JP4397465B2 - 回転電機の回転軸の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファンモータ等の回転電機における回転軸の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ファンモータ等の回転電機の回転軸は、一般的に内輪と外輪との間に複数の転動体が配置されて構成されたボール軸受等のころがり軸受によって支持されている。そして回転軸の後方端部には回転軸と一緒に回転する後方側ストッパとしての抜け止め用リング部材が嵌合されている。このような後方側ストッパまたはリング部材を備えたファンモータは米国特許第5,879,141号の第2図に示されている。そして回転軸に固定されたロータが回転しているときには、回転軸はころがり軸受の内輪の中で回転軸の軸線方向に振動する。このような振動に対処するために、例えばファンモータでは、後方側ストッパまたはリング部材ところがり軸受の内輪との間にコイルばねを配置する構造が採用されている。また回転軸の前方端部に嵌合され回転軸が回転軸の軸線方向の後方側に必要以上に移動するのを阻止する前方側ストッパところがり軸受の内輪との間にばね性を有する環状のばね部材等を配置する構造も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の構造では、回転軸の軸線方向への振動に対処するために、リング部材とばね部材の2つの部品を用いている。しかしながら2つの部品を用いることは、回転電機の組み立て工数を増やすだけなく、回転電機の価格を上げる原因になっている。
【0004】
本発明の目的は、少ない部品点数で回転軸の軸線方向への振動に対処できる回転電機の回転軸の取付構造に関するものである。
【0005】
本発明の他の目的は、従来のファンモータよりも安価なファンモータを提供することにある。
【0006】
本発明の更に他の目的は、従来のファンモータよりも部品点数が少なくてすむファンモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ファンモータ等の回転電機の回転軸の取付構造を改良の対象とする。
【0008】
回転軸は、軸受構造部によって回転自在に支持される。この軸受構造部は、内輪と外輪との間に複数の転動体が配置されて構成され、内輪の内側に回転軸が嵌合または挿入されて回転軸を回転自在に支持する1以上のころがり軸受から構成される。一般的には、2つのころがり軸受によって軸受構造部は構成される。軸受構造部は、軸受ホルダにより保持される。軸受構造部から回転軸の軸線方向の前方側(軸線方向の一方の方向または軸受構造部に回転軸が挿入される方向と逆の方向)に突出する回転軸の前方端部には、前方側ストッパが取付けられる。この前方側ストッパは、回転軸が回転軸の軸線方向の後方側(軸線方向の他方の方向または軸受構造部に回転軸が挿入される方向)に必要以上に移動するのを阻止する。前方側ストッパは、ファンモータの場合、ロータが固定されるカップ部材の一部によって構成されてもよい。また軸受構造部から回転軸の軸線方向の後方側に突出する回転軸の後方端部に後方側ストッパが取付けられる。後方側ストッパは、回転軸が回転軸の軸線方向の前方側に必要以上に移動するのを阻止する。回転軸の後方端部には、後方側ストッパの一部が嵌合される嵌合溝が形成されている。そして後方側ストッパは、この嵌合溝に嵌合される嵌合部と軸受構造部を構成するころがり軸受の内輪と接触する接触部とを有しており、後方側ストッパは回転軸の軸線方向に圧縮されると(軸線方向の両側から挟む力が加わると)元に戻ろうとするばね力を発生する構造を有している。後方側ストッパは、嵌合溝(具体的には嵌合溝を囲む壁面)ところがり軸受の内輪との間に圧縮された状態で配置されている。
【0009】
