JPH05161326A - 直流ブラシレス電動機 - Google Patents

直流ブラシレス電動機

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Publication number
JPH05161326A
JPH05161326A JP32032391A JP32032391A JPH05161326A JP H05161326 A JPH05161326 A JP H05161326A JP 32032391 A JP32032391 A JP 32032391A JP 32032391 A JP32032391 A JP 32032391A JP H05161326 A JPH05161326 A JP H05161326A
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JP
Japan
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magnetic pole
pole piece
output shaft
angle
rotor casing
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Pending
Application number
JP32032391A
Other languages
English (en)
Inventor
Joji Ochi
譲次 越智
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 回転子ケーシングに装着される各磁極片の形
状等を工夫することによって、コギングによる電動機の
振動や騒音を低減する 【構成】 8個の永久磁石製の磁極片8を、回転子ケー
シング7に接する外面8aが円弧面をなし、固定子4に
対向する内面の中央部8bが、出力軸3を含む対称面に
直交する平面をなし、上記内面の両側部8cが、出力軸
3と磁極片8の側縁を含む平面に対して52°をなす傾
斜平面をなすように形成する。上記側縁を含む平面を基
準に円弧面8aに沿って他側縁に向かう角度θを変数と
して、出力軸3に向けて測った磁極片8の厚さtが、略
正弦波関数で表わされるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室外空気調和機のファ
ンの駆動等に用いられる直流ブラシレス電動機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のファンの駆動には、巻線
数を変えて回転速度を変化させる交流誘導電動機が用い
られていた。しかし、交流誘導電動機は、効率が悪くて
省エネルギの要請を満たさず、また装置が大形化すると
いう欠点がある。そのため、近年、交流誘導電動機に代
えて、直流ブラシレス電動機が採用され始めた。この直
流ブラシレス電動機は、図11に示すように、ハウジン
グ31にベアリング32を介して出力軸33を回転自在
に支承し、コイルを巻いた複数の磁極部を有して出力軸
33に所定の隙間をあけて外嵌する固定子34を、ハウ
ジング内に樹脂モールド(図中のハッチング参照)で一体
に固定する一方、環状の磁石材料を複数極に着磁してな
る永久磁石38を内嵌して固定子34に隙間をあけて外
嵌する回転子ケーシング37を、中心のボス部37aに
おいて出力軸33のローレット加工部に圧入している。
そして、内側の固定子34の複数の磁極部を順次励磁す
ると、励磁された磁極部に外側の永久磁石38が次々に
吸引されて回転子ケーシング37が回転し、この回転が
ボス部37aを経て出力軸33に伝わって、出力軸33
が回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、直流ブラシレ
ス電動機は、固定子34の複数の磁極部を順次励磁し
て、回転子ケーシング37の永久磁石38の複数の磁極
を吸引して回転させる構造なので、各磁極部の切り換わ
り位置でコギングといわれる回転むらが不可避的に生じ
る。このコギングを低減するため、上記従来の直流ブラ
シレス電動機では、一定厚さの環状で一体の磁石材料
を、着磁ヨークの形状を変えてコギングが小さくなるよ
うな着磁力分布で複数極に着磁している。ところが、か
かる着磁方式は、作業管理が難しく、着磁後の永久磁石
