JPH05163009A - 高密度特殊炭素材の製造方法 - Google Patents

高密度特殊炭素材の製造方法

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JPH05163009A
JPH05163009A JP3326168A JP32616891A JPH05163009A JP H05163009 A JPH05163009 A JP H05163009A JP 3326168 A JP3326168 A JP 3326168A JP 32616891 A JP32616891 A JP 32616891A JP H05163009 A JPH05163009 A JP H05163009A
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JP
Japan
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carbonaceous
raw material
peak
ratio
double bond
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JP3326168A
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English (en)
Inventor
Shoichi Hashiguchi
正一 橋口
Noritoshi Takao
憲利 高尾
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、高密度で、放電加工特性の良好な特
殊炭素材を容易に製造しうる方法を提供する。 【構成】コークスとバインダーピッチをねつ合して炭素
材を製造するに際し、炭素質原料を熱処理して得られる
熱処理生成物であって発揮分(VM)が30%以下でか
つ3%以上であり、平均粒度が15〜20μmにおける
トルエン可溶分(TS)が30%以下でかつ1%以上で
ある炭素質粉末のうち、赤外吸収スペクトルの炭素と酸
素の二重結合(C=O)の伸縮振動に由来する特定条件
を満足するものを添加することを特徴とする高密度特殊
炭素材の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高密度特殊炭素材の製造
方法に関するものである。さらに詳しくは高密度でかつ
放電加工特性が良い特殊炭素材の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、特殊炭素材はピッチコークスまた
は石油コークスを所定の割合に粒度配合した粒と粉を加
熱、混合しながらバインダーピッチを混合しながらバイ
ンダーピッチを適当量添加ねつ合後、粉砕、成形して製
造される。さらにこの生成形体を燒成、黒鉛化後、加工
して製品である特殊炭素材を製造している。また最近ピ
ッチを熱処理後、溶剤で処理して得たメソカーボンマイ
クロビーズを成形して特殊炭素材を製造する方法も報告
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法は製品の
嵩密度が低い、強度が低い等製品の特性が不十分であ
り、また工程が複雑で製造コストが高い等の問題点があ
り、低コストで特性の良い特殊炭素材の出現が望まれて
いた。特に半導体産業の発展に伴い、操業度のアップ、
装置の大型化が要求され、炭素材の機械的特性もさらに
高いものが要求されるようになったきた。
【0004】またさらには高温材料としてセラミックス
が見直されており、それを成形する技術もホットプレス
の利用、さらにはその大型化、成形圧力のアップ等益々
向上しており、その金型として使用されている炭素材へ
の要求特性も厳しいものとなっている。また近年炭素材
は放電加工用電極としての利用が注目され、需要が急増
の傾向にあるが従来の炭素材では放電加工特性が不十分
であり、もっと放電加工特性の良い炭素材、特に放電加
工時の消耗率が低い炭素材が要求されている。またメソ
カーボンマイクロビーズから製造した炭素材では工程が
複雑なためにコストが高く製造コストがもっと低くて高
特性のものが求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らはか
かる状況に鑑み、高強度でかつ放電特性の良い特殊炭素
材を製造すべく鋭意検討した結果、特殊炭素材を製造す
るに際してある特性を持つ炭素質粉末をピッチコーク
ス、または石油コークスとバインダーピッチをねつ合、
