JPH05163001A - 容器の急速加熱方法 - Google Patents
容器の急速加熱方法Info
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- JPH05163001A JPH05163001A JP3333725A JP33372591A JPH05163001A JP H05163001 A JPH05163001 A JP H05163001A JP 3333725 A JP3333725 A JP 3333725A JP 33372591 A JP33372591 A JP 33372591A JP H05163001 A JPH05163001 A JP H05163001A
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- hydrogen
- container
- temperature
- alloy
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B3/00—Hydrogen; Gaseous mixtures containing hydrogen; Separation of hydrogen from mixtures containing it; Purification of hydrogen
- C01B3/0005—Reversible uptake of hydrogen by an appropriate medium, i.e. based on physical or chemical sorption phenomena or on reversible chemical reactions, e.g. for hydrogen storage purposes ; Reversible gettering of hydrogen; Reversible uptake of hydrogen by electrodes
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/32—Hydrogen storage
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- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、事前加熱等のエネルギーを必要と
しない、水素吸蔵合金を用いた容器の急速加熱方法を提
供する。 【構成】 複数の水素吸蔵合金を充填した多重管または
多層の密閉容器のうち、低温で反応する水素吸蔵合金を
充填した容器に水素を導入し、発熱反応を行わせること
で隣接する高温で反応する水素吸蔵合金を充填した容器
を加熱し、低温で反応する水素吸蔵合金から、より高温
で反応する水素吸蔵合金まで順次水素を導入し、あらか
じめ定めた温度まで水素化反応を行わせることを特徴と
する。 【効果】 本発明の方法により、電気加熱等による水素
化反応促進のための合金の事前加熱を必要としなくて
も、水素吸蔵合金の水素化反応が可能となり、容器の急
速加熱が可能である。
しない、水素吸蔵合金を用いた容器の急速加熱方法を提
供する。 【構成】 複数の水素吸蔵合金を充填した多重管または
多層の密閉容器のうち、低温で反応する水素吸蔵合金を
充填した容器に水素を導入し、発熱反応を行わせること
で隣接する高温で反応する水素吸蔵合金を充填した容器
を加熱し、低温で反応する水素吸蔵合金から、より高温
で反応する水素吸蔵合金まで順次水素を導入し、あらか
じめ定めた温度まで水素化反応を行わせることを特徴と
する。 【効果】 本発明の方法により、電気加熱等による水素
化反応促進のための合金の事前加熱を必要としなくて
も、水素吸蔵合金の水素化反応が可能となり、容器の急
速加熱が可能である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素吸蔵合金を用いて
容器の急速加熱を行うための方法に関するものである。
容器の急速加熱を行うための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、水素をある種の金属あるいは合金
に吸蔵させ、水素の分離、精製に利用したり、ヒートポ
ンプ、熱の貯蔵などに利用する方法が提案されている。
この水素吸蔵合金(一般に、比較的穏和な温度および水
素圧力条件で金属水素化物をつくる合金を言う)として
はFeTi、LaNi5 、Mg2 Niなどが代表的であ
る。水素吸蔵合金Mが水素と反応すると金属水素化物M
H2 が生成する。この際に反応熱Qが発生する。これを
式(1)に示す。
に吸蔵させ、水素の分離、精製に利用したり、ヒートポ
ンプ、熱の貯蔵などに利用する方法が提案されている。
この水素吸蔵合金(一般に、比較的穏和な温度および水
素圧力条件で金属水素化物をつくる合金を言う)として
はFeTi、LaNi5 、Mg2 Niなどが代表的であ
る。水素吸蔵合金Mが水素と反応すると金属水素化物M
H2 が生成する。この際に反応熱Qが発生する。これを
式(1)に示す。
【0003】 M + H2 → MH2 + Q (1) M:水素吸蔵合金、MH2 :金属水素化物、Q:反応熱 MとしてFeTi合金、Mg2 Ni合金を例にとると、
これらの合金の反応熱Qは、水素1mol当たりFeT
i合金で7kcal、Mg2 Ni合金では15kcal
である。
これらの合金の反応熱Qは、水素1mol当たりFeT
i合金で7kcal、Mg2 Ni合金では15kcal
である。
【0004】以下、反応熱Qの大きなMg2 Ni合金に
ついて、まず水素平衡圧力特性について説明する。この
合金の水素との平衡圧は合金の温度に依存して、350
℃において水素圧10kg/cm2 、380℃において
20kg/cm2 、410℃において30kg/cm2
の水素と平衡にある。すなわち、例えば水素圧20kg
/cm2 で水素を導入したときに、Mg2 Ni合金の水
素化反応はこの合金の温度が380℃になるまで進行す
る。
ついて、まず水素平衡圧力特性について説明する。この
合金の水素との平衡圧は合金の温度に依存して、350
℃において水素圧10kg/cm2 、380℃において
20kg/cm2 、410℃において30kg/cm2
の水素と平衡にある。すなわち、例えば水素圧20kg
/cm2 で水素を導入したときに、Mg2 Ni合金の水
素化反応はこの合金の温度が380℃になるまで進行す
る。
【0005】次に、水素吸蔵放出時の反応速度について
説明すると、水素吸蔵合金と水素の反応は、一般に
(2)式のように表される。 V=Ka×(P−Pe)×f(H/M)×e(-E/R/(273.15+T)) (2) V:反応速度(mol/sec)、P:水素圧力(P
a)、Pe:温度Tにおける合金の平衡水素圧力(P
a)、Ka:速度定数(mol/sec/Pa)、E:
活性化エネルギー(cal/mol)、R:ガス定数
(cal/mol/K)、T:反応温度(℃)、H/
M:水素吸蔵量(−) 前記(2)式に示されるように、反応温度Tが増加する
に従い、e(-E/R/(273 .15+T))は指数関数的に増大し、
反応速度Vは急激に上昇する。一方で温度上昇に伴い水
素圧力Pに合金の平衡水素圧力Peが接近するため、P
−Peの値が小さくなり、一般にある水素圧力Pにおい
て反応速度Vが最も大きい反応温度Tが存在する。一例
としてMg2 Ni合金の場合は、反応速度Vは、220
℃近辺が最も速く、反応温度Tが減少するにつれて反応
速度Vは減少し、100℃ではほとんど進行しない(西
宮伸幸、鈴木輝;電気化学、45、682(197
7))。室温でのMg2 Niの水素化速度を改善するた
めに合金表面の修飾等が行われている(今村速夫;化学
工学学会秋季大会予稿集、SA114(1983))。
この方法によれば、25℃では全体の3%水素化が進行
するのに10時間を要している。
説明すると、水素吸蔵合金と水素の反応は、一般に
(2)式のように表される。 V=Ka×(P−Pe)×f(H/M)×e(-E/R/(273.15+T)) (2) V:反応速度(mol/sec)、P:水素圧力(P
a)、Pe:温度Tにおける合金の平衡水素圧力(P
a)、Ka:速度定数(mol/sec/Pa)、E:
活性化エネルギー(cal/mol)、R:ガス定数
(cal/mol/K)、T:反応温度(℃)、H/
M:水素吸蔵量(−) 前記(2)式に示されるように、反応温度Tが増加する
に従い、e(-E/R/(273 .15+T))は指数関数的に増大し、
反応速度Vは急激に上昇する。一方で温度上昇に伴い水
素圧力Pに合金の平衡水素圧力Peが接近するため、P
−Peの値が小さくなり、一般にある水素圧力Pにおい
て反応速度Vが最も大きい反応温度Tが存在する。一例
としてMg2 Ni合金の場合は、反応速度Vは、220
℃近辺が最も速く、反応温度Tが減少するにつれて反応
速度Vは減少し、100℃ではほとんど進行しない(西
宮伸幸、鈴木輝;電気化学、45、682(197
7))。室温でのMg2 Niの水素化速度を改善するた
めに合金表面の修飾等が行われている(今村速夫;化学
工学学会秋季大会予稿集、SA114(1983))。
この方法によれば、25℃では全体の3%水素化が進行
するのに10時間を要している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】水素化時に300℃以
上の高温まで達する合金は、100℃以下の低温で水素
化反応を行わせた場合は反応速度が遅く、一度に300
℃以上の高温に達することができない。水素化反応を急
激に行わせるためには、あらかじめ合金をリボンヒータ
ー等で200℃程度に加熱しておく必要があり、そのた
めに加熱装置が必要で、コストの問題があった。
上の高温まで達する合金は、100℃以下の低温で水素
化反応を行わせた場合は反応速度が遅く、一度に300
℃以上の高温に達することができない。水素化反応を急
激に行わせるためには、あらかじめ合金をリボンヒータ
ー等で200℃程度に加熱しておく必要があり、そのた
めに加熱装置が必要で、コストの問題があった。
