JPH0518140A - 鉄筋コンクリート構造物 - Google Patents

鉄筋コンクリート構造物

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JPH0518140A
JPH0518140A JP17665991A JP17665991A JPH0518140A JP H0518140 A JPH0518140 A JP H0518140A JP 17665991 A JP17665991 A JP 17665991A JP 17665991 A JP17665991 A JP 17665991A JP H0518140 A JPH0518140 A JP H0518140A
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JP
Japan
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reinforcing bars
steel
reinforced concrete
concrete structure
steel reinforcing
Prior art date
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Application number
JP17665991A
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English (en)
Inventor
Kouji Kitazawa
巧次 北沢
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】中小程度の地震に対しても確実な減衰性能が発
現する鉄筋コンクリート構造物を提供する。 【構成】鉄筋コンクリート構造物の構成部材、たとえば
耐震壁2のせん断補強筋20に、普通鋼鉄筋または高強
度鋼鉄筋20aと極軟鋼鉄筋20bとを混交して配筋す
る。普通鋼鉄筋または高強度鋼鉄筋20aは降伏せず、
極軟鋼鉄筋20bが降伏するような応力が地震により生
じた場合、これら2種の鉄筋のせん断力−変形線図を合
成して得られる履歴ループによるエネルギー吸収効果が
生じ、極軟鋼鉄筋20bの塑性変形による減衰性能が付
与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、中小程度の地震に対
しても確実な減衰性能が発現される鉄筋コンクリート構
造物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鉄筋コンクリート構造物におい
ては、地震発生時のエネルギーの吸収効果を考慮した強
度設計が耐震壁,柱,梁その他の構成部材についてなさ
れており、耐震壁では、その壁面に配筋したせん断補強
筋によってせん断耐力を向上させ、柱,梁では、その長
さ方向に配筋した主筋によって曲げ耐力を向上させてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鉄筋コンクリート構造物の各構成部材に配筋されるせん
断補強筋、主筋等の鉄筋の素材は、普通鋼または高強度
鋼であって、大地震に対して抵抗できるせん断耐力、曲
げ耐力をもつものが使用されている。したがって、これ
らの構成部材は、大地震発生時のエネルギーを吸収して
減衰させる性能についての問題は生じないが、中小程度
の地震に対しては弾性域内であるため減衰性能が弱く、
共振によって振幅が増大する現象が生じることがあり、
必ずしも十分な制振効果が発揮されないという問題があ
る。
【0004】この発明は、上記のような問題を解決する
ためになされたものであり、大地震だけでなく、中小地
震に対しても確実な減衰性能が発現される鉄筋コンクリ
ート構造物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明においては、鉄筋コンクリート構造物を構
成する少なくとも一種の部材の主筋またはせん断補強筋
に、普通鋼または高強度鋼からなる鉄筋と、極軟鋼から
なる鉄筋とを混交して配筋し、地震発生時においては、
構成部材の鉄筋のうち、極軟鋼からなる鉄筋がより早期
に降伏点に到達し、この鉄筋の塑性変形による減衰性能
が付与される構成としてある。
【0006】普通鋼鉄筋と極軟鋼鉄筋との2種の鉄筋を
配筋して構成された鉄筋コンクリート構造物における地
震エネルギー吸収機構の原理は、次のとおりである。 (1)普通鋼鉄筋と極軟鋼鉄筋との双方がせん断降伏す
る場合 普通鋼鉄筋と極軟鋼鉄筋とのせん断力Qと変形δとの関
係は、図1に示すようにそれぞれの降伏点に対応する力
M , QS によって生じた変形がδM ,δS であるとし
たとき、この力QM , QS を超える力が加わると塑性変
形する。同図のKM ,KS は各鉄筋のせん断剛性であ
る。この両者の特性を合成したときのせん断力と変形と
の関係は、図2に示すような履歴ループを描き、普通鋼
鉄筋が降伏する前に極軟鋼鉄筋が降伏点に到達する。
【0007】したがって、大地震が発生して普通鋼鉄筋
と極軟鋼鉄筋との双方が降伏点を超えた場合には、図2
の斜線で示す部分が極軟鋼鉄筋の塑性変形によって付与
されたエネルギー吸収効果として作用し、これが鉄筋コ
ンクリート構造物の地震による振動をより有効に減衰さ
せる制振力となる。 (2)極軟鋼鉄筋のみがせん断降伏する場合 普通鋼鉄筋のせん断力Qと変形δとの関係は、図3
(A)に示すように弾性域内での直線となり、力Qが零
に戻ったときの残留変形δは零になる。極軟鋼鉄筋のせ
