JPH0516529A - 情報記録媒体および光情報記録方法 - Google Patents

情報記録媒体および光情報記録方法

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JPH0516529A
JPH0516529A JP3197051A JP19705191A JPH0516529A JP H0516529 A JPH0516529 A JP H0516529A JP 3197051 A JP3197051 A JP 3197051A JP 19705191 A JP19705191 A JP 19705191A JP H0516529 A JPH0516529 A JP H0516529A
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Masao Yabe
雅夫 矢部
Masaaki Tsukase
正昭 塚瀬
Kozo Sato
幸蔵 佐藤
Yoshio Inagaki
由夫 稲垣
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射率が高い情報記録媒体とする。 【構成】 基板の上に記録層および金属からなる反射層
を積層し、色素が、一般式(I): M(P
c)m (I) [M:水素、金属、金属酸化物、金属ハロゲン化物、P
c:下記一般式(II): 【化1】 {W、X、Y、Z:ベンゼン環の置換基、各々:H、一
般式(IIIa)(IIIb): 【化2】 で表わされる基}で表わされるフタロシアニン二価イオ
ン、X:対イオン、m:1または2]で表わされるフタ
ロシアニン系色素であることを特徴とする情報記録媒体
および光情報記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高エネルギー密度のレ
ーザビームを用いて情報の記録が可能な情報記録媒体お
よび光情報記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年において、レーザ光等の高エネルギ
ー密度のビームを用いる情報記録媒体が開発され、実用
化されている。この情報記録媒体は光ディスクと称さ
れ、ビデオ・ディスク、オーディオ・ディスク、さらに
は大容量静止画像ファイルおよび大容量コンピュータ用
ディスク・メモリなどとして使用されている。
【0003】WO型(Write Once;追記型) の光ディス
クは、基本構造として、ガラス、合成樹脂などからなる
円盤状の基板と、この上に設けられたBi、Sn、I
n、Te等の金属または半金属;またはシアニン系、金
属錯体系、キノン系等の色素からなる記録層とを有す
る。なお、記録層が設けられる側の基板表面には通常、
基板の平面性の改善、記録層との接着力の向上あるいは
光ディスクの感度の向上などの点から、高分子物質から
なる中間層が設けられることが多い。上記光ディスクへ
の情報の記録及び再生は、レーザビームをディスク表面
に照射することにより行なわれる。この際、レーザビー
ムは、通常ディスク表面の所定の位置に行われる。レー
ザビームを案内して照射予定位置に正確にたどる(一般
にトラッキングと呼ばれる)ようにするため、凹溝のト
ラッキングガイド(プリグルーブ)が基板の表面に円環
状(スパイラル状も含む)に設けられることが一般的で
ある。
【0004】記録層を形成する記録材料としては上記の
ように金属類や色素等が知られているが、色素を用いた
情報記録媒体は、金属等の記録材料に比べて高感度であ
るなど記録媒体自体の特性において長所を有する他に、
記録層を塗布法により簡単に形成することができるとい
う製造上の大きな利点を有している。しかしながら、色
素からなる記録層は、一般に反射率が低い、再生信号の
変調度、C/Nが低い等の特性上の問題、および色素記
録層が光の照射により経時的に劣化し易く耐光性が劣る
などの欠点を有している。
【0005】また、WO型光ディスクでも、CDフォー
マット信号の高密度記録が可能なCD−WOでは、78
0nmの発振波長のレーザーを用いて、定線速度1.2
〜1.4m/秒という遅い速度で上記信号の記録を行な
う必要があり、その際記録した信号を市販のCDプレー
ヤーで再生することが要求されている。CDプレーヤー
で再生するには、光ディスクの反射率が少なくとも70
%以上あることが望ましい。
【0006】反射率を高くするため、色素記録層の上に
さらに反射層を設けることが一般的に行なわれている。
このような例が、日経エレクトロニクス(107頁、19
89年1月23日発行)に記載されており、これによると上
記記録媒体の記録層に用いられている色素は不明である
が、その記録方法は、色素記録層のレーザ光の吸収によ
り色素が融解され、これに伴なってプラスチック基板が
加熱されて基板が記録層側に盛り上ってピットが形成さ
れることによって行なわれる。この反射層は金の蒸着膜
である。これにより、反射率の向上を図ることができ
る。
【0007】また、上述したように色素記録層は一般
に、耐光性が劣り、光の存在下で保存すると書き込みが
不能になったり、記録後の読み出しのC/Nが劣化する
という問題点がある。このような耐光性を改良するため
に、シアニン色素と共に、一重項酸素クエンチャーを含
む光情報記録媒体が、例えば特開昭59−55795号
公報に記載されている。しかしながら、このような一重
項酸素クエンチャー添加は、C/Nや変調度を低下させ
るとの問題がある。
【0008】耐光性に優れた色素記録層を得るために、
耐光性の優れた色素であるフタロシアニン系色素を用い
た情報記録媒体が知られている。フタロシアニン系色素
の記録層は、一般に色素を真空蒸着することにより形成
されるが、蒸着法による記録層を形成するのでは塗布形
成可能との色素記録層の利点が得られない。そこで、フ
タロシアニンに種々の置換基を導入することにより色素
の溶解性を向上させ、塗布により記録層の形成が可能な
フタロシアニン系色素も開示されている(例、特開平2
−265788号公報、特開平2−138382号公
報、特開平2−39991号公報、特開平1−2103
88号公報)。これにより、塗布による簡易な製造方法
により上記耐光性に優れた記録層を形成することができ
る。しかしながら、これらの色素は780nmで光の吸
収が大きいことから、780nmで高い反射率が要求さ
れる前記CD−WO用の記録層としては適当とはいえな
い。
【0009】また特開平2−87339号公報には、金
属がCoまたはTiCl2 のフタロシアニン系色素で、
記録層の塗布形成可能であって且つ高反射率が得られる
CD−WO用の光ディスクが開示されているが、耐光性
等の耐久性が充分とはいえない。
【0010】従って、波長が780nm付近のレーザー
で記録した信号を、市販のCDプレーヤーで再生するこ
と、すなわち同じ波長のレーザーで、70%以上の反射
率で再生することができ、且つ耐光性に優れた情報記録
媒体(CD−WO)は得られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、反射率が高
く、変調度などの記録再生特性に優れ、且つ耐光性など
の耐久性に優れた情報記録媒体を提供することを目的と
する。
【0012】また、本発明は、記録された信号が市販の
CDプレーヤーで再生可能な情報記録媒体を提供するこ
とを目的とする。
【0013】また、本発明は、ROM領域(再生専用領
域)と記録可能領域を有し、製造が容易な情報記録媒体
を提供することを目的とする。
【0014】さらに、本発明は、780nm付近のレー
ザーを用いて、記録された信号が高い反射率、変調度お
よび優れたトラッキング特性を示す光情報記録方法を提
供することを目的とする。
【0015】上記目的は、表面にプリグルーブおよび/
またはプリピットが設けられた円盤状基板の上に、レー
ザーにより情報の記録が可能な色素からなる記録層およ
び金属からなる反射層が、この順で積層されてなる情報
記録媒体において、該色素が、下記の一般式(I): M(Pc)m (I) [ただし、Mは二個の水素原子、金属、金属酸化物また
は金属ハロゲン化物を表わし、Pcは下記の一般式(I
I):
【化5】 {ただし、W、X、YおよびZは、ベンゼン環の2位、