【0007】本発明は、事前加熱等のエネルギーを必要
としない低コストの水素吸蔵合金を用いた容器の急速加
熱方法を提供するものである。
としない低コストの水素吸蔵合金を用いた容器の急速加
熱方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
方法は、2種類の水素吸蔵合金を密閉二重容器内にそれ
ぞれ充填した容器のうち、一方の低温で反応する水素吸
蔵合金を収納した容器に水素を導入して、他方の容器内
の高温で反応する水素吸蔵合金の温度が、少なくとも迅
速な水素化反応に必要な温度に上昇した後に、その容器
内に収納した高温で反応する水素吸蔵合金に水素を導入
し、あらかじめ定めた温度まで水素化反応を行わせるこ
とを特徴とする。
方法は、2種類の水素吸蔵合金を密閉二重容器内にそれ
ぞれ充填した容器のうち、一方の低温で反応する水素吸
蔵合金を収納した容器に水素を導入して、他方の容器内
の高温で反応する水素吸蔵合金の温度が、少なくとも迅
速な水素化反応に必要な温度に上昇した後に、その容器
内に収納した高温で反応する水素吸蔵合金に水素を導入
し、あらかじめ定めた温度まで水素化反応を行わせるこ
とを特徴とする。
【0009】本発明の請求項2記載の方法は、3種類以
上の水素吸蔵合金を多重の密閉容器内にそれぞれ充填し
た容器のうち、密閉容器内の最も低温で反応する水素吸
蔵合金に水素を導入して、前記密閉容器に隣接する密閉
容器内の高温で反応する水素吸蔵合金の温度が、少なく
ともその容器内の水素吸蔵合金の迅速な水素化反応に必
要な温度に上昇した後に、該容器内の水素吸蔵合金に水
素を導入し、これを順次、より低温で反応する水素吸蔵
合金から、より高温で反応する水素吸蔵合金まで水素を
導入し、あらかじめ定めた温度まで水素化反応を行わせ
ることを特徴とする。
上の水素吸蔵合金を多重の密閉容器内にそれぞれ充填し
た容器のうち、密閉容器内の最も低温で反応する水素吸
蔵合金に水素を導入して、前記密閉容器に隣接する密閉
容器内の高温で反応する水素吸蔵合金の温度が、少なく
ともその容器内の水素吸蔵合金の迅速な水素化反応に必
要な温度に上昇した後に、該容器内の水素吸蔵合金に水
素を導入し、これを順次、より低温で反応する水素吸蔵
合金から、より高温で反応する水素吸蔵合金まで水素を
導入し、あらかじめ定めた温度まで水素化反応を行わせ
ることを特徴とする。
【0010】本発明の請求項3記載の方法は、2種類の
水素吸蔵合金を2層の密閉容器内にそれぞれ充填した容
器のうち、一方の低温で反応する水素吸蔵合金を収納し
た容器に水素を導入して、他方の容器内の高温で反応す
る水素吸蔵合金の温度が、少なくとも迅速な水素化反応
に必要な温度に上昇した後に、その容器内に収納した高
温で反応する水素吸蔵合金に水素を導入し、あらかじめ
定めた温度まで水素化反応を行わせることを特徴とす
る。
水素吸蔵合金を2層の密閉容器内にそれぞれ充填した容
器のうち、一方の低温で反応する水素吸蔵合金を収納し
た容器に水素を導入して、他方の容器内の高温で反応す
る水素吸蔵合金の温度が、少なくとも迅速な水素化反応
に必要な温度に上昇した後に、その容器内に収納した高
温で反応する水素吸蔵合金に水素を導入し、あらかじめ
定めた温度まで水素化反応を行わせることを特徴とす
る。
【0011】本発明の請求項4記載の方法は、3種類以
上の水素吸蔵合金を多重層の密閉容器内にそれぞれ充填
した容器のうち、密閉容器内の最も低温で反応する水素
吸蔵合金に水素を導入して、前記密閉容器に隣接する密
閉容器内の高温で反応する水素吸蔵合金の温度が、少な
くともその容器内の水素吸蔵合金の迅速な水素化反応に
必要な温度に上昇した後に、該容器内の水素吸蔵合金に
水素を導入し、これを順次、より低温で反応する水素吸
蔵合金から、より高温で反応する水素吸蔵合金まで水素
を導入し、あらかじめ定めた温度まで水素化反応を行わ
せることを特徴とする。
上の水素吸蔵合金を多重層の密閉容器内にそれぞれ充填
した容器のうち、密閉容器内の最も低温で反応する水素
吸蔵合金に水素を導入して、前記密閉容器に隣接する密
閉容器内の高温で反応する水素吸蔵合金の温度が、少な
くともその容器内の水素吸蔵合金の迅速な水素化反応に
必要な温度に上昇した後に、該容器内の水素吸蔵合金に
水素を導入し、これを順次、より低温で反応する水素吸
蔵合金から、より高温で反応する水素吸蔵合金まで水素
を導入し、あらかじめ定めた温度まで水素化反応を行わ
せることを特徴とする。
【0012】
【作用】100℃以下の低温より300℃以上の高温ま
で急速加熱を行うための方法を種々検討した結果、低温
で反応する水素吸蔵合金を用いて、その反応熱を利用し
て目的とする水素吸蔵合金の温度を上昇させることによ
り、目的の合金を反応に導き、その反応熱により合金を
高温に到達せしめる方法が有効である。水素吸蔵合金を
選択する際に重要なことは、低温で水素と反応して到達
する水素吸蔵合金の最高温度が、高温で迅速に反応する
水素吸蔵合金の反応温度域にあることが必要である。
で急速加熱を行うための方法を種々検討した結果、低温
で反応する水素吸蔵合金を用いて、その反応熱を利用し
て目的とする水素吸蔵合金の温度を上昇させることによ
り、目的の合金を反応に導き、その反応熱により合金を
高温に到達せしめる方法が有効である。水素吸蔵合金を
選択する際に重要なことは、低温で水素と反応して到達
する水素吸蔵合金の最高温度が、高温で迅速に反応する
水素吸蔵合金の反応温度域にあることが必要である。
【0013】本発明においては、より低温で反応する水
素吸蔵合金から、より高温で反応する水素吸蔵合金まで
順次水素を導入して反応させる操作を行うが、多重容器
の場合は、外側をより高温にしたい場合は容器の内側か
ら外側に向かって、より高温で反応する水素吸蔵合金を
充填して水素を導入すればよく、内側をより高温にした
い場合は容器の外側から内側に向かって、より高温で反
応する水素吸蔵合金を充填し、水素を導入すればよい。
多層容器の場合には、より低温で反応する水素吸蔵合金
から、より高温で反応する水素吸蔵合金まで順次水素を
導入して反応させる操作を行う点については同様である
が、低温で反応する水素吸蔵合金が充填された容器の隣
に高温で反応する水素吸蔵合金が充填された容器が隣接
し、低温で水素と反応して到達する水素吸蔵合金の最高
温度が、高温で迅速に反応する水素吸蔵合金の反応温度
域にあれば、任意に充填することができる。これらの方
法を用いて容器を加熱することで、容器に接触する気
体、流体あるいは固体を加熱することができる。一例と
して多重容器の場合には、容器の外側または内側に流
体、気体を流すことでこれらを加熱することができる。
素吸蔵合金から、より高温で反応する水素吸蔵合金まで
順次水素を導入して反応させる操作を行うが、多重容器
の場合は、外側をより高温にしたい場合は容器の内側か
ら外側に向かって、より高温で反応する水素吸蔵合金を
充填して水素を導入すればよく、内側をより高温にした
い場合は容器の外側から内側に向かって、より高温で反
応する水素吸蔵合金を充填し、水素を導入すればよい。
多層容器の場合には、より低温で反応する水素吸蔵合金
から、より高温で反応する水素吸蔵合金まで順次水素を
導入して反応させる操作を行う点については同様である
が、低温で反応する水素吸蔵合金が充填された容器の隣
に高温で反応する水素吸蔵合金が充填された容器が隣接
し、低温で水素と反応して到達する水素吸蔵合金の最高
温度が、高温で迅速に反応する水素吸蔵合金の反応温度
域にあれば、任意に充填することができる。これらの方
法を用いて容器を加熱することで、容器に接触する気
体、流体あるいは固体を加熱することができる。一例と
して多重容器の場合には、容器の外側または内側に流
体、気体を流すことでこれらを加熱することができる。
【0014】本発明において、高温で反応する水素吸蔵
合金について説明する。300℃以上の高温に昇温させ
るための合金は、水素化反応熱の大きな合金を選択する
必要がある。Mg2 Niは水素化反応熱の大きな代表的
な合金であるが、この合金に限らず、Mg系、Ti系、
Zr系、希土類系等の合金も使用することができる。ま
た、上記合金に第三成分、第四成分を添加して、平衡水
素圧や水素化速度を上昇させた合金を用いることもでき
る。反応熱の大きな水素吸蔵合金の一例としてMg2 N
i合金を用いた場合の水素化反応における水素吸蔵合金
の温度上昇について述べる。測定方法を図7を用いて説
明する。Mg2 Ni合金粉末100gを図7の容器1a
に充填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にする
ために、容器1aをリボンヒーターにより加熱すること
で合金を加熱し、同時に真空排気操作と水素加圧操作を
交互に行い、加圧時の水素圧20kg/cm2 、300
℃において数回で活性化操作を終了した。急速加熱の準
備段階として、リボンヒーターにより容器1aを加熱
し、真空ポンプで水素吸蔵合金より水素を放出させ、次
いでバルブ31を閉め、容器1aの加熱をやめて放置す
る。準備完了後、バルブ52を開け、次いでバルブ31
を開け、20kg/cm2 の水素を容器1a中に導入
し、Mg2 Ni合金粉末中にある熱電対21により、合
金の温度を測定した。この時の合金の温度変化を図8に
示す。200℃での水素化においては、水素圧10kg
/cm2 において350℃(曲線c)、20kg/cm
2 において380℃(曲線b)、30kg/cm2 にお
いて410℃(曲線a)の温度を急速に得ることができ
るが、200℃以下の低温での反応速度は遅く、20k
g/cm2 で180℃の時25秒(曲線d)かかる反応
が160℃では6分(曲線e)かかって、350℃に到
達している。この温度以下では、例えば140℃では
(曲線f)水素化反応が極めて遅く、従って合金の温度
の上昇はほとんどない。合金の温度を上昇させるために
は、本発明の方法によって、低温で反応する水素吸蔵合
金を用いて、その反応熱を利用して目的とする水素吸蔵
合金の温度を上昇させることにより、目的の合金を反応
に導き、その反応熱により合金を高温に到達せしめる方
法が有効である。
