (ja) * | 2012-11-19 | 2014-06-05 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 白金酸化物コロイド溶液並びにその製造方法及び製造装置 |
WO2019064931A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-04 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 白金酸化物コロイド溶液、白金酸化物コロイド溶液の製造方法及び白金酸化物コロイド溶液の注入装置 |
-
1992
- 1992-01-07 JP JP4000624A patent/JP3055283B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0888011A (ja) * | 1994-09-19 | 1996-04-02 | Hitachi Ltd | 固体高分子電解質型燃料電池 |
WO1999021239A1 (de) * | 1997-10-17 | 1999-04-29 | Axiva Gmbh | Polymerstabilisierte metallkolloid-lösungen, verfahren zu ihrer herstellung und ihre verwendung als katalysatoren für brennstoffzellen |
JP2005135752A (ja) * | 2003-10-30 | 2005-05-26 | Japan Science & Technology Agency | 燃料電池用酸素還元反応触媒 |
JP2006332041A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-12-07 | Canon Inc | 固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層及びその製造方法、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 |
JP2014101240A (ja) * | 2012-11-19 | 2014-06-05 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 白金酸化物コロイド溶液並びにその製造方法及び製造装置 |
WO2019064931A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2019-04-04 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 白金酸化物コロイド溶液、白金酸化物コロイド溶液の製造方法及び白金酸化物コロイド溶液の注入装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3055283B2 (ja) | 2000-06-26 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP1879249B1 (en) | Hydrophobic catalyst layer for solid polymer fuel cell, method for producing same, solid polymer fuel cell and method for manufacturing same | |
JP4144686B2 (ja) | 高分子電解質型燃料電池の製造方法 | |
JP5013740B2 (ja) | 固体高分子型燃料電池の疎水性触媒層及びその製造方法、固体高分子型燃料電池及びその製造方法 | |
US6060187A (en) | Solid polymer type fuel cell and method for manufacturing the same | |
US9537156B2 (en) | Method for making membrane-electrode assembly for fuel cell and method for making fuel cell system comprising the same | |
EP1347526B1 (en) | Membrane electrode assembly (MEA), production method and fuel cell employing the same | |
JPH07183035A (ja) | 固体高分子型燃料電池とその製造方法 | |
JP2002042825A (ja) | 燃料電池用電極触媒、その製造方法および燃料電池 | |
US7700219B2 (en) | Structure having three-dimensional network skeleton, method for producing the structure, and fuel cell including the structure | |
JP2009021226A (ja) | 燃料電池用膜電極接合体および燃料電池 | |
KR100514563B1 (ko) | 연료 전지 | |
JP2006049110A (ja) | 燃料電池用触媒、それを用いた膜電極接合体、その製造方法及び燃料電池 | |
JPH0888007A (ja) | 固体高分子型燃料電池およびその電極 | |
JP2836275B2 (ja) | 液体燃料電池用触媒の製造方法及びその電極の製造方法 | |
JP2006019300A (ja) | 燃料電池用電極,燃料電池,燃料電池用電極の製造方法 | |
KR100578970B1 (ko) | 연료 전지용 전극 및 이를 포함하는 연료 전지 | |
JP5126812B2 (ja) | 直接酸化型燃料電池 | |
JP5079195B2 (ja) | 燃料電池用ガス拡散電極およびその製造法 | |
JP2005228755A (ja) | 高分子電解質型燃料電池 | |
JP2007501496A (ja) | 界面抵抗を減少させたハイブリッド膜・電極接合体及びその作製方法 | |
JP3055283B2 (ja) | イオン交換膜燃料電池用電極の製造方法及びイオン交換膜燃料電池 | |
JP2007213988A (ja) | 高分子電解質型燃料電池用電極触媒層、その製造方法および高分子電解質型燃料電池 | |
JP3097258B2 (ja) | イオン交換膜燃料電池用電極の製造方法 | |
JP2003059511A (ja) | 燃料電池用電解質膜−電極接合体、その製造方法、および高分子電解質型燃料電池 | |
US20050147868A1 (en) | Fuel cell |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080414 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090414 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100414 Year of fee payment: 10 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |