JPH0517626A - ゴム組成物 - Google Patents

ゴム組成物

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JPH0517626A
JPH0517626A JP17505991A JP17505991A JPH0517626A JP H0517626 A JPH0517626 A JP H0517626A JP 17505991 A JP17505991 A JP 17505991A JP 17505991 A JP17505991 A JP 17505991A JP H0517626 A JPH0517626 A JP H0517626A
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JP
Japan
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rubber
phenylene
parts
general formula
carbons
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Application number
JP17505991A
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English (en)
Inventor
Naoki Inui
直樹 乾
Miyuki Oikawa
幸 老川
Hideo Nagasaki
英雄 長崎
Manji Sasaki
万治 佐々木
Shinichi Yago
真一 八児
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 タイヤの特にトレッド部あるいは防振ゴムと
して用いられるゴムに、特定の化合物を配合することに
より、ゴム物性の向上をはかる。 【構成】 次式 で示されるジアミド化合物を、カーボンブラックなどの
充填剤とともにゴムに配合する。上記式中、Xは水素、
炭素数1〜18のアルキル、炭素数3〜18のシクロア
ルキルまたは、無置換のもしくは置換されたフェニルで
あり、Yは炭素数1〜12のアルキレン、炭素数3〜1
2のシクロアルキレンまたはフェニレンである。 【効果】 上記ジアミド化合物を配合したゴムは、特に
高温領域における損失係数(tanδ)が向上する。このゴ
ムから得られるタイヤはグリップ力が高められ、またこ
のゴムは優れた防振性能を示す。さらには、このジアミ
ド化合物を配合しても、ゴムの強度特性は損なわれな
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴム組成物に関するもの
であり、さらに詳しくは、機械強度を損なうことなく損
失係数(tan δ)が増大されたゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の高性能化、道路の舗装化
および高速道路網の発達に伴い、自動車の加速性能やブ
レーキ性能と密接な関連を持つタイヤのグリップ性能に
対する向上要請が増加している。高グリップ性能を得る
ためには、タイヤのトレッド部と路面との間の摩擦によ
るエネルギーロスを増加させればよいことが知られてお
り、これに対応して、変形時の損失係数(tan δ)の大
きいトレッドゴム材料が求められている。
【0003】また、居住性や静粛性への要求から、乗用
車や家庭電化製品に用いられている防振ゴムや制振材に
対する防振性能や制振性能の向上も強く求められてい
る。これに対する具体的な要求特性としては、次のよう
なものが挙げられる。 (1)大きな静的荷重を支える必要上、一定以上の硬度
を有すること、(2)振動伝達率が小さいこと、具体的
には、低周波領域、すなわちアイドリング振動や低速走
行時の振動に対しては、損失係数(tan δ)が大きく、
また高周波領域、すなわち高速走行時の騒音や振動に対
しては、動倍率(動的弾性率/静的弾性率)が小さいこ
と、(3)長期間の繰り返し外力に対して対屈曲疲労性
および耐久性が優れること。その他、圧縮永久歪などの
静的な耐疲労性が通常のゴムに比べて劣らないことも、
もちろん重要である。
【0004】従来、変形時の損失係数(tan δ)を大き
くする技術として、スチレン含有量の高いスチレン・ブ
タジエン共重合ゴムをベースとして使用する方法、プロ
セス油を多量に添加する方法、高補強性のカーボンブラ
ックを大量に添加する方法などが提案されている。また
特開昭 64-70539 号公報には、N−メタクリロイル−
N′−フェニル−p−フェニレンジアミンなどのアクリ
