JPH0517772B2 - - Google Patents
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- JPH0517772B2 JPH0517772B2 JP5190783A JP5190783A JPH0517772B2 JP H0517772 B2 JPH0517772 B2 JP H0517772B2 JP 5190783 A JP5190783 A JP 5190783A JP 5190783 A JP5190783 A JP 5190783A JP H0517772 B2 JPH0517772 B2 JP H0517772B2
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- Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
Description
本発明は共架多回線系統用地絡回線選択継電器
に関する。 同一鉄塔に多数の送電線が共架される共架多回
線送電線においては、送電線の各導体間の相互イ
ンダクタンスが不平衡となり他回線(以下起誘導
系統と称す)の故障電流や負荷電流の誘導によつ
て被誘導系統の回線間を循環する零相循環電流
(以下零相循環電流Iocと称す)が発生する。被誘
導系統が高抵抗接地系統では、その中性点抵抗器
の電流容量は一般に100A〜400Aであるが、これ
に較べて零相循環電流Iocが無視できない大きさ
になるため高感度かつ信頼性の高い地絡保護が困
難という問題がある。この対策として、従来から
共架多回線高抵抗接地系統平行2回線を地絡故障
から保護する地絡回線選択継電器として次に述べ
る方式のものがある。 1線地絡時に測定可能な健全相循環電流に対し
てベクトル定数(以下補償定数と称す)を掛けて
零相循環電流を演算する。次に地絡回線選択継電
器の入力電流となる回線間零相差電流(以下零相
差電流と称す)は故障電流と零相循環電流が合成
されたもので零相差電流から上記零相循環電流の
演算値を差し引き故障電流成分のみを検出し、こ
の検出値を地絡回線選択継電器の新たな入力電流
とすることで零相循環電流による影響を取除いた
故障回線選択をする。この従来方式は、後に詳細
を述べるが、負荷電流に逆相成分があるとこれが
継電器の誤差電流となつて検出感度を低下させる
問題がある。 本発明の目的は、負荷電流に逆相成分が存在す
るときにも確実に地絡相を検出できる共架多回線
系統用地絡回線選択電器を提供するにある。 以下、従来方式の問題点も含めて本発明の原理
的な説明をする。 まず、共架多回線系統の循環電流には次の性質
がある。 性質1…起誘導系統の負荷電流の誘導によつて被
誘導系統に発生する回線間a,b,c相及び零
相循環電流Iac,Ibc,Icc,Ioc(以下循環電流
と称す)は起誘導系統の負荷電流に比例し、そ
の比例定数は共架多回線系統の電線配置や電線
の太さ及び起誘導系統の運用状態から決定され
る。 性質2…次の(1)式で定義する零相循環電流Iocと
2組の相循環電流から正相分を除外した量との
比であるベクトル定数(補償定数)Ka,Kb,
Kcは上述の性質1から明らかなように起誘導
系統の負荷電流の大きさや位相とは無関係に共
架多回線系統の電線配置や電線の太さ及び起誘
導系統の運用状態から決定される。 但し、a=εj 2/3〓 上述の補償定数Ka,Kb,Kcは第1図に示す
超高圧共架系統では次の第1表のようになる。
に関する。 同一鉄塔に多数の送電線が共架される共架多回
線送電線においては、送電線の各導体間の相互イ
ンダクタンスが不平衡となり他回線(以下起誘導
系統と称す)の故障電流や負荷電流の誘導によつ
て被誘導系統の回線間を循環する零相循環電流
(以下零相循環電流Iocと称す)が発生する。被誘
導系統が高抵抗接地系統では、その中性点抵抗器
の電流容量は一般に100A〜400Aであるが、これ
に較べて零相循環電流Iocが無視できない大きさ
になるため高感度かつ信頼性の高い地絡保護が困
難という問題がある。この対策として、従来から
共架多回線高抵抗接地系統平行2回線を地絡故障
から保護する地絡回線選択継電器として次に述べ
る方式のものがある。 1線地絡時に測定可能な健全相循環電流に対し
てベクトル定数(以下補償定数と称す)を掛けて
零相循環電流を演算する。次に地絡回線選択継電
器の入力電流となる回線間零相差電流(以下零相
差電流と称す)は故障電流と零相循環電流が合成
されたもので零相差電流から上記零相循環電流の
演算値を差し引き故障電流成分のみを検出し、こ
の検出値を地絡回線選択継電器の新たな入力電流
とすることで零相循環電流による影響を取除いた
故障回線選択をする。この従来方式は、後に詳細
を述べるが、負荷電流に逆相成分があるとこれが
継電器の誤差電流となつて検出感度を低下させる
問題がある。 本発明の目的は、負荷電流に逆相成分が存在す
るときにも確実に地絡相を検出できる共架多回線
系統用地絡回線選択電器を提供するにある。 以下、従来方式の問題点も含めて本発明の原理
的な説明をする。 まず、共架多回線系統の循環電流には次の性質
がある。 性質1…起誘導系統の負荷電流の誘導によつて被
誘導系統に発生する回線間a,b,c相及び零
相循環電流Iac,Ibc,Icc,Ioc(以下循環電流
と称す)は起誘導系統の負荷電流に比例し、そ
の比例定数は共架多回線系統の電線配置や電線
の太さ及び起誘導系統の運用状態から決定され
る。 性質2…次の(1)式で定義する零相循環電流Iocと
2組の相循環電流から正相分を除外した量との
比であるベクトル定数(補償定数)Ka,Kb,
Kcは上述の性質1から明らかなように起誘導
系統の負荷電流の大きさや位相とは無関係に共
架多回線系統の電線配置や電線の太さ及び起誘
導系統の運用状態から決定される。 但し、a=εj 2/3〓 上述の補償定数Ka,Kb,Kcは第1図に示す
超高圧共架系統では次の第1表のようになる。
【表】
第1図は、平行2回線の超高圧系統回路1,2
と、高抵抗接地系統回線3,4が鉄塔5に共架さ
れた送電系統を示し、超高圧系統回線1A〜1C
と2A〜2Cとは逆相配置であり、同相配置の高
抵抗接地系統回線3a〜3cと4a〜4cとの回
線間には超高圧系統(超誘導系統)の負荷電流の
誘導によつて常時循環電流が発生する。なお、
A,B,C及びa,b,cは相を示し、W,W′,
D,D′及びd,Hは電線配置を示すもので、W
=8m、W′=8m、D=8m、D′=8.5m、d=
3m、H=20mである。また、電線の太さは回線
1,2が610mm24導体、回線3,4が610mm21導体
である。 第1図に例示する超高圧共架系において、被誘
導系統1線地絡、例えばa相地絡が起きた場合、
該被誘導系統の健全相になるb相、c相回線間差
電流(以下差電流と称す)Ibd,Icdは Ibd=Ibc+IbL Icd=Icc+IcL ……(2) 但し、Ibc,Iccはb相、c相の循環電流IbL,
IcLはb相,c相の負荷電流となり、健全相差電
流には故障電流成分は含まれない。この(2)式中、
負荷電流成分IbL,IcLは被誘導系統の平行2回線
内のT分岐負荷によつて生じる。これを正相、逆
相成分I1L,I2Lで表現すると(零相成分は無いと
する)、 (2)式は、 Ibd=Ibc+a2I1L+aI2L Icd=Icc+aI1L+a2I2L ……(3) 但し、a2=ε- 2/3〓、a=εj 2/3〓 となる。このb相及びc相差電流から正相成分
I1Lの影響を取り除くために次の演算を行なう。 Ibd−aIcd=(Ibc+a2I1L+aI2L) −a(Icc+aI1L+a2I2L) =(Ibc−aIcc)+(a−1)I2L ……(4) ここで、a相地絡時の零相循環電流を演算する
ために(1)式のKaと(4)式の(Ibc−aIcd)とを掛け
る。 その演算値Aは A=Ka(Ibd−aIcd) =Ka{(Ibc−aIcc)+(a−1)I2L} =Ioc/Ibc−aIcc(Ibc−aIcc)+(a−1)KaI2L =Ioc+(a−1)KaI2L ……(5) となる。このAを正相分除外法による零相循環電
