JPH05160452A - 定膜厚型ジョセフソン素子の作製方法 - Google Patents

定膜厚型ジョセフソン素子の作製方法

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JPH05160452A
JPH05160452A JP3348966A JP34896691A JPH05160452A JP H05160452 A JPH05160452 A JP H05160452A JP 3348966 A JP3348966 A JP 3348966A JP 34896691 A JP34896691 A JP 34896691A JP H05160452 A JPH05160452 A JP H05160452A
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JP
Japan
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thin film
superconducting
oxide superconducting
region
josephson
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Withdrawn
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JP3348966A
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English (en)
Inventor
Satoshi Tanaka
聡 田中
Michitomo Iiyama
道朝 飯山
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特性の再現性に優れた定膜厚型ジョセフソン
素子の作製方法を提供する。 【構成】 基板1上に、所定の厚さの薄い酸化物超電導
薄膜2を成膜する工程と、該薄い酸化物超電導薄膜3を
収束イオンビームで走査することにより、該薄い酸化物
超電導薄膜3の所定の領域を非超電導化して非超電導領
域3bを形成する工程と、該非超電導領域3bを含む薄
い酸化物超電導薄膜3上に、所定の厚さの厚い酸化物超
電導薄膜2を堆積させる工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、定膜厚型ジョセフソン
素子の作製方法に関する。より詳細には、本発明は、酸
化物超電導体薄膜により形成された定膜厚型ジョセフソ
ン素子の新規な作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られていた超電導材料は一般にヘ
リウムの液化温度以下の極低温でしか超電導体にならな
かったので、これを実用的に利用できる分野は非常に限
られていた。しかしながら、1986年に[La,Ba]2CuO4
るいは[La,Sr]2CuO4 等の複合酸化物焼結体が高い臨界
温度を有する超電導材料であることが報告されて以来、
Y−Ba−Cu−O系あるいはBi−Ca−Sr−Cu−O系等の複
合酸化物が極めて高い温度範囲で超電導特性を示すこと
が次々に確認された。このような高い温度で超電導特性
を示す材料は廉価な液体窒素を冷却媒体として使用する
ことができるので、超電導技術の応用が俄かに現実的な
課題として検討されるようになってきている。
【0003】超電導現象を利用した最も基本的な電子素
子のひとつとしてジョセフソン素子が知られている。ジ
ョセフソン素子は、所謂ジョセフソン結合を介した1対
の超電導電極により構成されており、クーパー対のトン
ネル効果であると言われている直流ジョセフソン効果
や、離散的な電圧/電流特性を示す交流ジョセフソン効
果等の独特の特性を有している。
【0004】ジョセフソン素子は、その構造によりマイ
クロブリッジ型、トンネル型、ポイントコンタクト型等
種々の構成が知られているが、何れの構造の場合にも、
良好な特性が得られるジョセフソン結合の形成は非常に
難しい。その理由は、有効なジョセフソン効果が現れる
ようなジョセフソン結合を形成するためには、超電導材
料のコヒーレンス長の数倍程度という極めて微細な加工
技術が必要になるからである。
【0005】図2は、上述のようなジョセフソン素子の
典型的な構造のひとつである定膜厚型ジョセフソン素子
の素子構造を示す斜視図である。