合金について説明する。300℃以上の高温に昇温させ
るための合金は、水素化反応熱の大きな合金を選択する
必要がある。Mg2 Niは水素化反応熱の大きな代表的
な合金であるが、この合金に限らず、Mg系、Ti系、
Zr系、希土類系等の合金も使用することができる。ま
た、上記合金に第三成分、第四成分を添加して、平衡水
素圧や水素化速度を上昇させた合金を用いることもでき
る。反応熱の大きな水素吸蔵合金の一例としてMg2 N
i合金を用いた場合の水素化反応における水素吸蔵合金
の温度上昇について述べる。測定方法を図7を用いて説
明する。Mg2 Ni合金粉末100gを図7の容器1a
に充填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にする
ために、容器1aをリボンヒーターにより加熱すること
で合金を加熱し、同時に真空排気操作と水素加圧操作を
交互に行い、加圧時の水素圧20kg/cm2 、300
℃において数回で活性化操作を終了した。急速加熱の準
備段階として、リボンヒーターにより容器1aを加熱
し、真空ポンプで水素吸蔵合金より水素を放出させ、次
いでバルブ31を閉め、容器1aの加熱をやめて放置す
る。準備完了後、バルブ52を開け、次いでバルブ31
を開け、20kg/cm2 の水素を容器1a中に導入
し、Mg2 Ni合金粉末中にある熱電対21により、合
金の温度を測定した。この時の合金の温度変化を図8に
示す。200℃での水素化においては、水素圧10kg
/cm2 において350℃(曲線c)、20kg/cm
2 において380℃(曲線b)、30kg/cm2 にお
いて410℃(曲線a)の温度を急速に得ることができ
るが、200℃以下の低温での反応速度は遅く、20k
g/cm2 で180℃の時25秒(曲線d)かかる反応
が160℃では6分(曲線e)かかって、350℃に到
達している。この温度以下では、例えば140℃では
(曲線f)水素化反応が極めて遅く、従って合金の温度
の上昇はほとんどない。合金の温度を上昇させるために
は、本発明の方法によって、低温で反応する水素吸蔵合
金を用いて、その反応熱を利用して目的とする水素吸蔵
合金の温度を上昇させることにより、目的の合金を反応
に導き、その反応熱により合金を高温に到達せしめる方
法が有効である。
【0015】次に低温で反応する水素吸蔵合金について
説明する。20kg/cm2 程度の水素圧で、室温から
100℃程度の低温で急速に水素化し、160℃以上に
達する合金としては、La−Ni−Al系がある。水素
吸蔵合金の特性を現すP−1/Tプロット上の直線と、
吸蔵水素圧との交点における温度が160℃近辺の合金
を選定する。かつスタート温度における水素化速度が速
い合金を選定する。水素化速度が遅いと、水素吸蔵合金
充填容器から外部に放散する熱の割合が多くなり、P−
1/Tプロットで予想される理想的な最高到達温度に到
達することができない。以上の点を考慮して合金を選定
する。
説明する。20kg/cm2 程度の水素圧で、室温から
100℃程度の低温で急速に水素化し、160℃以上に
達する合金としては、La−Ni−Al系がある。水素
吸蔵合金の特性を現すP−1/Tプロット上の直線と、
吸蔵水素圧との交点における温度が160℃近辺の合金
を選定する。かつスタート温度における水素化速度が速
い合金を選定する。水素化速度が遅いと、水素吸蔵合金
充填容器から外部に放散する熱の割合が多くなり、P−
1/Tプロットで予想される理想的な最高到達温度に到
達することができない。以上の点を考慮して合金を選定
する。
【0016】水素吸蔵合金を用いて容器を急速加熱させ
る準備段階として、水素吸蔵合金より水素を事前に放出
させておく必要がある。この水素放出は、水素吸蔵合金
を加熱して容器内の水素圧を減少させることによって行
うことができる。この場合の熱は排熱、太陽熱、夜間電
力等を用いた電気加熱などの熱エネルギーを用いること
ができる。また、水素吸蔵合金より水素を放出させる際
に、真空ポンプを用いてもよいし、大気中等に放出する
操作を行うことでもよい。
る準備段階として、水素吸蔵合金より水素を事前に放出
させておく必要がある。この水素放出は、水素吸蔵合金
を加熱して容器内の水素圧を減少させることによって行
うことができる。この場合の熱は排熱、太陽熱、夜間電
力等を用いた電気加熱などの熱エネルギーを用いること
ができる。また、水素吸蔵合金より水素を放出させる際
に、真空ポンプを用いてもよいし、大気中等に放出する
操作を行うことでもよい。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。 実施例1 本発明の請求項1記載の方法を図1に基づいて、密閉容
器内の内側に低温で反応する水素吸蔵合金を充填し、外
側に高温で反応する水素吸蔵合金を充填した例について
説明する。室温近辺で反応する水素吸蔵合金11を水素
吸蔵合金充填容器1a(以下容器1a)に、反応熱の大
きな水素吸蔵合金、例えばMg2 Ni合金12を水素吸
蔵合金充填容器2a(以下容器2a)に充填する。まず
水素吸蔵合金11、12を使用可能な状態にするために
活性化操作を行う。これは合金を加熱および真空排気操
作と水素加圧操作を交互に行うことで、すなわち、バル
ブを全て閉じた状態で、バルブ31、32を開け、容器
1a、2aを加熱しながらバルブ51を開けて水素吸蔵
合金11、12を真空排気する。次いでバルブ51を閉
めて真空排気を止め、バルブ52を開けて水素を容器1
a、2aに導入する。この操作を繰り返すことで水素吸
蔵合金は容易に水素を吸蔵放出できるようになる。
る。 実施例1 本発明の請求項1記載の方法を図1に基づいて、密閉容
器内の内側に低温で反応する水素吸蔵合金を充填し、外
側に高温で反応する水素吸蔵合金を充填した例について
説明する。室温近辺で反応する水素吸蔵合金11を水素
吸蔵合金充填容器1a(以下容器1a)に、反応熱の大
きな水素吸蔵合金、例えばMg2 Ni合金12を水素吸
蔵合金充填容器2a(以下容器2a)に充填する。まず
水素吸蔵合金11、12を使用可能な状態にするために
活性化操作を行う。これは合金を加熱および真空排気操
作と水素加圧操作を交互に行うことで、すなわち、バル
ブを全て閉じた状態で、バルブ31、32を開け、容器
1a、2aを加熱しながらバルブ51を開けて水素吸蔵
合金11、12を真空排気する。次いでバルブ51を閉
めて真空排気を止め、バルブ52を開けて水素を容器1
a、2aに導入する。この操作を繰り返すことで水素吸
蔵合金は容易に水素を吸蔵放出できるようになる。
【0018】以下、急速加熱方法を説明する。準備段階
として、熱により容器1a、2aを加熱し、バルブ3
1、32、51を開けて、水素吸蔵合金11、12中の
水素を放出させる。水素吸蔵合金11、12より十分に
水素が放出された後、バルブを全て閉め、容器1a、2
aの加熱を終了して放置する。急速加熱が必要なときに
バルブ52を開け、水素ボンベ54より水素を導入し、
バルブ31を開けて水素を容器1aに導き、室温から1
00℃程度で反応する水素吸蔵合金11と反応させて容
器1aを急速に加熱する。この熱は容器2a中の水素吸
蔵合金12に伝わる。水素吸蔵合金12の温度を水素吸
蔵合金12中に差し込まれた熱電対22によって測定
し、容器2aの中の水素吸蔵合金12が水素と速やかに
反応する温度に達した時にバルブ32を開けて水素を容
器2aに導いて水素吸蔵合金12と反応させ、容器2a
を300℃以上の高温に導く。これらの操作はコントロ
ーラー55により自動操作で行うことができる。
として、熱により容器1a、2aを加熱し、バルブ3
1、32、51を開けて、水素吸蔵合金11、12中の
水素を放出させる。水素吸蔵合金11、12より十分に
水素が放出された後、バルブを全て閉め、容器1a、2
aの加熱を終了して放置する。急速加熱が必要なときに
バルブ52を開け、水素ボンベ54より水素を導入し、
バルブ31を開けて水素を容器1aに導き、室温から1
00℃程度で反応する水素吸蔵合金11と反応させて容
器1aを急速に加熱する。この熱は容器2a中の水素吸
蔵合金12に伝わる。水素吸蔵合金12の温度を水素吸
蔵合金12中に差し込まれた熱電対22によって測定
し、容器2aの中の水素吸蔵合金12が水素と速やかに
反応する温度に達した時にバルブ32を開けて水素を容
器2aに導いて水素吸蔵合金12と反応させ、容器2a
を300℃以上の高温に導く。これらの操作はコントロ
ーラー55により自動操作で行うことができる。
【0019】以下、実施例1の方法についてさらに具体
的に説明する。Mg2 Ni合金粉末100gを図1の容
器2aに、LaNi4.3 Al0.7 合金粉末200gを容
器1aにそれぞれ充填する。この水素吸蔵合金を使用可
能な状態にするために、容器1a、2aをリボンヒータ
ーにより加熱することで合金を加熱し、同時に真空排気
操作と水素加圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20
kg/cm2 、300℃において数回で活性化操作を終
了した。急速加熱の準備段階として、リボンヒーターに
より容器1a、2aを加熱し、バルブ51を開けて真空
ポンプ53で水素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、
次いでバルブ31、32、51を閉め、容器1a、2a
の加熱をやめて放置する。準備完了後、バルブ52を開
け、次いでバルブ31を開け、25℃において20kg
/cm2 の水素を容器1a中に導入し、LaNi4.3 A
l0.7 合金粉末と反応させ、容器2a中のMg2 Ni合
金粉末中にある熱電対22が示す温度が188℃に達し
た時点でバルブ32を開け、20kg/cm2 の水素を
容器2aに導入する。この時のMg2 Ni合金粉末の温
度変化を図9の曲線aに示す。このように常温より30
0℃以上まで急速に容器を昇温でき、事前加熱をする必
要もなく経済的に高温を得ることができる。
的に説明する。Mg2 Ni合金粉末100gを図1の容
器2aに、LaNi4.3 Al0.7 合金粉末200gを容
器1aにそれぞれ充填する。この水素吸蔵合金を使用可
