JP2015197579A - 電気光学装置、電子機器、及び電子光学装置の駆動方法 - Google Patents

電気光学装置、電子機器、及び電子光学装置の駆動方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015197579A
JP2015197579A JP2014075176A JP2014075176A JP2015197579A JP 2015197579 A JP2015197579 A JP 2015197579A JP 2014075176 A JP2014075176 A JP 2014075176A JP 2014075176 A JP2014075176 A JP 2014075176A JP 2015197579 A JP2015197579 A JP 2015197579A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
period
voltage
electro
pixel electrode
polarity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014075176A
Other languages
English (en)
Inventor
信宇 田中
Nobutaka Tanaka
信宇 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2014075176A priority Critical patent/JP2015197579A/ja
Publication of JP2015197579A publication Critical patent/JP2015197579A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】フリッカー、及び表示画像の焼き付き等の表示不具合を抑制すると共に、液晶のバックフローによるイオンの掃き寄せ効果を十分なものとすること。【解決手段】対向電極に印加される対向電極電位を基準として高位の電圧を正極性、低位の電圧を負極性としたときに、第1の期間と第2の期間とを含む所定の期間において、第1の期間では、正極性または負極性のうち、いずれか一方の極性の電圧である第1電圧を画素電極に供給し、第2の期間では、第1電圧とは異なる極性の第2電圧を画素電極に供給する制御回路を備え、画素において第1の期間に電気光学層に印加される電圧の大きさと、第2の期間に電気光学層に印加される電圧の大きさとが互いに異なり、かつ、所定の期間における第1の期間の長さと第2の期間との長さとが互いに異なる。【選択図】図1

Description

本発明は、電気光学装置、電子機器、及び電子光学装置の駆動方法に関する。
一般的に、画素電極を薄膜トランジスタにより駆動するアクティブマトリクス型の液晶
表示においては、フリッカーや、表示画像の焼き付き等の表示不具合を防止するために、
例えば、各画素電極に印加される駆動電圧の極性を、走査線やデータ線毎、又は画像信号
におけるフレーム毎に反転させる反転駆動が採用されている。これは、反転駆動によって
液晶層へ直流電圧成分が印加されることや、基板間における電荷の偏りを防止し、フリッ
カー等の表示不具合を解消しようとするものである。しかしながら、単純に反転駆動を行
うだけでは、直流電圧成分の印加は完全には解決されず、依然として表示不具合が発生し
ている。
即ち、反転駆動を行ったとしても、液晶層への直流電圧成分の印加や、電荷の偏りが発
生しており、これらに対しては、対策を講ずる必要がある。また、表示不具合の発生源と
しては、2つの現象が知られている。まず、第1の現象は、所謂、フィードスルー現象で
あり、TFT(Thin Film Transistor)のゲート・ドレイン端子間
及びソース・ドレイン端子間の寄生容量に起因して、オンからオフ状態に切り替えるとき
に、ドレイン端子と接続された画素電極の電圧が低下してしまう現象である。具体的には
、寄生容量及び蓄積容量に蓄積された電荷が、TFTのオフのタイミングにおいて、再分
配されることによる画素電極の電圧低下現象である。第2の現象は、液晶層を挟持する素
子基板と対向基板との特性差に起因した直流電圧成分である。より詳しくは、画素電極や
TFT等が形成された素子基板と、対向電極が形成された対向基板とにおいて、それぞれ
の電気的特性が非対称であることによって、電荷の偏りが生じるためである。
このような背景に関連する技術としては、様々なものが知られている(例えば、特許文
献1参照。)。
例えば、特許文献1には、上述した2つの現象に着目した液晶表示装置の駆動方法が記
載されている。この駆動方法においては、反転駆動における極性反転の基準となる対向電
極電位を、予め第1の現象及び第2の現象による影響を補正するようにシフトさせる。詳
しくは、初期段階において第1の現象による電圧変動分と、第2の現象による電圧変動分
とを、所定の計測条件により計測し、それらを加味した値を一定の補正電圧として、対向
電極の設定電位に加味している。
しかしながら、第1の現象及び第2の現象に起因する直流電圧成分を一定の補正電圧値
によって賄う特許文献1に記載の駆動方法によっては、液晶層へ直流電圧成分が印加され
てしまい、フリッカー等の表示不具合が発生してしまう。
また、第1の現象の補正電圧に対して第2の現象の補正電圧がある程度の大きさを持つ
場合には、対向電極電位が正負のいずれかに大きくシフトしてしまい、表示不具合の発生
要因の一つとなる。詳しくは、第2の現象に対する補正電圧が大きいと、駆動電圧の正負
における振幅差が大きくなり、そのために、フリッカー等の表示不具合が発生してしまう
このような背景に関連する技術としては、様々なものが知られている(例えば、特許文
献2参照。)。
例えば、特許文献2には、対向電極電位を第1の現象の補正電圧分、予めシフトした値
に設定すると共に、1フレームの期間長における第1フィールド及び第2フィールドの期
間長の割合を、指定値に応じて調整する駆動方法が記載されている。このような駆動方法
によっては、フリッカー、又は表示画像の焼き付き等の表示不具合を抑制することができ
る。
特許第3771157号公報 特開2010−79151号公報
しかしながら、特許文献2に記載の駆動方法によっては、第1フィールド及び第2フィ
ールドにおいて、それぞれ同じ電圧が印加される。そのため、特許文献2に記載の方法に
よっては、液晶のバックフローによるイオンの掃き寄せ効果が弱い。
