JPH05174780A - 高真空装置及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置 - Google Patents

高真空装置及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置

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JPH05174780A
JPH05174780A JP4047533A JP4753392A JPH05174780A JP H05174780 A JPH05174780 A JP H05174780A JP 4047533 A JP4047533 A JP 4047533A JP 4753392 A JP4753392 A JP 4753392A JP H05174780 A JPH05174780 A JP H05174780A
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JP
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vacuum
container
electrode
outer electrode
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JP4047533A
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Kazutoshi Nagai
一敏 長井
Toru Satake
徹 佐竹
Hideaki Hayashi
英明 林
Takashige Yasui
孝成 安井
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J41/00Discharge tubes for measuring pressure of introduced gas or for detecting presence of gas; Discharge tubes for evacuation by diffusion of ions
    • H01J41/12Discharge tubes for evacuating by diffusion of ions, e.g. ion pumps, getter ion pumps
    • H01J41/18Discharge tubes for evacuating by diffusion of ions, e.g. ion pumps, getter ion pumps with ionisation by means of cold cathodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J41/00Discharge tubes for measuring pressure of introduced gas or for detecting presence of gas; Discharge tubes for evacuation by diffusion of ions
    • H01J41/12Discharge tubes for evacuating by diffusion of ions, e.g. ion pumps, getter ion pumps
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  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 真空容器内の気体分子をイオン化加速して排
気することにより、真空容器内に高真空を達成する。ま
た、真空ポンプから逆拡散、脱離してきたガス分子をイ
オン化加速して真空ポンプに戻すと同時に、真空容器内
のガス分子をイオン化加速して積極的に真空ポンプに送
り込んで真空容器内に高度の真空を達成する。 【構成】 容器25と、該容器25内に設置され気体を
イオン化する手段21,22,23と、前記イオン化し
た気体を一方向に移動させる手段24とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高真空装置及び該高真空
装置を用いた真空ポンプ装置に係り、特に真空容器内の
気体をイオン化して吸引することにより真空容器内に高
真空を発生する高真空装置と、該高真空装置に真空ポン
プを組み合わせることにより前記吸引気体を大気中に放
出する真空ポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は従来の真空排気法を示す説明図
である。同図において、符号1は真空に排気すべき容器
(以下、真空容器という)であり、この真空容器1は排
気孔3を介して真空ポンプ2に接続されている。真空ポ
ンプ2は例えばターボ分子ポンプ、油拡散ポンプ、イオ
ンポンプなどで構成される。
【0003】上記構成において、真空容器1内のガス分
子の内、排気孔3に飛び込んだ分子だけが、真空ポンプ
2によって外部に排出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の方法におい
ては、真空ポンプ2がターボ分子ポンプの場合は、圧縮
