JPH05172777A - 小型酸素電極及びその製造方法 - Google Patents

小型酸素電極及びその製造方法

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JPH05172777A
JPH05172777A JP3338678A JP33867891A JPH05172777A JP H05172777 A JPH05172777 A JP H05172777A JP 3338678 A JP3338678 A JP 3338678A JP 33867891 A JP33867891 A JP 33867891A JP H05172777 A JPH05172777 A JP H05172777A
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substrate
recess
oxygen electrode
small
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JP3338678A
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Hiroaki Suzuki
博章 鈴木
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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、小型酸素電極に関し、構造的にも
製造プロセス的にも簡単な改良小型酸素電極とその製造
方法の提供を目的とする。 【構成】 本発明の小型酸素電極は、基板1の凹部5に
それらの一部がこの凹部5から外へ出て基板1上へ延び
るように形成した作用極2及び対極4と、凹部5へ電解
液を満たすための開口11の部分を除いて凹部5を覆う
ガス透過性膜7とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、小型の酸素電極とその
製造方法に関する。
【0002】酸素電極は、いろいろな分野において溶存
酸素濃度の測定に有利に用いることができる。例えば、
水質保全の見地から水中の生化学的酸素要求量(BO
D)の測定が行われているが、そのための溶存酸素濃度
の測定器として使用することができる。また、醗酵工業
では効率良くアルコール醗酵を進めるために醗酵槽中の
溶存酸素濃度の調整が必要であり、そのための測定器と
して使用することができる。更にまた、酸素電極は、酵
素と組み合わせて酵素電極を形成し、糖やアルコールな
どの濃度測定に用いることもできる。例えば、グルコー
スはグルコースオキシダーゼという酵素を触媒とする溶
存酸素との反応で酸化されてグルコノラクトンに変化す
るが、このことにより酸素電極セルの中に拡散してくる
溶存酸素が減るのを利用して、溶存酸素の消費量からグ
ルコース濃度を測定することができる。
【0003】本発明の小型酸素電極は、このような環境
計測、醗酵工業、臨床医療など各種の分野で使用するこ
とができるが、特に臨床医療分野においてカテーテルに
装着し、体内に挿入する用途においては、小型であると
ともに使い捨て可能であり、且つ低価格であるので、非
常に利用価値がある。
【0004】
【従来の技術】従来の酸素電極は、例えばガラス細工で
作製するため大量生産が難しくて高価である上に、小型
のものが製造ができず、例えばカテーテルに装着して体
内に挿入するような用途に使用することは不可能であっ
た。
【0005】この難題を解決するため、本発明者らは先
に新しいタイプの小型酸素電極を開発し、特許出願した
(特開昭63−238548号公報参照)。この小型酸
素電極は、シリコン基板上に異方性エッチングにより形
成した穴に絶縁膜を介して二つの電極を形成し、この穴
の中に電解液含有体(例えば電解液をしみ込ませたゲ
ル)を収容し、そしてこの穴の上部をガス透過性膜で覆
った構造の酸素電極であった。
【0006】本発明者らはまた、より量産性に優れ、高
性能化を目指したものとして、電極を形成したガラスの
平面状基板と、電解液を収容する凹部を形成したシリコ
