JPH05161621A

JPH05161621A - 脳波測定方法

Info

Publication number: JPH05161621A
Application number: JP3350513A
Authority: JP
Inventors: Junichiro Mikawa; 純一郎美川
Original assignee: Sailor Pen Co Ltd
Current assignee: Sailor Pen Co Ltd
Priority date: 1991-12-11
Filing date: 1991-12-11
Publication date: 1993-06-29
Anticipated expiration: 2011-10-30
Also published as: JP2548652B2

Abstract

(57)【要約】【目的】痛みを感じることが少なくて正確に測定するこ
とが可能な脳波測定方法を提供する。【構成】頭部に被るプローブ装着具に、内蔵する脳波電
極と電解液で半電池を構成し、チップから電解液が滲出
する脳波測定用プローブを取り付け、チップを頭部の脳
波測定点と額および耳に接触させて脳波を測定する脳波
測定方法において、額および耳に接触させるプローブの
電解液濃度を頭部の脳波測定点に接触させるプローブの
電解液濃度よりも高くする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、脳波の測定方法に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】脳波を測定するためには、頭部の所定部
位に例えば２１個もの数多くの脳波電極を装着しなけれ
ばならない。このとき、頭部の皮膚と電極間のインピー
ダンスや電位差を小さくするために、両者の接触を確実
にする必要があり、従来は、例えば銀板からなる電極の
表面に導電用の銀ペーストを塗リ付け、これを１枚づ
つ、粘着剤が塗布されたテープにて脳波測定点の頭部の
皮膚に貼り付けていた。従って、測定を開始するまでに
３０分程度の準備作業を要するとともに、銀板の着脱時
に、被検者に少なからず苦痛を与えていた。そして、銀
板を除去した後に頭部を洗浄して銀ペーストを取り除く
必要があった。また、頭部の皮膚が角質化しているた
め、頭部の皮膚と電極間のインピーダンスや電位差が大
きくなって正確な測定が困難である不具合があった。

【０００３】そこで、例えば銀ー塩化銀からなる脳波電
極と塩化カリなどの電解液を内蔵し、この脳波電極と電
解液が半電池を構成する脳波測定用プローブを使用した
脳波測定方法が検討されている。すなわち、このプロー
ブ先端から突出して電解液が滲出するチップを頭部の脳
波測定点に接触させ、同時にボディアースとして額およ
び耳にも接触させ、脳波測定点に接触した正電極および
額に接触したボディアース電極と耳に接触した耳アース
電極の３点間の電位を測定することにより脳波を測定す
る。この電解液による脳波測定方法は、所定個数のホル
ダーが取り付けられたプローブ装着具を頭部に被り、こ
のホルダーにプローブをホルダーに装着すると、複数個
のプローブが同時に頭部の脳波測定点などに接触し、効
率良く脳波を測定することができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、人体の皮膚
表面は、油、ほこり、老廃した角質などで覆われている
ために電気抵抗が大きく、これが前記の脳波測定方法に
おいても、脳波測定の障害になっている。従って、プロ
ーブの電解液濃度はある程度高くして抵抗を小さくした
方が正確に測定することができる。しかし、人体の電解
質濃度は約０．９％程度であるが、プローブの電解液濃
度が高くて人体の電解質濃度との差があまり大きくなる
と痛みを感じる問題点がある。

【０００５】そこで本発明は、痛みを感じることが少な
くて正確に測定することが可能な脳波測定方法を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明は、頭部に被るプローブ装着具に、内蔵する
脳波電極と電解液で半電池を構成し、チップから電解液
が滲出する脳波測定用プローブを取り付け、チップを頭
部の脳波測定点と額および耳に接触させて脳波を測定す
る脳波測定方法において、額および耳に接触させるプロ
ーブの電解液濃度を頭部の脳波測定点に接触させるプロ
ーブの電解液濃度よりも高くする。

【０００７】

【作用】このように、ボディアース電極および耳アース
電極である額および耳に接触させるプローブの電解液濃
度を、頭部の脳波測定点に接触させる正電極であるプロ
ーブの電解液濃度よりも高くするが、耳および額の皮膚
は、毛髪で覆われた頭部の皮膚と異なり、通常、空気に
直接曝されているので、皮膚が強く、プローブの電解液
濃度を高くしても、比較的痛みを感じにくい。そして、
アース電極の電解液濃度を高くした分だけ全抵抗を低く
押さえることができ、正確に脳波を測定できる。

【０００８】

【実施例】以下に図面に基いて本発明を具体的に説明す
る。図３および図４は、ゴム紐のような弾性紐で網目状
にナイトキャップ状の脳波測定方法装着具を使用した測
定例を示す。頭部の周囲線に巻き付けられる円環ベルト
54 はゴム紐からなり、自然状態で頭部の周囲線の長さ
よりやゝ小さくなっている。この円環ベルト 54 の前後
方向と左右方向に３本づつの頭覆いベルト 52 が連結さ
れている。これらの頭覆いベルト 52 も弾性紐からな
り、ベルト 52, 54 によってナイトキャップ型帽子が形
成されている。ベルト 52, 52 およびベルト 52, 54 の
交点に１９個の後述するホルダー１が取り付けられてお
り、このホルダー１に同じく後述するプローブ２が保持
される。そして、額に接触するホルダー１Ａに保持され
るプローブが、ボディアース電極用である。ただし、図
３に示すように、耳アース電極用のプローブ２Ａは、Ｃ
字型をした専用の保持具 20 で保持され、チップ 23 が
耳たぶに接触する。

