JPH05164616A - 多波長式放射温度計 - Google Patents

多波長式放射温度計

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JPH05164616A
JPH05164616A JP35009591A JP35009591A JPH05164616A JP H05164616 A JPH05164616 A JP H05164616A JP 35009591 A JP35009591 A JP 35009591A JP 35009591 A JP35009591 A JP 35009591A JP H05164616 A JPH05164616 A JP H05164616A
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JP
Japan
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emissivity
ratio
temperature
regression function
power
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JP35009591A
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English (en)
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Tomotaka Marui
智敬 丸井
Kazuo Arai
和夫 新井
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 測定対象表面に形成された酸化膜厚が経時的
に変化し、測定波長の放射率が変化する場合でも、正確
な表面温度を容易に測定することを可能とする。 【構成】 受光部10で測定対象から異なる4波長λ1
〜λ4 を受光して得られ各波長に対応する輝度温度S1
〜S4 を演算ブロック12へ入力し、(S1 ,S2 )、
(S2 ,S3 )、(S3 ,S4 )の組合せについて放射
率累乗比を算出する。3つの放射率累乗比で決まる3次
元空間上の実測による点から最も近い回帰関数F上の点
(X,Y,Z)を判定し、この関数F上の点に写像Hを
適用し、放射率比の3次元回帰関数G上の点(x ,y ,
z )に変換する。演算ブロック12で得られる放射率累
乗比の時間変動の少ないものを選択し、その放射率累乗
比に対応する放射率比をx 、y 、z から選択して、温度
計算ブロック22で表面温度Tを計算し、該温度Tを出
力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多波長式放射温度計、
特に熱放射体から異なる3以上の波長の熱放射エネルギ
ーを受信して、その熱放射体の表面温度を出力する非接
触で且つ且つ高精度に熱放射体の表面温度を計測するこ
とができる多波長式放射温度計に関する。
【0002】
【従来の技術】初めに、以下の説明で使用する記号の原
則的意味を明らかにしておく。
【0003】 温度測定波長 :λ1 、λ2 、... λi [μm ] 上記各波長の近接波長 :λ1x、λ2x、... λix [μm ] 上記波長の大小関係 λ1 <λ1x<λ2 <λ2x<... <λi <λix 温度測定波長λi における分光放射率 :εi [μm ] 近接波長λixにおける近接分光放射率 :εix [μm ] 熱物体表面 真温度 :T [K] 熱物体表面 波長λi における輝度温度:Si [K] 熱物体表面 波長λixにおける輝度温度:Six [K] 放射(Plank)第2定数 C2 :1.4388×104 [μm ・K]
【0004】放射測温技術を応用して熱物体の表面温度
を測定する放射温度計が広く用いられており、この放射
温度計には測定に使用する波長が1つの単色温度計と2
つの2色温度計がある。単色温度計ではもとより、2波
長を使用する2色温度計でも測定対象の放射率が変化す
る場合には大きな測定誤差が生じる。
【0005】2色温度計では、測定する2波長での分光
放射率がほぼ等しいか又は一定の比例関係が成立する場
合には温度測定精度に問題はないが、熱物体の表面状態
が酸化反応などで急変し、分光放射率が上記関係から外
れるときには測定精度が著しく悪くなる(単色式放射温
度計はこれよりもさらに誤差は大きい)。
【0006】そのため、分光放射率の変化に対応して熱
物体の表面温度を測定することができる2色温度計が望
まれていた。
【0007】この測定精度の問題を解決した放射温度計
としては、放射率を補正して使用する改良形2色温度計
が、特公平3−4855に開示されている。又、上記改
良形2色温度計と実質的に同一の放射測温技術に、田
中、D.P.Dewittによる「Theoryof a New Radiation The
rmometry Method and an Experimental Study Using Ga
lvannealed Steel Specimens 」(計測自動制御学会論
文集 第25巻第10号1031/1037頁1989
年10月)に開示されているTRACE(Thermometry
