JPH05170408A - 窒化アルミニウムの製造方法 - Google Patents

窒化アルミニウムの製造方法

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JPH05170408A
JPH05170408A JP26822691A JP26822691A JPH05170408A JP H05170408 A JPH05170408 A JP H05170408A JP 26822691 A JP26822691 A JP 26822691A JP 26822691 A JP26822691 A JP 26822691A JP H05170408 A JPH05170408 A JP H05170408A
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aluminum
arc
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aluminum nitride
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JP26822691A
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English (en)
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Ryoda Sato
亮拿 佐藤
Kichinosuke Shoji
吉之助 荘司
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MANYOU HOZEN KENKYUSHO KK
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MANYOU HOZEN KENKYUSHO KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B21/00Nitrogen; Compounds thereof
    • C01B21/06Binary compounds of nitrogen with metals, with silicon, or with boron, or with carbon, i.e. nitrides; Compounds of nitrogen with more than one metal, silicon or boron
    • C01B21/072Binary compounds of nitrogen with metals, with silicon, or with boron, or with carbon, i.e. nitrides; Compounds of nitrogen with more than one metal, silicon or boron with aluminium
    • C01B21/0722Preparation by direct nitridation of aluminium

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特別な窒化性ガスや雰囲気炉を使用すること
なく、大気中で速やかに窒化アルミニウムを製造するこ
とができ、これにより設備費,窒化性ガス費の低減と、
生産性の向上とが相まって窒化アルミニウムの生産コス
トを大幅に低減することができ、しかも原料アルミニウ
ムとしてインゴットやスクラップの塊状のものを使用す
ることができる窒化アルミニウムの製造方法を得る。 【構成】 多数の黒鉛電極1〜3,1A〜3Aに多相交
流電圧を印加して大気中で複数のアーク放電を発生させ
ると同時に、該複数のアーク放電により大気中の酸素と
黒鉛電極の炭素とを反応させて還元性アーク雰囲気10
を形成し、該還元性アーク雰囲気中で、黒鉛坩堝11内
の金属アルミニウムを溶融し、窒化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は窒化アルミニウムの製
造方法に関し、特に大気中で強還元性高温アークを発生
して窒素を原子化し、該原子化した窒素によって金属ア
ルミニウムを窒化処理して短時間で窒化アルミニウムを
製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の窒化アルミニウムの製造方法とし
ては、N2 ガスやNH3 ガス等の窒化性ガス中でアルミ
ナ(Al2 3 )と炭素の混合物とを加熱する還元窒化
法や、金属アルミニウムを窒化性ガス中で加熱する直接
窒化法、その他アルミニウムハライド,つまりアルミニ
ウムのハロゲン族との化合物を窒化性ガス中で窒化する
方法がある。
【0003】上記直接窒化法には、金属アルミニウム粉
末を直接窒化する方法があり、その一例として、特開平
2−102110号公報等には、熱プラズマを用いて窒
化アルミニウムの製造や熱処理を行う方法が示されてい
る。
【0004】また直接窒化法には、アルミニウム棒を電
極として窒素気流中でアーク放電させて窒化アルミニウ
ムを合成する方法もあるが、いずれも窒素またはアンモ
ニアガスなどの窒化性ガス中で処理を行うものである。
【0005】また金属アルミニウムを電極として窒素ガ
ス中でアーク放電させる方法では、比較的速やかに効率
よくアルミニウムの窒化処理ができるが、電極先端部に
おいて生成した窒化アルミニウムにより放電が停止する