流の演算値と称す。b相、c相地絡時も同様の演
算で求められ、次の第2表に示すようになる。
と、高抵抗接地系統回線3,4が鉄塔5に共架さ
れた送電系統を示し、超高圧系統回線1A〜1C
と2A〜2Cとは逆相配置であり、同相配置の高
抵抗接地系統回線3a〜3cと4a〜4cとの回
線間には超高圧系統(超誘導系統)の負荷電流の
誘導によつて常時循環電流が発生する。なお、
A,B,C及びa,b,cは相を示し、W,W′,
D,D′及びd,Hは電線配置を示すもので、W
=8m、W′=8m、D=8m、D′=8.5m、d=
3m、H=20mである。また、電線の太さは回線
1,2が610mm24導体、回線3,4が610mm21導体
である。 第1図に例示する超高圧共架系において、被誘
導系統1線地絡、例えばa相地絡が起きた場合、
該被誘導系統の健全相になるb相、c相回線間差
電流(以下差電流と称す)Ibd,Icdは Ibd=Ibc+IbL Icd=Icc+IcL ……(2) 但し、Ibc,Iccはb相、c相の循環電流IbL,
IcLはb相,c相の負荷電流となり、健全相差電
流には故障電流成分は含まれない。この(2)式中、
負荷電流成分IbL,IcLは被誘導系統の平行2回線
内のT分岐負荷によつて生じる。これを正相、逆
相成分I1L,I2Lで表現すると(零相成分は無いと
する)、 (2)式は、 Ibd=Ibc+a2I1L+aI2L Icd=Icc+aI1L+a2I2L ……(3) 但し、a2=ε- 2/3〓、a=εj 2/3〓 となる。このb相及びc相差電流から正相成分
I1Lの影響を取り除くために次の演算を行なう。 Ibd−aIcd=(Ibc+a2I1L+aI2L) −a(Icc+aI1L+a2I2L) =(Ibc−aIcc)+(a−1)I2L ……(4) ここで、a相地絡時の零相循環電流を演算する
ために(1)式のKaと(4)式の(Ibc−aIcd)とを掛け
る。 その演算値Aは A=Ka(Ibd−aIcd) =Ka{(Ibc−aIcc)+(a−1)I2L} =Ioc/Ibc−aIcc(Ibc−aIcc)+(a−1)KaI2L =Ioc+(a−1)KaI2L ……(5) となる。このAを正相分除外法による零相循環電
流の演算値と称す。b相、c相地絡時も同様の演
算で求められ、次の第2表に示すようになる。
【表】
次に、1線地絡時の零相差電流Iodは故障電流
IFと零相循環電流Iocとの和となり、 Iod=IF+Ioc ……(6) このうち零相差電流Iodに含まれる零相循環電
流Iocを補償するために上述の零相循環電流の演
算値Aを用いて次の演算を行ない、継電器入力
Iinを求める。 Iin=Iod−A =IF+Ioc−{Ioc+(a−1)KaI2L} =IF−(a−1)KaI2L ……(7) このように、従来方式において、負荷電流に逆
相成分I2Lがなければ、上述の(7)式の演算によつ
て故障電流IF成分が損なわれることなく検出さ
れ、これを地絡回線選択継電器の入力電流Iinと
すれば零相循環電流が大きくとも地絡回線を正し
く検出することができる。しかし、負荷電流に逆
相成分I2Lがあるときは継電器入力に誤差電流分
が含まれ、継電器感度が低下する。 本発明は負荷電流の逆相成分の影響を除外した
もので、3端子系統への適用を考慮したもので、
以下に原理的に説明する。 地絡回線選択継電器は、自端の回線間零相差電
流(以下零相差電流と称す)の大きさと方向によ
つて故障回線を判別するものである。このため、
相手端近傍故障では相手端が先行しや断するまで
自端の零相差電流がないため、相手端が先行しや
断して自端がしや断するいわゆるシリース・トリ
ツプとなる。第2図a,b,cは平行2回線3端
子系統でのシリース・トリツプの一例を示す図で
ある。同図中、6a〜6fはしや断器、7a,7
b,7cは自端及び夫々の相手端の電気所母線、
8は電源、9aは回線3のT分岐負荷、9b,9
cは相手端母線7b,7cに接続された負荷を示
す。同図aは相手端近傍のF点で地絡故障が発生
した場合を示し、自端と他方の相手端の零相差電
流は零に近いため回線選択継電器は応動できな
い。このため第2図bに示すように、相手端のし
や断器6cによつて最先行しや断(又は第1トリ
ツプ)する。しや断器6cが開になると、自端及
び相手端の零相差電流は増加するが、相手端の零
相差電流が地絡継電器の整定値を越え自端の零相
差電流が地絡継電器の整定値を越えない場合は第
2図cに示すように他方の相手端のしや断器6e
がしや断する(第2トリツプ)。その後、図示し
ないが自端の地絡継電器が動作し、故障除去され
る(第3トリツプ)。 こうしたシリース・トリツプを考慮して、負荷
電流の逆相成分の影響を除外するのに、まず相手
端が先行しや断するまでは次の方法によつて継電
器入力電流を得る。 第2図に示したT分岐負荷によつて系統健全時
に差電流に現われる負荷電流の逆相成分をI2Lと
すると、零相循環電流が完全に補償された継電器
入力電流Iin(以下Iinは零相循環電流が完全に補
償された継電器入力電流とする)は前述の(7)式か
ら in=(a−1)Ka・2L ……(8) となる。但し、in,2Lは系統健全時の量を意
味し、a相地絡前の継電器入力電流と負荷電流の
逆相成分である。 次に、a相地絡時でかつ相手端先行しや断する
前の入力電流Iinは(7)式より Iin=IF+(a−1)Ka・I2L ……(9) となる。1線地絡時に負荷電流の逆相成分を自端
の電流から測定することは不可能であるが、高抵
抗接地系統では1線地絡時の線間電圧は系統健全
時と殆んど変らないので、T分岐負荷の大きさが
地絡故障発生前後で変化がないと仮定すれば、そ
れによつて差電流に現われる逆相成分も地絡前後
でほぼ一定値に保たれる(I2L=2L)。 従つて、地絡故障発生前後の継電器入力電流
Iinの変化分をΔIinとすると、(8)、(9)式から ΔIin=Iin−in =IF+(a−1)KaI2L−(a−1)Ka2L =IF+(a−1)KaΔI2L ≒IF ……(10) 但し、ΔI2L=I2L−2L≒0とする。 となる。この(10)式の演算値ΔIinは負荷電流の逆
相成分及び零相循環電流成分が除外され、故障電
流成分のみとなる。この電流ΔIinを新ためて継
電器入力電流とすれば地絡回線を判別できる。 以上の方法で相手端先行しや断前まで(外部故
障も含む)は負荷電流の逆相成分の影響を除外す
ることができる。ところが、第2図bに示すよう
に、相手端が先行しや断した場合、平行2回線の
線路インピーダンスが不平衡となり自端での差回
路に生じる負荷電流は大きく変化し、自端での差
電流に現われる負荷電流逆相分の地絡故障発生前
後の変化分ΔI2Lが零とならずに(10)式中の(a−
1)KaΔI2Lが継電器入力電流に誤差電流分とし
て残る。このため、相手端が先行しや断した後は
さらに次の方法によつて継電器入力電流を得る。 負荷電流の力率が100%に近いと、1線地絡時
の地絡相を基準とした負荷電流の正相分I1Lと故
障電流成分IFとの位相関係は同相又は逆位相とな
る。3端子系統(電源1端子、負荷2端子)で相
手端先行しや断した場合に自端の差電流に現われ
る負荷電流正相分の変化方向は地絡発生位置によ
る最先行しや断端子別に示す第3図に対応づけた
以下の第3表に示す通り、電源端が最先行しや断
すると相手端子の負荷端は2端子とも故障回線に
対して同方向となる。そのベクトル図を第4図
aに示す。また、負荷端が受け潮流の状態で最先
行しや断すると、相手端子の負荷端及び電源端と
も故障回線に対して反対方向となる。そのベク
トル図を第4図bに示す第4図a,b中、Ea,
Eb,Ecはa,b,c相電圧、−Voはa相地絡時
の零相電圧、ΔI1Lは相手端先行しや断時の負荷電
流正相分の変化分である。また、第3図a,b,
c中、実線矢印はしや断器6a,6b,6cが開
く前の回線3の負荷電流方向、破線矢印は該しや
断器が開いた後の該回線の負荷電流変化方向を示
す。
IFと零相循環電流Iocとの和となり、 Iod=IF+Ioc ……(6) このうち零相差電流Iodに含まれる零相循環電