比が大きく取れない水素ガス、ヘリウムガス等がターボ
分子ポンプから逆拡散して真空容器1に戻り、真空度の
低下を来すという問題がある。また、油拡散ポンプの場
合には、同様の理由で水素等が真空容器1に逆拡散する
ほか、作動油の蒸気も逆拡散して真空度の低下を招くと
いう問題がある。油拡散ポンプの場合には、この作動油
の逆拡散を防止するために、液体窒素によるコールドト
ラップを併用する方法があるが、この方法はコストが高
く、又、液体窒素供給の問題等で長時間運転が困難であ
るという問題がある。さらにイオンポンプにおいては、
チタン壁に吸収された気体分子が脱離して真空容器1に
逆戻りして真空度を低下させるという問題がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的とする処は、真空容器内の気体分子をイ
オン化加速して積極的に排気することにより、真空容器
内に高真空を達成する高真空装置を提供することにあ
る。
【0006】また、本発明の他の目的は、背圧側に設け
られる補助ポンプとして作用する任意の真空ポンプと組
み合わされて、該真空ポンプから逆流、脱離してくる気
体分子をイオン化加速して真空ポンプに戻すと同時に、
真空容器内の気体分子をイオン化加速して積極的に前記
真空ポンプに送り込むことにより、高度の真空度を達成
する高真空装置を用いた真空ポンプ装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の高真空装置の構成は、容器と、該容器内に
設置され気体をイオン化する手段と、前記イオン化した
気体を一方向に移動させる手段とを備えたことを特徴と
するものである。
【0008】本発明の高真空装置の第1の態様は、陰極
と、該陰極を取り囲む筒状の電子加速グリッドと、該電
子加速グリッドを取り囲む外側電極と、該外側電極の軸
線と交差し且つ該外側電極から離間して設けられたイオ
ン加速グリッドと、前記各グリッド及び前記各電極を収
める容器と、該容器の外側に配置されて前記外側電極の
軸線にほぼ並行な磁界を発生する磁石と、前記陰極と前
記電子加速グリッドの間に高電圧を印加する高電圧電源
と、前記電子加速グリッドと前記外側電極の間に電圧を
印加する直流電源と、前記外側電極と前記イオン加速グ
リッドの間に、該外側電極側が正になるように電圧を印
加する直流電源とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0009】本発明の高真空装置の第2の態様は、陰極
と、該陰極を取り囲む外側電極と、該外側電極の軸線と
交差し且つ該外側電極から離間して設けられたイオン加
速グリッドと、該グリッド及び前記各電極を収める容器
と、該容器の外側に配置されて前記外側電極の軸線にほ
ぼ並行な磁界を発生する磁石と、前記陰極と前記外側電
極の間に高電圧を印加する高電圧電源と、前記外側電極
と前記イオン加速グリッドの間に、該外側電極側が正に
なるように電圧を印加する直流電源とを備えたことを特
徴とするものである。
【0010】本発明の高真空装置の第3の態様は、外側
電極と、該外側電極の軸線に交差し且つ該外側電極から
離間して設けられたグリッド電極と、前記外側電極及び
前記グリッド電極を収める容器と、この容器の外側に設
けられ前記外側電極の軸線にほぼ並行な磁界を発生する
磁石と、前記外側電極と前記グリッド電極の間に、該グ
リッド電極側が負になるように高電圧を印加する直流電
源とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】本発明の高真空装置の第4の態様は、第1
グリッド電極と、この第1グリッド電極に対向して設け
られた第2グリッド電極と、これら第1,第2グリッド
電極を収める容器と、該容器の外側に設けられ前記第
1,第2グリッド電極に対して、交差する方向に磁界を
印加するための磁石と、前記1,第2グリッド電極間
に、該第2グリッド電極側が負になるように高電圧を印
加する直流電源とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0012】本発明の高真空装置の第5の態様は、第1
グリッド電極と、該第1グリッド電極に対向して配設さ
れた第2グリッド電極と、これら両電極を収める容器
と、該容器の外側に配設されるとともに高周波電源に接
続されたコイルと、前記第1,第2グリッド電極間に、
該第2グリッド電極側が負になるように高電圧を印加す
る直流電源とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】本発明の真空ポンプ装置は、上記各態様の
高真空装置に任意の真空ポンプを組み合わせたものであ
る。
【0014】
【作用】本発明の高真空装置によれば、真空容器内の気
体分子をイオン化して加速し、吸引することにより気体
分子が排気されて高真空を達成できる。本発明の真空ポ
ンプ装置によれば、真空ポンプから逆拡散、脱離してき
た気体分子をイオン化加速して真空ポンプに戻すことが
できるとともに、真空容器内の気体分子をイオン化加速
して積極的に真空ポンプに送り込むことができ、排気能
率が向上し真空容器に高度の真空度を達成することがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、本発明に係る高真空装置及び該高真空