後方側ストッパのばね力は、回転する回転軸の軸線方向への振動を抑制するように作用する。本発明では、後方側ストッパを回転軸の後方端部における所定の位置に配置するだけでよいため、少ない部品点数で回転軸の軸線方向への振動を抑制できる。その結果、回転電機の組み立て工数が少なくなって、しかも回転電機の価格を安くすることができる。
【0010】
後方側ストッパの構造は、前述のばね力を発生する構造であれば任意である。例えば、後方側ストッパは、回転軸の後方端部に嵌合される環状の本体と、環状の本体の内周部に一体に設けられて嵌合溝に嵌合される嵌合部を構成する1以上の突起片と、環状の本体の内周部に一体に設けられて環状の本体から前方側に立ち上がり、先端部に接触部を有する複数の板ばね片とを備えた構造とすることができる。このような構造の後方側ストッパは、金属製の板に機械加工を施して簡単に且つ安価に製造することができる。なおこの後方側ストッパを、複数(好ましくは3つ)の突起片が環状の本体の周方向にほぼ等しい間隔を開けて配置され、複数(好ましくは3つ)の板ばね片が環状の本体の周方向にほぼ等しい間隔を開けて配置され、複数の突起片と複数の板ばね片とが周方向に交互に配置された構造とすることができる。このような構造であれば、1回のプレス加工で後方側ストッパを製造できる。また後方側ストッパを回転軸の後方端部の嵌合溝に対して安定した状態で位置決めすることができる上、安定したばね力を確保することができる。なお環状の本体の一部には、回転軸の径方向に延び且つ本体の一部に一対の突合せ部を形成する切断部を形成しておくのが好ましい。このような切断部を形成しておけば、後方側ストッパの複数の突起片を回転軸の嵌合溝に比較的簡単に嵌合させることができる。
【0011】
また後方側ストッパは、コイルばねから構成することもできる。その場合、回転軸の後方端部に形成される嵌合溝を、回転軸の後方端部の一部分の外周を完全に囲む環状の溝から構成する。そして回転軸の環状の溝の底面を構成する部分は、後方側に位置する円柱部と該円柱部と連続し且つこの円柱部よりも前方側に位置する切頭円錐部とから構成する。その上でこの嵌合溝に嵌合されるコイルばねの輪郭の形状を、前述の円柱部の外側に位置して前記嵌合部を構成する部分の直径が内輪と接触する前記接触部を構成する部分の直径よりも小さくなる切頭円錐形状にする。すなわちコイルばねは、一端(後方側)から他端(前方側)に向かうに従って、直径寸法が徐々に大きくなる形状を有している。このような形状のコイルばねを用いると、コイルばねの回転軸の後方端部への取付が簡単である上、コイルばねをしっかりと位置決めすることができる。
【0012】
本発明を適用したファンモータは、下記のような構成になる。ファンモータは、回転軸と、内輪と外輪との間に複数の転動体が配置されて構成され、内輪の内側に回転軸が嵌合または挿入されて回転軸を回転自在に支持する2つのころがり軸受からなる軸受構造部と、2つのころがり軸受が保持される軸受ホルダと、軸受ホルダが取付けられたモータサポートと、モータサポートに固定されて複数のステータ側磁極を有するステータコアと、ステータコアに装着された複数の励磁巻線と、回転軸の軸線方向の前方側に位置する前方端部に固定されたベース壁部及びベース壁部の外周部から回転軸の軸線方向の後方側に起立する筒状の周壁部を有するカップ部材と、永久磁石からなる複数のロータ側磁極が周壁部の周方向に並ぶように周壁部の内周面に固定され、複数のステータ側磁極と対向する永久磁石ユニットと、カップ部材の周壁部の外周上に配置されて前方側または後方側に風を吐き出す複数枚のブレードを備えたインぺラと、軸受構造部から回転軸の軸線方向の前方側に突出する回転軸の前方端部に取付けられ、回転軸が回転軸の軸線方向の後方側に必要以上に移動するのを阻止する前方側ストッパと、軸受構造部から回転軸の軸線方向の後方側に突出する回転軸の後方端部に取付けられ、回転軸が前方側に必要以上に移動するのを阻止する後方側ストッパとを具備する。