JPH05170655A - ウイルス不活化剤およびウイルスの不活化方法 - Google Patents

ウイルス不活化剤およびウイルスの不活化方法

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JPH05170655A
JPH05170655A JP3356632A JP35663291A JPH05170655A JP H05170655 A JPH05170655 A JP H05170655A JP 3356632 A JP3356632 A JP 3356632A JP 35663291 A JP35663291 A JP 35663291A JP H05170655 A JPH05170655 A JP H05170655A
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virus
liquid
temperature
polymer compound
inactivating
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Application number
JP3356632A
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English (en)
Inventor
Masato Onishi
誠人 大西
Kenichi Shimura
賢一 志村
Takashi Owada
尚 大和田
Naoki Ishii
直樹 石井
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Terumo Corp
Original Assignee
Terumo Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水性液体中において所定の臨界温度で水溶性
から水不溶性へと変化し且つウイルス不活化部位を有す
る高分子化合物を主成分とするウイルス不活化剤、並び
に該ウイルス不活化剤を被処理液に添加して、該高分子
化合物を溶解した状態で液中のウイルスと接触させた
後、被処理液の温度を変化させて該高分子化合物を析出
させて被処理液よりウイルスを除去し不活化する方法。 【効果】 被処理液の温度をウイルス不活化剤が溶解す
る温度からウイルス不活化剤が不溶になる温度に変化さ
せるという極めて簡単な操作で、液中のウイルスを容易
に且つ高率で除去・不活化することができ、医療・医薬
分野、生化学・理化学分野、食品・健康分野、農業分野
等の種々の分野で有効に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体中に存在するウイ
ルスを不活化するためのウイルス不活化剤およびウイル
スの不活化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、エイズ、B型肝炎、C型肝炎、
成人T細胞白血病、水痘帯状泡疹等の疾病は、各々エイ
ズウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、ヒ
ト白血病のウイルス、ヘルペスウイルス等によってもた
らされることが知られており、ウイルスに起因する種々
の疾病が近年大きな社会問題になっている。ウイルスへ
の感染予防はウイルスによる疾患を防ぐための重要な対
処法の一つであり、血液製剤やワクチンの製造、輸血、
病院や各種研究機関における研究等において、ウイルス
感染の防止が強く求められている。そのために、血液製
剤やワクチン等の製造時や輸血に使用される血液、体
液、病院や研究機関等で扱われるバイオプロダクト、培
地などからのウイルスの除去やウイルスの不活化が重要
な課題になっており、そのための研究や開発が色々行わ
れている。
【0003】ウイルスの除去や不活化のための従来の方
法としては、フィルターを用いて蛋白溶液からウイル
ス粒子を分離除去する方法(特開昭61−16836号
公報、特開平2−167232号公報等)、ウイルス
を不活化剤を使用して不活化する方法、ウイルスの標
的細胞が表面に有するレセプターや細胞自体を利用して
生化学的にウイルスを吸着除去する方法(米国特許第4
869826号明細書)、ジビニルベンゼン等により
架橋不溶化した不溶化ポリビニルピリジニウムビーズや
ポリビニルピリジニウムが固定化されたフィルターによ
り水中のウイルスを捕捉して除去する方法(特開昭62
−41641号公報、特開平3−123630号公報)
等が知られている。
【0004】しかしながら、上記の方法は、極めて微
小なウイルスを分離するには、フィルタ−の孔径を20
Å程度の極めて小さな孔にする必要があり、そのため濾
過速度が小さくなり、しかも目詰まりを生じ易い。特に
