JPH05173275A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH05173275A
JPH05173275A JP34517691A JP34517691A JPH05173275A JP H05173275 A JPH05173275 A JP H05173275A JP 34517691 A JP34517691 A JP 34517691A JP 34517691 A JP34517691 A JP 34517691A JP H05173275 A JPH05173275 A JP H05173275A
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Tokuki Oikawa
徳樹 及川
Takuji Kaneda
卓爾 金田
Seiji Ishiguro
省二 石黒
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Abstract

(57)【要約】 【構成】ハロゲン化銀乳剤を有する感光材料において、
該乳剤中のハロゲン化銀粒子のハロゲン化銀組成が9
9.5モル%以上の塩化銀からなり、かつ5×10 -4
ル/銀1モル以上のテトラザインデン及び不安定硫黄化
合物の存在下で化学熟成されたものである。 【効果】高塩化銀乳剤でありながら感度が高く、カブリ
が少い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン化銀写真感光
材料に関し、特に、改良されたハロゲン化銀写真感光乳
剤の化学熟成に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化銀乳剤および塩臭化銀乳剤は、ヨウ
臭化銀乳剤に比較して現像性が優れているために従来か
ら印刷用感光材料やカラーペーパーに使用されるが、塩
臭化銀乳剤では現像時に放出される臭素イオンにより著
しく現像抑制作用があるため現像時間を短くできないこ
と、またそれらが処理液に蓄積されて行くために写真特
性のバラツキを大きくさせることが知られている。塩化
銀含量の高い実質的にヨウ化銀を含まない高塩化銀乳剤
は現像、漂白定着の各プロセスを短縮化し、かつ処理条
件の変動による写真特性が変化するのを最小限にするの
に好ましい材料であることが知られている。
【0003】また、ハロゲン化銀写真乳剤の感度をあげ
る手段としては化学増感法が広く知られており、この化
学増感には例えば硫黄増感、金増感、還元増感等が含ま
れていて、通常これら単独で、または組み合わせて使用
する。しかし、高塩化銀乳剤に適用した場合には著しく
カブリが発生し実質的でなかった。そこで、高塩化銀乳
剤または塩化銀乳剤の化学増感に際しては、特開昭58
−30748号にハロゲン化銀溶剤存在下でその硫黄増
感;特開昭58−125612号に硫黄増感中における
pAgおよび/または温度を二段階から構成する方法な
どが開示されているが、いずれも充分な高感化を達成し
ていないのが現状であり、効果的な硫黄増感法の開発が
望まれている。一般式〔I〕で示される化合物はカブリ
防止剤として知られているが、化学増熟成時に多量に添
加し化学増感する例は報告されておらず、高塩化銀乳剤
に対するカブリ防止作用及び化学増感作用の写真性を予
測することは困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カブ
リが小さく、高感度であり、かつ迅速に現像処理しうる
ハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の著者らは鋭意検
討の結果、前記の目的は、 (1) 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロゲン化銀乳
剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、該乳
剤層の少なくとも1層に含まれるハロゲン化銀粒子が9
9.5モル%以上の塩化銀からなるハロゲン化銀で、該
粒子がハロゲン化銀1モルに対し、5×10-4モル以上
の下記一般式〔I〕で示される化合物及び、不安定硫黄
化合物の存在下で化学熟成されたものであることを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕
【0006】
【化2】
【0007】式中、R1 、R2 、R3 及びR4 は、同じ
でも異なっていても良く、各々水素原子、アルキル基、
アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ
基、カルバモイル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボ
キシ基、アルコキシカルボニル基または、ヘテロ環残基
をあらわしR1 とR2 またはR2 とR3 が一緒に5員ま
たは6員環を形成してもよい。ただし、R1 とR3 の少
なくとも1つはヒドロキシ基をあらわす。
【0008】(2) 上記ハロゲン化銀粒子のハロゲン化銀
が100%塩化銀である前記(1) 記載のハロゲン化銀写
真感光材料。
【0009】以下本発明を詳細に説明する。本発明のハ
ロゲン化銀乳剤は99.5モル%以上の塩化銀からなる
高塩化物ハロゲン化銀である。本発明の乳剤粒子はその
内部の結晶構造が一様なものであっても内部と外部の異
なったハロゲン組成からなるものでもよく、エピタキシ
ャル接合によって組成の異なるハロゲン化銀が接合され
ていてもよい。表面またはその近傍の臭化銀に富む層
は、いわゆるコンバージョン法により、臭素イオンの塩
化銀との変換により形成せしめてもよい。
【0010】本発明のハロゲン化銀の平均粒子サイズに
特に制限はないが、0.1μ〜5μm 、好ましくは1.
