JPH05179314A - 微粉末の製造方法 - Google Patents
微粉末の製造方法Info
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- JPH05179314A JPH05179314A JP34695691A JP34695691A JPH05179314A JP H05179314 A JPH05179314 A JP H05179314A JP 34695691 A JP34695691 A JP 34695691A JP 34695691 A JP34695691 A JP 34695691A JP H05179314 A JPH05179314 A JP H05179314A
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- molten material
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- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アトマイズ装置に加熱装置を付加することな
く、アトマイズの初期段階における溶湯管の閉塞を防止
して、安定的かつ高歩留りで微粉末を製造する。 【構成】 シート状溶湯を溶湯管1内で閉塞させないた
めに、溶湯をアトマイズを行う直前に溶湯管1内に一時
的に滞留させて溶融材料の顕熱で加熱する。溶湯を滞留
させるには、アトマイズノズル2の設置位置をアトマイ
ズを行う正規位置より下方に移動させて、溶湯管1の出
口端で噴射ガスによる正圧域を発生して溶湯のヘッド圧
と平衡させる。
く、アトマイズの初期段階における溶湯管の閉塞を防止
して、安定的かつ高歩留りで微粉末を製造する。 【構成】 シート状溶湯を溶湯管1内で閉塞させないた
めに、溶湯をアトマイズを行う直前に溶湯管1内に一時
的に滞留させて溶融材料の顕熱で加熱する。溶湯を滞留
させるには、アトマイズノズル2の設置位置をアトマイ
ズを行う正規位置より下方に移動させて、溶湯管1の出
口端で噴射ガスによる正圧域を発生して溶湯のヘッド圧
と平衡させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば金属や合金等の
溶融材料から微粉末を製造する方法に関する。さらに詳
しくは、本発明は、溶融材料をアトマイズ装置に供給す
る溶湯管における溶融材料の閉塞、特にアトマイズの初
期における溶融材料の閉塞を解消しながら微粉末を製造
する方法に関する。
溶融材料から微粉末を製造する方法に関する。さらに詳
しくは、本発明は、溶融材料をアトマイズ装置に供給す
る溶湯管における溶融材料の閉塞、特にアトマイズの初
期における溶融材料の閉塞を解消しながら微粉末を製造
する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アトマイズ法は、溶湯管から供給される
溶融材料流に、アトマイズノズルの噴射孔から流体を噴
射して前記溶融材料流を粉砕・冷却することにより当該
溶融材料の微粉末を製造する方法であり、広く利用され
ている方法である。特に、近年では合金の微粉末に対す
る需要が高まっていると言われている。これに対応する
ため、アトマイズ法でも噴射流体の高圧化や高流量化が
実施され始めている。
溶融材料流に、アトマイズノズルの噴射孔から流体を噴
射して前記溶融材料流を粉砕・冷却することにより当該
溶融材料の微粉末を製造する方法であり、広く利用され
ている方法である。特に、近年では合金の微粉末に対す
る需要が高まっていると言われている。これに対応する
ため、アトマイズ法でも噴射流体の高圧化や高流量化が
実施され始めている。
【0003】ところで、噴射流体の高圧化を図ると、噴
射流体の適正な流れ状態が生成し難くなるため、溶融材
料を供給する溶湯管の内径を減少させて、溶融材料を細
径の円柱状あるいは薄いシート状として、流下する方法
が検討されている。ところが、大量のガスによる対流伝
熱によって溶湯管は冷却され易く、溶湯管内の溶融材料
が低温になって流動性を失い、溶湯管を閉塞させること
が問題である。このように、アトマイズ法において一旦
溶湯管が閉塞してしまうと、閉塞物は高融点固形物であ
