JPH05163265A - 置換デカレストリクチン類 - Google Patents

置換デカレストリクチン類

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JPH05163265A
JPH05163265A JP4138437A JP13843792A JPH05163265A JP H05163265 A JPH05163265 A JP H05163265A JP 4138437 A JP4138437 A JP 4138437A JP 13843792 A JP13843792 A JP 13843792A JP H05163265 A JPH05163265 A JP H05163265A
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formula
compound
branched
alkyl
carbon chain
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Ernold Granzer
エアノルト・グランツアー
Peter Hammann
ペーター・ハマン
Reinhard Kirsch
ラインハルト・キルシユ
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Hoechst AG
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Hoechst AG
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 式I 〔式中、R1はモノ−またはジサッカライド、ヒドロキ
シル、ホルミル、またはカルボニル基、−O−アルキ
ル、−O−アルケニル、−O−C(O)−アルキル、−O
−C(O)−アルケニル、−O−C(O)−フェニルであ
り、R2およびR3は水素、二重結合またはオキシラン環
であり、R4またはR5はヒドロキシルまたはカルボニル
基、−O−アルキル、−O−アルケニル、−O−C(O)
−アルキル、−O−C(O)−アルケニル、−O−C(O)
−フェニルであるか、またはR4とR5は一緒になってケ
タールを形成することができる〕で表される置換デカレ
ストリクチンおよびその生理学的に許容し得る塩、その
製造方法ならびに式(I)の置換デカレストリクチン
(その塩)を含有する医薬。 【効果】 これらの化合物は抗菌、抗ウイルス作用を有
し、さらにまた脂質レベルを減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は置換デカレストリクチン
類(10員のラクトン環)、その製造およびその使用、
特に抗ウイルス、抗細菌および脂質調整の各性質を有す
る医薬としての使用に関する。
【0002】
【従来の技術】式Iaおよび式Ib
【化8】 を有するデカレストリクチン類は既に EP-A-89 104 16
0.0に記載されている。式Iaおよび式Ibの自然産物
はペニシリウム種(Penicillium spec.)DSM 4209および
DSM 4210 の微生物を栄養培地中で培養することにより
得られる。ヨーロッパ特許出願 EP-A-90 122 907.0には
化合物Ibから出発して得られ、コレステロール生合成
に影響する誘導体が既に推奨されている。
【0003】
【発明の目的】さらに別の有効なデカレストリクチン類
を見出そうとして、今や該デカレストリクチンの新規誘
導体がコレステロール生合成を阻止しかつ抗細菌および
抗ウイルスの性質を有することが分かった。
【0004】すなわち、本発明は式I
【化9】 〔式中R1は a) ヒドロキシル、 b) ホルミル、 c) カルボニル、 d) −O−(C1−C10)−アルキル(ここで炭素鎖は
直鎖または分枝鎖状であることができる)、 e) −O−(C2−C10)−アルケニル(ここで炭素鎖
は直鎖または分枝鎖状であることができ、そして1個ま
たは2個以上の二重結合を含有する)、 f) −O−C(O)−(C1−C10)−アルキル(ここ
で炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 g) −O−C(O)−(C2−C10)−アルケニル(こ
こで炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができ、そ
して1個または2個以上の二重結合を含有する)、 h) −O−C(O)−フェニル、 i) −O−C(O)−フェニル(これはそのフェニル
基上で下記の基、 1)ハロゲン例えばフッ素、塩素または臭素、 2)(C1−C8)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖また
は分枝鎖状であることができる)、 3)NO、 4)CN、 5)CF、 6)フェニルまたは 7)フェノキシ、 によりモノ−〜トリ置換されている)、 j) モノ−またはジサッカライドまたは k) モノ−またはジサッカライド(そのヒドロキシル
基は保護基により保護されている)であり、 R2およびR3は水素であるか、または一緒になって二重
結合またはオキシラン環を形成し、R4またはR5は互い
に独立して、下記の基、 a) ヒドロキシル、 b) カルボニル、 c) −O−(C1−C10)−アルキル(ここで炭素鎖は
直鎖または分枝鎖状であることができる)、 d) −O−(C2−C10)−アルケニル(ここで炭素鎖
は直鎖または分枝鎖状であることができ、そして1個ま
たは2個以上の二重結合を含有する)、 e) −O−C(O)−(C1−C10)−アルキル(ここ
で炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 f) −O−C(O)−(C2−C10)−アルケニル(こ
こで炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができ、そ
して1個または2個以上の二重結合を含有する)、 g) −O−C(O)−フェニルまたは h) −O−C(O)−フェニル(これはそのフェニル
基上で下記の基、 1)ハロゲン例えばフッ素、塩素または臭素、 2)(C1−C8)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖また
は分枝鎖状であることができる) 3)NO、 4)CN、 5)CF、 6)フェニルまたは 7)フェノキシ、 によりモノ−〜トリ置換されている)であるか、または
4およびR5は一緒になって下記の式IIまたはIII
【化10】 (R6およびR7は互いに独立して、 a) 水素または b) (C1〜C8)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖ま
たは分枝鎖状であることができる)である)を有する基
を形成する〕を有するデカレストリクチンおよびその生
理学的に許容しうる塩(但し式IにおいてR1およびR4
がヒドロキシル基であり、R5がヒドロキシルまたはカ
ルボニル基でありそのR2およびR3が一緒になって二重