ロイル基またはメタクリロイル基を有するp−フェニレ
ンジアミン誘導体をゴムに配合することにより、損失係
数の向上をはかることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】スチレン含有量の高い
スチレン・ブタジエン共重合ゴムを用いる場合、ある程
度の損失係数の向上はみられるものの、それだけでは必
ずしも十分でなかった。また、プロセス油や高補強性の
カーボンブラックを多量に添加する方法では、損失係数
の向上はみられるものの、高添加によりゴムの発熱性が
増大し、それに伴って、強度特性や耐摩耗性が著しく低
下するとともに、動倍率が著しく増大するという問題が
あった。一方、特開昭 64-70539 号公報に記載されるア
クリロイル基またはメタクリロイル基を有するp−フェ
ニレンジアミン誘導体を配合する方法は、ゴムの損失係
数を上昇させるものの、かかる配合によって強度特性が
低下するという問題が明らかになってきた。
【0006】このような背景から本発明者らは、ゴムの
損失係数を十分に上昇させることにより、タイヤにおけ
るグリップ性能、特にタイヤが高温になった際のグリッ
プ性能を向上させることができ、また防振ゴムにおいて
は、高温における防振性能を向上させ、かついずれの場
合においても、ゴムの機械強度を損なわないですむ配合
剤を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に至っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ゴム
に充填剤および下記一般式(I)
【0008】
【化3】
【0009】(式中、Xは水素、炭素数1〜18のアル
キル、炭素数3〜18のシクロアルキルまたは、無置換
のもしくは置換されたフェニルであり、Yは炭素数1〜
12のアルキレン、炭素数3〜12のシクロアルキレン
またはフェニレンである)で示されるジアミド化合物を
含有せしめてなるゴム組成物を提供する。
【0010】また本発明は、ゴムに、充填剤および前記
一般式(I)で示されるジアミド化合物を配合すること
により、機械的強度の低下や動倍率の増加をほとんど引
き起こさず、ゴムの損失係数を増大させる方法を提供す
る。
【0011】前記一般式(I)で示されるジアミド化合
物は例えば、X−NH2 で表されるアミンを、トルエ
ン、クロロホルムなどの不活性溶媒中、トリエチルアミ
ン、ピリジン、水酸化ナトリウムなどの塩基性化合物の
共存下、相当するジカルボン酸クロライドと脱塩酸反応
させることにより、製造することができる。
【0012】前記一般式(I)におけるXは、水素、炭
素数1〜18のアルキル、炭素数3〜18のシクロアル
キルまたは、無置換のもしくは置換されたフェニルであ
る。
【0013】Xで表されるアルキルとしては、メチル、
エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オク
チル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシ
ル、オクタデシルなどが挙げられる。これらのうち、炭
素数3以上のものは、分枝状であってもよい。Xで表さ
れるシクロアルキルは、炭素数3以上のアルキルが環を
形成したものであるが、典型的にはシクロヘキシルであ
る。
【0014】またXで表されるフェニルは、無置換であ
っても置換されていてもよい。Xで表されるフェニルに
置換しうる基としては、炭素数1〜18のアルキル、炭
素数1〜18のアルコキシ、全炭素数2〜19のアルカ
ノイル、アミノ、ニトロ、シアノ、ヒドロキシ、カルボ
キシ、ハロゲンなどが挙げられる。
【0015】Xで表されるフェニルに置換しうるアルキ
ルの例は、 メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラ
デシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどである。Xで
表されるフェニルに置換しうるアルコキシの例は、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、デシルオキシ、
ドデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ヘキサデシルオ
キシ、オクタデシルオキシなどである。Xで表されるフ
ェニルに置換しうるアルカノイルの例は、アセチル、プ
ロピオニル、ブチリル、バレリル、ピバロイル、ヘキサ
ノイル、オクタノイル、デカノイル、ラウロイル、ミリ