能な状態にするために、容器1a、2aをリボンヒータ
ーにより加熱することで合金を加熱し、同時に真空排気
操作と水素加圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20
kg/cm2 、300℃において数回で活性化操作を終
了した。急速加熱の準備段階として、リボンヒーターに
より容器1a、2aを加熱し、バルブ51を開けて真空
ポンプ53で水素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、
次いでバルブ31、32、51を閉め、容器1a、2a
の加熱をやめて放置する。準備完了後、バルブ52を開
け、次いでバルブ31を開け、25℃において20kg
/cm2 の水素を容器1a中に導入し、LaNi4.3 A
l0.7 合金粉末と反応させ、容器2a中のMg2 Ni合
金粉末中にある熱電対22が示す温度が188℃に達し
た時点でバルブ32を開け、20kg/cm2 の水素を
容器2aに導入する。この時のMg2 Ni合金粉末の温
度変化を図9の曲線aに示す。このように常温より30
0℃以上まで急速に容器を昇温でき、事前加熱をする必
要もなく経済的に高温を得ることができる。
【0020】以上、本発明について密閉容器内の内側に
低温で反応する水素吸蔵合金を充填し、外側に高温で反
応する水素吸蔵合金を充填した例について実施例とした
が、本発明はこれに限らず、外側に低温で反応する水素
吸蔵合金を充填し、内側に高温で反応する水素吸蔵合金
を充填した場合についても同様の効果が得られる。 実施例2 本発明の請求項2記載の方法を図2に基づいて、密閉容
器内の最内側により低温で反応する水素吸蔵合金を充填
し、最外側により高温で反応する水素吸蔵合金を充填し
た例について説明する。室温近辺で反応する水素吸蔵合
金11を容器1aに、反応熱の大きな水素吸蔵合金で2
00℃程度で水素と速やかに反応する水素吸蔵合金、例
えばMg2 Ni合金12を容器2aに、反応熱の大きな
水素吸蔵合金で300℃程度で水素と速やかに反応する
水素吸蔵合金、例えばMg金属13を水素吸蔵合金充填
容器3a(以下容器3a)にそれぞれ充填する。まず水
素吸蔵合金11、12、13を使用可能な状態にするた
めに活性化操作を行う。これは合金を加熱および真空排
気操作と水素加圧操作を交互に行うことで、すなわちバ
ルブを全て閉じた状態で、バルブ31、32、33を開
け、容器1a、2a、3aを加熱しながらバルブ51を
開けて水素吸蔵合金11、12、13を真空排気する。
次いでバルブ51を閉めて真空排気を止め、バルブ52
を開けて水素を水素ボンベ54より容器1a、2a、3
aに導入する。この操作を繰り返すことで水素吸蔵合金
は容易に水素を吸蔵放出できるようになる。
低温で反応する水素吸蔵合金を充填し、外側に高温で反
応する水素吸蔵合金を充填した例について実施例とした
が、本発明はこれに限らず、外側に低温で反応する水素
吸蔵合金を充填し、内側に高温で反応する水素吸蔵合金
を充填した場合についても同様の効果が得られる。 実施例2 本発明の請求項2記載の方法を図2に基づいて、密閉容
器内の最内側により低温で反応する水素吸蔵合金を充填
し、最外側により高温で反応する水素吸蔵合金を充填し
た例について説明する。室温近辺で反応する水素吸蔵合
金11を容器1aに、反応熱の大きな水素吸蔵合金で2
00℃程度で水素と速やかに反応する水素吸蔵合金、例
えばMg2 Ni合金12を容器2aに、反応熱の大きな
水素吸蔵合金で300℃程度で水素と速やかに反応する
水素吸蔵合金、例えばMg金属13を水素吸蔵合金充填
容器3a(以下容器3a)にそれぞれ充填する。まず水
素吸蔵合金11、12、13を使用可能な状態にするた
めに活性化操作を行う。これは合金を加熱および真空排
気操作と水素加圧操作を交互に行うことで、すなわちバ
ルブを全て閉じた状態で、バルブ31、32、33を開
け、容器1a、2a、3aを加熱しながらバルブ51を
開けて水素吸蔵合金11、12、13を真空排気する。
次いでバルブ51を閉めて真空排気を止め、バルブ52
を開けて水素を水素ボンベ54より容器1a、2a、3
aに導入する。この操作を繰り返すことで水素吸蔵合金
は容易に水素を吸蔵放出できるようになる。
【0021】以下、急速加熱方法を説明する。準備段階
として、熱により容器1a、2a、3aを加熱し、バル
ブ31、32、33、51を開け、水素吸蔵合金11、
12、13中の水素を放出させる。水素吸蔵合金11、
12、13より十分に水素が放出された後、バルブを全
て閉め、容器1a、2a、3aの加熱を終了して放置す
る。急速加熱が必要なときにバルブ52を開けて、水素
ボンベ54より水素を導入し、バルブ31を開けて水素
を容器1aに導き、室温から100℃程度で反応する水
素吸蔵合金11と反応させて容器1aを急速に加熱す
る。この熱は容器2a中の水素吸蔵合金12に伝わる。
水素吸蔵合金12の温度を水素吸蔵合金12中に差し込
まれた熱電対22によって測定し、容器2aの中の水素
吸蔵合金12が水素と速やかに反応する温度に達した時
にバルブ32を開けて水素を容器2aに導いて水素吸蔵
合金12と反応させ、容器2aを急速に加熱する。この
熱が容器3a中の水素吸蔵合金13に伝わる。水素吸蔵
合金13の温度を水素吸蔵合金13中に差し込まれた熱
電対23によって測定し、容器3aの中の水素吸蔵合金
13が水素と速やかに反応する温度に達した時にバルブ
33を開けて水素を容器3aに導いて水素吸蔵合金13
と反応させ、容器3aを急速に加熱し、400℃以上の
高温に導く。四重管以上の多重管においても同様の操作
によりさらに高温に導くことができる。これらの操作は
図2に図示していないコントローラーにより自動操作で
行うことができる。
として、熱により容器1a、2a、3aを加熱し、バル
ブ31、32、33、51を開け、水素吸蔵合金11、
12、13中の水素を放出させる。水素吸蔵合金11、
12、13より十分に水素が放出された後、バルブを全
て閉め、容器1a、2a、3aの加熱を終了して放置す
る。急速加熱が必要なときにバルブ52を開けて、水素
ボンベ54より水素を導入し、バルブ31を開けて水素
を容器1aに導き、室温から100℃程度で反応する水
素吸蔵合金11と反応させて容器1aを急速に加熱す
る。この熱は容器2a中の水素吸蔵合金12に伝わる。
水素吸蔵合金12の温度を水素吸蔵合金12中に差し込
まれた熱電対22によって測定し、容器2aの中の水素
吸蔵合金12が水素と速やかに反応する温度に達した時
にバルブ32を開けて水素を容器2aに導いて水素吸蔵
合金12と反応させ、容器2aを急速に加熱する。この
熱が容器3a中の水素吸蔵合金13に伝わる。水素吸蔵
合金13の温度を水素吸蔵合金13中に差し込まれた熱
電対23によって測定し、容器3aの中の水素吸蔵合金
13が水素と速やかに反応する温度に達した時にバルブ
33を開けて水素を容器3aに導いて水素吸蔵合金13
と反応させ、容器3aを急速に加熱し、400℃以上の
高温に導く。四重管以上の多重管においても同様の操作
によりさらに高温に導くことができる。これらの操作は
図2に図示していないコントローラーにより自動操作で
行うことができる。
【0022】以下、実施例2についてさらに具体的に説
明する。Mg金属粉末60gを図2の容器3aに、市販
のMg2 Ni合金粉末100gを容器2aに、LaNi
4.3 Al0.7 合金粉末200gを容器1aにそれぞれ充
填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にするため
に、容器1a、2a、3aをリボンヒーターにより加熱
することで合金を加熱し、同時に真空排気操作と水素加
圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20kg/c
m2 、350℃において十数回で活性化操作を終了し
た。急速加熱の準備段階として、バルブが全て閉じた状
態で、バルブ31、32、33を開け、リボンヒーター
により容器1a、2a、3aを加熱し、バルブ50を開
けて大気中へ水素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、
次いでバルブ31、32、33、50を閉め、容器1
a、2a、3aの加熱をやめて放置する。準備完了後、
バルブ52を開け、次いでバルブ31を開け、25℃に
おいて20kg/cm2 の水素を容器1a中に導入し、
LaNi4.3 Al0.7 合金粉末と反応させ、容器2a中
のMg2 Ni合金粉末中にある熱電対22が示す温度が
188℃に達した時点でバルブ32を開けて20kg/
cm2 の水素を容器2aに導入し、Mg2 Ni合金粉末
と反応させる。容器3a中のMg金属粉末中にある熱電
対23が示す温度が300℃に達した時点でバルブ33
を開け、20kg/cm2 の水素を容器3aに導入す
る。この時のMg金属粉末の温度変化を図9の曲線bに
示す。このように常温より400℃以上まで急速に容器
を昇温でき、事前加熱をする必要もなく経済的に高温を
得ることができる。
明する。Mg金属粉末60gを図2の容器3aに、市販
のMg2 Ni合金粉末100gを容器2aに、LaNi
4.3 Al0.7 合金粉末200gを容器1aにそれぞれ充
填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にするため
に、容器1a、2a、3aをリボンヒーターにより加熱
することで合金を加熱し、同時に真空排気操作と水素加
圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20kg/c
m2 、350℃において十数回で活性化操作を終了し
た。急速加熱の準備段階として、バルブが全て閉じた状
態で、バルブ31、32、33を開け、リボンヒーター
により容器1a、2a、3aを加熱し、バルブ50を開
けて大気中へ水素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、
次いでバルブ31、32、33、50を閉め、容器1
a、2a、3aの加熱をやめて放置する。準備完了後、