ん断力Qと変形δとの関係は、図3(B)に示すような
履歴ループを描き、降伏点を超える力が加えられて塑性
変形したのち、力Qが零に戻ったときの残留変形はδ1
になる。この両者の線図を合成した関係を考えると、力
Qが零に戻ったときの残留変形は零とδ1 との中間値
(δ2 )となるから、極軟鋼鉄筋は(δ 1 −δ2 )に相
当するゆるみが生じ、せん断剛性には寄与しない状態に
なる。このため、力Qが零に近いときには、普通鋼鉄筋
のせん断剛性KM のみが有効になり、これよりも力Qが
わずかに増し、極軟鋼鉄筋のゆるみがなくなると、普通
鋼鉄筋と極軟鋼鉄筋とのせん断剛性の和(KM +KS
が剛性として寄与し、さらに力Qが増加して極軟鋼鉄筋
がせん断降伏すると、普通鋼鉄筋のせん断剛性KM のみ
が再び有効になる。
【0008】このような過程を総合して描いた線図が図
4に示す履歴ループであり、スリップのあるバイリニア
型のものとなる。したがって、中小地震が発生して極軟
鋼鉄筋のみが降伏点を超え、普通鋼鉄筋は降伏しない場
合においても、図4の履歴ループによるエネルギー吸収
効果として振動を減衰させる制振力のほか、スリップに
よるやじろべえ型の制振力が併せて付与される。
【0009】上記のエネルギー吸収機構は、降伏点の異
なる2種の鉄筋の双方または一方がせん断降伏する場合
について説明したが、これらの鉄筋が曲げ降伏する場合
についても、前記と同様の原理が成立し、曲げモーメン
トと曲率との関係を、前記と同様の形状をもつ履歴ルー
プによって表すことができる。なお、上記の地震エネル
ギー吸収機構の原理は、高強度鋼鉄筋と極軟鋼鉄筋とを
混交して配筋した場合においても、全く同様に成立する
ことはいうまでもない。
【0010】
【実施例】図5は鉄筋コンクリート造りの構造物1であ
り、この構造物1の耐震壁2にこの発明を適用した実施
例を図6に示す。耐震壁2に配筋された上下方向と左右
方向とに交差するせん断補強筋20は、普通鋼または高
強度鋼からなる鉄筋20aと、極軟鋼からなる鉄筋20
bとを交互に1条ずつ混交して用いた構成になってい
る。
【0011】図7に示す鉄筋コンクリート造りの構造物
1の柱3,梁4およびハンチ部5について、この発明を
適用した実施例を図8ないし図10に示す。図8は柱3
の実施例であり、同図(A)は外側と内側とに二重に配
筋された主筋30のうち、外側の主筋は普通鋼または高
強度鋼からなる鉄筋30aを用い、内側の主筋は極軟鋼
からなる鉄筋30bを用いてあり、同図(B)は一重に
配筋された主筋30のうち、四隅の主筋に普通鋼または
高強度鋼からなる鉄筋30aを、それ以外の主筋に極軟
鋼からなる鉄筋30bをそれぞれ用いてある。
【0012】図9は梁4の実施例であり、同図(A)は
引張側と圧縮側とにそれぞれ2段に配筋された主筋40
のうち、外側の主筋は普通鋼または高強度鋼からなる鉄
筋40aを用い、内側の主筋は極軟鋼からなる鉄筋40
bを用いてあり、同図(B)は1段に配筋された主筋の
うち、両端側の主筋に普通鋼または高強度鋼の鉄筋40
aを、それ以外の主筋に極軟鋼からなる鉄筋40bを、
それぞれ用いてある。
【0013】図10はハンチ部5のハンチ筋50に上記
と同様の配筋がなされている例である。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、鉄筋コンクリート構造物の主筋またはせん断補強筋
として、普通鋼または高強度鋼と極軟鋼との降伏点の異
なる2種の鉄筋を混交して配筋し、地震発生時に、これ
らの2種の鉄筋のそれぞれの特性を合成した履歴ループ
によるエネルギーの吸収原理に基づいて振動を減衰する
性能を付与しているため、大地震が発生した場合だけで
なく、中小地震が発生した場合においても共振現象を誘
発することなく、確実な減衰性能を発現する鉄筋コンク
リート構造物が得られる。
【0015】また、この発明によれば、降伏点の異なる
2種の鉄筋を配筋するという極めて簡単な構成によって
所期の制振効果を得ることができるから、特別な制振装
置を設置する必要がなく、制振用機器類の保守管理は全
く不要になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】普通鋼鉄筋と極軟鋼鉄筋とのせん断降伏時にお
ける力と変形との関係を示す線図である。
【図2】図1の普通鋼鉄筋と極軟鋼鉄筋とを合成したせ
ん断力と変形との関係を示す線図である。
【図3】普通鋼鉄筋の弾性域内におけるせん断力と変形
との関係を示す線図(A)および極軟鋼鉄筋がせん断降
伏により塑性変形した後、力を零に戻すまでのせん断力
と変形との関係を示す履歴ループ図(B)である。
【図4】図3(A)と図3(B)とを合成したせん断力
と変形との関係を示す履歴ループ図である。
【図5】鉄筋コンクリート構造物を示す正面概要図であ
る。
【図6】この発明の耐震壁の配筋の一例を示す正面図
(A)と平面断面図(B)である。
【図7】鉄筋コンクリート構造物の側面概要図である。
【図8】この発明の柱の第1および第2の配筋例を示す
概要図である。
【図9】この発明の梁の第1および第2の配筋例を示す
断面図である。
【図10】この発明のハンチ部の配筋例を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
2 耐震壁 20 せん断補強筋 20a 普通鋼鉄筋または高強度鋼鉄筋 20b 極軟鋼鉄筋 3 柱 30 主筋 30a 普通鋼鉄筋または高強度鋼鉄筋 30b 極軟鋼鉄筋 4 梁 40 主筋 40a 普通鋼鉄筋または高強度鋼鉄筋 40b 極軟鋼鉄筋 5 ハンチ部 50 ハンチ筋

