JPH051627Y2 - - Google Patents

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JPH051627Y2
JPH051627Y2 JP1985056095U JP5609585U JPH051627Y2 JP H051627 Y2 JPH051627 Y2 JP H051627Y2 JP 1985056095 U JP1985056095 U JP 1985056095U JP 5609585 U JP5609585 U JP 5609585U JP H051627 Y2 JPH051627 Y2 JP H051627Y2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内
直接噴射式火花点火機関に関する。
〔従来の技術〕
燃料をピストン頂部に形成された凹部の壁面へ
一旦付着させ、その後の壁面からの蒸発によつて
燃焼が行なわれる方式の筒内直接噴射式火花点火
機関は、燃費、騒音に対して比較的有利である。
このような方式の機関においては、着火に至るま
でに、燃焼室内で燃料の良好な蒸発および拡散が
望まれ、蒸発、拡散状態を改善するために、従来
から、燃焼室内に高温の蒸発用壁を設けたり、壁
面を粗面にして蒸発しやすいようにしたりする
等、各種の構造が提案されている(特開昭52−
113412号、特開昭54−89111号、実開昭57−20528
号、実開昭57−22626号等)。
〔考案が解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来ではピストン頂部に単に凹
部(たとえば球面状の形状)を形成しただけのも
のであつたので、つぎのような問題がある。
すなわち、とくに高負荷域においては、燃料噴
射時期を早くし噴射から点火までの時間を長くす
ると、燃料の蒸発、拡散を十分に行うことが可能
となるが、着火後の燃焼が衝撃的となり、騒音な
らびに燃焼最高圧力上昇に伴なう機関の重量増大
という問題が生じる。逆に、噴射時期を遅くする
と、蒸発、拡散が不十分となるおそれがあり、局
所的に空燃比が過濃となつて、適正なレベルを逸
脱してスモークが増大するという問題がある。
一方、軽負荷域においては、少ない噴射量の燃
料が燃焼室内に拡散されるので、空燃比に過薄に
なりすぎるおそれがあり、HCの低減、燃焼速度
の向上が困難になるおそれがある。
本考案は、上記のような問題を解消するため
に、高負荷域では、燃料を燃焼室全域に分散する
よう噴射することにより局所空燃比を過濃となら
ぬ適正なレベルにおさえてスモークを低減させる
とともに、燃焼を順に進めることにより燃焼衝撃
の緩和を実現し、軽負荷域では、燃料を燃焼室内
の適当な部分に噴射して燃料を比較的集中させる
ことにより、局所空燃比を適正なレベルに保ち
HCの低減ならびに燃焼速度の増大をはかること
を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この目的に沿う本考案に係る筒内直接噴射式火
花点火機関は、燃焼室内に臨まされた燃料噴射弁
からピストン頂部に形成された凹部に向けて燃料
を噴射し該噴射された燃料により生成された混合
気を点火プラグにより点火させるようにした筒内
直接噴射式火花点火機関において、前記ピストン
頂部に形成された凹部を、浅皿部と、該浅皿部の
中央部に形成され浅皿部よりも小径でかつ深さが
大である深皿部とから構成し、点火プラグの火花
間〓を前記深皿部に臨む位置に配置し、前記燃料
噴射弁からの燃料の噴射時期を負荷に応じて変化
させ、低負荷時には燃料噴射期間の全般にわたり
深皿部に向けて燃料が噴射されるように燃料噴射
時期を設定し、高負荷時には燃料噴射期間の前半
に浅皿部に向けて燃料が噴射され燃料噴射期間の
後半には深皿部に燃料が噴射されるように燃料噴
射時期を設定したものから成る。
〔作用〕
このように構成された筒内直接噴射式火花点火
機関においては、高負荷時には、噴射時期が早く
なるため浅皿部と深皿部の両方に燃料が噴射さ
れ、十分に広い蒸発面積により燃焼室全体にわた
つて十分な燃料の蒸発と拡散が得られる。そのた
め、局所的に空燃比が過濃となることが防止さ
れ、スモークが低減される。また、点火プラグが
深皿部に臨まされることから、着火後の燃焼は深
皿部から浅皿部へと順に行われ、一気に燃焼が進
