JPH05231944A - 多波長を用いた放射測温方法 - Google Patents

多波長を用いた放射測温方法

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JPH05231944A
JPH05231944A JP4035087A JP3508792A JPH05231944A JP H05231944 A JPH05231944 A JP H05231944A JP 4035087 A JP4035087 A JP 4035087A JP 3508792 A JP3508792 A JP 3508792A JP H05231944 A JPH05231944 A JP H05231944A
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JP
Japan
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temperature
spectral
measured
emissivity
function
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JP4035087A
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English (en)
Inventor
Kazuo Hiramoto
一男 平本
Toshiyuki Yamamoto
俊行 山本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 多波長を用いた放射測温法において、まず初
期値として仮定した温度T′、放射率関数の未知数α
0 ′及びα1 ′を計算機に入力する。次に4個の異なる
実測分光放射輝度L1 o、L2 o、L3 o、L4 oを計算機に入
力し、次いで線形計画法による計算を行い、計算で求ら
れた分光放射輝度Li と実測して得られた実測分光放射
輝度Li oとの差Sが一定値以下になったときの温度を被
測定物体の温度とする。 【効果】 分光放射率を定数は未知のままで分光波長の
関数(放射率関数)として予め求めるので、関数として
近似させるためのデータ準備が簡略化され、温度、材
質、表面状態が変化しても同一関数で対応することがで
きるため信頼性のある高精度の測温をすることができ
る。また、多波長において正しい解が求められ、高精度
の測温をすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多波長を用いた放射測温
方法に関し、より詳細には例えば溶融亜鉛メッキ鋼板表
面のような、熱放射率が未知かあるいは変化する被測定
物体表面に対する多波長を用いた放射測温方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】被測定物体から放射された熱放射光の放
射輝度をもとに被測定物体の温度を測定する放射測温方
法は、測定器を被測定物体に接触させることなく迅速に
被測定物体の表面温度を測定することができるので、産
業界において広く用いられている。
【0003】しかしながら、放射測温法により温度を測
定するには一般に被測定物体の放射率が必要であるが、
鉄鋼等の製造工程における被測定物体の放射率は未知で
あったり、あるいは相変態、合金化、酸化、表面粗さ等
の変化により変動するため、放射測温法の適用が困難で
あったり、あるいは測温精度が低くなるという問題があ
った。
【0004】上記した被測定物体の放射率の変動に関す
る対策としては、従来下記に示す2つの方法が提案され
ている。第1の方法は、基準熱放射源または光源を用い
て被測定物体の反射率ρを測定し、反射率ρと放射率ε
との間にある和が一定の関係から被測定物体の放射率ε
を求めることにより測温する方法である。
【0005】第2の方法は、同一被測定物体から放射さ
れた熱放射光について異なる波長λi における分光放射
輝度Li を測定し、波長λi における分光放射率εi
関係に近似式を導入して温度Tを求める方法である。第
2の方法のひとつに、同一被測定物体から放射された熱
放射光について2個の異なる波長λi (i=1,2)に
おける分光放射輝度Li を測定し、これら分光放射輝度
i に対応する被測定物体の2個の分光放射率εi の比
が一定であると仮定して温度Tを求める方法がある(二
色温度測定法)。すなわち、波長λ1及びλ2 における
分光放射率をε1 及びε2 とするとウィーンの公式及び
プランクの公式により、波長λ1 及びλ2 における分光
放射輝度L1 及びL2 は下記の数1及び数2に示すよう
に表される。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】