るため、例えば溶融材料を閉塞した溶湯管に供給しても
除去できず、結局アトマイズ操作を中断して溶湯管を交
換しなければならなかった。したがって、アトマイズ法
を実施するには、アトマイズ初期における溶湯管の閉塞
を防止することが重要である。
射流体の適正な流れ状態が生成し難くなるため、溶融材
料を供給する溶湯管の内径を減少させて、溶融材料を細
径の円柱状あるいは薄いシート状として、流下する方法
が検討されている。ところが、大量のガスによる対流伝
熱によって溶湯管は冷却され易く、溶湯管内の溶融材料
が低温になって流動性を失い、溶湯管を閉塞させること
が問題である。このように、アトマイズ法において一旦
溶湯管が閉塞してしまうと、閉塞物は高融点固形物であ
るため、例えば溶融材料を閉塞した溶湯管に供給しても
除去できず、結局アトマイズ操作を中断して溶湯管を交
換しなければならなかった。したがって、アトマイズ法
を実施するには、アトマイズ初期における溶湯管の閉塞
を防止することが重要である。
【0004】従来、一般的な溶湯管の閉塞対策として、
例えば下記または等の手段により、溶湯管を予備加
熱する対策が知られていた。 溶湯管への発熱装置設置 溶湯管の外面に電熱ヒータ等の発熱装置を配置して溶湯
管を加熱する対策である。 溶融材料の流し出し アトマイズを開始する前に溶融材料を流下させて溶融材
料により溶湯管を加熱しておく対策である。
例えば下記または等の手段により、溶湯管を予備加
熱する対策が知られていた。 溶湯管への発熱装置設置 溶湯管の外面に電熱ヒータ等の発熱装置を配置して溶湯
管を加熱する対策である。 溶融材料の流し出し アトマイズを開始する前に溶融材料を流下させて溶融材
料により溶湯管を加熱しておく対策である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来の溶湯管の閉塞対策では、何れも安定性や有効性が
不十分であり、さらに、それぞれ次のような問題があっ
た。
従来の溶湯管の閉塞対策では、何れも安定性や有効性が
不十分であり、さらに、それぞれ次のような問題があっ
た。
【0006】溶湯管への発熱装置設置対策 可及的少スペースで設置すると、加熱能力が不足し十分
な効果を得難くなってしまう。また、発熱装置の寸法等
の制約のため、アトマイズ法で用いる溶融材料容器の下
部に収納することが極めて困難な場合が多い。
な効果を得難くなってしまう。また、発熱装置の寸法等
の制約のため、アトマイズ法で用いる溶融材料容器の下
部に収納することが極めて困難な場合が多い。
【0007】溶融材料の流し出し対策 アトマイズを開始する前に溶融材料を流下させて溶湯管
を加熱する方法であるために、アトマイズタンクの内壁
に高温の材料が直接的に融着して、アトマイズタンクの
損傷ならびに融着物へのアトマイズ粉末の付着による歩
留まり損失が大きくなってしまう。
を加熱する方法であるために、アトマイズタンクの内壁
に高温の材料が直接的に融着して、アトマイズタンクの
損傷ならびに融着物へのアトマイズ粉末の付着による歩
留まり損失が大きくなってしまう。
【0008】ここに、本発明の目的は、アトマイズ装置
に加熱装置を付加することなく、アトマイズの初期段階
における溶湯管の閉塞を防止して、安定的かつ高歩留り
で微粉末を製造する方法を提供することにある。
に加熱装置を付加することなく、アトマイズの初期段階
における溶湯管の閉塞を防止して、安定的かつ高歩留り
で微粉末を製造する方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため種々検討を重ねた結果、溶湯管の閉塞防
止には、溶融材料の顕熱を利用することが有効であり、
そのためには、アトマイズを開始する直前に、溶湯管内
に溶融材料を一時的に滞留させて溶湯管を加熱すること
が有効であると考えた。
を解決するため種々検討を重ねた結果、溶湯管の閉塞防
止には、溶融材料の顕熱を利用することが有効であり、
そのためには、アトマイズを開始する直前に、溶湯管内
に溶融材料を一時的に滞留させて溶湯管を加熱すること
が有効であると考えた。
【0010】そこで、本発明者らはさらに検討を重ねた
結果、これを実現するためには、溶湯管とアトマイズノ
ズルに設置された噴射孔との相対位置を適宜調整するこ