Re-established by Automatic Compensation of Emissi
vity)法がある。
【0008】上記改良形2色放射温度計とTRACE法
は基本的に同一の計算法を採用しているので前者を中心
に説明する。
【0009】特公平3−4855では、Wien (ウィー
ン)の近似則をもちいて得られる下記(1)、(2)式
で表わされる分光放射率の式からTを消去して下記
(3)式を求めている。この(3)式の左辺である分光
放射率の波長のべき乗の比(Kuramasu 数)を説明の便
宜上放射率累乗比と呼ぶ。
【0010】なお、下記式は簡単のために離隔2波長λ
1 、λ2の場合を表記したものであるが、これらの各式
は近接2波長λ1 、λ1xでも同様に成立つ。
【0011】 ε1 =exp {(C2 /λ1 )(1/T−1/S1 )} …(1) ε2 =exp {(C2 /λ2 )(1/T−1/S2 )} …(2) ε1 λ1 /ε2 λ2 =exp {C2 (1/S2 −1/S1 )} …(3) (左辺:放射率累乗比)
【0012】上記式において、輝度温度S1 、S2 は2
波長検出器の出力として得られるので、上記放射率累乗
比の値は(3)式の右辺を計算することによりもとめる
ことができる。
【0013】又、(1)式、(2)式から熱物体表面の
真温度Tを表わす(4)式が得られ、この(4)式に分
光放射率の比を適用することによりTを求めるることが
できる。
【0014】 T=(λ2 −λ1 )/{(λ1 λ2 /C2 ) ln (ε1 /ε2 ) +λ2 /S1 −λ1 /S2 } …(4)
【0015】一方、下記(5)式に示すような分光放射
率比と放射率累乗比の相関関数fをあらかじめ測定によ
って決定しておく。
【0016】温度測定に際しては前記(3)式で計算し
た放射率累乗比から相関関数fによって分光放射率比を
もとめ、その分光放射率比を用いて上記(4)式から真
温度Tを計算する。なお、前述の如く、旧式の2色放射
温度計は分光放射率比を1又は一定値として計算してお
り、分光放射率変化に対応していない。
【0017】 ε1 /ε2 =f (ε1 λ1 /ε2 λ2 ) …(5)
【0018】上記各式を用いる測定方法は、表面状態が
酸化反応などで変化する熱物体に適用する場合には、表
面変化に対して「鈍い」測定波長を選択すればよい精度
で温度測定が可能であるが、選択波長の放射率累乗比が
表面状態の変化に対して敏感に変化する場合には測定精
度が著しく悪くなるという問題がある。この点について
以下に詳細に説明する。
【0019】熱物体の表面状態の変化により選択波長の
分光放射率が敏感に変化する具体例としては、表面が酸
化され、その表面に半透明(測定波長で)の酸化膜が形
成される場合がある。この場合は、表面に形成された半
透明膜で光干渉がおこり分光放射率が激減することが起
こる。この場合は、放射率累乗比も同様に激減(急変)
する。
【0020】このような放射率の急変現象は、牧野らに
よって、例えば、“Heat Transfer 1986”、vol.
2、Hemishere、(1986)、PP.577−582
において実験及び光干渉理論のモデル計算から、表面酸
化が発生すると波長の短い領域に分光放射率スペクトル
の落ち込み(以下、谷という)が現われ、この谷が酸化
の進行とともに波長の長い方向に移動する特徴的変化と
して確認されている。
【0021】図11〜図15は、上記分光放射率スペク
トルの特徴的変化の一例を模式的に示した線図である。
【0022】図中、横軸は分光波長λ、縦軸は放射率ε
であり、valleyと示した部分が分光放射率スペクトルの
谷である。
【0023】図11〜図15には、ステンレススチール
等の金属表面に酸化膜が生成するに従ってその表面の分
光放射率スペクトルが変化していく様子が示されてい
る。
【0024】図11は酸化膜が生成する前の低温状態、
図12は中程度の温度に加熱されているが酸化膜が未生
成の段階、図13は中程度温度に加熱され酸化膜が生成
し始めた段階、図14は同温度で酸化膜が成長中の段
階、図15は高温度に加熱され厚い酸化膜が形成された
段階の各スペクトルである。
【0025】上記谷が発生する理由は主として、酸化膜
による光干渉に起因すると考えられており、前記牧野ら
は、干渉理論に基づくモデル計算によって分光放射率ス
ペクトルを求め、計算結果と実験値とを比較するとよく
一致する、と報告している。
【0026】従って、上記分光放射率スペクトルが変化
する現象は、酸化膜の厚み以下のオーダの分光波長帯の
輻射エネルギーが選択的に酸化膜でトラップされるため
に現われると説明される。即ち、特異的に選択された輻
射が酸化膜で干渉乃至は多重反射をおこすために、顕著
なエネルギー減衰が生じ、酸化膜厚が厚くなるに従って
その特異的選択波長帯が移動するため谷が短波長→長波
長へと移動すると考えられる。
【0027】このような分光放射率スペクトルに時間変
化が生じる場合には、放射率比が変化するため旧式の2
色放射温度計では測定誤差がでることはいうまでもな
く、前記改良型2色温度計でも使用する式の計算が困難
であるため、同様に測定誤差が生じる。
【0028】その理由は、近接2波長λ1 、λ1xを使用