3位、4位または5位の置換基で、これらは、それぞれ
水素原子または下記の一般式(IIIa)もしくは(III
b):
【化6】 (ただし、一般式(IIIa)において、R1 は水素原子、
脂肪族基、アシル基またはスルホニル基を表わし、Aは
二価の脂肪族基を表わし、R2 は水素原子、ハロゲン原
子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル
基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシル基、
アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、スルファモイル基、アリール基、アルキルスルホニ
ル基、スルホニル基、複素環基、アルキルチオ基または
アリールチオ基を表わし、n1 は0〜5の整数を表わ
し、n1 が2以上の時、ベンゼン環上に隣接して結合し
たR2 が互いに結合して5員もしくは6員の環を形成し
ても良く、そしてBは酸素原子または硫黄原子を表わ
し、また一般式(IIIb)において、R3 は水素原子、ア
ルキル基、アシル基またはスルホニル基を表わし、R4
はハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
ミノ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基わし、R
5 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルア
ミノ基、アニリノ基、アミノ基、ウレイド基、スルファ
モイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘ
テロ環チオ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、ア
シル基、スルファモイル基、スルホニル基またはアルコ
キシカルボニル基を表わし、n2 は1〜5の整数を表わ
し、n3 は0〜4の整数を表わし、そして、ベンゼン環
上に隣接して結合した置換基が互いに結合して5員もし
くは6員の環を形成しても良い)で表わされる基であ
り、且つW、X、YおよびZの少なくとも一つは上記一
般式(IIIa)または(IIIb)のいずれかである}で表わ
されるフタロシアニン二価イオンを表わし、そしてmは
1または2を表わす。]で表わされるフタロシアニン系
色素であることを特徴とする情報記録媒体により達成す
ることができる。また、上記情報記録媒体に、基板側か
ら770〜790nmの範囲に発振波長を有するレーザ
ーを照射して情報を記録することからなる光情報記録方
法により達成することができる。
【0016】上記本発明の情報記録媒体の好ましい態様
は以下の通りである。
【0017】2)上記記録層が、塗布形成膜であること
を特徴とする上記情報記録媒体。
【0018】3)上記記録層が、780nmの波長にお
ける光吸収率が5%以下であることを特徴とする上記情
報記録媒体。
【0019】4)上記基板が、プリピットからなる再生
専用領域およびプリグルーブからなる記録可能領域が形
成されていることを特徴とする上記情報記録媒体。
【0020】5)上記一般式(I)のMが、IIIb族原子
であることを特徴とする上記情報記録媒体。
【0021】6)上記一般式(I)のMが、Lu、Y
b、GdおよびEuからなる群より選ばれる少なくとも
一種であることを特徴とする上記情報記録媒体。
【0022】7)該記録層上に、反射層および保護層が
この順で積層されていることを特徴とする上記情報記録
媒体。
【0023】8)該記録層が、溶剤ガスとの接触処理が
施されていることを特徴とする上記情報記録媒体。
【0024】9)上記記録層のプリグルーブ底部の光学
的膜厚とプリグルーブ間(ランド部)部の光学的膜厚と
の差がλ/8以下(λ:再生レーザー波長)であること
を特徴とする上記情報記録媒体。
【0025】上記本発明の光情報記録方法の好ましい態
様は以下の通りである。
【0026】1)上記レーザーの発振波長が780nm
であることを特徴とする上記光情報記録方法。
【0027】2)上記記録が、上記情報記録媒体を定線
速度1.2〜1.4m/分にて回転させながら行なわれ
ることを特徴とする上記情報記録媒体。
【0028】[発明の詳細な記述]本発明の情報記録媒
体は、円盤状基板の上に、特定のフタロシアニン系色素
からなる記録層および反射層が積層された基本構造を有
する。
【0029】添付図面の図1を参照しながら本発明の情
報記録媒体の構成について説明する。
【0030】図1は、本発明の情報記録媒体の一例を示
す断面図である。
【0031】円盤状基板11の表面には、プリグルーブ
15からなる記録可能領域16が形成されている。そし
てプリグルーブ上には特定のフタロシアニン系色素から
からなる記録層12が塗布により形成されている。記録
層上には、金属からなる反射層13が真空蒸着等により
形成されている。反射層上には、保護層14が形成され
ている。例えば、記録可能領域の内周側にはプリピット
からなるROM領域が形成されていても良い。
【0032】上記図1に示すように、本発明では、溶剤
に対する溶解性に優れ、且つ耐光性に優れた上記特定の
フタロシアニン系色素を塗布形成することにより記録層
12をプリグルーブ上またはプリグルーブおよびプリピ
ット上に形成している。このように、本発明の光ディス
クは上記特定のフタロシアニン系色素を用いることによ
り、780nm付近で特に高い反射率を示すため、CD
−WO型光ディスクに特に有用である。さらに、上記情
報記録媒体に780nm付近のレーザーを用いて記録す
ることにより、高い反射率で、変調度およびC/Nの高
い信号を得ることができる。上記780nm付近で特に
高い反射率を示すために、本発明の色素記録層の光吸収
率は、780nmの波長で5%以下が好ましい。光吸収
率は、上記のように記録層上に反射層を有する場合は
(100−反射率)によりられる。さらに、色素層を塗
布乾燥により形成した後、テトラヒドロフラン等を用い
て溶剤蒸気に暴露することが、反射率を向上させる上で
好ましい。
【0033】本発明の情報記録媒体は、たとえば以下の
ように製造することができる。
【0034】本発明の円盤状基板は、従来の情報記録媒
体の基板として用いられている各種の材料から任意に選
択することができる。本発明の基板材料として、例えば
ガラス;ポリカーボネート;ポリメチルメタクリレート
等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合
体等の塩化ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファス
ポリオレフィンおよびポリエステルなどを挙げることが
でき、所望により併用してもよい。なお、これらの材料
はフィルム状としてまたは剛性のある基板として使うこ
とができる。上記材料の中で、耐湿性、寸法安定性およ
び価格などの点からポリカーボネートが好ましい。
【0035】情報記録媒体の記録層が設けられる側の基
板表面には、平面性の改善、接着力の向上、感度の向上
および記録層の変質の防止の目的で、中間層が設けられ
てもよい。中間層の材料としてはたとえば、ポリメチル
メタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、
スチレン・無水マレイナト共重合体、ポリビニルアルコ
ール、N−メチロールアクリルアミド、スチレン・ビニ
ルトルエン共重合体、クロルスルホン化ポリエチレン、
ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル・塩化ビ
ニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、クシ型グ
ラフト重合体等の高分子物質;および色素、銀アセチリ
ド化合物、シランカップリング剤などの有機物質を挙げ
ることができる。
【0036】中間層は、たとえば上記物質を適当な溶剤
に溶解または分散して塗布液を調製したのち、この塗布
液をスピンコート、ディップコート、エクストルージョ
ンコートなどの塗布法により基板表面に塗布することに
より形成することができる。下塗層の層厚は一般に0.