粉砕、成形時に添加し、燒成、黒鉛化後、製品とすると
高特性となることを見出し、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明の要旨は、炭素質原料を熱
処理して得られる熱処理生成物であって、発揮分(V
M)が30%以下でかつ3%以上であり、平均粒度が1
5〜20μmにおけるトルエン可溶分(TS)が30%
以下でかつ1%以上である炭素質粉末のうち、赤外吸収
スペクトルの炭素と酸素の二重結合(C=O)の伸縮振
動に由来するピークが下記(1)ないし(4)に示す条
件の少なくとも一つを満足するものを、特殊炭素材を製
造するに際して、コークスとバインダーピッチとのねつ
合時に、また該ねつ合物の粉砕時に添加することを特徴
とする特殊炭素材の製造法にある。
【0007】(1) 1790cm−1と1665cm
−1をベースとした1700cm−1付近のC=O二重
結合に由来する赤外吸収スペクトルのピークと1665
cm−1と1540cm−1をベースとした1600c
m−1付近のC=C二重結合に由来するピークの比が
0.25以下である炭素質原料。 (2) 下記に示す赤外吸収スペクトルの比における上
記熱処理生成物と該炭素質原料の比、すなわち炭素質原
料から熱処理生成物への変化率、が4.0以下である熱
処理生成物。 記;1790cm−1と1665cm−1をベースとし
た1700cm−1付近のC=O二重結合に由来する赤
外吸収スペクトルのピークと1665cm−1と154
0cm−1をベースとした1600cm−1付近のC=
C二重結合に由来するピークの比。
【0008】(3) 1790cm−1と1665cm
−1をベースとした1740cm−1付近のC=O二重
結合に由来する赤外吸収スペクトルのピークと1665
cm−1と1540cm−1をベースとした1600c
m−1付近のC=C二重結合に由来するピークの比が
0.06以下である炭素質原料。 (4) 実質的に1777cm−1付近のC=O二重結
合に由来するピークがない炭素質原料 以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】まず、本発明においける炭素質粉末は通
常、揮発分(VM)が50%以下で、かつそのトルエン
可溶分が50%以下である炭素質原料の熱処理によって
製造される。該炭素質原料の揮発分(VM)が50重量
%を超えたものも使用できるが、50重量%を超えると
目標の物性に調整する時間が長く、処理能力が落ち、コ
ストが高くなるので該原料のVMは50重量%以下が好
ましく、さらには45%以下が好ましく、最も好ましく
は40%以下である。
【0010】またトルエン可溶分(γ−レジン量)が高
過ぎると軽沸点留分が多く、原料が融着するために熱処
理効率が悪く、該炭素質原料のγ−レジン量は50%以
下が好ましく、さらには45%以下が好ましく、最も好
ましくは40%以下である。これらの炭素質原料として
は石炭乾留時に副生するコールタール又はこれより得ら
れるコールタールピッチ、およびこれらに仮燒コーク
ス、生コークス等を混合したもの、または該混合物を熱
処理したものが使用できる。またさらには石油系重質油
またはそれらの熱処理生成物、またそれらの水添処理生
成物及びそれらの熱処理生成物、及びナフタリン等の低
分子化合物を重縮合して得たピッチ、またそれらの熱処
理生成物、及び石炭等のれき青物を水添して得られた石
炭液化物、またそれらの熱処理生成物、さらにはこれら
を溶剤で処理して得られた重質成分、それらの熱処理生
成物が使用できる(以下ピッチ類という。)。
【0011】さらには該熱処理生成物等を混合したも
の、またカーボンブラック、仮燒コークス等の微粉末、
活性炭等を該熱処理生成物等に混合したもの、さらには
それらを熱処理したものでも良い。これらの熱処理は通
常上記ピッチ類をディレードコーカー、オートクレーブ
等により300〜500℃、1〜72時間程度熱処理す
ることによりなされるが、該熱処理は不活性雰囲気中で
行なっても良く、自生雰囲気中でも良く、さらには酸素
存在下で処理しても良い。また静置状態で熱処理しても
よいが良いが流動状態、および撹拌状態で熱処理するこ
ともできる。
【0012】また本発明における炭素質粉末は該炭素質
原料を熱処理することによって得られるが、通常200
〜350℃、10分〜48時間程度処理することで得ら
れるが、該熱処理は不活性雰囲気中で行っても良く、自
生雰囲気中でも良く、さらには酸素存在下で処理しても
良い。また静置状態で熱処理してもよいが良いが流動状