被処理液が細胞や微生物を含む懸濁液の場合はフィルタ
ーの目詰まりが一層生じ易い。また、フィルターに大孔
径のピンホール等が存在するとウイルスが通り抜けて除
去できず、ウイルスの除去方法として充分満足のゆくも
のではなかった。
【0005】また、上記の方法は、ウイルスの不活化
に使用する薬剤の安全性、使用した薬剤やウイルス残骸
の被処理液からの分離、または被処理液中の有用蛋白質
の変性等の点で問題がある。薬剤によるウイルス不活化
法の例としては、ウイルスの蛋白質部分と架橋するタイ
プの不活化剤であるアルデヒド(ホルムアルデヒドやグ
ルタルアルデヒト等)で不活化する方法や、ウイルス核
酸と相互作用するタイプの不活化剤であるβ−プロピオ
ラクトンで不活化する方法等が知られている。しかし残
念なことに、これらの薬剤は、血漿に添加して使用した
場合に、血液凝固第8因子などの有用蛋白質と反応して
変性させ、その生理活性を失わせる。しかも、β−プロ
ピオラクトンの場合は、ウイルスを不活化した後も血漿
等の被処理液から除去しにくく被処理液中に残留し、且
つ発癌性を有するとされており、これらの点から普及し
ていない。
【0006】そして上記の方法で、被処理液中に残留
した不活化剤の除去方法の例としては、脂質可溶性の不
活化剤を無害性の天然油または合成トリグリセライドに
分配して除去する方法(特開昭62−240623号公
報)が知られているが、この方法は水溶性の薬剤には適
用できず、その上操作が繁雑で時間を要するという欠点
を有している。
【0007】また、上記の生化学的な方法は、標的と
したウイルスに対して効果を発揮するものの、ウイルス
を吸着する物質が特定のウイルスに対してのみ特異的に
作用するため、非特定多種のウイルスの存在が予測され
る血漿、蛋白溶液等の被処理液からのウイルスの除去に
は有効でない等の欠点を有する。
【0008】そして、ウイルス捕捉作用を有する不溶化
したポリビニルピリジニウム構造体を利用する上記の
方法は、蛋白質の存在しない水中からはウイルスを捕捉
し除去できるものの、血漿や体液などの蛋白質や脂質が
存在する溶液中からは、蛋白質や脂質などのポリビニル
ピリニジウム構造体表面への非特異的吸着が起こる結
果、ウイルスを捕捉できなくなってしまうという欠点を
有する。
【0009】
【発明の内容】上記の点から、本発明者らは、血漿や体
液等の蛋白質や脂質などを含有する液に対しても適用で
き、液中に含まれる非特定多種のウイルスを、安全に且
つ簡単な操作で高率で除去できる方法を開発することを
目的として研究を行ってきた。
【0010】その結果、水性液体中において所定の臨界
温度で水溶性から水不溶性へと変化し且つウイルス不活
化部位を有する高分子化合物がウイルスの不活化に極め
て有効であること、そしてその高分子化合物を被処理液
に添加し該高分子化合物を溶解した状態で被処理液中の
ウイルスと接触させた後、被処理液の温度を変化させて
高分子化合物を析出させて被処理液より分離すると、被
処理液中のウイルスが高率で除去・不活化されること、
しかもこのウイルス不活化技術は蛋白質や脂質等が含ま
れる液体に対しても極めて有効であることを見出した。
【0011】本発明者らによる上記発見は、不溶化した
ポリビニルピリジニウムビーズやポリビニルピリジニウ
ムが固定化されたフィルターを使用した場合には、被処
理液中に蛋白質や脂質などが存在するとウイルス捕捉能
を失ってウイルスを分離除去できなくなるという上記
に挙げた既知技術と相反する結果であり、全く予想外の
ことであった。
【0012】したがって、本発明は、水性液体中におい
て所定の臨界温度で水溶性から水不溶性へと変化し且つ
ウイルス不活化部位を有する高分子化合物を主成分とす
るウイルス不活化剤である。更に、本発明は、被処理液
に、水性液体中において所定の臨界温度で水溶性から水
不溶性へと変化し且つウイルス不活化部位を有する高分
子化合物を主成分とするウイルス不活化剤を添加し、該
高分子化合物を溶解した状態で被処理液中のウイルスと
接触させた後、被処理液の温度を変化させて該高分子化
合物を析出させて被処理液より分離することを特徴とす
るウイルスの不活化方法である。
【0013】本発明において、上記の「水性液体中にお
いて所定の臨界温度で水溶性から水不溶性へと変化し且
つウイルス不活化部位を有する高分子化合物」(以後
「温度応答性の高分子化合物」という)とは、該高分子
化合物を水性液体中に加えたときに、ある温度では完全
には溶解しないが液の温度を所定の温度にまで上げた時
または所定の温度にまで下げたときに水性液体中に完全
に溶解する特性を有すると共にウイルス不活化部位を有
する高分子化合物をいう。その場合の該「水性液体」と
は、水またはウイルス不活化処理の対象とされる種々の
水性の被処理液をいう。
【0014】そして、本明細書では、所定温度未満では
