JPH0517506A - 共重合体ラテツクスの製造方法 - Google Patents

共重合体ラテツクスの製造方法

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JPH0517506A
JPH0517506A JP17517791A JP17517791A JPH0517506A JP H0517506 A JPH0517506 A JP H0517506A JP 17517791 A JP17517791 A JP 17517791A JP 17517791 A JP17517791 A JP 17517791A JP H0517506 A JPH0517506 A JP H0517506A
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JP
Japan
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polymerization
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rubber latex
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monomer
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JP17517791A
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English (en)
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Atsushi Shichizawa
淳 七澤
Shinobu Ozawa
忍 男沢
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ABS樹脂原料に好適な、径が大きく球状の
粒子よりなるブタジエンを主成分とする合成ゴムラテッ
クスを、短い重合時間にて製造する。 【構成】 脂肪族共役ジエン化合物単量体65重量%以
上含む単量体を乳化重合するにあたり、単量体100重
量部のうち0.5〜5重量部のシアン化ビニル化合物を
用い、かつ0.5〜1.5重量部の乳化剤存在下で重合
を開始する。 【効果】 乳化剤が少ないにもかかわらず円滑に重合が
始まり、重合進行に伴いアグロメレーションが起き、短
時間のうちに0.25〜0.5ミクロンの粒子よりなる
合成ゴムラテックスが製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、共重合体ラテックス
(合成ゴムラテックス、ゴムラテックス)、とりわけA
BS樹脂の原料として好適に用いられる粒子径0.1〜
0.5ミクロンの共重合体ラテックスの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂は、主として、乳化重合法に
より、ゴム質重合体粒子に芳香族ビニル化合物とシアン
化ビニル化合物をグラフト共重合させることによって得
られる、芳香族ビニル化合物とシアン化ビニル化合物共
重合体中にゴム質重合体が分散した形態を有する熱可塑
性樹脂である。上記樹脂の性質は、分散したゴム質重合
体の粒子径により変化し、例えば、上記樹脂の特徴であ
る耐衝撃性を加工性のバランスの良さは、粒子径の大き
いゴム質重合体を用いて初めて得られる性質であること
などは、良く知られるところである。
【0003】ところで、乳化重合法によりABS樹脂原
料となる合成ゴムラテックスを製造する場合、重合に要
する時間と上記ゴムラテックスの粒子径には密接な関連
があり、粒子径の大きなゴムラテックス製造に要する時
間は、粒子径の小さなゴムラテックス製造時に比べ著し
く長いのが通例である。かかる現象は、一定量の単量体
を重合させようとした場合大粒子径ゴムラテックス製造
に際してはゴムラテックス粒子の数を小粒子径ゴムラテ
ックス製造に比較し、著しく少なく設定しなければなら
ないことに起因すると考えられている。
【0004】かかる難点を克服し、短時間のうちに粒子
径の大きなゴムラテックスを製造する技術として(イ)
乳化重合過程で、別途作成したラテックスを添加する方
法(特公昭48−16060号及び、特開昭63−48
313号公報)、(ロ)乳化重合過程に単量体を追加添
加する方法(特公平03−2165号公報)、(ハ)少
量の乳化剤と多量の無機電解質を併用する方法(特開昭
56−136807号公報)等が開示されている。これ
ら技術は、いづれも多量の小粒子径ゴムラテックスを短
時間のうちに製造し、重合過程で重合系を不安定化する
ことによりゴムラテックス粒子同志を融着合一(アグロ