流Iocを補償するために上述の零相循環電流の演
算値Aを用いて次の演算を行ない、継電器入力
Iinを求める。 Iin=Iod−A =IF+Ioc−{Ioc+(a−1)KaI2L} =IF−(a−1)KaI2L ……(7) このように、従来方式において、負荷電流に逆
相成分I2Lがなければ、上述の(7)式の演算によつ
て故障電流IF成分が損なわれることなく検出さ
れ、これを地絡回線選択継電器の入力電流Iinと
すれば零相循環電流が大きくとも地絡回線を正し
く検出することができる。しかし、負荷電流に逆
相成分I2Lがあるときは継電器入力に誤差電流分
が含まれ、継電器感度が低下する。 本発明は負荷電流の逆相成分の影響を除外した
もので、3端子系統への適用を考慮したもので、
以下に原理的に説明する。 地絡回線選択継電器は、自端の回線間零相差電
流(以下零相差電流と称す)の大きさと方向によ
つて故障回線を判別するものである。このため、
相手端近傍故障では相手端が先行しや断するまで
自端の零相差電流がないため、相手端が先行しや
断して自端がしや断するいわゆるシリース・トリ
ツプとなる。第2図a,b,cは平行2回線3端
子系統でのシリース・トリツプの一例を示す図で
ある。同図中、6a〜6fはしや断器、7a,7
b,7cは自端及び夫々の相手端の電気所母線、
8は電源、9aは回線3のT分岐負荷、9b,9
cは相手端母線7b,7cに接続された負荷を示
す。同図aは相手端近傍のF点で地絡故障が発生
した場合を示し、自端と他方の相手端の零相差電
流は零に近いため回線選択継電器は応動できな
い。このため第2図bに示すように、相手端のし
や断器6cによつて最先行しや断(又は第1トリ
ツプ)する。しや断器6cが開になると、自端及
び相手端の零相差電流は増加するが、相手端の零
相差電流が地絡継電器の整定値を越え自端の零相
差電流が地絡継電器の整定値を越えない場合は第
2図cに示すように他方の相手端のしや断器6e
がしや断する(第2トリツプ)。その後、図示し
ないが自端の地絡継電器が動作し、故障除去され
る(第3トリツプ)。 こうしたシリース・トリツプを考慮して、負荷
電流の逆相成分の影響を除外するのに、まず相手
端が先行しや断するまでは次の方法によつて継電
器入力電流を得る。 第2図に示したT分岐負荷によつて系統健全時
に差電流に現われる負荷電流の逆相成分をI2Lと
すると、零相循環電流が完全に補償された継電器
入力電流Iin(以下Iinは零相循環電流が完全に補
償された継電器入力電流とする)は前述の(7)式か
ら in=(a−1)Ka・2L ……(8) となる。但し、in,2Lは系統健全時の量を意
味し、a相地絡前の継電器入力電流と負荷電流の
逆相成分である。 次に、a相地絡時でかつ相手端先行しや断する
前の入力電流Iinは(7)式より Iin=IF+(a−1)Ka・I2L ……(9) となる。1線地絡時に負荷電流の逆相成分を自端
の電流から測定することは不可能であるが、高抵
抗接地系統では1線地絡時の線間電圧は系統健全
時と殆んど変らないので、T分岐負荷の大きさが
地絡故障発生前後で変化がないと仮定すれば、そ
れによつて差電流に現われる逆相成分も地絡前後
でほぼ一定値に保たれる(I2L=2L)。 従つて、地絡故障発生前後の継電器入力電流
Iinの変化分をΔIinとすると、(8)、(9)式から ΔIin=Iin−in =IF+(a−1)KaI2L−(a−1)Ka2L =IF+(a−1)KaΔI2L ≒IF ……(10) 但し、ΔI2L=I2L−2L≒0とする。 となる。この(10)式の演算値ΔIinは負荷電流の逆
相成分及び零相循環電流成分が除外され、故障電
流成分のみとなる。この電流ΔIinを新ためて継
電器入力電流とすれば地絡回線を判別できる。 以上の方法で相手端先行しや断前まで(外部故
障も含む)は負荷電流の逆相成分の影響を除外す
ることができる。ところが、第2図bに示すよう
に、相手端が先行しや断した場合、平行2回線の
線路インピーダンスが不平衡となり自端での差回
路に生じる負荷電流は大きく変化し、自端での差
電流に現われる負荷電流逆相分の地絡故障発生前
後の変化分ΔI2Lが零とならずに(10)式中の(a−
1)KaΔI2Lが継電器入力電流に誤差電流分とし
て残る。このため、相手端が先行しや断した後は
さらに次の方法によつて継電器入力電流を得る。 負荷電流の力率が100%に近いと、1線地絡時
の地絡相を基準とした負荷電流の正相分I1Lと故
障電流成分IFとの位相関係は同相又は逆位相とな
る。3端子系統(電源1端子、負荷2端子)で相
手端先行しや断した場合に自端の差電流に現われ
る負荷電流正相分の変化方向は地絡発生位置によ
る最先行しや断端子別に示す第3図に対応づけた
以下の第3表に示す通り、電源端が最先行しや断
すると相手端子の負荷端は2端子とも故障回線に
対して同方向となる。そのベクトル図を第4図
aに示す。また、負荷端が受け潮流の状態で最先
行しや断すると、相手端子の負荷端及び電源端と
も故障回線に対して反対方向となる。そのベク
トル図を第4図bに示す第4図a,b中、Ea,
Eb,Ecはa,b,c相電圧、−Voはa相地絡時
の零相電圧、ΔI1Lは相手端先行しや断時の負荷電
流正相分の変化分である。また、第3図a,b,
c中、実線矢印はしや断器6a,6b,6cが開
く前の回線3の負荷電流方向、破線矢印は該しや
断器が開いた後の該回線の負荷電流変化方向を示
す。
【表】
以上から(10)式の継電器入力電流ΔIinに対して、
相手端先行しや断時に自端の差電流に現れる負荷
電流正相分の変化分ΔI1Lに比例した量を、以下の
第4表に示すように電源端(送電端)継電器へは
−nΔI1L、負荷端(受電端)継電器へは+nΔI1Lを
加えれば故障電流IFとΔI1Lとは同方向のため負荷
電流の逆相分があつても故障回線を正しく判定す
ることができる。
相手端先行しや断時に自端の差電流に現れる負荷
電流正相分の変化分ΔI1Lに比例した量を、以下の
第4表に示すように電源端(送電端)継電器へは
−nΔI1L、負荷端(受電端)継電器へは+nΔI1Lを
加えれば故障電流IFとΔI1Lとは同方向のため負荷
電流の逆相分があつても故障回線を正しく判定す
ることができる。
【表】
なお、負荷電流の力率が100%であることはま
れであるが、殆どの負荷で80〜100%の間にある
と言われており、このような負荷電流についても
故障回線を正しく判定できる。 前述の第4表に示すように、受電端において、
相手端先行遮断検出後の地絡回線選択継電器
(50Gリレー)のリレー入力電流ΔI′inは ΔI′in=ΔIin−nΔI1L ……(10−A) であり、この右辺第1項ΔIinは前述の(10)式で示
されることから上記(10−A)式は次式になる。 I′in=IF+(a−1)KaΔI2L+nΔI1L
……(10−B) ここで、地絡回線選択継電器は第8図又は後述
の(25)式〜(28)式で説明されるように、零相
電圧V0を極性電圧とし、リレー入力電流である
Δ′inの有効分が+ε以上で回線3を地絡回線とし
て選択し、−ε以下で回線4を地絡回線として選
択する。 また、負荷電流の正相成分I1Lに対するその逆
相成分の比α(=|I2L|/|I1L|)の最大値とし
て10%を考えれば十分である。そして、Kaの大
きさは前記第2表より最大3.71になり、(10−B)
式の右辺第2項の大きさは |(a−1)KaΔI2L|=|(a−1)|・|Ka|・|
αΔI1L|=0.64|ΔI1L|……(10−C) 但し、 |(a−1)|=√3 |Ka|=3.71 α=10% となる。 従つて、負荷電流の力率を1とすると事故回線
が3の場合に事故電流IFとnΔI1L(n>0)とはい
づれも零相電圧V0と同相となる。そして、(10−
B)式の第2項は(10−C)式より負荷電流正相
分の変化分ΔI1Lの大きさの64%になるため、n=
1とすれば故障電流IFがεの値より大きければ
(a−1)KaΔI2Lの大きさや位相に拘わらず地絡
回線選択継電器の入力電流ΔI′inは第8図で回線
3の事故回線領域(斜線)にあり、事故回線を正
