JPH0517954A - オープン式ケーソン工法 - Google Patents

オープン式ケーソン工法

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Publication number
JPH0517954A
JPH0517954A JP19340791A JP19340791A JPH0517954A JP H0517954 A JPH0517954 A JP H0517954A JP 19340791 A JP19340791 A JP 19340791A JP 19340791 A JP19340791 A JP 19340791A JP H0517954 A JPH0517954 A JP H0517954A
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JP
Japan
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caisson
caisson wall
wall
open
water
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Application number
JP19340791A
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English (en)
Inventor
Seishiro Igarashi
征四郎 五十嵐
Yutaka Saito
豊 斉藤
Yuichi Kikuchi
雄一 菊池
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
Original Assignee
Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 均一な沈下速度で高精度でケーソン壁を沈下
させることができるオープン式ケーソン工法を提供する
ことを目的としている。 【構成】 ケーソン壁内面接土及び刃口下の土砂を、掘
削排泥装置40によって、深さ数百粍まで先に掘削排泥
し、必要に応じて沈下力調整装置Sを使ってケーソン壁
Kの自重を支えたり引き込んだりして、バランスよく地
中に沈下させる工程と、ケーソン壁土以外のケーソン壁
内側の内の土砂を刃口深さ近くまで掘って搬出する工程
とを繰り返し行なうことにより、ケーソン壁を小さな沈
下力でバランスよく沈下させる。また、ケーソン壁外側
に設けられたノズルより泥水をケーソン外周面に沿って
地中散水させ、土杭30で改良されたケーソン壁外周接触
面に浸透させて土杭30によるケーソン壁外周面接土の摩
擦力低減とその均一性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオープン式ケーソン工法
に係わり、特に、ケーソン壁を精度よく沈下させること
ができるものに関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、オープン式ケーソン工法
は、あらかじめ構築した筒状のケーソン壁をその内側の
土砂を掘削および排土しながら沈下させ、構築、掘削沈
下の作業サイクルを繰り返して所定の支持層に到達させ
る基礎工法である。
【0003】この工法では、一般にケーソン壁築造前に
刃口下となる部分の地盤を改善することはほとんどな
く、最近は一部で刃口下地盤の全量を砂地に置換する方
式が提案されているが、いずれにしても、ケーソン壁内
側の土砂の搬出は上方よりクラムシェル等を使って行わ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記オープ
ン式ケーソン工法では、工費、工期、公害等の面で大き
なメリットがある半面、沈下精度に難がある。すなわ
ち、ケーソン壁内側の土砂の掘削、搬出においては、ク
ラムシェル等を操作するオペレーターの技量にもよるが
ケーソン壁の沈下バランスを取るのに重要な、刃口下及
びケーソン壁面近くの土砂の掘削搬出が難しく、その分