38の性能のバラツキが大きくなるという欠点がある。
また、上記従来の直流ブラシレス電動機は、固定子34
の構造の簡素化により磁極部で生じる磁束が正弦波状に
ならないため、これに起因して固定子34にもコギング
が生じる。ところが、固定子34がハウジング31内に
樹脂モールドで一体に固定されているため、上記コギン
グがハウジングにそのまま伝わって、電動機の振動や騒
音が増大するという欠点がある。そこで、本発明の目的
は、回転子ケーシングに複数個装着される永久磁石製の
磁極片の形状等を工夫することによって、コギングによ
る電動機の振動や騒音を低減することができる直流ブラ
シレス電動機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の直流ブラシレス電動機は、図1に例示する
ように、ハウジング1に出力軸3を回転自在に支承し、
複数の磁極部17を有して上記出力軸3に所定の隙間を
あけて外嵌する固定子4を上記ハウジング1に固定する
一方、複数の永久磁石製の磁極片8を内周に装着して上
記固定子4に所定の隙間をあけて外嵌する回転子ケーシ
ング7を、固定鍔9を介して上記出力軸3に連結してな
るものにおいて、上記磁極片8は、回転子ケーシング7
に接する外面8aが円弧面をなす一方、固定子4に対向
する内面の中央部8bが、出力軸3を含むこの磁極片8
の対称面Sに直交する平面をなすとともに、上記内面の
両側部8cが、出力軸3およびこの磁極片8の側縁を含
む平面に対して一定角度をなす傾斜平面をなして形成さ
れて、上記外面8aから出力軸3に向けて測定したこの
磁極片の厚さtが、磁極片8の一側縁と出力軸3を結ぶ
直線を基準として上記円弧面8aに沿って磁極片8の他
側縁に向かう角度θを変数として、略正弦波関数で表わ
されることを特徴とする。また、上記各磁極片8の相隣
る傾斜平面8c,8cに、内側の角度が両傾斜平面のなす
角度よりも狭いV字状の非磁性体の固定片15をまたが
るように当接させ、この固定片15の中央凹部を、回転
子ケーシング7の一部12を切り起こして作った押えば
ね13により、回転子ケーシング7の円筒壁11に向け
て径方向外方へ押し付けるようにしてもよい。さらに、
上記磁極片8の外面8aを、略1/8円周の円弧面と
し、上記傾斜平面8cの一定角度を、52°とすること
もできる。
【0005】
【作用】ハウジング1には、出力軸3が回転自在に支承
され、その周囲に隙間をあけて複数の磁極部17をもつ
固定子4がハウジング1に固定して配置され、固定子4
の周囲に隙間をあけて回転子ケーシング7が配置されて
いる。回転子ケーシング7の円筒壁11の内周には、複
数の永久磁石製の磁極片8が、円弧面をなす外面8aを
接して装着され、各磁極片8の内面は、中央部8bが、
出力軸3を含むこの磁極片8の対称面Sに直交する平面
に、両側部8cが、出力軸3およびこの磁極片8の側縁
を含む平面に対して一定角度をなす傾斜平面に夫々形成
される。そして、上記磁極片8の外面8aから出力軸3
に向けて測定した厚さtは、磁極片8の一側縁と出力軸
3を結ぶ直線を基準として上記円弧面8aに沿って他側
縁に向かう角度θを変数として、略正弦波関数で表わさ
れるような形状となっている。従って、各磁極片8の磁
束密度は、磁極片8が等厚の場合と異なり、磁極片8の
中央から両側に向かって正弦波状に減少し、固定子4の
各磁極部17の切り換わり位置における磁束密度も滑ら
かに変化するので、この位置で回転子ケーシング7に生
じるコギングが殆んどなくなる。よって、回転子ケーシ
ング7から固定鍔9を経て出力軸3に伝わるコギングに
よる振動や騒音も殆んどなくなり、電動機の振動や騒音
を大幅に低減することができる。
【0006】なお、上記各磁極片8の相隣る傾斜平面8
c,8cに、内側の角度がより狭いV字状の非磁性体の固
定片15をまたがせて当接させ、この中央凹部を、回転
子ケーシング7から切り起こして作った押えばね13で
ケーシング壁11に向けて径方向外方へ押し付ければ、
押えばね13が、V字状の固定片15を介して磁極片8
を周方向へもより大きい力で押し、各磁極片8が等間隔
にバランス良く保持されるので、振動や騒音がより低減
する。また、上記磁極片8の外面8aを略1/8円周の
円弧面とし、上記傾斜平面8cの一定角度を52°とす
れば、各磁極片の上記厚さは同様に略正弦波関数で表わ
されるから、上述と同様の作用,効果が得られる。これ