5μm 以下である。本発明のハロゲン化銀粒子の粒子サ
イズの分布は多分散でも単分散でもよいが、単分散であ
ることが好ましい。本発明の乳剤は、いかなる晶癖のハ
ロゲン化銀を含有するものであっても良い。球形、平板
粒子、八面体粒子よりも立方体粒子を含有する乳剤が本
発明に好ましい。
【0011】塩化銀含量の高いハロゲン化銀粒子では一
般には、(100) 面からなる立方体粒子しか得られない
が、工夫をすると(111) 面からなる8面体粒子が得られ
ることが、2、3の文献で知られている。具体的にはCl
aes ら;The Journal Photographic Science, 21巻、
39(1973)と Vyrach ;International Congress
of Photographic Science, 頁−13、122(197
8)で知られている。前者は、アデニンやジメチルチオ
尿素といった化合物を用いるものである。化合物の構造
面から考えるとアデニン等の化合物はハロゲン化銀への
吸着がかなり強い化合物であったり、また、不安定な硫
黄分子をもちカブリを発生しやすい化合物である場合が
ある。
【0012】後者は、アンモニアと多量の硝酸カドミュ
ウムを用いて8面体塩化銀粒子を得ているがカドミュウ
ムは、公害の点で実用には問題が多い。高塩化銀粒子は
カブリが発生しやすいためアンモニアの使用は好ましく
なく、アンモニアを使用しなくとも、塩化銀8面体を調
整できることが好ましい。粒子形成時の温度は10℃〜
95℃、好ましくは40℃〜90℃である。粒子形成時
のpHは特に限定されないが、中性〜弱酸性域が好まし
い。また、製造時に、ハロゲン化銀溶剤を用いても良
い。
【0013】本発明におけるハロゲン化銀粒子は、銀と
錯化合物を形成する前記の一般式〔I〕で示される化合
物及び不安定硫黄化合物の存在下に化学増感される。本
発明に用いられる一般式〔I〕で示される化合物につい
て説明する。式中R1 、R2 、R3 及びR4 は、同じで
も異なってもよく、各々水素原子;炭素数1〜20の環
や分枝を有してもよい未置換もしくは置換されたアルキ
ル基;未置換もしくは置換されたアミノ基;ヒドロキシ
基;炭素数1〜20のアルコキシ基;炭素数1〜6のア
ルキルチオ基;脂肪族基又は芳香族基で置換されてもよ
いカルバモイル基;ハロゲン原子;シアノ基;カルボキ
シ基;炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基;又は
チッ素原子、酸素原子、硫黄原子の如きヘテロ原子を有
する5員もしくは6員環を含むヘテロ環残基をあらわ
す。R1 とR2 又はR2 とR3 が一緒に5員又は6員環
を形成してもよい。ただしR1 とR3 のうち少くとも一
つはヒドロキシ基をあらわす。
【0014】上記未置換アルキル基の例は、メチル基、
エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチ
ル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、
シクロペンチルメチル基、オクチル基、ドデシル基、ト
リデシル基、ヘプタデシル基でる。上記置換アルキル基
における置換基は例えば、ヘテロ環残基、ハロゲン原
子、カルボキシ基、炭素数2〜6のアルコキシカルボニ
ル基、炭素数20以内のアルコキシ基、ヒドロキシ基な
どであり、置換アルキル基の具体例はベンジル基、フェ
ネチル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、トリ
フルオロメチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキ
シエチル基、2−(メトキシカルボニル)エチル基、エ
トキシカルボニルメチル基、2−メトキシエチル基、ヒ
ドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基等である。
【0015】R1 、R2 、R3 及びR4 で各々表わされ
るアミノ基は、置換されてもよく、置換基の例にはアル
キル基(たとえばメチル基、エチル基、ブチル基)、ア
シル基(例えばアセチル基、メチルスルホニル基など)
が挙げられる。置換アミノ基の具体例を挙げると、ジメ
チルアミノ基、ジエチルアミノ基、ブチルアミノ基、ア
セチルアミノ基である。R1 、R2 、R3 及びR4 で各
々表わされるアルコキシ基の具体例には、メトキシ基、
エトキシ基、ブトキシ基、ヘプタデシルオキシ基が挙げ
られる。
【0016】R1 、R2 、R3 及びR4 で各々表わされ
るカルバモイル基は、置換基として炭素数1〜20のア
ルキル基や2環以内のアリール基を一つ又は二つ有する
ことができる。置換カルバモイル基の具体例には、メチ
ルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカ
ルバモイル基、フェニルカルバモイル基が挙げられる。
1 、R2 、R3 及びR4 で各々表わされるアルコキシ
カルボニル基の具体例はメトキシカルボニル基、エトキ
シカルボニル基、ブトキシカルボニル基である。
【0017】R1 、R2 、R3 及びR4 で各々表わされ
るハロゲン原子の具体例は塩素原子及び臭素原子であ
る。R1 、R2 、R3 及びR4で各々表わされるヘテロ
環残基は単環でも、2〜3環の縮合環を有してもよく、
具体例にはフリル基、ピリジル基、2−(3−メチル)
ベンゾチアゾリル基、1−ベンゾトリアゾリル基が挙げ
られる。
【0018】R1 とR2 、又はR2 とR3 で形成される
環の例には、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シ
クロヘキセン環、ベンゼン環、フラン環、ピロリジン
環、チオフェン環が挙げられる。R4 が置換アルキル基
を表わす場合、ヘテロ環を置換基としてもよく、下記一
般式で表わされる置換アルキル基は好ましい。
【0019】
【化3】
【0020】R1 、R2 及びR3 は前記と同じ意義を表
わし、nは2又は4を表わす。具体的な化合物例を以下
に示す。
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
【化6】
【0024】
【化7】
【0025】
【化8】
【0026】
【化9】
【0027】前記の一般式〔I〕で示される化合物を、
本発明に従ってハロゲン化銀乳剤に添加する方法は、水
あるいはアルカリ水溶液などの適当な該化合物を溶解さ
せて添加すれば良い。ハロゲン化銀乳剤への添加時期は
不安定硫黄化合物による硫黄増感に際して存在させれば
良いが、最適時期としては不安定硫黄化合物をハロゲン
化銀乳剤に添加するとき、または該化合物を添加する以
前である。そして、上記一般式〔I〕で示される化合物
の添加量は、該化合物の種類、所望の効果その他により
異なるが、一般的にはハロゲン化銀1モル当り5×10
-4モル以上の範囲で使用される。
【0028】本発明における化学熟成工程の条件、例え
ばpH、pAg、温度及び、時間等に特に制限はなく、
当業界で一般に行われている条件で行うことができる。
例えば、pH値としては3.0〜8.5、特に5.0〜
7.5が好ましく、pAg値としては5.0〜9.0、
特に5.5〜7.5が好ましく、温度としては40〜8
5℃、特に45〜75℃が好ましく、時間は10〜20