する改良型2色温度計の計算ではオフラインで2つの分
光放射率ε1 とε1xとの相関関係を実験データから回帰
関数として決定しておかねばならないのに、その回帰が
困難という事態に陥るためである。これを次に簡単に説
明する。
【0029】分光放射率ε1 とε1xの実測データが、前
述の分光放射率スペクトルの如く、短波長→長波長へ谷
の移動が起こっている最中のデータとすると、放射率ε
1 とε1xの相関は「正相関」→「負の相関」→「正相
関」と変わる。
【0030】これは、前記図11〜図15において接近
2波長λ1 、λ1xに対応する放射率ε1 とε1xの値の変
化を追っていけば容易に理解される。即ち、図中「vall
ey」部分の短波長側(スペクトル勾配が負である部分)
が波長λ1 、λ1xの間にきた場合に放射率ε1 とε1x
大小関係が逆転し、相関の正負が逆転する。
【0031】この様子を図16、図17に具体的に示
す。谷が通過前(図16)と通過後(図17)とでは全
く逆の相関関係となることが理解される。
【0032】田中等による「製鉄研究第339号」(1
990)63〜67でも、図18に模式的に示したよう
なε1 −ε2 相関グラフが一価でなく、ループができて
いるものが示されているが、このループも酸化膜輻射干
渉によるものと推定される。
【0033】以上説明した如く、放射率ε1 とε1xの相
関回帰グラフは単純には決められないため、改良型2色
温度計の場合でも測定誤差が生じることが避けられな
い。
【0034】実際に、表面酸化が進行中のステンレス鋼
板(SUS430)について上記改良型2色温度計で温
度測定したところ、600℃程度の温度域で測定誤差の
最大値が15℃程度、標準偏差が5℃程度であった。
【0035】このような表面酸化や表面合金化の進行中
の温度は、例えば鉄鋼プロセス制御においては重要なプ
ロセスパラメータであり、その場合の要求測定精度は、
測定誤差が±5℃以内である。
【0036】従って、前記改良型2色温度計に比較し
て、更に測定精度の高い放射温度計の開発が切望されて
いた。
【0037】そこで、前記改良型2色温度計の上述した
欠点を補うために、測定に使用する波長の数を異なる3
以上とし、その間で2波長の組合せを複数作り、各2波
長の組合せについて、前記改良型2色温度計と同一の処
理を行って温度を測定することが考えられる。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように単に測定波長の数を3以上にし、2波長の組合せ
の数を増やすだけでは、以下の問題がある。
【0039】説明を簡単にするために、測定波長がλ1
、λ2 、λ3 の3つで、2波長の組合せを便宜上(λ2
,λ3 )、(λ1 ,λ2 )とする場合について考え
る。
【0040】上記各波長λ1 、λ2 、λ3 について測定
した輝度温度S1 、S2 、S3 から、上記各波長の組合
せに対応する(S2 ,S3 )、(S1 、S2 )の2つの
組合せを作り、各輝度温度の組合せについてそれぞれ前
記(3)式に相当する式を用いて、放射累乗比ε3 λ3
/ε2 λ2 及びε2 λ2 /ε1 λ1 を算出し、これら放
射率累乗比に対して、前記(5)式に対応する相関関数
f1及びf2を適用して放射率比ε3 /ε2 及びε2 /ε1
をそれぞれ求めるとする。
【0041】ところが、測定対象の表面に例えば酸化膜
が形成されているために、関数f1が図19に示すグラフ
で与えられるとすると、前記(3)式に相当する式から
得られる放射率累乗比の値がA0 である場合には、放射
率比はA1 、A2 の2つの値となる。一方、同様に関数
f2が図20で与えられるとすると、放射率累乗比の計算
値B0 に対して、放射率比としてB1 、B2 、B3 の3
つの値が得られることになる。
【0042】従って、単純に測定波長の数を増やし、そ
れを前記改良型2色温度計に適用する場合には、図19
で得られる2つの放射率比A1 、A2 、図20で得られ
る放射率比B1 〜B3 の合計5点について、それぞれ前
記(4)式に相当する式を用いて温度を算出し、A1 、
A2 から得られる温度と、B1 〜B3 から得られる温度
との間で一致するものを探索し、一致した温度を真の表
面温度として決定しなければならないため、その探索の
ための演算処理が繁雑であるという問題がある。
【0043】なお、従来の放射測温技術としては、US
PAT 4417822に、レーザを併用し、被測定
物の表面からのレーザ光の反射率を用いて放射率を補正
するものが開示されているが、この技術には、レーザ応
用のために装置が複雑で且つ高価となる上に、レーザに
よる反射率測定に関してオフラインデータをとる必要が
ある。ところが、このデータには表面の光散乱現象がか
らんだ複雑な現象が反映しているため、このオフライン
データをオンラインで利用できるかどうか疑問である。
又、反射率のオンライン測定値に誤差が生じるため、温
度測定誤差が大きいという問題もある。
【0044】又、US PAT 4561786には、
図21に示す装置を用いる放射測温技術が開示されてい
る。
【0045】この技術は、レンズ213で放射波を集光
し、回転フィルタ215で分光した2色観測波長のディ
テクタ211の出力についてそれぞれの「比率」と