結合を形成する化合物を除外する)に関する。
【0005】特に、本発明はR1が a) ヒドロキシル、 b) ホルミル、 c) カルボニル、 d) −O−(C1−C4)−アルキル、 e) −O−C(O)−(C1−C4)−アルキル(ここ
で炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 f) −O−C(O)−(C2−C4)−アルケニル(こ
こで炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができ
る)、 g) −O−C(O)−フェニル、 h) −O−C(O)−フェニル(そのフェニル基上で
臭素によりモノ−〜トリ置換されている)、または i) モノサッカライド(そのヒドロキシル基はベンゾ
イルにより保護されている)であり、R2およびR3が水
素であるか、または一緒になって二重結合またはオキシ
ラン環を形成し、R4またはR5が互いに独立して、下記
の基、 a) ヒドロキシル、 b) カルボニル、 c) −O−(C1−C4)−アルキル、 d) −O−C(O)−(C1−C4)−アルキル(ここ
で炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 e) −O−C(O)−(C2−C4)−アルケニル(こ
こで炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)
または f) −O−C(O)−フェニルであるか、またはR4
よびR5が一緒になって式IIまたはIII(式中、R6およ
びR7はそれぞれメチル基である)の基を形成する、式
Iのデカレストリクチンおよびその生理学的に許容しう
る塩(但し式IにおいてR1およびR4がヒドロキシル基
であり、R5がヒドロキシルまたはカルボニル基であり
そしてR2およびR3が一緒になって二重結合を形成する
化合物を除外する)に関する。
【0006】特に好ましい化合物は4,5−ジヒドロキ
シ−O−イソプロピリデン−10−メチル−1−オキサ
−8−(2,3,4,6−テトラ−O−ブチル−α−D−
グルコピラノシルオキシ)−2−シクロデカノン、10
−メチル−1−オキサ−4,5,8−トリス−(n−ブチ
ルカルボニルオキシ)−6−シクロデセン−2−オン、
10−メチル−4,5,8−トリメトキシ−1−オキサ−
6−シクロデセン−2−オン、8−アセチルオキシ−
4,5−ジヒドロキシ−10−メチル−1−オキサ−シ
クロデカン−2−オン、2−カルボニル−10−メチル
−1−オキサ−4,5,8−トリヒドロキシ−6−シクロ
デセンオキシド、10−メチル−1−オキサ−4,5,8
−トリアセチルオキシ−6−シクロデセン−2−オン、
8−(2−ブロモフェニル−カルボニルオキシ)−4,
5−ジヒドロキシ−O−イソプロピリデン−10−メチ
ル−1−オキサシクロデカン−2−オン、4,5−ジヒ
ドロキシ−8−ホルミル−オキシ−10−メチル−1−
オキサ−6−シクロデセン−2−オン、4,8−ジ−プ
ロプ−1−エン−1−イル−カルボニルオキシ−5−ヒ
ドロキシ−10−メチル−1−オキサ−6−シクロデセ
ン−2−オン、4,5−ジヒドロキシ−O−イソプロピ
リデン−8−メトキシ−10−メチル−1−オキサ−6
−シクロデカン−2−オン、8−ブチルカルボニル−
4,5−ジヒドロキシ−O−イソプロピリデン−10−
メチル−1−オキサ−シクロデカン−2−オン、10−
メチル−1−オキサ−4,5,8−トリメトキシ−シクロ
デカン−2−オン、10−メチル−1−オキサ−4,5,
8−トリス−(アセチルオキシ)−シクロデカン−2−
オン、10−メチル−4,5,8−トリス−(1−イソプ
ロペン−2−イル−カルボニルオキシ)−1−オキサ−
6−シクロデセン−2−オン、10−メチル−1−オキ
サ−4,5,8−トリヒドロキシ−シクロデカン−2−オ
ン、10−メチル−5,8−ジメトキシ−4−ヒドロキ
シ−1−オキサ−6−シクロデセン−2−オン、10−
メチル−4,5,8−トリヒドロキシ−4,5−O−イソ
プロピリデン−1−オキサ−シクロデカン−2−オン、
10−メチル−1−オキサ−4,5,8−トリヒドロキシ
−4,5−O−ベンジリデン−6−シクロデセン−2−
オン、10−メチル−8−アセチルオキシ、4,5−ジ
ヒドロキシ−1−オキサ−6−シクロデセン−2−オ
ン、5,8−ビス−(フェニルカルボニルオキシ)−4
−ヒドロキシ−10−メチル−1−オキサ−6−シクロ
デセン−2−オン、10−メチル−1−オキサ−4,5,
8−トリス−(エチルカルボニルオキシ)−6−シクロ
デセン−2−オン、4,5−ジヒドロキシ−10−メチ
ル−1−オキサ−8−フェニルカルボニルオキシ−6−
シクロデセン−2−オン、10−メチル−1−オキサ−
4,5,8−トリエトキシ−6−シクロデセン−2−オ
ン、4−ヒドロキシ−10−メチル−1−オキサ−6−
シクロデセン−2,5,8−トリオンである。
【0007】前記糖残基はモノ−およびジ−サッカライ
ドであり、それらは例えば“Biochemischen Taschenbuc
h”〔Guide to Biochemistry〕, 2nd Edition,Part 1,
pages 107〜177, Springer-Verlag, Berlin, Goettinge
n, Heidelberg, 1964 に示されているとおりである。そ
れらは特にヘキソピラノシドおよびヘキソフラノシドで
あり、極めて特に好ましい糖はグルコース、フルクトー
ス、アロース、アルトロース、マンノース、ラクトース
およびガラクトースである。上記糖残基中に存在するO
H基は場合により、糖化学で慣用である保護基例えばア
セチル、ベンゾイル、ベンジルまたはアセトニルで保護
されることができる。
【0008】
【製造方法】本発明はさらに式Iのデカレストリクチン
類の製造方法に関する。この方法は、 a) 式Ia
【化11】 の化合物を式IV Q−CO−R8 (IV) (式中、Qは 1) ヒドロキシル、 2) ハロゲン例えば塩素または臭素、 3) イミダゾリドまたは 4) 酸無水物であり、 R8は1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である
か、または2〜10個の炭素原子を有するアルケニル基
である)の化合物と反応させるか、または b) 式Iaの化合物を適当な酵素およびベンゾイルまた
はアシルドナーと反応させるか、または c) 式Iaの化合物を酸化して式V
【化12】 の化合物を得るか、または d) 式Iaの化合物を二重結合においてエポキシド化し
て式VI
【化13】 の化合物を得るか、または e) 式Iaの化合物を二重結合において水素化して式VI
I
【化14】 の化合物を得るか、または f) 式Iaの化合物を式R6−CO−R7の化合物または
ベンズアルデヒドで対応する式VIIIのケタールまたは式
IXのベンジリデンケタール
【0009】
【化15】 (式中、R6またはR7は互いに独立して、 1)水素または 2)(C1−C8)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖または