壁面周囲の掘削バランスを悪くするため、その結果ケー
ソン壁沈下バランスを損なうケースが多発している。
【0005】このため、沈下精度が重要となる深いケー
ソン工法には、過去の実績からニューマチック式ケーソ
ン工法が広く採用されている。この工法は、筒状のケー
ソン壁の刃口先端から約2メートル上に気密なスラブを
張ってその下にできる空間(作業室)に水圧に見合う圧
縮空気を送って、作業室内を完全にドライにした上で、
作業室内の土砂を人力もしくは人力と機械併用で掘削し
所定の深さまで鉄筋コンクリート製の基礎を掘り下げる
工法である。この工法は、上記オープン式ケーソン工法
に比べケーソン壁の沈下精度は高いが、圧縮空気を送る
ためのコンプレッサ等から発生する騒音振動があるとと
もに、特有の設備が必要であり、設備費の負担が大きく
なることが多かった。
【0006】この発明は上記事情に鑑みてなされたもの
であり、刃口及びケーソン壁内外の接土圧のアンバラン
スから生じる、円周方向での沈下力のアンバランスを改
善して且つ自重以外の外圧をバランス良く加味して均一
した沈下速度で精度高くケーソン壁を沈下させることが
できるオープン式ケーソン工法を提供することを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】ケーソン壁を精度よく沈
下させるためには沈下で生じる刃口部の土圧とケーソン
壁を沈下させるためには沈下で生じる刃口部の土圧とケ
ーソン壁内外面の摩擦抵抗を低減して沈下し易いように
して自重又は自重に多少の外力を加えることでバランス
良く沈下ができるようにコントロールすることである。
【0008】このため、請求項1記載の発明は、地盤に
筒状のケーソン壁を埋設して基礎とするオープン式ケー
ソン工法であって、予めケーソン壁を埋設する位置に、
多数の土杭をケーソン壁の周方向に沿って所定ピッチで
設け、その後、ケーソン壁の外側面に設けられたノズル
から水を噴出させつつケーソン壁を沈下させるものであ
る。
【0009】また、請求項2の発明は、地盤に筒状のケ
ーソン壁を埋設して基礎とするオープン式ケーソン工法
であって、ケーソン壁下端の刃口下およびケーソン壁下
端内側の接土をこれに水を噴出することにより掘削排泥
しながらケーソン壁を沈下させる工程と、ケーソン壁接
土以外のケーソン壁内側の土砂を刃口深さ近傍まで掘っ
て搬出する工程とを順次繰り返して行なうものである。
【0010】請求項3の発明は、請求項1の工法と請求
項2の工法を併行して行なうものである。
【0011】請求項4の発明は、請求項2または3記載
のオープン式ケーソン工法において、常水位以上で掘削
を行なう場合に、ケーソン壁内側の中央部に、掘削用水
溜と排泥の泥溜とを兼ねたピットを設けるものである。
【0012】請求項5の発明は、請求項1ないし4のい
ずれかのオープン式ケーソン工法において、ケーソン壁
を沈下力調整装置により地中に引き込んだり、自重沈下
しないように支持しつつケーソン壁を沈下させるもので
ある。
【0013】請求項6の発明は、請求項5のオープン式
ケーソン工法において、沈下力調整装置を、ケーソン壁
埋設位置外周に立設された杭と、この杭の両端部にそれ
ぞれ設けられた上下の滑車と、これら滑車に掛けられ、
ケーソン壁が係止されるワイヤと、上記杭に設けられて
上記ワイヤを回転させる回転手段とにより構成したもの
である。
【0014】
【作用】この発明のオープン式ケーソン工法にあって
は、ケーソン壁外面及び刃口下の土圧低減と安定を狙っ
て刃口金物セット前に、予めケーソン壁を埋設する位置
に地中障害摘出とケーソン壁外面及び刃口下の土圧低減
と安定を狙いとするガイド杭(必要な深さまできりで揉
み地中障害物があればそれを取り除きその土で埋め戻し
た土杭)を設ける。
【0015】ケーソン壁沈下に当たってはケーソン壁外
側に設けられたノズルより刃口付近の上部で泥水(清水
も含む)をケーソン外周面に沿って地中散水させ、ガイ
ド杭で改良されたケーソン壁外周接触面に浸透させてガ
イド杭によるケーソン壁外周面接土の摩擦力低減とその
均一性を向上させる。
【0016】また、ケーソン壁埋設前に外周に接近した