0分、特に30〜120分が好ましい。本発明に使用す
る硫黄増感剤としては、米国特許1,574,944
号、同2,410,689号、同3,656,955号
に記載されているチオ硫酸塩、チト尿素類、チオゾール
類、ローダニン類、その他化合物が挙げられる。そし
て、その使用量は、増感剤の種類、一般式〔I〕で示さ
れる化合物の添加量によっても異なるがハロゲン化銀1
モル当り10-6〜10-3モルの範囲で用いられる。
【0029】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤または保護コロイドとしては、ゼ
ラチンを用いるのが有効であるが、それ以外の親水性コ
ロイドも用いることができる。例えばゼラチン誘導体、
ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼインのような蛋白質;例えば、ヒドロキシエチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、セルロー
ス硫酸エステル類の如きセルロース誘導体、アルギン酸
ソーダ、澱粉誘導体のような糖誘導体;ポリビニルアル
コール、ポリビニルアルコール部分アセタール、ポリ−
N−ビニルピロリドン、ポリアクリン酸、ポリメタクリ
ル酸、ポリアクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、
ポリビニルピラゾールの単一あるいは共重合体の如き種
々の合成親水性高分子物質を用いることができる。ゼラ
チンとしては汎用の石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼ
ラチンや日本科学写学協会誌(Bull. Soc. Phot. Japa
n)、No. 16、30頁(1966)に記載されたよう
に酵素処理ゼラチンを用いても良く、また、ゼラチンの
加水分解物を用いることができる。
【0030】本発明の感光材料は、写真感光層あるいは
バック層を構成する任意の親水性コロイド層に無機ある
いは無機の硬膜剤を含有せしめてもよい。例えば、クロ
ム塩、アルデヒド塩(例えば、ホルムアルデヒド、グリ
オキザール、グルタルアルデヒド)、N−メチロール系
化合物(例えば、ジメチロール尿素)が具体例として挙
げられる。活性ハロゲン化合物(例えば、2,4−ジク
ロル−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジン及びそ
のナトリウム塩)および活性ビニル化合物(例えば、
1,3−ビスビニルスルホニル−2−プロパノール、
1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタ
ン、ビス(ビニルスルホニルメチル)エーテルあるいは
ビチルスルホニル基を側鎖に有するビニル系ポリマー)
は、ゼラチンなど親水性コロイドを早く硬化させ安定な
写真特性を与えるので好ましい。N−カルバモイルピリ
ジニウム塩類(例えば、(1−モルホリノカルボニル−
3−ピリジニオ)メタンスルホナート)やハロアミジニ
ウム塩類(例えば、1−(1−クロロ−1−ピリジノメ
チレン)ピロリジニウム−2−ナフタレンスルホート)
も硬化速度が早く優れている。
【0031】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、メチン色素類その他によって分光増感されてもよ
い。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン
色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロ
ポーラーシアニン色素、ヘミンアニン色素、スチリル色
素およびヘミオキソノール色素が包含される。特に有用
な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、および複
合メロシアニン色素に属する色素である。これらの色素
類には、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利
用される核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリ
ン核は、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、
オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミ
ダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核;これらの核
に脂環式炭化水素環が融合した核;およびこれらの核に
芳香族炭化水素環が融合した核、すなわち、インドレニ
ン核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベンズオ
キサドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチアゾー
ル核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール核、ベ
ンズイミダゾール核、キノリン核が適用できる。これら
の核は炭素原子上に置換基を有していてもよい。
【0032】前記メロシアニン色素または複合メロシア
ニン色素にはケトメチレン構造を有する核として、例え
ば、ピラゾリン−5−オン核、チオヒダントイン核、2
−チオトキサゾリジン−2,4−ジオン核、チアゾリジ
ン−2,4−ジオン核、ローダニン核、チオバルビツー
ル酸核のような5〜6員異節環核を適用することができ
る。
【0033】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、組合わせて用いてもよい。増感色素の組合わせは特
に、強色増感の目的でしばしば用いられる。また、増感
色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素あ
るいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強色
増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例えば、含窒
素異節環核基であって置換されたアミノスチルベンゼン
化合物(例えば米国特許第2,933,390号、同
3,635,721号に記載のもの)、芳香族有機酸ホ
ルムアルデヒド縮合物(例えば米国特許第3,743,
510号に記載のもき)、カドミウム塩、アザインデン
化合物を含んでもよい。米国特許第3,615,613
号、同3,615,641号、同3,617,295
号、同3,635,721号に記載の組合わせは特に有
用である。
【0034】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
には、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中
のカブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させる目
的で、種々の化合物を含有させることができる。すなわ
ちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイ
ミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロロベ
ンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール類、メ
ルカプトチアゾール類、メルカプトベンズチアゾール
類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプトチア
ジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾ
ール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプトテト
ラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテトラ
ゾール);メルカプトピリミジン類;メルカプトトリア
ジン類;例えばオキサドリンチオンのようなチオケト化
合物;アザインデン類、例えばトリアザインデン類、テ
トラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,
3,3a,7)テトラアザインデン類)、ぺンタアザイ
ンデン類;ベンゼンチオスルフォン酸、ベンゼンスルフ
ィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミドのようなカブリ防
止剤または安定剤として知られた多くの化合物を加える
こともできる。
【0035】本発明の感光材料は、例えば、塗布助剤、
帯電防止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止および写
真特性改良(たとえば現像促進、硬調化、増感)のよう
な種々の目的で一種以上の界面活性剤を含んでもよい。
本発明の感光材料は、フィルター染料として、またはイ
ラジエーションもくしはハレーション防止その他種々の
目的のために親水性コロイド層中に水溶性染料を含有し
てもよい。このような染料として、オキソノール染料、
ヘミオキソノール染料、スチリン染料、メロシアニン染
料、アントラキノン染料、アゾ染料が好ましく使用さ
れ、この他にシアニン染料、アゾメチン染料、トリアリ
ールメタン染料、フタロシアニン染料も有用である。油
溶性染料を水中油滴分散法により乳化して親水性コロイ
ド層に添加することもできる。
【0036】本発明は支持体上に少なくとも2つの異な
る分光感度を有する多層多色写真材料に適用できる。こ
のような多層天然色カラー写真材料は、通常支持体上に
赤感性乳剤層、緑感性乳剤層および青感性乳剤層をそれ
ぞれ少なくとも1つ有する。これらの層の配列順序は必
要に応じて任意に選べる。好ましい層配列は支持体側か
ら赤感層、緑感層および青感層の順、青感層、緑感層お
よび赤感層の順または青感層、赤感層および緑感層の順
である。また任意の同じ感色性の乳剤層を感度の異なる
2層以上の乳剤層から構成して到達感度を向上してもよ
く、3層構成としてさらに粒状性を改良してもよい。ま
た同じ感色性をもつ2つ以上の乳剤層の間に非感光性層
が存在していてもよい。ある同じ感色性の乳剤層の間に
異なった感色性の乳剤層が挿入される構成としてもよ
い。高感度層特に高感度青感層の下に、例えば、微粒子
ハロゲン化銀からなる反対層を設ける感度を向上しても
よい。
【0037】多層天然色カラー写真材料において、赤感
性乳剤層にシアン形成カプラーを、緑感性乳剤層にマゼ
ンタ形成カプラーを、青感性乳剤層にイエロー形成カプ
ラーをそれぞれ含むのが一般的であるが、場合により異
なる組合わせをとることもできる。例えば赤外感光性の
層を組合わせて擬似カラー写真や半導体レーザ露光用と
してもよい。
【0038】本発明の写真材料には種々のカラーカプラ
ーを使用することができ、その具体例と前出のリサーチ
・ディスクロージャー(R.D.) No. 17643、VII −
C〜Gに記載された特許に記載されている。イエローカ
プラーとしては、例えば米国特許第3,933,501
号、同第4,022,620号、同第4,326,02
4号、同第4,401,752号、特公昭58−107
39号、英国特許第1,425,020号、同第1,4
76,760号に記載の化合物が好ましい。
【0039】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、例え
ば、米国特許第4,310,619号、同第4,35
1,897号、欧州特許第73,636号、米国特許第
3,061,432号、同第3,725,067号、リ
サーチ・ディスクロージャーNo. 24220(1984
年6月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディ
スクロージャーNo. 24230(1984年6月)、特
開昭60−43659号、米国特許第4,500,63
0号、同第4,540,654号に記載の化合物が好ま
しい。
【0040】シアンカプラーとしては、フェノール系及
びナフトール系カプラーが挙げられ、例えば、米国特許
第4,052,212号、同第4,146,396号、
同第4,228,233号、同第4,296,200
号、同第2,369,929号、同第2,801,17
1号、同第2,772,162号、同第2,895,8
26号、同第3,772,002号、同第3,758,
308号、同第4,334,011号、同第4,32
7,173号、西独特許公開第3,329,729号、
欧州特許第121,365A号、米国特許第3,44
6,622号、同第4,333,999号、同第4,4
51,559号、同第4,427,767号、欧州特許
第161,626A号に記載の化合物が好ましい。
【0041】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、例えばリサーチ・ディスクロージャ
ーNo. 17643のVII −G項、米国特許4,163,
670号,特公昭57−39413号、米国特許第4,
004,929号、同第4,138,258号、英国特
許第1,146,368号に記載の化合物が好ましい。
発色色素が適度な拡散性を有するカプラーとしては、例
えば米国特許第4,366,237号、英国特許第2,
125,570号、欧州特許第96,570号、西独特
許(公開)第3,234,533号に記載の化合物が好
ましい。ポリマー化された色素形成カプラーの典型例
は、例えば、米国特許第3,451,820号、同第
4,080,211号、同第4,367,282号、英
国特許第2,102,173号に記載されている。
【0042】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出するカプラーもまた本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D17643、VII −F項に記載された特許、特開昭5
7−151944号、同57−154234号、同60
−184248号、米国特許第4,248,962号に
記載された化合物が好ましい。
【0043】現像時に画像状に造核剤もしくは現像促進
剤を放出するカプラーとしては、例えば英国特許第2,
097,140号、同第2,131,188号、特開昭