【0008】数1を数2で割ると、下記の数3に示すよ
うに表される。
【0009】
【数3】
【0010】数3は下記の数4に示すように表され、温
度Tを求めることができる。
【0011】
【数4】
【0012】一般に分光放射率ε は、波長λi や被
測定物体の温度T、材質及び表面状態等により変化する
ので求めることが難しい。そこで、数4の波長λ1 及び
λ2 における分光放射率ε1 及びε2 の比が一定(k)
であると仮定することにより、分光放射率ε1 及びε2
の関係を下記の数5に示すように表し、数5を数4に代
入した下記の数6により被測定物体の温度Tを求める
(以後本法を第2−1の方法と記す)。
【0013】
【数5】
【0014】
【数6】
【0015】また第2の方法の別のひとつに、同一被測
定物体から放射された熱放射光についてN個(Nは2以
上)の異なる波長λ における分光放射輝度Li を測
定し、分光放射輝度Li に対応する被測定物体の分光放
射率εi を波長λi 及び被測定物体に固有のN−1個の
未知の定数の関数として近似させて表し、N個の分光放
射輝度Li 式を連立させて解いて温度Tを求める方法が
ある(特開昭59−226836号公報)。すなわち、
N個の波長λi (例えばN=2すなわちi=1,2)に
おけるそれぞれの分光放射輝度Li に対応する被測定物
体の分光放射率εi を波長λi 及び被測定物体に固有の
N−1個の未知の定数(例えばN=2のとき2−1=1
個の未知の定数α)の関数として下記の数7に示すよう
に近似させる。
【0016】
【数7】
【0017】またこの場合における被測定物体の温度を
Tとすると、2つの分光放射輝度L 及びL2 はそれ
ぞれウィーンの式により下記の数8及び数9に示すよう
に表される。
【0018】
【数8】
【0019】
【数9】
【0020】ここでαとTとを未知数として数8及び数
9の連立方程式を解けば、被測定物体の温度Tを求める
ことができる(以後本法を第2−2の方法と記す)。
【0021】さらに第2の方法の別のひとつに、同一被
測定物体から放射された熱放射光について2個の異なる
条件(波長、法線上の角度、偏光成分のいずれか)にお
ける分光放射輝度L 及びL2 を測定し、これら分光
放射輝度L1 及びL2 に対応する被測定物体の分光放射
率ε1 及びε2 間の関係を被測定物体に固有の関数とし
て予め近似させて表し、温度Tを求める方法がある(特
開平2−85730号公報)。すなわち、例えば波長λ
i を変更条件にした場合、波長λ1 及びλ2 における分
光放射率をε1 及びε2 とするとウィーンの公式及びプ
ランクの公式により、波長λ1 及びλ2 における分光放
射輝度L1 及びL2 は下記の数1及び数2に示すように
表される。
【0022】
【数1】
【0023】
【数2】
【0024】一方、波長λ 及びλ2 における被測定
物体の分光放射率ε1 及びε2 間の関係については、予
め被測定物体毎に理論的または実験的な解析により被測
定物体に固有の多項式等の関数(放射率特性関数)とし
て近似させ、下記の数10に示すように設定しておく。
【0025】
【数10】
【0026】次に波長λ 及びλ2 において測定した
分光放射輝度L1 及びL2 に対して温度T′を仮定し、
数1及び数2にλ1 、λ2 、L1 、L2 及びT′を代入
して見掛けの分光放射率ε1 及びε2 を求め、数10に
おける分光放射率ε1 及びε2の関係と対比し、数10
を満足するまで仮定温度T′を変化させて計算を繰り返
すことにより、数10を満足する分光放射率ε10及びε
20を見いだし、これより被測定物体の温度Tを求める
(以後本法を第2−3の方法と記す)。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】上記した第1の方法に
おいては、被測定物体の近傍に基準熱放射源または光源
を設置する必要があり、高温、粉塵、振動等測定環境の
厳しい一般の製造工程に適用するには構造上問題があ
り、かつ精度を維持するための保守に多くの労力を要す
る。また光源等の付属装置や大形レンズを必要とするた
め装置が大形化し、価格も高価になるため、極めて限ら
れた分野にしか適用し得ないという課題があった。
【0028】また、上記した第2−1の方法において
は、波長λ1 及びλ2 における被測定物体の分光放射率
ε1 とε2 との比は一定であると仮定しているが、上記
したように被測定物体の分光放射率εi は被測定物体の
温度T、材質、表面状態等により変化するので、測温中
に温度、相変態、合金化、酸化、表面粗さの変化等があ
る場合には前記被測定物体の分光放射率ε1 とε2 との
比も一定にはならないため精度の高い測温は困難である
という課題があった。
【0029】また、上記した第2−2の方法において