「差」を求める2次的演算を実行し、これら計算値を利
用して温度計算方法を実用化したものである。
【0046】図中、251は、保持回路245、247
の出力W1 、W2 の間で割算を実行する割算計算ブロッ
クであり、その出力が「比率」である。又、259は、
保持回路255、257の出力間で減算を実行する差動
アンプであり、その出力が「差」である。なお、S1 〜
S4 は、回転フィルタ215の回転位置と制御系を同期
させるためのタイミング信号、217は第1波長の分光
フィルタ、219は第2波長の分光フィルタであり、2
41、243は増幅器である。
【0047】上記割算ブロック251及び差動アンプ2
59からの各出力値を、リニアライズ回路253、26
1、及び抵抗値R1、R2、R3、R4を測定対象毎に
調整設定して、メータ275に温度計算値を表示するも
のである。
【0048】この方式には、上記のリニアライザ25
3、261、抵抗R1 〜R4 の調節が被測定材料によっ
て試行錯誤的に決定されており、従って計算方法は試行
錯誤の結果生み出された理論ベースがないものであり、
事実理論面の記載は全くなされてない。
【0049】この方式によれば、表面変化進行中のアル
ミニウムについて温度測定が高精度(±5℃)で可能で
あるとされているが、このような高い測定精度を出すた
めには試行錯誤にかなりの年月を要したものと推定され
る(設定データは開示されていない)。
【0050】従って、上記方式の装置には、理論ベース
がないことから、アルミニウム以外の金属の温度を測定
する場合には長い年月の試行錯誤を要し、それ故に汎用
性がないという問題がある。
【0051】本発明は、前記従来の問題点を解決するべ
くなされたもので、測定対象の表面状態が経時的に変化
し、使用する波長によって放射率が変化する場合でも、
3以上の測定波長を使用すると共に、真の表面温度を容
易に算出し、出力することができる多波長式放射温度計
を提供することを課題とする。
【0052】
【課題を解決するための手段】本発明は、異なる3以上
の波長λ1 〜λn に分光する分光手段と、各分光波長λ
1 〜λn について、それぞれ輝度温度S1 〜Sn を計測
する光電変換手段と、オンラインで得られた輝度温度S
1 〜Sn について、異なる2波長の組合せ毎に、次式に
より放射率累乗比εi λi /εj λj を演算する累乗比
演算手段と、 εi λi /εj λj =exp {C2 (1/Sj −1/Si )} i ,j :n 以下の正整数で、i ≠j C2 :Plankの第2定数 オフラインで実測データ又は理論等に基づいて予め作成
した、放射率累乗比εi λi /εj λj 相互の関係を表
わす(n −1)次元の累乗比回帰関数F、及び放射率比
εi /εj 相互の関係を表わす(n −1)次元の放射率
比回帰関数Gと、累乗比回帰関数Fを放射率比回帰関数
Gに変換するための写像Hとを記憶するリファレンス手
段と、オンラインで得られた上記輝度温度S1 〜Sn を
用いて、上記式から算出される(n −1)個の放射率累
乗比からなる(n −1)次元座標値に対応する累乗比回
帰関数F上の点を判定する判定手段と、判定された累乗
比回帰関数F上の点に、上記写像Hを適用して放射率比
回帰関数G上の点に変換し、該変換点から(n −1)個
の放射率比εi /εj を算出する変換手段と、算出され
た放射率比の一部又は全部を用いて、温度計算を実行し
て測定温度を算出する温度計算手段とを備えた構成とす
ることにより、前記課題を達成したものである。
【0053】本発明は、又、前記多波長式放射温度計に
おいて、放射率累乗比又は放射率比の時間変動を監視
し、その変動が大きな放射率累乗比又は放射率比を温度
計算から除外するようにしたことにより、同様に前記課
題を達成したものである。
【0054】本発明は、更に、前記多波長式放射温度計
において、放射率累乗比又は放射率比の絶対値の時間変
動を監視し、その変動が大きな放射率累乗比又は放射率
比を温度計算から除外するようにしたことにより、同様
に前記課題を達成したものである。
【0055】
【作用】初めに、本発明の基本原理について説明する。
【0056】図1は、シリコンウェハ上に形成された酸
化膜の厚さd と、測定波長λi の放射率εi との相関を
次の(6)式、(7)式から求めた線図である(i は整
数)。この(6)式、(7)式は、シリコン表面の薄い
酸化膜については良く適合することが、例えば渡辺等に
よる、計測自動制御学会論文集Vol.25、No .9、
P925〜931(1989)に示されている。
【0057】 εi =1−{ρa +ρb +2(ρa ρb cos γi )0.5 } ÷{1+ρa ρb +2(ρa ρb cos γi )0.5 } …(6) γi =(2π/λi )2nd cosθ …(7) ρa :酸化膜と空気の境界での反射率(=0.034) ρb :酸化膜と非酸化部の境界での反射率(=0.18
6) θ :測定装置と測定表面法線との角度(=0) n :酸化膜の屈折率(=1.45)
【0058】上記図1に示したグラフは、λ1 、λ2 、
λ3 の3つの波長を用いて、それぞれ対応する放射率ε
1 、ε2 、ε3 を計算で求めたものであり、ε1 を実線
で、ε2 を破線で、ε3 を一点鎖線でそれぞれ表わして
