JPH05175008A - Ptc抵抗体の製造方法 - Google Patents

Ptc抵抗体の製造方法

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JPH05175008A
JPH05175008A JP3339163A JP33916391A JPH05175008A JP H05175008 A JPH05175008 A JP H05175008A JP 3339163 A JP3339163 A JP 3339163A JP 33916391 A JP33916391 A JP 33916391A JP H05175008 A JPH05175008 A JP H05175008A
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JP
Japan
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electron beam
ptc resistor
treatment
heat treatment
heat
Prior art date
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Pending
Application number
JP3339163A
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English (en)
Inventor
Naohito Fukuya
直仁 福家
Shinobu Ikeno
忍 池野
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 抵抗値の安定のための熱処理を、熱変形や熱
分解を起こすことなく十分に高い温度で行えるPTC抵
抗体の製造方法を提供する。 【構成】 結晶性プラスチック中に導電性粒子が分散し
てなるPTC抵抗体用材料に抵抗値の安定のための熱処
理を施すようにするPTC抵抗体の製造方法であって、
前記熱処理の前に、耐熱性向上のための電子線架橋処理
を予め施すようにするPTC抵抗体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、正の温度係数を有す
る抵抗体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】正の温度係数(PTC)を有する抵抗体
(PTC抵抗体)は、発熱量の自己抑制が可能な発熱素
子あるいは安全素子として用いられる有用な材料であ
る。PTC抵抗体として、従来、結晶性プラスチック中
に導電性粒子が分散してなるPTC抵抗体がある。しか
しながら、この従来のPTC抵抗体は抵抗値安定性に欠
けるという問題がある。使用中に自身で発生する熱によ
り、結晶性プラスチック中の導電性粒子の分散状態が変
化するからである。
【0003】それで、以下のようにして導電性粒子の分
散状態の変化を抑えることが検討されている。ひとつ
は、結晶性プラスチックの架橋を行うことである。架橋
方法には、化学架橋処理と電子線架橋処理がある。化学
架橋処理の場合は、結晶性プラスチックと導電性粒子の
化学的結合により導電性粒子を動き難くして、分散状態
の変化を抑えるという考え方である。しかしながら、結
晶性プラスチックと導電性粒子の間に十分な化学的結合
を生じさせることは出来ない。
【0004】電子線架橋処理の場合は、プラスチックの
高分子チェーンを網み目状にして導電性粒子を網の目で
捕らえることにより、導電性粒子を動き難くして、分散
状態の変化を抑えるという考え方である。しかしなが
ら、導電性粒子の二次粒子粒は架橋で生じた網の目の大
きさに比べて非常に小さく、電子線架橋により有効な網
の目構造をプラスチック中に形成することは実際には困
難である。
【0005】もうひとつは、熱処理を行うことである。
熱処理方法には、使用時の発熱温度以上から融点未満の
範囲の温度での熱処理と、融点以上の温度での熱処理が
ある。使用時の発熱温度〜融点未満の温度での熱処理の
場合、非常に時間がかかり、製品組み込みのためのホッ
トメルト接着の際に融点以上の温度になると抵抗値が変
化するため、実用的とは言えない。
【0006】融点以上の温度で熱処理する場合、プラス
チックの熱変形や熱分解が起こり易く、やはり実用的で
はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記事情
に鑑み、抵抗値の安定のための熱処理を、熱変形や熱分
解を起こすことなく十分に高い温度で行えるPTC抵抗
体の製造方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、この発明のPTC抵抗体の製造方法では、結晶性プ
ラスチック中に導電性粒子が分散してなるPTC抵抗体
用材料に抵抗値の安定のための熱処理を施すにあたり、
熱処理の前に、耐熱性向上のための電子線架橋処理を予
め施すようにすることを特徴とする。
【0009】結晶性プラスチックとしては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニリ
デン等の熱可塑性樹脂が例示される。特に、低密度ポリ
プロピレン、この中でも密度0.91未満の超低密度ポ
リプロピレンが好ましい。導電性粒子としては、カーボ
ンブラック、Ag粒子、ニッケル粒子、鉄粒子などの金
属粒子、あるいは、SiC等の無機導電性粒子が挙げら
れる。
【0010】耐熱性向上のための電子線架橋を施す段階
のPTC抵抗体用材料は、シート状またはワイヤ状に成
形したものが適当である。電子線架橋処理での照射量
は、数Mrad〜数十Mradの範囲が適当である。具
体的には、電子線架橋処理が5Mrad以上であり、プ
ラスチックにおけるゲル化率が50%以上となるように
架橋処理が好ましい。
【0011】電子線架橋を施した後の抵抗値の安定のた
めの熱処理は、プラスチックの融点以上の温度(普通、
100〜200℃の範囲の温度)で行うことが好まし
い。この発明では電子線架橋処理を行ってから熱処理を
行う。これとは逆に熱処理を行ってから電子線架橋処理
を行うことも考えられる。しかし、これでは抵抗値は安
定させられない。電子線架橋処理を行った場合と行わな
かった場合とでは導電性粒子の安定な凝集構造が異なる
からと推察している。熱処理して安定化させ電子線架橋
処理を施し再び熱処理すると導電性粒子の著しい移動が
