JPH05169269A

JPH05169269A - ガスシールドアーク溶接機用トーチ

Info

Publication number: JPH05169269A
Application number: JP33196291A
Authority: JP
Inventors: Yoshitsugu Sakamoto; 義継坂本; Yoichi Yoshida; 洋一吉田
Original assignee: Daikin Manufacturing Co Ltd
Current assignee: Exedy Corp
Priority date: 1991-12-16
Filing date: 1991-12-16
Publication date: 1993-07-09

Abstract

(57)【要約】【目的】トーチ５の先端へのスパッタの付着を減少す
ると共に付着したスパッタを除去する。【構成】イナートアーク溶接機１用トーチ５は、シー
ル（Ａｒ＋ＣＯ₂）ガス雰囲気中で連続して供給された
溶接ワイヤによりアーク溶接を行うものであって、ワイ
ヤー支持部２３とウォータージャケット２４付のノズル
本体２２と冷却水供給部２５及び冷却水排出部２６とを
備えている。ワイヤー支持部２３は溶接ワイヤーを支持
するためのものである。ウォータージャケット２４は、
水冷用のものであり、ワイヤ支持部２３の周囲に配置さ
れている。冷却水供給部２５及び冷却水排出部２６は、
ノズル本体２２に冷却水を流通させるものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アーク溶接機用トー
チ、特に、不活性ガス，炭酸ガス等のシールドガス雰囲
気中で連続して供給された溶加材によりアーク溶接を行
うガスシールドアーク溶接機用トーチに関する。

【０００２】

【従来の技術】不活性ガスや炭酸ガス等のシールドガス
雰囲気中でアーク溶接を行うガスシールドアーク溶接法
では、溶加材である溶接ワイヤを支持する支持部と、そ
の周囲にシールドガスを噴出するためのノズルとを備え
たトーチとが用いられている。イナートガスシールドア
ーク溶接では、溶接部がアーク，溶融金属ともに不活性
ガスに包まれるので、溶融金属の酸化や窒化が起こらな
い。また、溶剤を用いないので、それによる錆発生のお
それがない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ガスシールドアーク溶
接法では、前述したように溶融金属の酸化及び窒化が起
こらないが、何回かの溶接作業を行うと、飛散した溶融
金属（以下、スパッタと記す）がトーチの先端に付着す
ることがある。トーチの先端にスパッタが付着すると、
トーチから噴出する不活性ガスの噴出量が少なくなり、
酸化及び窒化等が生じ、溶接不良の原因となる。このた
め、一定回数の溶接の都度、トーチの先端に付着したス
パッタの除去を行う等の清掃作業を行っている。清掃作
業を行うと、その間設備を停止しなければならず、生産
効率が低下する。

【０００４】本発明の目的は、トーチの先端へのスパッ
タの付着を減少することにある。本発明の他の目的は、
トーチの先端に付着したスパッタを除去できるようにす
ることにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】第１の発明に係るガスシ
ールドアーク溶接機用トーチは、シールドガス雰囲気中
で連続して供給された溶加材によりアーク溶接を行うも
のであって、溶加材支持部と包被部材と冷却水流通部と
を備えている。溶加材支持部は溶加材を支持するための
ものである。包被部材は、水冷用のものであり、溶加材
支持部の周囲に配置されている。冷却水流通部は、包被
部材に冷却水を流通させるものである。

【０００６】第２の発明に係るガスシールドアーク溶接
機用トーチは、溶加材支持部とシールドガス供給部とガ
ス供給部とを備えている。溶加材支持部は、溶加材を支
持するためのものである。シールドガス供給部は溶加材
支持部の先端にシールドガスを供給するためのものであ
る。ガス供給部は、溶加材支持部の先端にスパッタ除去
用のガスを供給するためのものである。

【０００７】

【作用】第１の発明に係るガスシールドアーク溶接機用
トーチでは、溶加材支持部に支持された溶加材によりア
ーク溶接を行う際に、包被部材に冷却水流通部材を介し
て冷却水が流通され、包被部材が冷却される。このた
め、包被部材の温度が低下し、溶融したスパッタが固化
しトーチの先端にスパッタが付着しにくくなる。

【０００８】第２の発明に係るガスシールドアーク溶接
機用トーチでは、溶加材支持部に支持された溶加材によ
りアーク溶接を行う際には、シールガス供給部から溶加
材支持部の先端にシールガスが供給される。そして、溶
接作業が終了すると、ガス供給部から溶加材支持部の先
端にたとえば高圧エア等のスパッタ除去用のガスが供給
される。この高圧エア等のガスの供給により、溶加材支
持部の先端に付着したスパッタが除去される。