しく検出する。 ここで、力率が0.8場合、nΔI1Lは零相電圧V0よ
り位相が37度進み(又は遅れ)となるが、故障電
流IFがεの値より大きければ上述のようにΔI′in
は回線3の事故回線領域に入り、事故回線を正し
く検出することができる。 ところが、負荷端継電器にはnΔI1Lを加えるた
め、第3表に示すように最先行遮断端子が7bや
7cの負荷端の場合には故障電流IFとnΔI1L成分
の位相関係は反対になるため次に述べる処理を要
する。第5図に示すように、負荷端7cが最先行
しや断(第1トリツプ)すると、相手端の負荷端
継電器には第4図bに示すように故障電流IFに対
して負荷電流の正相分の変化分ΔI1Lを反対位置で
印加するため誤不動作、誤動作する虞れがある。
このため、負荷端継電器に限り第1トリツプ(最
先行しや断)を検出すると(検出方法については
後述)電端源トリツプ(第2トリツプ)までタイ
マによる動作遅延をかける。一方、電源端継電器
は、故障電流IFに対して印加する負荷電流正相分
の変化分ΔI1Lは同方向のため正動作するのでその
必要はない。電源端継電器によつて第2トリツプ
されると、負荷端継電器は故障電流IFと負荷電流
正相分の変化分ΔI1Lは同方向となるので正動作す
る(第4図a参照)。 以上の方法で、零相循環電流や負荷電流に影響
されることなく故障回線を正しく選択することが
できるが、このためには負荷電流の正相分を検出
する必要がある。その方法を以下に説明する。 循環電流の性質として前述の性質1、2に加え
て次の性質3がある。 性質3…次の(11)式に定義する補償定数La,Lb,
Lcは、起誘導系統の潮流の大きさ、位相に無
関係であり、電線配置と電線の太さ及び起誘導
系統の運用状態によつて定まる。 但し、a2=ε-j2/3〓 第1図の電線配置から計算された循環電流に
よつて補償定数La,Lb,Lcを求めた結果を第
5表に示す。
れであるが、殆どの負荷で80〜100%の間にある
と言われており、このような負荷電流についても
故障回線を正しく判定できる。 前述の第4表に示すように、受電端において、
相手端先行遮断検出後の地絡回線選択継電器
(50Gリレー)のリレー入力電流ΔI′inは ΔI′in=ΔIin−nΔI1L ……(10−A) であり、この右辺第1項ΔIinは前述の(10)式で示
されることから上記(10−A)式は次式になる。 I′in=IF+(a−1)KaΔI2L+nΔI1L
……(10−B) ここで、地絡回線選択継電器は第8図又は後述
の(25)式〜(28)式で説明されるように、零相
電圧V0を極性電圧とし、リレー入力電流である
Δ′inの有効分が+ε以上で回線3を地絡回線とし
て選択し、−ε以下で回線4を地絡回線として選
択する。 また、負荷電流の正相成分I1Lに対するその逆
相成分の比α(=|I2L|/|I1L|)の最大値とし
て10%を考えれば十分である。そして、Kaの大
きさは前記第2表より最大3.71になり、(10−B)
式の右辺第2項の大きさは |(a−1)KaΔI2L|=|(a−1)|・|Ka|・|
αΔI1L|=0.64|ΔI1L|……(10−C) 但し、 |(a−1)|=√3 |Ka|=3.71 α=10% となる。 従つて、負荷電流の力率を1とすると事故回線
が3の場合に事故電流IFとnΔI1L(n>0)とはい
づれも零相電圧V0と同相となる。そして、(10−
B)式の第2項は(10−C)式より負荷電流正相
分の変化分ΔI1Lの大きさの64%になるため、n=
1とすれば故障電流IFがεの値より大きければ
(a−1)KaΔI2Lの大きさや位相に拘わらず地絡
回線選択継電器の入力電流ΔI′inは第8図で回線
3の事故回線領域(斜線)にあり、事故回線を正
しく検出する。 ここで、力率が0.8場合、nΔI1Lは零相電圧V0よ
り位相が37度進み(又は遅れ)となるが、故障電
流IFがεの値より大きければ上述のようにΔI′in
は回線3の事故回線領域に入り、事故回線を正し
く検出することができる。 ところが、負荷端継電器にはnΔI1Lを加えるた
め、第3表に示すように最先行遮断端子が7bや
7cの負荷端の場合には故障電流IFとnΔI1L成分
の位相関係は反対になるため次に述べる処理を要
する。第5図に示すように、負荷端7cが最先行
しや断(第1トリツプ)すると、相手端の負荷端
継電器には第4図bに示すように故障電流IFに対
して負荷電流の正相分の変化分ΔI1Lを反対位置で
印加するため誤不動作、誤動作する虞れがある。
このため、負荷端継電器に限り第1トリツプ(最
先行しや断)を検出すると(検出方法については
後述)電端源トリツプ(第2トリツプ)までタイ
マによる動作遅延をかける。一方、電源端継電器
は、故障電流IFに対して印加する負荷電流正相分
の変化分ΔI1Lは同方向のため正動作するのでその
必要はない。電源端継電器によつて第2トリツプ
されると、負荷端継電器は故障電流IFと負荷電流
正相分の変化分ΔI1Lは同方向となるので正動作す
る(第4図a参照)。 以上の方法で、零相循環電流や負荷電流に影響
されることなく故障回線を正しく選択することが
できるが、このためには負荷電流の正相分を検出
する必要がある。その方法を以下に説明する。 循環電流の性質として前述の性質1、2に加え
て次の性質3がある。 性質3…次の(11)式に定義する補償定数La,Lb,
Lcは、起誘導系統の潮流の大きさ、位相に無
関係であり、電線配置と電線の太さ及び起誘導
系統の運用状態によつて定まる。 但し、a2=ε-j2/3〓 第1図の電線配置から計算された循環電流に
よつて補償定数La,Lb,Lcを求めた結果を第
5表に示す。
【表】
被誘導系統のa相地絡時に健全相のb相及びc
相差電流Ibd,Icdを測定すると前述の(3)式とな
る。c相差電流Icdを120°遅らせてb相差電流Ibd
から引算すると逆相成分が除去されて次の(12)式に
なる。 Ibd−a2Icc=(Ibd+a2I1L+aI2L) −a2(Icc+aI1L+a2I2L) =(Ibc−a2Icc)+(a2−1)I1L ……(12) 前述の性質3から(12)式に定数Laを乗ずること
によつて零相循環電流と負荷正相分との和を得る
ことができる。この演算値をBとすると、 B=La(Ibd−a2Icd) =La{(Ibc−a2Icc)+(a2−1)I1L} =La(Ibc−a2Icc)+(a2−1)LaI1L =Ioc/Ibc−a2Icc(Ibc−a2Icc)+(a2 −1)LaI1L=Ioc+(a2−1)LaI1L ……(13) となる。この演算値Bを逆相分除去法による零相
循環電流の演算値と称する。b相及びc相地絡時
も同様に演算値Bが求められ、これら演算値Ba,
Bb,Bcは第6表に示すようになる。
相差電流Ibd,Icdを測定すると前述の(3)式とな
る。c相差電流Icdを120°遅らせてb相差電流Ibd
から引算すると逆相成分が除去されて次の(12)式に
なる。 Ibd−a2Icc=(Ibd+a2I1L+aI2L) −a2(Icc+aI1L+a2I2L) =(Ibc−a2Icc)+(a2−1)I1L ……(12) 前述の性質3から(12)式に定数Laを乗ずること
によつて零相循環電流と負荷正相分との和を得る
ことができる。この演算値をBとすると、 B=La(Ibd−a2Icd) =La{(Ibc−a2Icc)+(a2−1)I1L} =La(Ibc−a2Icc)+(a2−1)LaI1L =Ioc/Ibc−a2Icc(Ibc−a2Icc)+(a2 −1)LaI1L=Ioc+(a2−1)LaI1L ……(13) となる。この演算値Bを逆相分除去法による零相
循環電流の演算値と称する。b相及びc相地絡時
も同様に演算値Bが求められ、これら演算値Ba,
Bb,Bcは第6表に示すようになる。
【表】
よつて、(13)式から(5)式を引算すると、
B−A=Ioc+(a2−1)LaI1L
−{Ioc+(a−1)KaI2L}
=(a2−1)LaI1L−(a−1)KaI2L ……(14)
となる。故に(B−A)を(a2−1)Laで除す
