JPH05178836A - アンジオテンシンii拮抗性ピリジン誘導体 - Google Patents

アンジオテンシンii拮抗性ピリジン誘導体

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JPH05178836A
JPH05178836A JP35751491A JP35751491A JPH05178836A JP H05178836 A JPH05178836 A JP H05178836A JP 35751491 A JP35751491 A JP 35751491A JP 35751491 A JP35751491 A JP 35751491A JP H05178836 A JPH05178836 A JP H05178836A
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angiotensin
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JP35751491A
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English (en)
Inventor
Kiyoaki Katano
野 清 昭 片
Masao Shimizu
水 昌 郎 清
Naganori Shidara
楽 永 紀 設
Hiroko Ogino
野 裕 子 荻
Jun Nagura
倉 純 名
Kenichi Kono
野 賢 一 河
Kazuyuki Fujishima
島 和 幸 藤
Fukio Konno
野 不器夫 紺
Tomoya Machinami
並 智 也 町
Takashi Tsuruoka
岡 崇 士 鶴
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンジオテンシンII拮抗作用を有し、抗高血
圧剤および心不全治療薬として有用な新規なピリジン誘
導体を提供する。 【構成】 下記の一般式(I)で表わされるピリジン誘
導体および薬理学的に許容されるそれらの塩。 【化1】 (式中RおよびRは置換されていてもよい低級アル
キル基を、Rは置換されていてもよい低級アルコキシ
基を、RおよびRは水素原子または置換されていて
もよい低級アルキル基を、Aはカルボン酸残基あるいは
テトラゾール残基をそれぞれ表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明はアンジオテンシンIIに対
する拮抗作用を有するピリジン誘導体、それらの少なく
とも一種を有効成分として含有してなる、高血圧や心不
全の治療や予防に有効な抗高血圧剤および心不全治療薬
に関する。
【0002】
【従来の技術】アンジオテンシンIIは、アンジオテンシ
ン変換酵素によってアンジオテンシンIより誘導される
ホルモンであり、ラットや犬やヒトの様な哺乳動物にお
いては強力な昇圧物質として、高血圧の原因物質の一つ
とされている。従ってアンジオテンシン変換酵素の阻害
剤や、アンジオテンシンIIの受容体における拮抗剤は高
血圧や鬱血性の心不全の治療薬としての効果が期待でき
る。アンジオテンシン変換酵素の阻害剤の例としてはカ
プトプリルやエナラプリルが既に臨床で使用されてい
る。アンジオテンシンIIの受容体における拮抗作用を持
つ薬剤は未だ臨床では使用されていないが、サーキュレ
ーション・リサーチ誌29巻673ページ(1971
年)、ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー
32巻、466、898、1366ページ(1989
年)にはアンジオテンシンIIの構造に類似のペプチド性
のアンジオテンシン受容体拮抗剤の報告がある。また、
特開昭62−240683およびEP415886には
イミダゾピリジン誘導体が、特公昭63−64428、
特開昭63−23868、WO/91−00281、W
O/91−00277、EP403158およびEP4
03159には置換イミダゾール誘導体が、特開平1−
287071、EP411507、EP412594お
よびEP409332には置換ピロール、ピラゾール、
トリアゾール誘導体が、EP411766にはキナゾリ
ノン誘導体が、特開平3−44377およびEP419
048にはピリミドン誘導体が、特開平3−5464、
特開平3−27362、特開平3−63264およびU
SP4,880,804にはベンズイミダゾール誘導体
が、EP400974、EP401030およびEP4
07102には5〜7員環に縮合したイミダゾール誘導
体が非ペプチド性アンジオテンシンII受容体拮抗剤とし
て開示されている。ピリジン誘導体に関してはEP45
3210に記載があるがピリジンの3位にアルコキシ基
が存在する化合物については知られていない。
【0003】 〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は今般ある
種のピリジン誘導体が強いアンジオテンシンII拮抗作用