分枝鎖状であることができる)である)に変換するか、
または g) 式VIIIまたはIXの化合物をそのヒドロキシル基上で
式X R10−Hal (X) (式中、R10はモノ−またはジサッカライドであり、そ
してHalはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である)
の化合物と反応させるか、または h) 式Iaの化合物を式XI R9−Abg (XI) (式中、R9は 1) (C1−C10)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖また
は分枝鎖状であることができる)、または 2) (C2−C10)−アルケニル(ここで炭素鎖は直鎖ま
たは分枝鎖状であることができ、そして1個以上の二重
結合を含有する)であり、Abgは塩素、臭素、ヨウ
素、スルフェート、メシレートまたはトシレートであ
る)の化合物と反応させるか、または前記製造変法a)
〜h)の2種以上を順次実施するか、または式Iの化合
物をその生理学的に許容しうる塩に変換することからな
る。
【0010】式Iの化合物の製造に必要とされる式Ia
の化合物は、例えば、この点で明白に記述されているヨ
ーロッパ特許出願 EP-A-89,104,160号に推奨された方法
によって製造することができる。この方法では、式Ia
の化合物は炭素源、窒素源および慣用の無機塩を含有す
る栄養溶液中でペニシリウム種、好ましくは DSM 4209
または DSM 4210 により製造される。勿論、菌株 DSM 4
209 または DSM 4210の代わりにその突然変異体および
変異株を、もしそれらがこれらの化合物を合成するなら
ば使用することも可能である。
【0011】式Iaの化合物の生成は、麦芽エキス約
0.2〜5%好ましくは1〜4%、酵母エキス0.02〜
0.5%好ましくは0.1〜0.4%、グルコース0.1〜
5%好ましくは0.5〜2%およびアンモニウム塩0.0
05〜0.2%好ましくは0.01〜0.1%(各場合、
全栄養溶液の重量基準である)を含有する栄養溶液中で
特に十分に進行する。培養は好気性であり、例えば振と
うフラスコまたは醗酵槽中で、適切な場合には空気また
は酸素を導入して、振とうまたは撹拌しながら液内培養
される。それは約18〜35℃、好ましくは約25〜3
0℃、特に27〜28℃で実施することができる。pH範
囲は2〜8、有利には3〜7であるべきである。これら
の条件下で、微生物は一般には60〜170時間好まし
くは100〜150時間培養される。
【0012】式Iaの化合物を単離するには、培養液お
よび菌糸体を最初に有機溶媒例えばクロロホルム、酢酸
エチル等を用いて抽出し、非極性不純物を除去する。次
に生成物を極性溶媒例えば低級アルカノールで、または
クロロホルムおよび/または酢酸エチルと低級アルカノ
ールとの混合物で抽出する。
【0013】精製形態での単離は適当な媒体例えばシリ
カゲル、アルミナまたはイオン交換体で実施し、ついで
有機極性溶媒または溶媒混合物で溶出するのがよい。
【0014】式Iを有する種々に置換されたデカレスト
リクチンを製造し得る方法a)〜h)を以下により詳細
に記載する。
【0015】方法a)においては、式Iaの化合物の等
モル量または50倍までの過剰量を式IVの化合物と、適
切な場合には不活性非プロトン性溶媒例えばクロロホル
ム、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン(TH
F)、酢酸エチルまたはジオキサン中において、適切な
場合には塩基好ましくはピリジンまたはトリエチルアミ
ンの存在下で、その反応が完了するまで反応させる方法
によるのが最良である。Q=OHである式IVの化合物を
用いる場合には、所望により触媒例えばN,N−ジメチ
ルアミノピリジン(DMAP)の存在下でジシクロヘキシ
ルカルボジイミドを加えるのが好都合である。反応温度
は−70℃〜+100℃であるが、溶媒を使用する場合
は溶媒の融点と沸点との間、特に−70℃〜+40℃が
好ましい。反応時間は1〜180時間、好ましくは1〜
48時間、特に好ましくは1〜8時間である。反応の完
了は例えば薄層クロマトグラフィー(TLCチェック)に
より決定することができる。
【0016】前記方法a)での出発化合物である式IVの
化合物は商業的に入手できるか、または文献で知られた
方法による簡単な手法で製造することができる。例え
ば、対応するカルボン酸をチオニルクロライド、PCl
3またはPCl5と反応させることにより酸クロライドを
得ることができる。
【0017】方法b)においては、式Iaの化合物を溶
媒例えば酢酸エチル、ジメトキシエチル、テトラヒドロ
フラン、tert−ブチルメチルエーテルまたはメチルエチ
ルケトン中に溶解し、次にベンゾイルまたはアシルドナ
ー例えばカルボキシレート好ましくはビニルエステル例
えばビニルアセテート、ビニルベンゾエート、ビニルク
ロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルフ
ェノキシアセテート、ビニルフェニルアセテート、ビニ
ルアミノ酸エステル例えばビニルZ−グリシネート、ま
たはイソプロペニルアセテート、またはカルボキシレー
トの代わりにカルボン酸無水物例えば無水ピバリン酸、
無水酢酸または無水安息香酸を加える方法によるのが最
良である。しかし、ベンゾイルまたはアシルドナーを溶
媒として同時に使用することも可能である。適当な酵素
は、遊離または固定化形態で加えるリパーゼまたはエス
テラーゼであり、培養は0〜80℃好ましくは、10〜
50℃で実施される。
【0018】酵素を固定化する適当な方法は全て、文献
〔W. Hartmeier, Trends in Biotechnology 3, 149(198
5); A. Rosevaer, J. Chem. Tech. Biotechnol, 34B, 1
27 (1984)〕に記載されている慣用法である。固定化酵
素および遊離酵素はまたカラム操作で使用することもで
きる。
【0019】反応時間は式Iの化合物の構造および溶解
度、温度および濃度、特に酵素の量に左右される。それ
らは0.5時間〜3日間、一般的には5〜24時間であ
ることができる。
【0020】大抵の場合には、反応生成物は分離によ
り、例えば遊離または固定化酵素を濾過し、溶媒および
アシルドナーを真空蒸留により除去しついで必要によ
り、生成物を結晶化、クロマトグラフィーまたは抽出に
より精製することにより後処理される。
【0021】本発明によれば、リパーゼおよびエステラ
ーゼは、微生物からまたは動物の膵臓または肝臓から有
利に得られる方法で使用され得る。プソイドモナス(Pse
udomonas)、カンジダ(Candida)、ムコール(Mucor)、リ
ゾプス(Rhizopus)、ペニシリウム(Penicillium)または
アスペルギルス(Aspergillus)およびブタの肝臓または
膵臓からのリパーゼおよびエステラーゼが特に好まし
い。酵素は商業的に入手し得るか、または上記微生物か
らまたは該肝臓もしくは膵臓から知られた方法により抽
出され得る。