位置に予め杭を使って設けられた沈下力調整装置をバラ
ンス良く配置してケーソン壁の沈下を支えたり、沈下さ
せる力の一部として利用することで沈下精度を上げる。
【0017】さらに、ケーソン壁内面接土及び刃口下の
土砂を、これに水を噴出することによって、深さ数百粍
まで先に掘削排泥し、必要に応じて上記沈下力調整装置
を使ってケーソン壁の自重を支えたり引き込んだりし
て、バランスよく地中に沈下させる工程と、ケーソン壁
土以外のケーソン壁内側の内の土砂を刃口深さ近くまで
掘って搬出する工程とを繰り返し行なうことにより、ケ
ーソン壁を小さな沈下力でバランスよく沈下させる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明のオープン
式ケーソン工法の一実施例を説明する。図1ないし図4
は、この実施例のオープン式ケーソン工法による有効直
径が6mで埋設深度30mの畜熱水槽の築造概念図であ
る。
【0019】施工順序は始めに (1)ケーソン壁埋設位置を決める。 (2)設計図を基に沈下力調整装置用の鋼管杭1を設計
図で指示された以上の圧縮強度と地耐力が確保できるよ
うに、きりで開けられた穴の中にセットする。
【0020】ここで、上記沈下力調整装置Sについて図
5および図6を参照して説明する。図5に示す鋼管杭1
は、ケーソン壁埋設深さ以上に地盤中に埋設されかつ地
盤表面からの高さが3〜5m程度のものであり、その上
端部と下端部とにはそれおぞれ上下の滑車3,4が取り
付けられており、これら滑車3,4にはワイヤ5が掛け
られている。このワイヤ5にはケーソン壁Kが取付金具
6を介して係止されるようになっている。
【0021】また、上記鋼管杭1の上端部にはワイヤ5
を回転させる回転手段7が設けられている。すなわち、
鋼管杭1の上端部には、図6に示すように、反力受板8
が設けられており、この反力受板8は上板部9と、下板
部10と、これら上下板部9,10の間に設けられた多
数の受板11…とから構成されている。上板部9にはオ
イルジャッキ12がそのピストン軸12aを上方に向け
て取付けられている。このピストン軸12aには、上記
ワイヤ5を着脱自在に把持する把持部13が取付けられ
ている。
【0022】この把持部13はチャック受14と、くさ
び式チャック15とを主体として構成されている。チャ
ック受14は、ピストン軸12aに固定されたものであ
り、その上面には下方に向かうにしたがって漸次縮径す
るテーパ孔16が形成されている。このチャック受14
の上方には、上記くさび式チャック15が配設されてお
り、このくさび式チャック15は、これを貫通してチャ
ック受14にねじ込まれたピン17の頭部と、チャック
15の上面との間に設けられたスプリング18により下
方に向けて付勢されている。
【0023】くさび式チャック15は、上記ピン17が
挿通されている鍔部15aと、この鍔部15aの下面に
形成されて上記チャック受14のテーパ孔16に係合す
るテーパ部15bとにより構成されており、鍔部15a
とテーパ部15bとの中央部には上記ワイヤ5が挿通さ
れる孔19が形成されている。この孔19の内壁にはス
リット20が上下方向に沿って形成されており、この孔
19は、上記テーパ部15bがスプリング18によって
下方に押圧されてテーパ孔16に係合することにより締
め付けられて縮径して上記ワイヤ5を把持し、一方、テ
ーパ部15bがテーパ孔16から離間することにより拡
径して上記ワイヤ5を開放するようになっている。
【0024】ここで、上記チャック15をスプリング1
8の付勢力に抗して上昇させるには、チャック15の外
側に配設されたルーズ金具21,21によって行なう。
すなわち、このルーズ金具21,21はその先端部が水
平面に対して傾斜しており、この先端部がチャック受1
4の上面と、チャック15の鍔部15aとの間に侵入せ
しめられている。そして、ルーズ金具21,21は、図
示しない駆動手段によりチャック15の孔19に対して
接離移動することによりチャック15をチャック受14
に対して上下動させ、これにより上記孔19によりワイ
ヤ5を把持または開放するようになっている。