バルブ52を開け、次いでバルブ31を開け、25℃に
おいて20kg/cm2 の水素を容器1a中に導入し、
LaNi4.3 Al0.7 合金粉末と反応させ、容器2a中
のMg2 Ni合金粉末中にある熱電対22が示す温度が
188℃に達した時点でバルブ32を開けて20kg/
cm2 の水素を容器2aに導入し、Mg2 Ni合金粉末
と反応させる。容器3a中のMg金属粉末中にある熱電
対23が示す温度が300℃に達した時点でバルブ33
を開け、20kg/cm2 の水素を容器3aに導入す
る。この時のMg金属粉末の温度変化を図9の曲線bに
示す。このように常温より400℃以上まで急速に容器
を昇温でき、事前加熱をする必要もなく経済的に高温を
得ることができる。
【0023】以上、本発明について密閉容器内の最内側
により低温で反応する水素吸蔵合金を充填し、最外側に
より高温で反応する水素吸蔵合金を充填した例について
実施例としたが、本発明はこれに限らず、最外側により
低温で反応する水素吸蔵合金を充填し、最内側により高
温で反応する水素吸蔵合金を充填した場合についても同
様の効果が得られる。また、容器中程に低温で反応する
水素吸蔵合金を充填し、最内側および最外側に向かって
より高温で反応する水素吸蔵合金を充填した場合につい
ても、容器の最内側、最外側で同様の効果が得られる。 実施例3 本発明の請求項3記載の方法を図3に基づいて説明す
る。室温近辺で反応する水素吸蔵合金11を容器1b
に、反応熱の大きな水素吸蔵合金、例えばMg2Ni合
金12を容器2bに充填する。まず水素吸蔵合金11、
12を使用可能な状態にするために活性化操作を行う。
により低温で反応する水素吸蔵合金を充填し、最外側に
より高温で反応する水素吸蔵合金を充填した例について
実施例としたが、本発明はこれに限らず、最外側により
低温で反応する水素吸蔵合金を充填し、最内側により高
温で反応する水素吸蔵合金を充填した場合についても同
様の効果が得られる。また、容器中程に低温で反応する
水素吸蔵合金を充填し、最内側および最外側に向かって
より高温で反応する水素吸蔵合金を充填した場合につい
ても、容器の最内側、最外側で同様の効果が得られる。 実施例3 本発明の請求項3記載の方法を図3に基づいて説明す
る。室温近辺で反応する水素吸蔵合金11を容器1b
に、反応熱の大きな水素吸蔵合金、例えばMg2Ni合
金12を容器2bに充填する。まず水素吸蔵合金11、
12を使用可能な状態にするために活性化操作を行う。
【0024】以下、急速加熱方法を説明する。準備段階
として、熱により容器1b、2bを加熱し、バルブ3
1、32、51を開け、水素吸蔵合金11、12中の水
素を放出させる。水素吸蔵合金11、12より十分に水
素が放出された後、バルブを全て閉め、容器1b、2b
の加熱を終了して放置する。急速加熱が必要なときにバ
ルブ52を開けて水素ボンベ54より水素を導入し、バ
ルブ31を開けて水素を容器1bに導き、室温から10
0℃程度で反応する水素吸蔵合金11と反応させて容器
1bを急速に加熱する。この熱は容器2b中の水素吸蔵
合金12に伝わる。水素吸蔵合金12の温度を水素吸蔵
合金12中に差し込まれた熱電対22によって測定し、
容器2bの中の水素吸蔵合金12が水素と速やかに反応
する温度に達した時にバルブ32を開けて水素を容器2
bに導いて水素吸蔵合金12と反応させ、容器2bを3
00℃以上の高温に導く。これらの操作は図3に示して
いないコントローラーにより自動操作で行うことができ
る。
として、熱により容器1b、2bを加熱し、バルブ3
1、32、51を開け、水素吸蔵合金11、12中の水
素を放出させる。水素吸蔵合金11、12より十分に水
素が放出された後、バルブを全て閉め、容器1b、2b
の加熱を終了して放置する。急速加熱が必要なときにバ
ルブ52を開けて水素ボンベ54より水素を導入し、バ
ルブ31を開けて水素を容器1bに導き、室温から10
0℃程度で反応する水素吸蔵合金11と反応させて容器
1bを急速に加熱する。この熱は容器2b中の水素吸蔵
合金12に伝わる。水素吸蔵合金12の温度を水素吸蔵
合金12中に差し込まれた熱電対22によって測定し、
容器2bの中の水素吸蔵合金12が水素と速やかに反応
する温度に達した時にバルブ32を開けて水素を容器2
bに導いて水素吸蔵合金12と反応させ、容器2bを3
00℃以上の高温に導く。これらの操作は図3に示して
いないコントローラーにより自動操作で行うことができ
る。
【0025】以下、実施例3についてさらに具体的に説
明する。Mg2 Ni合金粉末100gを図3の容器2b
に、LaNi4.3 Al0.7 合金粉末200gを容器1b
にそれぞれ充填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状
態にするために、容器1b、2bをリボンヒーターによ
り加熱することで合金を加熱し、同時に真空排気操作と
水素加圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20kg/
cm2 、300℃において数回で活性化操作を終了し
た。急速加熱の準備段階として、バルブが全て閉じた状
態で、バルブ31、32を開けてリボンヒーターにより
容器1b、2bを加熱し、バルブ51を開けて真空ポン
プ53で水素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、次い
でバルブ31、32、51を閉め、容器1b、2bの加
熱をやめて放置する。準備完了後、バルブ52を開け、
次いでバルブ31を開け、25℃において20kg/c
m2 の水素を容器1b中に導入し、LaNi4.3 Al
0.7 合金粉末と反応させ、容器2b中のMg2 Ni合金
粉末中にある熱電対22が示す温度が188℃に達した
時点でバルブ32を開けて20kg/cm2 の水素を容
器2bに導入する。この時のMg2 Ni合金粉末の温度
変化を図9の曲線cに示す。このように常温より300
℃以上まで急速に容器を昇温でき、事前加熱をする必要
もなく経済的に高温を得ることができる。
明する。Mg2 Ni合金粉末100gを図3の容器2b
に、LaNi4.3 Al0.7 合金粉末200gを容器1b
にそれぞれ充填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状
態にするために、容器1b、2bをリボンヒーターによ
り加熱することで合金を加熱し、同時に真空排気操作と
水素加圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20kg/
cm2 、300℃において数回で活性化操作を終了し
た。急速加熱の準備段階として、バルブが全て閉じた状
態で、バルブ31、32を開けてリボンヒーターにより
容器1b、2bを加熱し、バルブ51を開けて真空ポン
プ53で水素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、次い
でバルブ31、32、51を閉め、容器1b、2bの加
熱をやめて放置する。準備完了後、バルブ52を開け、
次いでバルブ31を開け、25℃において20kg/c
m2 の水素を容器1b中に導入し、LaNi4.3 Al
0.7 合金粉末と反応させ、容器2b中のMg2 Ni合金
粉末中にある熱電対22が示す温度が188℃に達した
時点でバルブ32を開けて20kg/cm2 の水素を容
器2bに導入する。この時のMg2 Ni合金粉末の温度
変化を図9の曲線cに示す。このように常温より300
℃以上まで急速に容器を昇温でき、事前加熱をする必要
もなく経済的に高温を得ることができる。
【0026】実施例4 本発明の請求項4記載の方法を図4に基づいて、密閉容
器内の一方の端により低温で反応する水素吸蔵合金を充
填し、他方の端により高温で反応する水素吸蔵合金を充
填した例について説明する。室温近辺で反応する水素吸
蔵合金11を容器1bに、反応熱の大きな水素吸蔵合金
で200℃程度で水素と速やかに反応する水素吸蔵合
金、例えばMg2 Ni合金12を容器2bに、反応熱の
大きな水素吸蔵合金で300℃程度で水素と速やかに反
応する水素吸蔵合金、例えばMg金属13を容器3bに
それぞれ充填する。まず水素吸蔵合金11、12、13
を使用可能な状態にするために活性化操作を行う。
器内の一方の端により低温で反応する水素吸蔵合金を充
填し、他方の端により高温で反応する水素吸蔵合金を充
填した例について説明する。室温近辺で反応する水素吸
蔵合金11を容器1bに、反応熱の大きな水素吸蔵合金
で200℃程度で水素と速やかに反応する水素吸蔵合
金、例えばMg2 Ni合金12を容器2bに、反応熱の
大きな水素吸蔵合金で300℃程度で水素と速やかに反
応する水素吸蔵合金、例えばMg金属13を容器3bに
それぞれ充填する。まず水素吸蔵合金11、12、13
を使用可能な状態にするために活性化操作を行う。
【0027】以下、急速加熱方法を説明する。準備段階
として、熱により容器1b、2b、3bを加熱し、バル
ブ31、32、33、51を開け、水素吸蔵合金11、
12、13中の水素を放出させる。水素吸蔵合金11、
12、13より十分に水素が放出された後、バルブを全
て閉め、容器1b、2b、3bの加熱を終了して放置す
る。急速加熱が必要なときにバルブ52を開けて水素ボ
ンベ54より水素を導入し、バルブ31を開けて水素を
容器1bに導き、室温から100℃程度で反応する水素
吸蔵合金11と反応させて容器1bを急速に加熱する。
この熱は容器2b中の水素吸蔵合金12に伝わる。水素
吸蔵合金12の温度を水素吸蔵合金12中に差し込まれ
た熱電対22によって測定し、容器2bの中の水素吸蔵
合金12が水素と速やかに反応する温度に達した時にバ
ルブ32を開けて水素を容器2bに導いて水素吸蔵合金
12と反応させ、容器2bを急速に加熱する。この熱は
容器3b中の水素吸蔵合金13に伝わる。水素吸蔵合金
13の温度を水素吸蔵合金13中に差し込まれた熱電対
23によって測定し、容器3bの中の水素吸蔵合金13
が水素と速やかに反応する温度に達した時にバルブ33
を開けて水素を容器3bに導いて水素吸蔵合金13と反