【０００９】ここで、ホルダー１の間隔は、Ｊasper に
よる10−20法に従って定められている。つまり、頭覆い
ベルト 52 と円環ベルト 54 の交点に取り付けられたホ
ルダー１は、帽子を頭部に被った時に、鼻根の上部に位
置する円環ベルト 54 の前部と後頭結節の上部に位置す
る円環ベルト 54 の後部間において、１０：２０：２
０：２０：２０：１０の間隔比率の位置にあり、頭覆い
ベルト 52 同士の交点に取り付けられたホルダー１は、
２０：２０：２０：２０の間隔比率の位置にある。従っ
て、各ホルダー１は、前後および左右に対称の位置にあ
る。なお、円環ベルト 54 の下側に保持ベルト（図示せ
ず）を取り付け、帽子が頭部にしっかりと保持されるよ
うにするのがよい。

【００１０】このように、ゴム紐のような弾性紐からな
るベルト 52, 54 で網目状のナイトキャップ型帽子を形
成するとともに、ベルト 52,54 の各交点の間隔を所定
比率に定め、この交点にプローブ２が装着されるホルダ
ー１を取り付けると、軽量であって頭部の寸法を測定す
る必要がなく、簡単、かつ迅速にプローブ２を所定位置
に配置することが可能になる。

【００１１】次に、図５は、ワイヤーからなるナイトキ
ャップ状の脳波測定方法装着具を示すが、円環ベルト 4
1 および３本の頭覆いベルト 42 は、それぞれ２本の平
行なワイヤーからなり、第一接続具 43 および第二接続
具 44 によって接続され、ナイトキャップ状の帽子が形
成されている。図６および図７に示すように、第一接続
具 43 および第二接続具 44 内を円環ベルト 41 および
頭覆いベルト 42 のワイヤーが摺動自由に挿通されてお
り、ワイヤーの摺動抵抗が所定の大きさになるように設
計されている。つまり、ワイヤーが不本意に摺動するこ
とはないが、強制的に摺動させることにより、ナイトキ
ャップ状の帽子を頭部の大きさに対応して調節できるよ
うになっている。そして、ワイヤーには１９個のホルダ
ー１が、前記と同じく、Ｊasper による10−20法に従っ
て定められ位置に取り付けられている。なお、図５では
１個のホルダーのみを図示した。そして、ホルダー１に
プローブ２が保持されるが、ホルダー１の位置を自由に
変えられるので、頭部の形状にかかわらず正確に測定す
ることができる。

【００１２】ホルダー１を図２に基づいて説明すると、
被嵌着部 11 は、内面にプローブ取付用の内ねじ11a が
形成された円環体であり、例えば表面が金めっきされた
黄銅製であって導通性を有する。被嵌着部 11 には、軽
量な筒体 12 が取り付けられている。そして、リード線
３が被嵌着部 11 に接続されているが、このリード線３
はコンパクトに取り回されており、１９本のリード線３
をまとめて図示略の脳波計に接続される。

【００１３】次に、図１に基づいてプローブ２を説明す
る。嵌着部 21 は、例えば表面が金めっきされた黄銅製
であって導通性を有し、その外周に外ねじ21a が形成さ
れており、嵌着部 21 をホルダー１の被嵌着部 11 に螺
着できるようになっている。なお、嵌着部 21 と被嵌着
部 11 の結合は螺着に限られず、圧入嵌合であってもよ
い。嵌着部 21 に固着された筒体 28 に摺動筒 26 が摺
動可能に接続され、摺動筒 26 の先端には固定部 27 を
介して有底筒状の脳波電極 22 が固定されている。脳波
電極 22 は、例えば銀ー塩化銀からなる電極板であり、
脳波電極 22 と固定部 27 の間に環状溝である係止部 2
9 が形成されている。そして、嵌着部 21 と脳波電極 2
2 の間には、例えばりん青銅で形成されて導通性を有す
るスプリング 24 が介装されており、嵌着部 21 と脳波
電極 22 は電気的に接続されているとともに、脳波電極
22 を前方に弾発している。

【００１４】一方、チップ 23 は、ＫＣｌ，ＲｂＣｌ，
ＣｓＣｌ，ＮａＣｌ，ＬｉＣｌ，ＣａＣｌ₂，ＭｇＣｌ₂
などの塩化物水溶液からなる電解液がゲル化剤によって
コロイド状にゲル化したものである。ゲル化剤として、
例えばＣＭＣ、ＰＶＡ、ポリアクリル酸アミドなどの水
溶性高分子、あるいは寒天、アルガロース、ゼラチン、
ペプチン、シリカ系ゲル剤なども使用できる。このよう
に、チップ 23 が電解液のゲル化したものであるので、
電解液が過剰に滲出せず、測定時に頭髪を汚すことがな
い。また、乾燥してもその体積を収縮させるので、導通
性が失われるまでの時間が長く、長寿命である利点があ
る。あるいは、高分子吸水樹脂をＥＶＡなどの適当なバ
インダーでブロック状に成形し、電解液を含有できるよ
うにしたものであってもよい。