装置を用いた真空ポンプ装置の実施例を図1乃至図9を
参照して説明する。
【0016】図1は本発明の第1実施例を示し、同図に
おいて符号50は本発明の高真空装置、符号100は高
真空装置50を用いた、同じく本発明の真空ポンプ装置
を示している。前記真空ポンプ装置100は高真空装置
50と、この真空装置50の背圧側に設けた任意の真空
ポンプ31とを組み合わせて構成される。
【0017】前記高真空装置50は、真空ポンプ31と
真空容器32とを接続する容器25を有し、容器25の
中心部には棒状の冷陰極21が配設されており、この冷
陰極21を同心円状に取り囲んで電子加速グリッド22
が設けられている。また、外側電極を構成する円筒電極
23は電子加速グリッド22を同心円状に取り囲んで設
けられており、この円筒電極23の軸線に直交し、かつ
この円筒電極23よりやや離間してイオン加速グリッド
24が配設されている。
【0018】一方、容器25の外側には電磁石26が配
設されており、この電磁石26は円筒電極23の軸線に
ほぼ並行に直流磁界を発生するようになっている。ま
た、容器25の外側には3個の直流電源28,29,3
0が設けられており、各直流電源28,29,30の電
流、電圧は容器25の一部に設置された電流導入端子を
経て各要素21,22,23,24に伝達されるように
なっている。そして、放電用直流高電圧電源29は冷陰
極21と電子加速グリッド22の間に直流高電圧を印加
し、イオン加速用直流電源30は円筒電極23とイオン
加速グリッド24の間に、イオン加速グリッド24側が
負になるように電圧を印加し、さらに電子減速用直流電
源28は電子加速グリッド22に対して円筒電極23側
が負となるように電圧を印加する。
【0019】なお、前記容器25は真空容器32の排気
孔と連通する構造、或いはこの排気孔を兼ねた構造とし
て構成されている。
【0020】次に、上述のように構成された本発明の高
真空装置及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置の動
作を説明する。
【0021】直流高電圧電源29によって冷陰極21と
電子加速グリッド22の間にガス放電が発生する。この
ガス放電によって発生したプラズマ中の電子は、電子加
速グリッド22に向かって加速され十分なエネルギーを
得て電子加速グリッド22を通過する。電子加速グリッ
ド22と円筒電極23の間の空間には、電子の運動方向
に直交する磁界が印加されているため、電子は円筒電極
23の軸線に垂直な面内で円運動しつつ円筒電極23に
向かって移動する。電子が円運動するために、円筒電極
23に到達するまでのパス(軌道)が非常に長くなり、
その間に多数の気体分子と衝突して多量にイオンを発生
する。この発生したイオンはイオン加速グリッド24に
向かって加速され、このグリッド24を通過して真空ポ
ンプ31に捕捉され排気される。
【0022】なお、電子加速グリッド22を通過した直
後の電子は非常に大きな速度を有しているために気体分
子との衝突断面積が小さく、ガスのイオン化効率が低
い。しかしながら、本実施例においては、電子加速グリ
ッド22と円筒電極23の間には直流電源28によって
電子に対する減速電界が印加されているため、電子はこ
れら要素22,23間で次第に減速され、気体分子との
衝突断面積が増加して、効率よくイオン化が進行するよ
うになる。また、通常ガス圧が低くなると、冷陰極2
1、電子加速グリッド22間のガス放電が起こりにくく
なるが、電磁石26の磁界の存在のために、たとえ容器
25内のガス圧が低くなり真空度が向上しても、放電が
持続してポンプ作用が維持される。
【0023】さらに、直流電源28を取り除いて、円筒
電極23を冷陰極21と等電位にした場合には、大きな
運動エネルギーを得て電子加速グリッド22を通過した
電子は、円筒電極23に達したところで速度を失って反
転し、あらためて電子加速グリッド22に向かって加速
され始め、気体分子との衝突を繰り返してイオンの生成
に寄与する。
【0024】このようにして真空容器25内の気体分子
ならびに真空ポンプ31から逆拡散、脱離してきて真空
度低下の原因となる気体分子は、本発明に係る高真空装
置によって、イオン化及び加速されて再び真空ポンプ3
1に送り返されるために、高度の真空が達成される。ま
た真空ポンプ31のみでは、気体分子の内で、排気孔に
飛び込んだものが排気されるだけであるが、本発明の高
真空装置を併用することによって、積極的に気体分子を
イオン化及び加速して真空ポンプ31に送り込むため
に、排気能率が向上して高度の真空が達成される。
【0025】なお、図1においては、直流電源28を固
定電源としたが、該直流電源28を可変電源とし、円筒
電極23の電位を、電子加速グリッド22に対して負か
ら正まで変化させ、ポンプの排気効率が最も良くなる点
を探すようにしても良い。これにより高度の真空が達成
される。
【0026】次に、図2を参照して本発明の高真空装置
及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置の第2実施例
を説明する。図2において、図1の構成要素と同一の作
用及び機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を
省略する。
【0027】容器25の中心部には棒状の冷陰極21が
配設されており、この冷陰極21を同心円状に取り囲ん