005〜20μmの範囲にあり、好ましくは0.01〜
10μmの範囲である。
【0037】本発明の円盤状基板上には、アドレス信号
等の情報あるいは音楽情報等を表わすトラッキング用の
プレグルーブが形成されている。また、所望によりプリ
ピットが形成されていても良い。上記ポリカーボネート
などの樹脂材料を使用する場合は、樹脂材料を射出成形
あるいは押出成形などにより直接基板上にピットおよび
グルーブが設けられることが好ましい。
【0038】またプリグルーブ等の形成を、プレグルー
ブ層を設けることにより行なってもよい。プレグルーブ
層の材料としては、アクリル酸のモノエステル、ジエス
テル、トリエステルおよびテトラエステルのうちの少な
くとも一種のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開
始剤との混合物を用いることができる。プレグルーブ層
の形成は、まず精密に作られた母型(スタンパー)上に
上記のアクリル酸エステルおよび重合開始剤からなる混
合液を塗布し、さらにこの塗布液層上に基板を載せたの
ち、基板または母型を介して紫外線の照射により液層を
硬化させて基板と液相とを固着させる。次いで、基板を
母型から剥離することによりプレグルーブ層の設けられ
た基板が得られる。プレグルーブ層の層厚は一般に0.
05〜100μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜5
0μmの範囲である。
【0039】円盤状基板の上には、下記の一般式(I)
で表わされるフタロシアニン系色素からなる記録層が設
けられる。
【0040】M(Pc)m (I) [ただし、Mは二個の水素原子、金属、金属酸化物また
は金属ハロゲン化物を表わし、Pcは下記の一般式(I
I):
【0041】
【化7】
【0042】{ただし、W、X、YおよびZは、ベンゼ
ン環の2位、3位、4位または5位の置換基で、これら
は、それぞれ水素原子または下記の一般式(IIIa)もし
くは(IIIb):
【0043】
【化8】
【0044】(ただし、一般式(IIIa)において、R1
は水素原子、脂肪族基、アシル基またはスルホニル基を
表わし、Aは二価の脂肪族基を表わし、R2 は水素原
子、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル
基、アルキル基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ
基、アシル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基、スルファモイル基、アリール基、
アルキルスルホニル基、スルホニル基、複素環基、アル
キルチオ基またはアリールチオ基を表わし、n1 は0〜
5の整数を表わし、n1 が2以上の時、ベンゼン環上に
隣接して結合したR2 が互いに結合して5員もしくは6
員の環を形成しても良く、そしてBは酸素原子または硫
黄原子を表わし、また一般式(IIIb)において、R3
水素原子、アルキル基、アシル基またはスルホニル基を
表わし、R4 はハロゲン原子、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アミノ基、アルキルチオ基またはアリールチ
オ基わし、R5 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ
基、アシルアミノ基、アニリノ基、アミノ基、ウレイド
基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、ヘテロ環チオ基、スルホンアミド基、カルバ
モイル基、アシル基、スルファモイル基、スルホニル基
またはアルコキシカルボニル基を表わし、n2 は1〜5
の整数を表わし、n3 は0〜4の整数を表わし、そし
て、ベンゼン環上に隣接して結合した置換基が互いに結
合して5員もしくは6員の環を形成しても良い)で表わ
される基であり、且つW、X、YおよびZの少なくとも
一つは上記一般式(IIIa)または(IIIb)のいずれかで
ある}で表わされるフタロシアニン二価イオンを表わ
し、そしてmは1または2を表わす。]
【0045】上記一般式(I)で表わされるフタロシア
ニン系色素は、特開昭63−280083号公報に新規
化合物として開示されているが、光ディスクへの適用に
ついては記載がなく、本発明者等により見出されたもの
である。従って、上記一般式(I)、(II)、(IIIa)
および(IIIb)の置換基の具体例については上記公報に
記載されたものを本発明にも適用することができる。
【0046】上記一般式(I)において、Mは、例え
ば、Zn、Pb、Cu、Ni、Fe、Co、Sr、C
a、Yb、Ru、Sm、Tb、Dy、U、Tl、Cs、
Pd、Nd、Ga、In、Sn、Si、Pt、Mn、G
e、Al、V、VO、Mg、Ti、Cr、Mo、Lu、
Yb、Gd、Eu、AlCl2 、SiCl2 等を挙げる
ことができる。一般に、IIIb族、IIA族またはVII 族原
子であり、これらの中で、IIIb族原子であることが好ま
しく、中でもランタンまたはランタニド元素のいずれか
であることが好ましく、特にLu、Yb、GdまたはE
uであることが好ましい。
【0047】一般式(II)のW、X、YおよびZの好ま
しい置換基である一般式(IIIa)において、R1 は水素
原子、脂肪族基、アシル基またはスルホニル基を表わ
し、脂肪族基としては、炭素原子数1〜36の直鎖また
は分岐のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、シ
クロアルキル基、アルキニル基およびシクロアルケニル
基を挙げることができる。アシル基としては、アセチル
基、プロピオニル基、2−メチルプロピオニル基、ベン
ゾイル基、(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)ア
セチル基等を挙げることができる。スルホニル基として
は、メタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、(2
−オクチルオキシ−5−tert−オクチル)フェニルスル
ホニル基を挙げることができる。
【0048】上記脂肪族基、アシル基およびスルホニル
基には下記の置換基を有していてもよい。例えば、ハロ
ゲン原子(例、塩素原子、臭素原子)、アルキル基
(例、メチル基、プロピル基、i−ブチル基、トリフロ
ロメチル基、トリデシル基、3−(2,4−ジ−t−ア
ミルフェノキシ)プロピル基、2−ドデシルオキシエチ
ル基、3−フェノキシプロピル基、2−ヘキシルスルホ
ニル−エチル基、シクロペンチル基、ベンジル基)、ア
リール基(例、フェニル基、4−t−ブチルフェニル
基、2,4−ジ−t−アミルフェニル基、4−テトラデ
カンアミドフェニル基)、ヘテロ環基(例、2−フリル
基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾ
チアゾリル基)、シアノ基、アルコキシ基(例、メトキ
シ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−ドデ
シルオキシエトキシ基、2−メタンスルホニルエトキシ
基)アリールオキシ基(例、フェノキシ基、2−メチル
フェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基)、ヘテロ
環オキシ基(例、2−ベンゾイミダゾリルオキシ基)、
アシルアミノ基(例、アセトアミド基、ベンズアミド
基、テトラデカンアミド基、α−(2,4−ジ−t−ア
ミルフェノキシ)ブチルアミド基、γ−(3−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェノキシ)ブチルアミド基、α−
{4−(4−ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキ
シ}デカンアミド基)、アニリノ基(例えばフェニルア
ミノ基、2−クロロアニリノ基、2−クロロ−5−テト
ラデカンアミドアニリノ基、2−クロロ−5−ドデシル
オキシカルボニルアニリノ基、N−アセチルアニリノ
基、2−クロロ−5−{α−(3−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェノキン)ドデカンアミド}アニリノ基、
等)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド基、メチ
ルウレイド基、N,N−ジブチルウレイド基、等)、イ
ミド基(例えば、N−スクシンイミド基、3−ベンジル
ヒダントイニル基、4−(2−エチルヘキサノイルアミ
ノ)フタルイミド基、等)、スルファモイルアミノ基
(例えばN,N−ジブロピルスルファモイルアモノ基、
N−メチル−N−デシルスルファモイルアミノ基、
等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、オクチ
ルチオ基、テトラデシルチオ基、2−フェノキシエチル
チオ基、3−フェノキシプロピルチオ基、3−(4−t