そして回転軸の後方端部には、後方側ストッパの一部が嵌合される嵌合溝が形成される。また後方側ストッパは、嵌合溝に嵌合される嵌合部と後方側に位置するころがり軸受の内輪と接触する接触部とを有し且つ後方側ストッパは回転軸の軸線方向と平行な方向に圧縮されると元に戻ろうとするばね力を発生する構造を有する。そして後方側ストッパは、嵌合溝を囲む壁面と内輪との間に圧縮された状態で配置される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、永久磁石電動機1を駆動源とするファンモータ3に本発明を適用した実施の形態の一例の平面図であり、図2は図1のII−II線断面図であり、図3は図2の要部の拡大図である。以下の説明において、回転軸5が後述する軸受構造部に組み立て段階で挿入される方向(図2において左側に向かう方向)を後方と言い、その反対側(図2において右側に向かう方向)を前方と言う。
【0014】
図2及び図3に示すように、電動機1の回転軸5の一端即ち後方端部7には環状の嵌合溝9が形成されている。嵌合溝9よりも後方側に位置する後方端部7の部分には後方側に向かうに従って径寸法が小さくなる向きのテ−パが付けられている。そして嵌合溝9には、抜け止め部材としての後方側ストッパ11の一部が嵌合されている。図3及び図4に示すように、後方側ストッパ11は、回転軸5の後方端部7に嵌合される環状の本体13と、環状の本体13の内周部に一体に設けられて嵌合溝9に嵌合される嵌合部を構成する3つの突起片15と、環状の本体13の内周部に一体に設けられて環状の本体13から前方側に立ち上がり、先端部に接触部を有する3つの板ばね片17とを備えている。このような構造の後方側ストッパ11は、ばね性を持つステンレス、例えばSUS301等の金属製の板にプレス加工(機械加工)を施して簡単に且つ安価に製造することができる。3つの突起片15は、環状の本体13の周方向にほぼ等しい間隔(約120度間隔)を開けて配置され、3つの板ばね片17も環状の本体13の周方向にほぼ等しい間隔(約120度間隔)を開けて配置され、突起片15と板ばね片17とは周方向に交互に(約60度間隔で)配置されている。3つの板ばね片17は、回転軸5の軸線方向に圧縮されると(軸線方向の両側から挟む力が加わると)元に戻ろうとするばね力を発生する構造を有している。
【0015】
このような構造であれば、1回のプレス加工で後方側ストッパ11を製造できる。また後方側ストッパ11を回転軸の後方端部7の嵌合溝9に対して安定した状態で位置決めすることができる上、板ばね片17が発生するばね力が安定したものとなる。なお環状の本体13の一部(1つの突起片15が形成された部分)には、回転軸5の径方向に延び且つ本体13の一部に一対の突合せ部を形成する(1つの突起片15を径方向に半分に切断する)切断部(またはスリット)19が形成されている。このような切断部19を形成しておけば、環状の本体13を切断部19の両側に広げることができるので、後方側ストッパ11の3つの突起片15を回転軸5の嵌合溝9に比較的簡単に嵌合させることができる。
【0016】
回転軸5は、回転軸5の軸線方向に並ぶ2つのボールベアリングからなるころがり軸受21及び23によって回転自在に支持されている。この例では、2つのころがり軸受21及び23によって軸受構造部が構成されている。回転軸5は、ころがり軸受21及び23の内輪21a及び23aが挿入されている。図3に2示すように、後方側ストッパ11の3つの板ばね片17の先端部(接触部)は、後方側に位置する一方のころがり軸受21の内輪21aの後方端面(軸線方向の後方側の端面)と接触している。ころがり軸受21及び23の外輪21b及び23bは、絶縁樹脂製のモータサポート25の中央部に形成された嵌合孔に嵌合または圧入された軸受ホルダ27の内部に嵌合されて保持されている。21c及び23cは、内輪21a,23aと外輪21b,23bとの間に配置された複数の転動体である。