応させ、容器3bを急速に加熱し、400℃以上の高温
に導く。四重層以上の多重層容器が近接した場合におい
ても同様の操作によりさらに高温に導くことができる。
これらの操作は図4に図示していないコントローラーに
より自動操作で行うことができる。
として、熱により容器1b、2b、3bを加熱し、バル
ブ31、32、33、51を開け、水素吸蔵合金11、
12、13中の水素を放出させる。水素吸蔵合金11、
12、13より十分に水素が放出された後、バルブを全
て閉め、容器1b、2b、3bの加熱を終了して放置す
る。急速加熱が必要なときにバルブ52を開けて水素ボ
ンベ54より水素を導入し、バルブ31を開けて水素を
容器1bに導き、室温から100℃程度で反応する水素
吸蔵合金11と反応させて容器1bを急速に加熱する。
この熱は容器2b中の水素吸蔵合金12に伝わる。水素
吸蔵合金12の温度を水素吸蔵合金12中に差し込まれ
た熱電対22によって測定し、容器2bの中の水素吸蔵
合金12が水素と速やかに反応する温度に達した時にバ
ルブ32を開けて水素を容器2bに導いて水素吸蔵合金
12と反応させ、容器2bを急速に加熱する。この熱は
容器3b中の水素吸蔵合金13に伝わる。水素吸蔵合金
13の温度を水素吸蔵合金13中に差し込まれた熱電対
23によって測定し、容器3bの中の水素吸蔵合金13
が水素と速やかに反応する温度に達した時にバルブ33
を開けて水素を容器3bに導いて水素吸蔵合金13と反
応させ、容器3bを急速に加熱し、400℃以上の高温
に導く。四重層以上の多重層容器が近接した場合におい
ても同様の操作によりさらに高温に導くことができる。
これらの操作は図4に図示していないコントローラーに
より自動操作で行うことができる。
【0028】以下、実施例4についてさらに具体的に説
明する。Mg金属粉末60gを図4の容器3bに、市販
のMg2 Ni合金粉末100gを容器2bに、LaNi
4.3 Al0.7 合金粉末200gを容器1bにそれぞれ充
填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にするため
に、容器1b、2b、3bをリボンヒーターにより加熱
することで合金を加熱し、同時に真空排気操作と水素加
圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20kg/c
m2 、350℃において十数回で活性化操作を終了し
た。急速加熱の準備段階として、バルブが全て閉じた状
態でバルブ31、32、33を開け、リボンヒーターに
より容器1b、2b、3bを加熱し、バルブ50を開け
て大気中へ水素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、次
いでバルブ31、32、33、50を閉め、容器1b、
2b、3bの加熱をやめて放置する。準備完了後、バル
ブ52を開け、次いでバルブ31を開け、25℃におい
て20kg/cm2の水素を容器1b中に導入し、La
Ni 4.3 Al0.7 合金粉末と反応させ、容器2b中のM
g2 Ni合金粉末中にある熱電対22が示す温度が18
8℃に達した時点でバルブ32を開けて20kg/cm
2 の水素を容器2bに導入し、Mg2 Ni合金粉末と反
応させる。容器3b中のMg金属粉末中にある熱電対2
3が示す温度が300℃に達した時点でバルブ33を開
け、20kg/cm2 の水素を容器3bに導入する。こ
の時のMg金属粉末の温度変化を図9の曲線dに示す。
このように常温より400℃以上まで急速に容器を昇温
でき、事前加熱をする必要もなく経済的に高温を得るこ
とができる。 実施例5 本発明の請求項4記載の方法を他の実施例について説明
する。図5において、多重層の密閉容器内に交互に低温
で反応する水素吸蔵合金を充填し、それらの容器に隣接
する他の容器に高温で反応する水素吸蔵合金を充填した
例について説明する。室温近辺で反応する水素吸蔵合金
11を容器1bおよび3bに、反応熱の大きな水素吸蔵
合金で200℃程度で水素と速やかに反応する水素吸蔵
合金、例えばMg2 Ni合金12を容器2bおよび4b
にそれぞれ充填する。まず水素吸蔵合金11、12を使
用可能な状態にするために活性化操作を行う。
明する。Mg金属粉末60gを図4の容器3bに、市販
のMg2 Ni合金粉末100gを容器2bに、LaNi
4.3 Al0.7 合金粉末200gを容器1bにそれぞれ充
填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にするため
に、容器1b、2b、3bをリボンヒーターにより加熱
することで合金を加熱し、同時に真空排気操作と水素加
圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20kg/c
m2 、350℃において十数回で活性化操作を終了し
た。急速加熱の準備段階として、バルブが全て閉じた状
態でバルブ31、32、33を開け、リボンヒーターに
より容器1b、2b、3bを加熱し、バルブ50を開け
て大気中へ水素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、次
いでバルブ31、32、33、50を閉め、容器1b、
2b、3bの加熱をやめて放置する。準備完了後、バル
ブ52を開け、次いでバルブ31を開け、25℃におい
て20kg/cm2の水素を容器1b中に導入し、La
Ni 4.3 Al0.7 合金粉末と反応させ、容器2b中のM
g2 Ni合金粉末中にある熱電対22が示す温度が18
8℃に達した時点でバルブ32を開けて20kg/cm
2 の水素を容器2bに導入し、Mg2 Ni合金粉末と反
応させる。容器3b中のMg金属粉末中にある熱電対2
3が示す温度が300℃に達した時点でバルブ33を開
け、20kg/cm2 の水素を容器3bに導入する。こ
の時のMg金属粉末の温度変化を図9の曲線dに示す。
このように常温より400℃以上まで急速に容器を昇温
でき、事前加熱をする必要もなく経済的に高温を得るこ
とができる。 実施例5 本発明の請求項4記載の方法を他の実施例について説明
する。図5において、多重層の密閉容器内に交互に低温
で反応する水素吸蔵合金を充填し、それらの容器に隣接
する他の容器に高温で反応する水素吸蔵合金を充填した
例について説明する。室温近辺で反応する水素吸蔵合金
11を容器1bおよび3bに、反応熱の大きな水素吸蔵
合金で200℃程度で水素と速やかに反応する水素吸蔵
合金、例えばMg2 Ni合金12を容器2bおよび4b
にそれぞれ充填する。まず水素吸蔵合金11、12を使
用可能な状態にするために活性化操作を行う。
【0029】以下、急速加熱方法を説明する。準備段階
として、熱により容器1b、2b、3b、4bを加熱
し、バルブ31、32、33、34、51を開け、水素
吸蔵合金11、12中の水素を放出させる。水素吸蔵合
金11、12より十分に水素が放出された後、バルブを
全て閉め、容器1b、2b、3b、4bの加熱を終了し
て放置する。急速加熱が必要なときにバルブ52を開
け、水素ボンベ54より水素を導入し、バルブ31、3
3を開けて水素を容器1b、3bに導き、室温から10
0℃程度で反応する水素吸蔵合金11と反応させて容器
1b、3bを急速に加熱する。この熱は容器2b、4b
中の水素吸蔵合金12に伝わる。水素吸蔵合金12の温
度を水素吸蔵合金12中に差し込まれた熱電対22、2
4によって測定し、容器2b、4bの中の水素吸蔵合金
12が水素と速やかに反応する温度に達した時にバルブ
32、34を開けて水素を容器2b、4bに導いて水素
吸蔵合金12と反応させ、容器2b、4bを急速に加熱
し、容器全体を300℃以上の高温に導く。これらの操
作は図4に図示していないコントローラーにより自動操
作で行うことができる。
として、熱により容器1b、2b、3b、4bを加熱
し、バルブ31、32、33、34、51を開け、水素
吸蔵合金11、12中の水素を放出させる。水素吸蔵合
金11、12より十分に水素が放出された後、バルブを
全て閉め、容器1b、2b、3b、4bの加熱を終了し
て放置する。急速加熱が必要なときにバルブ52を開
け、水素ボンベ54より水素を導入し、バルブ31、3
3を開けて水素を容器1b、3bに導き、室温から10
0℃程度で反応する水素吸蔵合金11と反応させて容器
1b、3bを急速に加熱する。この熱は容器2b、4b
中の水素吸蔵合金12に伝わる。水素吸蔵合金12の温
度を水素吸蔵合金12中に差し込まれた熱電対22、2
4によって測定し、容器2b、4bの中の水素吸蔵合金
12が水素と速やかに反応する温度に達した時にバルブ
32、34を開けて水素を容器2b、4bに導いて水素
吸蔵合金12と反応させ、容器2b、4bを急速に加熱
し、容器全体を300℃以上の高温に導く。これらの操
作は図4に図示していないコントローラーにより自動操
作で行うことができる。
【0030】以下、実施例5についてさらに具体的に説
明する。Mg2 Ni合金粉末100gを図5の容器2
b、4bに、LaNi4.3 Al0. 7 合金粉末200gを
容器1b、3bにそれぞれ充填する。この水素吸蔵合金
を使用可能な状態にするために、容器1b、2b、3
b、4bをリボンヒーターにより加熱することで合金を
加熱し、同時に真空排気操作と水素加圧操作を交互に行
い、加圧時の水素圧20kg/cm2 、300℃におい
て数回で活性化操作を終了した。急速加熱の準備段階と
して、バルブが全て閉じた状態で、バルブ31、32、
33、34を開け、リボンヒーターにより容器1b、2
b、3b、4bを加熱し、バルブ50を開け大気中へ水
素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、次いでバルブ3
1、32、33、34、50を閉め、容器1b、2b、
3b、4bの加熱をやめて放置する。準備完了後、バル
ブ52を開け、次いでバルブ31、33を開け、25℃
において20kg/cm2 の水素を容器1b、3b中に
導入し、LaNi4.3 Al0.7 合金粉末と反応させ、容
器2b、4b中のMg2 Ni合金粉末中にある熱電対2
2、24が示す温度が188℃に達した時点でバルブ3
