JPH05182658A - 亜鉛アルカリ電池用負極集電体の製造方法 - Google Patents

亜鉛アルカリ電池用負極集電体の製造方法

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JPH05182658A
JPH05182658A JP3359073A JP35907391A JPH05182658A JP H05182658 A JPH05182658 A JP H05182658A JP 3359073 A JP3359073 A JP 3359073A JP 35907391 A JP35907391 A JP 35907391A JP H05182658 A JPH05182658 A JP H05182658A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 0.15重量%未満の低汞化、更には無汞化
の亜鉛合金粒子を負極活物質として使用する亜鉛アルカ
リ電池の負極集電体を改良することにより無用のガス発
生反応が生じず、長期保存に於ける耐漏液性能上問題の
ない電池を提供すること。 【構成】 従来から使われている銅または銅合金からな
る負極集電体の表面を、インジウム、ガリウム、ビスマ
ス及びスズから選ばれた1種以上の金属で被覆して、こ
れを集電体として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低汞化或いは無汞化の
亜鉛合金粒子を負極活物質とする亜鉛アルカリ電池に用
いられる亜鉛アルカリ電池用負極集電体の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から使用されている亜鉛アルカリ電
池のうちで、例えば円筒状の亜鉛アルカリ電池は、良く
知られているように、有底円筒状の正極缶の内側に二酸
化マンガンと黒鉛とからなる正極が円筒状に形成され、
この正極の内側に円筒状のセパレータが同芯に装填さ
れ、このセパレータの内側に亜鉛合金粒子(負極活物
質)とゲル状のアルカリ電解液とからなる負極が充填さ
れ、この負極の中心に真鍮からなる釘状の負極集電体の
先端部側が挿入され、正極缶の開口部は封口用ガスケッ
ト(封口体)と負極端子板とで密閉され、負極集電体の
基端部は封口用ガスケットの中心を貫通して負極端子板
の裏側にスポット溶接等で接合された構造になっている
(図1参照)。
【0003】ここで、負極活物質に用いられている亜鉛
合金粒子は表面が水銀で汞化され、これによりアルカリ
電解液中における亜鉛合金粒子の水素過電圧が高めら
れ、亜鉛合金粒子の腐食が抑制され、無用のガス発生が
阻止され、放電性能及び貯蔵性能が向上させられてい
る。
【0004】また、負極集電体としては、従来より特開
昭52−71635号に記載されているように、銅、真
鍮、カドミウム、スズ、金、銀等の水素過電圧の高い材
料をそのまま用いたり、集電体の内部材料として鉄を用
い、その表面に銅、真鍮、カドミウム、スズ、金、銀等
をメッキしたり、はり合せたりして被覆したものが用い
られていた。現在は、或る程度の機械的強度を有し、加
工性に富み、且つ安価である真鍮が極一般的に使用され
ている。
【0005】ところで、近年、低公害化の為に、電池内
の含有水銀量を低減させることが社会的ニーズとして高
まり、種々研究がなされ、現在は水銀を0.15重量%
程度に低減させた低汞化亜鉛合金粒子が負極活物質とし
て用いられており、更には無汞化の亜鉛合金粒子を負極
活物質に用いる検討が盛んに行なわれている。このよう
な中にあって、特開昭59−205155号や特開昭6
0−221958号に記載されているように集電体(集
電体素体)の表面にカドミウムやインジウム等の水素過
電圧の高い材料を被覆することが再提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
先行技術文献には、負極集電体(集電体素体)の表面を
被覆する方法としては、工業的に能率よく大量生産する
ことを伺わせる具体的な被覆方法は例示されていない。
本発明は低コストで大量生産が可能な負極集電体の被覆
方法を提供し、それにより無汞化の亜鉛アルカリ電池を
工業的に実現させることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この目的
に沿って鋭意研究した結果、銅または銅合金からなる従
来から使用されてきた負極集電体(負極集電体素体)
と、インジウム、ガリウム、ビスマス及びスズから選ば
れた1種以上の金属粒子とを非酸化性雰囲気中で徐々に