−ブチルフェノキシ)プロピルチオ基、等)、アリール
チオ基(例えば、フェニルチオ基、2−ブトキシ−5−
t−オクチルフェニルチオ基、3−ペンタデシルフェニ
ルチオ基、2−カルボキシフェニルチオ基、4−テトラ
デカンアミドフェニルチオ基、等)、ヘテロ環チオ基
(例えば、2−ベンゾチアゾリルチオ基、等)、スルホ
ンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ヘキサ
デカンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、
p−トルエンスルホンアミド基、オクタデカンスルホン
アミド基、2−メチルオキシ−5−t−ブチルベンゼン
スルホンアミド基、等)、カルバモイル基(例えば、N
−エチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイ
ル基、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル
基、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル基、N−
{3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プ
ロピル}カルバモイル基、等)、アシル基(例えば、ア
セチル基(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)
アセチル基、ベンゾイル基、等)、スルファモイル基
(例えば、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジプ
ロピルスルファモイル基、N−(2−ドデシルオキシエ
チル)スルファモイル基、N−エチル−N−ドデシルス
ルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基、
等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、オ
クタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、トルエン
スルホニル基、等)、アルコキシカルボニル基(例え
ば、メトキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル
基、ドデシルカルボニル基、オクタデシルカルボニル
基、等)を表わす。
【0049】これらの中で、R1 は、水素原子、−SO
2 −(n−C517)が好ましい。
【0050】Aで表わされる2価の脂肪族基としては鎖
状もしくは環状の好ましくは炭素原子数1〜22のアル
キレン基(例えば、メチレン基、プロピレン基、プロピ
リデン基、トリチリデン基、シクロヘキシリデン基、
1,1−プロピレン基、エチレン基、1,3−プロピレ
ン基、1,6−シクロヘキシレン基、ヘキシルメチレン
基など)を表わし、Aはアルキル基、アリール基、複素
環基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、2−メトキ
シエトキシ基など)、アリールオキシ基(例えば、フェ
ノキシ基、2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ
基、2−クロロフェノキシ基など)、カルボニル基(例
えば、アセチル基ベンゾイル基など)、エステル基(例
えば、メトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル
基、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基、ブトキシルス
ルホニル基、トルエンスルホニルオキシ基など)、アミ
ド基(例えば、アセチルアミノ基、エチルカルバモイル
基、ジメチルカルバモイル基、メタンスルホンアミド
基、ブチルスルファモイル基など)、スルファミド基
(例えば、ジブロピルスルファモイルアミノ基など)、
イミド基(例えば、サクシンイミド基、ヒダントイニル
基など)、ウレイド基(例えば、フェニルウレイド基、
ジメチルウレイド基など)、スルホニル基(例えば、メ
タンスルホニル基など)、ヒドロキシ基、シアノ基、ニ
トロ基、ハロゲン原子チオ基(例えば、エチルチオ基、
フェニルチオ基など)などから選ばれた置換基で置換さ
れていてもよい。
【0051】これらの中で、Aは、−CH(n−C6
13)−、−CH(n−C1225)−、−CH(C2
5 )−、−(CH23 −、−CH2 −、−CH(n−
817)−または−C(CH32 −であることが好
ましい。
【0052】R2 は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、シ
アノ基、ニトロ基、アルキル基(例えば、メチル基、ブ
チル基、ドデシル基など)、アシルアミノ基(例えば、
アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基、テトラデカン
アミド基、α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキシ)
ブチルアミド基、γ−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェノキシ)ブチルアミド基、α−{4−(4−ヒド
ロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}デカンアミド
基、など)、スルホニルアミノ基(例えば、ブチルスル
ホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、メタンスル
ホンアミド基、ヘキサデカンスルホンアミド基、p−ト
ルエンスルホンアミド基、オクダデカンスルホンアミド
基、2−メトキシ−5−t−ブチルベゼンスルホンアミ
ド基、など)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾ
イル基など)、アリール基、複素環基、アルコキシ基
(例えば、メトキシ基、2−メトキシエトキシ基な
ど)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2,
4−ジ−tert−アミルフェノキシ基、2−クロロフ
ェノキシ基など)、アルコキシカルボニル(例えば、メ
トキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、アセト
キシ基、ベンゾイルオキシ基、ブトキシスルホニル基、
トルエンスルホニルオキシ基など)、カルバモイル基
(例えば、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイ
ル基、スルファモイル基、ブチルスルファモイル基、ジ
オクチルスルファモイル基など)、アルキルスルホニル
基もしくはアリールスルホニル基(例えば、メタンスル
ホニル基、p−ヒドロキシフェニルスルホニル基な
ど)、チオ基(例えば、エチルチオ基、フェニルチオ基
など)などを表わし、R2 のうち置換可能な基はAで述
べた置換基などで置換していてもよく、n1 は0〜5の
整数を表わす。
【0053】これらの中で、R2 は、Cl、−(t−C
511)、−(C817)、−(n−C1531)、−C
H(C25 )−、−(t−C817)、フェニル基、
−CN、下記のIIIa−1、IIIa−2または下記のIIIa−
3であることが好ましい。nは1〜3が好ましい。
【0054】
【化9】
【0055】
【化10】
【0056】
【化11】
【0057】一般式(IIIa)において、R2 で表わされる
シアノ基は、−NR1 −CO−A−B−基に対してオル
ト位又はバラ位に、ハロゲン原子はオルト位に置換した
ものが好ましい。Bは硫黄原子が好ましい。
【0058】一般式(IIIb)において、R3 は、水素原
子、置換又は、無置換のアルキル基(例えば、メチル
基、エチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル
基、2−ドデシルオキシエチル基、ベンジル基、2−メ
タンスルホニルエチル基等)、アシル基(例えば、アセ
チル基、フェノキシアセチル基、ベンゾイル基、ドデカ
ノイル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル
基、オクタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、
(2−オクチルオキシ−5−tert−オクチル)フェ
ニルスルホニル基等を表わし、これらは次に述べる置換
基が結合してもよい。
【0059】これらの中で、R3 は、水素原子、メチル
基または−OC(n−C511)であることが好まし
い。
【0060】R4 は、ハロゲン原子(例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子、等)、置換または無置換のア
ルコキシ基[このアルキル残基は直鎖でも分岐していて
もよく、或は環式のものでもよく、又飽和のアルキル残
