JPH05180813A - 溶接ビードセンサを有する移動ロボットの制御方法 - Google Patents

溶接ビードセンサを有する移動ロボットの制御方法

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JPH05180813A
JPH05180813A JP3346860A JP34686091A JPH05180813A JP H05180813 A JPH05180813 A JP H05180813A JP 3346860 A JP3346860 A JP 3346860A JP 34686091 A JP34686091 A JP 34686091A JP H05180813 A JPH05180813 A JP H05180813A
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robot
bead
welding
sensor
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宗紀 拓植
Toshio Nakamura
寿夫 中村
Yasuhito Tanaka
康仁 田中
Kayoko Hayakawa
佳代子 早川
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Tokyo Gas Co Ltd
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Tokyo Gas Co Ltd
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
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    • G01N2291/26Scanned objects
    • G01N2291/269Various geometry objects
    • G01N2291/2695Bottles, containers

Abstract

(57)【要約】 【目的】 台車座標系がロボットの移動につれてずれて
行く量を考慮にいれて溶接ビードセンサを有する移動ロ
ボットを実際に溶接線にならって走行させる。 【構成】 ビードセンサ15の走査が起動されビード位
置データを採取し終える1サンプリング間隔毎に、ビー
ドセンサから求められる溶接線上の2点から既知の台車
中心線までの距離l1 ,l2 と、プラニメータから得ら
れるロボットの移動量ΔVL と、垂直センサ56から得
られるロボットの姿勢角Vaとの3者を1セットとして
入力し、採取した距離データl1 ,l2 を採取が完了し
た現在時刻での値に変換し、これを前回までのデータと
共に利用して最小二乗法で溶接線の直線方程式ax+b
を求め、次回1サンプリング間隔の移動において、前回
求めた方程式をロボット移動量ΔVL 分だけ座標変換し
て溶接線方程式の推定値として使用し、得られたロボッ
トと溶接線の関係から溶接線と台車中心との距離がゼロ
となるように上記姿勢角Vaを制御して、ロボットを溶
接線にならうよう制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無軌道式超音波探傷走
行装置のような移動ロボットを溶接線にならって移動さ
せるための制御方法、特に台車走行方向と交叉する方向
に直線的に密に配列した多数のコイルを1個分づつ走査
してビード位置を渦流探傷する溶接ビードセンサを複数
有する移動ロボットの制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、タンク,原子炉,船舶,橋梁な
どの溶接部の非破壊検査は、これら溶接部の品質管理及
び品質評価を行う上で重要であり、走行軌道を敷設する
ことなしに、溶接ビード上を溶接線に沿って(即ち溶接
線にならって)自走する超音波探傷走行装置の提供が望
まれている。
【0003】ここで問題となるのは、探傷走行装置がな
らって走行しようとしている溶接ビード(ならいビー
ド)上から外れないようにする技術である。球形タンク
のようにある曲率をもった容器表面に走行装置を吸着走
行させた場合、球体側部や球体上部にて重力の作用によ
り、走行装置の走行姿勢がならい用溶接線の方向から僅
かずつ狂い、これが蓄積されて走行装置がならいビード
上から外れてしまう危険がある。従って、溶接線になら
って進行すべき走行装置がならいビード上から外れてな
いように制御すること、またその前提として、走行装置
に対しならいビードが現在どの位置にあるかを常に把握
するための溶接ビードセンサが必要になる。
【0004】溶接ビードセンサに関しては、従来、渦流
探傷の原理に基づく機械走査式のセンサが知られてい
る。即ち、溶接ビード検出用に1組の励磁コイルと検出
コイルをプレートに担持させ、このプレートを溶接ビー
ドと交叉する方向に機械的に往復移動させることによ
り、コイルを機械的に走査して渦流探傷し、溶接ビード
位置を検出する構成のものである。しかし、機械走査式
の溶接ビードセンサは、そのコイル担持プレートを機械
的に往復移動させる機構を必要するため、必然的にセン
サが重く且つ大形となり、探傷走行装置の構成も複雑と
なる。そこで、機械的走査機構なしに渦流探傷の走査が
できる溶接ビードセンサとして、本発明者等は、台車走
行方向と交叉する方向に直線的に密に配列した多数のコ
イルを1個分づつずらせながら順次選択してビード位置
の渦流探傷を行う溶接ビードセンサを提案している。
【0005】かかる機械走査式又は電気走査式の溶接ビ