【0025】また、上記反力受板8の下板部10には、
ワイヤ5に係止したケーソン壁Kの自重落下を防止する
落下防止ストッパ22が設けられている。すなわち、下
板部10には、チャック受23がビス24,24により
固定されている。このチャック受23は上記チャック受
14とほぼ同形のものであり、そのテーパ孔25を下方
に向けて設置されている。チャック受23の下方には、
くさび式チャック26がスプリング27,27により上
方に付勢されて設けられている。このチャック26は上
記チャック15とほぼ同形のものであり、上記ルーズ金
具21,21と同様の構成のルーズ金具28,28とス
プリング27,27により上下動されてチャック受23
に係合または離間することによりワイヤ5を把持または
開放するようになっている。
【0026】そして、上記のように構成された沈下力調
整装置Sでは、チャック26をチャック受23から離間
させてワイヤ5を開放した状態で、チャック15をチャ
ック14に係合して該チャック15によりワイヤ5を把
持した後、ピストン軸12aを伸張させる。すると、ワ
イヤ5が上下の滑車3,4を介して回転し、これにより
該ワイヤ5が下滑車4を支点としてケーソン壁Kを下方
に所定の長さ(ピストン軸12aのストローク分)だけ
引き込む。
【0027】次いで、ルーズ金具28,28をチャック
受23から離間させてスプリング27によりチャック2
6をチャック受23に係合させて、該チャック26によ
りワイヤ5を把持した状態で、上記チャック15をワイ
ヤ5から開放して、ピストン軸12aを縮める。その
後、チャック15によりワイヤ5を再び把持し、チャッ
ク23を開放した状態で、ピストン軸12aを伸張させ
ることにより、ワイヤ5を回転させることによりケーソ
ン壁Kをさらに1ストローク分だけ引き込む。この作業
を所定回数繰り返して行なうことによりケーソン壁Kを
所定の支持層に到達させる。
【0028】さて、上記沈下力調整装置S用の鋼管杭1
を立設した後、 (3)ガイド杭の位置を設計図に基づいて、埋設される
べきケーソン壁Kの周方向に沿って所定ピッチごとにマ
ーキングする。なお、鋼管杭1にはケーソン壁Kを埋設
する前に沈下力調整装置Sが設置される。
【0029】(4)次に、図1および図2に示すよう
に、上記マーキングされた場所にガイド杭(土杭)30
…を設ける。このガイド杭30は、例えば、ケーソン壁
Kの最終埋設深さまで地盤をきり揉んだ後押し固めた
り、地盤にケーソン壁Kの最終埋設深さまで孔を掘削形
成し、掘り出した土砂の中からケーソン壁沈下に支障と
なる地中障害物を取り除き、その土砂(埋め戻しの際必
要に応じて砂を混ぜて地質改良することもある)を使っ
て開けた孔を埋め戻すことにより形成されたものであ
る。
【0030】(5)ガイド杭30…の埋設終了後、埋設
すべきケーソン壁周囲及びケーソン壁内側の円内の土砂
を1〜2m近く掘り下げ予め準備された刃口金物(ケー
ソン壁直径より多少大きい)31をセットし、その上部
の1段目ケーソン壁Kに高さ3〜5m程度の位置に沈下
力調整装置Sのワイヤ5を係止するための取付金具6を
固定する。また、1段目のケーソン壁Kの上端面に2段
目のケーソン壁Kを係合してこの係合部に防水処理32
を施すとともに、1段目と2段面のケーソン壁Kどうし
を鋼製かすがい33によって連結して一体化する(図5
参照)。
【0031】(6)ケーソン壁コンクリート養生後、ケ
ーソン壁Kの外周面に、図3に示すように、該ケーソン
壁Kの軸方向に延びる泥水スプレー管34…を周方向に
所定ピッチで取り付ける。各泥水スプレー管34には泥
水を噴出するノズル(図示略)が設けられている。そし
て、泥水スプレー管34を取り付けた後、ケーソン壁K
の外側の土を埋め戻す。
【0032】(7)次に、図4に示すように、予めケー
ソン壁Kの内周面に設けられた取付け金物(図示略)を
使ってリング型ステージ用軌道35を設置して、この軌
道35上につり吊り上げ可能なリング型ステージ36を
セットする。そして、このステージ36に、プロテクタ
ー付き掘削排泥装置40を1〜2セット設置する。この