という問題やアーク熱によるアルミニウム電極の溶融量
制御に困難があるという問題があり、特別な対策が必要
とされる。
【0006】例えば、特公昭53−15720号公報に
は、上記放電停止の対策として、電極を振動させて窒化
アルミニウムを振り落とし、その後対向する電極を接触
し、引き離して放電を再開させる方法が示されている
が、この方法では、電極が加熱されるので、電極を溶融
しないよう冷却する機構が必要となり、装置の構造が複
雑になってしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の窒化
アルミニウムの製造方法は、全て窒素またはアンモニア
ガスなどの窒化性ガスを炉内に導入して長時間にわたり
加熱処理しているため、窒化性ガスの雰囲気を形成する
ための雰囲気炉が必要となり、窒化アルミニウムを製造
するための設備に費用がかかり、また窒素ガスやアンモ
ニアガス等の窒化性ガスにも費用がかかり、窒化アルミ
ニウムの生産コストは高いものとなっていた。
【0008】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、特別な窒化性ガスや雰囲気炉を
使用することなく、大気中で速やかに窒化アルミニウム
を製造することができ、これにより設備費,窒化性ガス
費の低減と、生産性の向上とが相まって窒化アルミニウ
ムの生産コストを大幅に低減することができ、しかも原
料アルミニウムとしてインゴットやスクラップの塊状の
ものを使用することができる窒化アルミニウムの製造方
法を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る窒化アル
ミニウムの製造方法は、多数の黒鉛電極に多相交流電圧
を印加して大気中で複数のアーク放電を発生させると同
時に、該複数のアーク放電により大気中の酸素と黒鉛電
極の炭素とを反応させて還元性アーク雰囲気を形成し、
該還元性アーク雰囲気中でアルミニウムを溶融し、窒化
するものである。
【0010】この発明は、上記窒化アルミニウムの製造
方法において、上記多数の黒鉛電極の中心部に接地され
たニュートラル電極を配置したものである。
【0011】この発明は、上記窒化アルミニウムの製造
方法において、上記黒鉛電極を上記ニュートラル電極の
周囲に偶数個配置し、単相交流電源あるいは直流電源の
出力を上記各黒鉛電極にその極性が隣接するもの同士で
は逆になるよう接続したものである。
【0012】この発明は、上記窒化アルミニウムの製造
方法において、上記ニュートラル電極として、アルミニ
ウムを撚線状等に束ねたものを用いたものである。
【0013】この発明は、上記窒化アルミニウムの製造
方法において、上記ニュートラル電極としてパイプ状に
形成したものを用い、該電極を通してアルミニウム粉体
を還元性アーク雰囲気中に供給するようにしたものであ
る。
【0014】この発明に係る窒化アルミニウムの製造方
法は、3相交流電源に接続される端子と、3相交流の供
給を各相ごとに点弧制御する位相制御回路と、1次側に
3相の1次コイルを、2次側に単相の2次コイルを巻回
した単相鉄芯を有し、上記3相の1次コイルが上記位相
制御回路を介して3相交流電源に接続された変圧部とを
備え、単相交流を出力する電源装置を用い、該電源装置
の出力を少なくとも一対の黒鉛電極の各々間に印加して
大気中でアーク放電を発生させ、これと同時に該アーク
放電により大気中の酸素と黒鉛電極の炭素とを反応させ
て還元性アーク雰囲気を形成し、該還元性アーク雰囲気
中でアルミニウムを溶融し、窒化するものである。
【0015】この発明は、上記窒化アルミニウムの製造
方法に用いる電源装置において、上記3つの1次コイル
のうちの1相を逆相としたものである。
【0016】この発明は、上記電源装置において、第3
相を逆相とし、上記位相制御回路を、第1相を約120
°〜約180°で点弧し、第2相を約0°〜約180°
で点弧し、第3相を約60°〜約180°で点弧するよ
う構成したものである。
【0017】
【作用】この発明においては、多数の黒鉛電極に多相交
流電圧を印加し大気中で複数のアーク放電を発生させ、
これにより得られるアーク雰囲気中でアルミニウムを溶
融,窒化するようにしたから、大気中の酸素と黒鉛電極
の炭素との反応により一酸化炭素が生じるとともに、高
温のアークにより大気中の窒素が分解されて原子状とな
り、これにより極めて還元性に富み強烈な窒化性能を有
するアーク雰囲気が形成されることとなる。このため該
アーク雰囲気中ではアルミニウムは酸化反応を起こすこ
となく、速やかに窒化される。
【0018】またこの発明においては、上記多数の黒鉛
電極の中心部に接地されたニュートラル電極を配置した
ので、ニュートラル電極と各黒鉛電極との間にもアーク
が発生することとなり、強力なプラズマアークを発生す
ることができる。
【0019】またこの発明においては、上記黒鉛電極を
上記ニュートラル電極の周囲に偶数個配置し、単相交流
電源あるいは直流電源の出力を上記各黒鉛電極にその極
性が隣接するもの同士では逆になるよう接続したので、
3相交流電源の設備のないような場所でも、窒化アルミ
ニウムの製造が可能である。
【0020】またこの発明においては、上記ニュートラ
ル電極として、アルミニウムを撚線状等に束ねたものを
用いる、あるいは上記ニュートラル電極としてパイプ状
に形成したものを用い、該電極を通してアルミニウム粉
体を還元性アーク雰囲気中に供給するようにしたので、
原料のアルミニウムを連続的にアーク雰囲気内に供給す
