JPH05165007A - 投写型カラー液晶ディスプレイ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】投写型カラー液晶ディスプレイ装置に関し、赤
色用、緑色用及び青色用の液晶パネルに最適なコモン電
圧を供給し、期待する色表示及びコントラストを得、良
好な表示品質を得ることができると共に、直流電圧成分
が長時間にわたり液晶に印加されることを回避して液晶
の劣化を抑制する。 【構成】赤色用、緑色用、青色用の液晶パネル１、２、
３にそれぞれ独立に所望のコモン電圧Ｖ_CR、Ｖ_CG、Ｖ_CR
を供給するコモン電圧供給回路１１を設けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、赤色用、緑色用、青色
用の液晶パネルを備え、これら赤色用、緑色用、青色用
の液晶パネルに、それぞれ、赤色光、緑色光、青色光を
入射し、各液晶パネルの透過光又は反射光をスクリーン
上で合成してカラー表示を行う投写型カラー液晶ディス
プレイ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、投写型カラー液晶ディスプレイ装
置として、図５にその要部を示すようなものが知られて
いる。図中、１〜３はアクティブマトリクス方式の液晶
パネルであり、１は赤色（Ｒ）用の液晶パネル、２は緑
色（Ｇ）用の液晶パネル、３は青色（Ｂ）用の液晶パネ
ルである。

【０００３】これら液晶パネル１、２、３は、図６にそ
の概念図を示すように構成されている。図中、４₁、４₂
はゲートバス、５₁、５₂はデータバス、６₁、６₂はスイ
ッチング素子をなす薄膜トランジスタ（ＴＦＴ）、
７₁、７₂は画素電極、８₁、８₂は液晶、９は共通電極で
あり、コモン電極（共通電極）９にはコモン電圧Ｖcom
が印加される。

【０００４】また、図５において、１０はコモン電圧発
生回路であり、かかる従来の投写型カラー液晶ディスプ
レイ装置においては、コモン電圧発生回路１０から出力
されるコモン電圧Ｖcomが液晶パネル１〜３のコモン電
極９に共通に供給するように構成されている。

【０００５】ここに、液晶パネル１〜３においては、液
晶の劣化を防ぐため、いわゆる交流駆動が行われ、液晶
に対して直流成分の電圧が長時間にわたり印加しないよ
うにされる。

【０００６】図７は、かかる交流駆動方法の一例を説明
するための図である。図中、Ｓ_R ⁺、Ｓ_G ⁺、Ｓ_B ⁺は、それ
ぞれ、正極性の駆動が行われる場合に、データドライバ
から出力される赤色映像信号、緑色映像信号、青色映像
信号、Ｓ_R ^-、Ｓ_G ^-、Ｓ_B ^-は、それぞれ、負極性の駆動が
行われる場合に、データドライバから出力される赤色映
像信号、緑色映像信号、青色映像信号である。

【０００７】また、Ｖ₁は赤色映像信号Ｓ_R ⁺、緑色映像
信号Ｓ_G ⁺、青色映像信号Ｓ_B ⁺の最高電圧、Ｖ₂は赤色映
像信号Ｓ_R ⁺、緑色映像信号Ｓ_G ⁺、青色映像信号Ｓ_B ⁺の最
低電圧、Ｖ₃は赤色映像信号Ｓ_R ^-、緑色映像信号Ｓ_G ^-、
青色映像信号Ｓ_B ^-の最高電圧、Ｖ₄は赤色映像信号
Ｓ_R ^-、緑色映像信号Ｓ_G ^-、青色映像信号Ｓ_B ^-の最低電圧
であり、Ｖ₁−Ｖ₂＝Ｖ₃−Ｖ₄、Ｖ₂−Ｖcom＝Ｖcom−Ｖ₃
とされている。