加熱しながら混合撹拌することによって上記問題点を解
決したものである。本発明の負極集電体の製造方法を採
用する場合は、同一装置を利用して無汞化負極集電体と
無汞化亜鉛合金粒子を製造することができるという利点
がある。また湿式メッキ手法の場合のように洗浄や乾燥
などの工程が無くて、工程全体が簡単である。
【0008】
【作用】非酸化性雰囲気中にて行なう理由は、酸化を
防止し、負極集電体素体表面がインジウム、ガリウム、
ビスマス及びスズ等で完全に被覆されるようするもので
ある。具体的には窒素雰囲気、アルゴン雰囲気、真空等
が実用的である。
【0009】従来から用いられて来た銅又は銅合金か
らなる負極集電体(集電体素体)表面にインジウム、ガ
リウム及びスズ等を被覆する理由は、電池用無汞化亜鉛
合金粒子の場合と同様、電池用電解液に対する水素過電
圧の高い表面とすることにより電池内に組み込まれた際
の無用のガス発生反応を抑制するものである。
【0010】そして、負極集電体素体と被覆用金属粒
子とを加熱しながら混合することは、まず加熱により集
電体素体表面及び被覆用金属粒子表面ともに活性にな
り、被覆用金属が集電体素体表面に移行しやすくなり、
混合することによって被覆の均一性を持たせるものであ
る。
【0011】
【実施例】
実施例1: 加熱手段を備えた内容積500リットルの
混合装置内に真鍮製のLR6型電池用の負極集電体素体
10,000本(33kg)とインジウム粒子7gとを
入れ、混合装置内の雰囲気を窒素ガスで置換し、混合装
置を駆動させて負極集電体素体とインジウム粒子とを混
合させながら、混合装置内の温度をインジウムの融点
(156℃)よりも5〜40℃高目の温度まで昇温さ
せ、この温度で負極集電体素体とインジウム粒子とを1
時間混合し、その後、負極集電体素体とインジウム粒子
を混合させながら冷却し、インジウムで被覆した負極集
電体を得た。
【0012】次に、この負極集電体を用いて図1に示す
ようなLR6型の亜鉛アルカリ電池を作成した。同図に
おいて、1は正極缶、2は負極端子板、3は封口体、4
は本発明に係わる負極集電体、5は二酸化マンガンに黒
鉛を混合して加圧成形した正極、6はセパレーター、7
はKOH40重量%水溶液に酸化亜鉛を飽和させた電解
液をポリアクリル酸等を用いてゲル化し、このゲル中に
亜鉛合金粒子を分散させた負極である。負極の亜鉛合金
粒子としてはインジウム0.55重量%、ビスマス0.
02重量%、アルミニウム0.03重量%の無汞化品を
使用した。
【0013】そして、この亜鉛アルカリ電池を60℃で
30日、60日、90日間保存し、100個当たりの漏
液個数を調べたところ、表1に示すように、30日保
存、60日保存、90日保存のいずれにも漏液が見られ
なかった。
【0014】実施例2: 被覆金属をガリウム(融点3
0℃)とした以外は実施例1と同様にして負極集電体を
作成し、この負極集電体を用いて実施例1と同様の亜鉛
アルカリ電池を作成し、実施例1と同様の条件で亜鉛ア
ルカリ電池の漏液個数を調べたところ、表1に示すよう
に、30日保存、60日保存、90日保存のいずれにも
漏液が見られなかった。
【0015】実施例3: 被覆金属をビスマス(融点2
71℃)とした以外は実施例1と同様にして負極集電体
を作成し、この負極集電体を用いて実施例1と同様の亜
鉛アルカリ電池を作成し、実施例1と同様の条件で亜鉛
アルカリ電池の漏液個数を調べたところ、表1に示す
よ、30日保存、60日保存、90日保存のいずれにも
漏液が見られなかった。
【0016】実施例4: 被覆金属をスズ(融点232
℃)とした以外は実施例1と同様にして負極集電体を作
成し、この負極集電体を用いて実施例1と同様の亜鉛ア
ルカリ電池を作成し、実施例1と同様の条件で亜鉛アル
カリ電池の漏液個数を調べたところ、表1に示すよう
に、30日保存、60日保存、90日保存のいずれにも
漏液が見られなかった。
【0017】実施例5: 被覆金属をIn50wt%−
Bi50wt%とした以外は実施例1と同様にして負極
集電体を作成し、この負極集電体を用いて実施例1と同
様の亜鉛アルカリ電池を作成し、実施例1と同様の条件
で亜鉛アルカリ電池の漏液個数を調べたところ、表1に
示すように、30日保存、60日保存、90日保存のい
ずれにも漏液が見られなかった。
【0018】実施例6: 負極集電体素体と被覆金属
(インジウム)粒子とを混合する雰囲気をアルゴンとし
た以外は実施例1と同様にして負極集電体を作成し、こ
の負極集電体を用いて実施例1と同様の亜鉛アルカリ電
池を作成し、実施例1と同様の条件で亜鉛アルカリ電池
の漏液個数を調べたところ、表1に示すように、30日