基でも不飽和のアルキル残基であってもよい](例え
ば、メトキシ基、ブドキシ基、ヘキシルオキシ基、オク
チルオキシ基、アリルオキシ基、2−ドデシルチオエト
キシ基、2−プロピンオキシ基、2−メトキシエトキシ
基、2−(N,N−ジエチルアミノ)エトキシ基、
等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、2−
メトキシフェノキシ基、4−tert−ブチルフエノキ
シ基、2−フェニルフェノキシ基、等)、アミノ基(例
えば、アミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N−メチ
ル−N−ブチルアミノ基、ピロリジニル基、モルホリノ
基、N−メチルアニリノ基、2−クロロアニリノ基、2
−メトキシ−5−メチルアニリノ基、N,N−ジブチル
アミノ基、N,N−ビス(2−プロピルオキシエチル)
アミノ基、等)、置換または無置換のアルキルチオ基
[このアルキル残基は直鎖でも分岐していてもよく、又
環式のものでもよい](例えば、ドデシルチオ基、2−
プトキシエチルチオ基、2−(N,N−ジエチル)アミ
ノエチルチオ基、2−[2−(2−エトキシ)エトキ
シ]エチルチオ基、等)またはアリールチオ基(例え
ば、フェニルチオ基、2−ブトキシフェニルチオ基、4
−tert−オクチルフェニルチオ基、2−ブトキシ−
5−tert−オクチルフェニルチオ基、等)を表わ
す。
【0061】これらの中で、R4 は、−O(n−C8
17)、−O(n−C1225)、−O(n−C1633)、
−S(n−C817)、−CO2 (n−C1225)、−
O(CH22 O(CH22 OCH3 、−O(CH
22 OCH3 または−O(CH22 OC25 であ
ることが好ましい。
【0062】R5 は水素原子、ハロゲン原子(例えば、
塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、置換または無
置換アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、i−プ
ロピル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基、ドデ
シル基、3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキ
シ)プロピル基、アリル基、2−ドデシルオキシエチル
基、シクロペンチル基、ベンジル基、等)、アリール基
(例えば、フェニル基、4−t−ブチルフェニル基、
2,4−ジ−t−アミルフェニル基、4−テトラデカン
アミドフェニル基、等)、ヘテロ環基(例えば、2−フ
リル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベ
ンゾチアゾリル基、等)、シアノ基、ヒドロキシル基、
置換または無置換アルコキシ基(例えば、メトキシ基、
エトキシ基、i−プロポキシ基、2−メトキシエトキシ
基、2−ドデシルオキシエトキシ基、2−メタンスルホ
ニルエトキシ基、等)、アリールオキシ基(例えば、フ
ェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、4−t−ブチル
フェノキシ基、等)、ヘテロ環オキシ基(例えば、2−
ベンズイミダゾリルオキシ基、等)、アシルアミノ基
(例えば、アセトアミド基、ベンズアミド基、テトラデ
カンアミド基、α−(2,4−ジ−t−アミルフェノキ
シ)ブチルアミド基、γ−(3−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェノキシ)ブチルアミド基、α−{4−(4−
ヒドロキシフェニルスルホニル)フェノキシ}デカンア
ミド基、等)、アニリノ基(例えば、フェニルアニリノ
基、2−クロロアニリノ基、2−クロロ−5−テトラデ
カンアミドアニリノ基、2−クロロ−5−ドデシルオキ
シカルボニルアニリノ基、N−アセチルアニリノ基、2
−クロロ−5−{α−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェノキシ)ドデカンアミド}アニリノ基、等)、ア
ミノ基(例えば、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、
メチルオクチルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、フ
ェニルウレイド基、メチルウレイド基、N,N−ジメチ
ルウレイド基、N,Nのジブチルウレイド基、等)、ス
ルファモイルアノモ基(例えば、N,N−ジブロピルス
ルファモイルアミノ基、N−メチル−N−デシルスルフ
ァモイルアミノ基、等)、置換又は無置換基のアルキル
チオ基(例えばメチルチオ基、オクチルチオ基、テトラ
デシルチオ基、2−フェノキシエチルチオ基、3−フェ
ノキシプロピルチオ基、3−(4−t−ブチルフェノキ
シ)プロピルチオ基、等)、アリールチオ基(例えば、
フェニルチオ基、2−プトキシ−5−t−オクチルフェ
ニルチオ基、3−ペンタデシルフェニルチオ基、2−カ
ルボキシフェニルチオ基、4−テトラデカンアミドフェ
ニルチオ基、等)、ヘテロ環チオ基(例えば、2−ベン
ゾチアゾリルチオ基、等)、置換または無置換アルコキ
シカルボニルアミノ基(例えば、メトキシカルボニルア
ミノ基、テトラデシルオキシカルボニルアミノ基、
等)、アミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ヘ
キサデカンスルホアミド基、ベンゼンスルホンアミド
基、p−トルエンスルホンアミド基、オクタデカンスル
ホンアミド基、2−メトキシ−5−t−ブチルベンゼン
スルホンアミド基、等)、カルバモイル基(例えば、N
−エチルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイ
ル基、N−(2−ドデシルチオキシエチル)カルバモイ
ル基、N−メチル−N−ドデシルカルバモイル基、N−
{3−(2,4−ジ−tert−アミルフェノキシ)プ
ロピル}カルバモイル基、等}、アシル基(例えば、ア
セチル基、(2,4−ジ−tert−アミルフェノキ
シ)アセチル基、ベンゾイル基、等)、スルファモイル
基(例えば、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジ
プロピルスルファモイル基、N−(2−ドデシルオキシ
エチル)スルファモイル基、N−エチル−N−ドデシル
スルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル
基、等)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル
基、オクタンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、ト
ルエンスルホニル基、等)、置換または無置換アルコキ
シカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、ブチ
ルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、
オクダデシルオキシカルボニル基、等)を表わす。
【0063】これらの中で、R5 は、−(t−C8
17)、−(t−C49 )、−O(n−C817)、
−NHSO2 (n−C1633)、上記IIIa−2、下記の
IIIb−1または下記のIIIb−2であることが好ましい。
【0064】
【化12】
【0065】
【化13】
【0066】前記一般式(IIIb)でより好ましいものは、
R4がアルコシキ基又はアリールオキシ基で、−NR3
SO2 −基のオルト位に結合しているものである。
【0067】上記のフタロシアニン系色素の中で、各色
素の溶液スペクトルの吸収極大が、650〜750nm
にあるものが好ましく、特に680〜720nmにある
ものが好ましい。
【0068】一般式(II)のW、X、YおよびZが同時
に、BがO(酸素原子)で且つn1=1の時の一般式(III
a)であることが好ましい。
【0069】一般式(II)のW、X、YおよびZが同時
に、n2=1およびn3=1の時の一般式(IIIb)であること
が好ましい。
【0070】上記フタロシアニン色素の一般的な合成法
は、特開昭63−280083号公報に記載されてい
る。
【0071】色素記録層の形成は、上記色素、さらに所
望により結合剤、金属錯塩系色素またはアミニウム系・
ジインモニウム系色素(クエンチャー)を溶剤に溶解し
て塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布
して塗膜を形成したのち乾燥することにより行なうこと
ができる。色素塗布液を塗布乾燥後、塗布膜をさらに溶
剤蒸気に曝すことにより記録層を形成することが好まし
い。
【0072】上記色素塗布液調製用の溶剤としては、シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロ
ヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン
などの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソ
ルブアセテートなどのエステル、メチルエチルケトン、
シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタン、クロロ
ホルムなどのハロゲン化炭化水素、テトラヒドロフラ
ン、エチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノールなどのアルコール、ジメチルホルムアミドなど
のアミド、2、2、3、3−テトラフロロプロパノール
等フッ素系溶剤などを挙げることができる。なお、これ
らは単独で用いても、必要に応じて混合して用いても良
い。塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑
剤、潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加しても
よい。
【0073】結合剤を使用する場合に結合剤としては、
例えばゼラチン、ニトロセルロース、酢酸セルロース等
のセルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなど
の天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素
系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩
化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、
ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のア
クリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリオレフ
ィン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初
期縮合物などの合成有機高分子物質を挙げることができ
る。塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、
ディップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドク
ターロール法、スクリーン印刷法などを挙げることがで
きる。色素層の材料として結合剤を併用する場合に、結
合剤に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重
量比)の範囲にあり、好ましくは1.0〜95%(重量
比)の範囲にある。
【0074】上記のように色素塗布液を塗布乾燥して得
られた塗布膜を、さらに溶剤のガスと接触させることに
より記録層を形成することが好ましい。上記溶剤として
色素塗布液に用いた溶剤、あるいはテトラヒドロフラン
などの色素溶解力の高い溶剤を使用することが好まし
い。上記塗布膜と溶剤ガスとの接触方法は、例えば塗布
膜を有する基板を、上記ガスを含む雰囲気中に放置また
は移動などして保持することにより行なうことができ
る。これにより、色素記録層の反射率を更に向上させる
ことができる。特に、本発明のフタロシアニン色素の
内、M(金属)がIIIb属以外の金属または金属化合物で
780nmでの反射率がそれほど高くないものについ
て、上記処理を行なうと反射率向上に効果が大きい。
【0075】上記色素記録層は単層でも重層でもよい
が、その層厚は一般に、10〜550nmの範囲にあ
り、好ましくは20〜300nmの範囲にある。また、
780nmの波長における光吸収率が5%以下が好まし
く、特に3%以下が好ましい。このようにすることで7
80nm付近の波長のレーザーで記録または再生した
際、高い反射率を得ることができる。
【0076】上記のように、本発明では記録層として耐
光性に優れた特定のフタロシアニン系色素を記録材料を
用いているので得られる光ディスクの耐光性が優れてお
り、記録層上に反射層を設けているため反射率において
も向上している。さらに、上記特定のフタロシアニン系
色素を用いることにより、780nm付近で特に高い反
射率を示しCD−WO型光ディスクに特に有用である。
さらに、上記情報記録媒体に780nm付近のレーザー
を用いて記録することにより、再生時に高い反射率が得
られ、且つ高い変調度および大きいトラッキングサーボ
ゲインを得ることができる。また、本発明では、色素記
録層を特定の塗布方法によりプリグルーブ上またはプリ
ピット上に、基板のプリグルーブ底部の色素記録層の膜
厚とランド部の色素記録層の膜厚とがほぼ同じになるよ
うに形成することが、基板のプリグルーブの深さを小さ
くすることができ、変調度および反射率が共に大きい情
報記録媒体が得られるので好ましい。また、プリピット
底部の色素層の膜厚とプリピット間部の色素層の膜厚と
がほぼ同じになるので、プリピットの位相差が大きくな
りプリピットについても変調度の大きい情報記録媒体を
得ることができる。特に、プリピットからなる再生専用
領域(ROM領域)に色素記録層を形成してもプリピッ
トの変調度が大きいので、再生専用領域およびプリグル
ーブからなる記録領域の両方に、色素記録層を形成する
ことが可能になり、再生専用領域および記録領域の両方
を有する光ディスクの製造が容易になるとの効果も得る
ことができる。
【0077】プリピットおよびプリグルーブの底部と間
部との膜厚をほぼ同じように形成する方法は、特願平2
−191257号明細書に記載された方法を利用するこ
とができる。色素塗布液の溶剤として、使用する色素の
良溶剤(好ましくは、色素溶液の塗布温度において使用
する色素を2重量%以上溶解し得る溶剤)と、使用する
色素の貧溶剤(好ましくは、色素溶液の塗布温度におい
て使用する色素を2重量%以上溶解しない溶剤)との混
合物であることが好ましい。その際に、該良溶剤と該貧
溶剤とは相溶性であり、上記塗布温度において該貧溶剤
の蒸発速度が該良溶剤の蒸発速度よりも大きくないこと
が必要である。
【0078】上記色素塗布液をスピンコート法により基
板上に塗布するに際しては、それ自体公知の装置及び方
法を使用して行なうことができる。上記色素溶液を、一
般に0〜100℃、特に5〜80℃、更に特に10〜6
0℃の温度で塗布することが好ましい。基板の回転数
は、色素溶液を塗布するときは、一般に10〜1000
r.p.m.、特に100〜500r.p.m.にすることが好まし
く、色素塗膜を乾燥するときは、一般に300〜100
00r.p.m.、特に500〜7000r.p.m.、更に特に7
00〜4000r.p.m.にすることが好ましい。
【0079】色素記録層上には反射層が設けられる。反
射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対する反
射率が高い物質であり、その例としてはMg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、
W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、P
d、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、A
l、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、S
n、Biなどの金属および半金属を挙げることができ
る。これらのうちで好ましいものはAl、Au、Crお
よびNiである。これらの物質は単独で用いてもよい
し、あるいは二種以上の組合せでまたは合金として用い
てもよい。
【0080】反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸
着、スパッタリングまたはイオンプレーティングするこ
とにより基板の上に形成することができる。反射層の層
厚は一般には10〜300nmの範囲にある。
【0081】また、色素記録層と反射層との間にはエン
ハンス層を設けてもよい。その材料としては、クシ型グ
ラフト重合体(例、マクロマー(東亜合成化学工業
(株)製))、銀アセチリドなどを挙げることができ
る。金属記録層上にこのようなエンハンス層を設けても
よいのは勿論である。
【0082】反射層の上には、記録層などを物理的およ
び化学的に保護する目的で保護層が設けられることが好
ましい。この保護層は、基板の記録層が設けられていな
い側にも耐傷性、耐湿性を高める目的で設けられてもよ
い。保護層に用いられる材料の例としてはSiO、Si
2 、MgF2 、SnO2、Si34 等の無機物質;
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機
物質を挙げることができる。
【0083】保護層は、たとえばプラスチックの押出加
工で得られたフィルムを接着層を介して記録層(反射
層)上および/または基板上にラミネートすることによ
り形成することができる。あるいは真空蒸着、スパッタ