を有し、動物モデルでの抗高血圧作用、抗心不全作用を
示すことを見出し本発明を完成させた。従って、本発明
は、アンジオテンシンIIに対する拮抗作用を有する新規
なピリジン誘導体を提供することを目的としている。ま
た本発明は、アンジオテンシンII拮抗作用を有する新規
なピリジン誘導体を含有してなる、抗高血圧剤および心
不全治療薬を提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によるピリジン誘
導体は、下記の一般式(I)で表わされる化合物および
その薬理学的に許容される塩である。
【0005】
【化2】
【0006】(式中、RおよびRは同一または異な
っていてもよく、それぞれ置換されていてもよいC1-6
アルキル基を表わし、Rは置換されていてもよいC
1-6 アルコキシ基を表わし、RおよびRは同一また
は異なっていてもよく、それぞれ水素原子または置換さ
れていてもよいC1-6 アルキル基を表わし、Xは−O
−、−NR−(ここで、Rは水素原子、C1-6 アル
キル基またはC1-4 アシル基を表わす)または−S
(O)−(ここでpは0〜2の整数を表わす)を表わ
し、Aは基−COOR(ここでRは水素原子または
基−CHOCOC(CHを表わす)またはテト
ラゾリル基を表わす)
【0007】また、本発明による抗高血圧剤および心不
全治療薬は、前記一般式(I)で表わされる化合物また
はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有し
てなるもの、である。
【0008】前記一般式(I)で表わされる化合物は、
ペプチド性の受容体拮抗剤にみられるアゴニスト作用が
無く、経口吸収性や作用の持続性に優れ、またそのアン
ジオテンシンII拮抗活性は従来の非ペプチド性のアンジ
オテンシンII拮抗剤に比較して優れたものである。従っ
て人体に安全な抗高血圧剤および心不全治療薬を供給す
ることができる。
【0009】 〔発明の具体的説明〕
【0010】化合物 一般式(I)において、R、R、RおよびR
表わすC1-6 アルキル基は、直鎖、分枝状鎖のいずれで
あってもよく、好ましくはC1-4 アルキル基である。ま
たこのアルキル基は置換基によって置換されていてもよ
く、置換基の具体例としては、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子などが挙げら
れる。R、R、RおよびRの好ましい例として
は、メチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、n
‐ブチル、イソブチル、sec‐ブチル、tert‐ブ
チル、n‐ペンチル、n‐ヘキシル、トリフルオロメチ
ル、2‐フルオロエチル、ジフルオロメチル、2,2,
2‐トリフルオロエチル等が挙げられる。
【0011】また一般式(I)においてRが表わすC
1-6 アルコキシ基のアルキル基部分は直鎖、分枝状鎖の
いずれであってもよく、好ましくはC1-4 アルコキシ基
である。またこのアルコキシ基は置換基によって置換さ
れていてもよく、置換基の具体例としては、ハロゲン原
子などが挙げられる。Rの好ましい例としては、メト
キシ、エトキシ、n‐プロポキシ、イソプロポキシ、n
‐ブトキシ、イソブトキシ、sec‐ブトキシ、ter
t‐ブトキシ、枝分かれ構造を含むペントキシやヘキシ
ルオキシ、トリフルオロメトキシ、2‐フルオロエトキ
シ、ジフルオロメトキシ、2,2,2‐トリフルオロエ
トキシ、5,5,5‐トリフルオロペントキシ等が挙げ
られる。
【0012】基−NR−中のRが表わすC1-6 アル
キル基は、前記R、R、RおよびRの場合と同
様であってよく、またC1-4 アシル基の好ましい例とし
てはアセチル、プロピオニル基などが挙げられる。
【0013】本発明による化合物の好ましい化合物群
は、RおよびRが水素原子であり、Xが−O−であ
り、そしてAが5‐テトラゾリル基である場合である。
【0014】特に好ましい化合物としては、6‐エチル
‐3‐メトキシ‐2‐メチル‐4‐〔2′‐(テトラゾ
ール‐5‐イル)ビフェニル‐4‐イル〕メトキシピリ
ジンが挙げられる。
【0015】本発明による化合物は分子中の硫黄原子に
由来する立体異性体、および、テトラゾール環に由来す
る互変異性体として存在し得るが、いずれの異性体も本
発明に包含されるものである。
【0016】本発明による化合物は、その塩とすること
ができる。そのような塩としては、医学上許容される非
毒性塩が挙げられ、好適にはナトリウム塩、カリムウ塩
またはカルシウム塩のようなアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の塩、フッ化水素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸
塩、ヨウ化水素酸塩のようなハロゲン化水素塩、硝酸
塩、過塩素酸塩、硫酸塩、リン酸塩などの無機酸塩、メ
タスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エ