ストイル、パルミトイル、ステアロイルなどである。こ
れらのアルキル、アルコキシおよびアルカノイルのう
ち、アルキル部分の炭素数が3以上のものは、分枝状で
あってもよい。またこれらのアルキル、アルコキシおよ
びアルカノイルのなかでは、比較的炭素数の少ないも
の、例えばアルキル部分の炭素数が4以下のものが好ま
しい。
【0016】Xで表されるフェニルに置換しうるアミノ
は、無置換アミノのほか、モノ−またはジ−置換アミノ
であってもよく、例えば無置換アミノ、メチルアミノ、
エチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノなどが
挙げられる。さらにXで表されるフェニルに置換しうる
ハロゲンの例は、フッ素、塩素、臭素などである。
【0017】Xがこのような置換フェニルである場合、
ベンゼン環上の置換位置は、アミド基を基準としてo−
位、m−位およびp−位のいずれであってもよいが、o
−置換体およびm−置換体が好ましく用いられる。これ
ら置換フェニルのなかでは、特にハロゲノフェニルが好
ましい。
【0018】また前記一般式(I)におけるYは、炭素
数1〜12のアルキレン、炭素数3〜12のシクロアル
キレンまたはフェニレンである。 Yで表されるアルキ
レンとしては、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチ
レン、ペンチレン、ヘキシレン、オクチレン、デシレ
ン、ドデシレンなどが挙げられる。これらのうち、炭素
数が3以上のものは分枝状であってもよい。Yで表され
るシクロアルキレンは、炭素数3以上のアルキレンが環
を形成したものであるが、典型的にはシクロヘキシレン
である。Yで表されるフェニレンは、o−フェニレン、
m−フェニレンおよびp−フェニレンのいずれであって
もよいが、なかでもm−フェニレンおよびo−フェニレ
ンが好ましい。
【0019】本発明では、前記一般式(I)におけるY
が炭素数5〜9のアルキレンまたはフェニレンである化
合物が好ましく用いられる。Yが炭素数5〜9のアルキ
レンである場合、Xは炭素数3〜9程度のアルキル、特
に分枝状アルキル、または炭素数3〜9のシクロアルキ
ル、特にシクロヘキシルが好ましい。またYがフェニレ
ンである場合、Xは炭素数3〜18のアルキルまたは炭
素数3〜18のシクロアルキルが好ましい。
【0020】別の好ましいものとしては、一般式(I)
におけるXが無置換フェニルで、Yが炭素数5〜9のア
ルキレンである化合物、一般式(I)におけるXがo−
またはm−置換されたフェニルで、Yが炭素数5〜9の
アルキレンである化合物などが挙げられる。
【0021】本発明で用いることができる前記一般式
(I)で示されるジアミド化合物の代表例を以下の表に
示すが、もちろんこれらは例示であって、なんら限定的
なものではない。
【0022】
【化4】
【0023】
【表1】 No. X Y (1) プロピル オクチレン (2) イソプロピル オクチレン (3) ブチル オクチレン (4) t−ブチル エチレン (5) t−ブチル ブチレン (6) t−ブチル ヘキシレン (7) t−ブチル オクチレン (8) t−ブチル ドデシレン (9) ペンチル オクチレン (10) 1,1−ジメチルプロピル オクチレン (11) 1,1,3,3−テトラメチルブチル オクチレン (12) オクチル オクチレン (13) デシル オクチレン (14) ドデシル オクチレン (15) オクタデシル オクチレン (16) シクロヘキシル オクチレン (17) シクロヘキシル ヘキシレン (18) プロピル m−フェニレン (19) イソプロピル m−フェニレン (20) ブチル m−フェニレン
【0024】
【表2】 No. X Y (21) t−ブチル o−フェニレン (22) t−ブチル m−フェニレン (23) t−ブチル p−フェニレン (24) ペンチル m−フェニレン (25) 1,1−ジメチルプロピル m−フェニレン (26) 1,1,3,3−テトラメチルブチル m−フェニレン (27) オクチル m−フェニレン (28) デシル m−フェニレン (29) ドデシル m−フェニレン (30) オクタデシル m−フェニレン (31) シクロヘキシル m−フェニレン (32) フェニル オクチレン (33) 2−メチルフェニル オクチレン (34) 3−メチルフェニル オクチレン (35) 2−t−ブチルフェニル オクチレン (36) 3−t−ブチルフェニル オクチレン (37) 2−メトキシフェニル オクチレン (38) 2−t−ブトキシフェニル オクチレン (39) 2−ブロモフェニル エチレン (40) 2−ブロモフェニル ヘキシレン (41) 2−ブロモフェニル オクチレン (42) 2−ブロモフェニル ドデシレン (43) 3−ブロモフェニル オクチレン (44) 4−ブロモフェニル オクチレン (45) 2−クロロフェニル オクチレン (46) 3−クロロフェニル オクチレン