掘削排泥装置40は、ケーソン壁Kの下端側の接土にジ
ェット水流を噴出するノズル41と、このノズル41に
加圧水を供給するジェットスプレーポンプ42と、上記
ノズル41から噴出したジェット水流により掘削された
排泥を吸い込む吸引口43と、この吸引口43から排泥
を吸引するための排泥ポンプ44とを主体として構成さ
れている。
【0033】上記ジェットスプレーポンプ42には吸込
管45の一端部が接続されている。この吸込管45はス
テージ36に設けられたアーム46に吊持されその他端
部はピットP内に吊下されている。吸込管45の他端部
にはストレーナ47が取り付けられている。このストレ
ーナ47は例えば、金網状のものであり、ピットP内の
水、排泥のうち所定粒径以上の土砂が吸込管45に流入
しないようにするためのものである。また、上記排泥ポ
ンプ44には吐出管48の一端部が接続されている。こ
の吐出管48はステージ36に設けられたアーム49に
吊持されその他端部はピットP内に吊下されている。
【0034】(8)次に、鋼管杭1の上部に上記沈下力
調整装置Sを取り付け、ワイヤ5を引き込み可能なよう
にセットすなわちオイルジャッキ12のピストン軸12
aを縮めた状態にセットし、ケーソン壁Kに設けられた
取付金具6にワイヤ5の両端を結び、オイルジャッキ1
2や落下防止ストッパ22を操作することでケーソン壁
Kを地中に引き込んだり、ケーソン壁Kの自重沈下を抑
えたりする。
【0035】(9)そして、クラムシェル等を使ってケ
ーソン壁Kの内側中央部に、上記掘削排泥装置40にお
ける掘削用ジェット水流用水溜と排泥用の泥溜を兼ねた
ピットPをケーソン壁Kの沈下に影響を来たさない範囲
で掘り下げ水張りし、掘削排泥装置40の吸込管45お
よび突出管48の先端開口を水中にセットする。
【0036】(10)以上の埋設準備完了後、上記リン
グ型ステージ35に設けられた刃口周辺土面センサー
(図示略)で刃口周辺の掘削状況をチェックしながら掘
削排泥装置40のジェットスプレーポンプ42、排泥ポ
ンプ44を制御しながら刃口周辺の土砂をバランス良く
掘削排土しつつ上記沈下力調整装置Sを運転しながら高
い精度でケーソン壁Kを沈下させる。
【0037】また、ケーソン壁Kの外周の摩擦力が大き
い場合は、外周に取り付けられた泥水スプレー管34の
泥水ノズルから泥水を注水して摩擦力を低減させる。
【0038】(11)ケーソン壁Kを所定深さだけ沈下
させた後、クラムシェル等を使って刃口レベルまでケー
ソン壁Kの内側の土砂を搬出し、更にケーソン壁Kの内
側中央部にピットPをケーソン壁Kの沈下に影響を来た
さない範囲で掘り下げる。
【0039】(12)そして、(10)と(11)の工
程を繰り返して一段目のケーソン壁Kを沈下させる、こ
の場合ケーソン壁内の水位は周囲の地中常水位に合わせ
る。
【0040】(13)次の二段目、三段目ケーソン壁K
の埋設は前段のケーソン壁埋設後、ケーソン壁Kのつな
ぎ目の防水処理32を施し、次のケーソン壁Kの築造を
行いその後は一段目と同様の要領でケーソン壁Kを埋設
する。
【0041】(14)深さ30mまでケーソン壁Kを埋
設した後、リング型ステージ36を引き上げて撤去し、
ケーソン壁Kの内側の土砂を床付けまで搬出して床面を
均し、予め用意した鉄筋組ユニットを床面にセットして
防水性のある水中コンクリートを打ち、底盤を施工す
る。
【0042】(15)ケーソン壁Kの外周が接土と一体
になるように上記泥水スプレー管34を使ってケーソン
壁外周面に水洗浄後モルタルを注入してケーソン壁の浮
き上がりを防止する。
【0043】(16)上部スラブはPC版仮枠を使って
最終段目ケーソン壁Kにエポキシアンカーで差し筋して
配筋後地中アンカー取り付け金物を上部スラブ筋に固定
してコンクリート打ちを行い外部から必要に応じて防水
処理をする。
【0044】(17)水槽内水抜きを行いリング型テー
ブル用軌道35の撤去と外からの侵入水の有無をチェッ
ク及び手直し後、槽内に設ける分配器や配管を設けて満
水まで水張りを行うことにより蓄熱水槽の構築を終了す
る。
【0045】しかして、上記実施例によれば以下のよう