【０００９】

【実施例】図１は、本発明の一実施例が採用されたイナ
ートガスシールドアーク溶接機を示している。溶接機１
は、溶接電源２と、ガス供給装置３と、ワイヤ供給装置
４と、トーチ５とから主に構成されている。溶接電源２
は、３相２００Ｖの交流電源から直流の溶接電流を生成
するためのものである。溶接電源２は、制御部１４を備
えており、制御部１４にはリモコン１５が接続されてい
る。また、溶接電源２にはアース電極１６が接続されて
いる。

【００１０】ガス供給装置３は、高圧のアルゴンガスが
充填されたアルゴンガスボンベ６と、高圧の炭酸ガスが
充填された炭酸ガスボンベ７と、アルゴンガスと炭酸ガ
スとを混合する混合室８とを備えている。アルゴンガス
ボンベ６と混合室８との間にはアルゴンガス流量調整器
９が配置されている。また、炭酸ガスボンベ７と混合室
８との間には炭酸ガス流量調整器１０が配置されてい
る。混合室８は、配管及びゴムホースを介してトーチ５
に接続されている。

【００１１】ワイヤ供給装置４は、溶接ワイヤを巻き付
けたワイヤリール１１を取り付けるためのワイヤリール
取付部１２と、ワイヤリール１１に巻き付けられたワイ
ヤをトーチ５内に供給するためのフィードローラ１３と
を備えている。フィードローラ１３は、溶接ワイヤを溶
接スピードに対して一定のスピードでトーチ５に供給す
る。

【００１２】トーチ５は、ガス及び溶接ワイヤを挿通す
るためのコイルライナ２０と、コイルライナ２０の先端
に設けられたトーチノズル２１とを備えている。コイル
ライナ２０の基端には、図２に示すようにガス供給口２
８が配置されている。また、コイルライナー２０の基端
近傍には、そこから分岐する空気供給口２７が設けられ
ている。

【００１３】トーチノズル２１は、有底円筒状のノズル
本体２２と、ノズル本体２２の底面から中心軸に沿って
突出するワイヤ支持部２３とから主に構成されている。
ノズル本体２２の側壁内部には、冷却用のウォータージ
ャケット２４が形成されている。また、ノズル本体２２
の側面には、ウォータージャケット２４に冷却水を供給
するための冷却水供給口２５及びウォータージャケット
２４から冷却水を排出するための冷却水排出口２６が突
出して形成されている。ノズル本体２２の先端は、断面
視略円形状に面取りされている。また、ノズル本体２２
の内周面には、メッキ処理が施されている。

【００１４】ワイヤ支持部２３には、その中心にワイヤ
２９を挿通するための孔２３ａが形成されている。孔２
３ａは、ワイヤ２９をワイヤの供給方向において移動自
在に支持している。このワイヤ支持部２３は、溶接電源
２に電気的に接続されており、溶接電極としての機能を
有している。空気供給口２７は、図３に示すように、混
合防止回路３０を介してコンプレッサ（図示せず）等の
圧縮空気源に接続されている。混合防止回路３０は、第
１シングルソレノイドバルブ３１と第２シングルソレノ
イドバルブ３２とを直列に接続し、その間にダブルソレ
ノイドバルブ３３を並列に接続した構成となっている。
第１シングルソレノイドバルブ３１は２ポートのオンオ
フ弁であり、圧縮空気源から供給された空気をオンオフ
制御する。ダブルソレノイドバルブ３３は、５ポートの
バルブであり、入り側の３つのポートのうちの２つのポ
ートにはサイレンサーが取り付けられている。この混合
防止回路３０は、溶接時に空気がトーチ５に供給される
のを防止するためである。つまり、第１，第２シングル
ソレノイドバルブ３１，３２はそれぞれスプール弁であ
るので、これらを共にオフしても若干の空気が漏れるこ
とになる。この漏れた空気をダブルソレノイド弁３３に
より排気する構成となっており、漏れた空気を排気する
ことにより、第２シングルソレノイドバルブ３２からの
空気の漏れを防止できる。