に加えて、磁極片8の製造の際、外面8aの円弧面を比
較的容易に、内面の直交平面8bと傾斜平面8cを容易に
夫々研磨して、安価なコストで多極の電動機が製造でき
るので、低速回転が要求される電動機の場合特に有利で
ある。
【0007】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説
明する。図1は、室外空気調和機のファンの駆動に用い
られる直流ブラシレス電動機の一例を示す断面図であ
る。この直流ブラシレス電動機は、ハウジング1の中心
に一対のベアリング2,2を介して回転自在に支承され
る出力軸3と、12個の磁極部(図6参照)を有して上記
出力軸3に所定の隙間をあけて外嵌し、内嵌する防振ゴ
ム筒5および固定管6を介してハウジング1の出力取出
側と反対の端面1bに固定される固定子4と、8個の永
久磁石製の磁極片8(図5(A)参照)を内周に装着して上
記固定子4に所定の隙間をあけて外嵌する回転子ケーシ
ング7と、この回転子ケーシング7をボス部9aを介し
て出力軸3に連結する固定鍔9で構成される。
【0008】上記回転子ケーシング7は、図2(A),
(B)に示すように、円筒壁11とこの一端面に連なる底
部12からなる有底円筒である。底部12の外周から中
心に向けて45°の角度間隔で放射状に8本の長い細片
12aの輪郭を切り込み、これを円筒壁11と平行に折
り曲げて切り起こしで押えばね13を形成し、この押え
ばね13を各磁極片8の間に嵌り込ませてこれらを保持
する(図5(A)参照)。また、各長い細片12aの間に等
間隔で2本の短い細片12bの輪郭を切り込み、これを
同様に折り曲げて、その先端12c(図2(B)参照)で磁
極片8の前端面に当接してこれを保持するようになって
いる。なお、底部12の中心には、出力軸3を挿通する
円孔12dを設けている。一方、上記固定鍔9は、図3
(A),(B)に示すように、出力軸3に嵌着されるボス部
9aと、このボス部9aの一端から直角に伸びる円盤部9
bからなり、この円盤部9bに、図1に示すように外側か
ら当接する回転子ケーシング7の底部12がスポット溶
接で固定される。さらに、回転子ケーシング7には、図
4(A),(B)に示すような回転子ヨーク14を、接着剤
を介して密に外嵌,固定しており、その鍔部14aが、回
転子ケーシングの内周に装着された磁極片8の後端面に
当接してこれを保持する。
【0009】上記磁極片8は、回転子ケーシング7の円
筒壁11の内周に、図5(A)に示すように合計8個配置
され(8極)、各磁極片8は、外面8aが円筒壁11と同
一半径で略1/8円周の円弧面をなす一方、内面の中央
部8bが、ケーシングの中心軸C(出力軸3)を含むこの
磁極片の対称面Sに直交する平面をなすとともに、内面
の両側部8cが、中心軸Cを含む8分割平面Dに対して
52°をなす傾斜平面に形成されている。各磁極片8の
間には、加工精度や組立誤差の関係から所定の間隔δ
(例えば、1mm)が設けられ、各磁極片8の両側端8d
は、製造時の研磨加工における掴みの関係から上記対称
面Sと平行に形成されている。従って、磁極片8の傾斜
平面8cとその側縁および中心軸Cを含む平面とのなす
角度は、52°よりも弦長でδ/2に相当する角度だけ
小さくなるが、間隔δのあるこの磁極片8は、漏れ磁束
の分布等を考慮すれば、間隔δ=0で傾斜平面の傾きが
52°の磁極片と磁気回路的には同等となる。そこで、
上記磁極片8において、一側縁と中心軸Cを結ぶ直線に
代えて8分割線Dを基準として、円弧面8aに沿って他
側縁に向かう角度θ(図5(A)参照)を変数とすると、角
度θの直線Aが切る磁極片8の厚さtは、図9の曲線A
で示す如くなり、θ=0〜45°の範囲において破線の
曲線Bで示す正弦波の半波に最も近くなる。
【0010】間隔δをおいて相隣る各磁極片8の傾斜平
面8c,8cには、図5(A)に示すように、両傾斜平面の
なす角度と等しい外側の角度104°と、これよりも狭
い内側の角度90°をもつV字状のプラスティック等の
非磁性体からなる固定片15が、またがって当接し、こ
の固定片15の中央凹部が、回転子ケーシング7の底部
12を切り起こして作られた既述の押えばね13によ
り、ケーシングの円筒壁11(図2参照)に向けて径方向
外方へ押し付けられる。かくて、8個の磁極片8は、固
定片15の90°の凹部を介して周方向へも効果的に押