な効果を得ることができる。 イ.ケーソン壁Kの外周面に泥水スプレー管34を設け
るとともに、ケーソン壁Kを埋設すべき位置にガイド杭
30を埋設し、ケーソン壁Kを沈下させる際に、泥水ス
プレー管34から刃口付近で泥水(清水も含む)をケー
ソン壁K外周面に沿って地中散水させ、ガイド杭30で
改良されたケーソン壁外周接触面に浸透させるようにし
たので、ケーソン壁外周面接土の摩擦力低減とその均一
性の向上を図ることができ、よって、ケーソン壁Kを精
度よく沈下させることができる。
【0046】ロ.ケーソン壁埋設前に、鋼管杭1を使っ
た沈下力調整装置Sをバランスよく配置してケーソン壁
Kの沈下を支えたり、沈下力を加えたりするようにした
ので、この点においてもケーソン壁Kを精度よく沈下さ
せることができる。
【0047】ハ.ケーソン壁内面接土および刃口下の土
砂を、リング型ステージ36に設けられた掘削排泥装置
40によって深さ数百ミリまで先に掘削排泥してケーソ
ン壁Kを沈下させる工程と、ケーソン壁接土以外のケー
ソン壁内側の土砂を刃口深さ近傍まで掘って搬出する工
程とを順次繰り返して行なうとともに、上記沈下力調整
装置Sによってケーソン壁Kの自重を支えたり、引き込
んだりしてバランスよく沈下させるようにしたので、こ
の点においてもケーソン壁Kを精度よく沈下させること
ができる。
【0048】ニ.常水位以上で掘削を行なう場合に、ケ
ーソン壁Kの内側の中央部に、掘削用水溜と排泥の泥溜
とを兼ねたピットPを設けたので、掘削排泥装置40に
より掘削された排泥を一時貯留することができるととも
に、このピットPを掘削排泥装置40の掘削用のジェッ
ト水流の水源とすることができ新たに水源を設置する必
要がない。
【0049】ホ.沈下力調整装置Sが、ケーソン壁埋設
位置外周に所定間隔をもってバランスよく立設された鋼
管杭1と、各鋼管杭1の両端部にそれぞれ設けられた上
下の滑車3,4と、これら滑車3,4に掛けられ、ケー
ソン壁Kが係止されるワイヤ5と、上記鋼管杭1に設け
られてワイヤ5を回転させる回転手段7とにより構成さ
れているので、回転手段7によりワイヤ5を回転させる
でけで、ケーソン壁Kをバランスよく沈下させる沈下力
を得ることができるとともに、回転手段7を停止するこ
とによりケーソン壁Kの自重による沈下を支えることが
できる。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のオープ
ン式ケーソン壁工法によれば以下のような効果を得るこ
とができる。ケーソン壁の外周面にノズルを設けると
ともに、ケーソン壁を埋設すべき位置に土杭を埋設し、
ケーソン壁を沈下させる際に、ノズルから刃口付近で泥
水(清水も含む)をケーソン壁外周面に沿って地中散水
させ、土杭で改良されたケーソン壁外周接触面に浸透さ
せるようにしたので、ケーソン壁外周面接土の摩擦力低
減とその均一性の向上を図ることができ、よって、ケー
ソン壁を精度よく沈下させることができる。
【0051】ケーソン壁埋設前に、杭を使った沈下力
調整装置をバランスよく配置してケーソン壁の沈下を支
えたり、沈下力を加えたりするようにしたので、この点
においてもケーソン壁を精度よく沈下させることができ
る。
【0052】ケーソン壁内面接土および刃口下の土砂
を、これに水を噴出することによって深さ数百ミリまで
先に掘削排泥してケーソン壁を沈下させる工程と、ケー
ソン壁接土以外のケーソン壁内側の土砂を刃口深さ近傍
まで掘って搬出する工程とを順次繰り返して行なうとと
もに、上記沈下力調整装置によってケーソン壁の自重を
支えたり、引き込んだりしてバランスよく沈下させるよ
うにしたので、この点においてもケーソン壁Kを精度よ
く沈下させることができる。
【0053】常水位以上で掘削を行なう場合に、ケー
ソン壁の内側の中央部に、掘削用水溜と排泥の泥溜とを
兼ねたピットを設けたので、掘削された排泥を一時貯留
することができるとともに、このピットを掘削用のジェ
ット水流の水源とすることができ新たに水源を設置する
必要がない。
【0054】沈下力調整装置が、ケーソン壁埋設位置
外周に所定間隔をもってバランスよく立設された杭と、