リング、塗布等の方法により設けられてもよい。また、
熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、これらを適当
な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、この塗布液を
塗布し、乾燥することによっても形成することができ
る。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしくは適当
な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布液を塗
布し、UV光を照射して硬化させることによっても形成
することができる。これらの塗布液中には、更に帯電防
止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的に
応じて添加してもよい。記録層上に直接保護層形成材料
を塗布する場合は、該記録層を保護層の塗布液の溶解作
用から守るため記録層上にポリブタジエンなどを塗布
(その際溶剤としては記録層を溶解しない溶剤を用い
る)することにより中間層を設けることが好ましい。中
間層は、金属等の薄膜を蒸着により設けてもよい。保護
層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
【0084】さらに、色素記録層上に保護層を形成する
の代わりに、記録層上にプラスチックのフィルムを基板
の内周及び外周にて融着して設けることにより記録層を
保護してもよい。
【0085】本発明において、情報記録媒体は上述した
構成からなる単板であってもよいが、あるいは更に上記
構成を有する二枚の基板を記録層が内側となるように向
い合わせ、接着剤等を用いて接合することにより、貼合
せタイプの記録媒体を製造することもできる。あるいは
また、二枚の円盤状基板のうちの少なくとも一方に上記
構成を有する基板を用いて、リング状内側スペーサとリ
ング状外側スペーサとを介して接合することにより、エ
アーサンドイッチタイプの記録媒体を製造することもで
きる。
【0086】本発明の光情報記録方法は、上記で得られ
る情報記録媒体を用いて下記のように行なうことができ
る。
【0087】先ず、情報記録媒体を定線速度(CDフォ
ーマットのEFM信号の場合は、1.2〜1.4m/
秒)または定角速度にて回転させながら、基板側から半
導体レーザー光などの記録用の光を照射する。レーザー
光は、発振波長が770〜790nmの範囲にあるもの
を使用する。光の照射により、記録層またはその上下層
との界面に、ピットを形成(例えば、記録層に空洞形
成、基板の変形(色素の昇華温度が高い場合)、あるい
は記録層の会合状態の変化(会合を形成し易い色素の場
合)等)することによって屈折率が変化し、これにより
情報が記録されると考えられる。本発明の記録方法で
は、上記発振波長を有するレーザーを用いて記録するこ
とにより、再生時に高い反射率が得られ、且つ高い変調
度および大きいトラッキングサーボゲインを得ることが
できる。
【0088】上記のように記録された情報の再生は、一
般に情報記録媒体を上記と同一の定線(または定角)速
度で回転させながら記録時と同一波長のレーザー光を基
板側から照射して、その反射光を検出することにより行
なうことができる。なお、レーザーの照射は、フレキシ
ブルディスクなどの場合、記録層側から行なうこともあ
る。
【0089】
【実施例】以下に、本発明の実施例および比較例を記載
する。ただし、これらの各例は本発明を制限するもので
はない。
【0090】[実施例1]円盤状のポリカーボネート基
板(外径:120mm、内径:15mm、厚さ:1.2
mm、屈折率:1.58、プリグルーブ(直径40〜1
16mm領域、トラックピッチ:1.6μm、半値幅:
0.5μm、深さ:90nm))を光ディスクの基板と
して用意した。
【0091】下記の構造式を有する色素A(フタロシア
ニンLu錯体)を、メチルシクロヘキサノンに溶解して
3重量%の濃度の色素塗布液を調製した。
【0092】色素A:
【0093】
【化14】
【0094】上記基板上にこの塗布液をスピンコート法
により回転数200rpm の速度で4秒間塗布した後、1
秒間に50rpm づつ700rpm まで速度を上昇させ、7
00rpm で30秒間保持することにより乾燥させ、層厚
130nmの色素記録層を形成した。
【0095】上記色素記録層上に、AuをDCスパッタ
リング(蒸着レート:2nm/秒、Ar圧力:2Pa、
電力:480W、ターゲット−基板距離:95mm)し
て膜厚が100nmの反射層を形成した。
【0096】さらに、反射層上に、紫外線硬化型樹脂
(商品名:3070、スリーボンド社製)をスピンコー
ト法により回転数200rpm の速度で塗布した後回転数
1500rpm で30秒間レベレングさせ、次いで紫外線
(高圧水銀灯200W/cm)を10秒照射することに
より硬化させ、層厚2μmの保護層を形成した。
【0097】このようにして、基板、色素記録層、反射
層および保護層からなる情報記録媒体を製造した。
【0098】[実施例2]実施例1において、色素とし
て上記色素Aに代えて下記の構造を有する色素B(色素
AのフタロシアニンLu錯体のLuをMgに変えたフタ
ロシアニンMg錯体)を使用し、色素記録層形成後、テ
トラヒドロフランの蒸気中に色素層を10分間暴露し、
そして80℃30分間乾燥した以外は実施例1と同様に
して情報記録媒体を製造した。
【0099】色素B:
【0100】
【化15】
【0101】[比較例1]実施例1において、色素とし
て上記色素Aに代えて下記の構造を有する色素Cを使用
した以外は実施例1と同様にして情報記録媒体を製造し
た。
【0102】色素C:
【0103】
【化16】
【0104】[比較例2]比較例1において、色素記録
層形成後、テトラヒドロフランの蒸気中に色素層を10
分間暴露し、そして80℃30分間乾燥した以外は比較
例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
【0105】[比較例3]実施例1において、色素とし
て上記色素Aに代えて下記の構造を有する色素Dを使用
した以外は実施例1と同様にして情報記録媒体を製造し
た。
【0106】色素D:
【0107】
【化17】
【0108】[比較例4]比較例3において、色素記録
層形成後、テトラヒドロフランの蒸気中に色素層を10
分間暴露し、そして80℃30分間乾燥した以外は比較
例3と同様にして情報記録媒体を製造した。
【0109】[比較例5]実施例1において、色素とし
て上記色素Aに代えて下記の構造を有する色素Eを使用
した以外は実施例1と同様にして情報記録媒体を製造し
た。
【0110】色素E:
【0111】
【化18】
【0112】なお、上記基板のプリグルーブの深さ、各
層の層厚は、その断面を超高解像度SEM(走査型電子
顕微鏡、株式会社日立製作所製S900)で測定して得
られたものである。
【0113】[情報記録媒体の評価]上記で得られた情
報記録媒体について、光ディスク評価機DDU1000
(パルステック工業(株)製;レーザーの発振波長が7
80nmおよびNAが0.5の光ヘッドを搭載)および
EFMエンコーダー(KEN-WOOD)を用いて、記録パワー
6mW、定線速度1.3m/秒で、そのプリグルーブ底
部に記録を行なった。
【0114】1)プリグルーブ反射率 ミラー部(プリグルーブもプリピットもない平滑な表面
の領域)反射率を、反射率が既知のAl板をリファレン
スとして、分光光度計(株式会社島津製作所製UV13
0)を使用して測定した。そして、このミラー部の反射
率をリファレンスとして、ディスク評価装置を使用して
測定した。
【0115】2)記録後のプリグルーブ反射率 上記1)と同様にして求めた。
【0116】3)11T変調度 上記プリピット部の記録されたCDフォーマット信号の
うち記録長11Tの直流再生信号について、信号部分と
ミラー部(信号のない部分)の信号の強度を測定し、そ
の変調度(C)を次式より求めた。 (SH :信号の最大強度、 SL :信号の最小強度)
【0117】4)耐光性 上記各例において、反射層及び保護層を形成する前の記
録層のみ形成された情報記録媒体にXeランプ20分間
照射し、照射前と照射後の吸収極大における吸光度をス
ペクトロ・マルチ・チャンネル・フォト・ディテクター
(SPEDTRO MULTI PHOTO DETECTOR;MCPD−100、
大塚電子(株))を用いて測定し、その変化を下記の式
より求めた。 ΔAbs (t=0) :初期吸光度 ΔAbs (t=20min.):Xeランプ20分間照射の吸光度
【0118】上記結果を表1に示す。
【0119】
【表1】
【0120】上記結果より明らかなように、本発明の特
定の置換基を有するフタロシアニン色素を記録材料とし
て用いた実施例1および2の情報記録媒体は、耐光性に
優れているだけでなく、反射率も高く、変調度について
も大きい。比較例1〜4の記録媒体は、耐光性に優れて
いるが、特に反射率において上記媒体より劣っている。
比較例5の記録媒体は、反射率は比較的高いが、変調
度、耐光性が充分でなく、特に耐光性が劣っている。