で外側電極を構成する円筒電極23が設けられている。
また、円筒電極23の軸線に直交し、かつこの円筒電極
23よりやや離間してイオン加速グリッド24が配設さ
れている。
【0028】また、容器25の外側には電磁石26が配
設されており、この電磁石26は円筒電極23の軸線に
ほぼ並行に直流磁界を発生するようになっている。
【0029】放電用直流高電圧電源29は冷陰極21と
円筒電極23の間に、直流高電圧を印加する。イオン加
速用直流電源30は円筒電極23とイオン加速グリッド
24の間に、イオン加速グリッド24側が負になるよう
に電圧を印加する。
【0030】次に、前述のように構成された高真空装置
及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置の動作を説明
する。
【0031】直流高電圧電源29によって冷陰極21と
円筒電極23の間にガス放電が発生する。この放電によ
って発生したプラズマ中の電子は、円筒電極23に向か
って加速される。冷陰極21と円筒電極23の間の空間
には、電磁石26によって、電子の運動方向に直交して
磁界が印加されているから、電子は円筒電極23の中心
軸に垂直な面内で円運動しつつ円筒電極23に向かって
移動する。電子は円運動するために、円筒電極23に到
達するまでのパスが非常に長くなり、その間に多数の気
体分子と衝突して多量にイオンを生成する。発生したイ
オンはイオン加速グリッド24に向かって加速され、こ
れを通過して真空ポンプ31に捕捉され排気される。
【0032】次に、図3を参照して本発明の高真空装置
及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置の第3実施例
を説明する。図3において、図1の構成要素と同一の作
用及び機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を
省略する。
【0033】容器25内には、外側電極を構成する円筒
電極41が配設されており、この円筒電極41よりやや
離間して平板状のグリッド電極24が配設されている。
また、容器25の外側には、図1の実施例と同様に電磁
石26が配設されている。
【0034】直流高電圧電源42は、円筒電極41とグ
リッド電極24間に介装され、この直流電源42はグリ
ッド電極24側が負となるよう結線されている。
【0035】次に、前述のように構成された高真空装置
及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置の動作を説明
する。高電圧の直流電源42によって、円筒電極41と
グリッド電極24の間に放電が生じて、多数のイオンが
生成される。これらイオンはグリッド電極24に向かっ
て加速され、その後グリッド電極24を通過して真空ポ
ンプ31によって捕捉排気される。電磁石26は放電の
際の電子の軌道を長くする効果があり、容器25内のガ
ス圧が低くなり、真空度が向上しても放電が持続してポ
ンプ作用が維持される。
【0036】次に、図4を参照して本発明の高真空装置
及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置の第4実施例
を説明する。図4において、図1の構成要素と同一の作
用及び機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を
省略する。
【0037】容器25内には、図3の実施例と同様に外
側電極をなす円筒電極41が配設されており、この円筒
電極41よりやや離間してグリッド電極24が配設され
ている。高周波電源43及び直流電源44が円筒電極4
1とグリッド電極24間に介装されている。直流電源4
4はグリッド電極24側が負となるように結線されてい
る。本実施例の動作は以下のとおりである。
【0038】高周波電源43によって円筒電極41とグ
リッド電極24との間に放電が生じ、多数のイオンが生
成される。これらイオンは直流電源44によってグリッ
ド電極24に向かって加速され、その後グリッド電極2
4を通過して真空ポンプ31によって捕捉排気される。
電磁石26は放電の際の電子の軌道を長くする効果があ
り、容器25内のガス圧が低くなり、真空度が向上して
も放電が持続してポンプ作用が維持される。
【0039】図5は本発明に係る高真空装置及び該高真
空装置を用いた真空ポンプ装置の第5実施例を示す図で
ある。同図において、図1の構成要素と同一の作用及び
機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を省略す
る。
【0040】容器25内には、第1グリッド電極を構成
するグリッド電極51と第2グリッド電極を構成するグ
リッド電極24とが対向配置されている。両グリッド電
極51,24間には直流高電圧電源42が介装され、こ
の直流高電圧電源42はグリッド電極24側が負となる
ように結線されている。本実施例の動作は以下のとおり
である。
【0041】高電圧の直流電源42によって、グリッド
電極51とグリッド電極24の間に放電が生じて、多数
のイオンが生成される。これらイオンはグリッド電極2
4に向かって加速され、その後グリッド電極24を通過
して真空ポンプ31によって捕捉排気される。電磁石2
6は放電の際の電子の軌道を長くする効果があり、容器