とにより、溶湯管の出口端部に正圧域を発生させ、この
圧力により溶湯管から溶融材料が流下しないようにすれ
ば良く、このようにして、溶湯管の予熱を十分に行った
時点で、溶湯管と噴射孔との相対的位置をアトマイズ処
理に適するように元に戻して、アトマイズ操作を開始す
ればよいことを知見して、本発明を完成した。
結果、これを実現するためには、溶湯管とアトマイズノ
ズルに設置された噴射孔との相対位置を適宜調整するこ
とにより、溶湯管の出口端部に正圧域を発生させ、この
圧力により溶湯管から溶融材料が流下しないようにすれ
ば良く、このようにして、溶湯管の予熱を十分に行った
時点で、溶湯管と噴射孔との相対的位置をアトマイズ処
理に適するように元に戻して、アトマイズ操作を開始す
ればよいことを知見して、本発明を完成した。
【0011】ここに、本発明の要旨とするところは、溶
湯管から供給される溶融材料流に、アトマイズノズルの
噴射孔から流体を噴射して前記溶融材料流を粉砕・冷却
することにより当該溶融材料の微粉末を製造するアトマ
イズ法において、アトマイズ開始前に、前記溶湯管およ
び/またはアトマイズノズルの設置位置を変更すること
により前記溶湯管の出口端部に正圧域を発生させた後、
溶融材料を前記溶湯管に供給して前記溶湯管を所定温度
に加熱し、その後に、前記溶湯管および/またはアトマ
イズノズルノズルの設置位置を元に戻してからアトマイ
ズを開始することを特徴とする微粉末の製造方法であ
る。
湯管から供給される溶融材料流に、アトマイズノズルの
噴射孔から流体を噴射して前記溶融材料流を粉砕・冷却
することにより当該溶融材料の微粉末を製造するアトマ
イズ法において、アトマイズ開始前に、前記溶湯管およ
び/またはアトマイズノズルの設置位置を変更すること
により前記溶湯管の出口端部に正圧域を発生させた後、
溶融材料を前記溶湯管に供給して前記溶湯管を所定温度
に加熱し、その後に、前記溶湯管および/またはアトマ
イズノズルノズルの設置位置を元に戻してからアトマイ
ズを開始することを特徴とする微粉末の製造方法であ
る。
【0012】本発明における「溶融材料流」の形状は特
に限定を要するものではなく、例えば円柱状またはシー
ト状のものを包含する。本発明において、正圧域を溶湯
管の出口端部に生成するには、噴射された流体の交点が
溶湯管の中心に一致していることが好ましく、特に溶融
材料流がシート状である場合には、噴射された流体の交
線とシートの短辺側の中心を通り長辺に沿った線とが一
致することが望ましい。
に限定を要するものではなく、例えば円柱状またはシー
ト状のものを包含する。本発明において、正圧域を溶湯
管の出口端部に生成するには、噴射された流体の交点が
溶湯管の中心に一致していることが好ましく、特に溶融
材料流がシート状である場合には、噴射された流体の交
線とシートの短辺側の中心を通り長辺に沿った線とが一
致することが望ましい。
【0013】なお、上記の本発明では、(i) 溶融材料が
鉛直な溶湯管を通って円柱状に供給されるとともに噴射
された流体は逆円錐状に噴射され、この逆円錐状噴射流
体の中心軸と前記溶融材料流の中心軸とが一致するよう
に、溶湯管および/またはアトマイズノズルの設置位置
を変更すること、または(ii)溶融材料が、水平断面が矩
形であって鉛直な溶湯管を通ってシート状に供給される
とともに噴射された流体は溶湯管の両長辺側からシート
状に噴射され、かつシート状噴霧流体の交差線は溶湯管
の長辺に沿う中心線に一致するように、溶湯管および/
またはアトマイズノズルの設置位置を変更することが、
溶湯管の閉塞を解消しつつ円滑かつ均一に溶融材料を流
体噴射場に供給するためには望ましい。
鉛直な溶湯管を通って円柱状に供給されるとともに噴射
された流体は逆円錐状に噴射され、この逆円錐状噴射流
体の中心軸と前記溶融材料流の中心軸とが一致するよう
に、溶湯管および/またはアトマイズノズルの設置位置
を変更すること、または(ii)溶融材料が、水平断面が矩
形であって鉛直な溶湯管を通ってシート状に供給される
とともに噴射された流体は溶湯管の両長辺側からシート
状に噴射され、かつシート状噴霧流体の交差線は溶湯管
の長辺に沿う中心線に一致するように、溶湯管および/
またはアトマイズノズルの設置位置を変更することが、
溶湯管の閉塞を解消しつつ円滑かつ均一に溶融材料を流