ンの容器基板とを熱融着させた構造の小型酸素電極をも
開発し、既に特許出願している(特願平2−24384
9号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭63−2385
48号公報記載の酸素電極は、従来の酸素電極に比べて
格段に小型化することができ、またシリコン基板に異方
性エッチングで電解質含有体を収容する穴を形成するこ
とができるため一括大量生産が可能であることから、低
コスト化を実現した。そして、電解質材料及びガス透過
性膜材料の検討を重ねた結果として、実用レベルのもの
が容易に得られるようになった。
【0008】ところが、電解質材料及びガス透過性膜材
料に改良を加えたことから、穴を形成した大きなシリコ
ン基板から個々のチップ単位に切離した状態で処理する
工程が多くなって、生産性の点でなお改良の余地が残さ
れた。例えば、ガス透過性膜材料は、光架橋性にする等
の余分な対策を施さないとリソグラフィー技術によりそ
れを付着させたい部分だけに付着させることが困難であ
り、そしてそのような対策を講じることは結局生産コス
トを上昇させるため好ましくないということが分った。
【0009】また、感応部にガス透過性膜を直接形成す
るためにゲル中にしみ込ませた電解質や高分子固体電解
質を用いたけれども、電解質量を正確に規定することが
困難なため、個々の小型酸素電極間の特性の面でばらつ
きの生じることがあった。
【0010】これらの点を改良した小型酸素電極(特願
平2−243849号明細書に記載のもの)は、特性の
ばらつきのない高性能のものを実現できた。また、ガス
透過性膜の形成のために従来用いられていた液体状材料
のディップコーティングあるいはスピンコーティングの
代りに、フィルム状のガス透過性膜材料を必要箇所に加
熱接着する手法を採用したため、プロセス上も有利であ
った。
【0011】その反面、異種材料の電極基板と容器基板
とを別個に作製し、それらを後に接合しなくてはならな
いため、酸素電極の構造が複雑になるとともにプロセス
もまた複雑化した。
【0012】本発明は、これまでの小型酸素電極を更に
改良して、構造的にも製造プロセス的にもより簡単な小
型酸素電極を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の小型酸素電極
は、基板の凹部に間隔をあけて形成され、それらの一部
が該凹部からその外部の該基板上へ延びている作用極及
び対極を有し、且つ、上記凹部に電解質溶液を満たすた
めの開口を形成する部分を除いて該凹部を覆うガス透過
性膜を有することを特徴とする。
【0014】本発明の小型酸素電極の基板は、使用する
電解液に対して耐性であって、適当な手段により凹部を
形成しそして必要な作用極及び対極をその凹部と基板表
面上に形成することができるどのような材料でもよい。
例を挙げると、半導体基板、特にシリコン基板、あるい
はガラス基板やセラミックス基板を使用することができ
る。シリコン基板は、異方性エッチングの技術を使用し
て大きな基板に複数の小型酸素電極用に複数の凹部を同
時に形成することが可能であり、一括大量生産に向いて
いるため、特に好ましい基板材料である。半導体である
シリコンを基板として採用する場合には、作用極や対極
の形成に先立ち表面を絶縁性にしておく必要があるが、
これはシリコン基板を熱酸化して表面にシリコン酸化膜
を形成することで十分である。シリコン酸化膜のほかに
シリコン窒化膜等を利用しても差支えない。本質的に絶
縁性のガラス基板やセラミックス基板を利用する場合に
は、表面を絶縁性にする必要はなく、また例えばレーザ
ー加工などの技術を応用して凹部を形成することができ
る。
【0015】基板に開けた凹部には、少なくとも、カソ
ード(作用極に対応)、アノード(対極及び参照極に対
応)の二つが間隔をあけて形成される。
【0016】カソード及びアノードは、酸素電極がポー
ラロ型であるかガルバニ型であるかに応じていろいろに
変更することができる。例えば、ポーラロ型の酸素電極
の場合には、両電極とも金電極あるいは白金電極から構
成するか、あるいはアノードを参照極にして構成し、測