【0017】
後方側ストッパ11は、回転軸5が軸線方向の前方側に必要以上に移動するのを阻止する。後方側ストッパ11は、嵌合溝9(具体的には嵌合溝を囲む壁面)ところがり軸受21の内輪21aとの間に圧縮された状態で配置されている。これにより後方側ストッパ11の板ばね片17のばね力は、回転する回転軸5の軸線方向への振動を抑制するように作用する。このような構造の後方側ストッパ11を用いると、後方側ストッパ11を回転軸5の後方端部7における所定の位置に配置するだけでよいため、少ない部品点数で回転軸5の軸線方向への振動を抑制できる。その結果、ファンモータの組み立て工数が少なくなって、しかもファンモータの価格を安くすることができる。
【0018】
図2に示すように、回転軸5の前方端部29即ちころがり軸受23から前方側に突出する部分には、導磁性材料からなるカップ部材31が固定されている。カップ部材31は、回転軸5の前方端部29が嵌合されて固定される筒状のボス33を中央部に備えたベース壁部35とこのベース壁部35の外周部から回転軸5の軸線方向の後方側(図2において左側またはモータサポート25が位置する側)に起立する筒状の周壁部37とを有している。この例では、ボス33が前方側ストッパを構成している。このボス33の後方側端面がころがり軸受23の内輪と接触することにより、回転軸5が軸線方向の後方側(軸線方向の他方の方向またはころがり軸受23に回転軸5が挿入される方向)に必要以上に移動するのが阻止されている。
【0019】
カップ部材31の周壁部37の内周部には、永久磁石からなる複数のロータ側磁極が周壁部37の周方向に並ぶように周壁部37の内周面に固定されてなる永久磁石ユニット39が配置されている。複数のロータ側磁極は、複数の永久磁石によって構成されていてもよいが、環状の1つの永久磁石が周方向に交互にN極とS極とに着磁されたものでもよい。カップ部材31の外側には第2のカップ部材41が嵌合されて固定されている。第2のカップ部材41の周壁部43の外周面上には複数枚のブレード(羽)45が周方向に所定の間隔をあけて固定されている。複数枚のブレード45は、回転軸5が回転したときに回転軸の軸線方向に風を吹き付けるまたは吐き出すようにその形状が定められている。この例では、第2のカップ部材41と複数のブレード45とによりインペラが構成されている。
【0020】
また軸受ホルダ27の外周部には、ステータコア47が嵌合されて固定され、これによりステータコア47がモータサポート25に固定されている。ステータコア47は、周方向に所定の間隔をあけて配置された複数の突極磁極からなるステータ側磁極49を備えている。複数のロータ側磁極の磁極面と複数のステータ側磁極49の磁極面とは回転軸5の径方向に対向している。
【0021】
ステータコア47には、絶縁樹脂からなるインシュレータ51が装着されており、ステータコア47の複数のステータ側磁極49には複数相分の励磁巻線53が巻装されている。55は、励磁巻線53の励磁電流を制御する制御回路が実装された回路基板である。モータサポート25の径方向外側には、周方向に所定の間隔をあけて配置された3本のウエブ57を介して筒状のハウジング59が配置されている。
【0022】
図5は、本発明をファンモータに適用した第2の実施の形態の平面図であり、図6は図5のVI−VI線断面図であり、図7は図6の要部の拡大図である。図5乃至図7においては、図1乃至図5に示した第1の実施の形態の構成部分と同様の部分に図1乃至図5に付した符号に100の数を加えた数の符号を付してある。第2の実施の形態は、第1の実施の形態と比べて、後方側ストッパ111の構造と、回転軸105の嵌合溝109の形状が異なる。第2の実施の形態のその他の構造は、第1の実施の形態の構造と同じである。
【0023】