ると C=B−A/(a2−1)La =I1L−(a−1)KaI2L/(a+1)(a−1)La =I1L−Ka/(a+1)LaI2L ……(15) となる。各相循環電流Ioc,Iac,Ibc,Iccはほぼ
同相のため定数KaとLaは共役に近い関係とな
る。よつて、(15)式右辺第2項の絶対値は |Ka/(1+a)La|≒1……(16) となる。また、負荷電流の逆相分の含有率|
I2L/I1L|はたかだか5〜10%のため(15)式から負
荷電流の正相分を検出することができる。ここ
で、(15)式の値について地絡故障発生前後の変化分
△Cをとると、 △C=△I1L−Ka/(1+a)La△I2L≒△I1L ……(17) となり、相手端先行しや断時の差電流に現われる
負荷電流正相分の変化分△I1Lを検出することが
できる。b相、c相地絡時も同様に考えて、これ
らの演算値は第7表に示す通りとなる。
ると C=B−A/(a2−1)La =I1L−(a−1)KaI2L/(a+1)(a−1)La =I1L−Ka/(a+1)LaI2L ……(15) となる。各相循環電流Ioc,Iac,Ibc,Iccはほぼ
同相のため定数KaとLaは共役に近い関係とな
る。よつて、(15)式右辺第2項の絶対値は |Ka/(1+a)La|≒1……(16) となる。また、負荷電流の逆相分の含有率|
I2L/I1L|はたかだか5〜10%のため(15)式から負
荷電流の正相分を検出することができる。ここ
で、(15)式の値について地絡故障発生前後の変化分
△Cをとると、 △C=△I1L−Ka/(1+a)La△I2L≒△I1L ……(17) となり、相手端先行しや断時の差電流に現われる
負荷電流正相分の変化分△I1Lを検出することが
できる。b相、c相地絡時も同様に考えて、これ
らの演算値は第7表に示す通りとなる。
【表】
以上、3端子系の代表的構成である電源1端
子、負荷2端子の例について原理的に説明した
が、3端子系で電源2端子、負荷1端子の場合は
電源端継電器に限り第1トリツプ(最先行しや
断)を検出すると第2トリツプまでタイマーによ
り動作遅延をかけるし、2端子系の場合は電源
端、負荷端継電器共にタイマー限時の必要はな
い。 以下に、本発明の一実施例として共架多回線用
地絡回線選択継電器を送電端に設置した場合を第
6図に基づいて説明する。同図は第2図に示す3
端子系統を3相表示したもので、第1図及び第2
図と同一部分は同一符号で示してある。第6図
中、10は中性点抵抗器、31a〜31c及び4
1a〜41cは変流器を示しこれらを同一相で差
回路接続して電流検出部11によつて差電流を検
出する。回線間差電流検出器11の11a,11
b,11c及び11φはa,b,c相及び零相差
電流の検出部を示す。15は第1のデータ変換器
を示し電流検出器11によつて検出されたアナロ
グ量のa,b,c相及び零相差電流Iad,Ibd,
Icd,Iod(これらを信号S1と称す)を一定周期で
サンプリング及びアナログ−デイジタル(A/
D)変換してデイジタル量S4(Iad,Ibd,Icd)及
びS5(Iod)を出力する。12は電圧検出部であり
母線7aに接続された第1の電圧検出部13(相
電圧検出用変成器)と第2の電圧検出部14(零
相電圧検出用変成器)から成る。16は第2のデ
ータ変換器を示し、電圧検出部12によつて検出
されたアナログ量のa,b,c相電圧Ea,Eb,
Ec(S2)及び零相電圧Vo(S3)をA/D変換して
デイジタル量S6(Ea,Eb,Ec)及びS7(Vo)を
出力する。 17は第1のフイルタ部であり、第1のデータ
変換器15の出力S4(Iad,Ibd,Icd)のデイジタ
ル量を入力して夫々2つの相の回線間差電流から
正相分を除外しそれらの量S8を出力する。デイジ
タル量S8は次の3つの量になる。 S8a=Ibd−a Icd S8b=Icd−a Iad S8c=Iad−a Icd ……(18) 18は第1の補償定数設定部であり、前述の(1)
式に示す補償定数Ka,Kb,Kcを設定すること
が可能でありかつそれらの値S9を出力する。19
は第1の演算部であり、フイルタ部17の出力S8
に設定部18の出力S9から正相分除外法による零
相循環電流の演算値S10を求める。このS10は次の
3つの演算値である。 Aa=Ka・S8a=Ka(Ibd−a Icd) Ab=Kb・S8b=Kb(Icd−a Iad) Ac=Kc・S8c=Kc(Iad−a Ibd) ……(19) 20は第2のフイルタ部であり、第1のデータ
変換部15の出力S4を入力して夫々2つの相の回
線間差電流から逆相分を除外した量S11を出力す
る。このS11は次の3つの量である。 S11a=Ibd−a2Icd S11b=Icd−a2Iad S11c=Iad−a2Ibd ……(20) 21は第2の補償定数設定部であり、(11)式に示
す補償定数La,Lb,Lcを設定することが可能で
あり、それらの値S12を出力する。22は第2の
演算部であり、フイルタ部20の出力S11と設定
部21の出力S12から逆相分除外法による零相循
環電流の演算値S13を求める。このS13は次の3つ
の演算値である。 Ba=La・S11a=La(Ibd−a2Icd) Bb=Lb・S11b=Lb(Icd−a2Iad) Bc=Lc・S11c=Lc(Iad−a2Ibd) ……(21) 23は地絡相検出部であり、1線地絡時の地絡
相を判別するものである。その1例を示すと第2
のデータ変換器16の出力S6であるa,b,c相
電圧のデイジタル量を入力して次の演算を行な
う。 L1=|Eb2|+m|Ec|2−(1−m)|
Ea|2 L2=m|Eb|2+|Ec|2−(1−m)|Ea|2 L3=|Ec|2+m|Ea|2−(1−m)|Eb|2 L4=m|Ec|2+|Ea|2−(1−m)|Eb|2 L5=|Ec|2+m|Eb|2−(1−m)|Ec|2 L5=|Ec|2+m|Eb|2−(1−m)|Ec|2 L6=m|Ea|2+|Eb|2−(1−m)|Ec|2……(22
) 但し、 |E|2は絶対値の二乗 mはスカラー係数 さらに、地絡相検出部23は上述のL1〜L6か
ら次の第8表に示す判定式により地絡相を判別し
て1線地絡時の地絡相判別信号S14を出力する。
その特性は第7図に示される。
子、負荷2端子の例について原理的に説明した
が、3端子系で電源2端子、負荷1端子の場合は
電源端継電器に限り第1トリツプ(最先行しや
断)を検出すると第2トリツプまでタイマーによ
り動作遅延をかけるし、2端子系の場合は電源
端、負荷端継電器共にタイマー限時の必要はな
い。 以下に、本発明の一実施例として共架多回線用
地絡回線選択継電器を送電端に設置した場合を第
6図に基づいて説明する。同図は第2図に示す3
端子系統を3相表示したもので、第1図及び第2
図と同一部分は同一符号で示してある。第6図
中、10は中性点抵抗器、31a〜31c及び4
1a〜41cは変流器を示しこれらを同一相で差
回路接続して電流検出部11によつて差電流を検
出する。回線間差電流検出器11の11a,11
b,11c及び11φはa,b,c相及び零相差
電流の検出部を示す。15は第1のデータ変換器
を示し電流検出器11によつて検出されたアナロ
グ量のa,b,c相及び零相差電流Iad,Ibd,
Icd,Iod(これらを信号S1と称す)を一定周期で
サンプリング及びアナログ−デイジタル(A/
D)変換してデイジタル量S4(Iad,Ibd,Icd)及
びS5(Iod)を出力する。12は電圧検出部であり
母線7aに接続された第1の電圧検出部13(相
電圧検出用変成器)と第2の電圧検出部14(零
相電圧検出用変成器)から成る。16は第2のデ
ータ変換器を示し、電圧検出部12によつて検出
されたアナログ量のa,b,c相電圧Ea,Eb,
Ec(S2)及び零相電圧Vo(S3)をA/D変換して
デイジタル量S6(Ea,Eb,Ec)及びS7(Vo)を
出力する。 17は第1のフイルタ部であり、第1のデータ
変換器15の出力S4(Iad,Ibd,Icd)のデイジタ
ル量を入力して夫々2つの相の回線間差電流から
正相分を除外しそれらの量S8を出力する。デイジ
