JP2005100805A - ボタン型アルカリ電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】水銀を無添加にした場合にも、電池内部の水素ガス発生を抑制し、性能劣化を防いだ高性能なボタン型アルカリ電池を提供する。
【解決手段】負極集電体1を兼ねた負極ケース内に、亜鉛合金粉、アルカリ電解液およびゲル化剤で構成されたゲル状亜鉛負極2を有するボタン型アルカリ電池において、前記負極集電体表面にAu,Ag,Ptの中から選ばれる少なくとも1種が被覆され、更に必要に応じて該被覆層の表面にSn、Znの中から選ばれる少なくとも1種が被覆されている。
【選択図】図1
【解決手段】負極集電体1を兼ねた負極ケース内に、亜鉛合金粉、アルカリ電解液およびゲル化剤で構成されたゲル状亜鉛負極2を有するボタン型アルカリ電池において、前記負極集電体表面にAu,Ag,Ptの中から選ばれる少なくとも1種が被覆され、更に必要に応じて該被覆層の表面にSn、Znの中から選ばれる少なくとも1種が被覆されている。
【選択図】図1
Description
本発明はボタン型アルカリ電池に係り、特に水銀無添加でも電池内部の水素ガス発生を抑制し、貯蔵中の性能劣化を防止した高性能なボタン型アルカリ電池に関する。
亜鉛を負極とするボタン型アルカリ電池には、用途に応じて二酸化マンガン、酸化銀あるいは空気中の酸素を正極活物質とする各種電池がある。
従来、ボタン型に限らず亜鉛を負極とするアルカリ電池にはゲル状亜鉛負極中に水銀が添加されていた。この水銀は、亜鉛合金粉や負極集電体の表面を覆い、それらの水素過電圧を高めて水素ガスの発生を抑制していた。しかしながら、近年の生活環境への関心の高まりの中で、少量とはいえ有害な水銀が電池中に含有されていることは問題であり、水銀を使用しない電池の開発が望まれていた。
従来、ボタン型に限らず亜鉛を負極とするアルカリ電池にはゲル状亜鉛負極中に水銀が添加されていた。この水銀は、亜鉛合金粉や負極集電体の表面を覆い、それらの水素過電圧を高めて水素ガスの発生を抑制していた。しかしながら、近年の生活環境への関心の高まりの中で、少量とはいえ有害な水銀が電池中に含有されていることは問題であり、水銀を使用しない電池の開発が望まれていた。
ところで、電池に水銀を使用しなければ、当然、亜鉛合金粉や負極集電体からの水素ガス発生が増大し、電池の膨れや漏液、貯蔵中の大幅な性能劣化等の問題が発生するため、これらへの対策が必要になる。
そこで、これらの問題を解決するために、特許文献1や特許文献2に記載されているように、インジウム、ビスマス、鉛等を添加した腐食しにくい亜鉛合金粉を使用したり、腐食抑制剤としてインジウム化合物をゲル状亜鉛負極に含有させたりした。また、亜鉛合金粉の腐食を抑制する界面活性剤をゲル状亜鉛負極中に添加することも提案されている。これらの技術は、既に円筒型アルカリ電池では使われており、水銀無添加の電池も発売されている。
特開平8−213031号公報
特開平8−222233号公報
ところが、円筒型アルカリ電池では発生した水素ガスをある程度受けとめられるスペースがあるが、ボタン型アルカリ電池ではこのスペースがなく、電池内部のガス発生がほとんど許されない。そのために、円筒型アルカリ電池と同様の技術をそのまま適用しても水素ガスの抑制が不十分で、電池の膨れ等の問題を生じてしまう。また、インジウム化合物や界面活性剤の含有量を増やせば、水素ガス抑制の効果は大きくなるが、電池性能に悪影響を及ぼしてしまい、特に界面活性剤は影響が大きい上に効果を得るためには多量に添加する必要があり、電池の電気特性や放電性能の悪化につながってしまう。さらに、これらの技術では、亜鉛合金粉からの水素ガス発生は抑制できても負極集電体からの水素ガス発生には効果がほとんどない。また、ボタン型アルカリ電池では負極集電体からのガス発生も大きな問題であり、これを抑制することも必要である。
本発明は、上記事情に対処するためになされたもので、その課題は、水銀を無添加にした場合にも、電池内部の水素ガス発生を抑制し、性能劣化を防いだ高性能なボタン型アルカリ電池を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、負極集電体を兼ねた負極ケース内に、亜鉛合金粉、アルカリ電解液およびゲル化剤で構成されたゲル状亜鉛負極を有するボタン型アルカリ電池において、前記負極集電体表面にAu,Ag,Ptの中から選ばれる少なくとも1種が被覆されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボタン型アルカリ電池において、被覆された前記集電体表面にさらにSn,Znの中から選ばれる少なくとも1種が被覆されていることを特徴とする。