59−157638号、同59−170840号に記載
の化合物が好ましい。その他、本発明の感光材料に用い
ることのできるカプラーとしては、例えば米国特許第
4,130,427号に記載の競争カプラー、例えば、
米国特許第4,283,472号、同第4,338,3
93号、同第4,310,618号に記載の多当量カプ
ラー、例えば特開昭60−185950号、特開昭62
−24252号に記載のDIRレドックス化合物もくし
はDIRカプラー、放出カプラー、例えば欧州特許第1
73,302A号に記載の離脱後復色する色素を放出す
るカプラー、例えば、R.D.No. 11449、同24
241、特開昭61−201247号に記載の漂白促進
剤放出カプラー、例えば米国特許第4,553,477
号に記載のリガトン放出カプラーが挙げられる。
【0044】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。その例として、
水中油滴分散法、ラテックス分散法が挙げられる。前記
水中油滴分散法に用いられる高沸点溶媒の例は、例え
ば、米国特許第2,322,027号に記載されてい
る。水中油滴分散法に用いられる常圧での沸点が175
℃以上の高沸点有機溶剤の具体例としては、フタル酸エ
ステル類(例えば、ジブチルフタレート、ジシクロヘキ
シルフタレート、ジ−2−エチルフキシルフタレート、
デシルフタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミルフェ
ニル)フタレート、ビス(2,4−ジ−t−アミルフェ
ニル)イソフタレート、ビス(1,1−ジエチルプロピ
ル)フタレート)、リン酸またはホスホン酸のエステル
類(例えば、トリフェニルホスフェート、トリクレジル
ホスフェート、2−エチルヘキシルフェニルホスフェー
ト、トリシクロヘキシルホスフェート、トリ−2−エチ
ルヘキシルホスフェート、トリドデシルホスフェート、
トリブトキシエチルホスフェートとトリクロロプロピル
ホスフェート、ジ−2−エチルヘキシルフェニルホスフ
ェート)、安息香酸エステル類(例えば、2−エチルヘ
キシルベンゾエート、ドデシルベンゾエート、2−エチ
ルヘキシル−p−ヒドロキシベンゾエート)、アミド類
(例えば、N,N−ジエチルドデカンアミド、N,N−
ジエチルラウリルアミド、N−テトラデシルピロリド
ン)、アルコール類またはフェノール類(例えば、イソ
ステアリルアルコール、2,4−ジ−tert−アミルフフ
ェノール)、脂肪族カルボン酸エステル類(例えば、ビ
ス(2−エチルヘキシル)セバケート、ジオクチルアゼ
レート、グリセロールトリブチレート、イソステアリル
ラクテート、トリオクチルシトレート)、アニリン誘導
体(例えば、N,N−ジブチル−2−ブトキシ−5−te
rt−オクチルアニリン)、炭化水素類(例えば、パラフ
ィン、ドデシルベンゼン、ジイソプロピルナフタレン)
が挙げられる。また補助溶剤としては、例えば、沸点が
約30℃以上、好ましくは50℃以上約160℃以下の
有機溶剤が使用でき、典型例としては酢酸エチル、酢酸
ブチル、プロピオン酸エチル、メチルエチルケトン、シ
クロヘキサノン、2−エトキシエチルアセテート、ジメ
チルホルムアミドが挙げられる。
【0045】前記ラテックス分散法の工程、効果および
含浸用のラテックスの具体例は、米国特許第4,19
9,363号、西独特許出願(OLS)第2,541,
274号および同第2,541,230号に記載されて
いる。
【0046】本発明の写真感光材料において写真乳剤層
その他の層は、例えば、写真感光材料に通常用いられて
いるプラスチックスフィルム、紙、布のような可撓性支
持体またはガラス、陶器、金属のような剛性の支持体に
塗布される。可撓性支持体として有用なものは、例え
ば、硝酸セルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロ
ース、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンフ
タレート、ポリカーボネートのような半合成または合成
高分子からなるフィルム、バライタ層またはα−オレフ
ィンポリマー(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン/ブテン共重合体)を塗布またはラミネートし
た紙である。支持体は染料や顔料を用いて着色されても
よい。遮光の目的で黒色にしてもよい。これらの支持体
の表面は一般に、例えば写真乳剤層との接着をよくする
ために、下塗処理される。支持体表面は下塗処理の前ま
たは後に、例えば、グロー放電、コロナ放電、紫外線照
射、火焔処理を施してもよい。
【0047】写真乳剤層その他の親水性コロイド層の塗
布には、例えばディップ塗布法、ローラー塗布法、カー
テン塗布法、押し出し塗布法のような公知の種々の塗布
法を利用することができる。必要に応じて、例えば、米
国特許第2,681,294号、同第2,761,79
1号、同第3,526,528号および同第3,50
8,947号に記載された塗布法によって、多層を同時
に塗布してもよい。
【0048】本発明の感光材料は種々のカラーおよび白
黒の感光材料に適用することができる。一般用もしくは
映画用のカラーネガフィルム、スライド用もしくはテレ
ビ用のカラー反転フィルム、カラーペーパー、カラーポ
ジフィルムおよびカラー反転ペーパー、カラー拡散転写
型感光材料および熱現像型カラー感光材料などを代表例
として挙げることができる。例えば、リサーチ・ディス
クロージャーNo. 17123(1978年7月)に記載
の三色カプラー混合を利用することにより、または米国
特許第4,126,461号および英国特許第2,10
2,136号などに記載された黒発色カプラーを利用す
ることにより、例えばX線用の如き白黒感光材料にも本
発明を適用できる。本発明の感光材料は、リスフィルム
もしくはスキャナーフィルムのような製版用フィルム、
直医・間接医療用もくしは工業用のX線フィルム、撮影
用ネガ白黒フィルム、白黒印画紙、COM用もくしは通
常マイクロフィルム、銀塩拡散転写型感光材料およびプ
リントアウト型感光材料にも適用できる。
【0049】本発明の写真要素をカラー拡散転写写真法
に適用するときには、剥離(ピールアパート)型あるい
は特公昭46−16356号、同48−33697号、
特開昭50−13040号および英国特許1,330,
524号に記載されているような一体(インテグレーテ
ッド)型、特開昭57−119345号に記載されてい
るような剥離不要型のフィルムユニットの構成をとるこ
とができる。
【0050】上記いずれの型のフォーマットに於いても
中和タイミング層によって保護されたポリマー酸層を使
用することが、処理温度の許容幅を広くする上で有利で
ある。カラー拡散転写写真法に使用する場合も、感材中
のいずれの乳剤層に添加して用いてもよいし、あるい
は、現像液成分として処理液容器中に閉じ込めて用いて
もよい。
【0051】本発明の感光材料には種々の露光手段を用
いることができる。感光材料の感度波長に相当する輻射
線を放射する任意の光源を証明光源または書き込み光源
として使用することができる。自然光(太陽光)、白熱
電灯、ハロゲン原子封入ランプ、水銀灯、蛍光灯および
ストロボもしくは金属燃焼フラッシュバルブなどの閃光
光源が一般的である。