タル量S8は次の3つの量になる。 S8a=Ibd−a Icd S8b=Icd−a Iad S8c=Iad−a Icd ……(18) 18は第1の補償定数設定部であり、前述の(1)
式に示す補償定数Ka,Kb,Kcを設定すること
が可能でありかつそれらの値S9を出力する。19
は第1の演算部であり、フイルタ部17の出力S8
に設定部18の出力S9から正相分除外法による零
相循環電流の演算値S10を求める。このS10は次の
3つの演算値である。 Aa=Ka・S8a=Ka(Ibd−a Icd) Ab=Kb・S8b=Kb(Icd−a Iad) Ac=Kc・S8c=Kc(Iad−a Ibd) ……(19) 20は第2のフイルタ部であり、第1のデータ
変換部15の出力S4を入力して夫々2つの相の回
線間差電流から逆相分を除外した量S11を出力す
る。このS11は次の3つの量である。 S11a=Ibd−a2Icd S11b=Icd−a2Iad S11c=Iad−a2Ibd ……(20) 21は第2の補償定数設定部であり、(11)式に示
す補償定数La,Lb,Lcを設定することが可能で
あり、それらの値S12を出力する。22は第2の
演算部であり、フイルタ部20の出力S11と設定
部21の出力S12から逆相分除外法による零相循
環電流の演算値S13を求める。このS13は次の3つ
の演算値である。 Ba=La・S11a=La(Ibd−a2Icd) Bb=Lb・S11b=Lb(Icd−a2Iad) Bc=Lc・S11c=Lc(Iad−a2Ibd) ……(21) 23は地絡相検出部であり、1線地絡時の地絡
相を判別するものである。その1例を示すと第2
のデータ変換器16の出力S6であるa,b,c相
電圧のデイジタル量を入力して次の演算を行な
う。 L1=|Eb2|+m|Ec|2−(1−m)|
Ea|2 L2=m|Eb|2+|Ec|2−(1−m)|Ea|2 L3=|Ec|2+m|Ea|2−(1−m)|Eb|2 L4=m|Ec|2+|Ea|2−(1−m)|Eb|2 L5=|Ec|2+m|Eb|2−(1−m)|Ec|2 L5=|Ec|2+m|Eb|2−(1−m)|Ec|2 L6=m|Ea|2+|Eb|2−(1−m)|Ec|2……(22
) 但し、 |E|2は絶対値の二乗 mはスカラー係数 さらに、地絡相検出部23は上述のL1〜L6か
ら次の第8表に示す判定式により地絡相を判別し
て1線地絡時の地絡相判別信号S14を出力する。
その特性は第7図に示される。
【表】
24は地絡故障検出部であり、その1例を示す
と第2のデータ変換器16の出力S7すなわち零相
電圧のデイジタル量を入力しその大きさが一定値
以上になることによつて地絡故障を検出し、地絡
故障検出信号S15を出力する。 25は第1の選択部であり、地絡相検出部23
の判別信号S14と演算部19の演算値S10を入力
し、地絡相判別信号S14によつて系統1線地絡時
の正相分除外法による零相循環電流の演算値S10
を次の第9表のように選択して出力S16を得る。
と第2のデータ変換器16の出力S7すなわち零相
電圧のデイジタル量を入力しその大きさが一定値
以上になることによつて地絡故障を検出し、地絡
故障検出信号S15を出力する。 25は第1の選択部であり、地絡相検出部23
の判別信号S14と演算部19の演算値S10を入力
し、地絡相判別信号S14によつて系統1線地絡時
の正相分除外法による零相循環電流の演算値S10
を次の第9表のように選択して出力S16を得る。
【表】
26は第3の演算部であり、系統1線地絡時に
相手端先行しや断時までの回線選択地絡継電器の
入力電流△Iinを演算する。この演算部26へは、
選択部25の出力S16になる系統1線地絡時の正
相分除外法による零相循環電流の演算値と、第1
のデータ変換部15の出力S5になる零相差電流
Iodのデイジタル量及び地絡故障検出部24の出
力S15になる地絡故障検出信号を入力して前述の
(10)式の演算をし、その演算値△Iin(S17)を出力
する。 すなわち零相差電流Iodから正相分除外法によ
る零相循環電流の演算値Aを差し引き、さらにそ
の値について信号S15によつて地絡故障発生を知
り、地絡故障発生前後の変化分を演算する。これ
を式で示すと次の(23)式となる。 △Iin=(Iod−A)−(−)≒IF ……(23) 但し、−は系統健全時の量を示し、(Iod
−A)は系統1線地絡時の量を示す。 27は第2の選択部であり、地絡相判別信号
S14及び演算部22の演算値S13を入力し、他絡相
判別信号S14によつて系統1線地絡時の逆相分除
外法による零相循環電流の演算値S18を次の第10
表のように選択して出力S18とする。
相手端先行しや断時までの回線選択地絡継電器の
入力電流△Iinを演算する。この演算部26へは、
選択部25の出力S16になる系統1線地絡時の正
相分除外法による零相循環電流の演算値と、第1
のデータ変換部15の出力S5になる零相差電流
Iodのデイジタル量及び地絡故障検出部24の出
力S15になる地絡故障検出信号を入力して前述の
(10)式の演算をし、その演算値△Iin(S17)を出力
する。 すなわち零相差電流Iodから正相分除外法によ
る零相循環電流の演算値Aを差し引き、さらにそ
の値について信号S15によつて地絡故障発生を知
り、地絡故障発生前後の変化分を演算する。これ
を式で示すと次の(23)式となる。 △Iin=(Iod−A)−(−)≒IF ……(23) 但し、−は系統健全時の量を示し、(Iod
−A)は系統1線地絡時の量を示す。 27は第2の選択部であり、地絡相判別信号
S14及び演算部22の演算値S13を入力し、他絡相
判別信号S14によつて系統1線地絡時の逆相分除
外法による零相循環電流の演算値S18を次の第10
表のように選択して出力S18とする。
【表】
28は第4の演算部であり、地絡故障発生前後
の負荷電流正相分の変化分△Cを検出し、その値
S19を出力する。この演算部28へは選択部25
の出力S16になる系統1線地絡時の正相分除外法
による零相循環電流の演算値Aと、選択部27の
出力S18になる系統1線地絡時の逆相分除外法に
よる零相循環電流の演算値Bと、地絡故障検出部
24の出力S15になる地絡故障検出信号と、設定
部21の出力S12になる補償定数La,Lb,Lcと、
地絡相検出部23の出力S14になる地絡相判別信
号とを入力し、地絡相に応じて回線間差電流に現
われる負荷電流正相分の故障発生前後の変化分△
Cを前述の第7表に従つて求め、この値S19を出
力する。 29は相手端先行しや断検出部であり、演算部
28の出力S19になる負荷電流正相分の故障発生
前後の変化分△Cを入力し、この絶対値が一定値
以上の場合には相手端先行しや断有りと判定して
信号S21を出力するし、絶対値が一定値未満で相
手端先行しや断無しと判定するときには信号S20
を出力する。 30は第1の地絡回線選択部であり、演算部2
6の出力S17になる△Iin((10)式参照)と、データ
変換部16の出力S7なる零相電圧Voのデイジタ
ル量と、相手端先行しや断検出部29の出力S20
になる相手端先行しや断なし信号とを入力し、系
統1線地絡でかつ相手端が先行しや断されない期
間までの地絡回線の選択を行なつて地絡回線判別
信号S22,S23を出力する。この選択部30におい
て、地絡故障が発生して相手端が先行しや断する
までの期間の演算部26からの入力S17からの入
力△Iinは(10)式から △Iin≒IF ……(24) となり、ほぼ故障電流成分のため相手端先行しや
断なし信号S20の成立条件で地絡回線の判定を行
なう。その1例として、次の(25)、(26)式から
零相電流Voを極性電圧として△Iinの有効分が一
定値±ε以上又は以下の判定から地絡回線を判別
する。 (△Iin・Vo)/|Vo|>+ε ……(25) (△Iin・Vo)/|Vo|<−ε ……(26) 但し、(△Iin・Vo)はベクトル内積値、|Vo
|は絶対値を示す。 選択部30はこの(25)式成立で回線3の地
絡、(26)式成立で回線4の地絡と判定し、回線
3の地絡では地絡回線判別信号S22を出力し、回
