JPH0517407U - 暖房用パネル装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、溝部の圧縮強度及び曲げ強度を低
下させずに、放熱板の厚さを薄くすることができ、か
つ、パネルの反りや温度ムラを防止することを目的とす
る。 【構成】 本考案の暖房用パネル装置は、配管２を溝７
の底部に載置し、伝熱部材６を配管２と放熱板４の間に
両者に密接するように配置し、かつ、伝熱部材６と配管
２の密接を部分的に行わせた構成を有している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は暖房用パネル装置に関し、特に、溝部の圧縮強度及び曲げ強度を低下 させずにパネルの軽量，薄厚化を実現し、コストダウンを図った暖房用パネル装 置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３は従来の暖房用パネル装置を示す。この暖房用パネル装置は、発砲ウレタ ン，インシュレーションボード，パーティクルボード等の断熱部材から構成され た溝７を有する芯材１と、芯材１の溝７に配置され、熱媒液（例えば、温水）を 通す配管２と、熱媒液の熱を放熱板４に伝達する伝熱部材３と、芯材１の表面に 接着剤を介して貼付され、伝熱部材３の熱を放熱する放熱板４と、芯材１の裏面 に接着剤を介して貼付された裏面板５を有している。

【０００３】 配管２は銅管，或いは樹脂管等から成り、伝熱性が優れた金属板からなる断面 略Ω字状の伝熱部材３に吊るされた状態で溝７の内部に配置され、かつ、パネル 全体に熱がいきとどくように蛇行して配置されている。

【０００４】 以上の構成において、配管２に熱媒液が流れると、熱媒液の熱が伝熱部材３に 伝わり、伝熱部材３はこれを放熱板４に伝熱する。放熱板４は伝熱部材３から伝 わった熱を放熱し、これによって放熱板４の上の空間を暖房する。このため、寒 冷地等においても人々は寒さを感じることなく快適に生活することができる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来の暖房用パネル装置によると、パネルの圧縮強度及び曲げ強度を 得るために放熱板に鋼板を使用することが多く、また、その厚みも裏面板より厚 い０．５ｍｍ〜１．０ｍｍ程度のため、重量が重くなると共に厚みも増大し、ま た、コスト的にも高くなる。このため、最近主流になっている木質床仕上材を施 工する場合、鋼板の厚さが障害になって釘が打てないという不都合がある。更に 、放熱板と裏面板では鋼板の厚さが異なるため、熱媒液を流した場合、熱膨張に 差が生じ、反りが発生し易いという不都合がある。

【０００６】 また放熱特性については、単配管の場合、放熱を良くするために伝熱板を配管 にできるだけ多く接触させているため、高出力になるものの放熱のバランスが悪 く、このようなパネルを数枚接続すると、高温部と低温部との温度ムラが生じ、 暖房品質低下の原因となっている。

【０００７】 また、実公昭６２−３４１６８号公報に、表面板の裏面に温水管を固着具にて 固着し、固着具から係止フックを背方に突設し、表面板の裏面に形成した断熱部 材内に温水管と係止フックを埋設して成る暖房用床パネルが開示されているが、 上記問題点を回避するものではない。

【０００８】 従って、本考案の目的は溝部の圧縮強度及び曲げ強度を低下させずに、放熱板 の厚さを薄くすることができる暖房用パネル装置を提供することである。

【０００９】 本考案の他の目的はパネルの反りを抑えると共に、温度ムラを防止することが できる暖房用パネル装置を提供することである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記問題点に鑑み、溝部の圧縮強度及び曲げ強度を低下させずに、放 熱板の厚さを薄くすることができ、かつ、パネルの反りや温度ムラを防止するた め、伝熱部材を配管と放熱板の間に両者に密接するように配置し、かつ、伝熱部 材と配管の密接を部分的に行わせた暖房用パネル装置を提供するものである。

【００１１】 上記伝熱部材として、例えば、２個の突起を有し、かつ、配管に沿うように弧 状に湾曲した断面略Ｗ字状のものや、配管径と同一，或いはそれよりやや大きな 幅の２本の脚を有し、この脚で配管を両側より挟み込むもの等を適用することが できる。

