JPH05179656A - 構造体の圧縮応力付与構造 - Google Patents

構造体の圧縮応力付与構造

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JPH05179656A
JPH05179656A JP34491591A JP34491591A JPH05179656A JP H05179656 A JPH05179656 A JP H05179656A JP 34491591 A JP34491591 A JP 34491591A JP 34491591 A JP34491591 A JP 34491591A JP H05179656 A JPH05179656 A JP H05179656A
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compressive stress
tension member
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Shinkichi Ooka
伸吉 大岡
Hisashi Kitajima
恒 喜多島
Kanji Nakai
寛司 中居
Masanori Shiomi
昌紀 塩見
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TOA GURAUTO KOGYO KK
Toa Grout Kogyo Co Ltd
Nippon Zenith Pipe Co Ltd
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TOA GURAUTO KOGYO KK
Toa Grout Kogyo Co Ltd
Nippon Zenith Pipe Co Ltd
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  • Piles And Underground Anchors (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造物の軽量化及び構成部品の一体化を図
り、製造、保管、運搬及び施行を容易にし、コストの低
減を図る。 【構成】 緊張方向に向って先細となるテーパ状周面4
aをブロック2(構造体)内に一体的に埋設することに
より構成部品が一体化され、かつ引張材3の緊強に伴う
支持部材4を介してブロック2の緊張方向に作用する押
圧荷重が分散され、ブロック2の緊張方向に作用する荷
重の軽減が図れる。従って荷重を受けるブロック2の厚
さ寸法の縮少を可能にし、ブロックの小形軽量化が期待
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構造体の圧縮応力付与
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、地山の斜面安定等のため広く使
用されるグラウンドアンカー工法は、一般に第1構造体
となる地山の斜面の切り取り予定部を上部から切り取っ
て段部及び切取面を形成し、地表面となる切取面から地
中に向けて、ボーリングマシーン等の穿孔機によってア
ンカー孔を削孔し、アンカー孔に引張材を挿入して基端
を地中に固定してアンカー体を形成する。
【0003】次に中央部に引張材の先端を挿通する透孔
を形成した第2構造体となるコンクリート製ブロックを
切取面に載置し、引張材の先端を透孔に挿通して支持台
座を介して引張材に緊張を付与して第1構造体となる地
山、即ち地盤と第2構造体となるブロックとを強固に固
定して切取地山に圧縮応力を付与し、斜面の安定化を図
る。
【0004】このような斜面の切り取りから引張材の緊
張までの作業を傾斜上部から下部に向って順次行うこと
によってなされる。
【0005】引張材に緊張を付与して地山に圧縮応力を
付与する方法は、例えば特開昭51−141440号公
報に開示され、かつ図9に示されるように、予めコーン
aの孔bに引張材cをくさびdを打ち込んで固定し、コ
ーンaと引張材cとが固着した状態のものをジャッキ等
の緊張工具を用いて、引張せしめ、この状態でコーンa
の外周に螺合するナットeを締め付け、支持部材fを介
して第2構造体であるブロックgに固定する方策が採ら
れている。
【0006】また建築物にあっても図10に要部を示す