体噴射場に供給するためには望ましい。
【0014】このような本発明を実施するには、例え
ば、アトマイズタンクと、該アトマイズタンク内に設置
された溶融材料受容容器 (以下、単に「容器」という)
と、該容器の下部に固定・接続されて溶融材料をアトマ
イズタンク内に供給する溶湯管と、該溶湯管の周囲に可
動自在に設置されたアトマイズノズルとを有する微粉末
の製造装置を用いればよい。
ば、アトマイズタンクと、該アトマイズタンク内に設置
された溶融材料受容容器 (以下、単に「容器」という)
と、該容器の下部に固定・接続されて溶融材料をアトマ
イズタンク内に供給する溶湯管と、該溶湯管の周囲に可
動自在に設置されたアトマイズノズルとを有する微粉末
の製造装置を用いればよい。
【0015】
【作用】以下、本発明を作用効果とともに詳述する。本
発明は、例えば細径の円柱状あるいは薄いシート状とな
って流下する溶融材料を溶湯管からアトマイズタンク内
に流下させて、これに流体を噴射して粉砕することによ
り微粉末を製造するアトマイズ法を実施するに際して、
アトマイズ開始直後に溶融材料が溶湯管の内部で冷却・
低温化されて流動性を失い閉塞してしまうことを防ぐた
めに、溶湯管をアトマイズに先だって予め予備加熱する
技術の一つである。本発明は、この予備加熱を、加熱装
置に依らずに、溶融材料の顕熱を利用して行うものであ
る。
発明は、例えば細径の円柱状あるいは薄いシート状とな
って流下する溶融材料を溶湯管からアトマイズタンク内
に流下させて、これに流体を噴射して粉砕することによ
り微粉末を製造するアトマイズ法を実施するに際して、
アトマイズ開始直後に溶融材料が溶湯管の内部で冷却・
低温化されて流動性を失い閉塞してしまうことを防ぐた
めに、溶湯管をアトマイズに先だって予め予備加熱する
技術の一つである。本発明は、この予備加熱を、加熱装
置に依らずに、溶融材料の顕熱を利用して行うものであ
る。
【0016】本発明では、アトマイズ操作を開始する直
前に溶湯管内に溶融材料を一時的に滞留させて溶湯管を
加熱する。溶湯管を構成する材料の熱容量は、溶湯管内
に保持される溶融材料の顕熱に比べて比較的小さいた
め、溶融材料が低温化して流動性を失って閉塞すること
なく、溶湯管を予熱できる。
前に溶湯管内に溶融材料を一時的に滞留させて溶湯管を
加熱する。溶湯管を構成する材料の熱容量は、溶湯管内
に保持される溶融材料の顕熱に比べて比較的小さいた
め、溶融材料が低温化して流動性を失って閉塞すること
なく、溶湯管を予熱できる。
【0017】アトマイズ操作を開始する前に溶融材料を
溶湯管内に一時的に滞留させるには、溶湯管および/ま
たはアトマイズノズルの設置位置を変更することにより
前記溶湯管の出口端部に正圧域を生成し、溶融材料の流
下を阻止すればよい。
溶湯管内に一時的に滞留させるには、溶湯管および/ま
たはアトマイズノズルの設置位置を変更することにより
前記溶湯管の出口端部に正圧域を生成し、溶融材料の流
下を阻止すればよい。
【0018】すなわち、アトマイズ処理を行う際の正規
位置に溶湯管およびアトマイズノズルが設置されている
ときには、噴霧された流体により囲まれる領域は負圧域
となり、溶融材料を引き込むため溶湯管内の溶融材料の
流下は阻止されない。しかし、 溶湯管の先端が正規位置よりも上方に位置するように
溶湯管の設置位置を変更すること、および/または アトマイズノズルの設置位置を、噴射された流体の交
線位置が正規位置よりも下方となるように、変更するこ
と、すなわちアトマイズノズルを下方または左右方向に
位置変更することにより、突き出し長さ(溶湯管先端位
置〜アトマイズノズル下端位置の間の距離)が小さくな
るように、溶湯管および/またはアトマイズノズルの設
置位置を変更すると、溶湯管の影響を受けて、噴射流体
が加速されエゼクター効果によって溶湯管出口に発生す
る負圧が小さくなるために、溶湯管の端部に位置するこ
の領域が負圧域から正圧域に変化する。したがって、こ
の領域に接続する溶湯管内の溶融材料の流下が阻止さ
れ、溶融材料の溶湯管内滞留時間が増加し、溶湯管は溶
融材料の有する顕熱により、閉塞を生じない程度に加熱
されることになる。
位置に溶湯管およびアトマイズノズルが設置されている
ときには、噴霧された流体により囲まれる領域は負圧域