メレーション)させることにより、大きな粒子としよう
とするものと思われる。これら技術に基けば、少量の乳
化剤のみで重合を行う方法や、少量のシードラテックス
を重合過程で大粒子まで成長させる方法に比べ、短時間
のうちに粒子径の大きいゴムラテックスを得ることが可
能と思われるが、0.3ミクロンのゴムラテックス粒子
製造には50〜60時間を要しており経済的に不利であ
った。
【0005】一方、アクリロニトリルを必須成分とする
多段重合法により、比較的短時間のうちに大粒径ゴムラ
テックスを製造する技術は公知(特公昭47−3602
4号公報)であるが、この技術により得られるゴムラテ
ックス粒子は不規則な形状を有し、ABS樹脂原料とし
て用いるには、不適当であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、よ
り短時間のうちに粒子径の大きなABS樹脂原料に適し
た球形を有するゴムラテックスを製造し得る技術を提供
すべく検討した結果、意外にも特定量の少量の乳化剤を
用い、かつ少量のシアン化ビニル化合物を重合開始反応
時に使用することで著しく重合が加速されかつ球形の粒
子からなるゴムラテックスが得られることを見出し、本
発明に到達した。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、脂
肪族共役ジエン単量体、シアン化ビニル単量体、および
必要に応じこれらと共重合可能なビニル単量体の合計1
00重量部を乳化重合して共重合体ラテックスを製造す
る方法において、(1)シアン化ビニル単量体0.5〜
5重量部、(2)乳化剤0.5〜1.5重量部を添加す
ることを特徴とする共重合体ラテックスの製造方法であ
る。
【0008】以下、本発明を更に詳しく説明する。本発
明の特徴とするところは、重合反応の開始段階で、シア
ン化ビニル化合物を少量の乳化剤とともに使用する点で
ある。シアン化ビニル化合物を使用することによる重合
反応が加速される理由に関しては十分明らかではない
が、重合反応開始直後のゴムラテックスを採取分析して
みると以下のことがわかる。すなわち、ゴムラテックス
はシアン化ビニル化合物単位を多量に含む極めて微小な
重合体粒子から成立っており、また、親水性に富むシア
ン化ビニル化合物が乳化剤と共同して多数のミセルを形
成している。この点から上記重合反応が加速される理由
として、(イ)少量の乳化剤のみを用いた乳化重合に見
られる重合開始までの誘導時間がなくなること、及び
(ロ)重合初期段階では多数の微小粒子が重合の場に存
在していて、全体の重合が加速されることなどが、考え
られる。一方で、最終的に粒子径の大きなゴムラテック
スが得られる理由として、重合初期段階で生じた微小粒
子が、その成長に伴い乳化剤による粒子表面の被覆率が
低下し、ゴムラテックス粒子が不安定化することによ
り、粒子同志が融着合一(アグロメレーション)するた
めと考えられる。
【0009】従来より、シアン化ビニル化合物を共役ジ
エン化合物の共重合体、いわゆるNBRの存在は知られ
ているが、NBRにおけるシアン化ビニル化合物の役割
は耐薬品性の付与にあり、従って用いられるシアン化ビ
ニル化合物の量は単量体の10重量%以上とされるのが
一般的である。またNBRを乳化重合により製造する場
合、ゴムラテックスの安定性が乏しいため大量の乳化剤
を必要とするのが通例である。すなわち、NBR作成に
比べ少量のシアン化ビニル化合物を用い、なおかつ少量
の乳化剤と組み合わせた本発明は、従来の技術の範囲か
らは予測し得ないものである。
【0010】本発明の方法は、単に短時間のうちに粒子
径の大きいゴムラテックスが得られるばかりではなく、
重合途中に別途作成したゴムラテックスを添加する方法
に比べ、同一反応器で重合させ得る単量体量を多くでき
ること、重合途中に単量体を添加する方法の様に新たに
重合させねばならない単量体を加える必要がないなど、
経済的にも有利である。
【0011】本発明に用いるシアン化ビニル化合物とし
ては、アクリロニトリル、メタアクリロニトリルが例示
できる。シアン化ビニル化合物の使用量は、シアン化ビ
ニル化合物も含めた単量体の合計100重量部あたり
0.5〜5重量部が必要である。また、好ましくは1〜
3重量部が適当である。同化合物の使用量が0.5重量
部未満では、本発明の効果は十分ではなく、5重量部を
超えるとラテックスが不安定化し、重合残渣が増加する
傾向を示す。
【0012】重合開始時に用いる乳化剤としては、不均
化ロジン酸、或いはオレイン酸、ステアリン酸などの高
級脂肪酸のアルカリ金属塩、ドデシルベンゼンスルホン
酸といったスルホン酸アルカリ金属塩、アルケニルコハ
ク酸といった二塩基酸のアルカリ金属塩を単独又は組み
合わせて用いることができる。重合開始時に用いる乳化
剤量は、単量体の合計100重量部あたり0.5〜1.
