JPH05172132A - 炭素繊維強化プラスチックスロール - Google Patents
炭素繊維強化プラスチックスロールInfo
- Publication number
- JPH05172132A JPH05172132A JP34553491A JP34553491A JPH05172132A JP H05172132 A JPH05172132 A JP H05172132A JP 34553491 A JP34553491 A JP 34553491A JP 34553491 A JP34553491 A JP 34553491A JP H05172132 A JPH05172132 A JP H05172132A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- carbon fiber
- roll
- plating
- reinforced plastic
- fiber reinforced
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Rolls And Other Rotary Bodies (AREA)
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- Chemically Coating (AREA)
- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 胴体に炭素繊維強化プラスチックスを用いた
製紙、プラスチックスフィルム製造ロールの耐摩耗性を
改善するために硬質金属をメッキするに際しての樹脂の
損傷の問題の解消。 【構成】 表面にクロムメッキ層を施した炭素繊維強化
プラスチックスからなるロール胴体の表面に光沢ニッケ
ルメッキ層を形成したことによって、従来のクロムメッ
キに比べ、ニッケルメッキの場合は通電量が1/5以下
で済み、通電による樹脂の焼けが防止でき、しかも、光
沢メッキによって従来のクロムメッキ後の研磨が不要と
なる利点がある。
製紙、プラスチックスフィルム製造ロールの耐摩耗性を
改善するために硬質金属をメッキするに際しての樹脂の
損傷の問題の解消。 【構成】 表面にクロムメッキ層を施した炭素繊維強化
プラスチックスからなるロール胴体の表面に光沢ニッケ
ルメッキ層を形成したことによって、従来のクロムメッ
キに比べ、ニッケルメッキの場合は通電量が1/5以下
で済み、通電による樹脂の焼けが防止でき、しかも、光
沢メッキによって従来のクロムメッキ後の研磨が不要と
なる利点がある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製紙、プラスチックス
フィルム製造等に使用される炭素繊維強化プラスチック
スロールに関する。
フィルム製造等に使用される炭素繊維強化プラスチック
スロールに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、製紙、プラスチックスフィル
ムの製造用として、各種の繊維の混入によって強化した
プラスチックスを胴部に使用したロールがある。この繊
維強化プラスチックスを胴部に使用したロールは、軽量
である上に十分な強度を有する上に、慣性モーメントが
小さく、ロール操作上の制御が簡単であるという利点が
ある。とくに、炭素繊維は、弾性と比強度において特に
優れており、プラスチックスロールの強化材として好ま
しいものではあるが、表面硬さが劣り耐摩耗性に問題が
あり、さらに、作働中に静電気が発生して、ロールに樹
脂フィルムが付着したまま回転して部分的にフィルムの
ねじれや伸びが生じることにより、搬送に支障を来す欠
点があった。
ムの製造用として、各種の繊維の混入によって強化した
プラスチックスを胴部に使用したロールがある。この繊
維強化プラスチックスを胴部に使用したロールは、軽量
である上に十分な強度を有する上に、慣性モーメントが
小さく、ロール操作上の制御が簡単であるという利点が
ある。とくに、炭素繊維は、弾性と比強度において特に
優れており、プラスチックスロールの強化材として好ま
しいものではあるが、表面硬さが劣り耐摩耗性に問題が
あり、さらに、作働中に静電気が発生して、ロールに樹
脂フィルムが付着したまま回転して部分的にフィルムの
ねじれや伸びが生じることにより、搬送に支障を来す欠
点があった。
【0003】この炭素繊維強化プラスチックスを用いた
ロールの欠点を解消するために、例えば、特開昭55−
20965号公報に記載されているように、強化繊維を
特定方向に配列すると共に、繊維強化プラスチックスの
外周面をクロムメッキした金属管シェルを嵌着した構造
としたものが提案されている。このクロムメッキ層は表
面硬さが800HV 程度であって、紙材、プラスチック
スフィルムの圧延用としては十分な耐摩耗性を具備する
ことになる。
ロールの欠点を解消するために、例えば、特開昭55−
20965号公報に記載されているように、強化繊維を
特定方向に配列すると共に、繊維強化プラスチックスの
外周面をクロムメッキした金属管シェルを嵌着した構造
としたものが提案されている。このクロムメッキ層は表
面硬さが800HV 程度であって、紙材、プラスチック
スフィルムの圧延用としては十分な耐摩耗性を具備する
ことになる。
【0004】また、例えば特開昭63−92564号公
報に記載されているように、金属管シェルの嵌着に代わ
って硬質クロムメッキを施すことも考えられる。
報に記載されているように、金属管シェルの嵌着に代わ