ードセンサを2組搭載すれば、溶接線がこれらと交叉す
る2点が判明するため、溶接ビードの直線の方程式が得
られる。従って、移動ロボットを溶接線にならって走行
させることが可能となると考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、単に上記2点
から得た溶接線の方程式に乗せて移動させるというだけ
では、探傷走行装置の如き移動ロボットを、実際に溶接
線にならって走行させることはできない。何故なら、移
動ロボットは自己の台車センターを原点とした直交座標
しか持っておらず、この台車座標系がロボットの移動に
つれてずれて行くため、座標系の原点が移動してしまう
からである。即ち、ロボットの各移動位置における座標
系で見たとき、同じ溶接線がその方程式において毎回異
なったものとして把握される。
【0007】本発明の目的は、かかる課題を解消し、溶
接ビードセンサを有する移動ロボットを実際に溶接線に
ならって走行させる制御方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の移動ロボットの移動制御方法は、台車走行
方向と交叉する方向に配列した多数のコイルを1個分づ
つ走査してビード位置を渦流探傷する溶接ビードセンサ
を複数有する移動ロボットにおいて、(1) ビードセンサ
の走査が起動されビード位置データを採取し終える1サ
ンプリング間隔毎に、ビードセンサから求められる溶
接線上の2点から既知の台車中心線までの距離l1 ,l
2 と、ロボットの移動量ΔVL とロボットの姿勢角Va
とを1セットとして入力し、採取した距離データ
1 ,l2 を採取が完了した現在時刻での値に変換し、
これを前回までのデータと共に利用して最小二乗法で溶
接線の方程式を求め、(2) 次回1サンプリング間隔の移
動において、前回求めた方程式をロボット移動量ΔV
L 分だけ座標変換して溶接線方程式の推定値として使用
し、得られたロボットと溶接線の関係から溶接線と台
車中心との距離がゼロとなるように上記姿勢角Vaを制
御して、ロボットを溶接線にならうよう制御するもので
ある。
【0009】
【作用】図14のO点でビードセンサ15に走査起動が
かけられた場合、実際にビードセンサで走査が行われデ
ータ採取が行われるのはA点であり、ビード位置の検出
データが出力されるのは更に遅れてB点である。この間
に台車は既にB点まで移動している。即ち、ロボットは
移動しながら、図14のO点〜B点間で示した1サンプ
リング間隔毎(例えば5mm毎)に、センサデータを取り
込む。
【0010】そこで、ビードセンサを使って移動ロボッ
トを溶接線にならうように制御する場合、ビードセンサ
の走査が起動されビード位置データを採取し終える1サ
ンプリング間隔毎に、ビードセンサから求められる溶接
線上の2点P1,P2から既知の台車中心線までの距離
1 ,l2 と、ロボットの移動量ΔVL とロボットの姿
勢角Vaとを1セットとして入力する。この移動量ΔV
L 及び姿勢角Vaは、例えば、図3に示すプラニメータ
48,垂直センサ56から得られる。
【0011】しかし、Aの点でl1 ,l2 のデータを採
取した時、ロボットは既にBの点に移動しているため、
AとBの間でl1 ,l2 の値を座標変換し、採取が完了
した現在時刻での値、つまりB点(座標系)でのl1
2 の位置とする。このような1サンプリング間隔毎の
データl1 ,l2 を幾つか集め、最小二乗法で溶接線の
方程式を求めると、ロボットと溶接線の関係が分かる。
【0012】そこで、次回1サンプリング間隔の移動に
おいては、前回求めた方程式をロボット移動量ΔVL
だけ座標変換して溶接線方程式の推定値として使用し、
得られたロボットと溶接線の関係から溶接線と台車中心
との距離がゼロとなるように上記姿勢角Vaを制御する
と、ビードセンサがデータを取り込んでいる間において
も、ロボットを溶接線にならうように移動制御すること
ができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
【0014】図1に示す移動ロボットは、永久磁石車輪
式の探傷走行装置1と、これにケーブル2を介して接続
された制御装置3と、探傷結果をドットによりグラフ化
して記録するプリンタ4とで構成されている。ここでの
探傷走行装置1は、通常の探傷走行モードの他に、複合
モードをもっている。即ち、精密探傷を行うべき有欠陥
箇所の有無をチェック(粗探傷)しながら、球形タンク
壁5の溶接ビード6上を溶接線に沿って直線的に移動
し、精密探傷が必要な溶接ビード箇所を検出したときは
当該位置に停止して精密探傷の走査を行い、その精密探
傷後は、再び溶接線に沿って有欠陥箇所を捜しながら直
線移動し、必要位置で停止して同様に精密探傷走査を行
うといった操作を繰り返し、以て球形タンクの全ての溶
接ビードを検査する動作モードである。
【0015】まず本制御の前提となる探傷走行装置及び
溶接ビードセンサの構成から説明する。
【0016】探傷走行装置 探傷走行装置1は、被検査壁たるタンク壁5に強力に磁
気吸着する永久磁石車輪8を具備する自走台車7と、そ
れに設けられた軸9(図3)で枢支され図3矢印A方向
に傾動可能な検査アーム10とを有する。永久磁石車輪
8は、これに同軸に個別に設けられたモータ35により
駆動される。検査アーム10の先端側には、ガイド板1
1が走行方向と交叉する方向に延在して且つ所定角度範
囲(図2のθ)内で旋回可能に設けられ、このガイド板
11の下面には、粗探用超音波探触子13及び精探用超
音波探触子14(図2)を担持した探触子アーム12
が、ガイド板11に沿って即ち台車走行方向と交叉する