ることができ、窒化アルミニウムの生産性を向上するこ
とができる。
【0021】この発明においては、3相交流電源に接続
される端子と、3相交流の供給を各相ごとに点弧制御す
る位相制御回路と、1次側に3相の1次コイルを、2次
側に単相の2次コイルを巻回した単相鉄芯を有し、上記
3相の1次コイルが上記位相制御回路を介して3相交流
電源に接続された変圧部とを備え、単相交流を出力する
電源装置を用い、該電源装置の出力を少なくとも一対の
黒鉛電極の各々間に印加して大気中でアーク放電を発生
させ、これと同時に該アーク放電により大気中の酸素と
黒鉛電極の炭素とを反応させて還元性アーク雰囲気を形
成し、該還元性アーク雰囲気中でアルミニウムを溶融
し、窒化するようにしたので、従来の単相交流電源の正
弦波出力とは異なり、急峻に高電圧に立ち上がりこれか
ら垂下状に零となる鋸歯状出力が得られることとなり、
該鋸歯状出力により安定した高温のアークを大気中で発
生することができる。このため大気中の窒素が分解され
て原子状となり、これにより極めて還元性に富み強烈な
窒化性能を有するアーク雰囲気が形成されることとな
り、該アーク雰囲気中でアルミニウムを酸化反応を発生
することなく、速やかに窒化することができる。
【0022】またこの発明においては、上記窒化アルミ
ニウムの製造方法に用いる電源装置において、上記3つ
の1次コイルのうちの1相を逆相としたので、2次側に
60サイクルの鋸歯状波が得られることとなり、3倍周
波(180サイクル)の鋸歯状波よりもリアクタンス損
失が少なく、その分強力なプラズマアークの発生が可能
となる。
【0023】さらにこの発明においては、上記電源装置
において、第3相を逆相とし、上記位相制御回路を、第
1相を約120°〜約180°で点弧し、第2相を約0
°〜約180°で点弧し、第3相を約60°〜約180
°で点弧するよう構成したので、大きな波高の60サイ
クルの鋸歯状波が得られ、プラズマアークのパワーアッ
プが可能である。
【0024】
【実施例】以下この発明の実施例を図について説明す
る。図1及び図2は本発明の一実施例による窒化アルミ
ニウムの製造方法を説明するための図であり、図1は上
記方法に用いるマルチアーク照射装置とアルミニウムの
塊を搬送する搬送装置とを示す図、図2は該マルチアー
ク照射装置の電極及びこれに3相電圧を供給する電源な
どの構成を示す図である。
【0025】図において、100は架台101上に載置
され、金属アルミニウムに大気中にてマルチアークを照
射するマルチアーク照射装置、130はアルミニウムの
塊を収容した坩堝11をマルチアーク照射装置100の
下側まで搬送するとともに、マルチアーク照射後の窒化
アルミを搬出する坩堝の搬送装置である。また120は
上記マルチアーク照射装置の真下に配置され、搬送装置
130によって送られてきた坩堝11を昇降する坩堝昇
降装置である。
【0026】上記アーク照射装置100は6本の黒鉛電
極1,2,3,1a,2a,3aを有しており、各電極
は図2に示すように逆円錐形状を形成するよう、かつ電
極先端部9に収束するよう、上方からみて等角度60°
で放射状に並んでいる。各電極は電極送り機構(図示せ
ず)によって進退自在となっており、電極の消耗に対し
て調整される。また、4,5,6は3相交流出力の電流
位相調整装置で、アークの強さ加減を調整するためのも
の、10は6本の黒鉛電極1,2,3,1a,2a,3
a間で複数のアークが得られると同時に、電極先端部9
で下方に向けて噴出するよう得られる非移行性プラズマ
アーク、12は窒化アルミニウムの原料であるアルミニ
ウム金属の塊、11はこれらを収容する坩堝である。ま
た7は上記位相調整器を介して上記各黒鉛電極に3相交
流電力を供給する3相交流電源である。
【0027】ここで上記3相多相電極によって発生され
るマルチアークは、以下の特色を有するものである。 大気中,液体中,真空中を問わず、マイナス電子イ
オンを帯びた超高温アークが発生する。 スイッチオンと同時に4000℃以上の熱源を得ら
れるため、高融点物質でも溶融,溶解できる。 電極の先端に回転磁界が発生するため、被照射物に
対する電気的撹拌作用や活性化作用が期待できる。 3の倍数で相数,電極数を増やすことが可能で電極
径を太くするとともに負荷電流を増大して大容量の物質
でも短時間で処理できる。 3相,6相などの多相交流を用いており、各相の合
計電流は常に0となり、アース線が不要のため、アーク
があえて電極などの対極を必要しない非移行性のものと
なり、従って金属以外の物質でもこれを相手電極とする
必要はないため導電性を有しない耐火物などをも直接加
熱,焼結,溶融させることができる。 放射状に配列された複数の電極の中心部にニュート
ラル電極を設けることにより、さらに強力なプラズマア
ークが発生する。 上記ニュートラル電極を設けるかわりに、この中心
部から溶剤またガスなどを放出することもできる。
【0028】次に製造方法について説明する。窒化アル
ミニウムの原料であるアルミニウム金属の塊を坩堝内に
入れて搬送装置130上に搬入する。すると坩堝11は
搬送装置130上をアーク照射装置100の電極真下部
分に向かって移動する。そして電極先端部の真下位置ま
できたとき一旦搬送装置を停止し、今度は坩堝昇降装置
120を駆動して坩堝を黒鉛電極の先端基部まで移動さ
せる。そしてこの状態で3相電源装置7をオンし、6本
の黒鉛電極の先端にマルチアーク10を発生させる。す
ると坩堝11内のアルミニウムの塊がマルチアーク10
の照射によって加熱,溶融され、空気中の窒素と反応し