態、および撹拌状態で熱処理することもできるが処理を
均一に行なうために流動状態で処理したほうが好まし
い。
【0013】本発明において目的とする炭素質粉末は炭
素質原料を熱処理して得られる熱処理生成物であって、
VMが3%以上、30%以下であって赤外吸収スペクト
ルによる炭素と酸素の二重結合(C=O)の伸縮振動に
由来するピークが下記に示す条件(1)ないし(4)の
少なくとも一つを満足するものである。
【0014】(1) 1790cm−1と1665cm
−1をベースとした1700cm−1付近のC=O二重
結合に由来する赤外吸収スペクトルのピークと1665
cm−1と1540cm−1をベースとした1600c
m−1付近のC=C二重結合に由来するピークの比が
0.25以下である炭素質原料。 (2) 下記に示す赤外吸収スペクトルの比における上
記熱処理生成物と炭素質原料の比、すなわち炭素質原料
から熱処理生成物への変化率、が4.0以下である熱処
理生成物。 記;1790cm−1と1665cm−1をベースとし
た1700cm−1付近のC=O二重結合に由来する赤
外吸収スペクトルのピークと1665cm−1と154
0cm−1をベースとした1600cm−1付近のC=
C二重結合に由来するピークの比。
【0015】(3) 1790cm−1と1665cm
−1をベースとした1700cm−1付近のC=O二重
結合に由来する赤外吸収スペクトルのピークと1665
cm−1と1540cm−1をベースとした1600c
m−1付近のC=C二重結合に由来するピークの比が
0.06以下である炭素質原料。 (4) 実質的に1777cm−1付近のC=O二重結
合に由来するピークがない炭素質原料
【0016】該炭素質粉末は炭素材を製造時にコーク
ス、バインダーピッチと混合して使用されるものである
が、これらのコークス、バインダーピッチと十分濡れや
すく、コークスとも接着しやすいものが望ましく、炭素
質粉末のVMは高いものが好ましく、さらにはγ−レジ
ン量も高いものが好ましい。しかし該炭素質粉末のVM
が30%を超えると燒成時の重量減少が大き過ぎ特性が
低下する恐れがあるので30%以下が好ましく、また3
%未満では燒結性が低下するので3%以上が好ましい。
【0017】また該炭素質粉末はこれを粉砕して平均粒
度15〜20μmとした時のγ−レンジ量が30%以下
であり、かつ1%以上であるものが好ましい。γ−レジ
ン量を30%以下とすることによりコークスとの接着性
を保ちながら、成形体燒成時の発泡割れの傾向が低下
し、また1%以上とすることにより燒結特性が向上す
る。またさらには赤外吸収スペクトルにおける炭素と酸
素の二重結合(C=O)に由来するピークがある範囲以
下のものが好ましい。
【0018】すなわち熱処理が進むと高分子化反応を起
こし固化し溶融しなくなり、接着性が悪くなってくる。
特に酸素の存在した状態で熱処理が進むと不融化反応を
生じ、炭素質粉末の燒結性が減少し、接着しなくなり、
生成した炭素材の特性が悪化してしまうので該炭素質粉
末中の酸素量はある範囲以下のものが好ましい。すなわ
ち該炭素質粉末中の酸素量が多いほど、不融化反応が進
んでおり、燒結性が低下するものである。また該炭素質
粉末中の酸素量が少ないものはそれほど不融化は進んで
おらず、燒結性は保持しているので好ましい。
【0019】すなわちピッチ等のれき青物の赤外吸収ス
ペクトルにおいて炭素と酸素の二重結合(C=O)に由
来する伸縮振動は1700、1740、1777cm−
1付近にピークが存在するので、炭素と酸素の二重結合
のピークを1790cm−1と1665cm−1をベー
スとした1700、1740、1777cm−1付近の
ピークの高さで示す。ピークの高さはKBrに対するサ
ンプルの濃度で変わるので1665cm−1と1540
cm−1をベースとした1600cm−1付近のC=C
二重結合に由来するピーク高さとの比で炭素と酸素の二
重結合のピークを示すと1790cm−1と1665c
m−1をベースとした1700、1740、1777c
m−1付近の炭素と酸素の二重結合に由来する赤外吸収
スペクトルのピークと1665cm−1と1540cm
−1をベースとした1600cm−1付近のC=C二重
結合に由来するピークの比が0.25以下、0.06以
下、また1777cm−1についてはそのピークが実質
的に存在しない熱処理生成物が好ましい。
【0020】また該炭素質原料はそれのみでは発泡して
割れる等の問題があるので、炭素質原料を熱処理して燒
成時に割れないように調整して特性が出現するようにす
る必要があるが、この炭素質原料から熱処理生成物への