【００１２】

【作用】

本考案の暖房用パネル装置は、前述したように溝に配管を載置し、配管の上部 に伝熱部材と放熱板を重ね合わせた構成を有しているため、溝部の開口部を二重 することによって圧縮強度及び曲げ強度を高くすることができる。このため、溝 部の圧縮強度及び曲げ強度を放熱板の厚さで維持する必要がなくなり、その結果 、放熱板を薄くすることができる。従って、パネルの軽量，薄厚化を実現するこ とができ、コストダウンを図ることができる。また、放熱板を薄くすることで施 工時に木質床仕上材の釘打ちが可能となり、更に、裏面板と同一の厚さにするこ とにより熱膨張のバランスを良好にし、パネルの反りを防止することができる。

【００１３】

【実施例】

以下、本考案の暖房用パネル装置を添付図面を参照しつつ詳細に説明する。

【００１４】 図１は本考案の一実施例を示し、図３と同一の部分には同一の引用数字，符号 を付したので重複する説明は省略するが、配管２が溝７の底部に載置され、突起 ６ａを有し、かつ、配管２に沿うように弧状に湾曲した断面略Ｗ字状の伝熱部材 ６が、配管２と放熱板４の間に両者に密接するように配置されている。

【００１５】 以上の構成において、配管２に熱媒液が流れると、熱媒液の熱が伝熱板６に伝 わり、伝熱板６はこれを放熱板４に伝熱する。放熱板４は伝熱板６から伝わった 熱を放熱し、これによって放熱板４の上の空間を暖房する。

【００１６】 また、この暖房用パネル装置は溝７の底部に配管２を載置し、その上に伝熱部 材６と放熱板４を重なるように配置して、溝７の開口部を伝熱部材６と放熱板４ の二重構造によって閉塞しているため、溝７の圧縮強度及び曲げ強度を高めるこ とができる。このため、溝７の圧縮強度及び曲げ強度を放熱板４の厚さで維持す る必要がなくなり、放熱板４の厚さを０．５〜０．２ｍｍ程度と薄くすることが できる。その結果、パネルの軽量，薄厚化を実現してコストダウンが図れると共 に、木質床仕上材の施工時の釘打ちが可能とする。また、放熱板４を薄くするこ とで裏面板５と熱膨張のバランスが取れ、熱媒液の流れによって放熱板４及び裏 面板５が膨張してもパネルの反りを最小限に抑えることができる。更に、伝熱部 材６は配管２に部分的（上部）に接触しているため、熱の伝わり方が均一となっ て温度ムラを防止することができる。

【００１７】 図２は本考案の第２の実施例を示し、脚部８ａ及び平板部８ｂから成る脚付伝 熱部材８を配管２の上部に配置させたものであり、配管２の両側を脚部８ａで挟 み込みつつ平板部８ｂを放熱板４と密着させた構成を有している。ここで、脚部 ８ａの幅は配管２の外径と同一，或いはそれよりやや大きな幅とし、その長さは 配管２の外径より短くなるように形成されている。

【００１８】 以上説明した実施例から判るように、本考案の暖房用パネル装置は溝の開口部 に伝熱部材と放熱板を二重にして配置することにより、溝の圧縮強度及び曲げ強 度を放熱板のみで維持する必要をなくしたものである。その結果、放熱板を薄く することができ、パネルの軽量，薄厚化を提供することができる。

【００１９】

【考案の効果】

以上説明した通り、本考案の暖房用パネル装置によると、配管を溝に載置し、 伝熱部材を配管と放熱板の間に両者に密接するように配置し、かつ、伝熱部材と 配管の密接を部分的に行わせた構成を有しているため、溝部の圧縮強度及び曲げ 強度を低下させずに、放熱板の厚さを薄くすることができ、パネルの軽量，薄厚 化を実現してコストダウンを図り、また、放熱板の薄厚化から木質床仕上材の釘 打ちが可能となり、更に、パネルの反りをなくし、温度ムラをなくすることがで きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例を示す説明図。

【図２】本考案の第２の実施例を示す説明図。

【図３】従来の暖房用パネル装置を示す説明図。

【符号の説明】

１ 芯材 ５ 裏
面板 ２ 配管 ６ 伝
熱部材 ３ 伝熱部材 ７ 溝 ４ 放熱板 ８ 脚
付伝熱部材

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱媒液を流通させる配管と、当該配管を
   収容する溝を有した断熱性芯材と、前記熱媒液の熱を表
   面の放熱板に伝熱する伝熱部材から構成される暖房用パ
   ネル装置において、 前記伝熱部材が前記配管と前記放熱板の間に両者に密接
   するように配置され、かつ、前記伝熱部材と前記配管の
   密接は部分的に行われていることを特徴とする暖房用パ
   ネル装置。