該高分子化合物が水性液体中に完全に溶解していなかっ
たのを、液温を該所定温度以上に上げた時に該高分子化
合物が完全に溶解する該所定温度を、以後「上限臨界溶
解温度」と称する。一方、所定温度を越えた場合には該
高分子化合物が水性液体中に完全に溶解していなかった
のを、液温を該所定温度以下にまで下げて時に該高分子
化合物が完全に溶解する該所定温度を、以後「下限臨界
溶解温度」と称する。
【0015】上記から明らかなように、本発明のウイル
ス不活化剤で使用する温度応答性の高分子化合物は、所
定の上限臨界溶解温度を有する高分子化合物であって
も、または所定の下限臨界溶解温度を有する高分子化合
物のいずれであってもよく、被処理液の内容、被処理液
中に含まれる各種成分の種類、不活化すべきウイルスの
種類等に応じて、各々の状況に適した上限臨界溶解温度
または下限臨界溶解温度を有する高分子化合物を使用す
るのがよい。
【0016】上記高分子化合物の上限臨界溶解温度また
は下限臨界溶解温度は、限定されるものではないが、通
常、約0〜80℃の範囲にあるのが好ましく、その範囲
内の温度であると、水性液体の大気圧下での凍結温度で
ある約0℃から沸騰温度である100℃の範囲の温度で
被処理液のういするの不活化処理を行うことができる。
特に、上限臨界溶解温度または下限臨界溶解温度が約5
〜50℃の範囲内にある該高分子化合物を使用した場合
には、ウイルス不活化処理を常温またはそれに近い温度
で行うことができ、被処理液の凍結、高温加熱や凍結に
よる被処理液中に含まれる例えば蛋白質、脂質、糖類、
その他の有効成分の変性や酵素の失活等を防ぐことがで
き望ましい。
【0017】また、上記高分子化合物におけるウイルス
不活化部位としては、(a)カチオン性部位、(b)抗
体の結合部位、(c)細胞表面のリセプターやその類似
体を結合した部位等を挙げることができる。そのうちで
も、非特定多数のウイルスに対して効果を有するという
点や経済性の点で、(a)のカチオン性部位が好まし
い。(b)および(c)の部位は、生化学的な特異的相
互作用を利用した反応であることにより、ターゲットと
する特定のウイルスに対して効果が期待できるが、
(a)に比べて高価になるという難点がある。
【0018】限定されるものではないが、本発明の内容
理解のために、本発明によって被処理液中のウイルスが
不活化される機構を、上限臨界溶解温度が40℃でウイ
ルス不活化部位がカチオンからなるカチオン性高分子化
合物または下限臨界溶解温度が30℃のカチオン性高分
子化合物を用いた場合を例に挙げて以下に説明する。
【0019】すなわち、多くのウイルスは、等電点(P
I)が負であり、表面にアニオン性を帯びている部位が
ある。そのために本発明で使用するカチオン性高分子化
合物はウイルスのアニオン性部位と静電的に相互作用し
てウイルスを通常吸着してその感染能力を低下させる。
そこで、ウイルスが含まれる被処理液を上限臨界溶解温
度である40℃よりも高い温度(例えば50℃)に加熱
しておき、そこに上限臨界溶解温度が40℃の温度応答
性のカチオン性高分子化合物を添加すると、該カチオン
性高分子化合物は完全に溶解した状態になって被処理液
中のウイルスと自由に接触することができ、その静電相
互作用によってカチオン性高分子化合物にウイルスが吸
着される。次いで、被処理液の温度を上限臨界溶解温度
である40℃よりも低い温度(例えば30℃)に低下さ
せると、カチオン性高分子化合物はウイルスを吸着した
状態のまま被処理液から析出してくるので、析出してき
たカチオン性高分子化合物を分離除去することにより被
処理液からのウイルスの除去および不活化を行うことが
できる。
【0020】また、下限臨界溶解温度が30℃のカチオ
ン性高分子化合物を使用した場合には、ウイルスが含ま
れる被処理液を下限臨界溶解温度である30℃よりも低
い温度(例えば20℃)にしておき、そこに下限臨界溶
解温度が30℃の温度応答性のカチオン性高分子化合物
を添加すると、該カチオン性高分子化合物は完全に溶解
した状態になって被処理液中のウイルスと接触すること
ができ、その静電相互作用によってカチオン性高分子化
合物にウイルスが吸着される。次いで、被処理液の温度
を下限臨界溶解温度である30℃よりも高い温度(例え
ば40℃)に上昇させると、カチオン性高分子化合物は
ウイルスを吸着した状態のまま被処理液から析出してく
るので、析出してきたカチオン性高分子化合物を分離除
去することにより同時にウイルスの液からの除去および
不活化を行うことができる。
【0021】上記において、ウイルスを吸着したカチオ
ン性高分子化合物は、通常、液相状、ゼラチン状、固相
状、綿状、海綿状、スポンジ状等の形態で被処理液から
析出する、すなわち相分離してくるので、それを遠心分
離、デカンテーション、濾過等の従来既知の分離方法に