25内のガス圧が低くなり、真空度が向上しても放電が
持続してポンプ作用が維持される。
【0042】図6は本発明に係る高真空装置及び該高真
空装置を用いた真空ポンプ装置の第6実施例を示す図で
ある。同図において、図1の構成要素と同一の作用及び
機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を省略す
る。
【0043】容器25内には、第1グリッド電極を構成
するグリッド電極51と第2グリッド電極を構成するグ
リッド電極24とが対向配置されている。両グリッド電
極51,24間には、高周波電源43及び直流電源44
が介装されている。直流電源44はグリッド電極24側
が負となるように結線されている。本実施例の動作は以
下のとおりである。
【0044】高周波電源43によってグリッド電極51
とグリッド電極24の間に放電が生じ、多数のイオンが
生成される。これらイオンは直流電源44によってグリ
ッド電極24に向かって加速され、その後グリッド電極
24を通過して真空ポンプ31によって捕捉排気され
る。電磁石26は放電の際の電子の軌道を長くする効果
があり、容器25内のガス圧が低くなり、真空度が向上
しても放電が持続してポンプ作用が維持される。
【0045】図1乃至図6に示される各実施例において
は、冷陰極放電によって発生する電子によってイオンが
生成され排気が行われるものである。しかしながら、こ
れらの高真空装置を圧力の低い状態から起動させようと
すると、冷陰極放電が起きにくいという状況がある。こ
れを回避するために、第1,第2実施例(図1,図2参
照)においては冷陰極21の近傍、第3,第4実施例
(図3,図4参照)においてはグリッド電極24と円筒
電極41の間の空間に、第5,第6実施例(図5,図6
参照)においてはグリッド電極24とグリッド電極51
の間の空間に、図示はしていないが、熱フィラメントを
設置する。この熱フィラメントを赤熱して少量の熱電子
を放出させれば、この電子が芽となって冷陰極放電が発
生し高真空装置が起動する。
【0046】図7は本発明に係る高真空装置及び該高真
空装置を用いた真空ポンプ装置の第7実施例を示す図で
ある。同図において、図1の構成要素と同一の作用及び
機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を省略す
る。
【0047】前記高真空装置50は、真空ポンプ31と
真空容器32とを接続する容器25を有し、この容器2
5はガラスあるいはセラミックス容器からなっている。
容器25内には、第2グリッド電極を構成する平板状の
イオン収集グリッド電極24と、このイオン収集グリッ
ド電極24に対向して第1グリッド電極を構成するグリ
ッド電極51とが配設されている。
【0048】直流電源33は、イオン収集グリッド電極
24の電位がグリッド電極51に対して負となるように
結線されている。またコイル35は容器25の外側にそ
れを取り巻くように巻回されている。
【0049】次に、前述のように構成された高真空装置
及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置の動作を説明
する。
【0050】高周波電源43によってコイル35に高周
波電源が流れ、誘導結合現象によって、グリッド電極5
1とイオン収集グリッド電極24の間に放電が生じ、多
数のイオンが生成される。このイオンは直流電源33に
よってイオン収集グリッド電極24に向かって加速さ
れ、これを通過して真空ポンプ31によって捕捉排気さ
れて、ポンプ作用が発揮されるものである。
【0051】なお電源33の電圧は容器25の一部に設
置された電流導入端子を経て各要素24,51に伝達さ
れる。
【0052】このようにして真空容器32内のガス分子
ならびに真空ポンプ31から逆拡散、脱離して来て真空
度低下の原因となる気体分子は、本発明になる高真空装
置によって、イオン化・加速されて再び真空ポンプ31
に送り返されるために、高度の真空が達成される。また
真空ポンプ31のみでは、気体分子の内、排気孔に飛び
込んだものが排気されるだけであるが、本発明の高真空
装置を併用することによって、積極的にガス分子をイオ
ン化・加速して真空ポンプ31に送り込むために、排気
能率が向上して高度の真空が達成される。
【0053】次に、図8を参照して本発明の高真空装置
及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置の第8実施例
を説明する。図8において、図7の構成要素と同一の作
用及び機能を有する構成要素は同一符号を付し、説明を
省略する。
【0054】容器25の外側には、この容器25の外壁
に接し、かつ互いに対向して1対の板状電極36が配設
されている。そして、この1対の板状電極36には高周
波電源43が接続されている。その他の構成は図7の構
成と同様である。本実施例の動作は以下のとおりであ
る。
【0055】高周波電源43によって電極36に高周波
電圧が印加され、容量結合現象によって、グリッド電極
51とイオン収集グリッド電極24の間に放電が生じ、
多数のイオンが生成される。以下、図7の場合と同様
に、このイオンは直流電源33によってイオン収集グリ
ッド電極24に向かって加速され、これを通過して真空
ポンプ31によって捕捉排気されて、ポンプ作用が発揮
されるものである。