となり、溶融材料を引き込むため溶湯管内の溶融材料の
流下は阻止されない。しかし、 溶湯管の先端が正規位置よりも上方に位置するように
溶湯管の設置位置を変更すること、および/または アトマイズノズルの設置位置を、噴射された流体の交
線位置が正規位置よりも下方となるように、変更するこ
と、すなわちアトマイズノズルを下方または左右方向に
位置変更することにより、突き出し長さ(溶湯管先端位
置〜アトマイズノズル下端位置の間の距離)が小さくな
るように、溶湯管および/またはアトマイズノズルの設
置位置を変更すると、溶湯管の影響を受けて、噴射流体
が加速されエゼクター効果によって溶湯管出口に発生す
る負圧が小さくなるために、溶湯管の端部に位置するこ
の領域が負圧域から正圧域に変化する。したがって、こ
の領域に接続する溶湯管内の溶融材料の流下が阻止さ
れ、溶融材料の溶湯管内滞留時間が増加し、溶湯管は溶
融材料の有する顕熱により、閉塞を生じない程度に加熱
されることになる。
【0019】以上説明してきた本発明を実施するための
微粉末の製造装置は特に限定を要するものでない。例え
ば、図1にその構成の一部を抽出して示すアトマイズ装
置を用いて行ってもよい。図1は、アトマイズタンク3
と、該アトマイズタンク3内に設置された溶融材料収容
容器 (以下、単に「容器」という) 4と、容器4の下部
に固定・接続されて溶融材料をアトマイズタンク3内に
供給する溶湯管1と、噴射孔6を有し、溶湯管1の周囲
に上下方向に可動自在に設置されたアトマイズノズル2
とを有する微粉末の製造装置を示す。なお、同図におい
て、符号7はアトマイズノズル2を上下方向に微動させ
ることができる微動装置を示し、符号8は溶融材料のス
トッパを示す。
微粉末の製造装置は特に限定を要するものでない。例え
ば、図1にその構成の一部を抽出して示すアトマイズ装
置を用いて行ってもよい。図1は、アトマイズタンク3
と、該アトマイズタンク3内に設置された溶融材料収容
容器 (以下、単に「容器」という) 4と、容器4の下部
に固定・接続されて溶融材料をアトマイズタンク3内に
供給する溶湯管1と、噴射孔6を有し、溶湯管1の周囲
に上下方向に可動自在に設置されたアトマイズノズル2
とを有する微粉末の製造装置を示す。なお、同図におい
て、符号7はアトマイズノズル2を上下方向に微動させ
ることができる微動装置を示し、符号8は溶融材料のス
トッパを示す。
【0020】すなわち、この装置を用いて、アトマイズ
ノズル2から所定の圧力でガスを噴射して溶湯管1の端
部に正圧域を発生させ、その正圧の大きさを個々の装置
の特性によって決定される溶融材料のヘッド圧よりも大
きくすることにより、溶融材料が暫くの間、溶湯管から
流下しないように制御でき、溶湯管1を溶融材料により
所望の温度に加熱することが可能となる。
ノズル2から所定の圧力でガスを噴射して溶湯管1の端
部に正圧域を発生させ、その正圧の大きさを個々の装置
の特性によって決定される溶融材料のヘッド圧よりも大
きくすることにより、溶融材料が暫くの間、溶湯管から
流下しないように制御でき、溶湯管1を溶融材料により
所望の温度に加熱することが可能となる。
【0021】さらに、本発明を実施例を参照しながら詳
述するが、これは本発明の例示であり、これにより本発
明が限定されるものではない。
述するが、これは本発明の例示であり、これにより本発
明が限定されるものではない。
【0022】
【実施例1】図2は、本発明にかかる微粉末の製造方法
を実施する微粉末の製造装置の一例の概略構成図であ
る。同図において、符号3はアトマイズタンクであって
アトマイズタンク3の上部に位置する密閉容器5内には
溶融材料を収容する容器4が設置されており、容器4の
底部には溶融材料をアトマイズタンク3内に供給するた
めの溶湯管1が設置されている。なお、容器4には溶解
装置(図示せず)から溶融金属/合金材料が供給され
る。溶湯管1の近傍には、アトマイズノズル2が設置さ
れている。アトマイズノズル2の構造は図1に示す通り
である。
を実施する微粉末の製造装置の一例の概略構成図であ
る。同図において、符号3はアトマイズタンクであって
アトマイズタンク3の上部に位置する密閉容器5内には
溶融材料を収容する容器4が設置されており、容器4の
底部には溶融材料をアトマイズタンク3内に供給するた