て窒化アルミニウムとなる。
【0029】詳しく説明すると、上記6本の電極に3相
交流電圧を印加して放電させると、アーク電流で生じた
磁場の作用によって各電極間に生じたアークは収束し、
1つの超高温アークとなって電極先端部から被照射物に
対して直接照射,加熱する。このように電極に黒鉛棒を
使用し大気中で放電させると黒鉛炭素の分解で生じた一
酸化炭素は極めて還元性に富むアークを形成し、アルミ
ニウムの酸化を完全に防ぐ。また大気中の窒素は分解し
て原子状となり強烈な窒化性能を有することとなり、ア
ルミニウムを速やかに窒化する。このような高温状態、
例えば6700℃では雰囲気中の約30%の窒素が分解
して原子状の窒素(N)となり、また1%の窒素がイオ
ン化(N+ )することが知られている。多数交流アーク
ではこの程度の火炎温度は容易に得られるので、この高
温アーク気圏で坩堝11に装入したアルミニウム浴を覆
えば上記アルミニウムの窒化を速やかに行うことができ
る。また坩堝内で溶融したアルミニウムの表面には窒化
アルミニウム被膜が形成されるが、高温アークによる引
き続いての照射によって被膜は溶融し激しい窒化反応が
起こり、短時間内に内部まで窒化反応が進むことにな
る。
【0030】その後3相電源装置7をオフしてマルチア
ーク10の発生を停止し、坩堝昇降装置120を駆動し
て坩堝11を搬送装置130上に下ろし、搬送装置13
0を駆動して処理済の坩堝11aを搬出するとともに、
未処理の坩堝11bを黒鉛電極の真下の位置まで移動さ
せる。この間上記窒化アルミニウムは冷却されることと
なる。その後は上記動作を繰り返して窒化アルミニウム
を生成する。
【0031】なお、ここでは高温処理のため黒鉛坩堝を
使用しているが、その代わりに、該黒鉛坩堝内面にアル
ミニウム粉末を置き、高温アークを照射して上記アルミ
ニウム粉末を一部溶融させて焼き付けてコーティングし
た坩堝を使用すれば、炭素の吸収を防ぐことができる。
【0032】また高温アークの加熱のため、原料の金属
アルミニウムの蒸発や生成した窒化アルミニウムの分解
による窒化アルミニウムの損失があり、当初における一
連の実験結果では、坩堝内に挿入したアルミニウム量に
対する生成窒化アルミニウム量から計算される損失アル
ミニウム量は、装入アルミニウム量100gに対し約2
0gである。しかし蒸発したアルミニウムは高温のアー
ク気圏において微細な窒化アルミニウムとなり、吸引,
集塵されることとなるので、適当なフィルタを設けてこ
れを捕捉するようにすれば、窒化アルミニウムの回収率
を高めることができると考えられる。
【0033】また上述した窒化処理によって少量の未反
応の金属アルミニウムが残留しても比較的まとまった状
態で生成窒化アルミニウムと融離して存在するので、容
易に分別することができる。
【0034】以下に実験例をあげる。黒鉛電極6本を有
する3相交流アーク発生装置を使用するとともに、内面
に窒化アルミニウムをコーティングした黒鉛坩堝を使用
し、設定電流175A,電力水準52.5kwhの条件
でもって空気中でマルチアークを発生し、これを上記黒
鉛坩堝に装入した純アルミニウム片100gに照射加熱
した。3分間の照射で、坩堝内に123gの窒化アルミ
ニウムを得た。回収率は81%であった。なお未反応ア
ルミニウムの残留は認められなかった。
【0035】このように本実施例では、多数の黒鉛電極
に多数交流電圧を印加し、大気中で放電して高温アーク
を発生させ、坩堝中に挿入した金属アルミニウム塊に上
記高温アークを照射して加熱,溶融させるようにしたの
で、大気中に21容量%存在する酸素が電極の炭素と結
合して一酸化炭素となり、極めて還元性の高い雰囲気を
作り出し高温状態のアルミニウムの酸化を防ぐ。一方大
気中に79容量%存在する窒素は窒化ガスとして働く
が、これはアーク気圏の超高温では原子化して強烈な窒
化作用を発揮する。このため窒化性ガスや雰囲気炉を使
用する必要がなく、大気中で速やかに高純度の窒化アル
ミニウムを製造することができ、設備費,窒化性ガス費
の低減と、生産性の向上とが相まって窒化アルミニウム
の生産コストを大幅に低減することができる。また原料
のアルミニウムは微細な粉末状や電極形状に成形する必
要はなく、原料アルミニウムとしてインゴットやスクラ
ップの塊状のものを使用することができ、経済的であ
る。
【0036】また本実施例では、原料のアルミニウムは
粒子表面の酸化をまぬがれないアルミニウム粉末ではな
く、インゴット等の塊の状態のものを使用するため、生
成した窒化アルミニウムと残留未反応アルミニウムは混
在することなく、ある程度まとまって分散した状態で存
在することとなり、これらの分離が容易である。また未
反応アルミニウムの表面にできた窒化アルミニウム膜は
マルチアークのエネルギーによって破壊されるので、内
部のアルミニウムも十分窒素と反応することとなり、ア
ルミニウムの残存混入現象は発生することがない。さら
に黒鉛を添加しないから炭素の残留はなく、酸化物,金
属アルミニウム,炭素の混入のない純粋な窒化アルミニ
ウムを得ることができる。
【0037】なお上記実施例では、6本の黒鉛電極を用
いてプラズマアークを発生する方法について説明した
が、上記同一円周上に配置された6本の黒鉛電極の中心
に接地されたニュートラル電極を配置してもよい。例え
ば6本の黒鉛電極の中央部に太いニュートラル電極を置
けばさらに上記アークのエネルギーを増大することがで
き、かつこのニュートラル電極として、図3(a) に示す
ように原料のアルミニウムを撚線状等に束ねたもの33