【0025】
【表3】 No. X Y (47) 4−クロロフェニル オクチレン (48) 2−クロロフェニル ヘキシレン (49) 3−クロロフェニル ヘキシレン (50) 4−クロロフェニル ヘキシレン (51) 2−クロロフェニル ブチレン (52) 3−クロロフェニル ブチレン (53) 4−クロロフェニル ブチレン (54) 2−(ジメチルアミノ)フェニル オクチレン (55) 3−(ジメチルアミノ)フェニル オクチレン (56) 2−ニトロフェニル オクチレン (57) 3−ニトロフェニル オクチレン (58) 2−ヒドロキシフェニル オクチレン (59) フェニル m−フェニレン (60) 2−メチルフェニル m−フェニレン (61) 3−メチルフェニル m−フェニレン (62) 2−メトキシフェニル m−フェニレン (63) 3−メトキシフェニル m−フェニレン (64) 2−ブロモフェニル p−フェニレン (65) 2−ブロモフェニル m−フェニレン (66) 2−ブロモフェニル o−フェニレン (67) 2−クロロフェニル m−フェニレン (68) 2−(ジメチルアミノ)フェニル m−フェニレン (69) 2−ニトロフェニル m−フェニレン (70) 2−ヒドロキシフェニル m−フェニレン
【0026】一般式(I)のジアミド化合物をゴムに添
加する場合の形態としては、それぞれの化合物単体であ
ってもよいし、複数化合物の混合物であってもよいし、
あるいは、ゴム物性に影響を与えないクレーなどの担体
と混合したものであってもよい。かかるジアミド化合物
は、配合ゴムを製造する任意の段階で添加することがで
きる。
【0027】ゴムの配合にあたって、前記一般式(I)
で示されるジアミド化合物の使用量は特に限定されない
が、一般にはゴム100重量部あたり 0.1〜20重量部
程度の範囲が好ましく、より好ましくは1〜10重量部
程度の範囲である。
【0028】一般に天然ゴムや合成ゴムに配合剤を配合
する場合、通常はゴムの酸化劣化を防止するため200
℃以下の温度で行われる。本発明においても、ジアミド
化合物をゴムに配合する際のゴム温度は200℃以下が
好ましく、特に140℃以上で配合するのが好ましい。
また加硫も通常は200℃以下で行われるが、好ましく
は140℃以上、より好ましくは170℃以上で行われ
る。
【0029】本発明における充填剤としては、ゴム工業
で使用されている種々のものが適用できるが、一般には
カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックの種類
は特に限定されるものでなく、従来よりゴム工業で使用
されている各種のカーボンブラックを使用することがで
きる。なお、タイヤのグリップ性能を向上させるために
従来から、SAFブラック、ISAFブラック、HAF
ブラックなど、窒素吸着比表面積80〜250m2/gの
高補強性カーボンブラックが用いられており、本発明に
おいても、タイヤ用のゴムについては、このような高補
強性のカーボンブラックを用いるのが好ましい。一方、
防振ゴムについては、HAFブラック、FEFブラッ
ク、GPFブラック、SRFブラックなどが好ましく用
いられる。充填剤の配合量は特に限定されないが、一般
にはゴム100重量部に対して20〜200重量部程度
の範囲が好ましい。
【0030】本発明において使用しうるゴムの種類とし
ては、天然ゴムのほか、ポリイソプレンゴム(IR)、
スチレン・ブタジエン共重合ゴム(SBR)、ポリブタ
ジエンゴム(BR)、アクリロニトリル・ブタジエン共
重合ゴム(NBR)、イソプレン・イソブチレン共重合
ゴム(IIR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合
ゴム(EPDM)などの各種合成ゴム、天然ゴムと合成
ゴムのブレンド、およびSBRとIR、SBRとBRな
ど、合成ゴムのブレンドが例示される。
【0031】なお、タイヤのグリップ性能向上のために
最近では、特にスチレン含有量の高いSBRが好ましく
用いられているが、本発明においてもこのようなスチレ
ン含有量の高いSBRを用いることができる。本発明
は、スチレン含有量20〜50重量%のSBRに対して
も効果的であり、タイヤ用ゴムとしてこのようなSBR