定時に両電極間に電圧を印加する。シリコンを基板とす
るポーラロ型酸素電極の場合には、下地となるシリコン
酸化膜を侵しにくい、例えば0.1M塩化カリウム水溶
液等の中性水溶液を用いるのが好ましい。
【0017】ガルバニ型酸素電極の場合には、アノード
として金や白金に比べて化学反応を起こしやすい鉛、銀
等の金属の電極を用い、カソードとして金、白金等の電
極を用い、そして電解液として例えば1M水酸化カリウ
ム水溶液等のアルカリ性水溶液を用いる。
【0018】本発明の小型酸素電極は、これらの二極構
成のもののほかに、三極構成の酸素電極とすることもで
きる。この場合には、作用極及び対極を金電極あるいは
白金電極から構成し、そして参照極として例えば銀/塩
化銀から構成される電極を使用すればよい。
【0019】これらの電極の形成は、例えば、真空蒸
着、スパッタリング等の成膜法によって有利に行うこと
ができる。またこれらの電極間の間隔は、酸素電極の使
用時に各電極部で生成された生成物の影響が他の電極に
及ばない程度とする方が好ましい。
【0020】基板の凹部に形成された各電極の一部は、
そこから基板表面へ延び出して、酸素電極の外部測定器
(アンプや検出器から構成される)と接続するための手
段を構成する。酸素電極と外部測定器との接続は、上記
の基板表面へ延び出した各電極の他端部から形成された
パッド部を介して行うのが好ましい。これらのパッド部
分を適当な大きさにすることによって、例えばリード線
につながるクリップでパッド部分を挟んで外部測定器へ
接続することができる。また、パッド部分も試料溶液中
に浸漬される可能性がある場合には、これらの部分にリ
ード線(例えば50μm径程度のアルミニウム線)を結
合させ、パッド部分とそれらの近くのリード線部分とを
樹脂等の材料で被覆して絶縁することもできる。
【0021】ガス透過性膜は、分析対象ガスである酸素
ガスを透過させる性質であること、化学的に安定であっ
て、使用する電解液にも試料液にも侵されないこと、十
分な付着性を有することを要求され、そして膜厚が均一
であって長期間の保存に耐えることができ、例えば医療
用途で使用される場合には高圧蒸気滅菌で変質しにくい
ものが好ましい。殊に膜厚は、酸素電極の特性に非常に
大きく影響するため、可能な限り均一であることが好ま
しい。そのため、膜厚の均一な既製の膜を利用すること
が望ましく、そしてその膜は熱融着等の簡単な手段で基
板に良好に接着できることが好ましい。こうした条件を
満たす好適なガス透過性膜材料の代表例は、FEP(フ
ッ素化エチレンプロピレン樹脂)膜である。
【0022】ガス透過性膜は、作用極と対極、そして場
合により参照極を形成した、基板の凹部(これは酸素電
極の感応部に相当する)をその一部を残して覆う。凹部
の一部だけをガス透過性膜で覆わずに開口を形成してお
くのは、後にこの開放部から電解質溶液を各電極を備え
た基板凹部に充填することができるようにするためであ
る。電解液の充填は、本発明の酸素電極を製造してから
使用するまでのいずれの時点で行っても差支えない。使
用の直前に電解液を充填するようにすれば、酸素電極を
電解液を含まない乾燥状態で保存することが可能なた
め、電解液の作用を受ける可能性のある例えばAg/A
gCl参照極やガス透過性膜の劣化が起こりにくく、長
期の保存が可能になる。
【0023】電解質溶液の充填は、電解質溶液を適当な
容器に入れてこれに小型酸素電極本体を浸漬させ、そし
てこの容器ごと減圧にさらして凹部に電解液を導入する
脱気操作の方法によって容易に行うことができる。充填
のための開口は、充填完了後にビニールテープを巻き、
あるいはワックスで封をするといったような簡単なやり
方でふさいで、内部の液の蒸発や漏れを防ぐことができ
る。
【0024】電解液としては、上述の塩化カリウム水溶
液、水酸化カリウム水溶液のほかに、硫酸ナトリウム水
溶液等のいろいろのものを使用することができる。
【0025】電極間の電気化学的クロストークを抑制
し、より良好な特性を得るには、電解質をゲルにしみ込
ませるのが好ましいが、これにはアルギン酸カルシウム
ゲルを用いるのが適している。このゲル層を、基板の凹
部とガス透過性膜により形成された空洞内にうまく作る