ように第1構造体となるコンクリート製梁hに形成され
たアンカー孔iに引張材jを挿入して引張材jの基端
(図示せず)を固定してアンカー体を形成し、引張材j
の先端を第2構造体となるコンクリート製柱kに形成し
た透孔lに挿通して支持部材mを介して引張材jに緊張
を付与して梁hと柱kとを固定している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術にあっ
ては、予めくさびをもって引張材とコーンとを固定した
ままで引張材の緊張が得られ、コーンの第2構造体への
固定もナットの締め付け調整によって行われることから
作業が簡便に達成でき、また引張材の再緊張即ち、第1
構造体への圧縮応力の付与も可能となる等の効果を有す
る。しかし第2構造体と支持部材との当接面が引張材の
緊張方向と略直交する平面状であることから、引張材の
緊張に伴う第2構造体に作用する押圧荷重が第2構造体
の厚さ方向にのみ作用し、その荷重を充分に受止め、強
固に固定するためには第2構造体の厚さが大きくなけれ
ばならず、従って第2構造体は大重量のものとなり、ま
た補強を要する。更に第2構造体と支持部材とが個別に
構成されることから構成部品個数が多くなりその扱いが
煩雑になり、製造原価がアップするばかりでなく、施行
現場への運搬に大型の運搬車や施行に大型のクレーン等
の使用を余儀なくされ、施行コストの高騰を招く等の不
具合がある。
【0008】従って本発明の目的は、第1構造体に圧縮
応力を付与する際、第2構造体の緊張方向に作用する押
圧荷重を分散させることにより第2構造体の寸法の縮少
を可能にし、更に構成部品個数の低減を図り、製造原価
の低減、運搬や施行が容易に行え得る構造体の圧縮応力
付与構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による構造体の圧縮応力付与構造は、第1構造体の表
面からこの構造体内方へ向って引張材を挿入してアンカ
ー体となる引張材基端を固定し、第1構造体表面から突
出する引張材の先端が第1構造体表面上に位置する第2
構造体に形成した透孔を貫通して支持部材に支持され、
引張材に緊張を付与して支持部材を介して第1構造体及
び第2構造体とに圧縮応力を付与する構造において、支
持部材が引張材基端方向に向って先細となるテーパ状で
あって、第2構造体に第2構造体と一体的に埋設されて
いるものである。
【0010】
【作用】支持部材を引張材基端方向に向って先細となる
テーパ状に形成し、第2構造体に一体的に埋設すること
から、支持部材へ引張材基端方向に作用する押圧荷重
は、支持部材と第2構造体の接合面によって分散されて
第2構造体に伝達される。従って第2構造体の緊張方向
の寸法の縮少を可能にし、軽量化が図れ、かつ支持部材
と第2構造体とが一体的に形成されることから構成部品
個数が軽減され、製造原価の低減、更に運搬や施行の取
り扱いが容易に行える。
【0011】
【実施例】以下、本発明による構造体の圧縮応力付与構
造を第1構造体が地盤であり、第2構造体がブロックで
あるグラウンドアンカーのアンカー頭部構造に適用した
場合を例に図によって説明する。
【0012】図2はグラウンドアンカーの概要を示す説
明図であり図1はアンカー頭部となる図1のA部拡大図
である。
【0013】グラウンドアンカーによる斜面安定化は、
例えば第1構造体となる地盤である地山1の造成予定の
斜面1aに第2構造体であるコンクリート製のブロック
2が載置されるように切り取り、表面となる切取面1b
及び切取段1cを形成する。次に切取面1bにボーリン
グマシーン等の穿孔機によってアンカー孔1dを地中に
向けて削孔し、その孔1dに引張材3を挿入し、アンカ
ー孔1dにセメントミルクを加圧注入して引張材3の基
端3aをアンカー体として地中に固定する。
【0014】続いて、引張材3をジャッキ等の緊張工具
を用いて引張せしめ、切取面1bから突出する引張材3
の先端3dをアンカー頭部を構成するブロック2に支持
させることによって施工される。
【0015】次に引張材3の先端3bを支持するアンカ
ー頭部構造について図2のA部拡大図である図1によっ
て詳細に説明する。
【0016】コンクリート製のブロック2は略十字形ま
たは矩形であって、その中央部上側には上方へ向って開
口する凹陥部2aが形成され、凹陥部2aの底部2a′
と地表面に接する底面2b間にはブロック2の厚さ方向