【0022】方法c)においては、式Iaの化合物の等
モル量または50倍までの過剰量を酸化剤例えば二酸化
マンガン、ピリジニウムクロロクロメートまたはピリジ
ニウムジクロメートと、適切な場合には不活性溶媒例え
ばクロロホルム、四塩化炭素、メチレンクロライドまた
はヘキサン中において、その反応が完了するまで反応さ
せる方法によるのが最良である。
【0023】反応温度は−70℃〜+100℃である
が、溶媒を使用する場合は溶媒の融点と沸点との間、特
に−70℃〜+40℃が好ましい。反応時間は1〜18
0時間、好ましくは1〜48時間、特に好ましくは1〜
8時間である。反応の完了は例えば薄層クロマトグラフ
ィー(TLCチェック)により決定することできる。
【0024】方法c)での酸化剤は商業的に入手するこ
とができる。
【0025】方法d)においては、式Iaの化合物の等
モル量または50倍までの過剰量をH22、有機過酸例
えばm−クロロ過安息香酸またはH22と有機過酸との
混合物と、適切な場合には不活性溶媒好ましくはハロゲ
ン化炭化水素例えばジクロロメタン中において反応させ
る方法によるのが最良である。
【0026】反応温度は−30℃〜+30℃、好ましく
は−10℃〜+5℃である。反応時間は30分〜24時
間、好ましくは1〜10時間である。反応の完了は例え
ばTLCにより決定することができる。
【0027】方法e)においては、式Iaの化合物を不
活性溶媒例えば低級アルコール例えばメタノール、エタ
ノール、または脂肪族もしくは環状エーテル例えばテト
ラヒドロフラン(THF)または不活性溶媒の混合物中に
溶解し、次にそれを文献で知られた方法により、慣用の
水添触媒例えば活性炭上のPdまたはPtの触媒を使用
して水素化する方法によるのが最良である。
【0028】方法f)においては、式Iaの化合物の等
モル量または50倍までの過剰量をアルデヒドまたはケ
トン例えばアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、
ブチルアルデヒド、アセトンまたはベンズアルデヒド
と、適切な場合には不活性溶媒例えばクロロホルム、メ
チレンクロライド、ニトロメタンまたはアセトニトリル
中で塩化亜鉛の存在下において反応させる方法によるの
が最良である。
【0029】反応温度は−70℃〜+100℃である
が、溶媒としてケトンまたはアルデヒドを使用する場合
は溶媒の融点と沸点との間、特に0℃〜+40℃が好ま
しい。反応時間は1〜180時間、好ましくは1〜72
時間、特に好ましくは1〜48時間である。反応の完了
は例えば薄層クロマトグラフィーにより決定することが
できる。
【0030】化合物R6−CO−R7またはベンズアルデ
ヒドは商業的に入手し得るか、または文献で知られた方
法による簡単な手法で製造することができる。
【0031】方法g)においては、式VIIIまたはIVの化
合物の等モル量または50倍までの過剰量を式Xの化合
物と、触媒例えばテトラエチルアンモニウムブロミド/
モレキュラーシーブ4Å、Hg(CN)2、Ag2CO3
AgClO4またはトリフルオロメタンスルホン酸銀の
存在下で、適切な場合には不活性溶媒例えばクロロホル
ム、メチレンクロライド、ニトロメタン、アセトニトリ
ルまたはトルエン中でかつ適切な場合には塩基例えばコ
リジン、ルチジンまたはテトラメチル尿素の存在下にお
いてその反応が完了するまで反応させる方法によるのが
最良である。
【0032】反応温度は−70℃〜+100℃である
が、溶媒を使用する場合は溶媒の融点と沸点との間、特
に−70℃〜+40℃が好ましい。反応時間は1〜18
0時間、好ましくは1〜48時間、特に好ましくは1〜
8時間である。反応の完了は例えば薄層クロマトグラフ
ィーにより決定することができる。
【0033】前記方法g)の出発化合物である式Xの化
合物は商業的に入手し得るか、または文献で知られた方
法による簡単な手法で製造することができる。2−位で
ハロゲン置換されているモノ−またはサッカライドを用
いるのが好ましい。
【0034】方法h)においては、式Iaの化合物の等
モル量または50倍までの過剰量を式XIの化合物と、適
切な場合には不活性溶媒例えばクロロホルム、メチレン
クロライド、テトラヒドロフラン(THF)酢酸エチルま
たはジオキサン中でその反応が完了するまで反応させる
方法によるのが最良である。
【0035】反応温度は−70℃〜+100℃である
が、溶媒を使用する場合は溶媒の融点と沸点との間、特
に−70℃〜+40℃が好ましい。反応時間は1〜18
0時間、好ましくは1〜48時間、特に好ましくは1〜
8時間である。反応の完了は例えば薄層クロマトグラフ
ィーにより決定することができる。
【0036】前記方法h)の出発化合物である式XIの化
合物は商業的に入手し得るか、または文献で知られた方
法による簡単な手法で製造することができる。
【0037】前記方法a)〜h)による各反応で使用す
る出発化合物は式Iaの化合物ばかりでなく、さらにま
た方法a)〜h)の1種以上により既に誘導された化合
物であってもよい。この方法で、広範囲の置換基R1
2、R3、R4およびR5を逐次式Iの骨格中に導入させ
ることができる。
【0038】方法a)〜h)により得られた物質は慣用
手法により精製され、単離されかつ後処理される。例え
ば、反応生成物は極性支持物質例えばシリカゲルまたは
RSephadex LH20 上で溶媒例えば低級アルカノール例え
ばメタノール、またはクロロホルム、ジクロロメタンま
たは酢酸エチルまたはメタノール/クロロホルム混合物
またはクロロホルム/ヘプタン/メタノール混合物を用
いてクロマトグラフィー処理することにより精製され得
るが、しかしまた抽出法例えば液/液抽出または固/液
抽出により、または結晶化により精製することもでき
る。
【0039】
【効果】本発明による式Iの化合物は抗菌および抗ウイ
ルス作用を有する。抗ウイルス活性は試験ウイルスを感
染させた細胞培養中で試験した。それらの薬理学的性質
のために、本発明化合物は細菌疾患およびウイルス疾患
の治療に適している。
【0040】本発明化合物およびそれらの生理学的に許
容し得る塩によるコレステロール生合成の阻止は、イン
ビトロ試験で試験した。それより、本発明による誘導体
がコレステロール生合成の阻止剤として顕著な作用を有
するということが明らかになった。従って、それらは脂
質レベルを減少させるのに用いることができる。それら
の薬理学的性質のために、本発明化合物はコレステロー
ルおよびコレステロール様物質の代謝における疾患の治
療に適している。
【0041】従って、本発明はさらにコレステロールお
よびコレステロール様物質の代謝における疾患の治療お
よび予防における本発明化合物およびそれらの生理学的
に許容し得る塩の使用に関する。
【0042】該化合物はそれ自身で、または生理学的に
許容し得る補助剤または賦形剤と混合してのいずれかで
医薬として使用できる。このためには、それらは経口的
には0.01〜5.0mg/kg/日、好ましくは0.01〜
1.0mg/kg/日の投与量割合で、または非経口的、皮
下的には0.001〜2.5mg/kg/日、好ましくは0.