されて、互いに等間隔にバランス良く保持されることに
なる。ここで、磁極片8の形状を上述のようにしたの
は、勿論極切り換わり時のコギングをなくすためである
が、磁極片の内面のみを正弦波状に研磨するのが難し
く、手間もかかるからである。つまり、外面8aを比較
的研磨が容易な円弧面とする一方、内側の中央部8bと
両側部8cを夫々研磨が容易な直交平面と52°の傾斜
平面として、厚さを最も正弦波関数に近付けたのであ
る。なお、厚さ変化を正弦波状にするのを犠牲にして、
押えばね13による磁極片の保持性を固定片15なしで
実現するには、図5(B)に示すように、磁極片8を傾斜
平面8cの角度が45°になるように形成すればよい。
この場合、上記角度θを変数とする磁極片8の厚さt
は、図9の曲線Cの如くなり、コギングをなくすに最適
な曲線Bで示す正弦波から相当ずれることが判る。
【0011】回転子ケーシング7内に隙間をあけて配置
された固定子4は、図6に示すように、ボス部16と、
このボス部16から放射状に径方向外方へ突出する12
個の磁極部17(12極)からなり、各磁極部17の薄肉
部17aにはコイル18(図1参照)が巻回され、外端の
広幅部17bは僅な隙間をあけて磁極片8に対向する(図
1参照)。固定子4のボス部16には、図7(A),(B),
(C)に示すような防振ゴム筒5が、その突起5aをボス
部のキー溝16aに差し込んで回転不能に内嵌され、さ
らにこの防振ゴム筒5は、鍔部6aが図示しないねじで
ハウジング1に固定された固定管6(図8(A),(B)参
照)に嵌着されている。即ち、固定管6の基端たる鍔部
6aと防振ゴム筒5の間には、図8(C),(D)に示すよう
なスペーサ19を、先端の嵌合凸部19aを防振ゴム筒
5の嵌合凹部5bに嵌め込んで挾み込む一方、固定管6
の先端側には、図7(D),(E)に示すような環状の防振
ゴム20を挾んで、これらを先端に螺着した図8(E),
(F)に示すようなナット21で一体に締め付けて、固定
子4を防振ゴム筒5および固定管6を介してハウジング
1に固定している(図1参照)。防振ゴム筒5や防振ゴム
20を介装したのは、磁極部17の構造の簡素化により
コイル18で生じる磁束が正弦波状にならないため、こ
れに起因して固定子4に生じるコギングが、ハウジング
1やベアリング2を経て出力軸3に伝わるのを防ぐため
である。
【0012】固定子4のコイル18への通電を制御する
駆動回路は、図1に示すように、ハウジング1内の後端
面1b側に配置したプリント基板22で構成される。プ
リント基板22は、ホール素子23およびドライバIC
24等を搭載してなり、一端のドライバIC24と基板
の間にゴムシート25を挾み、他端とハウジング1の間
にゴムスペーサ26を挾んで、C字状のばね27,27
にてハウジング側に押さえ付けて、ドライバICからハ
ウジングへの放熱が良くなるように固定されている。
【0013】上記構成の直流ブラシレス電動機における
コギング低減機能を次に述べる。図1に示すように、ハ
ウジング1には、出力軸3が回転自在に支承され、その
周囲に隙間をあけて12個の磁極部17をもつ固定子4
(図6参照)がハウジング1に固定して配置され、固定子
4の周囲に隙間をあけて回転子ケーシング7が配置され
ている。回転子ケーシング7の円筒壁11の内周には、
永久磁石製の8個の磁極片8が、円弧面をなす外面8a
を接し、かつ前,後端面を夫々切り起こされた短い細片
12bの先端12c,回転子ヨーク14の鍔部14aで規制
されて装着され、図5(A)に示すように、切り起こされ
た長い細片12aである押えばね13が、各磁極片8の
間に渡したV字状の固定片15の中央凹部に嵌り込んで
いる。従って、各磁極片8は、押えばね13により、内
側の角度が90°のV字状の固定片15を介して径方向
外方へ円筒壁11に向けて押されるとともに、分力によ
り周方向へも適切に押されて、等間隔にバランス良く保
持され、これにより回転子ケーシング7の回転の伴う振
動や騒音が低減する。なお、固定片15は、各磁極片8
を周方向により強く押しつけるべく介装されるが、非磁
性体製なので、後述する磁極片の正弦波状の厚さを妨げ
ることはない。
【0014】上記各磁極片8の内面は、図5(A)に示す
ように、中央部8bが中心軸C(出力軸3)を含むこの磁
極片の対称面Sに直交する平面に、両側部8c,8cが、
8分割線Dに対して52°をなす傾斜平面の夫々形成さ
