JPH05172097A - 空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 遠心ファンから吹出され、熱交換器に向かっ
て送出される風量を熱交換面全体に至って均一化し、も
って、熱交換器の熱交換効率を向上する。 【構成】 室内機１の中央部に遠心ファン２を配設し、
この周囲に熱交換器８を設けた構成において、前記遠心
ファン２のブレード５の表面に吹出空気を所定方向に導
くリブ５ｂを形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は室内機と室外機とからな
り、冷媒を介して室内の空気調和を行なう空気調和機に
関するもので、特に、室内機の遠心ファンの形状を改良
して空調性能を向上させた空気調和機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図５は、例えば、特開平１−１５５０９
８号公報に掲載された従来の空気調和機の室内機の縦断
面図であり、また、図６は図５の室内機に取付けられた
遠心ファンを示す分解斜視図、図７は図６の遠心ファン
を構成するブレードの拡大斜視図である。

【０００３】図において、１は空気調和機の室内機、２
は室内機１の中央部に配設された合成樹脂製の遠心ファ
ン、３は前記遠心ファン２の基部、４は遠心ファン２の
吸込部を構成するリング板、４ａは吸込口、５は基部３
とリング板４との間に上下方向に適宜間隔をおいて設け
られ、僅かに彎曲した略板状のブレードであり、一般に
は基部３と一体成形された後、接合面５ａにおいて超音
波溶着或いは接着剤等によりリング板４と接合される。
そして、このブレード５は遠心ファン２の吹出口部とな
るものであり、吸込口４ａから吸込んだ空気を加圧して
直角方向である外周側に吹出すものである。６は遠心フ
ァン２の基部３の中央部に取付けられたアルミニウム、
黄銅等からなるファンボスである。

【０００４】７は電動機、８は前記遠心ファン２の外周
に所定距離離間して配設された熱交換器、９は室内機１
の吸込口、１０はエアフィルタ、１１は室内機１の吹出
口である。また、１３ａ、１３ｂ、１３ｃ、１３ｄは空
気の流れを示す。

【０００５】次に、従来の空気調和機の動作を説明す
る。電動機７に通電すると、遠心ファン２が回転し、流
れ１３ａに示すように、吸込口９より室内機１内に空気
が吸込まれる。吸込口９に吸込まれた空気はエアフィル
タ１０を経て遠心ファン２の吸込口４ａよりその内部に
流入し、加圧されて流れ１３ｂに示すようにブレード５
に沿って遠心ファン２の外周方向に吹出され、更に、遠
心ファン２の外周に所定距離隔てて配設された熱交換器
８に向かって直角方向に送出される。そして、熱交換器
８に送出された空気は熱交換器８のパイプ内を循環する
冷媒と熱交換した後、室内機１の風路構造に従って流れ
１３ｃに示すように流れ、更に、流れ１３ｄに示すよう
に室内機１の吹出口１１より室内に吹出される。これに
よって、室内の空調が行なわれる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、熱交換器８
は限られた室内機１内のスペース内を有効に活用して最
大の熱交換面積を確保すべくその高さ寸法は通常遠心フ
ァン２のブレード５の高さ寸法よりも相当長く（図の場
合２〜３倍）形成されている。一方、遠心ファン２のブ
レード５によって吹出される空気はその構造上熱交換器
８に対して直角方向に吹出される。このため、熱交換器
８の熱交換面においては遠心ファン２と対向する中央部
のみ風速が大きくなり、熱交換器８の上下両端部におけ
る風速は著しく小さくなって風速分布に大きなばらつき
が発生していた。したがって、熱交換器８の中央部のパ
イプに対しては必要量以上の空気が流れる一方、上下両
端部のパイプに対しては風量不足となり、その結果、全
体として熱交換器８の熱交換効率は良くなく、改善の余
地があった。

【０００７】そこで、本発明は、遠心ファンから吹出さ
れ、熱交換器に向かって送出される風量を熱交換面全体
に至って均一化し、もって、熱交換器の熱交換効率を向
上できる空気調和機の提供を課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる空気調和
機は、室内機の中央部に遠心ファンを配設し、その周囲
に熱交換器を配設した構成において、前記遠心ファンの
ブレードの表面に吹出空気を所定方向に導くリブを形成
したものである。

【０００９】

【作用】本発明においては、遠心ファンのブレードの表
面に形成されたリブによって空気の吹出し方向が矯正さ
れ、空気の吹出し巾が拡大される。その結果、熱交換器
の熱交換面に送出される風速は全体に至って均一化す
る。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１及び図２に基
づいて説明する。図１は本発明の一実施例の空気調和機
の室内機に取付けられた遠心ファンを示す分解斜視図、
図２は図１の遠心ファンを構成するブレードの拡大斜視
図である。図中、図５乃至図７と同一符号は従来の構成
部分と同一または相当する部分である。なお、本実施例
における空気調和機の室内機の各構成部品の配置は図５
に示した従来の空気調和機の室内機と同一であるからこ
れの図示は省略する。

【００１１】図において、５ｂは遠心ファン２の各ブレ
ード５の表面に形成された複数のリブであり、上下端部
側程水平線に対する傾斜角度が大きくなっている。この
リブ５ｂはブレード５との一体成形により簡単に形成す
ることができる。

【００１２】遠心ファン２のブレード５に上記リブ５ｂ
の形成された室内機１の基本動作は従来例と同様であ
り、遠心ファン２が回転することにより室内の空気は図
５に示すように１３ａ→１３ｂ→１３ｃ→１３ｄの順に
流れて室内の空調を行なう。