1aを用い、あるいは図3(b) に示すように、パイプ状
331bに形成してその中央に必要なアルミニウム粉体
331cを通すようにすれば、これにより所望の成分の
窒化アルミニウムを得ることができる。
【0038】さらに、図3(a)に示すように、黒鉛電極
332を円筒状に形成し、中心孔に例えばアルミニウム
粉末340を通すようにしてもよい。
【0039】また黒鉛電極の内部はアルミニウムの粉体
でもよいが、場合によっては不活性ガスを発生させるフ
ラックスとして適正な雰囲気をつくることもできる。
【0040】また、図4に示すように、坩堝438の中
にあらかじめ原料アルミニウム437を収容しておくと
ともに、電極439からアルミニウム粉体を供給するよ
うにしてもよい。また電極以外の管材439aからアル
ミニウムを一定の速さで投入するようにしてもよく、こ
れにより、品質の向上と製造の量産化とを促進させるこ
とができる。
【0041】また所定位置に配置した複数の黒鉛電極の
間の領域にアルミニウム材を供給する同時に、近接する
黒鉛電極間に電圧を印加してアルミニウムの窒化を行っ
てもよく、この場合従来のようなアルミ電極の溶融によ
るアークの停止はなく、アルミニウムに電圧を印加しな
くても強力なアークでアルミが溶けてその窒化反応が行
われる。
【0042】また直径50mm,あるいは100mmの
黒鉛電極6本あるいは12本をその先端が所定の円周上
に位置するよう配置し、各黒鉛電極間にアークを発生さ
せ、アルミニウム,炭素,さらに触媒を混合した原材料
を、黒鉛電極上方から黒鉛電極の内側中央部に徐々に降
下させていき、溶融,窒化させるようにしてもよい。
【0043】さらに上記固定式の電極構造に代えて、各
黒鉛電極の先端が常に所定の位置関係を保つよう黒鉛電
極の消耗に応じて黒鉛電極を自動的にアーク中心部に送
り出す電極構造を用い、アーク中心部にプラズマジェッ
ト炎を処理炉内にて発生させてもよく、このプラズマト
ーチのマルチアーク中心部に必要なガス、炭素やアルミ
ニウムの粉体流、さらには気体や液体の触媒や燃料等を
注入し、一万ないし二万度のプラズマアーク炎を発生す
るようにしてもよい。
【0044】図5は本発明の第2の実施例を示し、図5
(a) は2つの単相交流電源を用いて窒化アルミニウムを
製造する方法を示している。図において、570はニュ
ートラル電極、571〜574はその回りに配置された
4つの黒鉛電極、551,561はそれぞれ第1,第2
の単相交流電源の二次コイルで、各コイルの中点55
2,562は上記ニュートラル電極570に接続され、
また上記各二次コイル両端は、上記4つの電極571〜
574に、これらの電極の極性が隣接するもの同士では
逆になるよう接続されている。この場合4つの電極57
1〜574の間、及びこれらの電極とニュートラル電極
570との間に大気中で合計8つのアークが発生するこ
ととなり、このアークによって還元性アーク雰囲気を形
成し、該雰囲気内でアルミニウムの窒化を行う。
【0045】図5(b) は本発明の第2の実施例の変形例
を示し、ここでは上記2つの単相交流電源に代えて1つ
の単相交流電源を用いている。すなわち581は単相交
流電源の2次コイルで、その中点582はニュートラル
電極570に、その両端は上記実施例と同様、上記4つ
の電極571〜574に、これらの電極の極性が隣接す
るもの同士では逆になるよう接続されている。
【0046】また図5(c) は上記第2実施例の第2変形
例を示し、これは上記変形例において、電極数及び配置
を変更したものであり、図に示すように3つの電極57
5,576,577を所定の三角形の頂点に配置し、そ
のそれぞれに上記二次コイル581の中点582及び両
端を接続している。
【0047】この場合は、各電極相互間に3つのアーク
が発生し、これによって還元性アーク雰囲気を形成する
ことができる。
【0048】なお、上記第2変形例では、3つの電極を
三角形の頂点に配置したが、これは図7(d) に示すよう
に一つの直線上に配置してもよい。また上記第2の実施
例では、電源として単相交流電源を用いた場合を示した
が、これは直流電源を用いてもよい。
【0049】また上記各実施例では、多相交流電力を多
電極間に印加して還元性アーク雰囲気を発生する場合に
ついて説明したが、電源装置として、3倍周波,鋸歯状
波を発生する3相入力単相出力方式(3倍周波各種)の
電源を用いてもよい。特に1相,2相の間に第3相の逆
相を組合わせた3相入力単相出力(60サイクル3波重
畳式)はパワーがあってよい。
【0050】以下このような3相入力単相出力方式電源
を用いた実施例について説明する。図6(a) はこの発明
の第3の実施例による窒化アルミニウムの製造方法に用
いる電源装置を示す。図において、631,632,6
33は3相交流電源の各相出力、634は3相交流電源
の供給を各相の120°〜180°の範囲のみ行うよう
制御する位相制御回路、639は1次側に3つの1次コ
イル635,636,637を、2次側に1つの2次コ
イル638を巻回した薄鉄板の積層体からなる鉄芯を有
する変圧器、642はアース、601は上記位相制御回
路634及び変圧器639からなる電源装置である。ま
た640は2次コイル638の一端に接続された黒鉛電
極、641は2次巻線638のアース端642に接続さ
れた導電性材料からなる坩堝、643はアークである。
602はアルミニウムの窒化処理を行う処理部である。
【0051】図6(b) は上記位相制御回路634の詳細
を示し、図中650a,650b,650cはサイリス