めの溶湯管1が設置されている。なお、容器4には溶解
装置(図示せず)から溶融金属/合金材料が供給され
る。溶湯管1の近傍には、アトマイズノズル2が設置さ
れている。アトマイズノズル2の構造は図1に示す通り
である。
【0023】溶融材料は、容器4の底部から溶湯管1を
通ってアトマイズノズル2に送給される。アトマイズノ
ズル2には高圧の不活性ガスが供給され、アトマイズノ
ズル2の噴射孔6から高流速のガス噴流となって流下す
る溶融材料 (円柱状) に衝突し、これを粉砕・粉化する
とともに冷却して微粉末を生成することができるように
構成されている。なお、アトマイズノズル2は上下方向
に微動装置7によって位置調整自在に構成されている。
通ってアトマイズノズル2に送給される。アトマイズノ
ズル2には高圧の不活性ガスが供給され、アトマイズノ
ズル2の噴射孔6から高流速のガス噴流となって流下す
る溶融材料 (円柱状) に衝突し、これを粉砕・粉化する
とともに冷却して微粉末を生成することができるように
構成されている。なお、アトマイズノズル2は上下方向
に微動装置7によって位置調整自在に構成されている。
【0024】本実施例では、図1に示すように溶湯管1
は固定しておき、アトマイズノズル2の設置位置をアト
マイズを行う正規位置に比較して下方向に所定の距離だ
け移動させ、突き出し長さを小さくしておく。
は固定しておき、アトマイズノズル2の設置位置をアト
マイズを行う正規位置に比較して下方向に所定の距離だ
け移動させ、突き出し長さを小さくしておく。
【0025】アトマイズ開始前に、この状態でアトマイ
ズノズル2から所定の圧力でガスを噴射すると、溶湯管
の端部に正圧域が発生する。そこで、ストッパ8を離脱
させて溶融材料を溶湯管1内に流下させると、溶湯管1
の端部に発生した正圧によって溶融材料は溶湯管1内に
一時的に滞留し、溶湯管1は溶融材料の顕熱により加熱
される。
ズノズル2から所定の圧力でガスを噴射すると、溶湯管
の端部に正圧域が発生する。そこで、ストッパ8を離脱
させて溶融材料を溶湯管1内に流下させると、溶湯管1
の端部に発生した正圧によって溶融材料は溶湯管1内に
一時的に滞留し、溶湯管1は溶融材料の顕熱により加熱
される。
【0026】所定時間だけ、溶融材料を溶湯管1内に保
持した後、アトマイズノズル2を上方の正規位置へ移動
させて溶融材料のアトマイズを開始する。なお、生成し
た微粉末は、通常と同様に、アトマイズタンク3の底部
並びにこれに接続されたサイクロン9により回収され
る。この図2に示す装置を用いて以上説明した操作手順
により、錫、銅あるいは表1に化学成分を示すステンレ
ス鋼を予熱した容器4に供給した。
持した後、アトマイズノズル2を上方の正規位置へ移動
させて溶融材料のアトマイズを開始する。なお、生成し
た微粉末は、通常と同様に、アトマイズタンク3の底部
並びにこれに接続されたサイクロン9により回収され
る。この図2に示す装置を用いて以上説明した操作手順
により、錫、銅あるいは表1に化学成分を示すステンレ
ス鋼を予熱した容器4に供給した。
【0027】
【表1】
【0028】そして、アトマイズノズル2を微動装置7
によって下方に2.2 mm移動した後、アトマイズノズル2
の噴射孔6から3.1MPaの圧力で窒素ガスを噴射して溶湯
管1の端部に+16kPa の正圧域を発生させた。
によって下方に2.2 mm移動した後、アトマイズノズル2
の噴射孔6から3.1MPaの圧力で窒素ガスを噴射して溶湯
管1の端部に+16kPa の正圧域を発生させた。
【0029】そして、ストッパ8を離脱させて溶融材料
を溶湯管1内に流下させ、溶融材料を溶湯管1内に約5s
ec保持して溶湯管1を予備加熱した後、アトマイズノズ
ル2を上方へ2.2 mm移動させて正規位置に戻して、溶融
材料のアトマイズを開始した。アトマイズ開始後の溶湯
管1での溶湯の閉塞有無を表2に示す。
を溶湯管1内に流下させ、溶融材料を溶湯管1内に約5s
ec保持して溶湯管1を予備加熱した後、アトマイズノズ
ル2を上方へ2.2 mm移動させて正規位置に戻して、溶融
材料のアトマイズを開始した。アトマイズ開始後の溶湯
管1での溶湯の閉塞有無を表2に示す。
【0030】次に、従来の方法と比較するため、当該ア
トマイズノズル2をアトマイズに適した位置に固定した