【０００８】即ち、かかる交流駆動方法においては、赤
色映像信号Ｓ_R ⁺とＳ_R ^-、緑色映像信号Ｓ_G ⁺とＳ_G ^-、青色
映像信号Ｓ_B ⁺とＳ_B ^-とは、それぞれ、コモン電圧Ｖcom
を中心として対称となるように、その最高電圧Ｖ₁と最
低電圧Ｖ₂とが設定される。

【０００９】ここに、データドライバから出力される赤
色映像信号Ｓ_R ⁺、Ｓ_R ^-、緑色映像信号Ｓ_G ⁺、Ｓ_G ^-及び青
色映像信号Ｓ_B ⁺、Ｓ_B ^-が、それぞれ、そのまま液晶パネ
ル１、２、３の画素電極に印加される場合、即ち、赤色
映像信号Ｓ_R ⁺とＳ_R ^-、緑色映像信号Ｓ_G ⁺とＳ_G ^-、青色映
像信号Ｓ_B ⁺とＳ_B ^-とが、それぞれ、コモン電圧Ｖcomを
中心として対称の関係にあるまま、画素電極に印加され
る場合は、なんら問題は生じない。

【００１０】しかし、アクティブマトリクス方式の液晶
パネル１、２、３では、データ線と画素電極との間に設
けられるスイッチング・トランジスタのゲートとソース
間との間に寄生容量が存在する。

【００１１】このため、データドライバから出力される
赤色映像信号Ｓ_R ⁺、Ｓ_R ^-、緑色映像信号Ｓ_G ⁺、Ｓ_G ^-、青
色映像信号Ｓ_B ⁺、Ｓ_B ^-は、各液晶パネル１、２、３にお
ける寄生容量の大きさによってシフト量を同一又は異に
して、それぞれ、マイナス側にレベルシフトして画素電
極に印加されてしまう。

【００１２】図８は、この様子を示す図であり、赤色映
像信号Ｓ_R ⁺、Ｓ_R ^-のシフト量＞青色映像信号Ｓ_B ⁺、Ｓ_B ^-
のシフト量＞緑色映像信号Ｓ_G ⁺、Ｓ_G ^-のシフト量の場合
を例として示している。なお、Ｐ_R ⁺、Ｐ_R ^-はシフト後の
赤色映像信号、Ｐ_G ⁺、Ｐ_G ^-はシフト後の緑色映像信号、
Ｐ_B ⁺、Ｐ_B ^-はシフト後の青色映像信号である。

【００１３】この場合、期待する色表示及びコントラス
トを得、表示品質を損なわないようにするためには、液
晶パネル１にはシフト後の赤色映像信号Ｐ_R ⁺、Ｐ_R ^-が対
称になるようなコモン電圧Ｖ_CRを印加し、液晶パネル２
にはシフト後の緑色映像信号Ｐ_G ⁺、Ｐ_G ^-が対称になるよ
うなコモン電圧Ｖ_CGを印加し、液晶パネル３にはシフト
後の青色映像信号Ｐ_B ⁺、Ｐ_B ^-が対称になるようなコモン
電圧Ｖ_CBを印加する必要がある。

【００１４】しかし、図５に示す従来の投写型カラー液
晶ディスプレイ装置においては、コモン電圧発生回路１
０から出力されるコモン電圧Ｖcomを液晶パネル１、
２、３に共通に供給するというものであるから、液晶パ
ネル１、２、３にそれぞれ独立に最適なコモン電圧
Ｖ_CR、Ｖ_CG、Ｖ_CBを印加することができない。

【００１５】そこで、従来の投写型カラー液晶ディスプ
レイ装置では、図９に示すように、本来、液晶パネル
１、２、３に供給すべきコモン電圧Ｖ_CR、Ｖ_CG、Ｖ_CBを
平均化した電圧をコモン電圧Ｖcomとして液晶パネル
１、２、３に供給するようにしている。なお、図９は、
コモン電圧Ｖ_CR、Ｖ_CG、Ｖ_CBを平均化した電圧＝コモン
電圧Ｖ_CBとなっている場合である。