【0052】紫外から赤外域にわたる波長域を発光す
る、気体、染料溶液もしくは半導体のレーザー、発光ダ
イオード、プラズマ光源も記録用光源に使用することが
できる。また、例えば電子線によって励起された蛍光体
から放出される蛍光面(CRTなど)、液晶(LCD)
やランタンをドープしたチタンジルコニウム酸鉛(PL
ZT)を利用したマイクロシャッターアレイに線状もし
くは面状の光源を組合わせた露光手段も使用することが
できる。必要に応じて色フィルターで露光に用いる分光
分布を調整できる。
【0053】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、p−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
される。その代表例としては、3−メチル−4−アミノ
−N,N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ
−N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3
−メチル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンス
ルホンアミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ
−N−エチル−N−β−メトキシエチルアニリンおよび
これらの硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン
酸塩が挙げられる。これらのジアミン類は遊離状態より
塩の方が一般に安定であり、好ましく使用される。
【0054】前記発色現像液は、例えば、アルカリ金属
の炭酸塩、ホウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝
剤、臭化物、沃化物、ベンズイミダゾール類、ベンゾチ
アゾール類もしくはメルカプト化合物のような現像抑制
剤またはカブリ防止剤を含むのが一般的である。また必
要に応じて、ヒドロキシアミンまたは亜硫酸塩のような
保恒剤、トリエタノールアミン、ジエチレングリコール
のような有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレン
グリコール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現
像促進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、ナトリウ
ムボロンハイドライドのような造核剤、1−フェニル−
3−ピラゾリドンのような補助現像薬、粘性付与剤、ア
ミノポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキル
ホスホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各
種キレート剤、西独特許出願(OLS)第2,622,
950号に記載の酸化防止剤を発色現像液に添加しても
よい。
【0055】本発明の感光材料が、反転カラー感光材料
に適用される場合、その現像処理では、通常黒白現像を
行ってから発色現像する。この黒白現像液には、例え
ば、ハイドロキノンのようなジヒドロキシベンゼン類、
1−フェニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリド
ン類またはN−メチル−p−アミノフェノールのような
アミノフェノール類をはじめとする公知の黒白現像薬を
単独であるいは組合わせて用いることができる。
【0056】本発明の感光材料の現像処理において、発
色現像薬の写真乳剤層は通常漂白処理される。漂白処理
は定着処理と同時に行なわれてもよいし(漂白定着処
理)、個別に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を図
るため、漂白処理後に漂白定着処理してもよい。漂白剤
としては例えば鉄(III) 、コバルト(III) 、クロム(I
V)、銅(II)のような多価金属の化合物、過酸類、キノン
類、ニトロン化合物が用いられる。代表的漂白剤として
フェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(III) もしくはコ
バルト(III)の有機錯塩、例えばエチレンジアミン四酢
酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロトリ酢酸、
1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸のようなア
ミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒石酸、リン
ゴ酸のような有機酸の錯塩;過硫酸塩;マンガン酸塩;
ニトロソフェノールを用いることができる。これらのう
ちエチレンジアミン四酢酸鉄(III)塩、ジエチレントリ
アミン五酢酸鉄(III)塩および過硫酸塩は迅速処理と環
境汚染の観点から好ましい。さらにエチレンジアミン四
酢酸鉄(III)錯塩は独立の漂白液においても、一浴漂白
定着液においても特に有用である。
【0057】漂白液、漂白定着液およびそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、例えば、米国特許第3,
893,858号、西独特許第1,290,812号、
同2,059,988号、特開昭53−32736号、
同53−57831号、同53−37414号、同53
−65732号、同53−72623号、同53−95
630号、同53−95631号、同53−10423
2号、同53−124424号、同53−141623
号、同53−28426号、リサーチ・ディスクロージ
ャーNo. 17129号(1978年7月)に記載のメル
カプト基またはジスルフィド基を有する化合物;特開昭
50−140129号に記載されている如きチアゾリジ
ン誘導体;特公昭45−8506号、特開昭52−20
832号、同53−32735号、米国特許第3,70
6,561号に記載のチオ尿素誘導体;西独特許第1,
127,715号、特開昭58−16235号に記載の
沃化物;西独特許第966,410号、同2,748,
430号に記載のポリエチレンオキサイド類;特公昭4
5−8836号に記載のポリアミン化合物;その他特開
昭49−42434号、同49−59644号、同53
−94927号、同54−35727号、同55−26
506号および同58−163940号に記載の化合物
および沃素、臭素イオンが挙げられる。なかでもメルカ
プト基またはジスルフィド基を有する化合物が促進効果
が大きい観点で好ましく、特に米国特許第3,893,
858号、西独特許第1,290,812号、特開昭5
3−95630号に記載の化合物が好ましい。更に、米
国特許第4,552,834号に記載の化合物も好まし
い。これらの漂白促進剤は感材中に添加してもよい。撮
影用のカラー感光材料を漂白定着するときに、これらの
漂白促進剤は特に有効である。
【0058】定着剤としては、例えば、チオ硫酸塩、チ
オシアン酸塩、チオエーテル系化合物チオ尿素類、多量
の沃化物をあげる事ができるが、チオ硫酸塩の使用が一