方向に移動(走査)可能に装置されている。更に、検査
アーム10には、探触子アーム12の前側と後側に、溶
接ビードセンサ15がそれぞれ1つ配設されている。
【0017】探傷走行装置1は検査アーム10を図3の
破線位置へ上げた状態で所要位置まで走行される。そし
て、検査すべき溶接ビード6上に来てから、検査アーム
10が軸9を中心として前(図3矢印A+方向)に傾動
され、その先端側が球形タンク壁5に対し所定の下位置
(図3の実線位置)まで下げられる。この下位置を定め
る目的で、検査アーム10には、上記探触子アーム12
と溶接ビードセンサ15との間において、アーム支持ロ
ーラ16(図3)が設けられている。
【0018】粗探用超音波探触子13は、溶接ビード6
における欠陥箇所の存在(傷の有無)だけを探索する粗
探用、また精探用超音波探触子14は溶接ビード6にお
ける実際の傷の位置,大きさまでを探傷する精探用であ
り、互いに台車走行方向に前後した位置に配置され、そ
れぞれ斜角法により溶接ビード6の深さ方向の異なる位
置を探傷できるようになっている。本実施例では、粗探
用超音波探触子13は探触子アーム12の両側に2個ず
つ計4個設けられ、また精探用超音波探触子14は探触
子アーム12の両側に1個ずつ計2個設けられている。
【0019】上記2種類の超音波探触子13,14は放
射する超音波ビームの幅が相違しており、精探用超音波
探触子14は主ビームに近い狭幅の超音波ビームを放射
するのに対し、粗探用超音波探触子13は、図11に示
すように、主ビーム151に対し拡がりのある広幅の超
音波ビーム152を放射する。計4個の粗探用超音波探
触子13の配置は、図11に示すように、内側の粗探用
超音波探触子(第1の探触子)131からの超音波ビー
ム152が溶接ビード6の深さ方向領域の背面側約1/
2を無反射でカバーし、外側の粗探用超音波探触子(第
2の探触子)132からの超音波ビーム152が溶接ビ
ード6の深さ方向領域の表面側約1/2を、球形タンク
壁5で1回反射した後にカバーする関係になっている。
【0020】上記の個々の粗探用及び精探用超音波探触
子13,14は、専用の押付け機構17,18によって
個別に球形タンク壁5まで下降できるようになってい
る。19はそれらの押付け機構17,18を構成する押
付けシリンダであり、更にリニアガイドベアリング20
も使用されている。
【0021】詳述するに、図4及び図5(a)(b)に
おいて、探触子アーム12を図4のS方向に摺動可能に
吊架するため、ガイド板11の下面には探触子アーム1
2の板側縁に臨ませて4箇所(図2参照)に溝付ローラ
21が設けてあり、他方、探触子アーム12上には、こ
れらの溝付ローラ21の溝内に係合する係合縁23を有
するガイド板22が固定されている。一方、ガイド板1
1を検査アーム10に対して旋回可能に取付け且つ上記
探触子アーム12の走査駆動系を構成するため、ガイド
板11は検査アーム10に設けたベース部材24に大径
の軸受け25を介して対接されると共に、その中央には
両部材間を貫いて回転軸26が設けられ、軸受け27に
よりガイド板11及びベース部材24に対して回転可能
となっている。この回転軸26には、検査アーム10内
においてスプロケット28が、また探触子アーム12の
U字断面内においてギヤ29が固定され、両部材で上下
からサンドイッチすることによりガイド板11を検査ア
ーム10に支持している。前者のスプロケット28は、
図4に示すように、モータ36により駆動されるスプロ
ケット30との間に巻き掛けたチェーン31により回転
される。後者のギヤ29は探触子アーム12の内側壁に
固定したラック32と噛合しており、従ってモータ(S
軸モータ)36により検査アーム10に対して左右方向
(図2のS軸方向)にガイド板11を移動することがで
きる。このS軸方向の移動位置はチェーン31の移動を
検出するように検査アーム10内に設けたリニアポテン
ショメータ(S軸センサ)37により検出される。
【0022】図6において、上記探触子アーム12の下
面には、上述した粗探用押付け機構17を構成する4つ
の押付けシリンダ19と、精探用押付け機構18を構成
する2つの押付けシリンダ19とが取り付けられ、その
ピストンロッド19aの先端に、粗探用超音波探触子1
3又は精探用超音波探触子14の取付部材33,33′
が軸34,34′により揺動自在に取り付けられてい
る。粗探用及び精探用超音波探触子13,14は、この
各取付部材33,33′及び軸34,34′より成るジ
ンバル支持機構により揺動自在に枢支され、検査面に密
接できるようになっている。粗探用超音波探触子13の
数を精探用超音波探触子14よりも多くしたのは、探触
子アーム12をS方向に移動(探触子を走査)すること
なしに、精密探傷すべき傷のある箇所を検出可能とする
ためである。探触子13,14は共に斜角法による探傷
を行うため、被検査面に密に対接するシューに探触子本
体を斜めに取り付けた構成となっている。
【0023】図7において、ガイド板11は下面に吊架
された探触子アーム12と共に、その全体が図2のθの
範囲内で旋回できるように構成され、台車走行方向に対
する探触子アーム12の移動方向(走査方向)を修正で
きるようになっている。即ち、図7において、モータ
(θ軸モータ)51によりギヤを介して駆動される操作
円板52が検査アーム10内に設けられ、該操作円板5
2には2本のロッド53の一端が枢着され、該ロッド5
3の他端はガイド板11のピン54に枢着されている。
従って、θ軸モータ51により操作円板52を回転させ
ると、2本のロッド53の一方は突出し他方は後退し