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、複数の走査線と複数のデー
タ線と、複数の走査線の各々と複数のデータ線の各々との交点に対応して配置されたスイ
ッチングトランジスタおよび画素電極と、画素電極と対向する対向電極と、画素電極と対
向電極との間に挟持された電気光学層と、を備え、画素電極に対応する画素が複数個配列
された表示部を有する電気光学装置であって、対向電極に印加される対向電極電位を基準
として高位の電圧を正極性、低位の電圧を負極性としたときに、第1の期間と第2の期間
とを含む所定の期間において、第1の期間では、正極性または負極性のうち、いずれか一
方の極性の電圧である第1電圧を画素電極に供給し、第2の期間では、第1電圧とは異な
る極性の第2電圧を画素電極に供給する制御回路を備え、画素において第1の期間に電気
光学層に印加される電圧の大きさと、第2の期間に電気光学層に印加される電圧の大きさ
とが互いに異なり、かつ、所定の期間における第1の期間の長さと第2の期間との長さと
が互いに異なる。
上記の構成によれば、既知の駆動方法と比べて、フリッカー、及び表示画像の焼き付き
等の表示不具合を抑制することができるだけでなく、液晶のバックフローによるイオンの
掃き寄せ効果を十分なものとすることができる。
上記の電気光学装置においては、複数個配列された画素のうち一の画素において第1の
期間に電気光学層に印加される電圧の大きさと、第2の期間に電気光学層に印加される電
圧の大きさとの差が、複数個配列された画素のうち他の一の画素において同一の値に設定
されているようにしてもよい。
上記の構成によれば、試験的に得られた一の画素電極に対応する画素の特性に基づいて
、表示部を駆動することができる。
上記の電気光学装置においては、複数個配列された画素のうち一の画素において第1の
期間に電気光学層に印加される電圧と、第2の期間に電気光学層に印加される電圧とは、
画素電極と対向電極との電気的特性の差異に起因する直流電圧成分を補正するように設定
され、所定の期間における第1の期間の長さと、第2の期間との長さは、補正された直流
電圧成分を更に補うように設定されているようにしてもよい。
上記の構成によれば、フリッカーが発生しない範囲において、液晶のバックフローによ
るイオンの掃き寄せ効果を最大限まで高めることができる。
本発明の第2の形態によると、複数の走査線と複数のデータ線と、複数の走査線の各々
と複数のデータ線の各々との交点に対応して配置されたスイッチングトランジスタおよび
画素電極と、画素電極と対向する対向電極と、画素電極と対向電極との間に挟持された電
気光学層と、を備え、画素電極に対応する画素が複数個配列された表示部を有する電気光
学装置の駆動方法であって、対向電極に印加される対向電極電位を基準として高位の電圧
を正極性、低位の電圧を負極性としたときに、第1の期間と第2の期間とを含む所定の期
間において、第1の期間では、正極性または負極性のうち、いずれか一方の極性の電圧で
ある第1電圧を画素電極に供給し、第2の期間では、第1電圧とは異なる極性の第2電圧
を画素電極に供給し、画素において第1の期間に電気光学層に印加される電圧の大きさと
、第2の期間に電気光学層に印加される電圧の大きさとが互いに異なり、かつ、所定の期
間における第1の期間の長さと第2の期間との長さとが互いに異なる。
上記の構成によれば、既知の駆動方法と比べて、フリッカー、及び表示画像の焼き付き
等の表示不具合を抑制することができるだけでなく、液晶のバックフローによるイオンの
掃き寄せ効果を十分なものとすることができる。
上記の電気光学装置の駆動方法においては、複数個配列された画素のうち一の画素にお
いて第1の期間に電気光学層に印加される電圧の大きさと、第2の期間に電気光学層に印
加される電圧の大きさとの差が、複数個配列された画素のうち他の一の画素において同一
の値に設定されているようにしてもよい。
上記の構成によれば、試験的に得られた一の画素電極に対応する画素の特性に基づいて
、表示部を駆動することができる。
上記の電気光学装置の駆動方法においては、複数個配列された画素のうち一の画素にお
いて第1の期間に電気光学層に印加される電圧と、第2の期間に電気光学層に印加される
電圧とは、画素電極と対向電極との電気的特性の差異に起因する直流電圧成分を補正する
ように設定され、所定の期間における第1の期間の長さと、第2の期間との長さは、補正
された直流電圧成分を更に補うように設定されているようにしてもよい。
上記の構成によれば、フリッカーが発生しない範囲において、液晶のバックフローによ
るイオンの掃き寄せ効果を最大限まで高めることができる。
本発明の第3の形態によると、電子機器であって、上記の電気光学装置を備える。
上記の構成によれば、既知の駆動方法と比べて、フリッカー、及び表示画像の焼き付き
等の表示不具合を抑制することができるだけでなく、液晶のバックフローによるイオンの
掃き寄せ効果を十分なものとすることができる。
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また
、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
第1の実施形態に係る電気光学装置1の概略構成の一例を示す図である。 表示パネル10の構成の一例を示す図である。 画素の等価回路の一例を示す図である。 第2の現象に起因する補正すべき直流電圧成分ΔV2の時間依存性の一例を示す図である。 正極性が保持される期間の長さと、負極性が保持される期間の長さとが互いに異なるように調整する方法の一例を示す図である。 正極性が保持される期間の長さと、負極性が保持される期間の長さとが互いに異なるように調整する方法の一例を示す図である。 正極性が保持される期間の長さと、負極性が保持される期間の長さとが互いに異なるように調整する方法の一例を示す図である。 正極性が保持される期間の長さと、負極性が保持される期間の長さとが互いに異なるように調整する方法の一例を示す図である。 補正すべき直流電圧成分ΔV2の方向と、直流電圧成分ΔV2及び補正電圧Vc2の大きさの関係との組み合わせによって決まる、正極性が保持される第1フィールドの期間と、負極性が保持される第2フィールドの期間との大きさの関係の一例を示す図である。 走査信号系のタイミングチャートの一例を示す図である。 走査信号系のタイミングチャートの一例を示す図である。 データ信号系の第1フィールドにおけるタイミングチャートの一例を示す図である。 データ信号系の第2フィールドにおけるタイミングチャートの一例を示す図である。 各行の書き込み状態を連続するフレームにわたる時間経過と共に示す図である。 各行の書き込み状態を連続するフレームにわたる時間経過と共に示す図である。 電気光学装置1の表示パネル10をライトバルブとして用いた3板式プロジェクタの構成の一例を示す図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範
囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組
み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、第1の実施形態に係る電気光学装置1の概略構成の一例を示す。電気光学装置
1は、電気的な入力によって光学的な出力状態を制御する装置である。
電気光学装置1は、表示パネル10、処理回路50及び電圧生成回路60等を備える。
表示パネル10は、透過式のアクティブマトリクス型の液晶パネルである。電圧生成回
路60は、DC(Direct Current)/DCコンバータ等を含んで構成され
、外部装置から供給される直流電力から、各部において使用する複数の直流電圧を生成す
る。また、電圧生成回路60は、表示パネル10の対向電極に印加される対向電極電位C
omを生成し、表示パネル10に供給する。
処理回路50は、データ信号Vidの出力に合わせて表示パネル10の動作等を制御す
る回路モジュールである。処理回路50と表示パネル10とは、例えば、FPC(Fle
xible Printed Circuit)基板によって接続されている。処理回路
50は、制御回路52及び表示データ処理回路56を有する。
制御回路52は、タイミング信号発生回路53を有する。タイミング発生回路53には
、クロック発生回路54が付属する。クロック発生回路54は、各部の制御動作の基準と
なるクロック信号を生成して、タイミング信号発生回路53に出力する。タイミング信号
発生回路53は、外部装置から供給される垂直同期信号Vs、水平同期信号Hs及びドッ
トクロック信号Dclkに同期して、表示パネル10を制御するための各種の制御信号を
生成する。
表示データ処理回路56には、フレームメモリ57及びDA(Digital to
Analog)コンバータ58が付属する。表示データ処理回路56は、外部装置から供
給される表示データVideoを、制御回路52による制御に従ってフレームメモリ57
に記憶した後、表示パネル10の駆動に同期して読み出すと共に、DAコンバータ58に
よってアナログのデータ信号Vidに変換する。なお、表示データVideoは、表示パ
ネル10における画素の階調を規定しており、垂直同期信号Vsの供給タイミングを契機
として1フレーム分供給されると共に、水平同期信号Hsの供給タイミングを契機として
1行分供給される。
ここで、本実施形態における垂直同期信号Vsは、周波数60Hzとするが、これに限
定するものではない。また、ドットクロック信号Dclkについては、表示データVid
eoのうち、1画素分が供給される期間を規定するものとする。即ち、制御回路52は、
表示データVideoの供給に同期して各部を制御する。
図2は、表示パネル10の構成の一例を示す。表示パネル10は、表示領域100の周
辺に、走査線駆動回路130及びデータ線駆動回路140を備える。
表示領域100には、480行の走査線112が行方向に延在するように設けられ、6
40列のデータ線114が列方向に延在するように、且つ、各走査線112と互いに電気
的に絶縁を保つように設けられている。また、表示領域100には、480行の走査線1
12と640列のデータ線114との交差に対応して、複数の画素110が設けられてい
る。換言すれば、複数の画素110は、縦480行×横640列のマトリクス状に配列さ
れている。なお、本実施形態においては、説明を容易にするために、解像度をVGA(V
ideo Graphics Array)としているが、これに限定するものではない
。解像度は、例えば、XGA(eXtended Graphics Array)やS
XGA(Super−XGA)、フルハイビジョン、4K2K等の解像度であってもよい
図3は、画素の等価回路の一例を示す。詳しくは、i行、及びこれと1行下において隣
接する(i+1)行と、j列、及びこれと1列右において隣接する(j+1)列との交差
に対応する2×2の計4画素分の構成を示す。なお、i、(i+1)は、画素110が配
列する行を示しており、ここでは、1以上480以下の整数となる。また、j、(j+1
)は、画素110が配列する列を示しており、ここでは、1以上640以下の整数となる
複数の画素110の各々は、nチャネル型のTFT116と、液晶容量120とを有す
る。i行j列の画素110におけるTFT116のゲート電極は、i行目の走査線112
に接続される。そのソース電極は、j列目のデータ線114に接続される。そのドレイン
電極は、液晶容量120の一端である画素電極118に接続されている。また、液晶容量
120の他端は、対向電極108に接続されている。この対向電極108は、全ての画素
110にわたって共通であって、時間的に一定の対向電極電位Comが印加される。
表示パネル10は、素子基板と対向基板との一対の基板が一定の間隙を保って貼り合わ
せられると共に、この間隙に液晶が封止された構成となっている。このうち、素子基板に
は、走査線112や、データ線114、TFT116及び画素電極118が、走査線駆動
回路130やデータ線駆動回路140と共に形成される。一方、対向基板には、対向電極
108が形成される。これらの電極形成面は、互いに対向するように一定の間隙を保って
貼り合わせられている。このため、液晶容量120は、画素電極118と対向電極108
とが液晶105を挟持することによって構成されている。なお、本実施形態においては、
液晶容量120において保持される電圧実効値がゼロに近ければ、液晶容量を通過する光
の透過率が最大となって白色表示になる一方、電圧実効値が大きくなるにつれて透過する
光量が減少して、ついには透過率が最小の黒色表示になるノーマリーホワイトモードに設
定されているものとする。
この構成においては、走査線112に選択電圧を印加し、TFT116をオンさせると
共に、データ線114、及びオン状態のTFT116を介して、階調に応じた電圧のデー
タ信号を画素電極118に供給すると、選択電圧を印加した走査線112と、データ信号
を供給したデータ線114との交差に対応する液晶容量120に、階調に応じた電圧実効
値を保持させることができる。なお、走査線112が非選択電圧になる場合には、TFT
116がオフ状態となるが、このときのオフ抵抗が理想的に無限大とはならないので、液