001〜1.0mg/kg/日、特に好ましくは0.005〜
0.2mg/kg/日の投与量割合で投与され得る。重度の
場合には、投与量割合はまた増加させることもできる。
しかし、多くの場合にはより少ない投与量割合で十分で
ある。上記のデータは体重75kgの成人を基準としてい
る。
【0043】本発明はさらに前記疾患の治療および予防
に使用される医薬の製造における本発明化合物の使用を
包含する。
【0044】本発明はさらに本発明の式Iの化合物およ
び/またはその生理学的に許容し得る塩の1種以上を含
有する医薬に関する。
【0045】該医薬は当業者に馴染みのそれ自身知られ
ている手法によって製造される。医薬としては、本発明
による薬理学的に活性な化合物(=活性物質)がそのま
までまたは好ましくは適当な製薬添加剤、補助剤または
賦形剤と組合わせて、錠剤、コーティング錠剤、カプセ
ル、坐剤、乳液、懸濁液または溶液の形態で使用され、
その際、活性物質含量は約95%まで、有利には10〜
75%までである。所望の医薬調製に適当な補助剤また
は賦形剤の例としては、溶剤、ゲル化剤、坐薬用基剤、
錠剤用補助剤、および活性物質用のその他賦形剤の他に
さらにまた抗酸化剤、分散剤、乳化剤、消泡剤、フレー
バー改良剤、保存剤、可溶化剤または着色剤がある。
【0046】活性物質は経口的、非経口的、皮下的また
は直腸的に投与され得る。
【0047】活性化合物はこのために適当な添加剤例え
ば賦形剤、安定剤または不活性希釈剤と混合し、ついで
慣用法により処方して適当な剤形例えば錠剤、コーティ
ング錠剤、ハードゼラチンカプセル、水性、アルコール
性もしくは油性の懸濁液または水性もしくは油性の溶液
を与える。使用可能な不活性賦形剤は例えばアラビアゴ
ム、マグネシア、炭酸マグネシウム、リン酸カリウム、
ラクトース、グルコースまたはデンプン特にトウモロコ
シデンプンである。乾燥したおよび湿った状態の両顆粒
が調製され得る。適当な油性の賦形剤または溶剤は、例
えば植物または動物源の油例えばヒマワリ油または肝油
である。
【0048】皮下または静脈内投与としては、活性化合
物は所望により、このために適当である物質例えば可溶
化剤、乳化剤またはその他の補助剤と一緒に溶解、懸濁
または乳化される。適当な溶剤の例には生理食塩水また
はアルコール例えばエタノール、プロパノール、グリセ
ロール、およびまた糖溶液例えばグルコース溶液または
マンニトール溶液、あるいはまた上記した種々の溶媒の
混合物がある。
【0049】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。以下の実施例で得られた全ての化合物はC,H
−分析および/またはRf値により特徴づけられる。式
Iaの化合物は EP-A-89,104,160号に記載の方法に従っ
て製造した。
【0050】式Iaの化合物の製造 a)生産菌株の胞子懸濁液の調製 500mlエルレンマイヤーフラスコ中において、栄養溶
液(酵母エキス2g、麦芽エキス20g、グルコース1
0g、(NH4)2PO4 0.5g、水道水1リットル、滅
菌前のpH7.3)100mlに菌株 DSM 4209 または DSM
4210を接種し、ついで回転振とう機上で25℃および1
20rpmにおいて72時間インキュベートする。次に培
養液20mlを、固化のためにリットル当たり20gの寒
天を加えた上記組成培地を含有する500mlエルレンマ
イヤーフラスコ中に一様に分配し、そのバッチを傾瀉す
る。培養を25℃で10〜14日間インキュベートす
る。この時間の経過後に得られた一つのフラスコの胞子
を、商業的に入手し得る非イオン系表面活性剤(Triton
X 100, Serva社製)1滴を含有する脱イオン水500ml
で完全にすすぎ、そして直ちに使用するか、または−2
2℃で貯蔵する。
【0051】b)エルレンマイヤーフラスコ中の生産菌
株の培養または前培養の調製 a)に記載の栄養溶液100mlを含有する500mlエル
レンマイヤーフラスコに傾斜生長させた培養をまたは胞
子懸濁液0.2mlを接種し、回転振とう機上で120rpm
および25℃においてインキュベートする。約120時
間後に最大の生産が達成される。同一栄養溶液からの4
8時間令の液内培養(5%)は、10および100リッ
トル醗酵槽の接種用に十分である。
【0052】c)式Iaの化合物の生産 10リットル醗酵槽を下記の条件の下で操作する。
【0053】 栄養培地 20g/リットルの麦芽エキス 2g/リットルの酵母エキス 10g/リットルのグルコース 0.5g/リットルの(NH4)2PO4 pH3.5 培養時間 150時間 培養温度 25℃ 撹拌速度 250rpm 通気 4リットルの空気/分 発泡は数滴のエタノール性ポリオール溶液を繰返し添加