て、ガイド板11がθの範囲内で右又は左に旋回する。
この旋回角度θは、操作円板52と同心的かつ一体に取
り付けたポテンショメータ(θ軸センサ)55により検
出される。
【0024】さて、上記超音波探傷走行装置1は、永久
磁石車輪8により球形タンク壁5に磁気的に吸着しつ
つ、溶接ビード6上を溶接線に沿って移動する。このと
き、探触子アーム12はアーム支持ローラ16によりほ
ぼ一定の高さ位置に保持されており、粗探用超音波探触
子13がタンク壁5に対接するまで下げられている。超
音波探傷走行装置1は一定の速度で走行(前進)し、こ
のとき粗探用超音波探触子13の走査は図12に示すよ
うに直線走査パターン154となり、この粗探用超音波
探触子13により、自走台車7の前側に在る溶接ビード
6中に精密探傷すべき有欠陥箇所が在るか否かが検出さ
れる。この粗探探傷の場合、探触子アーム12は常に溶
接線上にあるように制御(S軸制御)される。
【0025】精密探傷が必要な有欠陥箇所が検出される
と、超音波探傷走行装置1は粗探用超音波探触子13が
当該箇所を検出した時点で粗探用超音波探触子13を上
げ、必要ならば少し前進して、精探用超音波探触子14
が当該欠陥箇所の手前となる位置で停止する。そして、
精探用超音波探触子14を下げて、図12に示す矩形走
査パターン155により精密な超音波探傷を行う。この
精密探傷においては、S軸モータ36による探触子アー
ム12のS軸移動(つまり図12のB1→B2,B3→
B4,B5→B6…という図2S方向走査)と、超音波
探傷走行装置1の前進移動(つまりB2→B3,B4→
B5,B6→B7…という台車移動)とにより、検査体
積が規定ピッチで探傷走査され、これにより溶接ビード
6における当該欠陥の実際の位置及び傷の大きさまでが
探傷される。その後、必要ならば少し後進して、超音波
探傷走行装置1は上記直線走査パターン154による粗
探探傷を行いながら更に溶接ビード6に沿って移動し、
精密探傷が必要な有欠陥箇所が検出されればその位置に
停止し、同様に矩形走査パターン155による超音波精
密探傷を行う。この操作を繰り返ながら、球形タンクの
全ての溶接ビードを検査する。
【0026】このように上記複合モード動作の場合、直
線走査による粗探用超音波探触子13で精密探傷すべき
箇所の有無を確認し、当該箇所のみで精探用超音波探触
子14による溶接ビードの精密探傷の矩形走査を実施す
るので、溶接ビード全長に渡り矩形走査による精密探傷
のみ又は矩形走査による粗探と精密探傷を行う場合に比
べ、探傷に要する時間が激減する。
【0027】上記探傷結果は、探傷走行装置1からケー
ブル2を介して制御装置3へ送られプリンタ4にてリア
ルタイムで出力される。このプリンタ4は、探傷結果を
ドットによりA,B,Cスコープとして記録する。Aス
コープは波高値(パーセント)を,Bスコープは深さ方
向位置(mm)を,Cスコープは平面方向位置(mm)
を台車の移動距離に合わせてプリントアウトするもので
ある。
【0028】溶接ビードセンサ 溶接ビードセンサ15は、図8に示すように、“1”〜
“41”の番号を付した計41個のコイル41を平面的
且つ千鳥状に密接に配列したコイルボード40を有して
いる。電気的には、図9に示すように、コイル41と、
その励磁用交流電源43(図10)となる励磁回路(発
振回路)42との間にスイッチング回路44を設け、こ
れをタイミング発生回路45でスイッチングして、図1
0に示すような差動検出回路を順次形成し、その出力を
アンプ46を通して検波回路47に導くようになってい
る。ここでコイル41は、励磁コイルL01,励磁コイ
ルL02及び検出コイルL03用として同時に3個が一
単位として選択され、次のタイミングでは、この3個の
うち一端側の1個のコイル41が切り離され且つ同時に
他端側の1個のコイル41が選択されて新たに加えられ
るというようにして、順次に3個づつ選択されながら切
り替えられて行く。従って、同じ1個のコイル41であ
っても、励磁コイルL01,励磁コイルL02,検出コ
イルL03として機能することとなる。両励磁コイルL
01,L02の磁束は差動的に加えられ、検出コイルL
03の出力は通常ゼロである。
【0029】全てのコイル41を上記のように順次切り
替えた場合、渦流探傷法の原理に基づき、下方の容器壁
表面の領域がスキャンされ、同期検波回路47からは、
各検出コイルL03につき当該スキャン領域中の部分部
分に応じた電圧が出力される。この1スキャン分の検出
アナログ信号(溶接ビード6の位置を中心として正負に
ピークが交叉する波形)は、制御装置3に送られる前又
は送られた後にA/D変換器によりディジタル信号に変
換され、データ処理されて、1スキャン領域中に存在す
る溶接ビード6の位置が認識されると共に、その位置と
現地点まで走行装置1が走行してきた位置とのずれ量が
把握される。このため、溶接ビード6に対し直角に超音
波ビームを当てる状態を保持することが可能となる。
【0030】制御方法 次に、本発明の対象とする制御方法について説明する。
【0031】まず図13に前提となる電気的要素をブロ
ック化して示す。15は上記した溶接ビードセンサであ
り、ビード中心位置データ(溶接線の中心)を出力とし
て与える。ここでは、前後2つの探触子アーム12のう
ち前側のものを「前面ビードセンサ」、後側のものを
「後面ビードセンサ」と称する。S軸モータ36は探触
子アーム12を検査アーム10に対して左右方向(図2
のS軸方向)に移動させるモータ、S軸センサ37はこ
のS軸方向の移動位置を検出するリニアポテンショメー
タである(図4参照)。48は自走台車7の腹に取り付
けたプラニメータ(距離センサ)であり(図3参照)、