【００１３】次に、ブレード５に形成したリブ５ｂの作
用について説明する。電動機７に通電して遠心ファン２
を回転することによって遠心ファン２の吸込口４ａから
流入した空気は加圧された後、ブレード５に沿って流
れ、外部に吹出される。このとき、ブレード５の表面に
は、上下方向に傾斜したリブ５ｂが形成されているの
で、空気はこのリブ５ｂに導かれ、ブレード５の高さよ
りも上下方向に広がって遠心ファン２より外部に吹出さ
れる。

【００１４】このリブ５ｂを形成したことによる熱交換
器８における風速分布を、従来の場合と比較して、図３
及び図４に基づき説明する。図３は本発明の一実施例に
よる遠心ファンのブレードを使用した場合の熱交換器に
おける風速分布を示す特性図、図４は従来の遠心ファン
のブレードを使用した場合の熱交換器における風速分布
を示す特性図である。図において、１２ａ、１２ｂ、１
２ｃは熱交換器８の一部を構成し、冷媒を流すパイプで
ある。

【００１５】通常、熱交換器８はブレード５の高さより
上下方向に長いので、従来の遠心ファン２の場合では、
図４の空気の流れ１３ｆに示すように、熱交換器８のブ
レード５と対向する正面部分に大半の空気が流れて風速
は大きく、上下端部での風速は僅かであり、位置によっ
て風速は大きく相違している。このため、ブレード５の
正面に位置しているパイプ１２ｃを流れる冷媒と大部分
熱交換し、ブレード５の上方に位置しているパイプ１２
ａ及び下方に位置しているパイプ１２ｂに流れる冷媒と
の熱交換量は僅かである。

【００１６】これに対して、本実施例による遠心ファン
２のブレード５を使用した場合は、図３の空気の流れ１
３ｅに示すように、遠心ファン２から吹出される空気が
リブ５ｂによって上下方向に広がるので、熱交換器８の
全面に至ってほぼ均一に送風され、熱交換器８の上方に
位置しているパイプ１２ａ、中央に位置しているパイプ
１２ｃ、下方に位置しているパイプ１２ｂ等全てのパイ
プの内部を循環する冷媒とはほぼ同程度の熱交換が行な
われる。

【００１７】この結果、ブレード５の高さ寸法に対して
熱交換器８の高さ寸法が大きい構成において、送風機の
仕事量即ち全送風量を同一にした場合の熱交換量は、本
実施例の遠心ファン２を使用した場合の方が、従来の遠
心ファン２を使用した場合より５〜１０％程度増加し
た。

【００１８】このように、上記実施例の空気調和機は、
室内機１の中央部に遠心ファン２を配設し、その周囲に
熱交換器８を配設した構成において、前記遠心ファン２
のブレード５の表面に吹出空気を所定方向に導くリブ５
ｂを形成したものである。

【００１９】したがって、上記実施例によれば、遠心フ
ァン２のブレード５の表面に形成されたリブ５ｂによっ
て空気の吹出し方向が矯正され、空気の吹出し巾が拡大
される。その結果、熱交換器８の熱交換面に送出される
風速は全体に至って均一化し、熱交換器８のパイプ内を
循環する冷媒との全体的な熱交換量が増大して、熱交換
効率が向上する。

【００２０】ところで、上記実施例の遠心ファン２のブ
レード５に形成されたリブ５ｂは、図２に示した本数、
形状、長さ、傾きとしているが、本発明を実施する場合
には、これに限定されるものではなく、遠心ファン２か
ら吹出されて熱交換器８に送出される風量が熱交換面全
体に至って均一化できるものであれば任意に設定し得
る。そして、断面形状においても、各種形状とすること
ができ、更に、断面は全長に至って同一としてもよく、
或いは、徐変、または、相違させてもよい。但し、これ
らの設定においては、リブ５ｂを設けることによる風
量、風切音等の騒音、回転バランス等の影響にも考慮を
払うことが肝要である。

【００２１】

【発明の効果】以上のように、本発明の空気調和機は、
室内機の中央部に遠心ファンを配設し、この周囲に熱交
換器を設けた構成において、前記遠心ファンのブレード
の表面に吹出空気を所定方向に導くリブを形成したもの
である。したがって、このブレードの表面に形成された
リブによって空気の吹出し方向が矯正され、空気の吹出
し巾が拡大される。その結果、熱交換器の熱交換面に送
出される風速は全体に至って均一化し、熱交換器のパイ
プ内を循環する冷媒との全体的な熱交換量が増大して、
熱交換効率が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の一実施例の空気調和機の室内機
に取付けられた遠心ファンを示す分解斜視図である。

【図２】図２は図１の遠心ファンを構成するブレードの
拡大斜視図である。

【図３】図３は本発明の一実施例による遠心ファンを使
用した場合の熱交換器における風速の分布図である。

【図４】図４は従来の遠心ファンを使用した場合の熱交
換器における風速の分布図である。

【図５】図５は従来の空気調和機の室内機の縦断面図で
ある。

【図６】図６は図５の室内機に取付けられた遠心ファン
を示す分解斜視図である。

【図７】図７は図６の遠心ファンを構成するブレードの
拡大斜視図である。

【符号の説明】

１ 室内機 ２ 遠心ファン ５ ブレード ５ｂ リブ ８ 熱交換器

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 室内機の中央部に配設された遠心ファン
   と、 前記遠心ファンの周囲に配設された熱交換器と、 前記遠心ファンのブレードの表面に形成され、吹出空気
   を所定方向に導くリブとを具備することを特徴とする空
   気調和機。