【0006】同図に示すように、この素子は、基板1と
基板1上に堆積された酸化物超電導薄膜2とから構成さ
れている。但し、図中において、太い斜線で示されてい
る領域は、何らかの方法で超電導電流が流れないように
処理されている非超電導領域2bである。従って、1対
の非超電導領域2bにより挟まれた部分では、超電導電
流路としての酸化物超電導薄膜2の実効的な幅が狭くな
っており、この部分がジョセフソン接合として機能す
る。
【0007】なお、上述のような非超電導領域2bを形
成する方法としては、酸化物超電導薄膜を成膜した上
で、非超電導化する領域に対してイオン注入するあるい
はエッチングする等の方法が知られている。特にイオン
注入により作製する場合、薄膜を物理的に加工する工程
なしに作製することができるので作製工数が少なく、ま
た、表面が平坦なので、他の素子との整合性や多層回路
への適用が容易である等の有利な特徴を備えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、イオン
注入により非超電導領域を形成する方法では、注入イオ
ンの散乱による非超電導領域の予想外の拡大等により、
ジョセフソン接合を形成するための微細加工が難しく所
期の特性を発揮するようなジョセフソン素子を作ること
ができないという問題があった。
【0009】そこで、本発明は、上記従来技術の問題点
を解決し、所望の特性を再現性良く実現することができ
るような定膜厚型ジョセフソン素子の新規な作製方法を
提供することをその目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明に従うと、
一定の膜厚を有する酸化物超電導薄膜により形成され、
特定の区間において超電導電流路の幅を変化させること
により形成されたジョセフソン接合を含む定膜厚型ジョ
セフソン素子の作製方法であって、基板上に、薄い所定
の厚さの酸化物超電導薄膜を成膜する工程と、該薄い酸
化物超電導薄膜を収束イオンビームで走査することによ
り、該薄い酸化物超電導薄膜の所定の領域を非超電導化
する工程と、該非超電導化された領域を含む酸化物超電
導薄膜上に、厚い所定の厚さの酸化物超電導薄膜を堆積
させる工程とを含むことを特徴とする定膜厚型ジョセフ
ソン素子の作製方法が提供される。
【0011】
【作用】本発明に係る超電導素子の作製方法は、一旦、
薄い酸化物超電導薄膜にイオン注入を行った後に、この
イオン注入により非超電導領域の形成された酸化物超電
導薄膜上に更に酸化物超電導薄膜を堆積させるプロセス
をその主要な特徴としている。
【0012】即ち、酸化物超電導薄膜に対してイオン注
入を行う場合、イオン注入は薄膜の表面から行われるの
で、特に膜厚方向に注入イオンの分布が生じ、この分布
のために非超電導領域の形状の制御性が低下していた。
【0013】これに対して、本発明に係る方法において
は、まず、薄い酸化物超電導薄膜に対してイオン注入を
行って所定の形状の非超電導領域を形成した後、この非
超電導領域を含む薄い酸化物超電導薄膜上に更に酸化物
超電導薄膜を堆積させる。
【0014】このような方法によれば、イオン注入は、
薄い薄膜に対して行われるので、注入イオンの分布は実
質的に生じない。また、このようにして形成された非超
電導領域を含む酸化物超電導薄膜上に更に酸化物超電導
薄膜を堆積させた場合、新たに形成された酸化物超電導
薄膜は、成膜時の下地の影響を受けて、非超電導領域上
では非超電導化される。従って、最初に薄い超電導薄膜
中に形成された非超電導領域の形状が、後から成膜され
た厚い超電導薄膜中に正確に反映される。
【0015】尚、上記本発明に係る方法において、 "薄
い" 酸化物超電導薄膜とは、膜厚が5nm〜50nmの酸化物
超電導薄膜を意味している。即ち、下地となる酸化物超
電導薄膜の膜厚がこれよりも薄い場合は、下地層として
の機能が充分に発揮されなくなる。また、膜厚がこれよ
りも厚い場合は、膜内に膜厚方向の注入イオンの分布が
生じる。また、最終的に形成される酸化物超電導薄膜全
体の膜厚は、そのジョセフソン素子の用途により適宜決
定される。
【0016】以上のような特徴を備えた本発明に係る方
法は、酸化物超電導薄膜を使用した定膜厚型ジョセフソ
ン素子の作製一般に適用することができるが、特に特に
好ましい超電導材料として、Y1Ba2Cu3 7-X 、Bi2Sr2
Ca2Cu3x 、Tl2Ba2Ca2Cu3x 等を例示することができ