には、まず上述の脱気操作により塩化カルシウム水溶液
を酸素電極の空洞内に導入し、ベーキングにより水分を
蒸発させた後、再び脱気操作によりアルギン酸ナトリウ
ムを含む電解質溶液を空洞内に導入すれば良い。これに
より、塩化カルシウムがアルギン酸ナトリウム中に溶け
だしてゲル化する。
【0026】本発明の小型酸素電極は、基板に形成した
凹部と該基板表面とに該凹部から基板表面上まで延びる
作用極と対極を形成し、該凹部をその一部を除いてガス
透過性膜で被覆することを特徴とする本発明の小型酸素
電極の製造方法で製造することができる。
【0027】本発明の方法においては、前述のように、
カソード(作用極)及びアノード(対極)のほかに、参
照電極を形成しても差支えない。これらの各電極の材料
は前述のとおりであり、真空蒸着やスパッタリング等の
技術を利用して形成することができる。また、銀/塩化
銀の参照極は、予め形成した参照極用の銀電極に、使用
前に塩素イオンを含む溶液中で例えば作用極に対して−
0.6Vの電圧を30秒間ほど印加して容易に形成する
ことができる。
【0028】小型酸素電極においては、各電極で生成さ
れた生成物が他の極に影響を及ぼすのをできる限り防が
なくてはならない。そのために、各電極は互いに一定間
隔をあけて形成すべきである。とりわけ参照極を利用す
る小型酸素電極では、使用中に対極で生成された生成物
が参照極の方へ流れ込むと性能特性上特に不都合である
ため、対極と参照極とは間に作用極を挟んで離して配置
する方が好ましい。更に、作用極形成部を他極の部分よ
りも浅く形成しておけば、対極から参照極への対極生成
物の流れを制限するのに効果的である。このように他極
の形成部に比べて浅い作用極形成部は、例えばシリコン
基板に異方性エッチングを適用して形成する場合につい
て言えば、エッチングが作用極形成部として適当な深さ
まで進んだ時点でこれを停止させ、次いで更に対極及び
参照極形成部だけに異方性エッチングを施すことにより
都合よく形成することができる。
【0029】あるいはまた、各電極での生成物が他の極
に及ぼす影響をなくすためには、各極を間隔をあけて個
別に形成された凹部に形成し、各凹部を細い溝で連結す
るようにしてもよい。
【0030】小型酸素電極の感応部のガス透過性膜での
被覆は、例えば既製のFEP膜を用いる場合、所定の大
きさに切断した膜材料を感応部とその周囲の基板上に感
応部の一部を除いて配置し、次いで加熱して基板に融着
させることで十分である。FEP膜を融着させる場合に
は、膜材料に特願平3−151573号明細書に開示さ
れた方法で予め表面処理を施し、また、真空中で融着を
行うと、基板に対しより強固に接着することが可能であ
る。
【0031】
【作用】同一基板に形成される電解質溶液を収容するた
めの凹部とこの凹部に形成される各極は、容器基板と電
極基板の二つを張り合わせた構成の従来の小型酸素電極
と比べて、本発明の小型酸素電極を構造的に簡単にする
とともに、その製造プロセスを簡単にするのにも役立
つ。また、凹部の一部をガス透過性膜で覆わずに開口を
残しておくことは、電解質溶液の凹部への充填を小型酸
素電極の製造後から使用時までの任意の時点で行うこと
を可能にし、それゆえに電解液の作用を受ける可能性の
ある電極やガス透過性膜の長期保存時の劣化を防ぐこと
を可能にする。
【0032】
【実施例】次に、本発明の小型酸素電極とその製造方法
の好ましい一例を添付の図面を参照しながら説明する。
【0033】図1は、本発明による小型酸素電極の好ま
しい一例を示した平面図であり、図2はその感応部の断
面図であって、(a)は図1のA−A線断面、(b)は
B−B線断面、(c)はC−C線断面を示している。図
の酸素電極は直方体の形状をしていて、シリコン基板1
は、異方性エッチングにより形成された穴5(酸素電極
の感応部に相当する)を有する。ここには、作用極2、
参照極3、対極4が形成されている。作用極2は銀、参
照極3は銀/塩化銀、対極4は金とした。更に、穴の上
部には開口11の部分を除いてガス透過性膜7が形成さ
れている。また、シリコン基板1の穴5には、完成後電
解液6として0.1M KClが満たされる。また、各