まま、ガスを噴射して、ストッパ8を離脱させ、溶融材
料を溶湯管1内に流下した場合について、アトマイズ開
始後の溶湯管1での溶湯の閉塞の有無を表2に併せて示
す。この比較のために挙げる従来法では、溶湯管内で閉
塞することが多かった。
トマイズノズル2をアトマイズに適した位置に固定した
まま、ガスを噴射して、ストッパ8を離脱させ、溶融材
料を溶湯管1内に流下した場合について、アトマイズ開
始後の溶湯管1での溶湯の閉塞の有無を表2に併せて示
す。この比較のために挙げる従来法では、溶湯管内で閉
塞することが多かった。
【0031】
【表2】
【0032】表2から明らかなように、本発明によれ
ば、溶湯管内の閉塞を確実に防止することができる。
ば、溶湯管内の閉塞を確実に防止することができる。
【0033】
【実施例2】図3は、本発明にかかる微粉末の製造方法
について、前述の図1とは別の実施態様を示すものであ
る。図1では、アトマイズノズル2からは逆円錐状を形
成するように流体を噴射されているが、本実施例では、
溶融材料が、図3に示すような断面が矩形の溶湯管1を
通ってシート状に供給されるとともに、噴射流体も矩形
断面の溶湯管1の二つの長辺側からシート状に噴射され
ており、左右のシート状噴射流体の交線は、溶湯管1の
長辺に沿う中心線に一致している。
について、前述の図1とは別の実施態様を示すものであ
る。図1では、アトマイズノズル2からは逆円錐状を形
成するように流体を噴射されているが、本実施例では、
溶融材料が、図3に示すような断面が矩形の溶湯管1を
通ってシート状に供給されるとともに、噴射流体も矩形
断面の溶湯管1の二つの長辺側からシート状に噴射され
ており、左右のシート状噴射流体の交線は、溶湯管1の
長辺に沿う中心線に一致している。
【0034】このような構成の溶湯管1およびアトマイ
ズノズル2を前述の図2に示すアトマイズ装置に適用し
て、錫、銅あるいは表1に化学成分を示すステンレス鋼
を予熱した容器4に供給した。
ズノズル2を前述の図2に示すアトマイズ装置に適用し
て、錫、銅あるいは表1に化学成分を示すステンレス鋼
を予熱した容器4に供給した。
【0035】そして、アトマイズノズル2を微動装置7
によって下方に1.1 mm移動した後、アトマイズノズル2
の噴射孔6から2.6MPaの圧力で窒素ガスを噴射して溶湯
管1の端部に+12kPa の正圧域を発生させた。
によって下方に1.1 mm移動した後、アトマイズノズル2
の噴射孔6から2.6MPaの圧力で窒素ガスを噴射して溶湯
管1の端部に+12kPa の正圧域を発生させた。
【0036】そして、ストッパ8を離脱させて溶融材料
を溶湯管1内に流下させ、溶融材料を溶湯管1内に約5s
ec保持して溶湯管1を予備加熱した後、アトマイズノズ
ル2を上方へ1.1 mm移動させて正規位置に戻して、溶融
材料のアトマイズを開始した。アトマイズ開始後の溶湯
管1での溶湯の閉塞有無を表3に示す。
を溶湯管1内に流下させ、溶融材料を溶湯管1内に約5s
ec保持して溶湯管1を予備加熱した後、アトマイズノズ
ル2を上方へ1.1 mm移動させて正規位置に戻して、溶融
材料のアトマイズを開始した。アトマイズ開始後の溶湯
管1での溶湯の閉塞有無を表3に示す。
【0037】次に、従来の方法と比較するため、当該ア
トマイズノズル2をアトマイズに適した位置に固定した
まま、ガスを噴射して、ストッパ8を離脱させ、溶融材
料を溶湯管1内に流下した場合について、アトマイズ開
始後の溶湯管1での溶湯の閉塞の有無を表3に併せて示
す。この比較のために挙げる従来法は、全てが溶湯管で
の閉塞を発生した。
トマイズノズル2をアトマイズに適した位置に固定した
まま、ガスを噴射して、ストッパ8を離脱させ、溶融材
料を溶湯管1内に流下した場合について、アトマイズ開
始後の溶湯管1での溶湯の閉塞の有無を表3に併せて示
す。この比較のために挙げる従来法は、全てが溶湯管で
の閉塞を発生した。
【0038】
【表3】
【0039】表3から明らかなように、本発明によれ
ば、溶湯管内の閉塞を確実に防止することができる。
ば、溶湯管内の閉塞を確実に防止することができる。
【0040】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