炭素と酸素の二重結合の変化率で示すと1790cm−
1と1665cm−1をベースとした1700cm−1
付近の炭素と酸素の二重結合に由来する赤外吸収スペク
トルのピークと1665cm−1と1540cm−1を
ベースとした1600cm−1付近のC=C二重結合に
由来するピークの比において、上記熱処理生成物と該炭
素質原料の比が、すなわち炭素質原料から熱処理生成物
への変化率が4.0以下となる条件で熱処理するのが好
ましい。
【0021】また該ピークの比はベースの取り方によっ
ても異なるが、例えば1725cm−1と1665cm
−1をベースとした時は1700cm−1のピーク比は
0.20以下の熱処理生成物が好ましい。また上記熱処
理生成物と該炭素質原料の比については、すなわち炭素
質原料から熱処理生成物への変化率は0.70以下とな
る条件で熱処理するのが好ましい。一般に1700cm
−1付近のピークはケトン基に由来するものであり、1
740cm−1付近のピークはエステル基に由来するも
のでり、また1777cm−1付近のピークはラクトン
類に由来するものであるといわれており、不融化反応の
進展とともに1700、次いで1740、さらには17
77cm−1付近のピークが増加してくる。これらの酸
素結合はそれぞれある範囲以下のものが望ましい。
【0022】これらの炭素質粉末は常法に従い、コーク
スとバインダーピッチをねつ合後、粉砕、成形、燒成、
黒鉛化して高密度特殊炭素材を製造する際に添加して使
用されるが、コークスとバインダーピッチをねつ合時に
該炭素質粉末を添加しても良いし、コークスとバインダ
ーピッチをねつ合後、粉砕時に該炭素質粉末を添加する
ことも可能である。またこれらの炭素質粉末は一種を単
独で使用することもできるが二種以上の炭素質粉末を混
合して該炭素質粉末の特性を調整して調整して使用する
こともできる。
【0023】さらにはカーボンブラック、活性炭等を該
炭素質粉末に添加して該炭素質粉末の特性を調整して使
用することもできるが、これらの炭素質粉末は固定炭素
が高く、炭素質粉末単味の収縮率が大きく、成形体の強
度が高くなるものであれば十分である。また二種以上の
炭素質粉末を混合して特性を調整して使用する時は添加
前に混合しても良いし、ねつ合時に同時に添加しても良
いし、別々に添加してもよく、該炭素質粉末の固定炭
素、収縮率、強度等が目的の範囲に入るように混合量を
決めることができるものである。また二種以上の炭素質
粉末を骨材に添加前に混合するときは加熱溶融して混合
することもできるし、粉の状態で混合することもでき
る。
【0024】粉の状態で混合する時は均一に混合するた
めに平均粒度は100μm以下が望ましく、さらには5
0μm以下が好ましく、最も好ましくは30μm以下に
微粉砕したものが望ましい。また均一に分散するために
溶媒に分散後、混合することもできるし、コークスとバ
インダーピッチとねつ合時に溶媒を添加することもで
き、溶媒は該炭素質粉末と同時に混合しても良いが、該
炭素質粉末混合前または後に別々に混合することもでき
る。またこれらの混合は常法に従い、ニーダー、混合機
等で室温下、または必要に応じて加温下行なわれる。
【0025】ここで使用する溶媒としてはトルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、灯油等の脂肪族
炭化水素、シクロヘキサン等の環状脂肪族飽和炭化水
素、エタノール、エチレングリコール、プロパノール等
のアルコール類、酢酸エチル等のエステル類、メチルエ
チルケトン等のケトン類等が使用でき、一種の溶媒でも
よいが、数種類の溶媒を混合して使用してもよい。
【0026】これらのねつ合物は粉砕後成形されるので
粉砕時に溶媒が残存していると粉砕しにくいのでねつ合
時に揮発し、残存しにくいものが好ましい。常法ではね
つ合は300℃以下で行なわれるので、300℃以下で
揮発するものが好ましく、該溶媒の沸点は300℃以下
のものが好ましく、さらには280℃以下のものは好ま
しく、最も好ましくは250℃以下である。
【0027】また該溶媒の沸点が低過ぎると引火点が低
く、危険であるので該溶媒の沸点は50℃以上が好まし
く、さらには80℃以上が好ましく、最も好ましくは1
00℃以上である。また該炭素質粉末は粉砕時に添加し
ても良く、ねつ合後にさらに粉砕時に添加しても良い。
【0028】添加量としてはコークスとバインダーピッ
チの種類、配合割合、ねつ合条件等によっても異なる
が、高密度特殊炭素材用原料として適正なように配合す
ることができるものであり、燒成時に割れることがな