タンスルホン酸塩のような低級アルキルスルホン酸塩、
ベンゼンスルホン酸塩、p‐トルエンスルホン酸塩のよ
うなアリールスルホン酸塩、フマール酸塩、コハク酸
塩、クエン酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩
などの有機酸塩、およびグルタミン酸塩、アスパラギン
酸塩のようなアミノ酸塩を挙げることができる。
【0017】化合物の製造 本発明による化合物は、下記に示すような種々の方法に
よって製造することができる。本発明による第一の方法
(A)によれば、一般式(I)の化合物(ただし、Xが
基−S(O)−を表わすときはp=0である)は、次
の一般式(II):
【0018】
【化3】
【0019】(式中、R、R、Rは前記一般式
(I)の場合と同じ意味を表わし、XはO、SまたはN
Hを表わす)で表わされる化合物と、式(III):
【0020】
【化4】
【0021】(式中、R、RおよびYはハロゲン原
子またはスルホニルオキシ基を示し、Bは−COOR
(ここでRは前記の一般式(I)の場合と同じ意味を
表わすかまたはカルボキシル基の保護基を表わす)また
は保護されていてもよい5‐テトラゾリル基を表わす)
で表わされるビフェニル誘導体とを、反応に関与しない
溶媒(例えば、N,N‐ジメチルホルムアミド、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、
アセトン、ジメチルスルホキシドなどの有機溶媒あるい
はこれらの溶媒と水との混合溶媒)中で、塩基存在下、
−30〜150℃、好適には10〜100℃、の反応温
度で30分〜24時間、通常1〜6時間、反応させ、必
要に応じての保護基を除去することによって得ることが
できる。
【0022】上記の化合物(III)のYの置換基として
は、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロ
ゲン原子、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニル
オキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシなどのア
ルキルスルホニルオキシ基、ベンゼンスルホニルオキ
シ、p‐トルエンスルホニルオキシなどのアリールスル
ホニルオキシ基などが挙げられる。また、上記縮合反応
に用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、水素化ナトリウ
ム、水素化カリウムなどの水素化金属、トリエチルアミ
ン、ピリジンなどの有機アミンなどが挙げられる。
【0023】また、B中のRのカルボキシル基の保護
基としてはメチル基、エチル基、t‐ブチル基、ベンジ
ル基、p‐メトキシベンジル基、ジフェニルメチル基等
が挙げられ、またテトラゾリル基の保護基としてはトリ
チル基、2‐シアノエチル基等が挙げられる。
【0024】本発明による第二の方法(B)によれば、
一般式(I)の化合物(ただし、Xが基−S(O)
を表わすときはp=0である)は、次の一般式(IV):
【0025】
【化5】
【0026】(式中、R、RおよびRは前記一般
式(I)の場合と同じ意味を表わし、Zはハロゲン原子
またはニトロ基を表わす)で表わされる化合物と、式
(V):
【0027】
【化6】
【0028】(式中、RおよびRは前記一般式
(I)の場合と同じ意味を表わし、Bは一般式(III)の
場合と同じ意味を表わし、XはO、NHまたはSを表わ
す)で表わされるビフェニル誘導体またはその反応性の
塩とを、前記方法(A)と同様の反応条件下で反応さ
せ、必要に応じて保護基を除去することによって得るこ
とができる。上記化合物(V)の反応性の塩としては、
例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ
金属塩が挙げられる。
【0029】本発明による第三の方法(C)によれば、
一般式(I)の化合物(ただし、Aは5‐テトラゾリル
基を表わす)は、次の方法によっても合成することがで
きる。
【0030】
【化7】
【0031】(式中、R、R、R、RおよびR
は前記一般式(I)の場合と同じ意味を表わし、R7*
は水素原子または低級アルキル、好ましくはC1-4 アル
キル、を表わし、Bは5‐テトラゾリル基を表わす)
【0032】段階(i)は式(Ia)の化合物にアンモニ
アを反応させて一般式(VI)のアミド化体を合成する工
程である。R7*が水素原子である場合には、反応に先だ
ち式(Ia)の化合物を酸ハロゲン化物または活性エステ
ル体とするのが好ましい。酸ハロゲン化物としては酸塩
化物や酸臭化物が用いられ、これらは、式(Ia)の化合
物と、チオニルクロライド、チオニルブロマイド、五塩
化リン、オキシ塩化リン、オキザリルクロライド等の酸
ハロゲン化物と、反応に関与しない溶媒の存在下ないし
は非存在下、−20〜150℃の温度で反応させること
によって得ることができる。活性エステルとしてはN‐
ヒドロキシコハク酸イミド、N‐ヒドロキシベンズトリ