より被処理液から分離除去すればよい。その際に、ウイ
ルスを吸着したカチオン性高分子化合物のうちの少量が
相分離せずに被処理液中に残留する場合もあり得るが、
その場合にも被処理液中のウイルスはカチオン性高分子
化合物との相互作用によってその感染能力を失って不活
化される。
【0022】また、ウイルス不活化部位が上記した
(b)または(c)の場合にも、ウイルスと該ウイルス
不活化部位との相互作用によって、上記したカチオン性
高分子化合物における場合と同様の現象を生じて、ウイ
ルスの不活化処理を行うことができる。
【0023】したがって、本発明における「ウイルスの
不活化」とは、被処理液から析出してきたウイルスを吸
着した該高分子化合物を分離除去して不活化する場合と
共に、ウイルスと該高分子化合物との相互作用によって
被処理液中のウイルスを不活化する場合をも包含してい
る。
【0024】そして本発明では、ウイルス不活化部位を
有し且つ上記した所定の上限臨界溶解温度または下限臨
界溶解温度を有する高分子化合物であれば、いずれもウ
イルス不活化剤として使用することができる。そのうち
でも、該高分子化合物に所定の上限臨界溶解温度または
下限臨界溶解温度を付与せしめる温度応答性の重合体部
位と高分子化合物にカチオン特性を付与せしめる重合体
部位が一つの高分子化合物中にブロック状および/また
はグラフト状になって存在する高分子化合物が、上限臨
界溶解温度または下限臨界溶解温度が上記した好ましい
温度範囲である約0〜80℃の範囲になって温度応答性
が良く、しかもウイルス吸着能が優れており好ましい。
【0025】温度応答性部位は、その部位が存在するこ
とによって被処理液の温度変化によって高分子化合物の
親水性・疎水性のバランスを変化させて、上記の上限臨
界溶解温度または下限臨界溶解温度を境にして高分子化
合物を水溶性から水不溶性に、または水不溶性から水溶
性に変化させる。
【0026】限定されるものではないが、温度応答性の
重合体部位は、N−置換(メタ)アクリルアミド誘導体
やメチリビニルエーテル等のモノマー、またはそれらと
他のモノマーとを(共)重合することにより得られた
(共)重合体部分、メチルセルロースやポリ酢酸ビニル
部分鹸化物からなる重合体部分から構成することができ
る。特に、温度応答性の重合体部位をN−悲観(メタ)
アクリルアミド誘導体から形成した場合には、操作性お
よび経済性が優れたものとなる。
【0027】そして、上記のN−置換(メタ)アクリア
ミド誘導体の具体例としては、N−イソップロピル(メ
タ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−シ
クロプロピル(メタ)アクリルアミド等のN−アルキル
(メタ)アクリルアミド、N,N−メチルエチル(メ
タ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリ
ルアミド等のN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミ
ド、N−アクリルピロリジン、N−アクリルピペリジ
ン、N−2−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、
N−3−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N
−テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリルアミド、N
−1−メチル−2−メトキシ(メタ)アクリルアミド、
N−2−メトキシエチル−N−エチル(メタ)アクリル
アミド等を挙げることができる。
【0028】また、高分子化合物にカチオン特性を付与
する重合体部位としては、1級、2級または3級アミノ
基、4級アンモニウム基、ホスホニウム基、ベンジルク
ロリド基などの反応性基を有する部位にトリアルキルホ
スフィンを反応させた部位などのカチオン基を有するモ
ノマーを必要に応じて他のモノマーと(共)重合して得
られた(共)重合体部位、リジンやヒスチジンを主成分
とするアミノ酸系の重合体部位、カチオン性基で修飾し
た多糖類等を挙げることができる。
【0029】そして、カチオン基を有するモノマーの好
ましい具体例としては、アリルアミン、ビニルアミン等
のアミノ基を有するモノマー、ビニルピリジン、N−ア
ルキル−ビニルピリジニウム化合物類、N−ベンジル−
4−ビニルピリジニウム化合物等のビニルピリジン誘導
体、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
トやN,N−ジエチルアモノプロピル(メタ)アクリレ
ート等のジアルキルアミノアルキル基を有する(メタ)
アクリレート誘導体をハロゲン化アルキルで4級アンモ
ニウム型にしてカチオン性モノマー等を挙げることがで