線4の地絡では判別信号S23を出力する。 31は第2の地絡回線選択部であり、演算部2
6の出力S17になる△Iin((23)式参照)と、デー
タ変換部16の出力S7になる零相電圧Voのデイ
ジタル量と、演算部28の出力S19になる△C(第
7表参照)と、検出部29の出力S21になる相手
端先行しや断有り信号を入力し、系統1線地絡で
かつ相手端が先行しや断された後の地絡回線の選
択を行ない、地絡回線判別信号S24及びS25を出力
する。この選択部31では選択部30と同様に、
地絡故障が発生してかつ相手端先行しや断後の継
電器入力電流を第4表の値△Iinとし、継電器へ
印加する負荷電流正相分の方向は電源端と負荷端
とでは反対位相とし、相手端先行しや断有り信号
の成立を条件として地絡回線の判定を行なう。そ
の1例として次の(27)式及び(28)式から地絡
回線の判別を行なう。 (△I′in・Vo)/|Vo|>+ε ……(25) (△I′in・Vo)/|Vo|<−ε ……(26) 演算部31はこの(27)式成立で回線3の地絡
と判定してその判別信号S24を出力し、(28)式成
立で回線4の地絡と判定してその判定信号S25を
出力する。 これら選択部30と31の出力のうち、回線3
の地絡回線判別信号S22、S24はオアゲート33に
よる論理和を取つて回線3のしや断器6aのトリ
ツプ指令S27とされるし、回線4の地絡回線判別
信号S23,S25はオアゲート34による論理和を取
つて回線4のしや断器6bのトリツプ指令S28と
される。 但し、電源1端子、負荷2端子の3端子系での
負荷端継電器又は電源2端子、負荷1端子の3端
子系での電源端継電器に限つては、破線ブロツク
で示すように、オフデイレータイマ部32とアン
ドゲート35,36を用意する。該ブロツク中、
オフデイレータイマ部32は相手端先行しや断部
29の出力S21なる相手端先行しや断有りの信号
を入力とし、該信号S21の入力から一定時間後
(回線選択地絡継電器の動作時間とし第断器動作
時間の和に相当)にオン信号S26を出力する。ア
ンドゲート35及び36はオフデイレータイマ部
32出力S26の成立を条件にオアゲート33及び
34の出力を夫々回線3の新たなトリツプ指令
(S27)及び回線4の新たなトリツプ指令(S28)
とする。こうしたオフデイレータイマ部による条
件付加を必要とするのは、負荷端最先行しや断で
相手端である負荷端継電器について故障電流IFと
負荷電流の正相分の変化分△I1Lとの位相関係が
反対位相になるためで、電源端によるしや断(第
2トリツプ)まで負荷端継電器をロツクする必要
性による。 なお、実施例において、17〜36で示される
各部演算処理回路はコンピユータによるデイジタ
ル演算で実施可能である。また、実施例では3端
子系統を例にとつて説明したが2端子系統にも適
用できるのは勿論、超高圧共架系に限らず高抵抗
接地系統のみからなる共架系や平行4回線も適用
できる。 以上のとおり、本発明によれば、共架多回線系
統での高抵抗接地系統に発生する零相循環電流及
び負荷電流の逆相成分に殆んど影響されることな
く地絡回線を選択できる効果がある。
の負荷電流正相分の変化分△Cを検出し、その値
S19を出力する。この演算部28へは選択部25
の出力S16になる系統1線地絡時の正相分除外法
による零相循環電流の演算値Aと、選択部27の
出力S18になる系統1線地絡時の逆相分除外法に
よる零相循環電流の演算値Bと、地絡故障検出部
24の出力S15になる地絡故障検出信号と、設定
部21の出力S12になる補償定数La,Lb,Lcと、
地絡相検出部23の出力S14になる地絡相判別信
号とを入力し、地絡相に応じて回線間差電流に現
われる負荷電流正相分の故障発生前後の変化分△
Cを前述の第7表に従つて求め、この値S19を出
力する。 29は相手端先行しや断検出部であり、演算部
28の出力S19になる負荷電流正相分の故障発生
前後の変化分△Cを入力し、この絶対値が一定値
以上の場合には相手端先行しや断有りと判定して
信号S21を出力するし、絶対値が一定値未満で相
手端先行しや断無しと判定するときには信号S20
を出力する。 30は第1の地絡回線選択部であり、演算部2
6の出力S17になる△Iin((10)式参照)と、データ
変換部16の出力S7なる零相電圧Voのデイジタ
ル量と、相手端先行しや断検出部29の出力S20
になる相手端先行しや断なし信号とを入力し、系
統1線地絡でかつ相手端が先行しや断されない期
間までの地絡回線の選択を行なつて地絡回線判別
信号S22,S23を出力する。この選択部30におい
て、地絡故障が発生して相手端が先行しや断する
までの期間の演算部26からの入力S17からの入
力△Iinは(10)式から △Iin≒IF ……(24) となり、ほぼ故障電流成分のため相手端先行しや
断なし信号S20の成立条件で地絡回線の判定を行
なう。その1例として、次の(25)、(26)式から
零相電流Voを極性電圧として△Iinの有効分が一
定値±ε以上又は以下の判定から地絡回線を判別
する。 (△Iin・Vo)/|Vo|>+ε ……(25) (△Iin・Vo)/|Vo|<−ε ……(26) 但し、(△Iin・Vo)はベクトル内積値、|Vo
|は絶対値を示す。 選択部30はこの(25)式成立で回線3の地
絡、(26)式成立で回線4の地絡と判定し、回線
3の地絡では地絡回線判別信号S22を出力し、回
線4の地絡では判別信号S23を出力する。 31は第2の地絡回線選択部であり、演算部2
6の出力S17になる△Iin((23)式参照)と、デー
タ変換部16の出力S7になる零相電圧Voのデイ
ジタル量と、演算部28の出力S19になる△C(第
7表参照)と、検出部29の出力S21になる相手
端先行しや断有り信号を入力し、系統1線地絡で
かつ相手端が先行しや断された後の地絡回線の選
択を行ない、地絡回線判別信号S24及びS25を出力
する。この選択部31では選択部30と同様に、
地絡故障が発生してかつ相手端先行しや断後の継
電器入力電流を第4表の値△Iinとし、継電器へ
印加する負荷電流正相分の方向は電源端と負荷端
とでは反対位相とし、相手端先行しや断有り信号
の成立を条件として地絡回線の判定を行なう。そ
の1例として次の(27)式及び(28)式から地絡
回線の判別を行なう。 (△I′in・Vo)/|Vo|>+ε ……(25) (△I′in・Vo)/|Vo|<−ε ……(26) 演算部31はこの(27)式成立で回線3の地絡
と判定してその判別信号S24を出力し、(28)式成
立で回線4の地絡と判定してその判定信号S25を
出力する。 これら選択部30と31の出力のうち、回線3
の地絡回線判別信号S22、S24はオアゲート33に
よる論理和を取つて回線3のしや断器6aのトリ
ツプ指令S27とされるし、回線4の地絡回線判別
信号S23,S25はオアゲート34による論理和を取
つて回線4のしや断器6bのトリツプ指令S28と
される。 但し、電源1端子、負荷2端子の3端子系での
負荷端継電器又は電源2端子、負荷1端子の3端
子系での電源端継電器に限つては、破線ブロツク
で示すように、オフデイレータイマ部32とアン
ドゲート35,36を用意する。該ブロツク中、
オフデイレータイマ部32は相手端先行しや断部
29の出力S21なる相手端先行しや断有りの信号
を入力とし、該信号S21の入力から一定時間後
(回線選択地絡継電器の動作時間とし第断器動作
時間の和に相当)にオン信号S26を出力する。ア
ンドゲート35及び36はオフデイレータイマ部
32出力S26の成立を条件にオアゲート33及び
34の出力を夫々回線3の新たなトリツプ指令
(S27)及び回線4の新たなトリツプ指令(S28)
とする。こうしたオフデイレータイマ部による条
件付加を必要とするのは、負荷端最先行しや断で
相手端である負荷端継電器について故障電流IFと
負荷電流の正相分の変化分△I1Lとの位相関係が
反対位相になるためで、電源端によるしや断(第
2トリツプ)まで負荷端継電器をロツクする必要
性による。 なお、実施例において、17〜36で示される
各部演算処理回路はコンピユータによるデイジタ