5重量部が必要である。さらに好ましくは、乳化剤量が
0.5重量部未満の場合でも、併用するシアン化ビニル
化合物の量を多目に設定することで本発明の効果は発現
するが、重合残渣が発生し易くなる。1.5重量部を越
えると重合系の粘度上昇が顕著となり、重合熱の除去等
で困難を生じる。なお、最終的に得られるゴムラテック
ス粒子径は、重合開始時に使用する乳化剤量(本発明で
は単量体の合計100重量部に対し、0.5〜1.5重
量部)によって決まるため、目標とする粒子径に応じ乳
化剤量を決定し、この乳化剤量に対し、重合残渣の発生
がなく、かつ最も重合加速効果が発現するようにシアン
化ビニル化合物量を設定することが好ましい。したがっ
て、重合に使用する全乳化剤量には特に制限は無い。
【0013】また、ゴムラテックスの安定性を確保する
ために、重合途中に一括、分割、或いは連続的に添加す
ることは任意である。本発明に用いる脂肪族共役ジエン
としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプ
レンなどが挙げられるが、ABS樹脂原料としては1,
3−ブタジエンが好適である。脂肪族共役ジエンと他の
ビニル単量体を共重合させることも可能で、この他のビ
ニル単量体としてスチレン、αメチルスチレン、ビニル
トルエン等の芳香族ビニル化合物、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチル
メタアクリレート、エチルメタアクリレート等の(メ
タ)アクリル酸エステル化合物を用いることができる。
また、メルカプタン類、テレペン類といった分子量調整
剤の使用も任意である。
【0014】重合に用いる単量体は、重合反応開始時に
一括して投入しても、重合過程で分割、或いは連続的に
投入しても良い。重合開始時点に投入する単量体と、分
割或いは連続的に追添加する単量体の組成は、得ようと
するゴムラテックスの性質に応じ、任意に設定すること
ができる。また、全単量体中に占める脂肪族共役ジエン
単量体の割合を、65〜99.5重量%、これらの共重
合可能なビニル単量体の割合を0〜34.5重量%とす
ることで、ABS樹脂用として好適なゴム弾性を有する
重合物が得られる。
【0015】重合開始剤としては、例えば過硫酸ナトリ
ウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムといった水
溶性過硫酸塩、クメンハイドロパーオキサイド等の有機
過酸化物を一成分とするレドックス系開始剤等を用いる
ことができる。重合開始剤は、単量体の合計100重量
部に対し0.05〜0.4重量部程度が好ましい使用量
である。過硫酸塩に開始剤として使用する場合、生成す
る硫酸イオンを中和する程度のpH調整剤を使用するこ
とが望まれるが、大量の酸、アルカリや無機電解質を加
える必要はない。
【0016】ゴムラテックスの分散媒体としての水の使
用量は、単量体の合計100重量部に対し50〜200
重量部が好ましく、さらに好ましくは60〜120重量
部が好適である。極端に使用水量を下げるとゴムラテッ
クス粘度が上昇し好ましくなく、また多量の水の使用は
経済的に不利である。水は、重合反応開始時点に全量一
括して投入しても、重合過程で分割、或いは連続的に投
入しても良い。実際には、重合進行に伴うゴムラテック
ス粘度上昇を緩和し、かつ重合残渣を軽減すべく、乳化
剤とともに重合途中で連続的に追添加する方法が好まし
いが、特に制約すべき要素ではない。
【0017】重合温度は、通常のゴムラテックス製造に
用いられる領域、すなわち50〜80℃で実施すること
が可能である。重合温度は、重合期間を通じ一定である
必要はなく、高速度で反応の進む重合の前半を低温で実
施し、重合速度の低下する重合後半を高温で実施するな
ど、適宜設定すれば良い。また重合は必ずしも完結させ
る必要はなく、求められる架橋度に対応した任意の重合
率で重合を終了し、残余の単量体を回収するなど、当業
者公知の方法で行うことができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例に基き、本発明を説明する。