むことはなく、燃焼衝撃が緩和される。
また、軽負荷域においては、深皿部側にのみ燃
料が噴射されるので、噴射燃料は小さな容積内で
蒸発することになる。これにより、空燃比は過薄
とならないよう適正なレベルに保たれ、HCの低
減および燃焼速度の増大がはかれる。
〔実施例〕
以下に本考案の望ましい実施例を図面を参照し
て説明する。
第1図ないし第3図は、本考案の第1実施例を
示しており、第2図および第3図は、作動の状態
を順に示したものである。
図中、1はピストンを示してオリ、ピストン1
の頂部には、凹部2が形成されている。この凹部
2には、燃焼室に臨まされた燃料噴射弁3から燃
料4が噴射され、蒸発、拡散された燃料が点火プ
ラグ5によつて着火される。
凹部2は、上部側の大径の浅皿部6と、浅皿部
6の中央部に形成された下部側の深皿部7との二
重構造に構成され、深皿部7は浅皿部6よりも小
径でかつ深さが大に形成されている。
深皿部7の内周面には、燃料噴射弁3からの噴
射燃料を点火プラグ5の火花間〓(ギヤツプ位
置)5aへと導く溝8が設けられている。
燃料噴射弁3からの燃料の噴射方向(位置)
は、ピストン1の上下動に伴なつて変化するが、
噴射時期が早い場合には噴射燃料が位置Aの如く
浅皿部6に当たるように、噴射時期が遅くピスト
ン1がさらに上昇している場合には位置Bの如く
深皿部7に当たるように設定されている。
上記のように構成された実施例装置の作用につ
いて以下に説明する。
燃料噴射弁3から噴射された燃料4のうち、初
期に噴射されたものは、上部燃焼室すなわち浅皿
部6の壁面に付着したのち、スワール流9あるい
はスキツシユ流10とともに浅皿部6内を流動し
ながら蒸発、拡散、混合される。
一方、後期に噴射された燃料噴流4は、下部燃
焼室すなわち深皿部7の壁面に付着した後、スキ
ツシユ流、スワール流9とともに該深皿部7内を
流動し、その一部は深皿部7の内壁に設けられた
溝8に沿つて点火プラグ5の火花間〓(ギヤツプ
位置)5aまで導かれる。
第2図および第3図は、本装置における高負荷
域での作用を順に示したものである。第2図のイ
ないしホは、第3図のイないしホに対応してい
る。第2図イは、噴射初期の状態を示したもので
あり、燃料噴射弁3から噴射された燃料噴流4
は、浅皿部6の壁面に付着した後、スワール流9
とともに蒸発、拡散、混合される。次にロに示す
ようにクランクの回転に伴ないピストン1が矢印
11の方向に移動すると、燃料噴流4の付着位置
は深皿部7に移り、スワール流9に沿つて拡散
し、その一部は溝8に導かれて移動する。次に、
溝8によつて導かれた混合気は、ハに示すよう
に、点火プラグ5により点火される。次にニに示
すように、点火により発生した火炎12は、スワ
ール9に乗つて深皿部7内を拡散し、またその一
部は矢印13の方向へのピストン1の移動に伴な
つて発生する逆スキツシユ14の作用により、浅
皿部6側に導かれる。その結果、初期に噴射され
浅皿部6に滞留していた燃料が燃焼を開始し、ホ
に示すように、浅皿部6においても深皿部7と同
様の空気流動に伴なう火炎の拡散が行なわれ、一
部は凹部2の外へ出て、デツドボリユーム内の空
気も利用しながら燃焼が完了する。
このように、高負荷域においては、浅皿部6と
深皿部7との十分な面積で燃料が蒸発され、かつ
空気と良好に混合されて混合気が拡散される。し
たがつて、凹部2内で局所的に空燃比過濃となる
ことも防止され、スモークの発生が抑制される。
また、着火後の火炎の伝播も、燃焼室2内全域
に一気に行われるのではなく、深皿部7から浅皿
部6へと順に行われるので、燃焼衝撃に緩和され
る。
つぎに、第4図および第5図に本考案の第2実
施例を示す。第4図のイおよびロは、第5図のイ
およびロに対応している。
本実施例においては、凹部20の浅皿部21と
深皿部22とが縁部23によつてより明確に区別
されており、浅皿部21は、縁部23から外側に
いく程徐々に深くなつている。
このように構成された実施例装置においては、
初期に噴射され浅皿部21に入る燃料と後期に噴
射され深皿部22に噴射される燃料とは縁部23
によつて明確に分離され、上下部燃焼室ではそれ
ぞれ独立して可燃混合気が形成される。次に深皿
部22においては、点火プラグによる点火により
燃焼が開始された後、出力としてスワール24の
作用によつて火炎25が拡散されて燃焼が進行す