ル演算で実施可能である。また、実施例では3端
子系統を例にとつて説明したが2端子系統にも適
用できるのは勿論、超高圧共架系に限らず高抵抗
接地系統のみからなる共架系や平行4回線も適用
できる。 以上のとおり、本発明によれば、共架多回線系
統での高抵抗接地系統に発生する零相循環電流及
び負荷電流の逆相成分に殆んど影響されることな
く地絡回線を選択できる効果がある。
第1図は超高圧共架系の電線配置図、第2図
a,b,cは平行2回線3端子系統でのシリース
トリツプを説明するための系統状態図、第3図
a,b,cは最先行しや断端子別の自端負荷電流
正相分の変化方向を示す図、第4図aは相手負荷
端最先行しや断時の自端の電流ベクトル図、第4
図bは相手電源端最先行しや断時の自端の電流ベ
クトル図、第5図は負荷端最先行しや断時の相手
端地絡回線選択継電器の応動を説明するためのタ
イムチヤートとその系統状態図、第6図は本発明
の一実施例を示す共架多回線系統用地絡回線選択
継電器のブロツク図、第7図は地絡相判別特性図
である。第8図は事故回線領域とリレー入力電流
の関係を示す図である。 1A,1B,1C,2A,2B,2C……超高
圧送電線、3a,3b,3c,4a,4b,4c
……高抵抗接地系統送電線、5……鉄塔、6a,
6b,6c,6d,6e,6f……しや断器、7
a,7b,7c……母線、8……電源、9a,9
b,9c……負荷、10……中性点接地抵抗器、
11……回線間差電流検出器、12……電圧検出
部、13……相電圧検出用変換器、14……零相
電圧検出用変成器、15,16……データ変換
器、17,20……フイルタ部、18,21……
補償定数設定部、19,22……演算部、23…
…地絡相検出部、24……地絡故障検出部、2
5,27……選択部、26,28……演算部、2
9……相手端先行しや断検出部、30,31……
地絡回線選択部、32……オフデイレータイマ
部。
a,b,cは平行2回線3端子系統でのシリース
トリツプを説明するための系統状態図、第3図
a,b,cは最先行しや断端子別の自端負荷電流
正相分の変化方向を示す図、第4図aは相手負荷
端最先行しや断時の自端の電流ベクトル図、第4
図bは相手電源端最先行しや断時の自端の電流ベ
クトル図、第5図は負荷端最先行しや断時の相手
端地絡回線選択継電器の応動を説明するためのタ
イムチヤートとその系統状態図、第6図は本発明
の一実施例を示す共架多回線系統用地絡回線選択
継電器のブロツク図、第7図は地絡相判別特性図
である。第8図は事故回線領域とリレー入力電流
の関係を示す図である。 1A,1B,1C,2A,2B,2C……超高
圧送電線、3a,3b,3c,4a,4b,4c
……高抵抗接地系統送電線、5……鉄塔、6a,
6b,6c,6d,6e,6f……しや断器、7
a,7b,7c……母線、8……電源、9a,9
b,9c……負荷、10……中性点接地抵抗器、
11……回線間差電流検出器、12……電圧検出
部、13……相電圧検出用変換器、14……零相
電圧検出用変成器、15,16……データ変換
器、17,20……フイルタ部、18,21……
補償定数設定部、19,22……演算部、23…
…地絡相検出部、24……地絡故障検出部、2
5,27……選択部、26,28……演算部、2
9……相手端先行しや断検出部、30,31……
地絡回線選択部、32……オフデイレータイマ
部。
Claims (1)
- 1 共架多回線電力系統において、高抵抗接地系
統の回線間各a,b,c相差電流Iad,Ibd,Icd
及び回線間零相差電流Iodを検出する回線間差電
流検出器11と、高抵抗接地系統の母線の各a,
b,c相電圧Ea,Eb,Ec及び零相電圧Voを検
出する電圧検出部12と、上記差電流Iad,Ibd,
Icdのうちの2つの相の差電流から正相分を除外
した量S8を得る第1のフイルタ部17と、零相循
環電流Iocと2組の相循環電流から正相分を除外
した量との比とした補償定数Ka,Kb,Kcと上
記量S8から正相分除外法により零相循環電流の演
算値Aa,Ab,Acを求める第1の演算部19と、
上記差電流Iad,Ibd,Icdのうちの2つの相の差
電流から逆相分を除外した量S11を得る第2のフ
イルタ部20と、零相循環電流と2組の相循環電
流から逆相分を除外した量との比とした補償定数
La,Lb,Lcと上記量S11から逆相分除外法によ
り零相循環電流の演算値Ba,Bb,Bcを求める第
2の演算部22と、上記電圧検出部12の検出出
力から1線地絡時の地絡相判別信号S14を得る地
絡相検出部23と、上記電圧検出部12の検出出
力から地絡故障検出信号S15を得る地絡故障検出
部24と、上記判別信号S14と第1の演算部19
の演算値Aa,Ab,Acから当接地絡相の演算値
を選択した出力S16を得る第1の選択部25と、
この選択出力S16と上記零相差電流Iodから上記地
絡故障検出信号S15が与えられる地絡故障前後の
継電器入力電流Iinの変化分ΔIinを演算する第3
の演算部26と、上記判別信号S14と第2の演算
部22の演算値Ba,Bb,Bcから当接地絡相の演
算値を選択した出力S18を得る第2の選択部27
と、上記地絡相検出信号S14が与えられたときに
上記信号S16,S18,S15及び補償定数La,Lb,Lc
から地絡故障発生前後の負荷電流正相分の変化分
ΔCを求める第4の演算部28と、この変化分ΔC
の絶対値が一定値以上のとき相手端先行しや断有
りとして信号S21を出力し相手端先行しや断無し
には信号S20を出力する相手端先行しや断検出部
29と、上記変化分ΔIinの有効分が零相電圧Vo
を極性として一定値範囲内にあることから相手端
先行しや断無しの信号S20が与えられるまでの地
絡回線の選択をする地絡回線選択部30と、上記
変化分ΔIinの有効分とΔCが零相電圧Voを極性と
して一定値範囲内にあることから上記相手端先行
しや断有りの信号S21が与えられた後の地絡回線
の選択をする第2の地絡回線選択部31と、上記
第1、第2の地絡回線選択部30,31の論理和
出力から夫々の回線の地絡回線判別信号を得る論
理回路部とを備えたことを特徴とする共架多回線
系統用地絡回線選択継電器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5190783A JPS59178921A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 共架多回線系統用地絡回線選択継電器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5190783A JPS59178921A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 共架多回線系統用地絡回線選択継電器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS59178921A JPS59178921A (ja) | 1984-10-11 |
JPH0517772B2 true JPH0517772B2 (ja) | 1993-03-10 |
Family
ID=12899943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5190783A Granted JPS59178921A (ja) | 1983-03-28 | 1983-03-28 | 共架多回線系統用地絡回線選択継電器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS59178921A (ja) |
-
1983
- 1983-03-28 JP JP5190783A patent/JPS59178921A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS59178921A (ja) | 1984-10-11 |
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