2、34を開けて20kg/cm2 の水素を容器2b、
4bに導入し、Mg 2 Ni合金粉末と反応させる。この
時のMg2 Ni合金粉末の温度変化を図9の曲線eに示
す。このように常温より300℃以上まで急速に容器を
昇温でき、事前加熱をする必要もなく経済的に高温を得
ることができる。
明する。Mg2 Ni合金粉末100gを図5の容器2
b、4bに、LaNi4.3 Al0. 7 合金粉末200gを
容器1b、3bにそれぞれ充填する。この水素吸蔵合金
を使用可能な状態にするために、容器1b、2b、3
b、4bをリボンヒーターにより加熱することで合金を
加熱し、同時に真空排気操作と水素加圧操作を交互に行
い、加圧時の水素圧20kg/cm2 、300℃におい
て数回で活性化操作を終了した。急速加熱の準備段階と
して、バルブが全て閉じた状態で、バルブ31、32、
33、34を開け、リボンヒーターにより容器1b、2
b、3b、4bを加熱し、バルブ50を開け大気中へ水
素吸蔵合金より十分に水素を放出させ、次いでバルブ3
1、32、33、34、50を閉め、容器1b、2b、
3b、4bの加熱をやめて放置する。準備完了後、バル
ブ52を開け、次いでバルブ31、33を開け、25℃
において20kg/cm2 の水素を容器1b、3b中に
導入し、LaNi4.3 Al0.7 合金粉末と反応させ、容
器2b、4b中のMg2 Ni合金粉末中にある熱電対2
2、24が示す温度が188℃に達した時点でバルブ3
2、34を開けて20kg/cm2 の水素を容器2b、
4bに導入し、Mg 2 Ni合金粉末と反応させる。この
時のMg2 Ni合金粉末の温度変化を図9の曲線eに示
す。このように常温より300℃以上まで急速に容器を
昇温でき、事前加熱をする必要もなく経済的に高温を得
ることができる。
【0031】実施例6 本発明の請求項4記載の方法を他の実施例について説明
する。図6において、多重層の密閉容器内の一部に低温
で反応する水素吸蔵合金を充填し、それらの容器に隣接
する容器により高温で反応する水素吸蔵合金を充填し、
前記水素吸蔵合金を充填した容器に隣接する容器にさら
に高温で反応する水素吸蔵合金を充填した例について説
明する。室温近辺で反応する水素吸蔵合金11を容器2
bに、反応熱の大きな水素吸蔵合金で200℃程度で水
素と速やかに反応する水素吸蔵合金、例えばMg2 Ni
合金12を容器1b、3bに、反応熱の大きな水素吸蔵
合金で300℃程度で水素と速やかに反応する水素吸蔵
合金、例えばMg金属13を容器4bにそれぞれ充填す
る。まず水素吸蔵合金11、12、13を使用可能な状
態にするために活性化操作を行う。
する。図6において、多重層の密閉容器内の一部に低温
で反応する水素吸蔵合金を充填し、それらの容器に隣接
する容器により高温で反応する水素吸蔵合金を充填し、
前記水素吸蔵合金を充填した容器に隣接する容器にさら
に高温で反応する水素吸蔵合金を充填した例について説
明する。室温近辺で反応する水素吸蔵合金11を容器2
bに、反応熱の大きな水素吸蔵合金で200℃程度で水
素と速やかに反応する水素吸蔵合金、例えばMg2 Ni
合金12を容器1b、3bに、反応熱の大きな水素吸蔵
合金で300℃程度で水素と速やかに反応する水素吸蔵
合金、例えばMg金属13を容器4bにそれぞれ充填す
る。まず水素吸蔵合金11、12、13を使用可能な状
態にするために活性化操作を行う。
【0032】以下、急速加熱方法を説明する。準備段階
として、熱により容器1b、2b、3b、4bを加熱
し、バルブ31、32、33、34、51を開け、水素
吸蔵合金11、12、13中の水素を放出させる。水素
吸蔵合金11、12、13より十分に水素が放出された
後、バルブを全て閉め、容器1b、2b、3b、4bの
加熱を終了して放置する。急速加熱が必要なときにバル
ブ52を開けて水素ボンベ54より水素を導入し、バル
ブ32を開けて水素を容器2bに導き、室温から100
℃程度で反応する水素吸蔵合金11と反応させて容器2
bを急速に加熱する。この熱は容器1b、3b中の水素
吸蔵合金12に伝わる。水素吸蔵合金12の温度を水素
吸蔵合金12中に差し込まれた熱電対21、23によっ
て測定し、容器1b、3bの中の水素吸蔵合金12が水
素と速やかに反応する温度に達した時にバルブ31、3
3を開けて水素を容器1b、3bに導いて水素吸蔵合金
12と反応させ、容器1b、3bを急速に加熱する。こ
の熱は容器4b中の水素吸蔵合金13に伝わる。水素吸
蔵合金13の温度を水素吸蔵合金13中に差し込まれた
熱電対24によって測定し、容器4bの中の水素吸蔵合
金13が水素と速やかに反応する温度に達した時にバル
ブ34を開けて水素を容器4bに導いて水素吸蔵合金1
3と反応させ、容器4bを急速に加熱し、400℃以上
の高温に導く。四重層以上の多重層容器が近接した場合
においても同様の操作により両端を高温に導くことがで
きる。これらの操作は図6に図示していないコントロー
ラーにより自動操作で行うことができる。
として、熱により容器1b、2b、3b、4bを加熱
し、バルブ31、32、33、34、51を開け、水素
吸蔵合金11、12、13中の水素を放出させる。水素
吸蔵合金11、12、13より十分に水素が放出された
後、バルブを全て閉め、容器1b、2b、3b、4bの
加熱を終了して放置する。急速加熱が必要なときにバル
ブ52を開けて水素ボンベ54より水素を導入し、バル
ブ32を開けて水素を容器2bに導き、室温から100
℃程度で反応する水素吸蔵合金11と反応させて容器2
bを急速に加熱する。この熱は容器1b、3b中の水素
吸蔵合金12に伝わる。水素吸蔵合金12の温度を水素
吸蔵合金12中に差し込まれた熱電対21、23によっ
て測定し、容器1b、3bの中の水素吸蔵合金12が水
素と速やかに反応する温度に達した時にバルブ31、3
3を開けて水素を容器1b、3bに導いて水素吸蔵合金
12と反応させ、容器1b、3bを急速に加熱する。こ
の熱は容器4b中の水素吸蔵合金13に伝わる。水素吸
蔵合金13の温度を水素吸蔵合金13中に差し込まれた
熱電対24によって測定し、容器4bの中の水素吸蔵合
金13が水素と速やかに反応する温度に達した時にバル
ブ34を開けて水素を容器4bに導いて水素吸蔵合金1
3と反応させ、容器4bを急速に加熱し、400℃以上
の高温に導く。四重層以上の多重層容器が近接した場合
においても同様の操作により両端を高温に導くことがで
きる。これらの操作は図6に図示していないコントロー
ラーにより自動操作で行うことができる。
【0033】以下、実施例6についてさらに具体的に説
明する。Mg金属粉末60gを図6の容器4bに、市販
のMg2 Ni合金粉末100gを容器1b、3bに、L
aNi4.3 Al0.7 合金粉末200gを容器2bにそれ
ぞれ充填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にす
るために、容器1b、2b、3b、4bをリボンヒータ
ーにより加熱することで合金を加熱し、同時に真空排気
操作と水素加圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20
kg/cm2 、350℃において十数回で活性化操作を
終了した。急速加熱の準備段階として、バルブが全て閉
じた状態でバルブ31、32、33、34を開け、リボ
ンヒーターにより容器1b、2b、3b、4bを加熱
し、バルブ50を開けて大気中へ水素吸蔵合金より十分
に水素を放出させ、次いでバルブ31、32、33、3
4、50を閉め、容器1b、2b、3b、4bの加熱を
やめて放置する。準備完了後、バルブ52を開け、次い
でバルブ32を開け、25℃において20kg/cm2
の水素を容器2b中に導入し、LaNi4.3 Al0.7 合
金粉末と反応させ、容器1b、3b中のMg2 Ni合金
粉末中にある熱電対21、23が示す温度が188℃に
達した時点でバルブ31、33を開けて20kg/cm
2 の水素を容器1b、3bに導入し、Mg2 Ni合金粉
末と反応させる。容器4b中のMg金属粉末中にある熱
電対24が示す温度が300℃に達した時点でバルブ3
4を開けて20kg/cm2 の水素を容器4bに導入す
る。この時のMg金属粉末の温度変化を図9の曲線f
に、Mg2 Ni合金粉末の温度変化を同じく曲線gに示
す。このように常温より300℃以上に容器を急速に昇
温でき、事前加熱をする必要もなく経済的に高温を得る
ことができる。
明する。Mg金属粉末60gを図6の容器4bに、市販
のMg2 Ni合金粉末100gを容器1b、3bに、L
aNi4.3 Al0.7 合金粉末200gを容器2bにそれ
ぞれ充填する。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にす
るために、容器1b、2b、3b、4bをリボンヒータ
ーにより加熱することで合金を加熱し、同時に真空排気
操作と水素加圧操作を交互に行い、加圧時の水素圧20
kg/cm2 、350℃において十数回で活性化操作を
終了した。急速加熱の準備段階として、バルブが全て閉
じた状態でバルブ31、32、33、34を開け、リボ
ンヒーターにより容器1b、2b、3b、4bを加熱
し、バルブ50を開けて大気中へ水素吸蔵合金より十分
に水素を放出させ、次いでバルブ31、32、33、3
4、50を閉め、容器1b、2b、3b、4bの加熱を
やめて放置する。準備完了後、バルブ52を開け、次い
でバルブ32を開け、25℃において20kg/cm2
の水素を容器2b中に導入し、LaNi4.3 Al0.7 合
金粉末と反応させ、容器1b、3b中のMg2 Ni合金
粉末中にある熱電対21、23が示す温度が188℃に
達した時点でバルブ31、33を開けて20kg/cm
2 の水素を容器1b、3bに導入し、Mg2 Ni合金粉
末と反応させる。容器4b中のMg金属粉末中にある熱
電対24が示す温度が300℃に達した時点でバルブ3
4を開けて20kg/cm2 の水素を容器4bに導入す
る。この時のMg金属粉末の温度変化を図9の曲線f
に、Mg2 Ni合金粉末の温度変化を同じく曲線gに示
す。このように常温より300℃以上に容器を急速に昇