は、N個の分光放射輝度Li の式を連立してN−1個の
未知の定数及び未知の温度Tとの合計N個の未知数の一
義的な解を求めるが、実際には測定系の汚れ等による誤
差を含んで測定された分光放射輝度Li から計算により
一義的な解を求めることは困難であるという課題があっ
た。また、例示したN=2の場合については連立して一
義的な解を得ることができるが、上記したように被測定
物体の分光放射率εi は波長λi により変化するので、
限られた2個の波長からでは精度の高い測温は困難であ
るという課題があった。
【0030】さらに、上記した第2−3の方法において
は、波長λ1 及びλ2 における被測定物体の分光放射率
ε1 とε2 との関係について、予め被測定物体毎に理論
的または実験的な解析を行って被測定物体に固有の多項
式等の関数(放射率特性関数)として確定しておく必要
があり、このために多くのデータを用意する必要がある
という課題があった。また、上記したように被測定物体
の分光放射率εi は被測定物体の温度T、材質、表面状
態等により変化するので、測温中に温度、相変態、合金
化、酸化、表面粗さの変化等がある場合に前記放射率特
性関数が対応し得ないときは、精度の高い測温は困難で
あるという課題があった。また、上記したように被測定
物体の分光放射率εi は波長λi により変化するので、
限られた2個の波長λ1 、λ2 をもとに設定された放射
率特性関数からは精度の高い測温は困難であるという課
題もあった。
【0031】本発明はこのような課題に鑑みなされたも
のであり、被測定物体の温度、材質、表面状態等の変化
や過酷な測定環境に対応することができ、しかも精度の
高い測温を簡単かつ安価に行うことができる多波長を用
いた放射測温方法を提供することを目的としている。
【0032】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る多波長を用いた放射測温方法は、被測定
物体表面から放射された熱放射光のN個(Nは3以上の
整数)の分光放射輝度Li をもとに前記被測定物体表面
の温度Tを測定する多波長を用いた放射測温方法におい
て、前記分光放射輝度Li に対応するN個の分光放射率
をM個(MはN−2以下の整数)の未知数を含んだ被測
定物体表面の状態に固有の分光波長の関数として予め測
定に基づいて近似し、仮定の温度T′及びM個の仮定の
未知数を近似した分光波長の関数としての前記分光放射
率の式に代入して得られる分光放射輝度Li と、測定し
て得られる実測分光放射輝度Li oとの差が所定の値以下
になるまで仮定の温度T′及びM個の仮定の未知数を変
えて演算を行い、前記分光放射輝度Li と前記実測分光
放射輝度Li oとの差が所定の値以下になったときの前記
演算により得られた温度を前記被測定物体の温度Tであ
るとして前記被測定物体の温度Tを求めることを特徴と
している。
【0033】
【作用】本発明の説明において用いられる主な記号は、
それぞれ下記の内容を表している。 Li :分光放射輝度( iは1〜Nの整
数、以下同じ) Li ′ :仮定の分光放射輝度 Lbi :黒体分光放射輝度 Li o :実測分光放射輝度 εi :分光放射率 λi :分光波長 Ai、Bi、C1i、 C2 :定数 T :温度 T′ :初期の仮定の温度 α0 、α1 :未知数 α0 ′、α1 ′ :初期の仮定の未知数 N個の分光放射輝度Li はそれぞれ下記の数11に示す
ように表される。
【0034】
【数11】
【0035】また、波長帯域が狭い場合における黒体分
光放射輝度Lbは下記の数12に示すように表され
る。
【0036】
【数12】
【0037】まず予め、被測定物体についてN個の異な
る分光波長λi における分光放射輝度Li を測定し、ま
たそのときの真の温度Tを熱電対等により測定し、これ
らの測定値を数11及び数12に代入すれば、N個の分
光放射率εi が求められる。
【0038】このN個の分光放射率εi は、一般に被測
定物体に固有のM個(MはN−2以下の整数)の未知数
を含んだ分光波長λi の関数(以下放射率関数と記す)
として近似すれば、下記の数13に示すように表し得
る。
【0039】
【数13】
【0040】また、放射率関数は分光波長λi に依存す
る形のみを設定すればよく、定数は未知のままでよい。
したがって被測定物体の分光放射輝度Li は、数11に
数12及び数13を代入することにより、被測定物体表
面の状態に固有の放射率関数と温度Tとの関数として下
記の数14に示すように表される。
【0041】
【数14】
【0042】また、温度Tと放射率関数に含まれるN−
2個の未知の定数との計N−1個の未知数は、数14か
ら計算で求められる分光放射輝度Li と実際に測定した
被測定物体の分光放射輝度Li oとの差が所定の値以下に