いる。又、使用した波長は、λ1 =1.0μm 、λ2 =
2.0μm 、λ3 =4.0μm であり、各波長間には整
数比の関係がある。
【0059】上記図1に示した各波長毎の酸化膜厚d と
放射率ε1 〜ε3 との関係を用いて、2つの2波長の組
合せについて、放射率累乗比ε2 λ2 /ε1 λ1 及びε
3 λ3 /ε1 λ1 、並びに放射率比についてε2 /ε1
及びε3 /ε1 を求め、それぞれ膜厚d について表わす
と、図2のようになる。なお、図2では、波長λ1 、λ
2 の組合せの場合を実線で、波長λ1 、λ3 の組合せの
場合を破線でそれぞれ示してある。
【0060】上記図2の放射率累乗比同士の相関及び放
射率比同士の相関を、2次元座標で表わすと、それぞれ
図3及び図4のようになる。
【0061】図3のグラフで表わされる関数をF、図4
のグラフで表わされる関数をGとすると、関数Fと関数
Gとは1対1に対応しており、予め関数Fを関数Gに変
換するための写像Hを作成しておくことにより、関数F
上の特定の点について写像Hを適用することにより、容
易に関数G上の対応する点を算出することができる。
【0062】従って、このように上記関数F、Gと写像
Hとを予め作成しておくことにより、実測値として得ら
れる輝度温度S1 、S2 、S3 を、前記(3)式に相当
する式に適用して得られる2つの放射率累乗比の具体的
な値を座標点とする関数F上の点が、例えばP(X,
Y)点として求められたとすると、該P点に対して写像
Hを適用して図4の関数G上の、例えばQ(x,y )点
を具体的な上記P点に対応する点として求めることが可
能となる。
【0063】その結果、上記Q点の座標(x ,y )の値
から2つの放射率比ε2 /ε1 及びε3 /ε1 を求める
ことが可能となり、これら2つの放射率比の具体的な値
を用いることにより、同一測定点について、前記(4)
式に相当する式から2つの温度T1 、T2 を計算するこ
とが可能となる。
【0064】このように、1回の測定で同時に2つの温
度情報が得られるので、例えばこの2つの温度T1 、T
2 の平均値を真温度Tと決定することにより高精度の表
面温度の測定が可能となる。
【0065】従って、前記図19、図20に示したよう
に、使用する測定波長の数を単純に増した場合には、放
射率累乗比と放射率比との相関が複雑で放射率累乗比に
対応する放射率比がいくつも現われるために真温度を探
索する必要があったのに対し、本発明によれば、探索に
要する繁雑な演算作業を必要とすることなく、写像を適
用するだけで対応する放射率比が確実に得られるため、
真温度を容易且つ迅速に求めることができる。
【0066】しかも、前記の如く、従来の改良型2色温
度計に比べて得られる情報量が多くなるため、より高精
度に表面温度を測定することが可能となる。
【0067】以上の説明では、前記(6)、(7)式か
ら計算で求められる放射率εと膜厚d との相関を用いた
理想的な場合を想定して説明したが、このような理論又
は準理論に基づくものに限られない。理論的取扱いがで
きない場合には、測定対象の種類(シリコンウェハ、ア
ルミニウム、ステンレス鋼板等)毎に、それぞれ放射率
累乗比の相関を表わす関数F、放射率比の相関を表わす
関数G、関数Fを関数Gに変換する写像Hを、それぞれ
オフラインで、例えば実験を通して回帰的に決定してお
く。
【0068】次に、関数F、Gを回帰関数として決定す
る方法の一例を、便宜上それぞれ前記図3、図4を用い
て説明する。
【0069】酸化膜厚d が異なる多くの測定対象(サン
プル)について、上記3波長λ1 、λ2 、λ3 の輝度温
度S1 、S2、S3 を実際に測定し、実測した輝度温度
S1、S2 、S3 を用いて、サンプル毎に前記(3)相
当式から実測に基づく放射率累乗比を算出し、ε2 λ2
/ε1 λ1 をX軸、ε3 λ3 /ε1 λ1 をY軸とするX
Y座標上にプロットする。
【0070】多くのサンプルについて得られた実測に基
づく放射率累乗比が、図3の黒点のように得られたとす
ると、これら黒点群の平均値として回帰関数Fを作成す
る。
【0071】又、図示はしないが、上記2つの放射率累
乗比に対応する放射率比についても、予めオフラインで
実測に基づいて求め、その値をε2 /ε1 をx 軸、ε3
/ε1 をy 軸とするxy座標上にプロットし、同様にその
平均値として上記回帰関数Fに対応する放射率比につい
て図4に示すような回帰関数Gを作成し、更に回帰関数
Fを回帰関数Gに変換するための写像Hをも作成し、そ
れぞれ決定しておく。
【0072】一般に、実際の温度測定時には、回帰関数
Fが前記図3のように得られたとすると、実測に基づく
放射率累乗比の値は、通常回帰関数Fから僅かにずれた
位置に得られる。そこで実測による放射率累乗比がP′
点として得られたとすると、該P′点から最小距離の関
数F上の点Pを温度計算上の関数値と判定する。
【0073】従って、実測に基づく放射率累乗比の値が
P′点(X′,Y′)として得られた場合には、回帰関
数F上のP点(X,Y)を正しい放射率累乗比と決定
し、該P点に対し写像Hを適用することにより、放射率
比の回帰関数G上の点Q(x ,y )を求めることがで