晶容量120に蓄積された電荷が少なからずリークする。このオフリークの影響を少なく
するために、各画素には、蓄積容量109が形成されている。この蓄積容量109の一端
は、画素電極118に接続される。一方、その他端は、全画素にわたって容量線107に
共通接続されている。この容量線107は、時間的に一定の電位、例えば、対向電極10
8と同じ対向電極電圧Comに保たれている。
走査線駆動回路130は、走査信号G1、G2、G3、・・・、G480を、それぞれ
、1、2、3、・・・、480行目の走査線112に供給する。走査線駆動回路130は
、選択した走査線への走査信号を電圧Vddに相当するHレベルとし、それ以外の走査線
への走査信号を非選択電圧に相当するLレベルとする。
データ線駆動回路140は、サンプリング信号出力回路142と、各データ線114に
それぞれ対応して設けられたnチャネル型のTFT146とを有する。
第1の現象は、上述したとおり、フィードスルー現象による電圧低下である。これは、
電圧低下分に相当する直流電圧ΔV1を補償することにより補正できる。これに対して、
第2の現象は、画素電極基板と対向電極基板の電気的な特性差により生じる電荷の偏りで
ある。これを補償するためには、電荷の偏りを打ち消すだけの余分な電圧の印加が必要と
なる。更に、第2の現象における補正電圧は、駆動電圧との相関性がある。そのため、第
1の現象に対する補正は、第2の現象に対する補正と切り分けて補正するのが効果的であ
る。そこで、本実施形態における第1の現象の補正方法としては、駆動電圧にかかわらず
一定の補正電圧Vc1を掛ける。一方、第2の現象に対する補正方法としては、その特性
差による直流電圧成分ΔV2の方向及び大きさに応じて、正極性及び負極性が保持される
期間長の割合を調整する。
しかしながら、第2の現象に対する補正を行うにあたり、その特性差による直流電圧成
分ΔV2の方向及び大きさに応じて、正極性及び負極性が保持される期間長の割合を、単
に調整しただけでは、正極性が保持される期間と、負極性が保持される期間とにおいて、
それぞれ同じ電圧が液晶に印加されるため、液晶のバックフローによるイオンの掃き寄せ
効果が弱くなってしまうという第3の現象が生じる。
そこで、本実施形態における第3の現象に対する補正方法としては、画素電極118に
おいて、正極性が保持される期間に液晶105に印加される電圧の大きさと、負極性が保
持される期間に液晶105に印加される電圧の大きさとが互いに異なるように調整する。
一方、本実施形態における第2の現象に対する補正方法としては、第3の現象を補正する
ための電圧調整分を織り込んだ上で正極性が保持される期間の長さと、負極性が保持され
る期間の長さとが互いに異なるように調整する。
より具体的に説明すると、画素電極118において、正極性が保持される期間に液晶1
05に印加される電圧の大きさと、負極性が保持される期間に液晶105に印加される電
圧の大きさとの差は、複数の画素電極118において同一の値に設定される。また、画素
電極118において、正極性が保持される期間に液晶105に印加される電圧と、負極性
が保持される期間に液晶105に印加される電圧とは、画素電極118と対向電極108
との電気的特性の差異に起因する直流電圧成分ΔV2を、部分的又は超過的に補正するよ
うな補正電圧Vc2が設定される。そして、正極性が保持される期間の長さと、負極性が
保持される期間の長さとは、電圧の差による補正の不足分又は超過分を補うように設定さ
れる。
ここで、液晶のバックフローによるイオンの掃き寄せ効果を十分に得るためには、正極
性が保持される期間に液晶105に印加される電圧の大きさと、負極性が保持される期間
に液晶105に印加される電圧の大きさとの差が大きい方が好ましい。しかしながら、こ
れらの電圧の差を大きくすることは、フリッカーが発生し易くなる要因となる。そこで、
本実施形態においては、正極性が保持される期間に液晶105に印加される補正後の電圧
の大きさと、負極性が保持される期間に液晶105に印加される補正後の電圧の大きさと
の差が、フリッカーが許容される限界値まで補正されるようなVc2が設定される。した
がって、|ΔV2|>|Vc2|の場合には、補正電圧Vc2によって、直流電圧成分Δ
V2が部分的に補正される。一方、|ΔV2|<|Vc2|の場合には、補正電圧Vc2
によって、直流電圧成分ΔV2が超過的に補正される。
図4は、第2の現象に起因する補正すべき直流電圧成分ΔV2の時間依存性の一例を示
す。図4においては、横軸は経過時間(t)を示し、縦軸は第2の現象(特性差)に起因
する補正すべき直流電圧成分ΔV2を示している。グラフaは、第2の現象に起因する直
流電圧成分ΔV2を、補正電圧Vc2により補正する前の時間依存性を示す。グラフbは
、第2の現象に起因する直流電圧成分ΔV2を、補正電圧Vc2により補正した後の時間
依存性を示す。ここで、いずれのグラフにおいても、対向電極電位Comは、第1の現象
に対する補正電圧だけシフトした値に設定されているものとする。
グラフaに示すように、補正電圧Vc2により補正する前においては、表示開始時点に
おいては直流電圧成分ΔV2はゼロとなっているが、その後、時間経過に伴い、直流電圧
成分ΔV2が大きくなっている。これに対して、補正電圧Vc2により補正した後におい
ては、グラフbに示すように、表示開始時点においては直流電圧成分ΔV2はゼロとなっ
ており、その後、時間経過に伴い、直流電圧成分ΔV2が大きくなっているものの、その
値は、グラフaに示す場合よりも小さくなっている。即ち、対向電極電位Comを第1の
現象の補正電圧分予めシフトすると共に、第2の現象についても、フリッカーが許容され
る限界値Vc2まで対向電極電位Comを更にシフトさせることにより、第1の現象及び
第2の現象による液晶層への直流電圧成分の印加が抑制されていることが分かる。
ここで、図4においては、フリッカーが許容される限界値Vc2まで対向電極電位Co
mを更にシフトさせようとしても、直流電圧成分ΔV2は、画素の特性に起因する補正感
度の影響を受けた値しか補正されない場合について示している。例えば、図4に示す例に
おいては、直流電圧成分ΔV2の値が0.2(V)であり、フリッカーが許容される限界
値Vc2の値が0.1(V)であり、画素の特性に起因する補正感度が0.5である例を
示している。即ち、この例においては、直流電圧成分ΔV2=0.2(V)に対して、フ
リッカーが許容される限界値Vc2=0.1(V)だけ対向電極電位Comをシフトさせ
ているが、補正感度が0.5であるため、補正すべき直流電圧成分ΔV2は0.2−0.