【0056】図9は本発明に係る高真空装置及び該高真
空装置を用いた真空ポンプ装置の第9実施例を示す図で
ある。同図において、図7の構成要素と同一の作用及び
機能を有する構成要素は同一の符号を付し、説明を省略
する。
【0057】本実施例は第7実施例(図7参照)に熱フ
ィラメントを付加したものである。即ち、グリッド電極
51近傍に、熱フィラメント37を配設し、この熱フィ
ラメント37には加熱用電源27が接続されている。
【0058】第7及び第8実施例(図7,図8参照)に
おいては、高周波電界の誘導結合あるいは容量結合で誘
起されたガス放電中に発生する電子によって、イオンが
生成され高真空装置としての排気が行われるものであ
る。しかしこれらの高真空装置を圧力の低い状態から起
動させようとすると、ガス放電が起きにくいと云う現象
がある。これを回避するために図7,図8の実施例にお
いて、イオン収集グリッド電極24とグリッド電極51
の間の空間に、熱フィラメント37を設置し、これを加
熱用電源27によって赤熱し、少量の熱電子を放出させ
る。この電子が芽となって高周波で励起されたガス放電
が発生し高真空装置が起動するものである。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の高真空装置によれば、真空容器内の気体分子をイオン
化して吸引することにより真空容器内に高真空を達成す
ることができる。また、本発明の真空ポンプ装置によれ
ば、真空ポンプから逆拡散、脱離してきた気体分子をイ
オン化加速して真空ポンプに戻すことができるととも
に、真空容器内の気体分子をイオン化加速して積極的に
真空ポンプに送り込むことができ、排気能率が向上し真
空容器に高度の真空度を達成することができる。また真
空ポンプとして油拡散ポンプを使用した場合には、液体
窒素によるコールドトラップを併用する必要がないため
コスト低減を図ることができるとともに液体窒素供給の
問題がないため長時間運転が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第1実施例を示す説明図。
【図2】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第2実施例を示す説明図。
【図3】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第3実施例を示す説明図。
【図4】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第4実施例を示す説明図。
【図5】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第5実施例を示す説明図。
【図6】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第6実施例を示す説明図。
【図7】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第7実施例を示す説明図。
【図8】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第8実施例を示す説明図。
【図9】本発明の高真空装置及び該高真空装置を用いた
真空ポンプ装置の第9実施例を示す説明図。
【図10】従来の真空排気法の説明図。
【符号の説明】
1 真空容器 2 真空ポンプ 3 排気孔 21 冷陰極 22 電子加速グリッド 23 円筒電極 24 イオン加速グリッド又はグリッド電極 25 容器 26 電磁石 27 加熱用電源 28 直流電源 29 直流電源 30 直流電源 31 真空ポンプ 32 真空容器 33 直流電源 35 コイル 36 板状電極 37 熱フィラメント 41 円筒電極 42 直流電源 43 高周波電源 44 直流電源 51 グリッド電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安井 孝成 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器と、該容器内に設置され気体をイオ
    ン化する手段と、前記イオン化した気体を一方向に移動
    させる手段とを備えたことを特徴とする高真空装置。
  2. 【請求項2】 陰極と、該陰極を取り囲む電子加速グリ
    ッドと、該電子加速グリッドを取り囲む外側電極と、該
    外側電極の軸線と交差し且つ該外側電極から離間して設
    けられたイオン加速グリッドと、前記各グリッド及び前
    記各電極を収める容器と、該容器の外側に配置されて前
    記外側電極の軸線にほぼ並行な磁界を発生する磁石と、
    前記陰極と前記電子加速グリッドの間に高電圧を印加す
    る高電圧電源と、前記電子加速グリッドと前記外側電極
    の間に電圧を印加する直流電源と、前記外側電極と前記
    イオン加速グリッドの間に、該外側電極側が正になるよ
    うに電圧を印加する直流電源とを備えたことを特徴とす
    る高真空装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の高真空装置において、前
    記電子加速グリッドと前記外側電極の間に印加された直
    流電源を取り除き、前記陰極と前記外側電極を等電位と