極2,3,4の一部は穴5から外に出て基板1の表面に
パッド10を形成している。
【0034】これらの図に示した小型酸素電極は、例え
ば、図3に順を追って示す製造プロセスで有利に製造す
ることができる。なお、以下の説明では、理解を容易に
するため、1枚のシリコンウエハーに1個だけ酸素電極
を形成する場合について記載するけれども、実際には多
数個の小型酸素電極が同時に形成されるということを理
解されたい。
【0035】(1)ウエハー洗浄 厚さ400μmの(100)面3インチシリコンウエハ
ー1を用意し、これを過酸化水素とアンモニアの混合溶
液及び濃硝酸で洗浄した。
【0036】(2)SiO2 膜の形成 シリコンウエハーをウエット熱酸化し、その全面に膜厚
1.0μmのSiO2 膜を形成した。
【0037】(3)エッチング用パターンの形成 ネガ型フォトレジスト(東京応化製OMR−83(商品
名)、粘度100cP)を購入した基板の粗い方の表面に
塗布した後、露光、現像、リンスを行い、ウエハー上に
エッチング用レジストパターンを形成した。
【0038】(4)基板のベーク 基板裏面にも上記工程で使用したものと同じネガ型フォ
トレジストを塗布した後、150℃で30分間にわたっ
てベークした。
【0039】(5)SiO2 膜のエッチング 50%フッ化水素酸と40%フッ化アンモニウムとの混
合比1:6の水溶液にウエハーを浸漬し、フォトレジス
トで被覆されていない露出部分のSiO2 をエッチング
により除去した。引き続いて硫酸/過酸化水素水(2:
1)溶液によりレジストを除去した。
【0040】(6)Siの異方性エッチング 80℃の35%水酸化カリウム水溶液中にてシリコンの
異方性エッチングを行った。この場合には、図2に示す
ように作用極の形成部分の深さを対極及び参照極形成部
分の深さよりも浅くするために、エッチングを途中で停
止して、再び(1)〜(5)の工程を経た後、対極及び
参照極形成部分のエッチングを行った。作用極形成部の
深さは20μm、対極及び参照極形成部の深さは150
μmであった。
【0041】(7)SiO2 層の形成 基板を洗浄後、熱酸化により再び1μm厚のSiO2
(絶縁膜層)8を形成した。ここまでの処理を行った基
板の断面(参照極形成部分に相当)を図3(a)に示
す。
【0042】(8)クロム及び金薄膜の形成 ウエハー1のエッチングを施した面に、クロム薄膜(4
00Å、金と基板との密着用)に引き続き、金薄膜(4
000Å)を真空蒸着により形成した。
【0043】(9)対極形成用レジストパターンの形成 ポジ型フォトレジスト(東京応化製OFPR−5000
(商品名)、粘度50cP)を使用して、ウエハーの金薄
膜上に対極形成用レジストパターンを形成した。
【0044】(10)金のエッチング レジストパターンが形成された基板を、4gのKI及び
1gのI2 を40mlの水に溶解した金用エッチング液に
浸漬し、露出した金の部分をエッチングにより除去し
た。更に、純水にて洗浄後、アセトンによりレジストを
除去した。
【0045】(11)クロムのエッチング 次に、0.5gのNaOH及び1gのK3 Fe(CN)
6 を4mlの水に溶解したクロム用エッチング液に基板を
浸漬し、露出したクロム層を除去した。
【0046】(12)銀薄膜の形成 こうして金パターンの形成された基板を十分洗浄後、銀
薄膜(4000Å)を真空蒸着により形成した。蒸着の
際、対極部分は隠して銀がつかないようにした。
【0047】(13)作用極・参照極用パターンの形成 (9)と同様にして、作用極・参照極用ポジ型フォトレ
ジストパターンを形成した。
【0048】(14)銀のエッチング レジストパターンが形成された基板を、29%アンモニ
ア水と31%過酸化水素水と純水との1:1:20溶液
である銀用エッチング液に浸漬し、露出した銀の部分を
エッチングにより除去した。更に、純水にて洗浄後、ア
セトンによりレジストを除去した。
【0049】(15)電極感応部の確定 小型酸素電極の形成される部分(電極感応部すなわち異
方性エッチングの施された部分)とパッド部分以外をネ
ガ型フォトレジスト9(OMR−83(100cP))で
被覆した(膜厚2.8μm)。ここまでの処理を行った