れ、右側縁の上記8分割線Dを基準として円弧面8aに
沿って左側縁に向かう角度をθとすると、角度θの直線
Aが切る磁極片8の厚さtは、図9の曲線Aの如くな
り、曲線Bで示す正弦波の半波に略等しくなる。従っ
て、各磁極片8の磁束密度は、磁極片が等厚の場合と異
なり、磁極片の中央から両側に向かって正弦波状に減少
し、固定子4の各磁極部17の切り換わり位置における
磁束密度も滑らかに変化するので、この位置で回転子ケ
ーシング7にコギングが殆んど生じなくなる。よって、
回転子ケーシング7から固定鍔9を経て出力軸3に伝わ
るコギングによる振動や騒音も殆んどなくなり、電動機
の振動や騒音を大幅に低減することができる。また、磁
極片8を、円筒体を8分割したものにするとともに、そ
の外面8aを研磨が比較的容易な円弧面とし、内面を研
磨が容易な直交平面8bと傾斜平面8c,8cにしているの
で、多数(8個)の磁極片でも起磁力を確保しつつ安価な
コストで製造でき、低速回転が要求され、従って多極が
要求される室外空気調和機のファンモータ等にとって特
に有利である。
【0015】さらに、構造の簡素化によりコイル18で
生じる磁束が正弦波状にならないため、コギングを生じ
る固定子4は、防振ゴム筒5,防振ゴム20および固定
管6を介してハウジング1に固定されるので、ハウジン
グ1あるいはベアリング2を経る出力軸3へのコギング
の伝達が阻止され、電動機の振動や騒音がさらに低減す
る。つまり、永久磁石製の各磁極片8を、その外面を略
1/8円周の円弧面,その内面を対称面に直交する平面
とその両側の52°の傾斜平面で形成して、径方向の厚
さtが中心角θに関して略正弦波関数になるようにする
とともに、各磁極片8を、相隣る傾斜平面8c,8cにま
たがって当接させた90°のV字状の固定片15を介し
て、回転子ケーシング7の底部12を切り起こして作っ
た押えばね13により径方向外方へ押し付け、さらに固
定子4を防振ゴム筒5等を介してハウジング1に固定す
ることによって、直流ブラシレス電動機に特有のコギン
グの発生を抑え、かつ発生したコギングの出力軸3やハ
ウジング1への伝達を阻止して、電動機の振動や騒音を
大幅に低減できるのである。
【0016】図10は、上記実施例の電動機を組み込ん
だ室外空気調和機の騒音試験の結果を示している。同図
は、電動機の回転速度と騒音の関係を示しており、図中
の曲線Aは、図5(A)の本実施例の磁極片(傾斜平面の
角度52°)を用いた場合、図中の曲線Cは、図5(B)
の比較例の磁極片(傾斜平面の角度45°)を用いた場合
の結果である。図から、前者の方が、後者よりも騒音が
略2dB程低くなっているのが判る。なお、上記実施例
では、磁極片8の外面が1/8円周で、傾斜平面の角度
が52°のものについて説明したが、磁極片は8分割に
限らず、分割数に応じて上記角度も厚さが略正弦波関数
になるように変化する。また、V字状の固定片15を省
略しても、磁極片の厚さが略正弦波関数である限り相当
の振動,騒音低減の効果を得ることができる。
【0017】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
直流ブラシレス電動機は、複数の永久磁石製の磁極片
を、回転子ケーシングに接する外面が円弧面をなし、固
定子に対向する内面の中央部が、出力軸を含む対称面に
直交する平面をなし、上記内面の両側部が、出力軸と磁
極片の側縁を含む平面に対して一定角度をなす傾斜平面
をなすように形成して、上記側縁を含む平面を基準に円
弧面に沿って他側縁に向かう角度を変数として、出力軸
に向けて測った磁極片の厚さが、略正弦波関数で表わさ
れるようにしているので、各磁極片の磁束密度が中央か
ら両側に向かって正弦波状に減少し、固定子の磁極部の
切り換わり位置における磁束密度が滑らかに変化して、
回転子ケーシングにコギングが殆んど発生しなくなる。
従って、ハウジングや出力軸に伝わるコギングが殆んど
なくなり、電動機の振動や騒音を大幅に低減できる。ま
た、各磁極片の相隣る傾斜平面に、V字状の非磁性体か
らなる固定片を当接させ、これを切り起こしで作られた
押えばねで径方向外方へ押し付ければ、磁極片が周方向
へも押されて、各磁極片が等間隔にバランス良く保持さ
れ、振動や騒音がより低減する。さらに、磁極片の外面
を略1/8円周の円弧面とし、上記一定角度を52°と
すれば、磁極片の研磨が容易になり、安価なコストで多