る。一方浅皿部21では深皿部22での燃焼の進
行とともに、すでにスキツシユ流26等によつて
混合され形成されている可燃混合気が、断熱圧縮
され自発火に到つて燃焼が進行し、形成された火
炎27は逆スキツシユ28により凹部20の外に
出て、デツドボリユーム内の空気も利用して燃焼
を完了させる。このように浅皿部21と深皿部2
2とをより明確に区別すれば、燃焼衝撃を一層緩
和させることが可能となる。
〔考案の効果〕
本考案の筒内直接噴射式火花点火機関によれ
ば、ピストン頂部に形成された凹部を、浅皿部
と、この浅皿部の中央部に形成され浅皿部よりも
小径でかつ深さが大である深皿部とから構成し、
点火プラグの火花間〓を深皿部に臨む位置に配置
し、燃料噴射弁からの燃料の噴射時期を負荷に応
じて変化させ、低負荷時には燃料噴射期間の全般
にわたり深皿部に向けて燃料が噴射されるように
燃料噴射時期を設定し、高負荷時には燃料噴射期
間の前半に浅皿部に向けて燃料が噴射され燃料噴
射期間の後半には深皿部に燃料が噴射されるよう
に燃料噴射時期を設定したので、つぎのような効
果が得られる。
(イ) 高負荷時においては、燃料を浅皿部と深皿部
とに分散させて、深皿部から燃焼が伝播してい
く以前に、浅皿部内において燃料を十分に蒸
発、拡散させることができるため、浅皿部内に
おいて良好な混合気を形成できる。また、深皿
部においては、燃料が噴射された後点火される
までの時間が浅皿部に比べて短いため、混合気
の形成が不十分な状態で点火される。従つて、
点火直後は比較的緩やかな燃焼が行われ、燃焼
が浅皿部に伝播するにつれて燃焼速度が上昇
し、燃焼衝撃を低く抑えつつ発生トルクを大き
くできる燃焼が可能となる。
(ロ) 軽負荷時には、燃料は深皿部に向つて噴射さ
れる燃料の過度の分散が回避されるので、局所
空燃比が最適に保たれ、HC排出の低減ならび
に燃焼の安定化を実現することができる。
(ハ) 浅皿部よりも小径でかつ深さが大である深皿
部の形成により、ピストンコンプレツシヨンハ
イトの低減、すなわちピストンの軽量化が実現
でき、機関の高速化、低フリクシヨン化が可能
になるという効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例に係る筒内直接噴
射式火花点火機関の燃焼室の一部切り欠き斜視
図、第2図は第1図の装置の縦断面図で、イない
しホは高負荷域の燃料噴射から燃焼後期までの状
態を順に示した図、第3図は第1図の装置の平面
図で、イないしホは第2図のイないしホにそれぞ
れ対応した状態を順に示した図、第4図は本考案
の第2実施例に係る燃焼室の縦断面図で、イは圧
縮行程、ロは膨張行程時の状態を示す図、第5図
は第4図の装置の平面図で、イおよびロは第4図
のイおよびロにそれぞれ対応した状態を示した
図、である。 1……ピストン、2,20……凹部、3……燃
料噴射弁、4……燃料、5……点火プラグ、5a
……火花間〓、6,21……浅皿部、7,22…
…深皿部、8……溝、9,24……スワール流、
10,26……スキツシユ流、12,25,27
……火炎、13,28……逆スキツシユ流、23
……縁部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 燃焼室内に臨まされた燃料噴射弁からピストン
    頂部に形成された凹部に向けて燃料を噴射し、該
    噴射された燃料により生成された混合気を点火プ
    ラグにより点火させるようにした筒内直接噴射式
    火花点火機関において、前記ピストン頂部に形成
    された凹部を、浅皿部と、該浅皿部の中央部に形
    成され浅皿部よりも小径でかつ深さが大である深
    皿部とから構成し、点火プラブの火花間〓を前記
    深皿部に臨む位置に配置し、前記燃料噴射弁から
    の燃料の噴射時期を負荷に応じて変化させ、低負
    荷時には燃料噴射期間の全般にわたり深皿部に向
    けて燃料が噴射されるように燃料噴射時期を設定
    し、高負荷時には燃料噴射期間の前半に浅皿部に
    向けて燃料が噴射され燃料噴射期間の後半には深
    皿部に燃料が噴射されるように燃料噴射時期を設
    定したことを特徴とする筒内直接噴射式火花点火
    機関。
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