般的である。漂白定着液や定着液の保恒剤としては、亜
硫酸塩や重亜硫酸塩あるいはカルボニル重亜硫酸付加物
が好ましい。
【0059】前記漂白定着処理もしくは定着処理の後は
通常、水洗処理及び安定化処理が行なわれる。水洗処理
工程及び安定化工程には、沈澱防止や、節水の目的で、
各種の公知化合物を添加しても良い。例えば沈澱を防止
するためには、無機リン酸、アミノポリカルボン酸、有
機アミノポリホスホン酸、有機リン酸のような硬水軟化
剤、各種のバクテリアや藻やカビの発生を防止する殺菌
剤や防バイ剤、マグネシウム塩やアルミニウム塩、ビス
マス塩に代表される金属塩、あるいは乾燥負荷やムラを
防止するための界面活性剤、及び各種硬膜剤を必要に応
じて添加することができる。あるいは、例えばウエスト
著、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エンジ
ニアリング誌(V.E.West, Phot.Sci.Eng.)、第6巻、3
44〜359ページ(1965)に記載の化合物を添加
しても良い。特にキレート剤や防バイ剤の添加が有効で
ある。
【0060】水洗工程は2槽以上の槽を向流水洗にし、
節水するのが一般的である。更には、水洗工程のかわり
に特開昭57−8543号記載のような多段向流安定化
処理工程を実施してもよい。本工程の場合には2〜9槽
の向流浴が必要である。本安定化浴中には前述の添加剤
以外に画像を安定化させる目的で各種化合物が添加され
る。例えば膜pHを調整する(例えばpH3〜9)ため
の各種の緩衝剤(例えば、ホウ酸塩、メタホウ酸塩、ホ
ウ砂、リン酸塩、炭酸塩、水酸化カリ、水酸化ナトリウ
ム、アンモニア水、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ポ
リカルボン酸などを組合わせて使用)やホルマリンのよ
うなアルデヒドを代表例として挙げることができる。そ
の他、必要に応じてキレート剤(例えば、無機リン酸、
アミノポリカルボン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、
アミノポリホスホン酸、ホスホノカルボン酸)、殺菌剤
(例えば、ベンゾイソチアゾリノン、イリチアゾロン、
4−チアゾリベンズイミダゾール、ハロゲン化フェノー
ル、スルファニルアミド、ベンゾトリアゾール)、界面
活性剤、蛍光増白剤、硬膜剤のような各種添加剤を使用
してもよく、同一もしくは異種の目的の化合物を2種以
上併用しても良い。
【0061】また、処理後の膜pH調整剤として、例え
ば、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモ
ニウム、リン酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チ
オ硫酸アンモニウムのような各種アンモニウム塩を添加
するのが好ましい。また撮影用カラー感材では、通常行
なわれている定着後の(水洗−安定)工程を前述の安定
化工程および水洗工程(節水処理)におきかえることも
できる。この際、マゼンタカプラーが2当量の場合に
は、安定浴中のホルマリンは除外しても良い。本発明の
水洗及び安定化処理時間は、感材の種類、処理条件によ
って相違するが通常20秒〜10分であり、好ましくは
20秒〜5分である。
【0062】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化および迅速化の目的でカラー現像主薬を内
蔵しても良い。内蔵するためには、カラー現像主薬の各
種プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許
第3,342,597号に記載のインドアニリン系化合
物、同第3,342,599号、リサーチ・ディスクロ
ージャーNo. 14850号および同15159号に記載
のシツフ塩基型化合物、同13924号に記載のアルド
ール化合物、米国特許第3,719,492号記載の金
属塩錯体、特開昭53−135628号に記載のウレタ
ン系化合物をはじめとして、特開昭56−6235号、
同56−16133号、同56−59232号、同56
−67842号、同56−83734号、同56−83
735号、同56−83736号、同56−89735
号、同56−81837号、同56−54430号、同
56−106241号、同56−107236号、同5
7−97531号および同57−83565号に記載の
各種塩タイプのプレカーサーを挙げることができる。
【0063】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、必
要に応じて、カラー現像を促進する目的で、各種の1−
フェニル−3−ピラゾリドン類を内蔵しても良い。典型
的な化合物は、例えば、特開昭56−64339号、同
57−144547号、同57−211147号、同5
8−50532号、同58−50536号、同58−5
0533号、同58−50534号、同58−5053
5号および同58−115438号に記載されている。
【0064】本発明における前記各種処理液は10℃〜
50℃において使用される。33℃ないし38℃の温度
が標準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時
間を短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理
液の安定性の改良を達成することができる。また、感光
材料の節銀のため西独特許第2,226,770号また
は米国特許第3,674,499号に記載のコバルト補
助もしくは過酸化水素補助を用いた処理を行ってもよ
い。
【0065】各種処理浴内には必要に応じて、ヒータ
ー、温度センサー、液面センサー、循環ポンプ、フィル
ター、浮きブタ、スクイジーなどを設けても良い。ま
た、連続処理に際しては、各処理液の補充液を用いて、
液組成の変動を防止することによって一定の仕上がりが
得られる。補充量は、コスト低減などのため標準補充量
の半分あるいは半分以下に下げることもできる。本発明
の感光材料がカラーペーパーの場合はきわめて一般的
に、また撮影用カラー写真材料である場合も必要に応じ
て上述したような漂白定着処理することができる。
【0066】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 実施例1 50℃に保ったゼラチン水溶液中に、硝酸銀水溶液と塩
化ナトリウム水溶液を通常のダブルジェット法を用いて
加え、平均粒子サイズが0.5μm の塩化銀立方体粒子
を調整した。この乳剤には1kg当たり、0.92モルの
塩化銀と約93gのゼラチンが含まれている。このよう
に調整された乳剤に対してチオ硫酸ナトリウム、及び表
1に示す量の例示化合物(1) を用いて、化学熟成を行
い、ゼラチン下塗層を設けた酢酸セルロース透明フィル
ム上に塗布し、試料−1から試料−4とした。
【0067】
【表1】
【0068】各試料について、それぞれタングステン電
球(色温度2854°K)により、連続ウエッジ(光
楔)で1秒間露光した。各試料について露光後、メトー
ル・アスコルビン酸現像液を用いて、20℃で5分間現
像した。メトール・アスコルビン酸現像液は、メトール
2.5g、アスコルビン酸10g、塩化ナトリウム0.