って硬質クロムメッキを施すことも考えられる。
【0005】ところが、プラスチックス表面にクロムメ
ッキを施すに際しては、通電量DK が20〜40A/d
m2 と大きく、通電部分の樹脂が発熱により損傷し、製
造不能となる場合がある。このため、ロールの局部の形
状を平滑にしたり、通電部の接触面積の拡大等の対策が
行われてきたが、完全な対策とはなり得ず、依然として
製品完成率が低いという問題が存在する。
ッキを施すに際しては、通電量DK が20〜40A/d
m2 と大きく、通電部分の樹脂が発熱により損傷し、製
造不能となる場合がある。このため、ロールの局部の形
状を平滑にしたり、通電部の接触面積の拡大等の対策が
行われてきたが、完全な対策とはなり得ず、依然として
製品完成率が低いという問題が存在する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決課題は、
胴体に炭素繊維強化プラスチックスを用いたロールの耐
摩耗性を改善するために、硬質金属をメッキするに際し
ての樹脂の通電部の発熱による損傷の問題を解消した炭
素繊維強化プラスチックス製ロールを提供することにあ
る。
胴体に炭素繊維強化プラスチックスを用いたロールの耐
摩耗性を改善するために、硬質金属をメッキするに際し
ての樹脂の通電部の発熱による損傷の問題を解消した炭
素繊維強化プラスチックス製ロールを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、炭素繊維強化
プラスチックスからなるロール胴体の表面にCrメッキ
に匹敵する硬さをもつ光沢ニッケルメッキ層を形成した
ことを特徴とする。
プラスチックスからなるロール胴体の表面にCrメッキ
に匹敵する硬さをもつ光沢ニッケルメッキ層を形成した
ことを特徴とする。
【0008】光沢ニッケルメッキ層を形成するに際して
は、炭素繊維を覆ったプラスチックスを機械研磨した後
に、数ミクロン程度化学エッチングによって粗面化す
る。その後、導電層としての無電解Niメッキを施し、
最表層の光沢Niメッキを行う。そうすることにより、
Crメッキのような大電流は不必要となり、樹脂の発熱
による損傷の防止の上から都合がよい。また、Crメッ
キの工程が省略でき、コスト削減の上からも都合がよ
い。
は、炭素繊維を覆ったプラスチックスを機械研磨した後
に、数ミクロン程度化学エッチングによって粗面化す
る。その後、導電層としての無電解Niメッキを施し、
最表層の光沢Niメッキを行う。そうすることにより、
Crメッキのような大電流は不必要となり、樹脂の発熱
による損傷の防止の上から都合がよい。また、Crメッ
キの工程が省略でき、コスト削減の上からも都合がよ
い。
【0009】
【作用】従来のクロムメッキに比べ、光沢ニッケルメッ
キの場合は、通電量が1/5以下で済み、通電による樹
脂の発熱による損傷が防止でき、しかも、光沢メッキに
よって最終工程の面粗度調整のための研磨作業が不要と
なり、製紙、プラスチックスフィルムの製造用として、
クロムメッキに相当する耐摩耗性が得られ、しかも、メ
ッキ層自体が光沢があるためメッキ後の研磨不要となる
利点がある。
キの場合は、通電量が1/5以下で済み、通電による樹
脂の発熱による損傷が防止でき、しかも、光沢メッキに
よって最終工程の面粗度調整のための研磨作業が不要と
なり、製紙、プラスチックスフィルムの製造用として、
クロムメッキに相当する耐摩耗性が得られ、しかも、メ
ッキ層自体が光沢があるためメッキ後の研磨不要となる
利点がある。
【0010】また、光沢ニッケルメッキの下地として無
電解ニッケルメッキを施すことにより、炭素繊維強化プ
ラスチックスとの密着性が著しく向上するので、光沢ニ
ッケルメッキの下地に無電解ニッケル層を被覆しておく
のが好ましい。
電解ニッケルメッキを施すことにより、炭素繊維強化プ
ラスチックスとの密着性が著しく向上するので、光沢ニ
ッケルメッキの下地に無電解ニッケル層を被覆しておく
のが好ましい。
【0011】
【実施例】エポキシ樹脂にピッチ系高弾性の炭素繊維を
巻き込んで成形した胴外径100mm、胴長さ600m
mのロール胴の外表面に、円筒研磨機によって、RMAX
10μm以下に機械研磨を施し、次いで、苛性ソーダを
主成分とした薬品を用いて脱脂処理を施し、さらに、5
00ミリリットル/リットルの硫酸溶液で40分間処理
して、平均40μmの均一な凹凸を形成した。次いで、
触媒を付与するために、Pd含有溶液による処理を行っ
た。さらに、以下の条件で無電解Niメッキ処理によっ
て、10μm厚の被覆層を形成した上に、200μm厚
の光沢電気Niメッキ層を形成した。
巻き込んで成形した胴外径100mm、胴長さ600m
mのロール胴の外表面に、円筒研磨機によって、RMAX
10μm以下に機械研磨を施し、次いで、苛性ソーダを
主成分とした薬品を用いて脱脂処理を施し、さらに、5
00ミリリットル/リットルの硫酸溶液で40分間処理
して、平均40μmの均一な凹凸を形成した。次いで、
触媒を付与するために、Pd含有溶液による処理を行っ
た。さらに、以下の条件で無電解Niメッキ処理によっ
て、10μm厚の被覆層を形成した上に、200μm厚
の光沢電気Niメッキ層を形成した。
【0012】この通電過程による加熱によって、炭素繊
維を含め、プラスチックス基材に何らの発熱による損傷
は生じることはなく、製造上の欠陥は発生しなかった。
維を含め、プラスチックス基材に何らの発熱による損傷
は生じることはなく、製造上の欠陥は発生しなかった。