きる。
【0030】上記したカチオン特性を有する重合体部位
のうちでも、N−エチル−4−ビニルピリジニウム、N
−メチル−2−ビニルピリジニウム、N−オクチル−4
−ビニルピリジニウム等のN−アルキル−ビニルピリジ
ニウムやN−ベンジルビニルピリジニウム等の4級化ア
ンモニウム塩基を有するビニルピリジニウム系のモノマ
ーを重合して得られたカチオン性重合体部位を有する高
分子化合物が、ウイスルの不活化能力、操作性、経済性
の点で好ましい。そのうちでも、N−ベンジルピリジニ
ウムからなるカチオン性重合体部位は、該重合体部位の
4級塩からなるカチオン性部分とウイルスのアニオン性
部位との静電相互作用に加えて、該重合体部位中のベン
ジル基からなる疎水性部分とウイルスが有する疎水性部
分との疎水性相互作用が働いて、ウイルスを強固に吸着
し、不活化することができ、特に好ましい。
【0031】上記した温度応答性のカチオン性高分子化
合物は、既知の重合方法でえることができる。例えば、
上記した温度応答性重合体部位とカチオン性重合体部位
をブロック状および/またはグラフト状で有する高分子
化合物は、予め一方の重合体からなるプレポリマーやマ
クロマーを製造しておいて、それらを使用してブロック
状またはグラフト状の高分子化合物にしたり、一方の重
合体からなる幹ポリマーを形成しておき、それに他方の
モノマーをグラフト重合させる等の方法により製造する
ことができる。
【0032】限定されるものではないが、より具体的に
は、例えば3−メルカプトプロピオン酸のような連鎖移
動剤やモノヨード酢酸を用いたラジカル重合により重合
体末端に官能基を導入し、その官能基を利用して重合性
のメタクリロイル基やビニルベンジル基を導入すること
によって温度応答性マクロマーを製造することができ
る。また、アニオン重合可能なモノマーを用いる場合
は、開始剤として2−エチルピリジンのリチウム塩を用
いたアニオン重合において重合停止剤としてクロルメチ
ルスチレンを反応させても温度応答性マクロマーを合成
することができる。そして、そのようにして得られた温
度応答性マクロマーにカチオン性の基を有する上記した
ようなモノマーをブロック状またはグラフト状に重合す
ることにより、温度応答性のカチオン性高分子化合物を
得ることができる。また、他の例としては、末端に官能
基を有するカチオン性重合体と温度応答性重合体を別々
にプレポリマーとして合成し、各プレポリマーの末端部
を結合っせて温度応答性重合体部位とカチオン性重合体
部位とがブロック状態になった高分子化合物を得ること
もできる。
【0033】また、ウイルス不活化部位が上記した
(b)または(c)からなる温度応答性の高分子化合物
は、分子内に温度応答性部位および反応性基を有する高
分子化合物を重合等により製造した後、該反応性基に抗
体やレセプターまたはそれらの類似体を反応させること
により製造することができる。その一例を挙げると、グ
リジシルメタクリレートとイソプロピルアクリレートの
共重合体(例えば1:20の共重合体を合成した後、リ
ン酸緩衝液(pH6.8)中で、ウイルスの抗体(例え
ばケミコン社製のモノクロナール抗体である抗ヘルペス
Iや抗HIVp17など)と25℃で例えば24時間ゆ
っくりと撹拌しながら反応させることによって得ること
ができる。
【0034】本発明により処理できる被処理液の例とし
ては、アルブミン、グロブリン等の蛋白質や糖、脂質等
を含有する血漿、血清、血液成分、尿、リンパ液などの
体液や体液成分を含む水性液体、培地類や培養液、バイ
オプロダクトの溶液等を挙げることができる。しかしな
がら、被処理液はそれらに限定されず、ウイルス不活化
が必要な液はいずれも本発明の処理の対象になる。
【0035】温度応答性でウイルス不活化部位を有する
高分子化合物から主としてなる本発明のウイルス不活化
剤は、そのまま粉末等の固体状で直接被処理液に加えて
被処理液中で溶解させても、または予め水等に溶かして
溶液の形態にして加えてもよい。いずれの場合も、本発
明のウイルス不活化剤がウイルス不活化能を発現するた
めには、該高分子化合物が被処理液中で溶解状態でウイ
ルスと接触することが必要であり、そのために被処理液
の温度を温度応答性の該高分子化合物が被処理液中に完
全に溶解する温度にして該高分子化合物とウイルスとを
液中で接触させる。
【0036】その場合のウイルス不活化剤の被処理液へ
の添加量は、被処理液の種類、被処理液中に存在するこ
とが予想されるウイルスの量、蛋白質、糖、脂質糖の他
の成分の種類や量等により適宜調節するのがよい。通
常、被処理液中における温度応答性の水溶性高分子化合
物の濃度が約0.001〜5.0重量%程度、好ましく
は0.01〜1.0重量%になるようにするのがよい。
被処理液中のウイルスを不活化するのに要する時間は、