き、更に該Q点のx に対応する放射率比ε2 /ε1 と、
yに対応する放射率比ε3 /ε1 とを容易に求めること
ができるので、これら2つの放射率比を前記(4)相当
式に適用することにより、2つの表面温度T1 、T2 を
得ることができる。
【0074】このように、2つの表面温度T1 、T2 が
得られた場合の真温度Tは、前述の如く両者の平均値と
して決定することができる。又、2つの放射率累乗比又
は放射率比の時間変動を監視しておき、輻射特性の予期
せぬ変動の影響を受けていない方の放射率累乗比又は放
射率比について求められた温度を真温度Tと決定するこ
ともできる。
【0075】以上は、前記(6)、(7)式から得られ
た理想的な場合を、しかも使用した3つの波長が整数比
の関係にある場合を中心に説明したが、このように測定
波長が整数比の関係にある場合は、図1に示したように
3つの放射率の間に簡単な周期性があるため、放射率累
乗比及び放射率比にも簡単な周期性が現われ、そのため
に取扱いが容易であるという利点がある。
【0076】しかし、上記のように使用する測定波長の
間に整数比の関係がなくともよい。例えば、図5(図1
に相当する)に示すように、λ1 =1.5μm 、λ2 =
2.0μm 、λ3 =4.0μm の場合には、3つの放射
率の間には簡単な周期性は認められず、従って、図6
(図2に相当する)に示すように、放射率累乗比及び放
射率比のいずれにも簡単な周期性は認められないが、こ
のように測定波長間に整数比の関係がない場合でも、例
えばそれぞれの2つの放射率累乗比の相関及び2つの放
射率の相関カーブをトレースして計算機に記憶させてお
くことにより、当然本発明を適用可能である。
【0077】又、以上の説明では、測定波長が異なる3
波長で、放射率累乗比及び放射率比がいずれも2次元座
標で表わせる場合について説明したが、4波長以上と
し、放射率累乗比及び放射率比を3次元以上の空間座標
で表わせるようにしてもよく、このような多波長の演算
処理は計算機により容易に処理することが可能である。
【0078】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0079】図7は、本発明に係る一実施例の多波長式
放射温度計の概念的構成を示すブロック図である。
【0080】本実施例の多波長式放射温度計は、異なる
4つの波長λ1 〜λ4 に分光する分光器と、各分光波長
λ1 〜λ4 について輝度温度S1 〜S4 をそれぞれ計測
する光電変換器とを内蔵する受光部10と、オンライン
で得られる上記輝度温度S1〜S4 を用いて異なる2つ
の波長の組合せについて、前記(3)式に相当する次の
(9)式により、放射率累乗比εi λi /εj λj を演
算する累乗比演算ブロック12とを備えている。
【0081】 εi λi /εj λj =exp {C2 (1/Sj −1/Si )} …(9) i ,j :4以下の正整数で、i ≠j C2 :Plankの第2定数
【0082】又、上記放射温度計は、オフラインで実測
データ等から予め作成した、上記放射率累乗比に関する
3次元の累乗比回帰関数F、及び放射率比に関する同じ
く3次元の放射率比回帰関数Gと、上記回帰関数Fを回
帰関数Gに変換するための写像Hとを記憶しているリフ
ァレンスブロック14を備えていると共に、オンライン
で得られた上記輝度温度を用いて、上記(9)式から算
出される3個の放射率累乗比からなる、実測に基づく3
次元座標値に対応する上記回帰関数F上の点を判定する
判定ブロック16と、判定された上記回帰関数F上の点
に上記写像Hを適用して上記回帰関数G上の点に変換
し、該変換点から3個の放射率比εi /εj を算出する
変換ブロック18と、上記演算ブロック12で計算され
た放射率累乗比の時間変動を監視しておき、その時間変
動の少ないものを選択する選択ブロック20と、上記変
換ブロック18で算出された放射率比の一部又は全部を
用いて温度計算を実行して測定温度を算出する温度計算
ブロック22とを備えている。
【0083】上記リファレンスブロック14には、測定
対象毎にオフラインで決定された、図8に示すような
(X,Y,Z)の3次元座標で表わされた放射率累乗比
の3次元回帰関数Fと、図9に示すような(x ,y ,z
)の3次元空間で表わされた放射率比の3次元回帰関
数Gと、回帰関数Fを回帰関数Gに変換するための写像
Hとが内蔵されている。
【0084】上記回帰関数F及びGは、実測に基づく各
放射率累乗比又は放射率比を図の黒点のようにプロット
し、その黒点群の平均値として作成したものである。な
お、データプロットとして、図8に示す[εi λi /ε
j λj ]は実測に基づく放射率累乗比を、図9に示す
[εi /εj ]は同じく実測に基づく放射率比を示す。
【0085】又、上記リファレンスブロック14から
は、前記判定ブロック16に対して上記回帰関数Fが、
又、前記変換ブロック18に対して写像H及び回帰関数
Gが、それぞれ入力されるようになっている。
【0086】次に、本実施例の作用を説明する。
【0087】受光部10で、測定対象(図示せず)か
ら、異なる4波長λ1 〜λ4 を受光して得られる各波長
に対応する輝度温度S1 〜S4 を、放射率累乗比演算ブ
ロック12へ入力し、上記(9)式により、(S1 ,S