保存、60日保存、90日保存のいずれにも漏液が見ら
れなかった。
【0019】比較例1: 負極集電体素体と被覆金属
(インジウム)粒子とを大気雰囲気中で混合した以外は
実施例1と同様にして負極集電体を作成し、この負極集
電体を用いて亜鉛アルカリ電池を作成し、実施例1と同
様の条件でこの亜鉛アルカリ電池の漏液個数を調べたと
ころ、表1に示すように、30日保存で漏液個数が0、
60日保存で15個が漏液し、90日保存で更に20個
が漏液した。
【0020】比較例2: 従来から使用されている負極
集電体(インジウム等の金属を被覆してない負極集電体
素体のままのもの)を使用して実施例1と同様の亜鉛ア
ルカリ電池を作成し、実施例1と同様の条件でこの亜鉛
アルカリ電池の漏液個数を調べたところ、表1に示すよ
うに、30日保存で20個が漏液し、60日保存で更に
45個が漏液し、90日保存で更に15個が漏液した。
【0021】
【表1】
【0022】以上、説明したように、比較例1,2の負
極集電体を用いた亜鉛アルカリ電池では多くの漏液が見
られたのに対し、本発明に係わる負極集電体(実施例1
〜6)を用いたLR6型電池では、90日保存で電池1
00個当りの漏液個数は零であり、本発明に係る負極集
電体を用いた亜鉛アルカリ電池が優れた耐漏液性能を有
していることがわかる。
【0023】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、徐々に
加熱混合することによって、水素過電圧の高い金属を薄
く均一に被覆することができ、しかも比較的軟質の負極
集電体を変形させることなく、一度に、多量に処理する
ことができる。尚、この方式は乾式である為、湿式メッ
キ手法の場合のような洗浄、乾燥工程を必要とせず、簡
単に出来るという利点がある。そして、本発明は電池全
体として無汞化を実現させ、使用済電池からの資源リサ
イクルを容易にするという効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】LR6型の亜鉛アルカリ電池の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
1 正極缶 2 負極端子板 3 封口体 4 負極集電体 5 正極 6 セパレーター 7 負極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栗村 正明 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 エクセル株式会社内 (72)発明者 赤井 泰夫 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 エクセル株式会社内 (72)発明者 矢野 睦 大阪府守口市京阪本通2丁目18番地 三洋 電機株式会社内 (72)発明者 三重野 栄一郎 群馬県安中市中宿1443番地 東邦亜鉛株式 会社技術研究所内 (72)発明者 関口 亘 群馬県安中市中宿1443番地 東邦亜鉛株式 会社技術研究所内 (72)発明者 中川 淳三 群馬県安中市中宿1443番地 東邦亜鉛株式 会社技術研究所内 (72)発明者 赤沢 隆則 群馬県安中市中宿1443番地 東邦亜鉛株式 会社技術研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非酸化性雰囲気中において、銅又は銅合
    金からなる負極集電体素体と、インジウム、ガリウム、
    ビスマス及びスズから選ばれた1種以上の金属粒子とを
    加熱しながら混合することを特徴とする亜鉛アルカリ電
    池用負極集電体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0785877A (ja) * 1993-09-10 1995-03-31 Toshiba Battery Co Ltd ボタン形アルカリ電池
JP2005100805A (ja) * 2003-09-25 2005-04-14 Toshiba Battery Co Ltd ボタン型アルカリ電池
WO2006095683A1 (ja) * 2005-03-07 2006-09-14 Fukui Byora Co., Ltd. 乾電池用負極集電体
WO2008029762A1 (en) * 2006-09-04 2008-03-13 Fukui Byora Co., Ltd. Dry cell negative electrode collector

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