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 鉄筋コンクリート構造物を構成する少な
    くとも一種の部材の主筋またはせん断補強筋に、普通鋼
    または高強度鋼からなる鉄筋と極軟鋼からなる鉄筋とを
    混交して配筋し、地震発生時に、前記2種の鉄筋のう
    ち、極軟鋼からなる鉄筋がより早期に降伏点に到達し、
    この鉄筋の塑性変形による減衰性能が付与される構成と
    したことを特徴とする鉄筋コンクリート構造物。
JP17665991A 1991-07-17 1991-07-17 鉄筋コンクリート構造物 Pending JPH0518140A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003062564A1 (es) * 2002-01-23 2003-07-31 Rigoberto De Leon Fierro Paredes con losetas machihembradas y estructura metalica, para multiples usos como piso, pared, barda, gradas
JP2009275809A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Kajima Corp 復元機能付きエネルギ吸収装置
CN103967161A (zh) * 2014-05-23 2014-08-06 香港华艺设计顾问(深圳)有限公司 一种对应构件不屈服性能状态所需钢筋面积的配筋方法

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WO2003062564A1 (es) * 2002-01-23 2003-07-31 Rigoberto De Leon Fierro Paredes con losetas machihembradas y estructura metalica, para multiples usos como piso, pared, barda, gradas
JP2009275809A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Kajima Corp 復元機能付きエネルギ吸収装置
CN103967161A (zh) * 2014-05-23 2014-08-06 香港华艺设计顾问(深圳)有限公司 一种对应构件不屈服性能状态所需钢筋面积的配筋方法

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