    することを特徴とする高真空装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の高真空装置において、前
    記電子加速グリッドと前記外側電極の間に電圧を印加す
    る直流電源を可変電源とすることを特徴とする高真空装
    置。
  5. 【請求項5】 任意の真空ポンプと、該真空ポンプと真
    空に排気すべき容器との間に、請求項2記載の高真空装
    置を設置したことを特徴とする真空ポンプ装置。
  6. 【請求項6】 陰極と、該陰極を取り囲む外側電極と、
    該外側電極の軸線と交差し且つ該外側電極から離間して
    設けられたイオン加速グリッドと、該グリッド及び前記
    各電極を収める容器と、該容器の外側に配置されて前記
    外側電極の軸線にほぼ並行な磁界を発生する磁石と、前
    記陰極と前記外側電極の間に高電圧を印加する高電圧電
    源と、前記外側電極と前記イオン加速グリッドの間に、
    該外側電極側が正になるように電圧を印加する直流電源
    とを備えたことを特徴とする高真空装置。
  7. 【請求項7】 任意の真空ポンプと、該真空ポンプと真
    空に排気すべき容器との間に、請求項6記載の高真空装
    置を設置したことを特徴とする真空ポンプ装置。
  8. 【請求項8】 外側電極と、該外側電極の軸線に交差し
    且つ該外側電極から離間して設けられたグリッド電極
    と、前記外側電極及び前記グリッド電極を収める容器
    と、この容器の外側に設けられ前記外側電極の軸線にほ
    ぼ並行な磁界を発生する磁石と、前記外側電極と前記グ
    リッド電極の間に、該グリッド電極側が負になるように
    高電圧を印加する直流電源とを備えたことを特徴とする
    高真空装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の高真空装置において、前
    記外側電極と前記グリッド電極の間に設けられた直流電
    源に高周波電源を重畳することを特徴とする高真空装
    置。
  10. 【請求項10】 任意の真空ポンプと、該真空ポンプと
    真空に排気すべき容器との間に、請求項8記載の高真空
    装置を設置したことを特徴とする真空ポンプ装置。
  11. 【請求項11】 第1グリッド電極と、該第1グリッド
    電極に対向して設けられた第2グリッド電極と、これら
    第1,第2グリッド電極を収める容器と、該容器の外側
    に設けられ前記第1,第2グリッド電極に対して、交差
    する方向に磁界を印加するための磁石と、前記第1,第
    2グリッド電極間に、該第2グリッド電極側が負になる
    ように高電圧を印加する直流電源とを備えたことを特徴
    とする高真空装置。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の高真空装置におい
    て、前記第1,第2グリッド電極の間に設けられた直流
    電源に高周波電源を重畳することを特徴とする高真空装
    置。
  13. 【請求項13】 任意の真空ポンプと、該真空ポンプと
    真空に排気すべき容器との間に、請求項11記載の高真
    空装置を設置したことを特徴とする真空ポンプ装置。
  14. 【請求項14】 第1グリッド電極と、該第1グリッド
    電極に対向して配設された第2グリッド電極と、これら
    両電極を収める容器と、該容器の外側に配設されるとと
    もに高周波電源に接続されたコイルと、前記第1,第2
    グリッド電極間に、該第2グリッド電極側が負になるよ
    うに高電圧を印加する直流電源とを備えたことを特徴と
    する高真空装置。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の高真空装置におい
    て、前記容器の外側に、前記コイルに代えて、高周波電
    源に接続された電極を備えたことを特徴とする高真空装
    置。
  16. 【請求項16】 任意の真空ポンプと、該真空ポンプと
    真空に排気すべき容器との間に、請求項14記載の高真
    空装置を設置したことを特徴とする真空ポンプ装置。
JP4047533A 1991-02-12 1992-02-03 高真空装置及び該高真空装置を用いた真空ポンプ装置 Pending JPH05174780A (ja)

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JP2007009896A (ja) * 2005-05-30 2007-01-18 National Institutes Of Natural Sciences 希ガスの固定化装置及び固定化方法

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ATE182031T1 (de) 1999-07-15
DE69229511D1 (de) 1999-08-12
EP0499239B1 (en) 1999-07-07
EP0499239A3 (en) 1993-03-03
DE69229511T2 (de) 2000-02-03

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