【００１５】チップホルダー 25 は、内径が脳波電極 2
2 の外径に等しい筒状体であり、その先端から中心方向
に伸びる複数本の保持棒25b でチップ 23 を保持してい
る。また、チップホルダー 25 の尾端部には環状の係止
突起25a が形成されている。従って、チップホルダー 2
5 を脳波電極 22 に差し込むと、脳波電極 22とチップ
23 が接触し、両者で半電池を構成するが、このとき、
係止突起25a が係止部29 に係合して固定され、チップ
ホルダー 25 を引き抜くと簡単に取り外すことができ
る。つまり、チップホルダー25 で保持されたチップ 23
は着脱自由であり、測定のたびに新しいチップ 23 に
きわめて簡単に交換することができるようになってい
る。

【００１６】しかして、脳波の測定に際しては、ゴム紐
で形成されたナイトキャップ状のプローブ装着具やワイ
ヤーで形成されたナイトキャップ状のプローブ装着具を
被検者の頭部に被せるが、ゴム紐で形成されたプローブ
装着具の場合は、先ず、中央の頭覆いベルト 54 を正中
線に合わせて被る。このとき、ベルト 52, 54 が頭部の
形状や大きさに応じて伸長するが、ホルダー１の間隔比
率は変化せず、Ｊasper による10−20法で定められた位
置に配置される。なお、頭部に被るときに、ベルト 52,
54は一様に伸長するとは限らず、幾分所定位置から偏
位することがあるが、ホルダー１の正規の位置は前後お
よび左右対称であるので、目視で偏位量を容易に確認す
ることができ、指先で補正して簡単に正規の位置にする
ことができる。そして、ホルダー１にプローブ２を装着
するが、額に接触するホルダー１Ａ以外のホルダー１に
は、つまり、頭部の脳波測定点には電解液の濃度が１０
％以下、例えば８％のプローブ１を装着し、額に接触す
るホルダー１Ａには、つまり、ボディアース電極用には
電解液の濃度が１０％以上、例えば１２％のプローブ１
を装着する。また、耳アース電極用のプローブ２Ａも電
解液の濃度が１０％以上のものを使用する。

【００１７】ホルダー１にプローブ２を装着すると、脳
波電極 22 はリード線３に電気的に接続されるととも
に、チップ 23 はスプリング 24 の弾発力によって、頭
部の凹凸にかかわらず頭皮に確実に接触し、チップ 23
から電解液が滲出する。また、電解液がゲル化したもの
であるチップ 23 は、経時変化で収縮することがある
が、スプリング 24 の弾発力によってこの収縮をカバー
することができ、頭皮に確実に接触する。

【００１８】このとき、皮膚の弱い頭部の測定点には、
電解液濃度の低いプローブ２を使用し、かつ皮膚の強い
額および耳に接触するボディアース電極用および耳アー
ス電極用に電解液濃度の高いプローブ２を使用するの
で、痛みを感じることが少なく、かつアース電極の電解
液濃度を高くした分だけ全抵抗を低く押さえることがで
き、正確に脳波を測定できる。

【００１９】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
痛みを感じることが少なくて正確に測定することが可能
な脳波測定方法とすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】プローブの断面図である。

【図２】ホルダーの断面図である。

【図３】ゴム紐を用いたプローブ装着具の平面図であ
る。

【図４】ゴム紐を用いたプローブ装着具の正面図であ
る。

【図５】ワイヤーを用いたプローブ装着具の斜視図であ
る。

【図６】ワイヤーを用いたプローブ装着具の細部の説明
図である。

【図７】ワイヤーを用いたプローブ装着具の細部の説明
図である。

【符号の説明】

１ホルダー２プローブ２２脳波電極２３チップ２５チップホルダー３リード線

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ａ６１Ｂ 5/0492

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】頭部に被るプローブ装着具に、内蔵する
脳波電極と電解液で半電池を構成し、チップから電解液
が滲出する脳波測定用プローブを取り付け、該チップを
頭部の脳波測定点と額および耳に接触させて脳波を測定
する脳波測定方法であって、額および耳に接触させるプローブの電解液濃度を頭部の
脳波測定点に接触させるプローブの電解液濃度よりも高
くしたことを特徴とする脳波測定方法。
【請求項２】前記プローブのチップは、ゲル化された
電解液で構成されたことを特徴とする請求項１記載の脳
波測定方法。
【請求項３】前記プローブのチップは、プローブに内
蔵されたスプリングで弾発された状態で頭部の脳波測定
点などに接触することを特徴とする請求項１記載の脳波
測定方法。
【請求項４】前記プローブ装着具は、ワイヤーもしく
はゴム紐のような弾性紐で網目状に形成されたナイトキ
ャップ型帽子であることを特徴とする請求項１記載の脳
波測定方法。