することにより抑制することができる。約150時間後
に最大の生産が達成される。収量は約100mg/リット
ルである。
【0054】d)式Iaの化合物の単離 DSM 4209 または DSM 4210 の醗酵後に、濾過助剤とし
て2%のRCeliteを添加して、培養液を濾過する。式I
aの化合物は上澄液から単離される。このためには、上
澄液を凍結乾燥し、最初にクロロホルム/メタノール
(40:1)中での中圧液体クロマトグラフィーにより
クロマトグラフィー処理し、次にクロロホルム/メタノ
ール(20:1)中での常圧力カラムクロマトグラフィ
ーにより精製する。RSephadexでのカラムクロマトグラ
フィーにより式Iaの化合物が得られる。
【0055】実施例1 10−メチル−1−オキサ−4,5,8−トリス−(n−
ブチルカルボニルオキシ)−6−シクロデセン−2−オ
ンの製造 無水酢酸0.7mlおよび無水ピリジン2mlの溶液中に出
発化合物Iaの100mg(0.46mmol)を溶解し、反
応混合物を25℃で24時間撹拌する。次に反応混合物
を真空中で濃縮し、油性残留物をジクロロメタン20ml
中に取込んだ。得られた有機相を5mlずつの水で3回抽
出し、Na2SO4で乾燥しついで真空中で濃縮する。こ
うして得られた粗生成物をシリカゲル(移動相: CH
Cl3:メタノール=40:1)で精製する。収量13
1mg;0.38mmol(83%)、無色油状物。
【0056】実施例2 8−アセチルオキシ−4,5−ジヒドロオキシ−10−
メチル−1−オキサ−6−シクロデセン−2−オンの製
造 ジメトキシエタン/酢酸ビニルの1:2溶媒混合物10
ml中に出発化合物Iaの100mg(0.46mmol)を取
込んだ。反応混合物をLipase P/FP(Pseudomonas fluo
reszens; Amano製薬会社製、 名古屋)約20mgで処理
し、25℃で72時間撹拌する。反応の進行は薄層クロ
マトグラフィー(シリカゲルTLCプレート、移動相:
CHCl3:ヘキサン:メタノール=4:4:1)でモ
ニターする。後処理のためには、酵素を膜フィルターで
濾過し、濾液を濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィー
(シリカゲルカラム、移動相: CHCl3:メタノール
=19:1)にかける。収量85.5mg;0.33mmol
(72%)、無色油状物。
【0057】実施例3 4−ヒドロキシ−10−メチル−1−オキサ−6−シク
ロデカン−2,5,8−トリオンの製造 ジクロロメタン10ml中に出発化合物Iaの74mg
(0.34mmol)を溶解し、二酸化マンガン236.6mg
(8当量;2.72mmol)で処理し、混合物を25℃で
12時間撹拌する(TLCチェック)。後処理のために
は、混合物を濾過助剤で濾過し、反応溶液を真空中で濃
縮する。粗生成物をクロマトグラフィー(移動相: 酢
酸エチル:メタノール=19:1)にかける。収量3
3.2mg;0.16mmol(46%)、無色油状物。
【0058】実施例4 10−メチル−1−オキサ−4,5,8−トリヒドロキシ
−2−カルボニル−6−シクロデセンオキシドの製造 無水CH2Cl2 12ml中に出発化合物Iaの75mg
(0.35mmol)を溶解し、その溶液を、CH2Cl2
ml中に溶解したm−クロロ過安息香酸51mg(0.37m
mol)で−5℃において30分かけて処理する。反応混
合物を0℃で8時間撹拌する。後処理のためには、有機
相をH2O 5mlで3回洗浄し、Na2SO4で乾燥しつい
で真空中で濃縮する。粗生成物をクロマトグラフィー
(移動相: クロロホルム:メタノール=9:1)によ
り精製する。収量74.8mg;0.32mmol(92%)、
無色油状物。
【0059】実施例5 8−アセチルオキシ−4,5−ジヒドロキシ−10−メ
チル−1−オキサ−シクロデカン−2−オンの製造 メタノール15ml中に実施例19の化合物150mg
(0.69mmol)を溶解し、その溶液を5%Pd/木炭
(Hedrich社製)15mgで処理し、水素がもはや吸収さ
れなくなるまで反応混合物を水素雰囲気下で25℃にお
いて撹拌する。後処理のためには、反応混合物を濾過助
剤で濾過しついで真空中で濃縮する。粗生成物をクロマ
トグラフィー(移動相:ヘキサン:CHCl3:メタノ
ール=4:4:1、シリカゲル)にかける。収量128
mg;0.59mmol(85%)、無色油状物。
【0060】実施例6 10−メチル−4,5,8−トリヒドロキシ−4,5−O
−イソプロピリデン−1−オキサ−シクロデカン−2−
オンの製造 アセトン20ml中に実施例15の化合物104mg(0.