く、特性が高くなるように添加することができるもので
あり、コークスとバインダーピッチに対して5%以上で
あり、90%以下となるように配合できる。さらには1
0%以上が好ましく、80%以下が好ましい。
【0029】このようにして製造した高密度特殊炭素材
用原料は常法に従い粉砕され、成形は通常のモールド成
形、冷間等方圧成形等が用いられる。また燒成は不活性
ガス中、コークスブリーズ中いずれでも可能であり、8
00〜1000℃の温度でなされる。
【0030】さらに黒鉛化はタンマン炉、アチソン炉、
誘導加熱等の常法が使用でき、通常2000〜3000
℃でなされる。このようにして製造した炭素質粉末を添
加した高密度特殊炭素材用原料は従来の方法を変えるこ
となく使用可能であり、高特性となるものである。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明する。なお実施例中、「%」は「重量%」を意味す
る。
【0032】
【実施例−1】揮発分(VM)が20.5%で、かつγ
レジン量が24.4%の炭素質原料を空気の存在下で熱
処理して、VMが13.6%、γレジン量が5.1%の
生成物を得た。該生成物の赤外吸収スペクトルの179
0cm−1と1665cm−1をベースとした1700
cm−1付近のピークと1665cm−1と1540c
m−1をベースとした1600cm−1付近のピークの
比は0.08であった。
【0033】この生成物を粗粉砕後、市販のコークスと
市販のバインダーピッチ(以下の実施例にも使用)をね
つ合時に10%添加して、混合物を得、該混合物を微粉
砕して平均粒度17μmとし、モールドプレスにて成形
し、成形体を得た。この成形対をブリーズ中1000℃
まで燒成後、タンマン炉で2800℃まで黒鉛化して製
品を得た。黒鉛成形体の嵩密度は1.76であり、曲げ
強度は570kg/cm2であった。
【0034】
【実施例−2】揮発分(VM)が20.5%で、かつγ
レジン量が24.4%の炭素質原料を空気の存在下で熱
処理りて、VMが13.6%、γレジン量が5.1%の
生成物を得た。該生成物の赤外吸収スペクトルの179
0cm−1と1665cm−1をベースとした1700
cm−1付近のピークと1665cm−1と1540c
m−1をベースとした1600cm−1付近のピークの
比において、熱処理生成物と炭素質原料とのピークの比
は1.50であった。
【0035】この生成物を粗粉砕後、コークスとバイン
ダーピッチをねつ合時に10%添加して、混合物を得、
該混合物を微粉砕して平均粒度28μmとし、モールド
プレースにて成形し、成形体を得た。この成形体をブリ
ーズ中1000℃まで燒成後、アチソン炉で2800℃
まで黒鉛化して製品を得た。黒鉛成形体の嵩密度は1.
84であり、曲げ強度は760kg/cm2であった。
【0036】
【実施例−3】揮発分(VM)が20.6%で、かつγ
レジン量が21.1%の炭素質原料を空気の存在下で熱
処理して、VMが13.5%、γレジン量が4.5%の
生成物を得た。該生成物の赤外吸収スペクトルの179
0cm−1と1665cm−1をベースとした1740
cm−1付近のピークと1665cm−1と1540c
m−1をベースとした1600cm−1付近のピークの
比は0.0であった。
【0037】この生成物を粗粉砕後、コークスとバイン
ダーピッチをねつ合時に20%添加した、混合物を得、
該混合物を微粉砕して平均粒度17μmとし、モールド
プレスにて成形し、成形体を得た。この成形体をブリー
ズ中1000℃まで燒成後、タンマン炉で2800℃ま
で黒鉛化して製品を得た。黒鉛成形体の嵩密度は1.8
5であり、曲げ強度は750kg/cm2であった。
【0038】
【実施例−4】実施例−3と同じ炭素質粉末を粗粉砕
後、コークスとバインダーピッチのねつ合物を粉砕時に
20%添加後、微粉砕して平均粒度26μmとし、モー
ルドプレスにて成形し、成形体を得た。この成形体をブ
リーズ中1000℃まで燒成後、アチソン炉で2800
℃まで黒鉛化して製品を得た。黒鉛成形体の嵩密度は
1.86であり、曲げ強度は690kg/cm2であっ
た。
【0039】
【実施例−5】揮発分(VM)が20.6%で、かつγ
レジン量が21.1%の炭素質原料を空気の存在下で熱
処理して、VMが13.5%、γレジン量は4.5%の
生成物を得た。該生成物の赤外吸収スペクトルの177
7cm−1付近のピークは検出されなかった。
【0040】この生成物を粗粉砕後、コークスとバイン
ダーピッチをねつ合時に10%添加して、混合物を得、