に貫通する透孔2cが形成されている。
【0017】透孔2cは、凹陥部2aから底面2b方
向、即ち引張材3の基端3a方向へ向って先細状となる
円錐台形のテーパ孔部2dが形成され、テーパ孔部2d
の一端は凹陥部2aの底部2a′に開口している。
【0018】テーパ孔部2dの内側面には、支持部材4
がブロック2と一体的に配設されている。支持部材4
は、ブロック2より高強度のもの、例えば金属製、樹脂
製、高硬度のレジンコンクリート製、その他短繊維混入
または金属補強材料等によって補強されたコンクリート
製等であって、図3に斜視図を示すように、テーパ状周
面4aを有し、更に中央部には貫通孔4bが形成され、
貫通孔4bの上部には後述するコーン5及びナット6の
一部が収容される凹部4cが形成されている。このよう
に構成された支持部材4は、コンクリート製ブラック2
を製造する際、ブロック2内に埋め込まれ、ブロック2
の硬化によってブロック2と一体化される。
【0019】一方、引張材3の外周は、防錆のため先端
3bを除いて合成樹脂チューブによって被覆され、先端
3bはブロック2の透孔2c及び支持部材4の貫通孔4
bを貫通して外周にネジ部5aが形成されたコーン5に
穿孔された引張材挿通孔5bに挿通し、引張材挿通孔5
bに打ち込まれたくさび(図示せず)によって固着され
ている。
【0020】引張材3が固着されたコーン5は、支持部
材4の前方位置でジャッキ等の緊張工具(図示せず)を
用いて引張材3とともに引張され、所定位置でネジ部5
aに螺合するナット6を介して支持部材4の凹部4cに
圧接してコーン5の定着及び支持部材4を介してブロッ
ク2の地表面に圧接固定される。
【0021】また支持部材4の貫通孔4bの下端は、引
張材3を挿通する孔7aを有するシール部材7によって
閉鎖され、グリス注入管8より注入されるグリスが貫通
孔5b内に充填され、更にコーン5等をグリスを充填し
たオイルキャップ9で覆い、引張材3の先端3b、コー
ン5及びナット6等の防錆を図っている。なお符号10
はブロック2の凹陥部2aを覆い、落石等から引張材
3、コーン5、ナット6等を保護し、かつ凹陥部2a内
へ雨水等が流入するのを防止する蓋である。
【0022】以上のように構成したグラウンドアンカー
のアンカー頭部構造によれば、引張材3の緊張に伴う支
持部材4を介してブロック2に作用する緊張方向の押圧
荷重は、支持部材4のテーパ状周面4a及びブロック2
のテーパ孔部2dが引張材3の基端3a方向に対して傾
斜角を有することから、分散される。従って従来同様の
地山1とブロック2との結合力を確保する場合でも荷重
を受け止めるブロック2の凹陥部2aの底部2a′から
底面2bまでの厚さを従来に比べ小なる寸法に設定する
こと及び補強の軽減が可能となり、ブロック2の軽量化
が得られる。更にコーン5のネジ部5aに螺合するナッ
ト6の一部を支持部材4の凹部4cに収容することで凹
陥部2a内に突出する引張材3、コーン5等の寸法が小
となり凹陥部3aの深さも小なる寸法に構成でき、更に
ブロック2の小型化、軽量化が期待でき、ブロック2と
支持部材4が一体化されることから取り扱い、施行等の
簡素化が得られる。
【0023】図4に概要を示すように、一辺Lが800
mmで厚さHが200mmの平板状で、かつその中央部
に上方に向って開口する凹部を有するコンクリート製ブ
ロック2′と凹部の深さh1 が100mmの位置に上面
が位置するよう大径部直径が100mmで高さh2 が4
0mm、垂線と角度αが30°をなす円錐台形のレジン
コンクリート製支持部材4′とを一体的に結合した試験
用アンカー頭部T1 を複数個作成し、その試験用アンカ
ー頭部T1 を支持台上に載置し、支持部材4′に上方か
ら荷重Pを与付し、試験用アンカー頭部T1 の平均破壊
荷重を測定した結果、その値は12110kgであっ
た。
【0024】一方図5に示すよう一辺Lが800mm、
厚さHが200mmの平板状で、その中央部に直径Dが
100mmで深さh1 が100mmの穴を有するコンク
リート製の試験用アンカー頭部T2 を複数個作成し、上
記同様支持台上に載置し、穴底部に上方から荷重Pを付
与し、試験用アンカー頭部T2 の平均破壊荷重を測定し
た結果その値は10830kgであった。
【0025】従って円錐形の支持部材4をブロック2と
一体に設けたアンカー頭部が高破壊荷重に耐えることが
でき、即ちブロック2の凹陥部2aの底部2a′から底