46mmol)を懸濁し、その溶液を無水ZnCl2 250
mgで処理し、反応混合物を25℃で2日間撹拌する。反
応の進行は薄層クロマトグラフィー(シリカゲルプレー
ト、移動相:クロロホルム:ヘキサン:メタノール=
8:8:1)によりモニターする。反応が完了したら
(約2時間)、溶媒を真空中で除去し、残留物をシリカ
ゲルでのクロマトグラフィー(移動相:メチレンクロリ
ド:ヘプタン:メタノール=8:8:1)にかける。収
量79mg;0.31mmol(67%)、無色油状物。
【0061】実施例7 4,5−ジヒドロキシ−O−イソプロピリデン−10−
メチル−1−オキサ−8(2,3,4,6−テトラ−O−ベ
ンジル−α−D−グルコピラノシルオキシ)−2−シク
ロデカノンの製造
【化16】 (Bzは−CH2−フェニルに相当する)無水アセトニ
トリル4ml中に10−メチル−1−オキサ−4,5,8−
トリヒドロキシ−4,5−ジ−O−イソプロピリデン−
2−シクロデカノン(実施例17の方法により製造され
る)40mg(0.155mmol)を溶解し、2,4,6−コ
リジン102μl(0.78mmol、5当量)および微粉化モ
レキュラーシーブ(3Å)(Aldrich社製, Steinheim,
FRG)1gを加え、混合物を室温で30分間撹拌する
(N2保護ガス雰囲気の下で)。次に混合物を2,3,4,
6−テトラ−O−ベンジル−α−D−グルコピラノシル
クロライド(製造についてはV. D. Grob et al.; Corbo
hyd. Res., 10(1969)595〜597参照)112mg(0.20
1mmol、1.3当量)およびトリフルオロメタンスルホ
ン酸銀52mg(0.202mmol、1.3当量)で処理し、
その反応混合物を室温で72時間撹拌する。反応の進行
は薄層クロマトグラフィー(移動相: CHCl3:ヘキ
サン:メタノール=20:20:1)によりモニターす
る。後処理のためには、混合物を濾過助剤で濾過し、濾
液を真空中で濃縮する。残留物をシリカゲルでのクロマ
トグラフィー(移動相:CH2Cl2:酢酸エチル=1:
1)にかける。収量32.7mg;0.042mmol(27
%)、無色油状物。
【0062】実施例8 10−メチル−4,5,8−トリメトキシ−1−オキサ−
6−シクロデセン−2−オンの製造 無水ジメチルホルムアミド10ml中に出発化合物Iaの
80mg(0.37mmol)を溶解し、その溶液を25℃に
おいてヨードメタン0.22ml(14.8mmol、404m
g)および酸化銀(I)430mg(1.85mmol)で処理
し、反応混合物を光の除去下で25℃において24時間
撹拌する。反応の進行は薄層クロマトグラフィー(移動
相: CH2Cl2:酢酸エチル=4:1)によりモニタ
ーする。後処理のためには、混合物を濾過助剤(Celit
e)で濾過し、濾液を真空中で濃縮する。次に粗生成物
をシリカゲルでクロマトグラフィー(移動相: CH2
2:酢酸エチル=6:1)にかける。収量46.1mg;
18mmol(48%)、無色油状物。
【0063】前記で製造した化合物および実施例1〜8
と類似の方法で製造した化合物は下記表1に示すとおり
である。表2には製造した化合物のC,H分析およびシ
リカゲルクロマトグラフィーにおけるそれらのRf値が
示されている。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】
【表3】
【0067】
【表4】
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【表7】
【0071】
【表8】
【0072】
【表9】
【0073】実施例9 リポタンパクを含まない栄養培地中におけるHEP−G
2細胞の単層を適当な濃度の実施例1、3、4、5、
6、8および15からの供試物質とともに1時間前培養
する。14C−標識した生合成プレカーサ「14C」酢酸ナ
トリウムを加えた後に、培養を3時間続ける。次にこれ
ら細胞のいくつかを、内標準の3Hコレステロールをあ
らかじめ加えた後にアルカリ加水分解に付す。加水分解
された細胞の脂質をクロロホルム/メタノールの混合物
で抽出する。この脂質混合物にキャリヤーコレステロー
ルを加え、ついでそれを調製用薄層クロマトグラフィー
による分離に付し、そのコレステロールバンドを染色
し、次に単離し、14Cプレカーサから得られた14Cコレ
ステロールの量をシンチグラフィーで測定する。細胞タ
ンパクをアリコートの細胞中で測定して、細胞タンパク
のmg当たりにおける細胞単位当たりの14Cのプレカーサ
から得られた14Cコレステロールの量を計算することが
できる。対照は、添加した試験製剤の阻止作用を比較す
るために使用され、培地中の試験製剤の個々のモル濃度
におけるコレステロール生合成の阻止を直接指摘するこ
とができる。細胞培養が完全である程度および製剤の作
用により生ずる細胞損傷の不在は、アリコートの細胞培
養中で形態学的に評価され(光−光学的顕微鏡法)そし
て培養培地中のラクテートデヒドロゲナーゼの放出を測
定することによって生化学的に測定される。標準製剤と
してRLovastatin(Merck-Sharp-Dohm社製)を使用し
た。結果は表3に示すとおりである。
【0074】
【表10】
【0075】細胞培養中の抗ウイルス活性 供試物質を細胞培養培地(Dulbecco's MEM)中に溶解
し、細胞培養培地100μl中の標準マイクロタイター
プレート中に相乗的希釈系因数3(geometric dilution
series, factor 3)の形態で導入した。次に、2×1
5細胞/mlの細胞密度で5%胎児牛血清を含有する培
地中におけるヘラ(HeLa)またはベロ(Vero)細胞の懸
濁液100μlを加えた。各バッチにその試験ウイルス
の懸濁液50μlを感染させ、その懸濁液を、それらの
細胞が72時間以内に細胞病原性作用(CPE)を示す
ように調整した。これらの試験は、細胞層を顕微鏡で調
べることにより、およびニュートラルレッド(Neutral
Red)吸収の光度測定(Finter's カラーテスト)により
評価した。MICは、約50%の細胞が感染から生残っ
た際の製剤の濃度(μg/ml)として定義された。
【0076】表4には以下のウイルス:アデノ(aden
o)5、ワクシニア(vaccinia)、ヘルペス(herpes)
I、ヘルペス(herpes)II、インフルエンザ(influenz
a)A、パラミクソ(paramyxo)III、リノウイルス(rhi
novirus)IIに対する本発明化合物6の作用(μg/mlで
示されたMIC)が示されている。最後の欄にはμg/m
lで示されたDTM(Dosis Tolerata Maxima)が記載さ
れている。
【0077】
【表11】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07H 17/08 A //(C07D 493/04 317:00 313:00) (72)発明者 ラインハルト・キルシユ ドイツ連邦共和国デー−6230フランクフル ト・アム・マイン80.ヨハネスアレー18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式I 【化1】 〔式中R1は a) ヒドロキシル、 b) ホルミル、 c) カルボニル、 d) −O−(C1−C10)−アルキル(ここで炭素鎖は直
    鎖または分枝鎖状であることができる)、 e) −O−(C2−C10)−アルケニル(ここで炭素鎖は
    直鎖または分枝鎖状であることができ、そして1個また
    は2個以上の二重結合を含有する)、 f) −O−C(O)−(C1−C10)−アルキル(ここで炭
    素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 g) −O−C(O)−(C2−C10)−アルケニル(ここで
    炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができ、そして
    1個または2個以上の二重結合を含有する)、 h) −O−C(O)−フェニル、 i) −O−C(O)−フェニル(これはそのフェニル基
    上で下記の基、 1) ハロゲン例えばフッ素、塩素または臭素、 2) (C1−C8)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖また