探傷走行装置1が図1のようにならいビード6に沿って
進んで来た場合、それ迄の道のりはこのプラニメータ4
8により計測され制御装置3で評価される。しかし、距
離計測値に累積誤差が生ずる可能性があるため、溶接ビ
ードセンサ15にクロスビードセンサ部49(図8)を
設け、このクロスビードセンサ部49がクロスビード6
b(図1)を検出した時点で、プラニメータによる計測
距離値を自動的に修正する。θ軸モータ51は探触子ア
ーム12をθの範囲内で右又は左に旋回させるモータ、
θ軸センサ55はこの旋回角度θを検出するポテンショ
メータである(図7参照)。
【0032】56は図3に点線で示唆した垂直センサで
ある。この垂直センサ56は重力で垂直になろうとする
振り子(図示せず)を有しており、この振り子の傾斜角
度αから垂直線に対する台車の傾き角(姿勢角Va)を
検出する構造のものである。垂直センサ56の振り子は
モータ(α軸モータ)57と直結され、その傾斜角度α
(図1)を可変指示できるようになっている。また、こ
のα軸モータ57にはポテンショメータ(α軸センサ)
58が直結され、指示した振り子の傾斜角度αの検出が
できるようになっている。尚、59は車輪8の前進と後
進を左右の車輪別々に駆動制御するサーボ機構部であ
る。
【0033】ここで、制御の概要を説明する。一般の移
動ロボットにおいてはグローバル座標に基づき自己の位
置を特定するだけで済むが、探傷走行装置の場合、その
座標系の原点も移動する。図14は、ビードセンサを使
って探傷走行装置1を溶接線にならって移動制御する場
合において、O点でビードセンサ15に採取起動がかけ
られても、実際には当該センサで所定のコイル走査が行
われデータ採取が行われるのはA点であり、検出データ
が出力されるのは更に遅れてB点であること、この間に
台車は既にB点まで移動していることを示している。即
ち、ロボットは移動しながら、図14のO点〜B点間で
示した1サンプリング間隔毎(例えば5mm毎)に、セン
サデータを取り込む。
【0034】そこでO点からB点までの間は、溶接線が
直線であると仮定して、推定値で制御する。まず情報
として、ビードセンサから求められる溶接線(溶接ビー
ド6)上の2点P1,P2から既知の台車中心線までの
距離l1 ,l2 と、このデータを取ったタイミングでプ
ラニメータ48から得られるロボットの「移動量Δ
L 」と、垂直センサ56から得られる「姿勢角Va」
とを1セットとして考える。Aの点でl1 ,l2 のデ
ータを採取した時、ロボットは既にBの点に移動してい
るため、AとBの間でl1 ,l2 の値を座標変換し、B
の点(座標系)でのl1 ,l2 の位置とする。このよ
うな1サンプリング間隔毎のデータを幾つか集めて最小
二乗法で溶接線の方程式を求める。得られたロボット
と溶接線の関係に従って、ロボットを溶接線にならうよ
うに制御する。また、センサがデータを取り込んでい
るO,B間は、前回求めた方程式をロボット移動分だけ
座標変換して溶接線方程式の推定値として使用する。
【0035】具体的に、図15〜図17により本制御方
法を説明する。図15は制御装置3のコンピュータ60
による本制御方法の概要を示したもので、コンピュータ
60に割り当てられるタスクとして、溶接線の直線近似
を行う“軌跡演算”,次回動く方向を定める“台車演
算”,探触子アーム12を溶接線に直角に制御する“ア
ーム演算”等のタスクを含んでいる。このうち“軌跡演
算”,“台車演算”のタスクを図16,図17に示す。
尚、以下で使用する符号及び座標系を図18に示してお
く。同図において、xv −yv 座標系は台車座標系であ
り、yv は台車進行方向を示す。x−y座標系は絶対座
標系であり、このx−y座標系をπ/4回転したx´−
y´新絶対座標系も使用する。
【0036】(1)軌跡演算処理(図16) まず、ビードセンサ15からのデータl1 ,l2 を基
に、溶接線の直線近似した方程式y=ax+bを求め
る。
【0037】(a) 台車上での座標(ステップ〜) 前提として図14のO点でビードセンサ15に採取起動
がかけれられ、台車が図14のA点を経てB点まで移動
する間に、ビードセンサ15が所定のコイル走査を行
い、B点で検出データを出力する。即ち、ロボットは移
動しながら、図14のO点〜B点間で示した1サンプリ
ング間隔毎(例えば5mm毎)に、センサタスクを起動し
て、センサデータを取り込む。
【0038】軌跡演算タスクにおいて、まず、溶接線上
の2点P1,P2につき台車中心線yv までの距離デー
タl1 ,l2 (図14,図19)を読み込み(ステップ
)、P1,P2のxv −yv 台車座標系での座標を求
め(ステップ)、このP1,P2をx−y絶対座標系
での溶接線上の2点に変換し、更にx´−y´新絶対座
標系に変換する(ステップ)。
【0039】上記座標変換において、台車中心から前面
ビードセンサまで及び後面ビードセンサまでの距離
1 ,r2 (図18,図19)は既知である。また、垂
直センサ56の出力から、図19に示す台車姿勢角Va
(即ち台車座標系のyv 軸が絶対座標系のx軸となす角
度)も判明する。台車座標系と絶対座標系のずれ角度θ
v は、θv ={Va−(π/2)}である。そこで、
v −yv 台車座標系を−θv =−{Va−(π/
2)}だけ回転させてP1,P2をx−y絶対座標系に
変換しておき、これにl1 ,l2 及びr1 ,r2 の値を
代入すると、上記xv −yv 台車座標系での2点P1,
P2が、x−y絶対座標系での溶接線上の2点に変換さ
れる。次に、溶接線の方程式を求める上で、x−y絶対
座標系をπ/4回転したx´−y´新絶対座標系を考え