面2bまでの厚さ寸法を従来に比べ小なる寸法に設定す
ること及び補強の軽減が可能であることが明らかであ
る。
【0026】また上記図4に示す方法によって、一辺L
が800mm、厚さHが200mmの平板状で中央部に
上方に向って開口する凹部を有するコンクリート製ブロ
ック2′と凹部の深さh1 が100mmの位置に上面が
位置するよう大径部直径が100mmの高さh2 が40
mm、垂線と角度αが10°をなす円錐台形のレジンコ
ンクリート製支持部材4′とを一体結合した試験アンカ
頭部の平均破壊荷重を測定した結果1395kgであ
り、テーパ状周面と緊引方向との角度が4°〜45°の
範囲が好ましい。なお〔表1〕は角度αが10°及び3
0°の試験用アンカー頭部の破壊荷重測定結果である。
【0027】
【表1】
【0028】上記実施例では、支持部材4、コーン5及
びナット6を別個の2つの部品によって構成した例につ
いて説明したが、図6に示すように支持部材4の凹部4
cの内周に形成したコーン5のネジ部5aに螺合するネ
ジ部4dを形成し、ナット6を廃止することにより構造
の簡素化及び部品個数の低減を図ることも可能である。
【0029】次に本発明による構造体の圧縮応力付与構
造の別な実施例について第1構造体がコンクリート製
梁、第2構造体がその梁を支持するコンクリート製柱で
ある建築物に適用した例について図7によって説明す
る。
【0030】第1構造体となる建築物の梁11はアンカ
ー孔11aを有し、その孔11aに引張材12を挿入
し、引張材12の基端(図示せず)をアンカー体として
梁11内に固定する。
【0031】このように形成された梁11の端部11b
を第2構造体となるコンクリート製柱13に形成した段
部13aに嵌入位置決めし、引張材12を緊張工具を用
いて緊張せしめ、梁11から突出する引張材12の先端
12aを柱13に固定させる。
【0032】引張材12の先端12aを支持する柱13
には前記凹部13aとは反対方向へ向って開口する凹陥
部13bが形成され、更に凹陥部13bと段部13aと
の間には透孔13cが形成されている。
【0033】透孔13cは、凹陥部13bから梁11方
向、即ち引張材の基端方向へ向って先細状となる円錐台
形又は角錐台形のテーパ孔部13dが形成され、テーパ
孔部13dの一端は凹陥部13bの底部13b′に開口
している。
【0034】テーパ孔部13dの内側面には支持部材1
4が柱13と一体的に配設されている。支持部材14は
柱13より高強度の、例えばレジンコンクリート製であ
って、テーパ状周面14aを有し、更に中央部には貫通
孔14bが形成され、貫通孔14bの凹陥部13b側に
はコーン15及びナット16の一部が収容される凹部1
4cが形成されている。支持部材14は予め形成され、
コンクリート製柱13を製造する際、埋設することによ
って柱13と一体化される。
【0035】一方引張材12の先端12aは、柱13の
透孔13c及び支持部材14の貫通孔14bを貫通して
コーン15に穿設された引張材挿通孔(図示せず)に挿
通され、引張材挿通孔に打ち込まれたくさび(図示せ
ず)によって固着されている。
【0036】引張材12が固着されるコーン15は、緊
張工具によって引張材12とともに引張され、所定引張
位置でネジ部15aに螺合するナット16を介して支持
部材14の凹部14cに圧接してコーン15の定着が図
られる。
【0037】また支持部材14の貫通孔14bの梁11
側端部は、引張材12を挿通する孔17aを有するシー
ル部材17によって閉鎖され、グリス注入管18より注
入されるグリスが貫通孔14b内に充填され、更にコー
ン16等をグリスが充填されたオイルキャップ19で覆
って引張材12の先端12a、コーン15、ナット16
等の防錆を図っている。符号20は必要に応じて凹陥部
13bを覆う蓋である。
【0038】このように構成された梁11及び柱13の
結合構造によれば引張材12の緊張に伴って梁11に圧
縮応力が付与され剛性が向上し、更に支持部材14を介
して柱13に作用する引張方向の押圧荷重は、支持部材
14のテーパ状周面13dによって分散され、軽減され
る。
【0039】従って荷重を受け取める柱13の凹陥部1
3bの底部13b′から段部13aまでの厚さを従来に
比べ小なる寸法に、また補強の簡素化が可能になる。
【0040】上記説明では、引張材12の基端をアンカ
ー体としてコンクリート製梁11に形成したアンカー孔