    は分枝鎖状であることができる)、 3) NO2、 4) CN、 5) CF3、 6) フェニルまたは 7) フェノキシ、 によりモノ−〜トリ置換されている)、 j) モノ−またはジサッカライドまたは k) モノ−またはジサッカライド(そのヒドロキシル
    基は保護基により保護されている)であり、 R2およびR3は水素であるか、または一緒になって二重
    結合またはオキシラン環を形成し、 R4またはR5は互いに独立して、下記の基、 a) ヒドロキシル、 b) カルボニル、 c) −O−(C1−C10)−アルキル(ここで炭素鎖は直
    鎖または分枝鎖状であることができる)、 d) −O−(C2−C10)−アルケニル(ここで炭素鎖は
    直鎖または分枝鎖状であることができ、そして1個また
    は2個以上の二重結合を含有する)、 e) −O−C(O)−(C1−C10)−アルキル(ここで炭
    素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 f) −O−C(O)−(C2−C10)−アルケニル(ここで
    炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができ、そして
    1個または2個以上の二重結合を含有する)、 g) −O−C(O)−フェニルまたは h) −O−C(O)−フェニル(これはそのフェニル基
    上で下記の基、 1) ハロゲン例えばフッ素、塩素または臭素、 2) (C1−C8)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖また
    は分枝鎖状であることができる) 3) NO2、 4) CN、 5) CF3、 6) フェニルまたは 7) フェノキシ、 によりモノ−〜トリ置換されている)であるか、または
    4およびR5は一緒になって下記の式IIまたはIII 【化2】 (R6およびR7は互いに独立して、 a) 水素または b) (C1−C8)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖また
    は分枝鎖状であることができる)である) を有する基を形成する〕を有するデカレストリクチンお
    よびその生理学的に許容しうる塩(但し式IにおいてR
    1およびR4がヒドロキシル基であり、R5がヒドロキシ
    ルまたはカルボニル基でありそのR2およびR3が一緒に
    なって二重結合を形成する化合物を除外する)。
  2. 【請求項2】 式中R1が a) ヒドロキシル、 b) ホルミル、 c) カルボニル、 d) −O−(C1−C4)−アルキル、 e) −O−C(O)−(C1−C4)−アルキル(ここで炭
    素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 f) −O−C(O)−(C2−C4)−アルケニル(ここで
    炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 g) −O−C(O)−フェニル、 h) −O−C(O)−フェニル(そのフェニル基上で臭素
    によりモノ−〜トリ置換されている)、または i) モノサッカライド(そのヒドロキシル基はベンゾ
    イルにより保護されている)であり、 R2およびR3が水素であるか、または一緒になって二重
    結合またはオキシラン環を形成し、 R4またはR5が互いに独立して、下記の基、 a) ヒドロキシル、 b) カルボニル、 c) −O−(C1−C4)−アルキル、 d) −O−C(O)−(C1−C4)−アルキル(ここで炭
    素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)、 e) −O−C(O)−(C2−C4)−アルケニル(ここで
    炭素鎖は直鎖または分枝鎖状であることができる)また
    は f) −O−C(O)−フェニルであるか、またはR4およ
    びR5が一緒になって式IIまたはIII(式中、R6および
    7はそれぞれメチル基である)の基を形成する、請求
    項1記載の式Iのデカレストリクチンおよびその生理学
    的に許容しうる塩〔但し式IにおいてR1およびR4がヒ
    ドロキシル基であり、R5がヒドロキシルまたはカルボ
    ニル基でありそしてR2およびR3が一緒になって二重結
    合を形成する化合物を除外する〕。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の式Iを有するデカレスト
    リクチン類の製造において、 a) 式Ia 【化3】 の化合物を式IV Q−CO−R8 (IV) (式中、Qは 1)ヒドロキシル、 2)ハロゲン例えば塩素または臭素、 3)イミダゾリドまたは 4)酸無水物であり、 R8は1〜10個の炭素原子を有するアルキル基である
    か、または2〜10個の炭素原子を有するアルケニル基
    である)の化合物と反応させるか、または b) 式Iaの化合物を適当な酵素およびベンゾイルま
    たはアシルドナーと反応させるか、または c) 式Iaの化合物を酸化して式V 【化4】 の化合物を得るか、または d) 式Iaの化合物を二重結合においてエポキシド化
    して式VI 【化5】 の化合物を得るか、または e) 式Iaの化合物を二重結合において水素化して式
    VII 【化6】 の化合物を得るか、または f) 式Iaの化合物を式R6−CO−R7の化合物また
    はベンズアルデヒドで対応する式VIIIのケタールまたは
    式IXのベンジリデンケタール 【化7】 (式中、R6またはR7は互いに独立して、 1)水素または 2)(C1−C8)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖または
    分枝鎖状であることができる)である) に変換するか、または g) 式VIIIまたはIXの化合物をそのヒドロキシル基上
    で式X R10−Hal (X) (式中、R10はモノ−またはジサッカライドであり、そ
    してHalはフッ素、塩素、臭素またはヨウ素である)
    の化合物と反応させるか、または h) 式Iaの化合物を式XI R9−Abg (XI) (式中、R9は 1)(C1−C10)−アルキル(ここで炭素鎖は直鎖また
    は分枝鎖状であることができる)、または 2)(C2−C10)−アルケニル(ここで炭素鎖は直鎖ま
    たは分枝鎖状であることができ、そして1個以上の二重
    結合を含有する)であり、 Abgは塩素、臭素、ヨウ素、スルフェート、メシレー
    トまたはトシレートである)の化合物と反応させるか、
    または前記製造変法a)〜h)の2種以上を順次実施す
    るか、または次いで式Iの化合物をその生理学的に許容
    しうる塩に変換することからなる製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1もしくは2に記載の、または請
    求項3により得られた少なくとも1種の式Iの化合物お
    よび/または該化合物の少なくとも1種の生理学的に許
    容しうる塩の有効量を、生理学的に許容しうる賦形剤お
    よび適切な場合にはさらに別の添加剤および/または補
    助剤とともに含有する医薬。
  5. 【請求項5】 少なくとも1種の式Iの化合物および/
    または該化合物の少なくとも1種の生理学的に許容しう
    る塩および/または請求項3に記載の方法により得られ
    た化合物を生理学的に許容しうる賦形剤および、適切な
    場合にはさらに別の添加剤および/または補助剤と一緒
    に処方して適当な剤形を得ることからなる請求項4記載
    の医薬の製造方法。
  6. 【請求項6】 脂質レベルを減少させる医薬の製造にお
    ける請求項1または2に記載の式Iの化合物の使用。
  7. 【請求項7】 抗ウイルス作用を有する医薬の製造にお
    ける請求項1または2に記載の式Iの化合物の使用。
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