尚、以下に用いる部数は、重量部を表わす。
【0019】
【実施例1】以下の組成の物質(固形分基準)を、内部
を真空に脱気した50リットルオートクレーブに投入
し、65℃にて反応させた。 1,3−ブタジエン 97.0 部 アクリロニトリル 3.0 部 t−ドデシルメルカプタン 0.2 部 不均化ロジン酸カリウム塩 0.6 部 牛脂ケン化石ケン(ノンサールTN−1) 0.3 部 過硫酸ナトリウム 0.25部 カセイソーダ 0.1 部 重炭酸ソーダ 0.35部 脱イオン水 60.0 部 重合開始後6時間目から16時間目の間に、以下の組成
の物質をオートクレーブに連続添加しながら重合を継続
した。
【0020】 不均化ロジン酸カリウム塩 0.3 部 牛脂ケン化石ケン 0.1 部 過硫酸ナトリウム 0.1 部 カセイソーダ 0.05部 重炭酸ソーダ 0.15部 脱イオン水 45.0 部 連続添加終了後、重合系を80℃に昇温し、重合開始後
30時間目に冷却し重合を終了した。重合率は91%、
電子顕微鏡写真により求めた共重合体ラテックスの重量
平均粒子径は3ミクロンであった。
【0021】
【実施例2】実施例1と同様の重合を、1,3−ブタジ
エン87.0部、スチレン10.0部に置きかえ実施し
た。30時間目重合率は93%、共重合体ラテックス重
量平均粒子径は0.29ミクロンであった。
【0022】
【実施例3】実施例1と同様の重合を、1,3−ブタジ
エン99.0部、アクリロニトリル1.0部、不均化ロ
ジン酸カリウム塩1.0部に置きかえ実施した。30時
間目重合率86%、共重合体ラテックス重量平均粒子径
は0.28ミクロンであった。
【0023】
【実施例4】実施例1と同様の重合を、不均化ロジン酸
カリウム塩0.4部、牛脂ケン化石ケン0.2部に置き
かえ実施した。30時間目重合率86%、共重合体ラテ
ックス重量平均粒子径は0.36ミクロンであった。
【0024】
【比較例1】実施例1と同様の重合を、1,3ブタジエ
ン100.0部を用い、アクリロニトリルを使用せず実
施した。30時間目重合率52%、共重合体ラテックス
の重量平均粒子径は0.33ミクロンであった。
【0025】
【比較例2】実施例1と同様の重合を不均化ロジン酸カ
リウム塩1.4部、牛脂ケン化石ケン0.7部に置きか
えて実施した。重合開始3時間目にて、重合系粘度が著
しく増加し、反応温度は制御できなかった。
【0026】
【発明の効果】本発明の技術に基けば、0.25〜0.
5ミクロンといった粒子径の大きなABS樹脂原料に好
適な球形粒子よりなる共重合体ラテックス製造を短時間
のうちに実施できるばかりではなく、0.1〜0.2ミ
クロンといった小粒子の共重合体ゴムラテックスの製造
においても重合反応の円滑な開始が可能であり、特に共
重合体ラテックスの粒子径を限定することなく利用が可
能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪族共役ジエン単量体、シアン化ビニ
    ル単量体、および必要に応じこれらと共重合可能なビニ
    ル単量体の合計100重量部を乳化重合して共重合体ラ
    テックスを製造する方法において、 重合を開始する時点において、 (1)シアン化ビニル単量体0.5〜5重量部、 (2)乳化剤0.5〜1.5重量部を添加することを特
    徴とする共重合体ラテックスの製造方法。
  2. 【請求項2】 全単量体に占める脂肪族共役ジエン単量
    体の割合が65重量%以上であることを特徴とする請求
    項1記載の共重合体ラテックスの製造方法。
JP17517791A 1991-07-16 1991-07-16 共重合体ラテツクスの製造方法 Withdrawn JPH0517506A (ja)

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Legal Events

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Effective date: 19981008