ウイルス不活化剤の種類、濃度、混和状態、ウイルス量
等にもよるが、ブラッドミキサー等で撹拌しながら被処
理液中のウイルスと液に完全に溶解させたウイルス不活
化剤とを積極的に接触させた場合には、約10分〜2時
間の混和時間でほとんどのウイルスが不活化される。
【0037】そして上記により、被処理液中のウイルス
がウイルス不活化剤中のウイルス不活化部位に吸着され
て、ウイルスとウイルス不活化剤との複合体が形成され
るので、その時点で被処理液の温度をウイルス不活化剤
の上限臨界溶解温度よりも低い温度、または下限臨界溶
解温度よりも高い温度にすると、該複合体の大半が微粒
子状、固相状、綿状、海綿状、スポンジ状等の形態で相
分離して析出してくるので、それを遠心分離、デカンテ
ーション、濾過等の従来既知の任意の方法で被処理液か
ら分離すると、大半のウイルスが被処理液が除かれる。
しかも被処理液中に残留したウイルスも複合体の形態に
なってそん活性を失っているので、被処理液中には活性
を有するウイルスが実質的に含まれないようになる。
【0038】また、本発明のウイルス不活化剤は、上記
したウイルス不活化部位を有する温度応答性の高分子化
合物の他に、必要に応じて、細胞や細胞膜保護物質、不
活化促進物質、塩等を含有していてもよい。
【0039】
【実施例】以下に本発明を実施例等により具体的に説明
するが、本発明はそれにより限定されない。また、下記
のすべての実施例および比較例において、ウイルス不活
化処理前およびウイルス不活化処理後の液中の細菌ウイ
ルスの数(pfu/ml)は次のようにして測定した。
【0040】細菌ウイルス数の測定 細菌ウイルス数の測定についてはプラーク形成法によっ
た。すなわち、細菌ウイルスが特異的に感染し得る宿主
細菌を用意し、その対数増殖中の宿主細菌と被測定ウイ
ルス液を混和した。その後、寒天平板にまいて、37℃
で12時間の培養を行った。ウイルスは12時間の培養
で宿主細胞に感染し、菌内で増殖を行うため死に至り、
その結果として、死細胞斑(プラーク)を形成する。確
認されるプラーク数と1個のプラーク形成に由来するウ
イルスの数から被測定ウイルス液中のウイルス数を測定
できる。
【0041】更に、各実施例および比較例において、そ
のウイルス不活化率(%)は下記の数式1により算出し
た。
【数1】 ウイルス不活化率(%)=(1−B/A)×100 [ただし、上記数式1において、 Aはウイルス不活化
処理前の被処理液中のウイルス数(pfu/ml)を、
Bはウイルス不活化処理後の被処理液中のウイルス数
(pfu/ml)を表す]
【0042】《実施例 1》2,2’−アゾビスイソブ
チロニトリル(AIBIN)0.05重量%を開始剤と
して使用して、トルエン中で、1重量%のモノヨード酢
酸の存在下に、イソプロピルアクリルアミド(IPAA
m)(10重量%)を60℃で16時間重合して、末端
基にカルボキシル基を有するIPAAm重合体を得た。
続いて、0.1重量%のハイドロキノンの存在下に、キ
シレン中で、該IPAAm(5.5重量%)の末端部の
カルボキシル基にグリシジルメタクリレート(4.6重
量%)を140℃で4時間反応させてIPAAm重合体
マクロマーを形成させた。
【0043】上記で得たマクロマー(9.0重量%)と
4−ビニルピリジン(4VP)(1.0重量%)とを、
AIBIN(0.01重量%)を開始剤として使用し
て、ジメチルホルムアミド中で4日間重合して、4VP
を幹成分とし、IPAAmを枝成分とするグラフト共重
合体を形成させた。このグラフト共重合体を、メタノー
ル中でベンジルクロライドと55℃で16時間反応させ
て、グラフト重合体中の4VPからなる幹成分のピリジ
ン基が4級塩であるベンジルピリジニウム塩の形態(Q
4VP)になったグラフト共重合体にした。
【0044】上記で得たグラフト共重合体の再沈・精製
を繰り返して、未反応のモノマー、マクロマー、ホモポ
リマー等を除去して、得られた共重合体についてIR、
NMRおよびGPC等による測定をしたところ、IPA
Amを枝成分とし、4VPおよびQ4VPからなる幹成
分を有しているグラフト共重合体であることが確認され
た。この共重合体は水中で約34℃で相転移し、34℃
未満の温度では水溶性であるが、34℃以上では水不溶
性となり、下限臨界溶解温度が約34℃である温度応答
性のカチオン性高分子化合物であった。
【0045】細菌ウイルスФX174を4×105pf
u/mlの割合で含む生理食塩水を調製してウイルス原
液とした。このウイルス原液に、上記で製造した下限臨
界温度が34℃の温度応答性のカチオン性高分子化合物
の水溶液を該高分子化合物の最終濃度が0.1mg/m
lとなるように添加し、25℃で30分間ゆっくりと撹
拌して該高分子化合物を溶解させた。次いで、液の温度
を40℃に昇温させたところ、添加した該高分子物質が