る。これは溶接線が実際には垂直若しくは水平であるこ
とから、溶接線が垂直の場合に、溶接線の方程式y=a
x+bについてaの値が∞になる可能性があるためであ
る。そこで、上で求めたx−y絶対座標系でのP1,P
2をx´−y´新絶対座標系に変換し、aの値が∞にな
る問題点を解決する。以後、x´−y´新絶対座標系の
値については「´」を付けて区別する。
【0040】(b) 台車移動補正(ステップ〜) ロボットは移動しながら1サンプリング間隔(図14の
O点〜B点間)毎にセンサタスクを起動して、センサデ
ータを取り込む。そこで、台車移動量を予測して、これ
に対する補正を行う。
【0041】(i) 台車の増分移動量 1サンプリング間(今回のセンサデータ採取と前回のセ
ンサデータ採取)での台車路程移動量をプラニメータ4
8の出力としてΔVL とする(ステップ)。図20
(a)において、垂直センサ56により得られる(n−
1)時刻、n時刻での台車姿勢角をVa(n−1),V
a(n)、1サンプリング間の台車移動を円弧と仮定す
ると、ΔVL =RΔθ(但し、Δθ=θ2 −θ1 で非常
に小さい)であり、θ2 =Va(n)−π/2,θ1
Va(n−1)−π/2より、台車の増分移動量のx,
y成分であるΔx,Δyは次式で求められる。
【0042】 Δx=x2 −x1 =Rcosθ2 −Rcosθ1 Δy=y2 −y1 =Rsinθ2 −Rsinθ1 このΔx,Δyが(n−1)時刻と(n)時刻のx−y
絶対座標系の変位となる(ステップ)。この変位分も
x´−y´新絶対座標系に変換する(ステップ)。
【0043】(ii)P1,P2のシフト(ステップ) 溶接線の軌跡を求めるために、各サンプリング時の溶接
線の座標P1,P2を現在のx´−y´新絶対座標系に
変換しなければならない。つまり、(n)時刻のサンプ
リングでは、(n−1)時刻でのx´−y´新絶対座標
系で表わされた(n−1)組のP1,P2を、図20
(b)の如くΔQ´だけシフトすることで、(n)時刻
のx´−y´新絶対座標系でのn組のP1,P2の座標
データとする(ステップ)。
【0044】 nP1(i)= n-1P1(i)−ΔQ´ n P2(i)= n-1P2(i)−ΔQ´(i=1〜n−
1) ここで nP1(i):n時刻でのx´−y´座標系で表
わされたP1 n P2(i):n時刻でのx´−y´座標系で表わされ
たP2 n-1 P1(i):n−1時刻でのx´−y´座標系で表
わされたP1 n-1 P2(i):n−1時刻でのx´−y´座標系で表
わされたP2 (c) 最小二乗近似による溶接線の方程式(ステップ) n組のP1,P2のデータからn時刻でのx´−y´新
絶対座標系での溶接線の軌跡y=ax+bを最小二乗法
で求める(ステップ)。
【0045】上記で求めた軌跡y=ax+bは、あくま
でもn時刻のセンサ取込みタイミングでの軌跡であり、
センサ取込みタイミングと演算時のタイミングではビー
ドセンサの関係上100ms程度のずれを生ずる。そこ
で、このずれをなくすため、上記で求めた溶接線の方程
式y=ax+bを図20(b)の場合と同様にシフトし
て、演算時のタイミングに補正する(ステップ)。
【0046】(2)台車演算処理(図17) 本処理は、軌跡演算処理で得られた溶接線をならいなが
ら、台車を移動させる処理である。台車と溶接線の関係
を示す図21において、まず溶接線と台車中心との距離
VB,溶接線と台車進行方向(yV 軸)との角度θVB
求める(ステップ)。これで、θVB=0,lVB=0と
なるように台車を制御すれば、台車は溶接銭をならうこ
とになる。制御はVa(姿勢角)のみを使うため、θVB
に関しては制御せず、lVBの偏差に応じてVaを調整す
ることでlVB→0とすれば、θ VBも0となる。尚、姿
勢角の追従については、ソフトサーボ内で姿勢角追従制
御を行い、Vaを設定すれば台車姿勢角は追従するよう
になっている。
【0047】(a) 台車中心の判断(ステップ) 図22(a)はVaがほぼゼロの場合、図22(b)は
Vaがほぼπ/2の場合、図22(c)は姿勢角Vaが
ほぼπの場合の台車中心と溶接線の関係を示し、溶接線
1及び溶接線2はそれぞれ台車中心に対して右側,左側
にあることを表している。図に示す関係から、x´−y
´新絶対座標系において、溶接線の検出点xm の座標値
mvが、xmv>0のとき台車中心は溶接線の左側、xmv
<0のとき台車中心は溶接線の右側にあると判断する。
【0048】(b) 台車中心が溶接線の左側にある場合
(xmv>0) 台車が前進か後進かを判断し(ステップ)、台車中心
が溶接線の左側にある場合(xmv>0)で台車が前進し
ているときは(ステップ)、図23(a)〜(c)に
示すように、姿勢角Vaがほぼゼロ、ほぼπ/2、ほぼ
πである3つの態様において、それぞれθVBがθVB<0
となるように姿勢角Vaを設定する(ステップ)。ま
た、台車中心が溶接線の左側にある場合(xmv>0)で
台車が後進しているときは(ステップ)、図23の3
態様において、それぞれθVB>0となるようにVaを設
定する(ステップ)。
【0049】(c) 台車中心が溶接線の右側にある場合
(xmv<0) 同様に台車が前進か後進かを判断し(ステップ)、台
車中心が溶接線の右側にある場合(xmv>0)で台車が
前進しているときは(ステップ)、Vaがほぼゼロ,
π/2,πの3態様において、それぞれθVB>0となる
ようにVaを設定する(ステップ)。また、台車中心
が溶接線の右側にある場合(xmv<0)で台車が後進し
ているときは(ステップ)、同様の3態様において、
それぞれθVB<0となるようにVaを設定する(ステッ
プ)。