第2の実施の形態では、後方側ストッパ111として、コイルばね112を用いている。そして回転軸105の後方端部107に形成された嵌合溝109は、回転軸105の後方端部107の一部分の外周を完全に囲む環状の溝から構成されている。そしてこの嵌合溝109の底面を構成する回転軸105の部分は、後方側に位置する円柱部105aとこの円柱部105aと連続し且つ円柱部105aよりも前方側に位置する切頭円錐部105bとから構成されている。図7及び図8に示すように、コイルばね112は、回転軸105に形成された円柱部105aの外側に位置する部分(嵌合部)112aの直径が、ころがり軸受121の内輪121aと接触する部分(接触部)112bの直径よりも小さくなる切頭円錐形状の輪郭形状を有している。すなわちコイルばね112は、一端(後方側)112aから他端(前方側)112bに向かうに従って、直径寸法が徐々に大きくなる形状を有している。そしてこのコイルばね112は、軸線方向に圧縮された状態で嵌合溝109を囲む壁面のうち軸線方向の後方側に位置する環状の内側壁面ところがり軸受121の内輪の後方側端面との間に配置されている。このような形状のコイルばね112を後方側ストッパとして用いると、コイルばね112の回転軸105の後方端部107への取付が簡単になる上、コイルばね112をしっかりと位置決めすることができる。
【0024】
尚、上記2つの実施の形態では、2つのころがり軸受によって軸受構造部を構成しているが、1つのころがり軸受によって軸受構造部を構成する一軸受型ファンモータにも本発明を適用できるのは勿論である。また上記の実施の形態は、アウターロータ型のファンモータに本発明を適用した例であるが、本発明はステータの内部でロータが回転するインナーロータ型のファンモータにも適用できるのは勿論である。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、後方側ストッパを回転軸の後方側端部における所定の位置に配置するだけで、少ない部品点数で回転軸の軸線方向への振動を抑制することができ、回転電機の組み立て工数が少なくなって、しかも回転電機の価格を安くすることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 永久磁石電動機を駆動源とするファンモータに本発明を適用した実施の形態の一例の平面図である。
【図2】 図1のII−II線断面図である。
【図3】 図2の要部の拡大図である。
【図4】 図1の実施の形態で用いる後方側ストッパの平面図である。
【図5】 永久磁石電動機を駆動源とするファンモータに本発明を適用した第2の実施の形態の一例の平面図である。
【図6】 図5のVI−VI線断面図である。
【図7】 図6の要部の拡大図である。
【図8】 (A)及び(B)は図5の実施の形態において後方側ストッパとして用いるコイルばねの平面図及び正面図である。
【符号の説明】
1 永久磁石電動機
3 ファンモータ
5 回転軸
7 後方端部
9 嵌合溝
11 後方側ストッパ
21,23 ころがり軸受
21a 内輪
Claims (4)
- 回転電機の回転軸の取付構造であって、
内輪と外輪との間に複数の転動体が配置されて構成され、前記内輪の内側に前記回転軸が嵌合されて前記回転軸を回転自在に支持する1以上のころがり軸受からなる軸受構造部と、
前記軸受構造部が保持される軸受ホルダと、
前記軸受構造部から前記回転軸の軸線方向の前方側に突出する前記回転軸の前方端部に取付けられ、前記回転軸が前記回転軸の軸線方向の後方側に必要以上に移動するのを阻止する前方側ストッパと、
前記軸受構造部から前記回転軸の軸線方向の後方側に突出する前記回転軸の後方端部に取付けられ、前記回転軸が前記回転軸の軸線方向の前方側に必要以上に移動するのを阻止する後方側ストッパとを具備し、
前記回転軸の前記後方端部には、前記後方側ストッパの一部が嵌合される嵌合溝が形成され、
前記後方側ストッパは、前記嵌合溝に嵌合される嵌合部と前記軸受構造部を構成する前記ころがり軸受の前記内輪と接触する接触部とを有し且つ前記後方側ストッパは前記回転軸の軸線方向に圧縮されると元に戻ろうとするばね力を発生する構造を有し、