は好ましいゴムの一つである。もちろん、SBRを主体
としたポリマーブレンドを用いることもできる。SBR
の種類は、溶液重合型であっても乳化重合型であっても
差し支えない。ただし防振ゴムの場合は、振動吸収性お
よび耐疲労性の観点から、天然ゴムあるいは天然ゴムを
主体としたポリマーブレンドが好ましく用いられる。
【0032】タイヤトレッドゴム材料の配合にあたり、
従来からタイヤのグリップ性能を高めるためにプロセス
油を配合する手法がよく用いられているが、本発明にお
いてもプロセス油を併用することができ、かつ好まし
い。プロセス油の配合量は特に限定されないが、一般に
はゴム100重量部あたり200重量部以下であり、好
ましくは5〜200重量部の範囲から選択される。プロ
セス油の種類も、本発明において特定されるものでな
く、従来よりゴム工業で使用されている各種のプロセス
油を用いることができる。
【0033】また本発明においては、ゴム工業で通常使
用されている老化防止剤、加硫剤、加硫促進剤、リター
ダー、しゃっ解剤、軟化剤などの各種ゴム薬品を従来と
同様に併用してもよいことはいうまでもない。
【0034】
【実施例】次に、前記一般式(I)で示される化合物を
ゴムに配合して物性を評価した実施例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらによって限
定されるものではない。以下の例中、%および部は、特
にことわりがないかぎり、それぞれ重量%および重量部
を表す。
【0035】なお、実施例および比較例で用いた供試化
合物は次表のとおりであり、以下それぞれの記号で表示
する。
【0036】
【表4】A: N,N′−ジ−t−ブチルデカンジアミ
ド 〔一般式(I) 中、X=t-ブチル、Y=オクチレンの化合
物〕 B: N,N′−ジ−t−ブチルオクタンジアミド 〔一般式(I) 中、X=t-ブチル、Y=ヘキシレンの化合
物〕 C: N,N′−ジ−t−ブチルヘキサンジアミド 〔一般式(I) 中、X=t-ブチル、Y=ブチレンの化合
物〕 D: N,N′−ジシクロヘキシルデカンジアミド 〔一般式(I) 中、X=シクロヘキシル、Y=オクチレン
の化合物〕 E: N,N′−ジシクロヘキシルオクタンジアミド 〔一般式(I) 中、X=シクロヘキシル、Y=ヘキシレン
の化合物〕 F: N,N′−ジシクロヘキシルイソフタルアミド 〔一般式(I) 中、X=シクロヘキシル、Y=m-フェニレ
ンの化合物〕 G: N,N′−ジ−t−ブチルイソフタルアミド 〔一般式(I) 中、X=t-ブチル、Y=m-フェニレンの化
合物〕 H: N,N′−ジステアリルイソフタルアミド 〔一般式(I) 中、X=ステアリル、Y=m-フェニレンの
化合物〕 I: N,N′−ジフェニルデカンジアミド 〔一般式(I) 中、X=フェニル、Y=オクチレンの化合
物〕
【0037】
【表5】J: N,N′−ビス(2−クロロフェニル)
デカンジアミド 〔一般式(I) 中、X=2-クロロフェニル、Y=オクチレ
ンの化合物〕 K: N,N′−ビス(3−クロロフェニル)オクタン
ジアミド 〔一般式(I) 中、X=3-クロロフェニル、Y=ヘキシレ
ンの化合物〕 L: N,N′−ビス(4−クロロフェニル)ヘキサン
ジアミド 〔一般式(I) 中、X=4-クロロフェニル、Y=ブチレン
の化合物〕 M: N,N′−ビス(2−ブロモフェニル)デカンジ
アミド 〔一般式(I) 中、X=2-ブロモフェニル、Y=オクチレ
ンの化合物〕 N: N,N′−ビス(2−メチルフェニル)デカンジ
アミド 〔一般式(I) 中、X=2-メチルフェニル、Y=オクチレ
ンの化合物〕 O: N,N′−ビス(2−メトキシフェニル)デカン
ジアミド 〔一般式(I) 中、X=2-メトキシフェニル、Y=オクチ
レンの化合物〕 P: N,N′−ジフェニルイソフタルアミド 〔一般式(I) 中、X=フェニル、Y=m-フェニレンの化
合物〕 Sx: N−メタクリロイル−N′−フェニル−p−フェ
ニレンジアミン
【0038】実施例1
【0039】
【表6】 〈配合処方〉 乳化重合スチレン・ブタジエン共重合ゴム(a) 137.5部 (スチレン含有量35%、ゴム100部あたり芳香族油 37.5 部含有) ISAFカーボンブラック 80部 ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 5部 芳香族系プロセス油 12.5部 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 供試化合物 表7〜9記載
【0040】バンバリーミキサーとして東洋精機製の2
50mlラボプラストミルを用い、オイルバス温度170