11a内に固着したが、アンカー孔11aを梁11全長
に亘って貫通するように形成し、アンカー孔11aに引
張材12を挿通せしめ、基端を他方の柱に固着するよう
に構成することも可能である。
【0041】以上説明では、本発明による構造体の圧縮
応力付与構造をグランドアンカーのアンカー頭部構造及
び建築物の梁と柱との結合構造に適用した場合について
説明したが、橋梁の橋脚と橋桁の結合等他の産業分野に
おける構造体の結合構造等に広く利用し得るものであ
る。
【0042】次に本発明による構造体の圧縮応力付与構
造の更に別な実施例について図8によって説明する。
【0043】構造体となる例えば梁21にはその一端に
開口するアンカー孔21aが形成され、その孔21aに
引張材22を挿入し、アンカー孔21aに引張材22の
基端(図示せず)をアンカー体としてコンクリート製梁
21内に固定してある。
【0044】アンカー孔21aの開口する梁21の端部
21bには外方に向って開口する凹陥部21cが形成さ
れ、凹陥部21cはアンカー孔21aと連通されてい
る。アンカー孔21aの凹陥部21c側には引張材22
の基端方向へ向って先細状となる円錐台形又は角錐台形
のテーパ孔部21dが形成され、テーパ孔部21dの一
端は凹陥部21cの底部21c′に開口している。更に
テーパ孔部2dの内周面にはテーパ状周面23aを有す
る支持部材23が梁21と一体的に形成されている。支
持部材23の中央には貫通孔23bが形成され、貫通孔
23bの端部にはコーン及びナット26の一部が収容さ
れる凹部23cが形成されている。
【0045】一方引張材22の先端22aは貫通孔23
bを貫通してコーン25に穿孔された引張材挿通孔(図
示せず)に挿通され、引張材挿通孔に打ち込まれたくさ
び(図示せず)によって固着されている。
【0046】引張材22が固着されるコーン25は支持
部材23の前方位置で緊張工具によって引張材22とと
もに引張され、所要引張位置でネジ部25aに螺合する
ナット26を介在させて支持部材23の凹部23cに当
接してコーン25の定着が図られるようになっている。
【0047】また支持部材23の貫通孔23bの引張材
基端側は、引張材22を挿通する孔27aを有するシー
ル部材27によって封鎖して貫通孔23b内にグリスを
充填し、更にコーン25等をグリスを充填したオイルキ
ャップ28で覆い、引張材22の先端22a、コーン2
5及びナット26等の防錆を図っている。更に凹陥部2
1cは必要に応じてボルト(図示せず)等によって取付
けられる蓋29で覆っている。
【0048】このように構成された構造体の圧縮応力付
与構造によれば、引張材22の緊張に伴って梁21に圧
縮応力が付与され、剛性が向上する。また支持部材23
を介して梁21に作用する緊引方向の押圧荷重は支持部
材23のテーパ状周面23a及び梁21のテーパ孔部2
1dによって分散される。従って梁21の端に集中的に
緊張方向の荷重が作用することなく、補強の簡素化が得
られる。
【0049】以上説明では、引張材22の基端をアンカ
ー体としてアンカー孔21a内に固定したが、アンカー
孔21aを梁全長に亘って貫通するように形成し、引張
材22の基端を梁の他端に開口するアンカー孔端に固定
することも可能である。
【0050】また、梁に限定することなく、橋桁や他の
構造体の圧縮応力付与に適用する等広く利用されるもの
である。
【0051】
【発明の効果】以上説明した本発明による構造体の圧縮
応力付与構造によれば、緊張方向に向って先細となるテ
ーパ状周面を有する支持部材を構造体に一体的に埋設す
ることにより、引張材の緊張に伴う支持部材を介して構
造体の緊張方向に作用する押圧荷重が分散され、構造体
の緊張方向に作用する荷重の軽減が図れ、荷重を受け止
める構造体の寸法縮小及び補強の軽減を可能にし、更に
支持部材が構造体と一体的に形成されることから部品個
数の低減が得られ、構造体の製造原価の低減、施行現場
への運搬及び施行が効果的に行われ、大幅なコスト低減
が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による構造体の圧縮応力付与構造の一実
施例を説明するグラウンドアンカーの頭部の要部拡大断
面図である。
【図2】同じく、本実施例を説明するグラウンドアンカ
ーの概要説明図である。
【図3】同じく、本実施例に用いられる支持部材の説明
斜視図である。