1×0.5=0.15(V)までしか抑制されない。
このようにして、第3の現象に対しては、フリッカーが許容される限界値まで対向電極
電位Comをシフトさせ、正極性と負極性で液晶に印加される電圧に差を付けることで、
イオンを掃き寄せる効果を高めることができる。一方、第2の現象に対しては、未だ、0
.15(V)分の残りの直流電圧成分ΔV2を補正する必要がある。
本実施形態における第2の現象に対する0.15(V)分の残りの直流電圧成分ΔV2
の補正方法としては、上述したように、正極性が保持される期間の長さと、負極性が保持
される期間の長さとが互いに異なるように調整する。
本実施形態においては、複数の走査線を第1走査線群と第2走査線群とに分けて、1つ
のフレームにおいて、第1走査線群におけるいずれか1本の走査線と、第2走査線群にお
けるいずれか一本の走査線とを交互に選択すると共に、1つのフレームにおいて、各走査
線を2回ずつ選択する、所謂、倍速領域走査反転駆動を用いている。フレームとは、1枚
の画像を表示パネル10に表示させるのに要する期間をいう。
また、本実施形態においては、1フレームの期間のうち、スタートパルスDyaが出力
されてからスタートパルスDybが出力されるまでの期間を第1フィールドとし、スター
トパルスDybが出力されてから次のスタートパルスDyaが出力されるまでの期間を第
2フィールドとしている。また、1つの走査線は、1フレームの期間において、フィール
ド毎に1回ずつ、即ち、2回選択されている。
以下の説明においては、1フレームの期間のうち、第1フィールドを正極性が保持され
る期間とし、第2フィールドを負極性が保持される期間とする。
図5〜図8は、正極性が保持される期間の長さと、負極性が保持される期間の長さとが
互いに異なるように調整する方法の一例を示す。図9は、補正すべき直流電圧成分ΔV2
の方向と、直流電圧成分ΔV2及び補正電圧Vc2の大きさの関係との組み合わせによっ
て決まる、正極性が保持される第1フィールドの期間と、負極性が保持される第2フィー
ルドの期間との大きさの関係の一例を示す。
図5は、直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によって部分的
に補正される場合の、第1フィールド及び第2フィールドの期間を調整する方法を示す。
図6は、直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2によって超過的に
補正される場合の、第1フィールド及び第2フィールドの期間を調整する方法を示す。こ
れらの場合においては、フリッカーが許容される限界値Vc2により補正された残りの直
流電圧成分ΔV2を補正するために、正極性が保持される第1フィールドの期間よりも、
負極性が保持される第2フィールドの期間が長くなるように調整される。
図7は、直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2によって部分的
に補正される場合の、第1フィールド及び第2フィールドの期間を調整する方法を示す。
図8は、直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によって超過的に
補正される場合の、第1フィールド及び第2フィールドの期間を調整する方法を示す。こ
れらの場合においては、フリッカーが許容される限界値Vc2により補正された残りの直
流電圧成分ΔV2を補正するために、正極性が保持される第1フィールドの期間よりも、
負極性が保持される第2フィールドの期間が短くなるように調整される。
例えば、図4に示す例の場合には、対向電極電位Comを3(V)ずらしたときと同じ
効果が得られるように比率を設定するので、例えば、印加電圧の基準値が5(V)であれ
ば、5.15(V)と4.85(V)となるようにする。したがって、第1フィールドの
期間と第2フィールドの期間との比は、5.15:4.85→6.2(%)になる。実際
にずらすときには、クロック単位になるので、480ラインであれば、第1フィールドの
期間が6.2/2=3.1(%)分、即ち、240×0.031→7〜8ライン多くなる
ようにずらす。
図10は、直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によって部分
的に補正されるとき、又は直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2
によって超過的に補正されるときの走査信号系のタイミングチャートの一例を示す。詳し
くは、走査線駆動回路130により出力される走査信号G1〜G480を、スタートパル
スDya、Dybとクロック信号Clyとの関係において示す。
本実施形態における垂直同期信号は、上述したように周波数60Hzである。したがっ
て、1フレームの期間は、16.7ミリ秒で固定である。制御回路52は、クロック信号
Clyを、1フレームの期間にわたって走査線数に等しい480周期分出力する。なお、
本実施形態においては、クロック信号Clyの1周期分の期間をHと表記している。
また、制御回路52は、クロック信号Clyの1周期分のパルス幅を有するスタートパ
ルスDya、Dybを、それぞれクロック信号ClyがHレベルの立ち上がり時において
、それぞれ次のように出力する。即ち、制御回路52は、スタートパルスDyaを1フレ
ームの期間における第1フィールドの最初に出力する。一方、制御回路52は、スタート
パルスDyaを出力してからクロック信号Clyの240周期分に相当する期間、即ち、
1フレームの半分の期間が経過したタイミングTよりも、クロック信号Clyの周期C1
分だけ先行したタイミングT(−C1)でスタートパルスDybを出力する。
ここで、スタートパルスDybを、タイミングTよりも先行させる周期C1の値は、直
流電圧成分ΔV2に対する、補正電圧Vcによる補正の不足分又は超過分を補うように設
定される。例えば、直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によっ
て部分的に補正される場合には、その不足分である|ΔV2|−|Vc2|を補うように
設定される。また、例えば、直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc
2によって超過的に補正される場合には、その超過分である|Vc2|−|ΔV2|を補
うように設定される。
図11は、直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2によって部分
的に補正されるとき、又は直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2
によって超過的に補正されるときの走査信号系のタイミングチャートの一例を示す。
この場合、制御回路52は、タイミングTよりもクロック信号Clyの周期C2分だけ
遅延したタイミングT(+C2)でスタートパルスDybを出力する。
ここで、スタートパルスDybを、タイミングTよりも遅延させる周期C2の値は、直
流電圧成分ΔV2に対する、補正電圧Vcによる補正の不足分又は超過分を補うように設
定される。例えば、直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2によっ
て部分的に補正される場合には、その不足分である|ΔV2|−|Vc2|を補うように
設定される。また、例えば、直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc
2によって超過的に補正される場合には、その超過分である|Vc2|−|ΔV2|を補
うように設定される。
ここで、スタートパルスDya、Dybは、交互に出力される。一方、スタートパルス
Dyaの出力タイミングは、変更されない。このため、1フレームの16.7ミリ秒毎に
出力されるスタートパルスDyaを特定すると、第2フィールドの開始を規定するスター
トパルスDybは、必然的に特定することができる。このため、図1や、図10〜図11
においては、スタートパルスDya、Dybの両者を区別することなく、スタートパルス
Dyとして表記している。
走査線駆動回路130は、このようなスタートパルスDya、Dyb及びクロック信号
Clyから、次のような走査信号G1〜G480を出力する。即ち、走査線駆動回路13
0は、スタートパルスDyaが供給されると、クロック信号ClyがLレベルに変化する
毎に走査信号G1〜G480を順次Hレベルとする一方、スタートパルスDybが供給さ
れると、クロック信号ClyがHレベルに変化する毎に走査信号G1〜G480を順次H
レベルとする。
スタートパルスDyaは、1フレームの第1フィールドの期間の最初に供給される。し