相転移して析出してきた。それを、40℃で10分間遠
心分離(3000rpm)して沈殿させ、透明になった
上澄液を採取して上澄液中に残存しているウイルス数を
上記した方法により測定した。上記の数式1によってウ
イルスの不活化率を算出したところ、そのウイルス不活
化率は99.99%以上であり、実質的にすべてのウイ
ルスが不活化されていた。
【0046】《実施例 2》細菌ウイルスФX174を
4×105pfu/mlの割合で含む牛血漿を調製して
ウイルス原液とした。このウイルス原液に、実施例1で
得られた下限臨界温度が34℃の温度応答性のカチオン
性高分子化合物の水溶液を該高分子物質の最終濃度が1
0mg/mlとなるように添加し、25℃で30分間ゆ
っくりと撹拌して該高分子化合物を溶解させた。次い
で、液の温度を40℃に昇温させたところ、添加した該
高分子化合物が相転移して析出してきた。それを、実施
例1と同様にして遠心分離して沈殿させ、透明になった
上澄液を採取して上澄液中に残存しているウイルス数を
上記した方法により測定し、上記の数式1によってウイ
ルスの不活化率を算出したところ、そのウイルス不活化
率は99.99%以上であり、実質的にすべてのウイル
スが不活化されていた。また、牛血漿中のアルブミンお
よびグロブリンの濃度は処理前の濃度と変化しておら
ず、このことから本発明のウイルス不活化方法は被処理
液中の有用蛋白質に悪影響を与えないことがわかる。
【0047】《実施例 3》単純ヘルペスウイルス1型
を約1×104pfu/mlの割合で含む人血漿を調製
してウイルス原液として使用して、実施例2と同様にウ
イルス不活化処理を行ったところ、ウイルス不活化率は
99.99%以上であった。
【0048】《実施例 4》ジイソシアネート−ジフェ
ニル−ジスルフィド(IPDS)(5重量%)を開始剤
として、4VPを80℃で8時間塊状重合して、末端に
イソシナネート基を有する4VP重合体を製造した。ま
た、IPAAm(10重量%)をアミノエタンチオール
(0.5重量%)の存在下に、ベンゼン中で、AIBI
N(0.05重量%)を開始剤として70℃で18時間
重合して末端にアミノ基を有するIPAAm重合体を製
造した。
【0049】次に、上記で製造したイソシアネート基末
端4VP重合体(1.0重量%)とアミノ基末端IPA
Am重合体(9.0重量%)とを5℃で5日間、テトラ
ヒドロフラン中デ反応させてブロック共重合体を製造し
た。このブロック共重合体を、メタノール中でベンジル
クロライドと55℃で16時間反応させて、ブロック重
合体中の4VPからなる部分のピリジン基が4級塩であ
るベンジルピリジニウム塩の形態(Q4VP)になった
ブロック共重合体にした。得られたブロック共重合体の
再沈・精製を繰り返して、ホモポリマー等を除去して、
得られた共重合体についてIR、NMRおよびGPC等
による測定をしたところ、IPAAm重合体部分と、4
VP/Q4VP重合体部分からなるブロック重合体であ
ることが確認された。この共重合体は水中で約33℃で
相転移し、33℃未満の温度では水溶性であるが、33
℃以上では水不溶性となり、下限臨界溶解温度が33℃
である温度応答性のカチオン性高分子化合物であった。
【0050】上記で製造したブロック共重合体からなる
温度応答性のカチオン性高分子化合物を用いて、細菌ウ
イルスФX174を4×105pfu/mlの割合で含
む生理食塩水からなるウイルス原液に対して、実施例1
におけると同様にウイルス不活化処理を行ったところ、
ウイルス不活化率は99.99%以上であった。
【0051】《実施例 5》細菌ウイルスФX174を
約1×105pfu/mlの割合で含む牛血漿を調製し
てウイルス原液として使用して、これに実施例4で製造
したブロック共重合体を添加して、実施例2と同様にウ
イルス不活化処理を行ったところ、ウイルス不活化率は
99.99%以上であった。
【0052】《比較例 1》AIBIN(0.02重量
%)を開始剤として、トルエン中で、IPAAm(10
重量%)を60℃で16時間重合してIPAAm重合体
を製造した。えられたIPAAm重合体は約32℃の下
限臨界溶解温度を有していた。細菌ウイルスФX174
を約1×105pfu/mlの割合で含む生理食塩水お
よび牛血漿からなるウイルス原液の各々を調製し、各ウ
イルス原液に実施例1におけるのと同様にして、上記で
製造したIPAAm重合体の水溶液を該重合体の最終的
な濃度が10mg/dlになるようにしてウイルス不活
化を行ったが、いずれもウイルス不活化率は50%であ
った。上記のIPAAm重合体は温度応答性重合体部位
のみからなり、ウイルスを吸着除去できるカチオン性重
合体部位を有しておらず、このことからウイルス不活化
剤は、所定の温度で水性液体から析出する温度応答性を
有し且つカチオン性の高分子物質である必要があること
がわかる。