起こることから上のように推察する次第である。したが
って、この発明のPTC抵抗体の製造方法においては、
熱処理後に再び電子線架橋処理を行うようなことはしな
い。
【0012】
【作用】この発明では、PTC抵抗体用材料の耐熱性を
電子線架橋処理により予め高めておいて熱処理を行うた
め、高い温度で熱処理しても熱変形や熱分解等の不都合
が起こらない。このように高い温度で熱処理ができるた
め、短時間で導電性粒子を十分に凝集させ満足できる安
定化が行え、製造工程や製造コストの面で好都合であ
る。
【0013】なお、化学架橋処理を用いずに電子線架橋
処理を用いるのは、化学架橋処理では架橋反応の程度が
一定し難くて処理のバラツキが大きいのに対し、電子線
架橋処理では架橋反応の程度が一定し処理のバラツキが
小さく、歩留りよく特性の揃ったものが得られるからで
ある。それに、高い温度で熱処理されたPTC抵抗体
は、使用温度域が広く、ホットメルト接着に対する適性
もあるため、実用性が高い。
【0014】
【実施例】以下、この発明の実施例を説明する。この発
明は、下記の実施例に限らないことは言うまでもない。 −実施例1− 密度0.905、MFR(メルトフローレート):20
の超低密度ポリエチレンに、比表面積25m2 /g、粒
子径85nm、吸油量69cc/100gのカーボンブ
ラックを分散させ成形した。配合量はポリエチレン60
wt%、カーボンブラック40wt%である。
【0015】混練・成形の条件は以下のとおりである。 混練機:1.8(1)T型インテンシブミキサー(バン
バリーミキサー) コンパウンド量:約1kg 混練条件:120rpm ミキサージャケットの加熱温度:120〜130℃ 成形:170℃×2分 加圧10秒 成形後、30Mradの照射量で電子線(EB)架橋処
理した(ゲル化率は約95%である)あと5分間、15
0℃で熱処理し、PTC抵抗体を得た。
【0016】−実施例2− 比表面積27m2 /g、粒子径66nm、吸油量68c
c/100gのカーボンブラックを用い、配合量はポリ
エチレン63wt%、カーボンブラック37wt%とした他
は、実施例1と同様にしてPTC抵抗体を得た。 −実施例3− 5Mradの照射量で電子線架橋処理した(ゲル化率は
約50%である)他は実施例1と同様にしてPTC抵抗
体を得た。
【0017】−比較例1− 電子線架橋処理を行わず、150℃で熱処理した他は、
実施例1と同様にしてPTC抵抗体を得た。 −比較例2− 電子線架橋処理を行わず、150℃で熱処理した他は、
実施例2と同様にしてPTC抵抗体を得た。
【0018】実施例では熱処理の際に熱変形や気泡発生
が起こらなかった。発明者らは、約200℃でも熱変形
しないことを確認している。これに対し、比較例では熱
処理で熱変形が起こり気泡が生じていた。電子線架橋処
理で十分に耐熱性が向上していることが裏付けられた。
なお、抵抗値の安定性を確認するため、熱処理回数と体
積固有インピーダンス(100Hz、20℃)Zの関係を
調べた。測定は、電極として導電性粘着剤付きのアルミ
箔を厚み方向に貼り付けて行った。
【0019】結果を図1に示す。なお、図1において、
Aが実施例1,Bが実施例2,Cが実施例3,Dが比較
例1,Eが比較例2の場合の材料に対する結果である。
実施例1,2では熱処理回数が重なるにつれて抵抗値が
上昇しながら収束している(実施例3ではほぼ横ば
い)。これに対し、比較例1,2では熱処理回数が重な
るにつれて抵抗値が下降しながら収束している。これ
は、導電性粒子の凝集メカニズムが異なることを示すも
のと考えられる。電子線架橋を施した場合は導電性粒子
が離散的に島状に凝集し、電子線架橋を施さない場合は
導電性粒子がパーコレーションをさらに高めたように凝
集するものと推察する。
【0020】
【発明の効果】以上に述べたように、この発明では、P
TC抵抗体用材料の耐熱性を電子線架橋処理により予め
高めておいて熱処理を行うため、高い温度で熱処理して
も熱変形や熱分解等の不都合が起こらず、その結果、短
時間の処理で使用温度域が広く、ホットメルト接着に対
する適性もある実用性の高いPTC抵抗体が得られるか
ら、この発明は非常に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例,比較例におけるPTC抵抗体用材料の
熱処理回数と体積固有インピーダンスの関係をあらわす
グラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結晶性プラスチック中に導電性粒子が分
    散してなるPTC抵抗体用材料に抵抗値の安定のための
    熱処理を施すようにするPTC抵抗体の製造方法であっ
    て、前記熱処理の前に、耐熱性向上のための電子線架橋
    処理を予め施すようにするPTC抵抗体の製造方法。
  2. 【請求項2】 電子線架橋処理を5Mrad以上の照射
    量で行う請求項1記載のPTC抵抗体の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱処理温度を結晶性プラスチックの融点
    以上の温度で行う請求項1または2記載のPTC抵抗体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 結晶性プラスチックが低密度ポリエチレ
    ンである請求項1から3までのいずれかに記載のPTC
    抵抗体の製造方法。
JP3339163A 1991-12-21 1991-12-21 Ptc抵抗体の製造方法 Pending JPH05175008A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100381920B1 (ko) * 2001-02-16 2003-04-26 엘지전선 주식회사 라미네이터를 이용한 정온계수 화학 가교 공정
KR100488883B1 (ko) * 2002-08-19 2005-05-10 한국화학연구원 Ptc 소자의 제조방법
KR100523294B1 (ko) * 2002-08-19 2005-10-24 한국화학연구원 고온하에서 ptc 특성을 갖는 회로 보호용 소자 및 제조방법
CN100426424C (zh) * 2004-12-21 2008-10-15 上海长园维安电子线路保护股份有限公司 一种高温ptc热敏电阻器的制造方法

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