たがって、スタートパルスDyaの供給を契機とする走査線の選択は、直流電圧成分ΔV
2が補正電圧Vc2によって補正された後の対向電極電位Comによって変化しない。ま
た、スタートパルスDyaの供給を契機とする走査線の選択は、クロック信号ClyがL
レベルである期間に実行されるので、第1フィールド及び第2フィールドにわたって1行
目の走査線を開始点として画面下方向に向かって2、3、4、・・・480行目の順番で
クロック信号Clyの半周期の期間をおいて実行されることになる。
一方、スタートパルスDybは、第2フィールドの最初に供給される。したがって、ス
タートパルスDybを契機とする走査線の選択は、直流電圧成分ΔV2が補正電圧Vc2
によって補正された後の対向電極電位Comによって全体的に前後することになる。即ち
、スタートパルスDybの供給を契機とする走査線の選択は、クロック信号ClyがHレ
ベルである期間に実行されるので、あるフレームの第2フィールドから次フレームの第1
フィールドにわたって1行目の走査線を開始点として画面下方向に向かって2、3、4、
・・・、480行目の順番で、スタートパルスDyaの供給を契機とする選択の合間にて
実行されることになる。
即ち、あるフレームの第2フィールドにおける1〜240行目の選択は、例えば、直流
電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によって部分的に補正されると
き、又は直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2によって超過的に
補正されるときには、図10に示されるようなタイミングTよりもクロック信号Clyの
周期C1分だけで全体的に先行し、直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電
圧Vc2によって部分的に補正されるとき、又は直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であ
って、補正電圧Vc2によって超過的に補正されるときには、図11に示されるようにタ
イミングTよりもクロック信号Clyの周期C2分だけで全体的に遅延した関係となる。
図12は、データ信号系の第1フィールドにおけるタイミングチャートの一例を示す。
図13は、データ信号系の第2フィールドにおけるタイミングチャートの一例を示す。デ
ータ線駆動回路140のサンプリング信号出力回路142は、制御回路52による制御信
号Ctrl−xに従って、図12又は図13に示されるように、いずれかの走査線112
が選択されて当該走査線に供給される走査信号がHレベルとなる期間にわたって、順次、
排他的にHレベルとなるサンプリング信号S1、S2、S3、・・・S640を、データ
線114の各々に出力する。なお、制御信号Ctrl−xとは、実際にはスタートパルス
やクロック信号である。
走査信号がHレベルとなる期間Ha、Hbは、実際には図12又は図13に示されるよ
うに、クロック信号Clyの半分周期の期間よりも若干狭められている。また、図12、
図13は、直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によって部分的
に補正されるとき、又は直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2に
よって超過的に補正されるときを示している。
また、表示データ処理回路56は、選択された走査線112における画素1行分の表示
データVideoを、サンプリング信号出力回路142によるサンプリング信号S1〜S
640の出力に合わせて次のような極性のデータ信号Vidに変換する。即ち、表示デー
タ処理回路56は、クロック信号ClyがLレベルのときに選択された画素行における画
素のデータ信号Vidを正極性に変換し、クロック信号ClyがHレベルのときに選択さ
れた画素行における画素のデータ信号Vidを負極性に変換する。換言すれば、表示デー
タ処理回路56は、スタートパルスDyaの供給を契機として選択された画素行における
画素のデータ信号Vidを正極性に変換し、スタートパルスDybの供給を契機として選
択された画素行における画素のデータ信号Vidを負極性に変換する。
図12、図13に示すように、正極性及び負極性とは、基準電圧Vcから高位側を正極
性とし、低位側を負極性としている。また、ここでは、基準電圧Vcを0Vに設定してい
るが、これに限定するものではない。
ここで、本発明の駆動方法における特徴点の一つとしては、対向電極電位Comが基準
電圧Vcよりも正極性又は負極性側にシフトして設定されている。これは、前述した第1
の現象のフィードスルーによる電圧変化分を補正電圧として、対向電極電位Comの設定
値を基準電圧Vcからシフトし、上述した第3の現象に対する補正電圧として、正極性が
保持される期間に液晶105に印加される補正後の電圧の大きさと、負極性が保持される
期間に液晶105に印加される補正後の電圧の大きさとの差が、フリッカーが許容される
限界値まで補正されるようなVc2を更にシフトさせているからである。なお、ここでは
、負極性側への補正となっているが、これに限定するものではなく、第1の現象及び第3
の現象による影響を低減できるように対向電極電位Comをシフトすればよい。
また、第1の現象における補正電圧Vc1、及び第3の現象における補正電圧Vc2は
、個別の表示パネル毎に計測して求めることが好ましい。具体的には、補正電圧Vc1は
、同じ階調に相当する正極性、負極性の駆動電圧を交互に印加したときに、フリッカーが
十分小さくなる対向電極電位Comを求め、その値と、基準電圧Vcとの差から求める。
また、このときの駆動電圧は、フリッカーを視認し易い中間階調に相当する電圧が好まし
い。そして、補正電圧Vc1、Vc2は、制御回路52又は電圧生成回路60に設定され
る。そして、電圧生成回路60は、補正電圧分シフトした対向電極電位Comを生成し、
表示パネル10の対向電極に供給する。
以下の説明においては、駆動方法の全般について説明する。まず、制御回路52は、外
部装置から供給される表示データVideoを、フレームメモリ57に記憶させた後、表
示パネル10においてある画素行の走査線が選択されるとき、当該画素行の表示データを
記憶速度の倍の速度で読み出させる。そして、制御回路52は、DAコンバータ58によ
りアナログのデータ信号Vidに変換すると共に、表示データの読み出しに合わせて、サ
ンプリング信号S1〜S640が順番にHレベルとなるように、制御信号Ctrl−xを
介してサンプリング信号出力回路142を制御する。
直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によって部分的に補正さ
れる場合、又は直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2によって超
過的に補正される場合であれば、図10に示されるように、スタートパルスDybがタイ
ミングTよりもクロック信号Clyの周期C1分だけ時間的に前方のタイミングで出力さ
れる。このため、第1フィールドの期間は、クロック信号Clyの240−C1周期分と
なる。これに対し、第2フィールドの期間は、クロック信号Clyの240+C1周期分
となる。
図14は、直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によって部分
的に補正される場合、又は直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2
によって超過的に補正される場合において、各行の書き込み状態を連続するフレームにわ
たる時間経過と共に示す。直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2
によって部分的に補正される場合、又は直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補
正電圧Vc2によって超過的に補正される場合、スタートパルスDybの出力タイミング
が早まるので、スタートパルスDybの供給を契機とする選択により書き込まれる負極性
電圧の保持期間は、スタートパルスDyaの供給を契機とする選択により書き込まれる正
極性電圧の保持期間よりも長くなる。即ち、直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって
、補正電圧Vc2によって部分的に補正される場合、又は直流電圧成分ΔV2の方向が正
方向であって、補正電圧Vc2によって超過的に補正される場合、部分的に補正されたと
きの不足分、又は超過的に補正されたときの超過分が大きくなるにつれて、スタートパル