【0053】《参考例 1》AIBIN(0.02重量
%)を開始剤として、ベンゼン中で、4VP(2.5重
量%)とIPAAm(12.5重量%)とを60℃で1
2時間重合体して、4VP:IPAAmが1:10のモ
ル比で共重合されたランダム共重合体を製造した。次
に、このランダム共重合体(2重量%)をメタノール中
でベンジルクロライド(10重量%)と55℃で16時
間反応させて、ピリジン環の4級化を行って、Q4V
P、VPおよびIPAAmを構成成分とするランダム共
重合体を得た。このランダム共重合体は、上限または下
限の臨界溶解温度を有していなかった。
【0054】上記のランダム共重合体を使用して、実施
例1と同様にして、細菌ウイルスФX174を約1×1
5pfu/mlの割合で含む生理食塩水からなるウイ
ルス原液のウイルス不活化処理を行ったところ、0〜5
0℃の範囲ではウイルスを吸着した重合体の析出が生じ
なかったが、液中のウイルスの99.9%を不活化して
いた。この参考例1では、不活化されたウイルスが液か
ら分離されず活性を失ってそのまま液中に残留してい
る。
【0055】《参考例 2》AIBIN(0.02重量
%)を開始剤として、ベンゼン中で、4VP(1重量
%)とIPAAm(10重量%)とを60℃で12時間
重合体して、4VP:IPAAmが1:20のモル比で
共重合されたランダム共重合体を製造した。次に、この
ランダム共重合体(2重量%)をメタノール中でベンジ
ルクロライド(10重量%)と55℃で5時間反応させ
て、ピリジン環の4級化を行って、Q4VP、VPおよ
びIPAAmを構成成分とするランダム共重合体を得
た。このランダム共重合体の下限臨界溶解温度は35℃
であったものの、ウイルス不活化能を有していなかっ
た。
【0056】上記のランダム共重合体を使用して、実施
例1と同様にして、細菌ウイルスФX174を約1×1
5pfu/mlの割合で含む生理食塩水からなるウイ
ルス原液のウイルス不活化処理を行ったところ、0〜5
0℃の範囲ではウイルスを吸着した重合体の析出が生じ
ず、また液中のウイルス不活化率は50%以下であっ
た。この参考例2で用いたランダム重合体は、カチオン
性部位の含有割合が低く、そのためにウイルス不活化率
が低い値にとどまったことが予想される。
【0057】
【発明の効果】本発明のウイルス不活化剤およびウイル
ス不活化方法によると、被処理液の温度をウイルス不活
化剤が溶解する温度からウイルス不活化剤が不溶性にな
る温度に変化させるという極めて簡単な操作で、被処理
液中のウイルスを容易に且つ極めて高率で被処理液から
分離し且つ不活化することができる。そのため、本発明
による場合は、ウイルス不活化剤の残留および不活化さ
れたウイルスの液中での残留という問題がなく、ウイル
スが完全に除去・不活化された液を得ることができる。
【0058】更に、本発明のウイルス不活化剤およびウ
イルス不活化方法は、蛋白質、糖、脂質等の他の成分を
含有する液に対しても有効に使用することができ、それ
らの有用成分への悪影響を及ぼさない。そのため、本発
明のウイルス不活化剤およびウイルス不活化方法は、医
療・医薬分野、生化学・理化学分野、食品・健康分野、
農業分野等の種々の分野において利用でき、ウイルスや
バクテリオファージの除去・不活化に有効である。特
に、近年、輸血や血液製剤・血漿製剤によるウイルス感
染や院内感染が大きな社会問題となりつつあるが、本発
明は血液や血漿からのウイルスの除去・不活化技術とし
て極めて有効である。その他、遺伝子組換技術や動植物
組織より得られるバイオプロダクト、培養液、培地、医
療用や実験用の水、医薬品等からのウイルスの除去・不
活化技術として極めて有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 直樹 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口1500番地 テルモ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性液体中において所定の臨界温度で水
    溶性から水不溶性へと変化し且つウイルス不活化部位を
    有する高分子化合物を主成分とするウイルス不活化剤。
  2. 【請求項2】 被処理液に、水性液体中において所定の
    臨界温度で水溶性から水不溶性へと変化し且つウイルス
    不活化部位を有する高分子化合物を主成分とするウイル
    ス不活化剤を添加し、該高分子化合物を溶解した状態で
    被処理液中のウイルスと接触させた後、被処理液の温度
    を変化させて該高分子化合物を析出させて被処理液より
    分離することを特徴とするウイルスの不活化方法。
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