【0050】かくして設定されたVaにより、α軸モー
タ57により垂直サンサ56の振り子が動かされ、その
振られた傾斜角度がゼロになるように、サーボ機構部5
9により台車の姿勢が修正される。この場合、車輪8は
左右の車輪が独立に制御され、例えば左側の車輪(前後
2つ)と右側の車輪(前後2つ)のうちの一方を前進,
他方を後進とすることで右旋回又は左旋回するようにな
っている。
【0051】(3)アーム演算処理(図17) 本処理は、台車の移動に合わせて接触アームの目標位置
を計算し、そこからアーム各軸の移動量を求める処理で
ある。
【0052】(a) 次回サンプリング時の位置 まず、次回サンプリング時のアーム中心位置(θ軸回転
中心,S軸移動中心)Rを求める。台車演算処理で1サ
ンプリング間の台車移動量ΔVl ,次の姿勢角Va(i
+1)は求まっているので、i時刻での位置をQ1,
(i+1)時刻での位置をQ2とし、Q1→Q2への移
動量のx,y成分Δx,Δyを求め、x´−y´新絶対
座標系に変換する。
【0053】(b) 探傷ポイントの設定 (i+1)時刻での探傷ポイントは、Q2での探触子ア
ーム12の回転中心Rから溶接線へ垂線を下ろした点A
として求まる(図24参照)。
【0054】(c) アーム目標位置の設定 探触子アーム12の制御はθ軸,S軸で行う。探触子ア
ーム12と溶接線が直角になるように制御する。ここで
も台車演算処理の場合と同様に台車姿勢によって場合分
けして考える。S軸アーム中心Rが溶接線のどちら側に
あるかは、図25(a)〜(c)に示す関係から、x´
−y´新絶対座標系でのアーム中心Rの座標xr ´,y
r1´において、xr ´の正負、並びにyr1´と溶接線の
方程式axr1´+bとの大小関係より、xr ´・(yr1
´−axr1´−b)<0のとき溶接線の左側、xr ´・
(yr1´−axr1´−b)>0のとき溶接線の右側、と
して求まる。
【0055】次に、θ軸の目標値を求める。即ち、(i
+1)時刻の目標姿勢角Va(i+1)から(i+1)
時刻のθVBを求める。
【0056】(d) θ軸,S軸の制御 θ軸については、θ軸モータ51により上記θVB(i+
1)分だけ反対方向に制御すればよい。しかし、S軸に
ついては粗探傷と精密探傷とで制御の方法が異なり、粗
探傷の場合、S軸が常に溶接線上にあるように制御す
る。これに対し、精密探傷の場合は移動を台車とアーム
に分け、進行方向の移動は台車移動で、探傷範囲のスキ
ャンはS軸の移動で行う。即ち、図12に示すように、
台車はB2→B3,B4→B5,B6→B7の如く進行
方向に移動させ、探触子アーム12はB1→B2,B3
→B4,B5→B6の如く進行方向と交叉する方向に移
動させる。
【0057】(i) 台車移動時 台車移動時は溶接線ならいとして台車はならい動作を行
うが、探触子アーム12はならい動作を行うわけにいか
ない。S軸は最大か最小の位置にあるためである。そこ
で、θ軸だけを制御して、S軸は動かさないようにす
る。
【0058】(ii)アーム移動時 θ軸の制御は台車移動時に行っているので、ここではS
軸モータ36によりS軸の制御のみを行い、S軸がその
最大又は最小目標値になったときに、台車移動モードに
切り替える。尚、探触子アームの構造として、θ軸が動
くとS軸は干渉される。よってS軸の目標値を与える際
に、θ軸移動分の補正を加える。
【0059】以上本発明の好ましい実施例について説明
したが、本制御方法は上記複合動作モード以外の公知の
通常動作モードにも適用できるものである。ここで公知
の通常動作モードとしては、例えば次のものがある。
【0060】(1) 図26(a)に示すように主ビームに
対して狭幅の絞られた超音波ビーム162を放射する1
種類の超音波探触子161を有し、この超音波ビーム1
62を溶接ビード6に当て且つビーム162を振ること
により、即ち超音波探触子161を矢印163方向に移
動させることにより、1回に一定体積分の超音波探傷を
行うモードである。従って、溶接ビード6の全長に亘る
全体の検査をする場合、探傷走行装置を上記一定体積分
の前後に一部重なるように少しづつ徐々に前進させなが
ら、超音波探触子61の位置移動(走査)を行わせ、結
果的に図12(b)に示すように超音波探触子61を矩
形状の走査パターン64で走査することになる。但し、
溶接ビード全体を検査し終えるのに相当の検査時間を必
要とし、溶接ビードに欠陥が全く無いか1箇所程度しか
存在しない場合でも、同じように長時間をかけて精密検
査を実施しなければならない欠点がある。
【0061】(2) 図26(a)の超音波探触子61の感
度を下げた状態(超音波ビーム162のビーム幅は変え
ない)で、走査パターン164に従って走査して行くこ
とでおおまかな探傷を行い、必要箇所で精密探傷を行う
モードである。但し、1種類の超音波探触子の感度を切
り替えるだけであるから、溶接ビード6の全長に渡る検
査のためには、おまかな探傷の場合にも精密検査の場合
と同じ矩形状の走査パターン164を取らなければなら
ず、走査長さは精密探傷のみの場合と変わらない。従っ
て、溶接ビード6の全長全体を検査し終えるのに、やは
り相当の検査時間を必要とする。
【0062】また上記実施例では超音波探傷走行装置を
例にして説明したが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、球形タンク,原子炉,船舶,橋梁などの任意の
溶接部の非破壊検査ロボットは勿論、溶接線にならって
走行させる他の用途の移動ロボットにも適用できるもの
である。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、移