2 )、(S2 ,S3 )、(S3,S4 )の各組合せにつ
いて放射率累乗比を演算して、図8の3次元空間座標上
に、例えば特定の対応するP′点(X′,Y′,Z′)
を求め、前記判定ブロック16で該P′点に最も近い回
帰関数F上の点P(X,Y,Z)を温度計算に使用する
と判定する。
【0088】上記回帰関数F上のP点を判定した後、変
換ブロック18で、該P点に対して写像Hを適用し、図
9に示した放射率比の回帰関数G上の点Q(x,y ,z
)を決定する。
【0089】又、一方で、前記放射率累乗比演算ブロッ
ク12で計算された3つの放射率累乗比(X′,Y′,
Z′)の時間変動を監視しておき、選択ブロック20に
おいて、その変動の少ない放射率累乗比をX,Y及びZ
の中から選択する。
【0090】放射率累乗比に時間変動が大きなものがあ
る場合には、その放射率累乗比を除外し、残りの1又は
2の放射率累乗比から得られる放射率比を用いて、温度
計算ブロック22で(4)式から温度Tを計算し、その
温度Tを出力する。
【0091】上記温度計算ブロック22では、放射率累
乗比の時間変動がほとんどない場合、又は、時間変動が
ない放射率累乗比が2つある場合には、その平均値とし
て真温度Tを決定してもよく、又、変動が最小の放射率
累乗比を用いて温度計算を実行してもよい。
【0092】以上詳述した本実施例によれば、4つの異
なる波長を用いて3次元座標で表わせる3つの異なる放
射率累乗比を得ることができるので、2波長のみを使用
する従来の改良型2色温度計に比べて、上記3つの放射
率累乗比についてそれぞれ2色温度計算を行うことがで
きるので、大幅に情報量を増大させることができる。従
って、酸化膜厚d に対してある波長域で予期せぬ急激な
放射率変動が起きている場合でも、時間変動を起こして
いない他の波長域を使用して温度計算を行うことができ
るので、正確に表面温度Tを測定することが可能とな
る。
【0093】又、前記図19、図20に示したように、
改良型2色温度計に単純に多波長を適用する場合には、
真温度の探索が繁雑であるのに対し、本実施例によれ
ば、1回の写像Hの操作により、必ず n−1個の放射率
比を得ることができるので、アルゴリズムが単純となり
極めて容易且つ迅速に真温度を算出することが可能とな
る。
【0094】以上、本発明について具体的に説明した
が、本発明は、前記実施例に示したものに限られるもの
でなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であ
る。
【0095】例えば、前記実施例では、真温度を算出す
るために、放射率累乗比の時間変動を監視したが、放射
率比の時間変動を監視するようにしてもよい。
【0096】又、特定の放射率で対象物の輻射特性の予
期せぬ変化が生じることがオフライン実験等で判明して
いる場合には、その放射率に対応する放射率累乗比又は
放射率比が得られた時に、これを除外するようしてもよ
い。概してこのような異常変動は放射率累乗比又は放射
率比の値が大きい時に生じ易いのでこれを除外するよう
にしてもよい。
【0097】又、前記選択ブロック20としては、放射
率累乗比の時間変動を監視する場合は図10(A)に、
又、放射率累乗比の絶対値を監視する場合は図10
(B)に示す構成とすることができる。但し、便宜上波
長がλ1 、λ2 、λ3 の3波長の場合を例示する。
【0098】図10(A)の選択ブロック20は、ε2
λ2 /ε1 λ1 を微分する演算ブロック20Aと、ε3
λ3 /ε1 λ1 を微分する演算ブロック20Bと、これ
ら両ブロック20A、20Bの演算結果を比較して変化
率の小さい方の測定ブロックを選択する信号を出力する
比較器20Cとで構成されている。
【0099】図10(B)の選択ブロック20は、ε2
λ2 /ε1 λ 1の絶対値を算出する演算ブロック20D
と、ε3 λ3 /ε1 λ1 の絶対値を算出する演算ブロッ
ク20Eと、これら両ブロック20D、20Eの演算結
果を比較し、その小さい方の測定バンドを選択する信号
を出力する比較器20Fとで構成されている。
【0100】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、測
定対象の表面状態が経時的に変化し、使用する測定波長
によって放射率が変化する場合でも、正確な表面温度を
容易に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、酸化膜厚と放射率の相関を示す線図で
ある。
【図2】図2は、酸化膜厚と放射率累乗比及び放射率比
の相関を示す線図である。
【図3】図3は、異なる3波長を用いて得られる2つの
放射率累乗比の相関を示す線図である。
【図4】図4は、上記2つの放射率累乗比の相関から得
られる2つの放射率比の相関を示す線図である。
【図5】図5は、他の膜厚と放射率との相関を示す線図
である。
【図6】図6は、上記相関から得られる酸化膜厚と放射
率累乗比及び放射率比の相関を示す線図である。
【図7】図7は、本発明に係る一実施例の多波長式放射
温度計の概念的構成を示すブロック図である。
【図8】図8は、実施例で使用した回帰関数Fを3次元
空間で表わした線図である。
【図9】図9は、上記回帰関数Fから写像により得られ