各杭の両端部にそれぞれ設けられた上下の滑車と、これ
ら滑車に掛けられ、ケーソン壁が係止されるワイヤと、
上記杭に設けられてワイヤを回転させる回転手段とによ
り構成されているので、回転手段によりワイヤを回転さ
せるでけで、ケーソン壁をバランスよく沈下させる沈下
力を得ることができるとともに、回転手段を停止するこ
とによりケーソン壁の自重による沈下を支えることがで
きる。
【0055】そして、上記のような効果が得られること
により、オープンケーソン方式の場合ケーソン壁沈下精
度を左右するケーソン壁内外面と接土との摩擦抵抗や土
圧及び刃口下の圧力が均一化されるのでオープン式のメ
リット(場所を取らない、工期が短い、ニューマ式に比
べ圧縮空気を使うために生じる問題点が無い、安価等)
を生かして高い精度の沈下が望めるので深い水槽等の施
工も可能となる。また、高価な専用機材の開発が不要の
ため、その分、開発費が安価でしかもケーソン壁の埋設
もコンピュータ等による自動化が容易で、安定した埋設
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】土杭(ガイド杭)を埋設した状態を示す平面図
である。
【図2】土杭(ガイド杭)を埋設した状態を示す断面図
である。
【図3】ケーソン壁を埋設している状態を示す平面図で
ある。
【図4】ケーソン壁を埋設している状態を示す断面図で
ある。
【図5】沈下力調整装置の全体を示す側面図である。
【図6】沈下力調整装置の要部を示す側面図である。
【符号の説明】
1 鋼管杭(杭) 3 上滑車 4 下滑車 5 ワイヤ 7 回転手段 12 オイルジャッキ 22 落下防止ストッパ 30 ガイド杭(土杭) 31 刃口金物 34 泥水スプレー管 40 掘削排泥装置、 P ピット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤に筒状のケーソン壁を埋設して基礎
    とするオープン式ケーソン工法であって、 予め上記ケーソン壁を埋設する位置に、多数の土杭をケ
    ーソン壁の周方向に沿って所定ピッチで設け、その後、
    上記ケーソン壁の外側面に設けられたノズルから水を噴
    出させつつケーソン壁を沈下させることを特徴とするオ
    ープン式ケーソン工法。
  2. 【請求項2】 地盤に筒状のケーソン壁を埋設して基礎
    とするオープン式ケーソン工法であって、 ケーソン壁下端の刃口下およびケーソン壁下端内側の接
    土をこれに水を噴出することにより掘削排泥しながら上
    記ケーソン壁を沈下させる工程と、ケーソン壁接土以外
    のケーソン壁内側の土砂を上記刃口深さ近傍まで掘って
    搬出する工程とを順次繰り返して行なうことを特徴とす
    るオープン式ケーソン工法。
  3. 【請求項3】 請求項1の工法と請求項2の工法を併行
    して行なうことを特徴とするオープン式ケーソン工法。
  4. 【請求項4】 常水位以上で掘削を行なう場合に、ケー
    ソン壁内側の中央部に、掘削用水溜と排泥の泥溜とを兼
    ねたピットを設けることを特徴とする請求項2または3
    記載のオープン式ケーソン工法。
  5. 【請求項5】 ケーソン壁を沈下力調整装置により地中
    に引き込んだり、自重沈下しないように支持しつつケー
    ソン壁を沈下させることを特徴とする請求項1ないし4
    のいずれかに記載のオープン式ケーソン工法。
  6. 【請求項6】 沈下力調整装置が、ケーソン壁埋設位置
    外周に立設された杭と、この杭の両端部にそれぞれ設け
    られた上下の滑車と、これら滑車に掛けられ、ケーソン
    壁が係止されるワイヤと、上記杭に設けられて上記ワイ
    ヤを回転させる回転手段とにより構成されていることを
    特徴とする請求項5記載のオープン式ケーソン工法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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