JPH05169576A - 包装用緩衝材およびその製法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼却処理や埋立て処理が容易で、かつ充分な
強度を有する包装用緩衝材を提供する。 【構成】 複数の平板紙部１３および波板紙部１４を一
体にして重層してなる段ボール重層材１１の波形断面部
１２に被包装材のための収容凹部１５を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は包装用緩衝材およびそ
の製法に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、包装用緩衝材としては、発泡ス
チロールを所定形状に成形したものが多用されている。

【０００３】しかしながら、このような発泡スチロール
製の緩衝材にあっては製造が容易であるものの、発生す
る有毒ガスのため、使用後に焼却処理をすることが困難
であった。さらに、自己分解性を有しないので、土中へ
埋め立てて廃棄した場合、未分解のまま残留することが
あった。

【０００４】そのため、環境問題が厳しく問われている
昨今において、このような廃プラスチックの増加は環境
汚染の原因ともなり極めて問題であった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記した
問題点に鑑み提案されたものであって、段ボール材を主
体とした、水に溶け、また再生も可能であるとともに焼
却処理が容易な包装用緩衝材を提供しようとするもので
ある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
複数の平板紙部および波板紙部を一体にして重層してな
る段ボール重層材の波形断面部に被包装材のための収容
凹部を形成したことを特徴とする包装用緩衝材に係る。

【０００７】そして、この発明の包装用緩衝材は、複数
の平板紙部および波板紙部を一体に重層してなる段ボー
ル重層材の波形断面部に、被包装材の収容凹部を形成す
る凸部を有するプレス形を、水分を付与しつつ、押圧し
て形成することによって得られる。

【０００８】

【実施例】以下添付の図面に従ってこの発明を詳細に説
明する。図１はこの発明の包装用緩衝材の一例を示す斜
視図、図２は段ボール重層材の一例を示す断面図、図３
はその他の例を示す断面図、図４はこの発明の包装用緩
衝材の製造方法を示すプレス型の断面図である。

【０００９】図１に示されるように、この発明の包装用
緩衝材１０は、段ボール重層材１１の波形断面部１２側
に被包装材１６のための収容凹部１５が形成されてい
る。この収容凹部１５を前記段ボール重層材１１の波形
断面部１２側に設けることにより、前記段ボール重層材
１１がいわゆるハニカム構造を形成し、前記包装用緩衝
材１０の上下方向に対して高い強度を有するため、積み
重ねなどの荷重に対しての耐性が高い。

【００１０】前記段ボール重層材１１は複数の平板紙部
１３，１３，１３…と前記平板紙部１３と交互かつ一体
に積層された波板紙部１４，１４，１４…とからなり、
被包装材の大きさや形状によって適宜の枚数が積層され
板形状の段ボール重層材１１を形成する。

【００１１】図２および図３に段ボール重層材の例を示
す。図２に示される段ボール重層材２１は、平板紙部２
３，２３と前記平板紙部２３，２３との間に形成された
波板紙部２４とからなる段ボール材２５，２５…が接着
剤などを介して複数枚積層されてなる。

【００１２】また、図３に示される段ボール重層材３１
は、平板紙部３３と該平板紙部３３に接着剤などで接着
された波板紙部３４とから構成された段ボール材３５よ
りなり、図のように複数枚の前記段ボール材３５が一体
に積層される。

【００１３】前記段ボール重層材を構成する段ボール材
の厚みは、包装される物品の形状や要求される緩衝材の
強度によって、１．５ｍｍから１０ｍｍ程度の間の適宜
の厚みに形成される。

【００１４】図４にこの発明の包装用緩衝材の製造方法
を示す。図中の符号４０はプレス型、４１は台、５０は
段ボール重層材、５３は段ボール重層材の固定用ピンで
ある。

【００１５】図示したように、台４１に段ボール重層材
５０がその波形断面部５１を前記プレス型４０に対接す
る状態にして配される。プレス型４０には被包装材の収
容凹部５５を形成するための凸部４５が突設されている
とともに、内部に配管４６が形成されている。この配管
４６は、機外に設けられた図示しない給水タンクなどに
連結されているとともに、前記凸部４５に複数の給水口
４７をもって開口しており、前記段ボール重層材５０の
波形断面部５１において前記凸部４５との当接部分に水
分が付与される。

【００１６】そして、前記凸部４５と当接する部分の波
形断面部５１を加湿することによって軟化させながら、
プレス型４０の凸部４５を波形断面部５１に押圧しもっ
て、被包装材の収納される収容凹部５５を形成する。形
成された収容凹部５５は、凸部４５の押圧後に付与され
た水分を蒸発させ乾燥させることによって、完全な凹部
として附形される。

【００１７】なお、前記段ボール重層材５０に付与され
る水分は、適宜に温められた温水を用いることが成形効
率を高める上で好ましい。

【００１８】

【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
包装用緩衝材によれば、複数の平板紙部および波板紙部
を一体にして重層してなる段ボール重層材よりなるの
で、水に容易に溶け、また再生も可能である。したがっ
て、従来のプラスチック製緩衝材のように、有毒ガスが
発生したり未分解のまま土中に残留したりすることがな
く、環境保護の面において大いに有利である。また、段
ボール重層材の波形断面部に被包装材のための収容凹部
が形成されているので、緩衝材の上下方向において充分
な強度を付与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の包装用緩衝材の一例を示す斜視図で
ある。

【図２】段ボール重層材の一例を示す断面図である。

【図３】その他の例を示す断面図である。

【図４】この発明の包装用緩衝材の製造方法を示すプレ
ス型の断面図である。

【符号の説明】

１０ 包装用緩衝材 １１ 段ボール重層材 １２ 波形断面部 １３ 平板紙部 １４ 波板紙部 １５ 収容凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の平板紙部および波板紙部を一体に
   して重層してなる段ボール重層材の波形断面部に被包装
   材のための収容凹部を形成したことを特徴とする包装用
   緩衝材。
2. 【請求項２】 複数の平板紙部および波板紙部を一体に
   重層してなる段ボール重層材の波形断面部に、被包装材
   の収容凹部を形成する凸部を有するプレス形を、水分を
   付与しつつ、押圧して形成することを特徴とする包装用
   緩衝材の製造方法。