該混合物を微粉砕して平均粒度25μmとし、モールド
プレスにて成形し、成形体を得た。この成形体をブリー
ズ中1000℃まで燒成後、ピッチを含浸し、燒成後ア
チソン炉で2800℃まで黒鉛化して製品を得た。黒鉛
成形体の嵩密度は1.90であり、曲げ強度は800k
g/cm2であった。
【0041】
【実施例−6】実施例−5と同じ炭素質粉末を粗粉砕
後、コークスとバインダーピッチのねつ合物を粉砕時に
20%添加後、微粉砕して平均粒度26μmとし、モー
ルドプレスにて成形し、成形体を得た。この成形体をブ
リーズ中1000℃まで燒成後、ピッチを含浸し、燒成
後アチソン炉で2800℃まで黒鉛化して製品を得た。
黒鉛成形体の嵩密度は1.89であり、曲げ強度は78
0kg/cm2であった。
【0042】
【比較例−1】コークスとバインダーピッチのねつ合時
に本発明による炭素質粉末を添加することなく混合物を
得、該混合物を微粉砕して平均粒度17μmとし、モー
ルドプレスにて成形し、成形体を得た。この成形体をブ
リーズ中1000℃まで燒成後、タンマン炉で2800
℃まで黒鉛化して製品を得た。黒鉛成形体の嵩密度は
1.66であり、曲げ強度は400kg/cm2であっ
た。
【0043】
【比較例−2】コークスとバインダーピッチのねつ合時
に本発明による炭素質粉末を添加することなく混合物を
得、該混合物を微粉砕して平均粒度30μmとし、モー
ルドプレスにて成形し、成形体を得た。この成形体をブ
リーズ中1000℃まで燒成後、アチソン炉で2800
℃まで黒鉛化して製品を得た。黒鉛成形体の嵩密度は
1.75であり、曲げ強度は520kg/cm2であっ
た。
【0044】
【比較例−3】コークスとバインダーピッチのねつ合時
に本発明による炭素質粉末を添加することなく混合物を
得、該混合物を微粉砕して平均粒度30μmとし、モー
ルドプレスにて成形し、成形体を得た。この成形体をブ
リーズ中1000℃まで燒成後、ピッチを含浸し、燒成
後アチソン炉で2800℃まで黒鉛化して製品を得た。
黒鉛成形体の嵩密度は1.83であり、曲げ強度は52
0kg/cm2であった。
【0045】
【発明の効果】以上述べたようにコークスとバインダー
ピッチをねつ合して炭素材を製造していた従来の方法に
本発明による炭素質粉末をねつ合、粉砕時に簡単に添加
するのみで嵩密度、機械的強度が向上するものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コークスとバインダーピッチをねつ合
    して炭素材を製造するに際し、炭素質原料を熱処理して
    得られる熱処理生成物であって発揮分(VM)が30%
    以下でかつ3%以上であり、平均粒度が15〜20μm
    におけるトルエン可溶分(TS)が30%以下でかつ1
    %以上である炭素質粉末のうち、赤外吸収スペクトルの
    炭素と酸素の二重結合(C=O)の伸縮振動に由来する
    下記に示す条件(1)ないし(4)の少なくともいずれ
    か一つを満足するものを添加することを特徴とする高密
    度特殊炭素材の製造方法。 (1) 1790cm−1と1665cm−1をベース
    とした1700cm−1付近のC=O二重結合に由来す
    る赤外吸収スペクトルのピークと1665cm−1と1
    540cm−1をベースとした1600cm−1付近の
    C=C二重結合に由来するピークの比が0.25以下で
    ある炭素質原料。 (2) 下記に示す赤外吸収スペクトルの比における上
    記熱処理生成物と炭素質原料の比、すなわち炭素質原料
    から熱処理生成物への変化率が4.0以下である熱処理
    生成物。 記;1790cm−1と1665cm−1をベースとし
    た1700cm−1付近のC=O二重結合に由来する赤
    外吸収スペクトルのピークと1665cm−1と154
    0cm−1をベースとした1600cm−1付近のC=
    C二重結合に由来するピークの比。 (3) 1790cm−1と1665cm−1をベース
    とした1700cm−1付近のC=O二重結合に由来す
    る赤外吸収スペクトルのピークと1665cm−1と1
    540cm−1をベースとした1600cm−1付近の
    C=C二重結合に由来するピークの比が0.06以下で
    ある炭素質原料。 (4) 実質的に1777cm−1付近のC=O二重結
    合に由来するピークがない炭素質原料。
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