【図4】同じく、本実施例におけるアンカー頭部の破壊
荷重を計測する試験概要の説明図である。
【図5】同じく、本実施例におけるアンカー頭部の破壊
荷重と対比する従来のアンカー頭部の破壊荷重を計測す
る試験概要の説明図である。
【図6】同じく、本実施例に用いられる別な態様の支持
部材の説明斜視図である。
【図7】本発明による構造体の圧縮応力付与構造の別な
実施例を示す建築物の梁及び柱の結合を説明する要部断
面図である。
【図8】本発明による構造体の圧縮応力付与構造の更に
別な実施例を示す要部断面図である。
【図9】従来のグラウンドアンカーの頭部構造を説明す
る要部断面図である。
【図10】従来の建築物における梁と柱との結合構造を
説明する要部断面図である。
【符号の説明】
1 地盤(第1構造体) 2 ブロック(第2構造体) 2c 透孔 2d テーパ孔部 3 引張材 3b 先端 4 支持部材 4a 周面 5 コーン 11 梁(第1構造体) 12 引張材 12a 先端 13 柱(第2構造体) 13c 透孔 13d テーパ孔部 14 支持部材 14a 周面 21 梁 21d テーパ孔部 22 引張材 22a 先端 23 支持部材 23b 透孔
フロントページの続き (72)発明者 中居 寛司 東京都江東区木場3−7−11 東亜グラウ ト工業株式会社内 (72)発明者 塩見 昌紀 千葉県成田市玉造4−13−5

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1構造体の表面からこの構造体内方へ
    向って引張材を挿入してアンカー体となる引張材基端を
    固定し、第1構造体表面から突出する引張材の先端が第
    1構造体表面上に位置する第2構造体に形成した透孔を
    貫通して支持部材に支持され、引張材に緊張を付与して
    支持部材を介して第1構造体及び第2構造体に圧縮応力
    を付与する構造において、支持部材が引張材基端方向に
    向って先細となるテーパ状であって、第2構造体に第2
    構造体と一体的に埋設されていることを特徴とする構造
    体の圧縮応力付与構造。
  2. 【請求項2】 支持部材が、第2構造体より高強度の材
    料から構成されている請求項1記載の構造体の圧縮応力
    付与構造。
  3. 【請求項3】 引張材の先端がコーンに結合され、コー
    ンを介して支持部材に支持されている請求項1または2
    記載の構造体の圧縮応力付与構造。
  4. 【請求項4】 コーンの少なくとも一部が支持部材に形
    成した凹部に収容されている請求項3記載の構造体の圧
    縮応力付与構造。
  5. 【請求項5】 第1構造体が地盤であり、第2構造体が
    地表面に載置されたブロックである請求項1〜4の1つ
    に記載の構造体の圧縮応力付与構造。
  6. 【請求項6】 構造体の一端からこの構造体内方へ向か
    って開口するアンカー孔内へ引張材を挿入してアンカー
    体となる引張材基端を固定し、構造体表面から突出する
    引張材の先端を構造体表面上に位置する支持部材に支持
    され、引張材に緊張を付与して支持部材を介して構造体
    に圧縮応力を付与する構造において、支持部材が引張材
    基端方向に向かって先細となるテーパ状であって、構造
    体に構造体と一体的に埋設されていることを特徴とする
    構造体の圧縮応力付与構造。
  7. 【請求項7】 アンカー孔が構造体の他端に達する孔で
    あって、引張材基端がアンカー孔を貫通して他端に開口
    するアンカー孔端に固定される請求項6記載の構造体の
    圧縮応力付与構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009068282A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Daikure Co Ltd 盛土の法面用壁面材と、その取付方法。
JP2012246705A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Yahagi Construction Co Ltd 斜面補強工法用のプレキャスト板及び該プレキャスト板を使用した斜面補強工法

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