本発明のボタン型アルカリ電池において、その明確な作用機構は明らかでないが、次のように推察される。電池反応により放電負極活物質がすべて消費され過放電状態になると負極集電体が反応、消費され、その反応により水素ガスが発生する。この水素ガスの発生は、Au,Ag,Ptのように反応電位の高い物質で負極集電体表面を被覆させることにより防止できる。また、放電負極活物質と負極集電体が接することにより電気の流れが生じているが、同時に放電負極活物質と負極集電体が電池状態になってしまい、その反応によっても水素ガスが発生する。この水素ガスの発生は、負極集電体表面を負極活物質と等しいかあるいは近い反応電位であるSn,Znで被覆することにより防止できる。
本発明によれば、水銀無添加でも電池内部の水素ガス発生を抑制し、貯蔵中の性能劣化を防止した高性能なボタン型アルカリ電池を提供することができる。
本発明の最良の実施形態は、負極集電体を兼ねた負極ケース内に、亜鉛合金粉、アルカリ電解液およびゲル化剤で構成されたゲル状亜鉛負極を有するボタン型アルカリ電池において、負極集電体表面にAu,Ag,Ptの中から少なくとも1種の金属が被覆されていることである。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にAuを電気メッキで被覆し、これを図1に示すようなPR44型空気亜鉛電池用の負極集電体1を兼ねた負極ケースに成形した。一方、亜鉛合金粉、35質量%水酸化カリウム水溶液、ポリアクリル酸を攪拌混合してゲル状亜鉛負極2を調整した。上記負極ケースとゲル状亜鉛負極を用いて、図1に示すようなPR44型空気亜鉛電池を作成した。ここで、3はセパレータ、4はパッキング、5は正極触媒、6は集電ネット、7は正極缶、8はテフロン(商標)膜、9は空気拡散紙、10は空気孔である。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にAgを電気メッキで被覆した以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にPtを電気メッキで被覆した以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にAuを電気メッキで被覆し、さらにAuメッキを施した部分に電気メッキでSnを被覆した以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にAuを電気メッキで被覆し、さらにAuメッキを施した部分に電気メッキでZnを被覆した以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にAgを電気メッキで被覆し、さらにAuメッキを施した部分に電気メッキでSnを被覆した以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にAgを電気メッキで被覆し、さらにAuメッキを施した部分に電気メッキでZnを被覆した以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にPtを電気メッキで被覆し、さらにAuメッキを施した部分に電気メッキでSnを被覆した以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材の銅面にPtを電気メッキで被覆し、さらにAuメッキを施した部分に電気メッキでZnを被覆した以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
(比較例1)
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材をそのまま用いた以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材をそのまま用いた以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
(比較例2)
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材をそのまま用いて、亜鉛合金粉を3%汞化させた以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
以上のように作成した実施例および比較例の各電池の電池総高、開路電圧および内部抵抗を測定した。また、620Ω連続放電容量を測定し、本発明品の放電性能を調査した。さらに、未放電および放電評価後の電池を60℃−90%RHで30日間貯蔵した後、漏液を調査した。表1にこれらの試験結果を示す。
ニッケル−ステンレス−銅の3層クラッド材をそのまま用いて、亜鉛合金粉を3%汞化させた以外は実施例1と同様な方法でPR44型空気亜鉛電池を作成した。