【0013】無電解Niメッキ処理条件 組成:硫酸Ni 30g/リットル ジメチルアミンボラン 3.5g/リットル マロン酸ナトリウム 34g/リットル 条件:pH 5.1〜6.0 浴温 60〜70℃ 1hr 電気メッキ処理条件 組成:スルファミン酸Ni 350g/リットル 塩化ニッケル 5g/リットル 硼酸 30g/リットル ナフタレンジスルホン酸Na 1g/リットル 条件:pH 4.0〜4.4 DK 4A/dm2 温度 50℃ 時間 4hr
【0014】
【発明の効果】本発明によって、以下の効果を奏するこ
とができる。
とができる。
【0015】(1)表面硬化層のメッキに際して、通電
時の昇温による基材の焼けが生じることはなく、製品歩
留りが向上する。
時の昇温による基材の焼けが生じることはなく、製品歩
留りが向上する。
【0016】(2)表面硬化層と炭素繊維強化プラスチ
ックス胴体との剥離が生じることなく、ロール寿命は格
段に向上する。
ックス胴体との剥離が生じることなく、ロール寿命は格
段に向上する。
【0017】(3)操業中、静電気が生じることがない
安定した操業が可能となる。
安定した操業が可能となる。
【0018】(4)光沢電気Niメッキ表面の粗度はR
MAX 5μm以下となるため、最終仕上げの研磨が不必要
となる。
MAX 5μm以下となるため、最終仕上げの研磨が不必要
となる。
【0019】(5)Crメッキの工程が省略でき、制作
費の低減につながる。
費の低減につながる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C23C 18/32 C25D 3/12 102
Claims (1)
- 【請求項1】 炭素繊維強化プラスチックスからなるロ
ール胴体の表面に、光沢ニッケルメッキ層を有する炭素
繊維強化プラスチックスロール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34553491A JPH05172132A (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 炭素繊維強化プラスチックスロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34553491A JPH05172132A (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 炭素繊維強化プラスチックスロール |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05172132A true JPH05172132A (ja) | 1993-07-09 |
Family
ID=18377242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34553491A Pending JPH05172132A (ja) | 1991-12-26 | 1991-12-26 | 炭素繊維強化プラスチックスロール |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05172132A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000039188A1 (fr) * | 1998-12-25 | 2000-07-06 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Composition de resine epoxyde, preimpregne, et rouleau a base de resine renforcee avec des fibres de renforcement |
CN103710649A (zh) * | 2014-01-16 | 2014-04-09 | 张霞 | 一种碳纤维增强钛合金复合材料及其制备方法 |
-
1991
- 1991-12-26 JP JP34553491A patent/JPH05172132A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000039188A1 (fr) * | 1998-12-25 | 2000-07-06 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Composition de resine epoxyde, preimpregne, et rouleau a base de resine renforcee avec des fibres de renforcement |
US6620510B1 (en) | 1998-12-25 | 2003-09-16 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Epoxy resin composition, prepreg, and roll made of resin reinforced with reinforcing fibers |
CN103710649A (zh) * | 2014-01-16 | 2014-04-09 | 张霞 | 一种碳纤维增强钛合金复合材料及其制备方法 |
CN103710649B (zh) * | 2014-01-16 | 2015-08-19 | 昌吉市银杏新材料科技有限公司 | 一种碳纤维增强钛合金复合材料及其制备方法 |
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