アトマイズ法によって微粉末を生成する際に、細径の円
柱状あるいは薄いシート状に溶融材料を噴霧する場合に
おいても溶湯管での低温化・閉塞を防止でき、溶融材料
の微粉末を高い生産性と安価な製造費により、確実に製
造することができる。かかる効果を有する本発明の意義
は極めて著しい。
アトマイズ法によって微粉末を生成する際に、細径の円
柱状あるいは薄いシート状に溶融材料を噴霧する場合に
おいても溶湯管での低温化・閉塞を防止でき、溶融材料
の微粉末を高い生産性と安価な製造費により、確実に製
造することができる。かかる効果を有する本発明の意義
は極めて著しい。
【図1】本発明にかかる微粉末の製造方法を実施するた
めの装置の一例を一部抽出して示す説明図である。
めの装置の一例を一部抽出して示す説明図である。
【図2】本発明にかかる微粉末の製造方法を実施するた
めの装置の一例を示す説明図である。
めの装置の一例を示す説明図である。
【図3】本発明にかかる微粉末の製造方法を実施するた
めの装置の他の一例を一部抽出して示す説明図である。
めの装置の他の一例を一部抽出して示す説明図である。
1 : 溶湯管 2 : アトマイ
ズノズル 3 : アトマイズタンク 4 : 容器 5 : 密閉容器 6 : 噴射孔 7 : 微動装置 8 : ストッパ 9 : サイクロン
ズノズル 3 : アトマイズタンク 4 : 容器 5 : 密閉容器 6 : 噴射孔 7 : 微動装置 8 : ストッパ 9 : サイクロン
Claims (1)
- 【請求項1】 溶湯管から供給される溶融材料流に、ア
トマイズノズルの噴射孔から流体を噴射して前記溶融材
料流を粉砕・冷却することにより当該溶融材料の微粉末
を製造するアトマイズ法において、アトマイズ開始前
に、前記溶湯管および/またはアトマイズノズルの設置
位置を変更することにより前記溶湯管の出口端部に正圧
域を発生させた後、溶融材料を前記溶湯管に供給して前
記溶湯管を所定温度に加熱し、その後に、前記溶湯管お
よび/またはアトマイズノズルノズルの設置位置を元に
戻してからアトマイズを開始することを特徴とする微粉
末の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34695691A JPH05179314A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 微粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34695691A JPH05179314A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 微粉末の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05179314A true JPH05179314A (ja) | 1993-07-20 |
Family
ID=18386960
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34695691A Withdrawn JPH05179314A (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 微粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05179314A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023111851A (ja) * | 2022-01-31 | 2023-08-10 | 三菱重工業株式会社 | 金属粉末製造装置及びその制御方法 |
-
1991
- 1991-12-27 JP JP34695691A patent/JPH05179314A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023111851A (ja) * | 2022-01-31 | 2023-08-10 | 三菱重工業株式会社 | 金属粉末製造装置及びその制御方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990311 |