る回帰関数Gを示す線図である。
【図10】図10は、選択ブロックの構成を示すブロッ
ク図である。
【図11】図11は、酸化膜がない低温表面の放射率ス
ペクトルを示す線図である。
【図12】図12は、酸化膜がない中温度の表面の放射
率スペクトルを示す線図である。
【図13】図13は、酸化膜発生直後の表面の放射率ス
ペクトルを示す線図である。
【図14】図14は、酸化膜成長中の表面の放射率スペ
クトルを示す線図である。
【図15】図15は、不働体酸化膜形成後の表面の放射
率スペクトルを示す線図である。
【図16】図16は、酸化膜がない表面の近接2波長の
放射率スペクトルを示す線図である。
【図17】図17は、表面酸化膜発生後の近接2波長の
放射率スペクトルを示す線図である。
【図18】図18は、2波長の分光放射率の相関を示す
線図である。
【図19】図19は、従来の問題点を示す線図である。
【図20】図20は、従来の問題点を示す他の線図であ
る。
【図21】図21は、従来の2色放射温度計の構成を示
すブロック図である。
【符号の説明】
10…受光部、 12…放射率累乗比演算ブロック、 14…リファレンスブロック、 16…判定ブロック、 18…変換ブロック、 20…選択ブロック、 22…温度計算ブロック。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】異なる3以上の波長λ1 〜λn に分光する
    分光手段と、 各分光波長λ1 〜λn について、それぞれ輝度温度S1
    〜Sn を計測する光電変換手段と、 オンラインで得られた輝度温度S1 〜Sn について、異
    なる2波長の組合せ毎に、次式により放射率累乗比εi
    λi /εj λj を演算する累乗比演算手段と、 εi λi /εj λj =exp {C2 (1/Sj −1/Si )} i ,j :n 以下の正整数で、i ≠j C2 :Plankの第2定数 オフラインで実測データ又は理論等に基づいて予め作成
    した、放射率累乗比εi λi /εj λj 相互の関係を表
    わす(n −1)次元の累乗比回帰関数F、及び放射率比
    εi /εj 相互の関係を表わす(n −1)次元の放射率
    比回帰関数Gと、累乗比回帰関数Fを放射率比回帰関数
    Gに変換するための写像Hとを記憶するリファレンス手
    段と、 オンラインで得られた上記輝度温度S1 〜Sn を用い
    て、上記式から算出される(n −1)個の放射率累乗比
    からなる(n −1)次元座標値に対応する累乗比回帰関
    数F上の点を判定する判定手段と、 判定された累乗比回帰関数F上の点に、上記写像Hを適
    用して放射率比回帰関数G上の点に変換し、該変換点か
    ら(n −1)個の放射率比εi /εj を算出する変換手
    段と、 算出された放射率比の一部又は全部を用いて、温度計算
    を実行して測定温度を算出する温度計算手段とを備えて
    いることを特徴とする多波長式放射温度計。
  2. 【請求項2】請求項1において、 放射率累乗比又は放射率比の時間変動を監視し、その変
    動が大きな放射率累乗比又は放射率比を温度計算から除
    外するようになされていることを特徴とする多波長式放
    射温度計。
  3. 【請求項3】請求項1において、 放射率累乗比又は放射率比の絶対値の時間変動を監視
    し、その変動が大きな放射率累乗比又は放射率比を温度
    計算から除外するようになされていることを特徴とする
    多波長式放射温度計。
JP35009591A 1991-11-19 1991-12-10 多波長式放射温度計 Pending JPH05164616A (ja)

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JP35009591A JPH05164616A (ja) 1991-12-10 1991-12-10 多波長式放射温度計
US07/976,414 US5314249A (en) 1991-11-19 1992-11-13 Surface condition measurement apparatus
DE69226419T DE69226419T2 (de) 1991-11-19 1992-11-17 Gerät zur Messung der Oberflächenbeschaffung
EP92119607A EP0543326B1 (en) 1991-11-19 1992-11-17 Surface condition measurement apparatus
CA002083124A CA2083124C (en) 1991-11-19 1992-11-17 Surface condition measurement apparatus

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013234984A (ja) * 2011-09-07 2013-11-21 Jfe Steel Corp 温度測定方法および温度測定装置

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