温でき、事前加熱をする必要もなく経済的に高温を得る
ことができる。
【0034】比較例 Mg2 Ni合金粉末100gを図7の容器1aに充填す
る。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にするために、
容器1aをリボンヒーターにより加熱することで合金を
加熱し、同時に真空排気操作と水素加圧操作を交互に行
い、加圧時の水素圧20kg/cm2 、300℃におい
て数回で活性化操作を終了した。急速加熱の準備段階と
して、リボンヒーターにより容器1aを加熱し、真空ポ
ンプで水素吸蔵合金より水素を放出させ、次いでバルブ
31を閉め、容器1aの加熱をやめて放置する。準備完
了後、バルブ52を開け、次いでバルブ31を開け、2
5℃において20kg/cm2 の水素を容器1a中に導
入し、Mg2 Ni合金粉末中にある熱電対21により、
合金の温度を測定した。この時の合金の温度変化を図9
の曲線hに示す。Mg2Ni合金の反応は進行せず、3
00℃以上の高温を得ることができなかった。高温を得
るためには、電気加熱等の合金の事前加熱が必要とな
り、経済性に劣る。
る。この水素吸蔵合金を使用可能な状態にするために、
容器1aをリボンヒーターにより加熱することで合金を
加熱し、同時に真空排気操作と水素加圧操作を交互に行
い、加圧時の水素圧20kg/cm2 、300℃におい
て数回で活性化操作を終了した。急速加熱の準備段階と
して、リボンヒーターにより容器1aを加熱し、真空ポ
ンプで水素吸蔵合金より水素を放出させ、次いでバルブ
31を閉め、容器1aの加熱をやめて放置する。準備完
了後、バルブ52を開け、次いでバルブ31を開け、2
5℃において20kg/cm2 の水素を容器1a中に導
入し、Mg2 Ni合金粉末中にある熱電対21により、
合金の温度を測定した。この時の合金の温度変化を図9
の曲線hに示す。Mg2Ni合金の反応は進行せず、3
00℃以上の高温を得ることができなかった。高温を得
るためには、電気加熱等の合金の事前加熱が必要とな
り、経済性に劣る。
【0035】
【発明の効果】100℃以下の低温で水素吸蔵合金が反
応し、その反応熱が目的とする水素吸蔵合金に移動して
目的とする合金の温度が上昇するため、電気加熱等によ
る事前加熱を必要としなくても、目的の合金を水素化可
能な温度まで昇温することができ、それにより目的とす
る合金を水素化反応に導き、容器を急速加熱することが
可能となる。
応し、その反応熱が目的とする水素吸蔵合金に移動して
目的とする合金の温度が上昇するため、電気加熱等によ
る事前加熱を必要としなくても、目的の合金を水素化可
能な温度まで昇温することができ、それにより目的とす
る合金を水素化反応に導き、容器を急速加熱することが
可能となる。
【0036】本発明の急速加熱方法により、電気加熱等
による水素化反応促進のための水素吸蔵合金の事前加熱
を必要としなくても、水素吸蔵合金による容器の急速加
熱が可能となり、実用性、経済性の面で多大な効果をも
たらすので、産業界に寄与するところが極めて大であ
る。
による水素化反応促進のための水素吸蔵合金の事前加熱
を必要としなくても、水素吸蔵合金による容器の急速加
熱が可能となり、実用性、経済性の面で多大な効果をも
たらすので、産業界に寄与するところが極めて大であ
る。
【図1】実施例1の急速加熱方法の概略説明図である。
【図2】実施例2の急速加熱方法の概略説明図である。
【図3】実施例3の急速加熱方法の概略説明図である。
【図4】実施例4の急速加熱方法の概略説明図である。
【図5】実施例5の急速加熱方法の概略説明図である。
【図6】実施例6の急速加熱方法の概略説明図である。
【図7】比較例の急速加熱方法の概略説明図である。
【図8】Mg2 Ni合金の水素化反応のタイムコースを
示す図表である。
示す図表である。
【図9】実施例における水素吸蔵合金の昇温のタイムコ
ースを示した図表である。
ースを示した図表である。
1a,2a,3a,1b,2b,3b 水素吸蔵合金
充填容器 11,12,13 水素吸蔵合金 21,22,23 熱電対 31、32、33、50、51、52 バルブ 41、42、43 フィルター 53 真空ポンプ 54 水素ボンベ 55 コントローラー
充填容器 11,12,13 水素吸蔵合金 21,22,23 熱電対 31、32、33、50、51、52 バルブ 41、42、43 フィルター 53 真空ポンプ 54 水素ボンベ 55 コントローラー
Claims (4)
- 【請求項1】 2種類の水素吸蔵合金を密閉二重容器内
にそれぞれ充填した容器のうち、一方の低温で反応する
水素吸蔵合金を収納した容器に水素を導入して、他方の
容器内の高温で反応する水素吸蔵合金の温度が、少なく
とも迅速な水素化反応に必要な温度に上昇した後に、そ
の容器内に収納した高温で反応する水素吸蔵合金に水素
を導入し、あらかじめ定めた温度まで水素化反応を行わ
せることを特徴とする容器の急速加熱方法。 - 【請求項2】 3種類以上の水素吸蔵合金を多重の密閉
容器内にそれぞれ充填した容器のうち、密閉容器内の最
も低温で反応する水素吸蔵合金に水素を導入して、前記
密閉容器に隣接する密閉容器内の高温で反応する水素吸
蔵合金の温度が、少なくともその容器内の水素吸蔵合金
の迅速な水素化反応に必要な温度に上昇した後に、該容
器内の水素吸蔵合金に水素を導入し、これを順次、より
低温で反応する水素吸蔵合金から、より高温で反応する
水素吸蔵合金まで水素を導入し、あらかじめ定めた温度
まで水素化反応を行わせることを特徴とする容器の急速
加熱方法。 - 【請求項3】 2種類の水素吸蔵合金を2層の密閉容器
内にそれぞれ充填した容器のうち、一方の低温で反応す
る水素吸蔵合金を収納した容器に水素を導入して、他方
の容器内の高温で反応する水素吸蔵合金の温度が、少な
くとも迅速な水素化反応に必要な温度に上昇した後に、
その容器内に収納した高温で反応する水素吸蔵合金に水
素を導入し、あらかじめ定めた温度まで水素化反応を行
わせることを特徴とする容器の急速加熱方法。 - 【請求項4】 3種類以上の水素吸蔵合金を多重層の密
閉容器内にそれぞれ充填した容器のうち、密閉容器内の
最も低温で反応する水素吸蔵合金に水素を導入して、前
記密閉容器に隣接する密閉容器内の高温で反応する水素
吸蔵合金の温度が、少なくともその容器内の水素吸蔵合
金の迅速な水素化反応に必要な温度に上昇した後に、該
容器内の水素吸蔵合金に水素を導入し、これを順次、よ
り低温で反応する水素吸蔵合金から、より高温で反応す
る水素吸蔵合金まで水素を導入し、あらかじめ定めた温
度まで水素化反応を行わせることを特徴とする容器の急
速加熱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3333725A JPH05163001A (ja) | 1991-12-17 | 1991-12-17 | 容器の急速加熱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3333725A JPH05163001A (ja) | 1991-12-17 | 1991-12-17 | 容器の急速加熱方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05163001A true JPH05163001A (ja) | 1993-06-29 |
Family
ID=18269264
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3333725A Withdrawn JPH05163001A (ja) | 1991-12-17 | 1991-12-17 | 容器の急速加熱方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05163001A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6733741B2 (en) | 2000-09-05 | 2004-05-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method and apparatus for activating a hydrogen-absorbing alloy |
WO2020080303A1 (ja) * | 2018-10-15 | 2020-04-23 | 日産自動車株式会社 | 発熱材料、並びにこれを用いた発熱システムおよび熱供給方法 |
-
1991
- 1991-12-17 JP JP3333725A patent/JPH05163001A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6733741B2 (en) | 2000-09-05 | 2004-05-11 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Method and apparatus for activating a hydrogen-absorbing alloy |
WO2020080303A1 (ja) * | 2018-10-15 | 2020-04-23 | 日産自動車株式会社 | 発熱材料、並びにこれを用いた発熱システムおよび熱供給方法 |
JPWO2020080303A1 (ja) * | 2018-10-15 | 2020-04-23 | ||
CN112867776A (zh) * | 2018-10-15 | 2021-05-28 | 日产自动车株式会社 | 发热材料、使用了所述发热材料的发热系统和供热方法 |
CN112867776B (zh) * | 2018-10-15 | 2022-04-26 | 日产自动车株式会社 | 发热材料、使用了所述发热材料的发热系统和供热方法 |
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Legal Events
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