タ、651は3相交流の各相の正弦波の零クロス点を検
出する零クロス点検出器、652a,652b,652
cは該零クロス点検出器651の出力を受け、各相のサ
イリスタ650a,650b,650cの点弧角を調整
する位相調整器である。
【0052】次に動作について説明する。3相交流電源
631,632,633より変圧器639の3相コイル
635,636,637への通電は、位相制御器634
によって制御され、図7(a) に示すように第1,第2,
第3のコイル635,636,637には、各相の交流
正弦波形X,Y,Zの位相角120度〜180度の範囲
(Xについてはcとf,Yについてはbとe,Zについ
てはaとd)内においてのみ通電が行われ、それ以外の
時間は各コイルは開放状態である。
【0053】このようにして3相の各コイル635,6
36,637に順次通電が繰り返されると、鉄芯内には
図7(b) に示すように3倍周波の垂下特性を持った磁束
が誘導され、これにより2次コイル638には同じく図
7(b) に示すような鋸歯状の3倍周波の電流が誘導され
ることとなる。
【0054】そして、この鋸歯状の3倍周波の電流が処
理部602の黒鉛電極640に印加され、坩堝641中
のアルミニウム644との間で大気中にてアーク643
を発生して還元性アーク雰囲気を形成する。そしてこの
雰囲気内でアルミニウムの窒化反応が行われて窒化アル
ミニウムが形成される。
【0055】この際、上記のような3相入力単相出力の
電源装置をアークの発生に用いると以下に述べる効果が
得られる。 上記のように2次側の単相出力としては、1次側の
3相交流の3倍の周波数、すなわち60サイクルに対し
180サイクルが得られるので従来の3相/単相変換装
置を用いた場合に比べて3倍のスピードでアークが発生
する。 従来の3相/単相変換電源装置では、得られる単相
出力は正弦波であるが、本発明により電源出力値には急
峻に高電圧に立上り、これから垂下状に零となる鋸歯状
波が得られるため、アークによるアルミニウムの窒化処
理時にアークが出やすくかつ安定したアークが得られ
る。すなわち、本電源装置は本質的に垂下特性を持った
電源となっており、アークの発生処理には極めて好都合
である。 本発明の電源は上述のように垂下特性を備えたもの
であるので、この垂下特性を得るために従来一般に使用
されている漏洩磁束型の装置、または飽和リアクトル等
を用いる必要がなく、これに伴う損失や力率の低下を生
ずることがない。 また、得られる周波数が3倍となるので、変圧器が
小型となり、重量が従来の1/3で済み、大変小型軽量
となる。また構造が簡単で小型軽量となるので、製造コ
ストも大幅に低減できる。 また、従来の装置では無負荷電圧が60V〜100
V必要であったが、本発明では35V〜55Vで済み、
安全であるとともに取扱いも簡単で技術の熟練を必要と
せず、かつ自動化も容易である。 1相の交流正弦波形の点弧角を120度を中心に前
後に適当に調整することにより、アークの強さを大きく
調整することができる。つまり、調整範囲を従来に比べ
て広くすることができ、コンピュータによる自動制御を
行うことによって従来不可能であった領域の溶融を可能
にし、かつ溶融安定性を得ることができる。 また、小型軽量でかつアークが安定しているので、
これをロボットに搭載することにより大型のアーク処理
を行うことができる。すなわち、同じ重量で従来の3倍
の溶融能力を発揮できる。
【0056】図8(a) はこの発明の第4の実施例による
窒化アルミニウムの製造方法において用いる電源装置を
示し、ここでは上記第3の実施例の電源装置において第
3相を逆相にしたものである。この実施例においては3
相を約120°〜約180°間で点弧すると、得られる
波形は図8(b) のような波形となり、一周期において+
側に3個の鋸歯状波が、−側に3個の鋸歯状波が得られ
ることとなる。つまり3相60サイクルの電源入力に対
し、単相60サイクルでありながら1秒間に360個の
鋸歯状波が得られることとなる。
【0057】このように1相のみを逆相として3相の各
々を約120°〜約180°で位相制御すれば、2次側
に上記のような60サイクルの鋸歯状波が得られるの
で、これを還元性雰囲気のためのアークの発生に使用す
れば、180サイクルの鋸歯状波よりもリアクタンス損
失が少なく、それだけ加熱エネルギーが増大することと
なって有利となる。
【0058】図9(a) はこの発明の第5の実施例を示
し、これは上記第4の実施例の電源装置のように3相を
逆相にするとともに、1相を約120°〜約180°、
2相を約0°〜約180°、3相を約60°〜約180
°で点弧するようにしたものであり、この場合は図9
(b) のように、大きな波高の60サイクルの鋸歯状波
(60サイクル3波重畳式の波形)が得られ、パワーが
あってさらによいものである。またここで上記位相制御
回路634を、第3相を常に開放とし、第1相及び第2
相を約120°〜約180°間で点弧するよう構成すれ
ば(図10(a) )、図10(b) のように、一周期におい
て+側及び−側にそれぞれ、所定間隔を置いて2個の鋸
歯状波が得られ、つまり+側及び−側に中休み期間を持
つ波形が得られる。この中休み期間を持つ波形は、位相
制御回路634の回路構成の変更によるものに限らず、
その代わりに変圧器を1次側に第1相と第2相の2つの
コイルのみを有する構成としてもよい。
【0059】また、1次及び2次コイルの数は、上記各
実施例で示したものに限定されず、それらの倍数にして
もよい。