℃で、上記配合処方に基づき、ゴムに、供試化合物、カ
ーボンブラック、ステアリン酸、プロセス油および亜鉛
華を投入し、50rpm のミキサー回転数で5分間混練し
た。このときのゴム温度は、160〜170℃であっ
た。次にこのゴム配合物をオープンミルに移し、40〜
50℃の温度で、上記配合処方に示した加硫促進剤およ
びイオウを添加し、混練した。さらに加硫プレスにより
170℃で加硫し、所定の形状にしたあと、以下の試験
に供した。
【0041】tanδの測定は、岩本製作所製の粘弾性ス
ペクトロメーターを用い、初期静的歪10%、動的歪振
幅 0.25 %、周波数10Hzの条件下、−50℃〜100
℃の温度範囲で行った。動倍率は JIS K6385 に準拠し
た測定値から求めた。また、前記ゴム組成物から作成し
た加硫ゴム試験片(JIS K 6301 によるダンベル3号)を
用いて引張試験を行い、室温でのモジュラス(M100
300 およびM500 )を測定した。得られた結果のう
ち、80℃における tanδ、25℃における動倍率、室
温でのM100 、M300 およびM500 を表7〜表9に示し
た。
【0042】
【表7】
【0043】
【表8】
【0044】
【表9】
【0045】実施例2
【0046】
【表10】 〈配合処方〉 乳化重合スチレン・ブタジエン共重合ゴム(b) 100部 (スチレン含有量 23.5 %) ISAFカーボンブラック 45部 ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 5部 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 供試化合物 表11記載
【0047】配合処方を上記のように変えた以外は、実
施例1と同様の実験を行った。結果を表11に示す。た
だしこの配合系では、引張試験において、伸び500%
に至る前に試験片が破断したため、M500 の測定は不可
能であった。
【0048】
【表11】
【0049】実施例3
【0050】
【表12】 〈配合処方〉 溶液重合スチレン・ブタジエン共重合ゴム(c) 144部 (スチレン含有量40%、ゴム100部あたり芳香族油44部含有) SAFカーボンブラック(N110) 100部 ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 5部 芳香族系プロセス油 50部 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 供試化合物 表13記載
【0051】配合処方を上記のように変えた以外は、実
施例1と同様の実験を行った。結果を表13に示す。
【0052】
【表13】
【0053】実施例4
【0054】
【表14】 〈配合処方〉 ブタジエンゴム(JSR BR01) 100部 ISAFカーボンブラック 75部 ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 5部 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 供試化合物 表15記載
【0055】配合処方を上記のように変えた以外は、実
施例1と同様の実験を行った。結果を表15に示す。た
だしこの配合系では、引張試験において、伸び300%
に至る前に試験片が破断したため、M300 およびM500
の測定は不可能であった。
【0056】
【表15】
【0057】実施例5
【0058】
【表16】 〈配合処方〉 天 然 ゴ ム 100部 ISAFカーボンブラック 75部 ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 5部 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 供試化合物 表17記載
【0059】配合処方を上記のように変えた以外は、実
施例1と同様の実験を行った。ただし、この天然ゴム配
合系における tanδの測定は、初期静的荷重100g、
動的荷重20g一定、周波数10Hzの条件で行った。結
果を表17に示す。この配合系でも、 引張試験におい
て、伸び500%に至る前に試験片が破断したため、M
500 の測定は不可能であった。
【0060】
【表17】
【0061】実施例6
【0062】