スDybの供給を契機とする選択により書き込まれる負極性電圧の保持期間は、スタート
パルスDyaの供給を契機とする選択により書き込まれる正極性電圧の保持期間よりも長
くなる。このため、この場合には、液晶容量120に印加される正極性電圧と負極性電圧
とのバランスが崩れ、負極性の電圧実効値が正極性の電圧実効値を上回ることになる。
直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2によって部分的に補正さ
れるとき、又は直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2によって超
過的に補正されるときであれば、図11に示されるように、スタートパルスDybがタイ
ミングTよりもクロック信号Clyの周期C2分だけ時間的に後方のタイミングで出力さ
れる。このため、第1フィールドの期間は、クロック信号Clyの240+C1周期分と
なる。これに対し、第2フィールドの期間は、クロック信号Clyの240−C1周期分
となる。
図15は、直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2によって部分
的に補正される場合、又は直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補正電圧Vc2
によって超過的に補正される場合において、各行の書き込み状態を連続するフレームにわ
たる時間経過と共に示す。直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であって、補正電圧Vc2
によって部分的に補正される場合、又は直流電圧成分ΔV2の方向が負方向であって、補
正電圧Vc2によって超過的に補正される場合、スタートパルスDybの出力タイミング
が遅くなるので、スタートパルスDybの供給を契機とする選択により書き込まれる負極
性電圧の保持期間は、スタートパルスDyaの供給を契機とする選択により書き込まれる
正極性電圧の保持期間よりも短くなる。即ち、直流電圧成分ΔV2の方向が正方向であっ
て、補正電圧Vc2によって部分的に補正される場合、又は直流電圧成分ΔV2の方向が
負方向であって、補正電圧Vc2によって超過的に補正される場合、部分的に補正された
ときの不足分、又は超過的に補正されたときの超過分が大きくなるにつれて、スタートパ
ルスDybの供給を契機とする選択により書き込まれる負極性電圧の保持期間は、スター
トパルスDyaの供給を契機とする選択により書き込まれる正極性電圧の保持期間よりも
短くなる。このため、この場合には、液晶容量120に印加される負極性の電圧実効値が
正極性の電圧実効値を下回ることになる。
上述したとおり、本実施形態に係る電気光学装置1によっては、直流電圧成分ΔV2の
大きさに依らず、一定の補正電圧Vc2だけシフトさせているので、液晶の印加電圧に正
負で差を付けることができ、確実にイオンの掃き寄せ効果を得られる。ここで、単に一定
電圧シフトさせると、直流電圧成分ΔV2の補正が不十分になったり多過ぎたりするが、
本実施形態に係る電気光学装置1によっては、これを、第1フィールドの期間と第2フィ
ールドの期間の長さで調整することで、フリッカーを生じさせずに、直流電圧成分ΔV2
を補正できる。
図16は、電気光学装置1の表示パネル10をライトバルブとして用いた3板式プロジ
ェクタの構成の一例を示す。プロジェクタ2100において、ライトバルブに入射させる
ための光は、内部に配置された3枚のミラー2106、及び2枚のダイクロイックミラー
2108によってR(Red)、G(Green)、B(Blue)の3原色に分離され
て、各原色に対応するライトバルブ100R、100G、100Bにそれぞれ導かれる。
なお、B色の光は、他のR色やG色と比較すると、光路が長いので、その損失を防ぐため
に、入射レンズ2122、リレーレンズ2123及び出射レンズ2124から成るリレー
レンズ系2121を介して導かれる。
ライトバルブ100R、100G、100Bの構成は、表示パネル10と同様であり、
外部装置から供給されるR、G、Bの各色に対応する画像データによってそれぞれ駆動さ
れる。ライトバルブ100R、100G、100Bによってそれぞれ変調された光は、タ
イクロイックプリズム2112に3方向から入射する。そして、ダイクロイックプリズム
2112において、R色及びG色の光は、90度に屈折する。一方、G色の光は、直進す
る。ダイクロイックプリズム2112において合成されたカラー画像を表す光は、レンズ
ユニット2114によって拡大投射される。このようにして、スクリーン2120上には
、フルカラー画像が表示される。
なお、ライトバルブ100R、100Bの透過像がダイクロイックプリズム2112に
より反射した後に投射されるのに対し、ライトバルブ100Gの透過像はそのまま投射さ
れるため、ライトバルブ100R、100Bにより形成される画像と、ライトバルブ10
0Gにより形成される画像とは、左右反転の関係になるように設定されている。
また、電子機器としては、他にも、カーナビゲーション装置、携帯電話、タッチパネル
を備えた機器、ディジタルスチルカメラ、テレビ電話、電子手帳、電卓、パーソナルコン
ピュータ、ビデオカメラのモニタ、ページャ、POS(Point Of Sales
system)端末、リアプロジェクション型のテレビジョン、ワークステーション、ワ
ードプロセッサ等が挙げられる。そして、本発明に係る電気光学装置は、これらの電子機
器に対しても適用させることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形
態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えること
が可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発
明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書及び図面中において示したシステム、方法、装置、プログラム
及び記録媒体における動作、手順、ステップ及び段階等の各処理の実行順序は、特段「よ
り前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いる
のでない限り、任意の順序で実現し得ることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細
書及び図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明した
としても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
1…電気光学装置、10…表示パネル、50…処理回路、52…制御回路、56…表示デ
ータ処理回路、60…電圧生成回路、108…対向電極、112…走査線、114…デー
タ線、116…TFT、118…画素電極、130…走査線駆動回路、140…データ線
駆動回路、Com…対向電極電位、Vid…データ信号、Vs…垂直同期信号

Claims (7)

  1. 複数の走査線と複数のデータ線と、前記複数の走査線の各々と前記複数のデータ線の各
    々との交点に対応して配置されたスイッチングトランジスタおよび画素電極と、前記画素
    電極と対向する対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持された電気光学層
    と、を備え、前記画素電極に対応する画素が複数個配列された表示部を有する電気光学装
    置であって、
    前記対向電極に印加される対向電極電位を基準として高位の電圧を正極性、低位の電圧
    を負極性としたときに、第1の期間と第2の期間とを含む所定の期間において、前記第1
    の期間では、前記正極性または前記負極性のうち、いずれか一方の極性の電圧である第1
    電圧を前記画素電極に供給し、前記第2の期間では、前記第1電圧とは異なる極性の第2
    電圧を前記画素電極に供給する制御回路を備え、
    前記画素において前記第1の期間に前記電気光学層に印加される電圧の大きさと、前記
    第2の期間に前記電気光学層に印加される電圧の大きさとが互いに異なり、かつ、前記所
    定の期間における前記第1の期間の長さと前記第2の期間との長さとが互いに異なる、電
    気光学装置。
  2. 複数個配列された前記画素のうち一の前記画素において前記第1の期間に前記電気光学
    層に印加される電圧の大きさと、前記第2の期間に前記電気光学層に印加される電圧の大
    きさとの差が、複数個配列された前記画素のうち他の一の画素において同一の値に設定さ