【0060】また上記説明では、各相の点弧開始時期が
約120°であり、アーク発生用の電流波形の鋸歯状波
が図7(b) のような形状である場合を示したが、点弧開
始時期を100°程度にすれば、立ち上がり位置がより
前方となり、かつ立上り波形の上端頭部が丸みを帯びた
鋸歯状波が得られ、用途によってはこのような波形のア
ーク発生用電流を用いることもできる。
【0061】
【発明の効果】以上のように本発明にかかる窒化アルミ
ニウムの製造方法によれば、多数の黒鉛電極に多相交流
電圧を印加し、大気中でマルチアークを発生させ、該マ
ルチアークによって金属アルミニウムを加熱,溶融処理
するようにしたので、黒鉛電極の炭素と空気中の酸素に
よって形成される一酸化炭素雰囲気によってアルミニウ
ムの酸化を防止しつつ、分解して原子状になった活性窒
素によってアルミニウムを速やかに窒化することがで
き、効率よく窒化アルミニウムを製造することができ
る。
【0062】この結果特別な窒化性ガスや雰囲気炉を使
用せず、効率的に窒化アルミニウムを製造することがで
き、また原料のアルミニウムは微細な粉末状や電極形状
に成形する必要はなく、インゴットやスラグがそのまま
使用でき極めて経済的である。
【0063】さらに、原料の金属アルミニウムには粒子
表面の酸化をまぬがれないアルミニウム粉末ではなく、
インゴット等の塊の状態のものを使用するため、生成し
た窒化アルミニウムと残留未反応アルミニウムは混在す
ることなく、ある程度まとまって分散した状態で存在す
ることとなり、これらの分離が容易である。また未反応
アルミニウムの表面にできた窒化アルミニウム膜はマル
チアークのエネルギーによって破壊されるので、内部の
アルミニウムも十分窒素と反応することとなり、アルミ
ニウムの残存混入現象は発生することがない。また黒鉛
を添加しないから炭素の残留はなく、酸化物,金属アル
ミニウム,炭素の混入のない純粋な窒化アルミニウムを
得ることができる。
【0064】またこの発明によれば、上記多数の黒鉛電
極の中心部に接地されたニュートラル電極を配置したの
で、ニュートラル電極と各黒鉛電極との間にもアークが
発生することとなり、強力なプラズマアークを発生する
ことができる効果がある。
【0065】またこの発明によれば、上記黒鉛電極を上
記ニュートラル電極の周囲に偶数個配置し、単相交流電
源あるいは直流電源の出力を上記各黒鉛電極にその極性
が隣接するもの同士では逆になるよう接続したので、3
相交流電源の設備のないような場所でも、窒化アルミニ
ウムの製造が可能である。
【0066】またこの発明によれば、上記ニュートラル
電極として、アルミニウムを撚線状等に束ねたものを用
いる、あるいは上記ニュートラル電極としてパイプ状に
形成したものを用い、該電極を通してアルミニウム粉体
を還元性アーク雰囲気中に供給するようにしたので、原
料のアルミニウムを連続的にアーク雰囲気内に供給する
ことができ、窒化アルミニウムの生産性を向上すること
ができる効果がある。
【0067】さらにこの発明によれば、3相交流電源に
接続される端子と、3相交流の供給を各相ごとに点弧制
御する位相制御回路と、1次側に3相の1次コイルを、
2次側に単相の2次コイルを巻回した単相鉄芯を有し、
上記3相の1次コイルが上記位相制御回路を介して3相
交流電源に接続された変圧部とを備え、単相交流を出力
する電源装置を用い、該電源装置の出力を少なくとも一
対の黒鉛電極の各々間に印加して大気中でアーク放電を
発生させ、これと同時に該アーク放電により大気中の酸
素と黒鉛電極の炭素とを反応させて還元性アーク雰囲気
を形成し、該還元性アーク雰囲気中でアルミニウムを溶
融し、窒化するようにしたので、従来の単相交流電源の
正弦波出力とは異なり、急峻に高電圧に立ち上がりこれ
から垂下状に零となる鋸歯状出力が得られることとな
り、該鋸歯状出力により安定した高温のアークを大気中
で発生することができる。このため大気中の窒素が分解
されて原子状となり、これにより極めて還元性に富み強
烈な窒化性能を有するアーク雰囲気が形成されることと
なり、該アーク雰囲気中でアルミニウムを酸化反応を発
生することなく、速やかに窒化することができる効果が
ある。
【0068】またこの発明によれば、上記窒化アルミニ
ウムの製造方法に用いる電源装置において、上記3つの
1次コイルのうちの1相を逆相としたので、2次側に6
0サイクルの鋸歯状波が得られることとなり、3倍周波
(180サイクル)の鋸歯状波よりもリアクタンス損失
が少なく、その分強力なプラズマアークの発生が可能と
なる。
【0069】さらにこの発明によれば、上記電源装置に
おいて、第3相を逆相とし、上記位相制御回路を、第1
相を約120°〜約180°で点弧し、第2相を約0°
〜約180°で点弧し、第3相を約60°〜約180°
で点弧するよう構成したので、大きな波高の60サイク
ルの鋸歯状波が得られ、プラズマアークのパワーアップ
が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による窒化アルミニウムの製
造方法に用いる装置を示す図である。
【図2】上記装置の電極の配置、該電極からのマルチア
ークを照射される材料金属及び上記電極に3相交流を供
給する電源装置を示す概略図である。
【図3】上記アーク発生用電極の他の構成例を示す図で
ある。
【図4】上記アーク発生用電極のその他の構成例を示す
図である。
【図5】本発明の第2の実施例による窒化アルミニウム
の製造方法を説明するための図である。
【図6】本発明の第3の実施例による窒化アルミニウム