【００１５】ガス供給口２８は、第３シングルソレノイ
ドバルブ３４を介してガス供給装置３に接続されてい
る。第３シングルソレノイドバルブ３４は、アルゴン・
二酸化炭素の混合ガスをオンオフするものである。この
ような構成のトーチにおいて、溶接時には、シングルソ
レノイドバルブ３１，３２を共にオフ状態にし、ダブル
ソレノイドバルブ３３において、図３下側のソレノイド
をオンしてダブルソレノイドバルブ３３をオフ状態に
し、第１シングルソレノイドバルブ３１から漏れた空気
をサイレンサーを介して外部に排出する。これにより空
気供給口２７への空気の供給を遮断する。また、第３シ
ングルソレノイドバルブ３４をオン状態にし、アルゴン
・二酸化炭素混合ガスをガス供給口２８に送り、トーチ
ノズル２１の先端から噴出させる。これにより、溶接作
業中において、溶融材と空気との遮断を行う。またこの
ときスパッタが生じ、ノズル本体２２の先端に付着しよ
うとするが、ノズル本体２２が冷却されており、またそ
れらが丸く面取りされており、メッキ処理されているの
で、スパッタが付着しづらくなる。

【００１６】溶接が終了すると、第１及び第２シングル
ソレノイドバルブ３１，３２をオン状態にする。また、
ダブルソレノイドバルブ３３においては図３上側のソレ
ノイドをオンする。これによりダブルソレノイドバルブ
３３もオン状態となる。この状態で高圧の空気をノズル
本体２２の先端から噴出させると、スパッタがノズル本
体の先端に付着していても付着したスパッタが空気の噴
流により除去されることになる。

【００１７】また、前記実施例では、混合防止回路３０
を設けているので、溶接中にノズル本体２２から空気が
噴出することはなく、アークや溶融部分と空気との遮断
を確実に行える。上述した構成のトーチを用いることに
より、トーチノズルの清掃時間が低減する。たとえば従
来は、４０個の製品を溶接するごとに１回のノズル清掃
を行っており、１回のノズル清掃に２分間を要してい
た。ここで１日に１８回ノズル清掃を行い、１か月の稼
動日数を２０日間とすると、１ヵ月間に３６０回のノズ
ル清掃を行うことになる。このため、１か月に合計７２
０分（４３，２００秒）の清掃時間が必要となり、その
間設備を停止していた。この設備停止期間を費用に換算
すると、たとえば４４秒で１個の製品が作られる場合
は、４３，２００秒／月÷４４秒／１個＝９８１個／月となる。ここで、１個の製品の単価を１０，０００円と
すると、１か月に９８１万円の費用が清掃のために無駄
になっていることになる。つまり、上述のような前提に
おいては、スパッタの付着を防止することにより、１か
月に９８１万円の費用の節減を生むことになる。

【００１８】〔他の実施例〕（ａ）前記実施例では、スパッタの付着を防止するた
めに、ノズル本体の先端を丸く面取りし、その内面にメ
ッキ仕上げを施したが、これらは必ずしも必要ではな
い。（ｂ）前記実施例では、冷却水をノズル本体の側壁の
内部に流通するような構成としたが、冷却用のウォータ
ージャケットの構造はこれらに限定されない。（ｃ）前記実施例では、スパッタ除去用のガスとして
高圧エアを用いたが、他のガスを用いてもよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明に係るトーチでは、溶加材支持部
の周囲に配置された水冷用の包被部材により、トーチを
冷却しているので、スパッタ等が飛散しても直ちに固化
し、付着しづらくなる。また、溶接後に直ちにスパッタ
除去用のガスを先端に供給しているので、スパッタが付
着しても直ちに除去可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を採用したイナートガスアー
ク溶接機の側面図。

【図２】トーチの断面部分図。

【図３】ガス供給系の回路図。

【符号の説明】

１イナートガスアーク溶接機５トーチ２２ノズル本体２３ワイヤ支持部２４ウォータージャケット２５冷却水供給口２６冷却水排出口２７空気供給口２８ガス供給口

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】シールドガス雰囲気中で、連続して供給さ
れた溶加材によりアーク溶接を行うガスシールドアーク
溶接機用トーチであって、前記溶加材を支持するための溶加材支持部と、前記溶加材支持部の周囲に配置された水冷用の包被部材
と、前記包被部材に冷却水を流通させる冷却水流通部と、を
備えたガスシールドアーク溶接機用トーチ。
【請求項２】シールドガス雰囲気中で、連続して供給さ
れた溶加材によりアーク溶接を行うガスシールドアーク
溶接機用トーチであって、前記溶加材を支持するための溶加材支持部と、前記溶加材支持部の先端に、前記シールドガスを供給す
るためのシールドガス供給部と、前記溶加材支持部の先端に、スパッタ除去用のガス空気
を供給するためのガス供給部と、を備えたガスシールド
アーク溶接機用トーチ。