【0121】
【発明の効果】本発明の情報記録媒体は、プリグルーブ
および/またはプリピットを有する基板上に、特定の置
換基を有するフタロシアニン系色素を塗布することによ
り形成された記録層および金属からなる反射層が、積層
された構成を有している。本発明では、記録層として耐
光性および塗布性に優れた特定のフタロシアニン系色素
を記録材料を用いているので、塗布により容易に耐光性
に優れてた記録層を得ることができる。また、反射率に
おいても向上してものである。さらに、上記特定のフタ
ロシアニン系色素を用いることにより、780nm付近
で特に高い反射率を示しCD−WO型光ディスクに特に
有用である。さらに、上記情報記録媒体に780nm付
近のレーザーを用いて記録することにより、再生時に高
い反射率で、変調度(プリピット部および記録部)も高
い信号を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の情報記録媒体の一例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11 円盤状基板 12 記録層 13 反射層 14 保護層 15 プリグルーブ
【手続補正書】
【提出日】平成3年8月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】
【化15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲垣 由夫 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にプリグルーブおよび/またはプリ
    ピットが設けられた円盤状基板の上に、レーザーにより
    情報の記録が可能な色素からなる記録層および金属から
    なる反射層が、この順で積層されてなる情報記録媒体に
    おいて、該色素が、下記の一般式(I): M(Pc)m (I) [ただし、Mは二個の水素原子、金属、金属酸化物また
    は金属ハロゲン化物を表わし、Pcは下記の一般式(I
    I): 【化1】 {ただし、W、X、YおよびZは、ベンゼン環の2位、
    3位、4位または5位の置換基で、これらは、それぞれ
    水素原子または下記の一般式(IIIa)もしくは(III
    b): 【化2】 (ただし、一般式(IIIa)において、R1 は水素原子、
    脂肪族基、アシル基またはスルホニル基を表わし、Aは
    二価の脂肪族基を表わし、R2 は水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル
    基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシル基、
    アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
    基、スルファモイル基、アリール基、アルキルスルホニ
    ル基、スルホニル基、複素環基、アルキルチオ基または
    アリールチオ基を表わし、n1 は0〜5の整数を表わ
    し、n1 が2以上の時、ベンゼン環上に隣接して結合し
    たR2 が互いに結合して5員もしくは6員の環を形成し
    ても良く、そしてBは酸素原子または硫黄原子を表わ
    し、また一般式(IIIb)において、R3 は水素原子、ア
    ルキル基、アシル基またはスルホニル基を表わし、R4
    はハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
    ミノ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基わし、R
    5 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
    基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキ
    シ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルア
    ミノ基、アニリノ基、アミノ基、ウレイド基、スルファ
    モイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘ
    テロ環チオ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、ア
    シル基、スルファモイル基、スルホニル基またはアルコ
    キシカルボニル基を表わし、n2 は1〜5の整数を表わ
    し、n3 は0〜4の整数を表わし、そして、ベンゼン環
    上に隣接して結合した置換基が互いに結合して5員もし
    くは6員の環を形成しても良い)で表わされる基であ
    り、且つW、X、YおよびZの少なくとも一つは上記一
    般式(IIIa)または(IIIb)のいずれかである}で表わ
    されるフタロシアニン二価イオンを表わし、そしてmは
    1または2を表わす。]で表わされるフタロシアニン系
    色素であることを特徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】 表面にプリグルーブおよび/またはプリ
    ピットが設けられた円盤状基板の上に、下記の一般式
    (I): M(Pc)m (I) [ただし、Mは二個の水素原子、金属、金属酸化物また
    は金属ハロゲン化物を表わし、Pcは下記の一般式(I
    I): 【化3】 {ただし、W、X、YおよびZは、ベンゼン環の2位、
    3位、4位または5位の置換基で、これらは、それぞれ
    水素原子または下記の一般式(IIIa)もしくは(III
    b): 【化4】 (ただし、一般式(IIIa)において、R1 は水素原子、
    脂肪族基、アシル基またはスルホニル基を表わし、Aは
    二価の脂肪族基を表わし、R2 は水素原子、ハロゲン原
    子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキル
    基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アシル基、
    アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
    基、スルファモイル基、アリール基、アルキルスルホニ
    ル基、スルホニル基、複素環基、アルキルチオ基または
    アリールチオ基を表わし、n1 は0〜5の整数を表わ
    し、n1 が2以上の時、ベンゼン環上に隣接して結合し
    たR2 が互いに結合して5員もしくは6員の環を形成し
    ても良く、そしてBは酸素原子または硫黄原子を表わ
    し、また一般式(IIIb)において、R3 は水素原子、ア
    ルキル基、アシル基またはスルホニル基を表わし、R4
    はハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、ア
    ミノ基、アルキルチオ基またはアリールチオ基わし、R
    5 は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール
    基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシル基、アルコキ
    シ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルア
    ミノ基、アニリノ基、アミノ基、ウレイド基、スルファ
    モイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘ
    テロ環チオ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、ア
    シル基、スルファモイル基、スルホニル基またはアルコ
    キシカルボニル基を表わし、n2 は1〜5の整数を表わ
    し、n3 は0〜4の整数を表わし、そして、ベンゼン環
    上に隣接して結合した置換基が互いに結合して5員もし
    くは6員の環を形成しても良い)で表わされる基であ
    り、且つW、X、YおよびZの少なくとも一つは上記の
    一般式(IIIa)または(IIIb)のいずれかである}で表
    わされるフタロシアニン二価イオンを表わし、そしてm
    は1または2を表わす。]で表わされる色素からなる記
    録層および金属からなる反射層が、この順で積層されて
    なる情報記録媒体に、基板側から770〜790nmの
    範囲に発振波長を有するレーザーを照射して情報を記録
    することからなる光情報記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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