アゾール等のエステルが用いられる。
【0033】式(Ia)の化合物とアンモニアとの反応
は、0〜150℃の温度で、水、メタノール、エタノー
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の溶媒中で、3
0分〜24時間で完了させることができる。
【0034】段階(ii)は、アミドの脱水反応によって
式(VI)の化合物をニトリル化する工程である。反応
は、脱水剤としてチオニルクロライド、五塩化リン、オ
キシ塩化リン、チオニルブロマイド等を用い、反応に関
与しない溶媒の存在下ないしは非存在下に、−20〜1
50℃の温度で、30分〜24時間で完了させることが
できる。
【0035】段階(iii)は、ニトリルとアジド誘導体と
を反応させ、テトラゾール環を形成する工程である。テ
トラゾール環の形状は、式(VII)の化合物を、アジ化ナ
トリウム、アジ化カリウム、アジ化トリメチルスズ、ア
ジ化トリブチルスズなどのアジド誘導体と、反応に関与
しない溶媒の存在下ないしは非存在下、0〜200℃の
温度で、30分〜1週間反応させることによって進行す
る。このようにして得られたテトラゾール化合物は必要
によりトリチル基、p‐メトキシベンジル基、メトキシ
メチル基、2‐シアノエチル基等で保護し、精製後脱保
護して、Aが5‐テトラゾールを表わす一般式(I)の
化合物を得ることができる。
【0036】前記一般式(I)においてXが−S(O)
−を表わしかつpが1または2であるスルホキシド化
合物およびスルホン化合物は、Xが−S−である前記一
般式(I)の化合物を酸化することによって製造するこ
とができる。この酸化反応は、溶媒(例えばベンゼン、
クロロホルム、メチレンクロライド、メタノール、エタ
ノール、酢酸、ギ酸、水あるいはこれらの混合溶媒)中
で、p=1の場合には1〜2当量、好ましくは1〜1.
2当量、の酸化剤を用いて、またp=2の場合には2〜
3当量、好ましくは2〜2.5当量、の酸化剤を用いて
−40〜60℃、好ましくは−20〜室温で5分〜6時
間で終了させることができる。好ましい酸化剤として
は、例えば過酢酸、過酸化水素、トリフルオロ過酢酸、
メタクロロ過安息香酸、メタ過ヨウ素酸ナトリウム、N
‐ブロモサクシイミド、tert‐ブチルヒドロパーオ
キシド、二酸化マンガンなどが挙げられる。
【0037】前記一般式(II)および(IV)で示される
ピリジンあるいはピリドン誘導体は、仏特許FR151
6463に記載される方法、およびこれに準じて合成さ
れるピロン化合物を用い、特開昭60−178890号
公報に記載される方法および薬学雑誌75巻、1236
ページ(1955年)に記載される方法やこれらに準じ
た方法で合成される。また、前記一般式(III)および
(V)で示されるビフェニル誘導体は公知の方法(WO
−89/06233号、特開平1−117876公報、
ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、56
巻、2395ページ、1991年参照)に準じて合成さ
れる。
【0038】上記合成法で合成される一般式(I)で示
される化合物は通常の精製方法、例えば再結晶、再沈
殿、溶媒抽出、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、
吸着性樹脂によるカラムクロマトグラフィー等で精製す
ることができる。
【0039】化合物の用途/医薬組成物 本発明による一般式(I)で表わされる化合物はアンジ
オテンシンII拮抗作用を有する。従って、本発明による
化合物はアンジオテンシンIIが関与する疾患の治療およ
び予防に有用である。具体的には、本発明による化合物
は抗高血圧薬および心不全治療薬として用いることがで
きる。
【0040】本発明による化合物を有効成分とする医薬
組成物は、経口および非経口(例えば、静注、筋注、皮
下投与、直腸投与、経皮投与)のいずれかの投与経路
で、ヒトおよびヒト以外の動物に投与することができ
る。
【0041】従って、本発明による化合物を有効成分と
する医薬組成物は、投与経路に応じた適当な剤形とさ
れ、具体的には主として静注、筋注などの注射剤、カプ
セル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒剤、トローチ
錠などの経口剤、直腸投与剤、油脂性座剤、水性座剤な
どの種々に調製することができる。これらの各種製剤は
通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化
剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保
存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安
定化剤などを用いて常法により製造することができる。
使用可能な無毒性の上記添加剤としては、例えば乳糖、
果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウ
ム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マ
グネシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセル
ロースまたはその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリ
コール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノー
ル、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウ
ム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどが挙げられ
る。
【0042】医薬組成物中の本発明による化合物の含有
量はその剤形に応じて異なるが、通常全組成物中1〜7
0重量%、好ましくは5〜50重量%、程度である。
【0043】投与量は症状や年齢、性別などを考慮し
て、個々の場合に応じて適宜決定されるが、高血圧また
は心不全の治療のためには通常成人1日当たり約0.1
〜1000mg、好ましくは1〜200mg、であり、これ
を一日1回または数回に別けて投与する。
【0044】
【実施例】本発明を以下の実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお以下の実施例中のNMRデータは400M
Hz NMRによる測定データであり。TMSを基準と
したδ値(ppm)で示した。
【0045】実施例1 2‐n‐ブチル‐6‐メチル‐3‐メトキシ‐4‐
〔2′‐(テトラゾール‐5‐イル)ビフェニル‐4‐
イル〕メトキシピリジン a) 2‐n‐ブチル‐6‐エチル‐3‐メトキシ‐4
(1H)‐ピリドン(80mg)および60%水素化ナト
リウム(20mg)を、乾燥したN,N‐ジメチルホルム
アミド(4ml)に懸濁し、室温で30分間攪拌した。そ
の後、4′‐ブロモメチル‐2‐(トリフェニルメチル
テトラゾール‐5‐イル)ビフェニル(250mg)を加
え、室温で6時間攪拌した。反応終了後、反応液に酢酸
エチルを加え、水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムにて
乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(n‐ヘキサン:酢酸エ
チル=1:1)で精製することにより、2‐n‐ブチル
‐6‐メチル‐3‐メトキシ‐4‐〔2′‐(トリフェ
ニルメチルテトラゾール‐5‐イル)ビフェニル‐4‐
イル〕メトキシピリジンを234mg(85.0%)得
た。 HNMR(CDCl)δ:0.95(3H,t)、
1.42(2H,m)、1.66(2H,m)、2.4
3(3H,s)、2.77(2H,t)、3.78(3
H,s)、5.01(2H,s)、6.59(1H,
s)、6.62(6H,m)、7.16−7.53(1
6H,m)、7.94(1H,m)。
【0046】b) 前記a)の化合物(220mg)をメ
タノール:ジオキサン(1:1)の混液(3ml)に溶解
し、5N HCl(0.12ml)を加え、室温で4時間
攪拌した。反応終了後、反応液に水を加え、5N Na
OHでpHを11に調整し、水を加えてジエチルエーテ
ルで2回洗浄した。次いで、反応液のpHを1N HC
lで3.5に調整した後、減圧下濃縮し、析出する結晶
を濾取した。n‐ヘキサンで洗浄後、乾燥することによ
り無色結晶性の粉末の標記化合物127mg(収率90.
3%)を得た。 HNMR(DMSO−d)δ:0.90(3H,
t)、1.32(2H,m)、1.56(2H,m)、
2.36(3H,s)、2.64(2H,t)、3.7
1(3H,s)、5.18(2H,s)、6.94(1
H,s)、7.15(2H,d)、7.41(2H,
d)、7.58(2H,m)、7.69(2H,m)。
【0047】実施例2 6‐エチル‐3‐メトキシ‐2‐メチル‐4‐〔2′‐
(テトラゾール‐5‐イル)ビフェニル‐4‐イル〕メ
トキシピリジン a) 6‐エチル‐3‐メトキシ‐2‐メチル‐4(1
H)‐ピリドンと4′‐ブロモメチル‐2‐(トリフェ
ニルメチルテトラゾール‐5‐イル)ビフェニルとか
ら、実施例1a)と同様にして、6‐エチル‐3‐メトキ
シ‐2‐メチル‐4‐〔2′‐(トリフェニルメチルテ
トラゾール‐5‐イル)ビフェニル‐4‐イル〕メトキ
シピリジンを合成した。 HNMR(CDCl)δ:1.26(3H,t)、
2.47(3H,s)、2.70(2H,q)、3.7
7(3H,s)、5.03(2H,s)、6.62(1
H,s)、6.92(6H,m)、7.16−7.53
(16H,m)、7.94(1H,m)。
【0048】b) 前記a)の化合物より実施例1b)と
同様の方法で標記化合物を合成した。 HNMR(DMSO−d)δ:1.18(3H,
t)、2.33(3H,s)、2.62(2H,q)、
3.70(3H,s)、5.20(2H,s)、6.9