前記後方側ストッパが前記嵌合溝と前記内輪との間に圧縮された状態で配置されており、
前記後方側ストッパは、
前記回転軸の前記後方端部に嵌合される環状の本体と、
前記環状の本体の内周部に一体に設けられて前記嵌合溝に嵌合される前記嵌合部を構成する複数の突起片と、
前記環状の本体の前記内周部に一体に設けられて前記環状の本体から前記前方側に立ち上がり、先端部に前記接触部を有する複数の板ばね片とからなり、
複数の前記突起片が前記環状の本体の周方向にほぼ等しい間隔を開けて配置されており、
複数の前記板ばね片が前記環状の本体の前記周方向にほぼ等しい間隔を開けて配置されており、
前記複数の突起片と前記複数の板ばね片とは前記周方向に交互に配置されていることを特徴とする回転電機の回転軸の取付構造。 - 前記環状の本体の一部には、回転軸の径方向に延び且つ前記本体の一部に一対の突合せ部を形成する切断部が形成されている請求項1に記載の回転電機の回転軸の取付構造。
- 回転軸と、
内輪と外輪との間に複数の転動体が配置されて構成され、前記内輪の内側に前記回転軸が嵌合されて前記回転軸を回転自在に支持する2つのころがり軸受からなる軸受構造部と、
前記2つのころがり軸受が保持される軸受ホルダと、
前記軸受ホルダが取付けられたモータサポートと、
前記モータサポートに固定されて複数のステータ側磁極を有するステータコアと、
前記ステータコアに装着された複数の励磁巻線と、
前記回転軸の軸線方向の前方側に位置する前方端部に固定されたベース壁部及び前記ベース壁部の外周部から前記回転軸の軸線方向の後方側に起立する筒状の周壁部を有するカップ部材と、
永久磁石からなる複数のロータ側磁極が前記周壁部の周方向に並ぶように前記周壁部の内周面に固定され、前記複数のステータ側磁極と対向する永久磁石ユニットと、
前記カップ部材の前記周壁部の外周上に配置されて前記前方側または前記後方側に風を吐き出す複数枚のブレードを備えたインぺラと、
前記軸受構造部から前記回転軸の前記軸線方向の前記前方側に突出する前記回転軸の前記前方端部に取付けられ、前記回転軸が前記回転軸の軸線方向の前記後方側に必要以上に移動するのを阻止する前方側ストッパと、
前記軸受構造部から前記回転軸の軸線方向の前記後方側に突出する前記回転軸の後方端部に取付けられ、前記回転軸が前記前方側に必要以上に移動するのを阻止する後方側ストッパとを具備し、
前記回転軸の前記後方端部には、前記後方側ストッパの一部が嵌合される嵌合溝が形成され、
前記後方側ストッパは、前記嵌合溝に嵌合される嵌合部と前記後方側に位置する前記ころがり軸受の前記内輪と接触する接触部とを有し且つ前記後方側ストッパは前記回転軸の軸線方向と平行な方向に圧縮されると元に戻ろうとするばね力を発生する構造を有し、
前記後方側ストッパが前記嵌合溝を囲む壁面と前記内輪との間に圧縮された状態で配置されており、
前記後方側ストッパは、
前記回転軸の前記後方端部に嵌合される環状の本体と、
前記環状の本体の内周部に一体に設けられて前記嵌合溝に嵌合される前記嵌合部を構成する3つの突起片と、
前記環状の本体の前記内周部に一体に設けられて前記環状の本体から前記前方側に立ち上がり、先端部に前記接触部を有する3つの板ばね片とからなり、
3つの前記突起片が前記環状の本体の周方向にほぼ等しい間隔を開けて配置されており、
3つの前記板ばね片が前記環状の本体の前記周方向にほぼ等しい間隔を開けて配置されており、
前記3つの突起片と前記3つの板ばね片とが前記周方向に交互に配置されていることを特徴とするファンモータ。 - 前記環状の本体の一部には、回転軸の径方向に延び且つ前記本体の一部に一対の突合せ部を形成する切断部が形成されている請求項3に記載のファンモータ。
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