以上のように作成した実施例および比較例の各電池の電池総高、開路電圧および内部抵抗を測定した。また、620Ω連続放電容量を測定し、本発明品の放電性能を調査した。さらに、未放電および放電評価後の電池を60℃−90%RHで30日間貯蔵した後、漏液を調査した。表1にこれらの試験結果を示す。
この表1から明らかなように、被覆処理を施した実施例1〜9の電池の各特性は良好で、比較例2の汞化した亜鉛を使用した場合と比較しても劣っていない。しかし、未被覆処理で汞化していない亜鉛を使用している比較例1の電池は多数の漏液が確認できる。
以上のように請求項1に記載のように、負極集電体表面にAu,Ag,Ptの中から少なくとも1種の金属が被覆する処理を施すことにより、水銀を使用しないボタン型アルカリ電池において従来から問題になっていたガス発生を抑制させることができる。さらに請求項2に記載のように、被覆された集電体表面にさらにSn,Znの中から少なくとも1種の金属が被覆する処理を施すことにより、組み立て後のガス発生も同時に抑制させることができる。
本発明は上記実施例のみに限定されるものではなく、本発明に直接影響を及ぼさない、亜鉛合金粉、ゲル化剤、電解液濃度、正極触媒、負極ケース素材等の要素については本発明の範囲を逸脱しない限り、変更して差し支えない。また、実施例、比較例に使用した電池は空気亜鉛電池であるが、負極集電体を兼ねた負極ケースを使用したようなボタン型の電池すべてに該当する技術である。
1…負極集電体、2…ゲル状亜鉛負極、3…セパレータ、4…パッキング、5…正極触媒、6…集電ネット、7…正極缶、8…テフロン(商標)膜、9…空気拡散紙、10…空気孔。
Claims (2)
- 負極集電体を兼ねた負極ケース内に、亜鉛合金粉、アルカリ電解液およびゲル化剤で構成されたゲル状亜鉛負極を有するボタン型アルカリ電池において、前記負極集電体表面にAu,Ag,Ptの中から選ばれる少なくとも1種が被覆されていることを特徴とするボタン型アルカリ電池。
- 被覆された前記集電体表面にさらにSn,Znの中から選ばれる少なくとも1種が被覆されていることを特徴とする請求項1に記載のボタン型アルカリ電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003333257A JP2005100805A (ja) | 2003-09-25 | 2003-09-25 | ボタン型アルカリ電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003333257A JP2005100805A (ja) | 2003-09-25 | 2003-09-25 | ボタン型アルカリ電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005100805A true JP2005100805A (ja) | 2005-04-14 |
Family
ID=34461305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003333257A Pending JP2005100805A (ja) | 2003-09-25 | 2003-09-25 | ボタン型アルカリ電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005100805A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11817591B2 (en) | 2020-05-22 | 2023-11-14 | Duracell U.S. Operations, Inc. | Seal assembly for a battery cell |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05182658A (ja) * | 1991-12-28 | 1993-07-23 | Sanyo Electric Co Ltd | 亜鉛アルカリ電池用負極集電体の製造方法 |
JPH07326358A (ja) * | 1994-06-02 | 1995-12-12 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | アルカリ電池 |
JPH0831428A (ja) * | 1994-07-15 | 1996-02-02 | Toshiba Battery Co Ltd | 負極集電体とそれを用いたボタン形アルカリ電池 |
-
2003
- 2003-09-25 JP JP2003333257A patent/JP2005100805A/ja active Pending
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