る。
【0017】また、基板材料としては、MgO(100)
基板、SrTiO3 (110)基板、YSZ基板等を有利な
ものとして例示することができるが、これに限定される
わけではなく、例えば、成膜面に適切なバッファ層を装
荷したSi基板等も使用することができる。
【0018】以下、本発明をより具体的に説明するが、
以下の開示は本発明の一実施例に過ぎず、本発明の技術
的範囲を何ら限定するものではない。
【0019】
【実施例】図1は、本発明に係る定膜厚型ジョセフソン
素子の作製方法を工程毎に示す図である。
【0020】図1(a) に示すように、表面の平坦な基板
1を用意し、図1(b) に示すように、この基板1上に、
薄い酸化物超電導薄膜3を成膜する。次に、図1(c) に
示すように、薄い酸化物超電導薄膜3の特定の領域を収
束イオンビームによって走査し、非超電導領域3bを形
成する。続いて、上記のようにして非超電導領域3bを
形成された薄い酸化物超電導薄膜3上に、厚い酸化物超
電導薄膜2を成膜する。
【0021】以上のようにして作製した定膜厚型ジョセ
フソン素子においては、酸化物超電導薄膜2および3内
で、厚さ方向に同じ形状で成長した非超電導領域2bが
形成される。従って、超電導領域2a、3aについてみ
ると、超電導電流の電流路としての幅が変化したジョセ
フソン接合が形成される。
【0022】〔作製例〕MgO(100)基板とY1Ba2Cu
37-x 薄膜とにより、本発明の方法で定膜厚型ジョセ
フソン素子を作製した。
【0023】まず、15mm×8mm、厚さ 0.5mmのMgO(1
00)基板を用意し、スパッタリング法により薄いY1B
a2Cu37-x 薄膜を堆積させた。成膜条件は、下記の表
1に示す通りである。
【0024】
【表1】
【0025】続いて、上記のようにして成膜した薄いY
1Ba2Cu37-x 薄膜に対して収束イオンビームを照射し
て、ジョセフソン接合部の超電導領域の幅が 100nmにな
るように非超電導領域を形成した。尚、照射した収束イ
オンビームの仕様は下記の表2に示す通りである。
【0026】
【表2】
【0027】最後に、上記非超電導領域を形成された薄
いY1Ba2Cu37-x 薄膜上に、やはりスパッタリング法
により厚いY1Ba2Cu37-x 薄膜を成膜した。成膜条件
は、下記の表3に示す通りである。
【0028】
【表3】
【0029】以上のようにして作製した定膜厚型ジョセ
フソン素子を液体窒素により冷却下してマイクロ波を印
加したところ、交流ジョセフソン効果を確認することが
できた。
【0030】
【発明の効果】以上詳述の如く、本発明に従う作製方法
によれば、厚さ方向の注入イオン分布がない定膜厚型ジ
ョセフソン素子を作製することができる。このような定
膜厚型ジョセフソン素子は、所期の仕様が正確に反映さ
れた特性を発揮するので、各種センサや回路素子として
有利に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る定膜厚型ジョセフソン素子の作製
方法を工程毎に示す図である。
【図2】定膜厚型のジョセフソン素子の典型的な構成を
示す図である。
【符号の説明】
1 基板、2 厚い酸化物超電導薄膜、3 薄い
酸化物超電導薄膜、2a、3a 超電導領域、
2b、3b 非超電導領域

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一定の膜厚を有する酸化物超電導薄膜によ
    り形成され、特定の区間において超電導電流路の幅を変
    化させることにより形成されたジョセフソン接合を含む
    定膜厚型ジョセフソン素子の作製方法であって、 基板上に、所定の厚さの薄い酸化物超電導薄膜を成膜す
    る工程と、 該薄い酸化物超電導薄膜を収束イオンビームで走査する
    ことにより、該薄い酸化物超電導薄膜の所定の領域を非
    超電導化する工程と、 該非超電導化された領域を含む酸化物超電導薄膜上に、
    所定の厚さの厚い酸化物超電導薄膜を堆積させる工程と
    を含むことを特徴とする定膜厚型ジョセフソン素子の作
    製方法。
JP3348966A 1991-12-06 1991-12-06 定膜厚型ジョセフソン素子の作製方法 Withdrawn JPH05160452A (ja)

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