【表18】 〈配合処方〉 乳化重合スチレン・ブタジエン共重合ゴム(a) 96.3部 (スチレン含有量35%、ゴム100部あたり芳香族油 37.5 部含有) 天 然 ゴ ム 30部 ISAFカーボンブラック 80部 ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 5部 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 供試化合物 表19記載
【0063】配合処方を上記のように変えた以外は、実
施例1と同様の実験を行った。結果を表19に示す。
【0064】
【表19】
【0065】実施例7
【0066】
【表20】 〈配合処方〉 乳化重合スチレン・ブタジエン共重合ゴム(a) 68.8部 (スチレン含有量35%、ゴム100部あたり芳香族油 37.5 部含有) ブタジエンゴム(JSR BR01) 50部 ISAFカーボンブラック 80部 ステアリン酸 3部 亜 鉛 華 5部 芳香族系プロセス油 10部 加硫促進剤 1部 (N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド) イ オ ウ 2部 供試化合物 表21記載
【0067】配合処方を上記のように変えた以外は、実
施例1と同様の実験を行った。結果を表21に示す。こ
の配合系でも、引張試験において、伸び500%に至る
前に試験片が破断したため、M500 の測定は不可能であ
った。
【0068】
【表21】
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、ゴムに特定のジアミド
化合物を配合することにより、タイヤが高温になった際
のグリップ力に対応する60℃以上の高温領域における
tanδを効果的に向上させることができ、しかも強度特
性の低下をほとんどきたすことがない。したがって、本
発明のゴム組成物をタイヤの特にトレッド部に適用すれ
ば、自動車の加速性能やブレーキ性能と密接な関連を持
つグリップ性能に優れたタイヤとすることができる。ま
た本発明のゴム組成物を防振ゴムに適用すれば、自動車
のエンジンルームなど、とりわけ高温領域における防振
性能が要求される部位において、優れた性能を発揮する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 万治 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 (72)発明者 八児 真一 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴムに、充填剤および下記一般式 【化1】 (式中、Xは水素、炭素数1〜18のアルキル、炭素数
    3〜18のシクロアルキルまたは、無置換のもしくは置
    換されたフェニルであり、Yは炭素数1〜12のアルキ
    レン、炭素数3〜12のシクロアルキレンまたはフェニ
    レンである)で示されるジアミド化合物を含有せしめて
    なることを特徴とするゴム組成物。
  2. 【請求項2】前記ジアミド化合物の一般式におけるYが
    炭素数5〜9のアルキレンである請求項1記載のゴム組
    成物。
  3. 【請求項3】Xが炭素数3〜9の分枝状アルキルまたは
    炭素数3〜9のシクロアルキルである請求項2記載のゴ
    ム組成物。
  4. 【請求項4】前記ジアミド化合物の一般式におけるYが
    フェニレンである請求項1記載のゴム組成物。
  5. 【請求項5】Xが炭素数3〜18のアルキルまたは炭素
    数3〜18のシクロアルキルである請求項4記載のゴム
    組成物。
  6. 【請求項6】前記ジアミド化合物の一般式におけるXが
    無置換フェニルであり、Yが炭素数5〜9のアルキレン
    である請求項1記載のゴム組成物。
  7. 【請求項7】前記ジアミド化合物の一般式におけるXが
    o−またはm−置換されたフェニルであり、Yが炭素数
    5〜9のアルキレンである請求項1記載のゴム組成物。
  8. 【請求項8】ゴムに、充填剤および下記一般式 【化2】 (式中、Xは水素、炭素数1〜18のアルキル、炭素数
    3〜18のシクロアルキルまたは、無置換のもしくは置
    換されたフェニルであり、Yは炭素数1〜12のアルキ
    レン、炭素数3〜12のシクロアルキレンまたはフェニ
    レンである)で示されるジアミド化合物を配合すること
    を特徴とするゴムの損失係数を増大させる方法。
  9. 【請求項9】請求項1〜7のいずれかに記載の組成物を
    用いたタイヤ。
  10. 【請求項10】請求項1〜7のいずれかに記載の組成物
    を用いた防振ゴム。
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