【００１６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
たとしても、図９の例では、液晶パネル１、２には、理
想的なコモン電圧Ｖ_CR、Ｖ_CGが印加されていない。この
ため、期待する色表示及びコントラストを得ることがで
きないだけでなく、場合によっては、フリッカを引き起
こす等、期待する表示品質を得ることができないという
問題点と共に、直流電圧成分が長時間にわたり液晶に印
加されるため、液晶の劣化を早めてしまうという問題点
もあった。

【００１７】本発明は、かかる点に鑑み、赤色用、緑色
用及び青色用の液晶パネルに最適なコモン電圧を供給
し、期待する色表示及びコントラストを得、良好な表示
品質を得ることができると共に、直流電圧成分が長時間
にわたり液晶に印加されることを回避して液晶の劣化を
抑制することができるようにした投写型カラー液晶ディ
スプレイ装置を提供することを目的とする。

【００１８】

【課題を解決するための手段】図１は本発明の原理説明
図であり、本発明による投写型カラー液晶ディスプレイ
装置は、赤色用、緑色用、青色用の液晶パネル１、２、
３と、これら赤色用、緑色用、青色用の液晶パネル１、
２、３にそれぞれ独立に所望のコモン電圧を供給するコ
モン電圧供給回路１１とを設けて構成される。

【００１９】

【作用】本発明によれば、赤色用、緑色用、青色用の液
晶パネル１、２、３にそれぞれ独立に所望のコモン電圧
を供給するコモン電圧供給回路１１を設けて構成される
ので、赤色用、緑色用、青色用の液晶パネル１、２、３
にそれぞれ特性に合った最適なコモン電圧Ｖ_CR、Ｖ_CG、
Ｖ_CBを供給することができる。

【００２０】

【実施例】以下、図２〜図４を参照して、本発明の第１
実施例及び第２実施例について説明する。

【００２１】第１実施例・・図２、図３ 図２は本発明の第１実施例の要部を示す図であり、本実
施例においては、コモン電圧供給回路１１は、所定のコ
モン電圧Ｖcomを出力するコモン電圧発生回路１２と、
このコモン電圧発生回路１２から出力されるコモン電圧
Ｖcomを所望の電圧値に調整する電圧調整器１３、１
４、１５とを設け、これら電圧調整器１３、１４、１５
の出力電圧をそれぞれ赤色用、緑色用、青色用の液晶パ
ネル１、２、３に供給するように構成されている。

【００２２】この第１実施例によれば、例えば、図３に
示すように、データドライバから出力される赤色映像信
号Ｓ_R ⁺、Ｓ_R ^-、緑色映像信号Ｓ_G ⁺、Ｓ_G ^-、青色映像信号
Ｓ_B ⁺、Ｓ_B ^-がそれぞれマイナス側にレベルシフトして画
素電極に印加される場合であっても、コモン電圧発生回
路１２から出力されるコモン電圧Ｖcomを電圧調整器１
３、１４、１５でそれぞれ調整し、シフト後の赤色映像
信号Ｐ_R ⁺とＰ_R ^-、シフト後の緑色映像信号Ｐ_G ⁺とＰ_G ^-、
シフト後の青色映像信号Ｐ_B ⁺とＰ_B ^-とがそれぞれ対称と
なるような最適なコモン電圧Ｖ_CR、Ｖ_CG、Ｖ_CBをそれぞ
れ液晶パネル１、２、３に印加することができる。

【００２３】第２実施例・・図４ 図４は本発明の第２実施例の要部を示す図であり、本実
施例においては、それぞれ所望のコモン電圧を出力する
コモン電圧発生回路１６、１７、１８を設け、これらコ
モン電圧発生回路１６、１７、１８の出力電圧をそれぞ
れ赤色用、緑色用、青色用の液晶パネル１、２、３に供
給するように構成されている。