なるように演算を行えば求められる。
【0043】本発明に係る多波長を用いた放射測温方法
によれば、分光放射率を分光波長の関数としてしかも定
数は未知のままでよく、分光波長による影響は少なくな
り、かつ関数として近似させるためのデータ準備は簡略
化されることとなる。また、前記の理由により、温度、
材質、表面状態が変化しても同一関数で対応し得ること
となる。
【0044】また、予め求めた放射率関数と温度との関
数として得られる分光放射輝度Li式に仮定の温度T′
及びM個の仮定の未知数を代入して得られる分光放射輝
度Li と測定して得られる分光放射輝度Li oとの差が所
定の値以下になるまで前記した仮定の温度T′及びM個
の仮定の未知の定数を変えて演算を行うので、多波長に
おいて正しい解が求められることとなる。
【0045】
【実施例及び比較例】以下、本発明に係る多波長を用い
た放射測温方法において、4個の分光放射輝度を用いて
溶融亜鉛メッキ鋼板の測温を行った場合の実施例及び比
較例を図面に基づいて説明する。
【0046】図3は溶融亜鉛メッキ鋼板の同一温度にお
ける狭帯域フィルタを透過した波長別の分光放射率を黒
化炉等の別の方法により実験的に求めた結果を示すグラ
フであり、丸印は合金化が生じていない場合、四角印は
合金化が進んだ場合を示している。溶融亜鉛メッキ鋼板
は、鋼板表面に亜鉛メッキを施工した後一定温度で加熱
して亜鉛と鉄の合金化処理を行うが、同一温度における
分光放射率の絶対値は合金化の程度により大きな差が生
じている。しかしながら、合金化の程度に拘らず、溶融
亜鉛メッキ鋼板の場合は波長が長くなるにつれて分光放
射率の波長依存性は小さくなることが分かる。また、亜
鉛メッキの厚み、合金化温度、鋼板の種類を変えた場合
においても、同様に波長が長くなるにつれて分光放射率
の波長依存性は小さくなることが確認された。したがっ
て、被測定物体表面の状態によって変化する未知数をα
0 及びα1 とすれば、求める溶融亜鉛メッキ鋼板の放射
率関数は下記の数15に示すように表すことができ、こ
の放射率関数をオンラインにおける溶融亜鉛メッキ鋼板
の測温に先立って予め図2に示す計算機8に格納してお
く。
【0047】
【数15】
【0048】図2は本実施例に係る多波長を用いた放射
測温方法に用いる装置を模式的に示した概念図であり、
図中1は被測定物体である溶融亜鉛メッキ鋼板の表面を
示している。溶融亜鉛メッキ鋼板表面1の側方には受光
レンズ2が配設され、さらに受光レンズ2の側方には1
個の入射端3aと4個の出射端3bが形成された光ファ
イバー3が配設されている。4本に分岐した光ファイバ
ー3の光軸上にはそれぞれ透過波長の異なる狭帯域フィ
ルター4a、4b、4c、4dが出射端3bの近傍に配
設され、これら狭帯域フィルター4a、4b、4c、4
dの側方近傍にはそれぞれ光検出器5が配設され、さら
に増幅器6、ADコンバーター7、計算機8が順次配設
され、かつ電気的に接続されている。このように構成さ
れた装置を用いてオンラインにおいて溶融亜鉛メッキ鋼
板の測温を行う場合、溶融亜鉛メッキ鋼板表面1から放
射された熱放射光は、受光レンズ2により光ファイバー
3の入射端3aに集光され、光ファイバー3内で4分割
されて光ファイバー3の出射端3bから出射され、それ
ぞれ同時に4個の透過波長の異なる狭帯域フィルター4
を通過する。透過した光は光検出器5で検出されて電気
信号に変換され、また増幅器6において増幅され、さら
にADコンバーター7でデジタル信号に変換されて実測
分光放射輝度Li oとして計算機8に入力される。
【0049】次に計算機8を用いて、上記のようにして
入力された数値及びデータを元に線形計画法や最小自乗
法等の手法を用いて、初期値として温度T′、未知の定
数α0 ′及びα1 ′を仮定して分光放射輝度Li ′を算
出し、この算出された分光放射輝度Li ′と実測した分
光放射輝度Li oとの差が所定の許容範囲に入るまで前記
計算を繰り返して温度Tを求める。数15を数14に代
入して得られる数式は温度に関して非線形であり、計算
が複雑なので、そのためにまず計算が容易になるように
下記の数16、数17、数18及び数19に示すように
初期値T′、α0 ′及びα1 ′のまわり線形に展開す
る。
【0050】
【数16】
【0051】
【数17】
【0052】
【数18】
【0053】
【数19】
【0054】その結果、下記の数20または数21が最
小となるよう、T′、α ′及びα1 ′を求める。具
体的な手法は、前者については線形計画法、後者につい
ては最小自乗法等が一般的であるが、特に限定するもの
ではない。
【0055】
【数20】
【0056】
【数21】
【0057】図3は本実施例における温度計算のフロー
チャートであり、まず初期値として仮定した温度T′、