の製造方法を説明するための図である。
【図7】上記実施例に用いる電源装置の出力波形を示す
図である。
【図8】本発明の第4の実施例による窒化アルミニウム
の製造方法を説明するための図である。
【図9】本発明の第5の実施例による窒化アルミニウム
の製造方法を説明するための図である。
【図10】上記第5実施例の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1,1A,2,2A,3,3A 黒鉛電極 4,5,6 電流調整装置 7 3相交流電源 8 アーク照射部 9 電極先端部 10 非移行性プラズマアーク 11 黒鉛坩堝 12 アルミニウム金属の塊 100 アーク処理装置 120 坩堝昇降装置 130 搬送装置 601 電源装置 631,632,633 3相交流電源の各相出力 634 位相制御回路 639 変圧器 640 黒鉛電極 641 坩堝

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属アルミニウムを直接窒化して窒化ア
    ルミニウムを製造する直接窒化法において、 多数の黒鉛電極に多相交流電圧を印加して大気中で複数
    のアーク放電を発生させ、これと同時に該複数のアーク
    放電により大気中の酸素と黒鉛電極の炭素とを反応させ
    て還元性アーク雰囲気を形成し、 該還元性アーク雰囲気中でアルミニウムを溶融し、窒化
    することを特徴とする窒化アルミニウムの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記多数の黒鉛電極の中心部に接地され
    たニュートラル電極を設けたことを特徴とする請求項1
    記載の窒化アルミニウムの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記黒鉛電極は上記ニュートラル電極の
    周囲に偶数個配置してあり、上記多相交流電圧に代え
    て、単相交流電源あるいは直流電源の出力を上記各黒鉛
    電極にその極性が隣接するもの同士では逆になるよう接
    続したことを特徴とする請求項2記載の窒化アルミニウ
    ムの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記ニュートラル電極として、アルミニ
    ウムを撚線状等に束ねたものを用いたことを特徴とする
    請求項2又は3記載の窒化アルミニウムの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記ニュートラル電極としてパイプ状に
    形成したものを用い、該電極を通してアルミニウム粉体
    を還元性アーク雰囲気中に供給するようにしたことを特
    徴とする請求項3又は4記載の窒化アルミニウムの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 金属アルミニウムを直接窒化して窒化ア
    ルミニウムを製造する直接窒化法において、 3相交流電源に接続される端子と、 3相交流の供給を各相ごとに点弧制御する位相制御回路
    と、 1次側に3相の1次コイルを、2次側に単相の2次コイ
    ルを巻回した単相鉄芯を有し、上記3相の1次コイルが
    上記位相制御回路を介して3相交流電源に接続された変
    圧部とを備え、単相交流を出力する電源装置を用い、 該電源装置の出力を少なくとも一対の黒鉛電極の各々間
    に印加して大気中でアーク放電を発生させ、これと同時
    に該アーク放電により大気中の酸素と黒鉛電極の炭素と
    を反応させて還元性アーク雰囲気を形成し、 該還元性アーク雰囲気中でアルミニウムを溶融し、窒化
    することを特徴とする窒化アルミニウムの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電源装置において、 上記3つの1次コイルのうちの1相を逆相としたことを
    特徴とする窒化アルミニウムの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電源装置において、 逆相にしたのは第3相であり、 上記位相制御回路は第1相を約120°〜約180°で
    点弧し、第2相を約0°〜約180°で点弧し、第3相
    を約60°〜約180°で点弧するものであることを特
    徴とする窒化アルミニウムの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014124090A1 (en) 2013-02-08 2014-08-14 Stauffer John E Transmission of electric power
JP2015208731A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 Jfeエンジニアリング株式会社 プラズマ熱処理装置
EP2954544A4 (en) * 2013-02-08 2016-09-21 John E Stauffer TRANSMISSION OF ELECTRICAL ENERGY
WO2017134779A1 (ja) * 2016-02-03 2017-08-10 イーメックス株式会社 窒化アルミニウム薄膜、窒化アルミニウム薄膜の形成方法、及び、電極材料

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