動ロボットの移動に伴い台車座標系がずれていっても、
その移動量分だけ溶接ビードセンサのデータl1 ,l2
が修正され、1サンプリング間隔毎に現在時刻での値に
修正される。このため現在の座標系における溶接線の方
程式が正しく演算され、またこの方程式を元に次回1サ
ンプリング間隔の移動の軌跡として推定し利用すること
ができ、溶接ビードセンサを有する移動ロボットを実際
に溶接線にならって移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御方法を適用した移動ロボットたる
超音波探傷走行装置を示す概略図である。
【図2】図1の探傷走行装置の平面図である。
【図3】図1の探傷走行装置の正面図である。
【図4】図1の探触子アームのS軸駆動系を示す図であ
る。
【図5】図4の検査アームに対する探触子アームの取付
構造を示す部分断面図である。
【図6】探触子アームの超音波探触子の取付構造を示す
端面である。
【図7】探触子アームのθ軸駆動系を示す図である。
【図8】溶接ビードセンサのコイルボードの平面図であ
る。
【図9】溶接ビードセンサの電気回路構成の概要図であ
る。
【図10】溶接ビードセンサの検出回路の概念図であ
る。
【図11】図1の探傷走行装置における粗探及び精密探
傷の説明図である。
【図12】粗探及び精密探傷の走査パターンの説明図で
ある。
【図13】図1の制御系を示すブロック図である。
【図14】本発明の制御方法の説明に供する移動ロボッ
トの移行状態図である。
【図15】本発明の制御方法の実施例に係る制御タスク
の説明図である。
【図16】図15の奇跡演算処理のタスクを示す流れ図
である。
【図17】図15の台車演算処理のタスクを示す流れ図
である。
【図18】演算に用いる座標系及び符号の説明図であ
る。
【図19】演算に用いる台車上での座標の説明図であ
る。
【図20】演算に用いる台車移動補正の説明図である。
【図21】演算における台車と溶接線の関係を示す説明
図である。
【図22】演算における台車中心の判断の説明図であ
る。
【図23】台車中心が溶接線のいずれの側にあるかの判
断の説明図である。
【図24】超音波探傷すべき探傷ポイントの設定の説明
図である。
【図25】接触子アームの目標位置の設定の説明図であ
る。
【図26】従来の探傷走行装置における探傷及び走査パ
ターンの説明図である。
【符号の説明】
1 探傷走行装置 2 ケーブル 3 制御装置 4 プリンタ 5 球形タンク壁(被検査壁) 6 溶接ビード 7 自走台車 8 永久磁石車輪 9 軸 10 検査アーム 11 ガイド板 12 探触子アーム 13 粗探用超音波探触子 14 精探用超音波探触子 15 溶接ビードセンサ 16 アーム支持ローラ 17,18 押付け機構 19 押付けシリンダ 20 リニアガイドベアリング 21 溝付ローラ 22 ガイド板 23 係合縁 24 ベース部材 25 軸受け 26 回転軸 27 軸受け 28 スプロケット 29 ギヤ 30 スプロケット 31 チェーン 32 ラック 33,33′ 取付部材 34,34′ 軸 35 モータ(車輪) 36 モータ(S軸) 40 コイルボード 41 コイル 42 励磁回路(発振回路) 43 励磁用交流源 44 スイッチング回路 45 タイミング発生回路 46 アンプ 47 検波回路 48 プラニメータ(距離センサ) 49 クロスビードセンサ部 51 モータ(θ軸) 52 操作円板 53 ロッド 54 ピン 55 ポテンショメータ(θ軸センサ) 56 垂直センサ 57 モータ(α軸) 58 ポテンショメータ(α軸センサ) 59 サーボ機構部 60 コンピュータ 151 主ビーム 152 超音波 154 走査パターン(直線走査) 155 走査パターン(矩形走査) 161 超音波探触子 162 超音波ビーム 163 矢印 164 走査パターン
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B23K 9/127 506 B 7920−4E (72)発明者 田中 康仁 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内 (72)発明者 早川 佳代子 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車走行方向と交叉する方向に配列した
    多数のコイルを1個分づつ走査してビード位置を渦流探
    傷する溶接ビードセンサを複数有する移動ロボットにお
    いて、ビードセンサの走査が起動されビード位置データ
    を採取し終える1サンプリング間隔毎に、ビードセンサ
    から求められる溶接線上の2点から既知の台車中心線ま
    での距離l1 ,l2 と、ロボットの移動量ΔVL とロボ
    ットの姿勢角Vaとを1セットとして入力し、採取した
    距離データl1 ,l2 を採取が完了した現在時刻での値
    に変換し、これを前回までのデータと共に利用して最小
    二乗法で溶接線の方程式を求め、次回1サンプリング間
    隔の移動において、前回求めた方程式をロボット移動量
    ΔVL 分だけ座標変換して溶接線方程式の推定値として
    使用し、得られたロボットと溶接線の関係から溶接線と
    台車中心との距離がゼロとなるように上記姿勢角Vaを
    制御して、ロボットを溶接線にならうよう制御すること
    を特徴とする溶接ビードセンサを有する移動ロボットの
    制御方法。
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