4(1H,s)、7.14(2H,d)、7.42(2
H,d)、7.57(2H,m)、7.68(2H,
m)。
【0049】製剤例1 以上の全量をよく混和して打錠し、錠剤1000個を製
造する。
【0050】製剤例2 以上の全量をよく混和し、硬カプセルに充填し、カプセ
ル剤1000カプセルを製造する。
【0051】製剤例3 実施例1の化合物とブドウ糖を注射用蒸留水に溶解し、
全量を1000mlとし、これをグラスフィルターで濾過
したのち、1mlずつアンプルに分注し、1000本のア
ンプル製剤とする。
【0052】薬理試験 (1) 摘出血管平滑筋におけるアンジオテンシンII収縮抑
制作用 体重2.5〜3.0Kgの雄性家兎より常法に従い胸部大
動脈ラセン標本を作成し、この標本を、通気し37℃に
保温し栄養液を満たしたマグヌス管内に懸垂した。標本
にあらかじめアンジオテンシンII 3×10-9Mを数回
適用して、安定したアンジオテンシンIIの収縮反応を
得、その最大値を記録した。次に、10-6Mあるいは1
-7Mの被験化合物を5分間投与した後、アンジオテン
シンII 3×10-9Mを適用した場合の収縮反応を測定
し、被験化合物投与前と投与後のアンジオテンシンII収
縮反応を比較して収縮抑制率を算出した。その結果は表
1に示される通りである。
【0053】 表 1 アンジオテンシンII収縮抑制率(%) 化合物の濃度 10-6 10-7 実施例1の化合物 17.5 実施例2の化合物 100
【0054】(2) 単回投与による毒性試験 ddy系マウス雄性5週令(平均体重約20g)に対し
て実施例1の化合物を経口投与した。その結果、LD50
>1000mg/Kgで、しかも1000mg/Kgで何等特別
の症状を示さず低毒性であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 213/71 213/74 213/75 (72)発明者 荻 野 裕 子 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 名 倉 純 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 河 野 賢 一 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 藤 島 和 幸 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 紺 野 不器夫 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 町 並 智 也 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品総合研究所内 (72)発明者 鶴 岡 崇 士 神奈川県横浜市港北区師岡町760 明治製 菓株式会社薬品総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(I)で表わされるピリジン
    誘導体および薬理学的に許容されるそれらの塩。 【化1】 (式中、RおよびRは同一または異なっていてもよ
    く、それぞれ置換されていてもよいC1-6 アルキル基を
    表わし、 Rは置換されていてもよいC1-6 アルコキシ基を表わ
    し、 RおよびRは同一または異なっていてもよく、それ
    ぞれ水素原子または置換されていてもよいC1-6 アルキ
    ル基を表わし、 Xは−O−、−NR−(ここで、Rは水素原子、C
    1-6 アルキル基、またはC1-4 アシル基を表わす)また
    は−S(O)−(ここでpは0〜2の整数を表わす)
    を表わし、 Aは基−COOR(ここでRは水素原子または基−
    CHOCOC(CHを表わす)またはテトラゾ
    リル基を表わす)
  2. 【請求項2】RおよびRが水素原子であり、Xが−
    O−であり、そしてAが5‐テトラゾリル基である、請
    求項1記載のピリジン誘導体および薬理学的に許容され
    るそれらの塩。
  3. 【請求項3】6‐エチル‐3‐メトキシ‐2‐メチル‐
    4‐〔2′‐(テトラゾール‐5‐イル)ビフェニル‐
    4‐イル〕メトキシピリジンおよび薬理学的に許容され
    るその塩。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれか一項記載のピリジン
    誘導体または薬理学的に許容されるそれらの塩を有効成
    分として含有してなる、抗高血圧剤。
  5. 【請求項5】請求項1〜3いずれか一項記載のピリジン
    誘導体または薬理学的に許容されるそれらの塩を有効成
    分として含有してなる、心不全治療薬。
JP35751491A 1991-12-26 1991-12-26 アンジオテンシンii拮抗性ピリジン誘導体 Pending JPH05178836A (ja)

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