未知の定数α ′及びα1 ′を入力する。次に、4個
の異なる実測された分光放射輝度L1 o、L2 o、L3 o、L
4 oを入力する。なお、T′、α0 ′及びα1 ′は、本法
が適用される製造(本実施例では溶融亜鉛メッキ鋼板の
合金化処理)工程において想定される温度及び放射率の
範囲の中から適当に選べばよい。次いで線形計画法によ
る計算を行い、計算で求められた分光放射輝度Li と実
測して得られた実測分光放射輝度Li oとの差Sが0.0
01以下になる条件と、計算で求めた温度T、放射率関
数の未知の定数α0 及びα1 の値と初期値で仮定した
T′、α0 ′及びα1 ′との差の2乗和Cが0.01以
下になる条件とが同時に成り立つときに繰り返し計算を
終了する。上記条件が成り立たないときは、温度T、未
知の定数α0 及びα1 について、それぞれ計算で求めら
れた値と初期値との差に1以下の所定の値を乗じた値と
初期値を加えた値を新たな初期値として入力し、計算を
繰り返す。該計算は前記実測放射輝度Li oの測定毎に行
なってもよいし、また分光放射率はある一定時間内では
大きく変化しないとして間欠的に行なってもよい。
【0058】図4は溶融亜鉛メッキ鋼板の放射測温結果
を示すグラフであり、丸印は本実施例に係る多波長を用
いた放射測温結果を示している。また、実線は鋼板の表
面に溶接した熱電対により測定した実測温度を示し、三
角印は比較例としての従来の二色温度測定法により測定
した温度を示している。この結果から明らかなように、
本実施例に係る多波長を用いた放射測温方法では、過酷
な測定環境下において温度、材質、表面状態が変化して
も極めて高精度に被測定物体の表面温度を測温し得るこ
とが分かる。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る多波長
を用いた放射測温方法にあっては、分光放射率を定数は
未知のままで分光波長の関数(放射率関数)として予め
測定に基づいて近似するので、関数として近似させるた
めのデータ準備が簡略化され、また温度、材質、表面状
態が変化しても同一関数で対応することができ、信頼性
のある高精度の測温をすることができる。
【0060】また、予め求めた放射率関数と温度との関
数として得られる分光放射輝度Li式に仮定の温度T′
及びM個の仮定の未知の定数を代入して得られる分光放
射輝度Li と、測定して得られる実測分光放射輝度Li o
との差が所定の値以下になるまで前記した仮定の温度
T′及びM個の仮定の未知の定数を変えて演算を行うの
で、多波長において正しい解が求められ、高精度の測温
をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多波長を用いた放射測温方法の実
施例における温度計算の手順を示すフローチャートであ
る。
【図2】実施例に係る多波長を用いた放射測温方法で使
用される装置を模式的に示した概念図である。
【図3】実施例に係る溶融亜鉛メッキ鋼板の波長別分光
放射率を合金化の異なる場合について示したグラフであ
る。
【図4】実施例に係る多波長を用いた溶融亜鉛メッキ鋼
板の放射測温結果並びに従来法による測温結果及び実測
温度を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物体表面から放射された熱放射光
    のN個(Nは3以上の整数)の分光放射輝度Li をもと
    に前記被測定物体表面の温度Tを測定する多波長を用い
    た放射測温方法において、前記分光放射輝度Li に対応
    するN個の分光放射率をM個(MはN−2以下の整数)
    の未知数を含んだ前記被測定物体表面の状態に固有の分
    光波長の関数として予め測定に基づいて近似し、仮定の
    温度T′及びM個の仮定の未知数を予め近似した分光波
    長の関数としての前記分光放射率の式に代入して得られ
    る分光放射輝度Li と、測定して得られる実測分光放射
    輝度Li oとの差が所定の値以下になるまで仮定の温度
    T′及びM個の仮定の未知数を変えて演算を行い、前記
    実測分光放射輝度Li oと前記分光放射輝度Li との差が
    所定の値以下になったときの前記演算により得られた温
    度を前記被測定物体の温度Tであるとして前記被測定物
    体の温度Tを求めることを特徴とする多波長を用いた放
    射測温方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013234984A (ja) * 2011-09-07 2013-11-21 Jfe Steel Corp 温度測定方法および温度測定装置
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