    れている、請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 複数個配列された前記画素のうち一の前記画素において前記第1の期間に前記電気光学
    層に印加される電圧と、前記第2の期間に前記電気光学層に印加される電圧とは、前記画
    素電極と前記対向電極との電気的特性の差異に起因する直流電圧成分を補正するように設
    定され、
    前記所定の期間における前記第1の期間の長さと、前記第2の期間との長さは、補正さ
    れた前記直流電圧成分を更に補うように設定されている、請求項1又は2に記載の電気光
    学装置。
  4. 複数の走査線と複数のデータ線と、前記複数の走査線の各々と前記複数のデータ線の各
    々との交点に対応して配置されたスイッチングトランジスタおよび画素電極と、前記画素
    電極と対向する対向電極と、前記画素電極と前記対向電極との間に挟持された電気光学層
    と、を備え、前記画素電極に対応する画素が複数個配列された表示部を有する電気光学装
    置の駆動方法であって、
    前記対向電極に印加される対向電極電位を基準として高位の電圧を正極性、低位の電圧
    を負極性としたときに、第1の期間と第2の期間とを含む所定の期間において、前記第1
    の期間では、前記正極性または前記負極性のうち、いずれか一方の極性の電圧である第1
    電圧を前記画素電極に供給し、前記第2の期間では、前記第1電圧とは異なる極性の第2
    電圧を前記画素電極に供給し、
    前記画素において前記第1の期間に前記電気光学層に印加される電圧の大きさと、前記
    第2の期間に前記電気光学層に印加される電圧の大きさとが互いに異なり、かつ、前記所
    定の期間における前記第1の期間の長さと前記第2の期間との長さとが互いに異なる、電
    気光学装置の駆動方法。
  5. 複数個配列された前記画素のうち一の前記画素において前記第1の期間に前記電気光学
    層に印加される電圧の大きさと、前記第2の期間に前記電気光学層に印加される電圧の大
    きさとの差が、複数個配列された前記画素のうち他の一の画素において同一の値に設定さ
    れている、請求項4に記載の電気光学装置の駆動方法。
  6. 複数個配列された前記画素のうち一の前記画素において前記第1の期間に前記電気光学
    層に印加される電圧と、前記第2の期間に前記電気光学層に印加される電圧とは、前記画
    素電極と前記対向電極との電気的特性の差異に起因する直流電圧成分を補正するように設
    定され、
    前記所定の期間における前記第1の期間の長さと、前記第2の期間との長さは、補正さ
    れた前記直流電圧成分を更に補うように設定されている、請求項4又は5に記載の電気光
    学装置の駆動方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気光学装置を備えた電子機器。
JP2014075176A 2014-04-01 2014-04-01 電気光学装置、電子機器、及び電子光学装置の駆動方法 Pending JP2015197579A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014075176A JP2015197579A (ja) 2014-04-01 2014-04-01 電気光学装置、電子機器、及び電子光学装置の駆動方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014075176A JP2015197579A (ja) 2014-04-01 2014-04-01 電気光学装置、電子機器、及び電子光学装置の駆動方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015197579A true JP2015197579A (ja) 2015-11-09

Family

ID=54547281

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014075176A Pending JP2015197579A (ja) 2014-04-01 2014-04-01 電気光学装置、電子機器、及び電子光学装置の駆動方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015197579A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018020587A1 (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 堺ディスプレイプロダクト株式会社 液晶表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018020587A1 (ja) * 2016-07-26 2018-02-01 堺ディスプレイプロダクト株式会社 液晶表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4800381B2 (ja) 液晶表示装置およびその駆動方法、テレビ受像機、液晶表示プログラム、液晶表示プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体、並びに駆動回路
KR101240645B1 (ko) 표시 장치 및 그 구동 방법
US8907883B2 (en) Active matrix type liquid crystal display device and drive method thereof
US8063875B2 (en) Electrooptic device, scanning-line driving circuit, method for driving the same, and electronic device
JP5023725B2 (ja) 電気光学装置、駆動方法および電子機器
US8031161B2 (en) Electrooptic device using an area scanning drive system and a method for driving the same
KR20180010351A (ko) 표시 장치
US8339389B2 (en) Electro-optical device, driving method thereof, and electronic apparatus with adjustable ratio between positive and negative field using black display voltage
US8115716B2 (en) Liquid crystal display device and its drive method
KR100389027B1 (ko) 액정표시장치 및 그 구동방법
JP2008242160A (ja) 電気光学装置、その駆動方法および電子機器
JP2008185993A (ja) 電気光学装置、処理回路、処理方法およびプロジェクタ
JP6078946B2 (ja) 電気光学装置および電子機器
KR20070104832A (ko) 액정 장치, 그 제어 회로 및 전자 기기
JP2008216425A (ja) 電気光学装置、駆動方法および電子機器
JP5617152B2 (ja) 電気光学装置、駆動方法および電子機器
JP4678344B2 (ja) 電気光学装置、表示データの処理回路、処理方法および電子機器
JP2015197579A (ja) 電気光学装置、電子機器、及び電子光学装置の駆動方法
KR20060067291A (ko) 표시 장치
JP2008040125A (ja) 電気光学装置、表示データの処理回路、処理方法および電子機器
JP2012220632A (ja) 電気光学装置、電気光学装置の制御方法および電子機器
US20120200556A1 (en) Electrooptic device, method for controlling electrooptic device, and electronic apparatus
JP2006276119A (ja) データ信号供給回路、供給方法、電気光学装置および電子機器
JP2006099034A (ja) 電気光学装置の調整方法および調整装置
JP2006195387A (ja) 電気光学装置および電子機器

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160617

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160624