基板の断面を図3(b)に示す。
【0050】(16)ガス透過性膜の形成 FEP膜7(東レ社製、膜厚12μm)を、図1に見ら
れるように開口11の部分を除いて感応部の上に熱融着
により被覆した。このときの温度は280℃であった。
ここまでの処理を行った基板の断面を図3(c)に示
す。
【0051】(17)基板の切り出し 基板上に多数形成された酸素電極をダイシングソーを使
ってチップ状に切り出した。
【0052】(18)電解液の充填 小型酸素電極本体をビーカーに入れた0.1M KCl
中に浸漬し、ビーカーごと減圧下にさらして、開放され
た穴の部分から電解液を感応部に充填した(図3
(d))。開放された穴の部分をビニールテープでふさ
いで、実際に機能する小型酸素電極が得られた。
【0053】このようにして完成した小型酸素電極は、
感応部を例えば緩衝液中に浸漬し、一定電圧を作用極−
参照極間に印加した状態(例えばAg/AgCl参照極
に対し作用極に−0.6Vを印加)で、作用極から発生
する酸素の還元電流を測定することにより機能する。な
お、銀/塩化銀参照極は、使用前に例えば作用極に対し
て−0.6Vを30秒ほど印加して形成することができ
る。
【0054】
【発明の効果】本発明によれば、電解質溶液を満たすた
めの凹部と酸素電極を構成する各極が同一基板上に形成
されるので、構造的にもまた製造プロセス的にも簡単な
小型酸素電極とすることができる。また、シリコンウエ
ハー基板等を採用すれば、一括大量生産も可能になる。
【0055】更に、電解質を含まない乾燥状態で保存が
可能であるから、電解質の影響を受けやすい電極やガス
透過性膜の劣化が起こりにくく、長期の保存が可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の小型酸素電極の一例を示す平面図であ
る。
【図2】図1の小型酸素電極の断面を示す図であって、
(a)は図1のA−A線断面図、(b)はB−B線断面
図、(c)はC−C線断面図である。
【図3】図1及び図2に示した小型酸素電極の製造プロ
セスを説明する図であって、(a)はエッチング後Si
2 絶縁膜を形成したシリコンウエハーを示す図、
(b)は電極感応部を確定したところを示す図、(c)
はガス透過性膜を形成したところを示す図、(d)は感
応部に電解液を満たしたところを示す図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板 2…作用極 3…参照極 4…対極 5…凹部 6…電解液 7…ガス透過性膜 8…酸化シリコン層 9…フォトレジスト層 10…パッド 11…開口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板(1)の凹部(5)に間隔をあけて
    形成され、それらの一部が該凹部(5)からその外部の
    該基板上へ延びている作用極(2)及び対極(4)を有
    し、且つ、上記凹部(5)に電解質溶液を満たすための
    開口(11)を形成する部分を除いて該凹部(5)を覆
    うガス透過性膜(7)を有することを特徴とする小型酸
    素電極。
  2. 【請求項2】 前記凹部(5)を設ける基板(1)がシ
    リコン基板又はガラス基板である、請求項1記載の小型
    酸素電極。
  3. 【請求項3】 作用極(2)及び対極(4)のほかに参
    照極(3)を有する、請求項1又は2記載の小型酸素電
    極。
  4. 【請求項4】 前記ガス透過性膜がフッ素化エチレンプ
    ロピレン樹脂の膜である、請求項1記載の小型酸素電
    極。
  5. 【請求項5】 基板に形成した凹部と該基板表面とに該
    凹部から基板表面上まで延びる作用極と対極を形成し、
    該凹部をその一部を除いてガス透過性膜で被覆すること
    を特徴とする小型酸素電極の製造方法。
JP3338678A 1990-09-17 1991-12-20 小型酸素電極及びその製造方法 Withdrawn JPH05172777A (ja)

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