58g、コダルク(またはナボックス)35gを水に加
え、1リットルとして調整した。写真濃度は富士写真フ
イルム製自記濃度計により測定し、写真感度はカブリ(D
min)+0.1の写真濃度を与える露光量の逆数の相対値
で、試料−1の値を100として示したものである。結
果を表2に示す。
【0069】
【表2】
【0070】表2から明らかなように硫黄増感剤と多量
(5×10-4mol/mol AgX 以上)の例示化合物(1) を
含有する写真乳剤の場合の感度は、硫黄増感だけを行っ
た乳剤の感度に比べてきわめて高いものになり、しか
も、カブリの増加もない。また、添加量の増加によって
著しく感度が増加した。
【0071】実施例2 硫黄増感剤としてN−エチル−N′−ジエチルチオ尿素
を用い、表3に示す添加量で試料−5から8を作成し
た。得られた試料−5から8について実施例1と同様な
評価をした。結果を表4に示す。
【0072】
【表3】
【0073】
【表4】
【0074】表4から明らかなように硫黄増感剤の種類
によらず例示化合物(1) 存在下で硫黄増感した写真乳剤
はカブリが著しく小さく、硫黄増感単独ではカブリが大
きすぎる添加量でもカブリが小さく、しかも感度が高
い。
【0075】実施例3 化学熟成時に添加する化合物として例示化合物(8) 、比
較化合物A、及び比較化合物Bを用い、表5に示す添加
量で、試料−9、10、11を作成した。得られた試料
及び実施例1の試料3について実施例1と同様の評価を
行った。結果を表6に示す。
【0076】
【表5】
【0077】
【表6】
【0078】表6より比較化合物Aの存在下で化学熟成
を行ってもカブリは増加しないものの、高感度化は達成
されなかった。また、比較化合物Bの存在下で化学熟成
を行った場合でも、幾分の増感効果がみられたが本発明
の化合物存在下での熟成にみられる特異的な効果はなか
った。また、特開昭63−46443号には比較化合物
Bを純塩化銀に添加して化学熟成を行った例が記載され
ている。この化合物を添加しない乳剤の相対感度を61
としたとき、0.5×10-3モル/モルAgX 、及び1.
0×10-3モル/モルAgX の比較化合物Bを添加した乳
剤の相対感度は55、50で、塩化銀乳剤に対する増感
効果がみられなかったとしている。このように、本発明
の効果は本発明にかかるハロゲン化銀乳剤と一般式
〔I〕で表される化合物に対して、本発明の増感方法を
組み合わせたときに得られる特異的な効果であることが
わかる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも一層の感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料にお
    いて、該乳剤層の少なくとも1層に含まれるハロゲン化
    銀粒子が99.5モル%以上の塩化銀からなるハロゲン
    化銀で、該粒子がハロゲン化銀1モルに対し、5×10
    -4モル以上の下記一般式〔I〕で示される化合物及び、
    不安定硫黄化合物の存在下で化学熟成されたものである
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。 一般式〔I〕 【化1】 式中、R1 、R2 、R3 及びR4は、同じでも異なって
    いても良く、各々水素原子、アルキル基、アミノ基、ヒ
    ドロキシ基、アルコキシ基、アルキルチオ基、カルバモ
    イル基、ハロゲン原子、シアノ基、カルボキシ基、アル
    コキシカルボニル基または、ヘテロ環残基をあらわしR
    1 とR2 またはR2 とR3 が一緒に5員または6員環を
    形成してもよい。ただし、R1 とR3 の少なくとも1つ
    はヒドロキシ基をあらわす。
  2. 【請求項2】 上記ハロゲン化銀粒子のハロゲン化銀が
    100%塩化銀である請求項1記載のハロゲン化銀写真
    感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS62212640A (ja) * 1986-03-14 1987-09-18 Konishiroku Photo Ind Co Ltd ハロゲン化銀写真感光材料
JPS6338930A (ja) * 1986-08-05 1988-02-19 Fuji Photo Film Co Ltd ハロゲン化銀乳剤および写真感光材料

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