【００２４】この第２実施例においても、例えば、図３
に示すように、データドライバから出力される赤色映像
信号Ｓ_R ⁺、Ｓ_R ^-、緑色映像信号Ｓ_G ⁺、Ｓ_G ^-、青色映像信
号Ｓ _B ⁺、Ｓ_B ^-がそれぞれマイナス側にレベルシフトして
画素電極に印加される場合であっても、シフト後の赤色
映像信号Ｐ_R ⁺とＰ_R ^-、緑色映像信号Ｐ_G ⁺とＰ_G ^-、青色映
像信号Ｐ_B ⁺とＰ_B ^-とがそれぞれ対称となるような最適な
コモン電圧Ｖ_CR、Ｖ_CG、Ｖ_CBをコモン電圧発生回路１
６、１７、１８から出力させ、これをそれぞれ液晶パネ
ル１、２、３に印加することができる。

【００２５】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、赤色
用、緑色用、青色用の液晶パネルにそれぞれ独立に所望
のコモン電圧を供給するコモン電圧供給回路を設けると
いう構成を採用したことにより、赤色用、緑色用、青色
用の液晶パネルにそれぞれその特性に合った最適なコモ
ン電圧を供給することができるので、良好な色表示及び
コントラストを得、良好な表示品質を得ることができる
と共に、直流電圧成分が長時間にわたり液晶に印加され
ることを回避して液晶の劣化を抑制することもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理説明図である。

【図２】本発明の第１実施例の要部を示す図である。

【図３】本発明の第１実施例及び第２実施例の効果を説
明するための図である。

【図４】本発明の第２実施例の要部を示す図である。

【図５】従来の投写型カラー液晶ディスプレイ装置の要
部を示す図である。

【図６】図５に示す投写型カラー液晶ディスプレイ装置
を構成する液晶パネルの概念図である。

【図７】交流駆動方法の一例を説明するための図であ
る。

【図８】赤色映像信号、緑色映像信号、青色映像信号の
シフト例を示す図である。

【図９】従来の投写型カラー液晶ディスプレイ装置にお
けるコモン電圧供給方法を説明するための図である。

【符号の説明】

１ 赤色用の液晶パネル ２ 緑色用の液晶パネル ３ 青色用の液晶パネル １１ コモン電圧供給回路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】赤色用、緑色用、青色用の液晶パネル
   （１、２、３）と、該赤色用、緑色用、青色用の液晶パ
   ネル（１、２、３）にそれぞれ独立に所望のコモン電圧
   を供給するコモン電圧供給回路（１１）とを設けて構成
   されていることを特徴とする投写型カラー液晶ディスプ
   レイ装置。
2. 【請求項２】前記コモン電圧供給回路（１１）は、所定
   のコモン電圧（Ｖcom）を出力するコモン電圧発生回路
   （１２）と、該コモン電圧発生回路（１２）から出力さ
   れるコモン電圧（Ｖcom）を所望の電圧値に調整する第
   １、第２、第３の電圧調整器（１３、１４、１５）とを
   設け、該第１、第２、第３の電圧調整器（１３、１４、
   １５）の出力電圧をそれぞれ前記赤色用、緑色用、青色
   用の液晶パネル（１、２、３）に供給するように構成さ
   れていることを特徴とする請求項１記載の投写型カラー
   液晶ディスプレイ装置。
3. 【請求項３】前記コモン電圧供給回路（１１）は、それ
   ぞれ所望のコモン電圧を出力する第１、第２、第３のコ
   モン電圧発生回路（１６、１７、１８）を設け、該第
   １、第２、第３のコモン電圧発生回路（１６、１７、１
   ８）の出力電圧をそれぞれ前記赤色用、緑色用、青色用
   の液晶パネル（１、２、３）に供給するように構成され
   ていることを特徴とする請求項１記載の投写型カラー液
   晶ディスプレイ装置。