極の電動機が製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の直流ブラシレス電動機の一実施例を
示す断面図である。
【図2】 上記実施例の回転子ケーシングを示す正面
図,断面図である。
【図3】 上記実施例の固定鍔を示す正面図,断面図で
ある。
【図4】 上記回転子ケーシングに外嵌する回転子ヨー
クを示す正面図,断面図である。
【図5】 上記回転子ケーシングに装着される磁極片お
よび比較例の磁極片を示す正面図である。
【図6】 上記回転子ケーシングに隙間をあけて内嵌す
る固定子を示す正面図,断面図である。
【図7】 上記固定子に内嵌する防振ゴム筒および防振
ゴム環の正面図,断面図である。
【図8】 上記防振ゴム筒に内嵌等する固定管,スペー
サおよびナットの正面図,断面図である。
【図9】 上記磁極片の径方向の厚さ分布を示す図であ
る。
【図10】 実施例および比較例の磁極片を夫々用いた
電動機の騒音試験の結果を示す図である。
【図11】 従来の直流ブラシレス電動機を示す断面図
である。
【符号の説明】
1…ハウジング、2…ベアリング、3…出力軸、4…固
定子、5…防振ゴム筒、6…固定管、7…回転子ケーシ
ング、8…磁極片、8a…外面、8b…内面の中央部、8
c…内面の両側部、9…固定鍔、11…円筒壁、12…
底部、12a…長い細片、12b…短い細片、13…押え
ばね、15…固定片。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング(1)に出力軸(3)を回転自在
    に支承し、複数の磁極部(17)を有して上記出力軸(3)
    に所定の隙間をあけて外嵌する固定子(4)を上記ハウジ
    ング(1)に固定する一方、複数の永久磁石製の磁極片
    (8)を内周に装着して上記固定子(4)に所定の隙間をあ
    けて外嵌する回転子ケーシング(7)を、固定鍔(9)を介
    して上記出力軸(3)に連結してなる直流ブラシレス電動
    機において、 上記磁極片(8)は、回転子ケーシング(7)に接する外面
    (8a)が円弧面をなす一方、固定子(4)に対向する内面
    の中央部(8b)が、出力軸(3)を含むこの磁極片(8)の
    対称面(S)に直交する平面をなすとともに、上記内面の
    両側部(8c)が、出力軸(3)およびこの磁極片(8)の側
    縁を含む平面に対して一定角度をなす傾斜平面をなして
    形成されて、上記外面(8a)から出力軸(3)に向けて測
    定したこの磁極片(8)の厚さ(t)が、磁極片(8)の一側
    縁と出力軸(3)を結ぶ直線を基準として上記円弧面(8
    a)に沿って磁極片(8)の他側縁に向かう角度を変数(θ)
    として、略正弦波関数で表わされることを特徴とする直
    流ブラシレス電動機。
  2. 【請求項2】 上記各磁極片(8)の傾斜平面(8c)と相
    隣る磁極片の傾斜平面(8c)には、外側の角度が上記両
    傾斜平面(8c,8c)のなす角度に等しく、内側の角度が
    上記両傾斜平面(8c,8c)のなす角度よりも狭い角度を
    もつV字状の非磁性体からなる固定片(15)がまたがっ
    て当接し、この固定片(15)の中央凹部が、上記回転子
    ケーシング(7)の一部(12)を切り起こして作られた押
    えばね(13)により、回転子ケーシング(7)の円筒壁
    (11)に向けて径方向外方へ押し付けられる請求項1に
    記載の直流ブラシレス電動機。
  3. 【請求項3】 上記磁極片(8)の外面(8a)が、略1/
    8円周の円弧面であり、上記傾斜平面(8c)の一定角度
    が、52°である請求項1または2に記載の直流ブラシ
    レス電動機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011166854A (ja) * 2010-02-04 2011-08-25 Asmo Co Ltd ブラシレスモータ及びその製造方法
JP2014060911A (ja) * 2012-08-09 2014-04-03 Nippon Densan Corp アウタロータタイプ両持ち軸受構造を有するモータ

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